JPH0737472B2 - テクネチウム−99mの陽イオン錯体 - Google Patents
テクネチウム−99mの陽イオン錯体Info
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Description
して有用なテクネチウム−99m(Tc-99m)の陽イオン錯
体に関する。
によつて診断剤または治療剤として使用される。従つ
て、それらの有用性は薬理作用に基づいていない。臨床
的に用いられるこの種の薬剤の大部分は、その配位リガ
ンドの物理的又は代謝的特性ゆえに、静脈注射後に特定
の器官に局在化するガンマ線放出核種を組み入れた診断
剤である。形成される画像は器官の構造又は機能を反映
することができる。これらの画像は放射性分子によつて
放出される電離性放射線の分布を検出するガンマカメラ
によつて得られる。臨床診断核医学の分野で最近用いら
れる主なアイソトープは準安定性テクネチウム−99m(t
1/2 6時間)である。
nは2である)の中性2座配位リガンドが、99Tcおよび
99mTc〔1〕と一緒になつて、十分に特性決定された安
定な陽イオン錯体を形成することはすでに確立されてい
る。米国特許第4481184号、同第4387087号、同第448905
4号、同第4374821号、同第4451450号、および同第45267
76号を含めたいくつかの特許は、配位原子が主としてア
ルキルおよび/またはアリール置換基をもつリンもしく
はヒ素である種々のリガンド物質を開示している。
2座配位供与リガンドに関し、Tc-99mの陽イオン錯体が
これらのリガンドから構成される。この種の錯体はエー
テル結合を含まない類似錯体よりも優れた身体のイメー
ジング剤(特に心臓の造影剤)として使用しうる驚くべ
き諸性質を示すことが分かつた。
か又は相異なり、それぞれH又は3個までのエーテル酸
素原子を含みうる飽和フツ化炭化水素(フルオロハイド
ロカーボン)もしくはC1-C8飽和炭化水素基であり、そ
してZは3個までのエーテル酸素原子を含みうる飽和フ
ツ化炭化水素基もしくはC1-C8飽和炭化水素基少なくと
も1個で置換されていてもよい−CC−、−CCC−または
−COC−鎖、もしくはo−フエニレンである、但しリガ
ンドは少なくとも1個の−COC−エーテル結合を含む)
で表されるリガンドを開示する。好ましくは、そのリガ
ンドは2個または3個の−COC−エーテル結合を含有す
る。
和炭化水素基の例は以下のものである: アルキル シクロヘキシル アルコキシ アルコキシアルキル アルコキシアルコキシアルキル アルコキシアルコキシアルコキシアルキル −CH2OC(CH3)2OCH2− −CH2CH2OCH2CH2− 2-テトラヒドロフリル 飽和フルオロハイドロカーボン基は、例えば1もしくは
2以上の水素原子がフツ素原子で置換されている上記の
化合物のどれであつてもよい。
ましくはH又はC1-C4アルコキシで置換されていてもよ
いC1-C4アルキルである。エーテル酸素原子を1つも含
まない基Yは好ましくはH、メチル、又はエチルであ
る。Zは好ましくはC1-C4アルコキシ又はアルコキシア
ルキルもしくはスピロ環式エーテルで置換されていても
よい−CC−、−CCC−又は−COC−鎖である。
CCC−鎖であり、各YはH又はメチルであり、そして1
個以上のメトキシ置換基が1個以上の基Yに結合される
か、あるいは1個以上のメトキシメチル基又は−COC−
スピロ環式エーテル基がZの炭素原子に結合される。
9mとの陽イオン錯体を提供する。この陽イオン錯体は好
ましくは次式: 〔Tc(NO)nXmL2〕+A-および 〔TcL3〕+A- (各式中、XはTcの単座リガンドであり、Aは陰イオン
であり、nは1又は2であり、mはそれに対応して1又
は0であり、そしてLはリガンドである)から選ばれる
式を有する。
一般にはF、Cl、Br又はIのようなハライド、あるいは
SCN、N3、CN又はRSのようなプソイドハライドである。
Aは性質が限定されない陰イオンであるが、有利にはX
に対して示したものから選ばれる。
を含むことにより特徴づけられる。これは2個のヒ素原
子又はリン原子を連結する−COC−鎖によつて提供され
得る。より一般的には、エーテル結合は1個以上の基Y
およびZ上のアルコキシ又はアルコキシアルキル置換基
によりもたらされる。好ましくは、Zは−CC−又は−CC
C−鎖であり、各YはH又はメチルであり、そして1個
以上のメトキシ又はメトキシメチル置換基が1個以上の
基Y又はZに結合される。いろいろな置換形体が考えら
れる。例えば、 a) 1個又は複数でありうる主鎖置換、例えば: b) 非対称的又は対称的でありうるリン官能化、例え
ば: c) リン原子および主鎖での混合官能化 d) スピロ環型、例えば: これらの例のすべてにおいて、PはAsと置き換えること
ができる。
錯体は心臓のイメージング剤として興味をそそる。基Y
およびZの大きさ、並びにアルコキシ、アルコキシアル
キル又はスピロ環式エーテル置換基の数および大きさ
は、この目的のために(あるいは錯体が用いられる他の
目的のために)所望の程度に錯体を脂肪親和性とするよ
うに選ばれる。しかし、エーテル結合は所望の親水性/
親油性バランスをとるためにだけ存在するのではない。
驚いたことに、エーテル結合をもつリガンドから形成さ
れた錯体は、エーテル結合のない対応リガンドから形成
された同程度に疎水性の錯体よりも著しく高い心臓での
取込みを示すことが判明した。リガンド中のエーテル結
合は、非置換類似体と比較したとき、バツクグラウンド
比に対して標的器官をよい結果へ至らしめるのに不可欠
な血液および肝臓クリアランスの増加をもたらすことに
より、Tc-99m錯体の生物学的挙動を変更すると考えられ
る。
適な陽イオン錯体は次式で表される: a) 〔Tc(NO)XL2〕+A- 式中、XはTcの単座リガンドであり、Aは陰イオンであ
り、そしてLは次式のリガンドである。
が、本発明者らは機構について考えうる説明として次の
事を提案する。一般に、構造の類似した化合物の場合
は、脂肪親和性とタンパク質結合との間に関連がある。
脂肪親和性の高い化合物は脂肪親和性の低い化合物より
もタンパク質により強く結合する。99mTc陽イオンの場
合、高タンパク質結合の結果は、それらが循環系中に長
時間滞まるということである。従つて、注射後の適当な
画像形成時における心筋の像が血液プール活性によつて
見えにくくなる。より高度に脂肪親和性の陽イオンにお
いて一般的に観察される別の傾向は、肝臓胆管系からの
クリアランスが遅いということである。従つて、心臓の
画像形成は肝臓活性によつて妨害される。99m Tc錯体の親水性を実質的に高めると、タンパク質結
合を下げる望ましい結果が得られるが、心臓の取込みも
減少する。しかしながら、心臓の取込みを保持しつつ、
タンパク質結合を排除又は十分に弱めて血液からの速や
かなクリアランスを可能にする中程度の脂肪親和性の範
囲が存在すると思われる。
よりも上位であると思われる。この予備知識を用いて、
分子中の炭化水素基の親油性効果を平衡化する酸素置換
基の付加的な親水性効果により、必要とされる親油性/
親水性バランスを達成することが可能である。
のが容易ではない。それらは有毒であり、化合物又はそ
れらの前駆物質はしばしば空気中で自然発火し、そして
それらの製造は往々にして爆発の危険を伴い、また反応
を制御するのが困難である。反応条件は副反応の危険を
避けるために注意深く選択する必要がある。以下の反応
式を利用することができる: A.MeP(CH2OMe)-(CH2)2-P(Me)(CH2OMe) この反応経路は各P原子(又はAs原子)においてモノ置
換された他の対称リガンドを製造する際に使用できる。
ノ置換された他の非対称リガンドを製造する際に使用で
きる。
又はスピロ環式エーテルで置換された他のリガンドを製
造する際に利用できる。
12でより詳細に説明する。
り製造しうる。例えば、 式〔TcX2L2〕+A-の錯体は米国特許第4387087号および同
第4489054号に記載の方法により製造できる。
2号に記載の方法により製造できる。
法により製造できる。
素雰囲気下で行つた。溶媒は使用前に乾燥して、窒素パ
ージ又は凍結/解凍サイクルによりガス抜きした。試薬
BrCH2OMeおよびClCH2-OMeはAmersham社から購入し(BrC
H2OMeおよびClCH2OMeは使用前に蒸留した)、凍結/解
凍サイクルにより脱酸素を行つた。MeLiはジエチルエー
テル中でMeClから製造し、そしてジエチルエーテル溶液
として概算して使用した。アンモニアはナトリウムから
の蒸留により乾燥した。ホスフインMePH-(CH2)2-HPMe
〔文献1〕およびMe2P-PMe2〔文献2〕はすでに確立さ
れた方法により製造した。Me2P(CH2)2P(H)Me〔文献3〕
はMe2P(CH2)2PH2〔文献4〕から製造した。用いた略号
はTHF=テトラヒドロフラン;R.T.=周囲温度;エーテル
=ジエチルエーテル=Et2O;Me=メチルである。
の三つ口丸底フラスコに、THF 35ml中のホスフインMe2P
H-(CH2)2-PHMe6.76g(5.53×10-2モル)を移した。MeLi
(エーテル溶液中11.67×10-2モル)を滴下漏斗に入
れ、室温で攪拌しながらホスフインに滴下した。その際
淡黄色になつた。滴下漏斗は10mlのTHFで洗い、THF 20m
l中のBrCH2OMe13.83g(11.07×10-2モル)を入れた。こ
の反応フラスコを−78℃に冷却し、BrCH2OMeの溶液を攪
拌しながら滴下し、この温度で1時間かきまぜ、その後
室温まで温めた。得られた懸濁液を加水分解し、有機層
を分離して硫酸マグネシウムで一晩乾燥させた。乾燥し
た有機層は蒸留した。温度が徐々に上昇するにつれて、
エーテルがTHFと共に38〜70℃で蒸留された。最後に、
生成物が無色の液体として動的真空(約0.1mmHg)下に7
4〜82℃で蒸留された。収量=2.96g(25.5%) 実施例2. Me2P-(CH2)2-P(Me)(CH2OMe) (前記反応式Bを参照) 方法1. ドライアイス冷却器(N2流入−流出系として頂部にT−
アダプターを有する)、均圧滴下漏斗および電磁攪拌機
を備えた250mlの三つ口丸底フラスコ中で無水アンモニ
ア液約150mlを凝縮させた。
2)2-PHMe2.06g(1.51×10-2モル)を反応フラスコに移
した。必要量のMeLi(1.51×10-2モル)を滴下漏斗から
ホスフインに滴下した。その際深橙色になつた。滴下漏
斗は10mlのエーテルで洗い、エーテル20ml中のClCH2OMe
1.22g(1.51×10-2モル)の溶液を入れた。この溶液を
深橙色が消失するまで反応混合物に滴下した。この反応
混合物を室温まで温め、アンモニアを蒸発させた後約50
mlのエーテルを加え、生じたスラリーを加水分解した。
エーテル層を分離して硫酸マグネシウムで一晩乾燥させ
た。乾燥したエーテル層は蒸留し、エーテルの留去後生
成物を無色の液体として動的真空(0.1mmHg)下に約80
℃で蒸留した。収量=0.61g(22.5%) 方法2. 注意:出発ホスフインMe2P-(CH2)2-PHMeに少量のMe2P-
(CH2)2-PMe2が混じつているとき、エーテル中でMeLiと
反応させて塩Me2P-(CH2)2-PMeLiを析出させ、一方Me2P-
(CH2)2-PMe2を溶液中に残存させ、これらを分離するこ
とによつて精製した。
ダプターを有する)、均圧滴下漏斗および電磁攪拌機を
備えた500mlの三つ口フラスコに、エーテル30ml中のホ
スフインMe2P-(CH2)2-PHMe4.9g(3.6×10-2モル)を移
した。このホスフイン溶液にMeLi(エーテル中3.6×10
-2モル)を滴下漏斗から加えた。沈殿が直ちに生じなか
つたので、沈殿が生じたときには大部分のエーテルが蒸
発した。残りの溶液を去し、沈殿物を10mlずつのエー
テルで2回洗つた。その後、反応フラスコを−78℃に冷
却し、約200mlの無水アンモニア液を反応フラスコへ凝
縮させた。沈殿した無色の固体はアンモニア液と接触し
た際に橙色のスラリーを形成した。滴下漏斗を10mlずつ
のエーテルで洗い、エーテル20ml中のClCH2OMe2.9g(3.
60×10-2モル)の溶液を加えた。攪拌した橙色スラリー
にその色が消失するまで前記溶液を滴下した。この反応
混合物を室温まで温め、すべてのアンモニアが蒸発した
後にエーテル約50mlを加え、生じたスラリーを加水分離
した。エーテル層を分離し、硫酸マグネシウムで一晩乾
燥させた。乾燥したエーテル層を蒸留し、エーテルの除
去後生成物を約80℃/動的真空(0.1mmHg)で無水の液
体として蒸留した。この生成物は極少量の水を含んでい
たので、それをKOHで4時間乾燥させて再蒸留を行つ
た。収量=1.7g(26%) 文献 1.バーク(M.BaaKe)、ステルザー(O.Stelzer)および
レイ(V.Wray)、Chem.Ber.,113、1356(1980)を参
照;あるいはメタノール又はエタノール中のH2P(CH2)2P
H2にMeI(2モル当量)を加え、続いてジスホスホニウ
ム塩〔Me2P(H2)-(CH2)2-P(H2)Me〕2+.2I-を単離し、そ
して中和により遊離のジ第二ホスフインを製造する。
3)を参照。
Me2P(CH2)2PH2からプロトンを除去し、その後MeIの添加
により第三−第二ホスフインを形成させることにより製
造する。
J.Amer.Chem.Soc.,97、46(1975)を参照。タイラー
(R.C.Taylor)およびウオルターズ(D.B.Walters)、I
norg.Synth.,1973、14、10を参照。1 H NMRデータ(360MHz)1 H NMRスペクトルは360MHzで作動するBruker WH 360で
記録し、そして溶媒として用いたC6D6のプロトン不純物
を基準として用いた。
(m) 1310(w) 1280(w) 1180(m) 1090(s) 950
(m) 700(m) B.実施例1および2のリガンドの陽イオンテクネチウム
−99m錯体の合成および特性 実施例3. 〔TcX2L2〕+テクネチウムIIIジスホスフインジハライド
錯体 物質 EGTA 8mg NaCl 120mg FeCl 3mg/L 6μl/EtOH 1ml99m -TcO4 -Na発生器溶出液(1.49GBq/ml) 1.1ml これらの成分をN2下で密封したガラスバイアルに入れ、
120℃を70分間加熱し、これに50%EtOH=食塩水3mlおよ
び1MKHCO30.15mlを加えた。最終pH=6。得られた溶液
はいろいろな分析にかけ、以下の結果を得た。
を含まず、テクネチウム錯体が約95%の収率で溶液中に
存在することを示した。
rf=−0.53(−は陰極への移動を示す)。
出された。
で1時間加熱した。粗調製物をHPLC精製にかけ、主要成
分(保持時間6.3分)を集め、残りのTHFをすべて除去
し、そして得られた溶液を通常の方法で分析した。この
物質の試料は動物の生体分布試験にかけた。最終pH=7.
4。
所望の物質が約85%の収率で存在することを示した。
0.75(−は陰極への移動を示す。) HPLCデータ この錯体は約6.3分の保持時間で単一バンドとして溶出
された。
で30分間加熱した。その後、この溶液を66%食塩水/エ
タノール3mlで希釈し、0.1M HClでpH6に調整した。得ら
れた溶液をクロマトグラフイー分析および動物の生体分
布試験にかけた。
ウムコロイドを含まず、所望の物質が約90%の収率で溶
解状態で存在することを示した。
0%の少量の成分が約6分で溶出された)。
で1時間加熱した。粗調製物をその後HPLC精製にかけ、
主要成分(保持時間6.5分)を集め、残りのTHFをすべて
除き、そして得られた溶液を通常の方法で分析した。こ
の物質の試料は動物の生体分布試験にかけた。最終pH=
7.4。
遊離のTcO4 -を含まず、所望の物質が約95%の収率で存
在することを示した。
rf=−0.78(−は陰極への移動を示す。) HPLCデータ この錯体は約6.5分の保持時間で単一バンドとして溶出
された。
で30分間加熱した。この溶液のpHを0.1M HClで7〜8に
調整した。その後、得られた溶液をクロマトグラフイー
分析および動物の生体分布試験にかけた。
チウムコロイドを含まず、目的物質が約95%の収率で溶
解状態で存在することを示した。
%の少量の成分が約4.5〜6分で溶出された)。
ノ)エタン(dmpe)は公知であり、種々のTc-99m錯体が
心臓のイメージング剤としての用途を提案された。以下
の表VIIIおよびVIIIは、2種類の従来技術の錯体の生体
分布データと、実施例4、5、6および7の錯体(実施
例1および2のリガンドから誘導したもの)に関する上
記データとの比較を示す。これらの表から次のような結
論が導き出された。
は: i) 2分および60分での有意に高い心臓取込みおよ
び貯留; ii) 60分での低下した肝臓貯留; iii) 60分での有意に高い心臓/肝臓比; を示した。
は: i) 2分および60分での増大した心臓取込みおよび
貯留; ii) 60分での一層低い肝臓貯留; iii) 60分での良好な心臓/血液、心臓/筋肉および
心臓/肝臓比; を示した。
向を示した。
920,117,515)によつて調製された。
(5g)の溶液に−70℃でn−ブチルリチウムの溶液(2.
5Mヘキサン中)を少しづつホスフイドアニオンの生成が
完了するまで(31PNMRスペクトルで監視しながら)添加
した。その混合液を−70℃で10分間撹拌し、そしてビス
(ブロモメチル)エーテル(5g)を加えた。混合液を室
温まで緩めて、その温度で数時間の間撹拌した。生成し
た混合を希塩酸(2M)で抽出して、そしてその水性の抽
出液を一緒にしてジエチルエーテルで洗浄した。水性の
層を水酸化ナトリウム(30%)水溶液で少し塩基性にし
て、そしてクロロホルムで抽出した。クロロホルムの層
から減圧下(40℃、150mmHg)で溶媒を除去して実質的
に純粋なジホスフイン(2.8g)を得た。
シメチル)プロパンの調製 i. 1,3−ジブロモ−2,2−ビス(メトキシメチル)プロ
パン 2,2−ビス(ブロモメチル)プロパン−1,3−ジオール
(100g)に炭酸水素カリウム(80g)及びジメチル硫酸
塩(170g)を加えた。混合液を撹拌し、100℃まで加熱
した。この温度で約30分後反応は非常に激しくなる(注
意)。更に2時間の加熱と撹拌の後には、混合液は粘度
が非常に高くなる。混合液を冷却し、炭酸水素ナトリウ
ムを加えて少し塩基性にし、そしてクロロホルム(4×
200cm3)で抽出した。クロロホルム抽出液を一緒にし
て、溶媒を減圧下で除去して粗生成物を得た。減圧下で
の蒸留を繰り返すと無色の液体(0.1mmHgでの沸点65-70
℃)として純粋な生成物(25g)を得た。
1.0(×2) ii. 1,3−ビス(ジメチルホスフイニル)−2,2−ビス
(メトキシメチル)プロパン 撹拌下の無水ジエチルエーテル(150cm3)中のジメチル
ホスフイン(24cm3)の溶液に−40℃でn−ブチルリチ
ウムの溶液(44cm3、2.5Mヘキサン中)を加えた。約30
分後に温度を20℃まで上げ、1,3−ジブロモ−2,2−ビス
(メトキシメチル)プロパン(15g)を加えて、発熱反
応を起させた。反応混合物を室温まで暖めて、そして一
夜の間撹拌した。エーテー溶液を希塩酸(2M)で数回抽
出し、水性抽出液を一緒にして水酸化ナトリウム水溶液
で塩基性にして、そして遊離のホスフイン類をクロロホ
ルムで抽出した。NMRスペクトル分析により、所望のジ
ホスフイン及びある量の2,2−ビス(メトキシメチル)
プロピルジメチルホスフインの両方の生成が確認され
た。過酸化水素水(6%)を過剰に加えたところ、両方
のホスフインともにそれぞれ対応する酸化物になつた。
水層を分離して減圧下で蒸発させた。生成した粘性の油
は、溶離液としてメタノール/酢酸エチル混合物を用い
るフロリシル(Florisil)上のクロマトグラフイーによ
つて精製された。純粋な1,3−ビス(ジメチルホスフイ
ニル)−2,2−ビス(メトキシメチル)プロパン(2.8
g)が半結晶質物質として単離された。
33.9(dd,J=69,5)、43.1(t,J=5)、58.7(s)、5
8.7(s)、75.5(t,J=8) iii. 1,3−ビス(ジメチルホスフイノ)−2,2−ビス
(メトキシメチル)プロパン 予め調製されたビス(ホスフイン酸化物)(2.7g)をリ
チウムアルミニウム水素化合物(3.0g)を含むジオキサ
ン(200cm3)に添加し、その混合物を還流下で2.5時間
加熱した。冷却後、混合物を水性ジオキサン(25cm31:
1)を注意深く添加することによつて加水分解して、そ
して水酸化ナトリウム水溶液(4cm3、50%)を加え
た。生成した混合物を過して、溶媒の大部分を減圧下
(100mmHg、60℃)で除去してジホスフインを得た。31P
NMRにより他のリン含有成分が存在しないことを確認し
た。
2.2(t,J=10)、58.7(s)、76.7(t,J=9) そのジホスフインは質量分析のために二硫化物誘導体に
変換された。実測値はC,41.9;H,8.3;であつた。C11H26O
2P2S2は計算値としてはC,41.75;H,8.3%である。
ロパンの調製 i. 1,3−ジクロロ−1,3−ジメトキシプロパン 撹拌下の1,1,3,3−テトラメトキシプロパン(10g)に塩
基チオニル(10g)を10分間の間に注意深く添加した。
混合物を反応が完了するまで(NMRスペクトルによつて
示される)室温で撹拌した。過剰の塩化チオニルは減圧
下(20mmHg)で除去して、残渣を蒸留して二塩化物(7.
7g)を得た(5mmHgでの沸点40℃)。NMRスペクトル分析
によりほぼ等しい量のジアステレオイソマーの存在が確
認された。
(×2)、96.4(×2) この物質は放置すると劣化することが分つたので、使用
する直前に調製した。
ノ)プロパン 撹拌下のジメチルホスフイン(18cm3)を含むヘキサン
の溶液(150cm3)に−50℃でn−ブチルリチウム(37cm
3、2.5Mヘキサン中)の溶液を加えた。ホスフイドアニ
オンが沈殿してくるので混合物は粘度が高くなり撹拌が
困難になる。約15分後、1,3−ジクロロ−1,3−ジメトキ
シプロパン(7.7g)を加え、その混合物を室温まで暖め
る。粘性の混合物を乾燥したチツ素ガスを通気すること
により撹拌して、一夜の間放置した。生成した混合物を
希塩酸(2M)で抽出し、水性の抽出液を一緒にして水酸
化ナトリウム水溶液で塩基性にして、そして遊離のホス
フイン類をクロロホルム中に抽出した。減圧下でクロロ
ホルムを除去して1,3−ジメトキシ−1,3−ビス(ジメチ
ルホスフイノ)プロパンの2つのジアステレオイソマー
の混合物を満足な収率で得た。
(×2)(d,J=14)、32.6(t,J=13)、32.8(t,J=1
3)、58.7-59.0(m)、79.0(dd,J=10,8)、80.0(c
c,J=12.9) 実施例11. 1,3−ビス(ジメチルホスフイノ)−2−(2′−メト
キシエトキシメチル)−2−(メトキシメチル)プロパ
ンの調製 i. 5,5−ビス(ブロモメチル)−2−フエニル−1,3−
ジオキサン 2,2−ビス(ブロモメチル)プロパン−1,3−ジオール
(250g)とベンズアルデヒド(110g)を濃硫酸(2c
m3)を含むベンゼン(500cm3)に添加し、その混合物を
沸騰させた。デアンスターク(Dean Stark)の器具を用
いて水を除去した。6時間後に反応は終了した。混合物
を冷却し、過剰の炭酸水素ナトリウムを加えて硫酸を中
和した。生成した溶液を過して減圧下でベンゼンを除
去する、それを放置すると固化する油を得た。石油エー
テルから再結晶させて白色の固体(融点66℃)として1,
3−ジオキサン(296g)を得た。
2.1、125.9(×2)、128.2(×2)、129.2、、137.2 ii. 5−ブロモ−5−(2′−メトキシエトキシメチ
ル)−2−フエニル−1,3−ジオキサン ナトリウム(3.3g)を2−メトキシプロパノール(50cm
3)に加え、そして金属が溶けるまで撹拌し加熱した。
2−メトキシプロパノール(150cm3)中の5,5−ビス
(ブロモメチル)−2−フエニル−1,3−ジオキサン(5
0g)を加えた。乾燥チツ素雰囲気下で24時間還流下で混
合物を沸騰させた。過剰の2−メトキシプロパノールを
減圧下で除去しジエチルエーテル(550cm3)を加えた。
臭化ナトリウムを過で除去し減圧下でエーテルを除去
して油として生成物(49.3g、95%)を得た。この原料
はこれ以上の精製を行うことなく次の反応に用いるのに
十分な程純粋であつた。
9、71.1、71.6、101.8、125.8(×2)、128.0(×
2)、128.8、137.7 iii. 5−(2′−メトキシエトキシメチル)−5−(メ
トキシメチル)−2−フエニル−1,3−ジオキサン ナトリウム(1.4g)を無水メタノール(20cm3)に溶し
たものと5−ブロモ−5−(2′−メトキシエトキシメ
チル)−2−フエニル−1,3−ジオキサン(20g)を無水
メタノール(30cm3)に溶したものを一緒にテフロンで
被覆された圧力釜(Berghof,150ml)に入れた。反応混
合物を150℃で6日間加熱した。溶媒を減圧下で反応混
合物から除去し、有機の残渣をエーテル中に取つた。臭
化ナトリウムを去して、減圧下でエーテルを除去する
と粗生成物(17g)を得た。この原料はさらに精製する
ことなく使用することができた。
9、71.0、71.2、71.6、101.5、125.9(×2)、128.1
(×2)、128.7、138.2。
トキシメチル)プロパン−1,3−ジオール 5−(2′−メトキシエトキシメチル)−5−(メトキ
シメチル)−2−フエニル−1,3−ジオキサン(17g)を
エタノール(130cm3)、水(50cm3)及び濃硫酸(1.5cm
3)の混合物と共に還流下で4時間加熱した。その混合
物を冷却し、炭酸水素ナトリウムの添加によつて中和
し、過し、そして減圧下で体積を約50cm3まで減少さ
せた。水性の残渣を塩化メチレンで抽出し、そして有機
層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。減圧下で揮発性
成分を除去すると油状物を得(9.5g)、油状物は大部分
が所望のジオールであることが確認された。これは、さ
らに精製することなく使用された。
6、71.5、72.1、74.3。
ル)−2−(メトキシメチル)プロパン 2−(2′−メトキシエトキシメチル)−2−(メトキ
シメチル)プロパン−1,3−ジオール(5.5g)、トリフ
エニルホスフイン(24g)及び四塩化炭素をチツ素雰囲
気下で還流しながら反応が完了する(約2.5時間)まで
加熱した。混合物を冷却し、過し、そして固体の残渣
を四塩化炭素で洗つた。四塩化炭素の溶液を一緒にして
減圧下で溶媒を除去した。石油エーテル(250cm3、沸点
40〜60℃)をその残渣に加え、生成した懸濁液を過し
た。減圧下で石油エーテルを除去すると油状物として粗
生成物(6g)を得た。二塩化物が溶離剤として酢酸エチ
ル/石油エーテル混合液を用いたキエセルゲル60(Kies
elgel 60)(メルク社)上のクロマトグラフイーによつ
て単離された。最終的な精製は減圧下での蒸留によつて
達成された。純粋な二塩化物(1.4g)は油状物(沸点97
℃、0.06mmHg)として単離された。
9、70.4、70.8、71.6 vi. 1,3−ビス(ジメチルホスフイノ)−2−(2′−
メトキシエトキシメチル)−2−(メトキシメチル)プ
ロパン 撹拌下の無水液体アンモニア(80cm3)中のジメチルホ
スフイン(5cm3)溶液にn−ブチルリチウム(2.5Mヘ
キサン中10cm3)の溶液を添加した。この混合物を−60
℃で10分間撹拌し、そして少量の無水ジエチルエーテル
に溶した1,3−ジクロロ−2−(2′−メトキシエトキ
シメチル)−2−(メトキシメチル)プロパン(1.4g)
を加えた。生成した混合物を60℃で15分間撹拌し、そし
てゆつくりと室温まで暖めた。アンモニアを蒸発させ、
ジエチルエーテル(150cm3)を加えて、そして生成した
混合物を希塩酸(2M)で抽出した。集められた水性の抽
出液は水酸化ナトリウム水溶液で塩基性にし、遊離のホ
スフインをクロロホルム中に抽出した。集められたクロ
ロホルム抽出液から減圧下で溶媒を除去して所望のホス
フイン(0.4g)を得た。
8.1(dd,J=16、11)42.2(t,J=10)、58.6(s)、5
8.8(s)、70.3(s)、71.6(s)、74.0(t,J=
9)、76.5(t,J=9)。
ピランの調製 i. 4,4−ビス(エトキシカルボニル)テトラヒドロピラ
ン ナトリウム(10g)を無水エタノール(300cm3)中に溶
して、そしてマロン酸ジエチル(30g)をゆつくりと添
加した。15分間攪拌した後、ビス(2−クロロエチル)
エーテル(35g)を滴下した。混合物を72時間還流下で
加熱して、そして室温まで冷却した。過後、減圧下で
反応混合物から溶媒を除去して粗生成物を得た。最初の
精製は、溶離液として酢酸エチル/石油エーテル混合物
を用いたアルミナ(活性4)上のクロマトグラフイーに
よつて達成された。純粋な生成物(11.3g)は減圧下の
蒸留によつて油状物(0.03mmHgでの沸点106-108℃)と
して得られた。
1.3(×2)、64.5(×2)、170.6(×2) ii. 4,4−ビス(ヒドロキシエチル)テトラヒドロピラ
ン 無水ジエチルエーテル(50cm3)中の4,4−ビス(エトキ
シカルボニル)テトラヒドロピラン(11g)を無水ジエ
チルエーテル(15cm3)中の水素化アルミニウムリチウ
ムの撹拌されている懸濁液に温和な沸騰を維持できる速
度でゆつくりと添加した。添加に続いて、還流下で1時
間以上その混合物を加熱し、そして冷却した。酢酸エチ
ル(4cm3)を少しづつ加え、次に水(1.8cm3)を加
え、そして15%水酸化ナトリウム水溶液(1.8cm3)を加
え、最後に2回目の水(5cm3)を加えた。混合物を
過し、固体をジエチルエーテルで洗浄した。一緒にされ
たエーテル抽出液を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、そ
してエーテルを除去してジオール(5.5g)を得た。
7.4(×2) iii. 4,4−ビス(クロロメチル)テトラヒドロピラン 4,4−ビス(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン
(5.5g)、トリフエニルホスフイン(19.8g)、無水四
塩化炭素(100cm3)及びクロロホルム(15cm3)を反応
が完了するまで(約8時間であり、NMRスペクトル分析
により示される)チツ素雰囲気下で還流しながら沸騰さ
せた。揮発性成分で減圧下で除去して、生成した固体状
の物を石油エーテル(沸点40-60℃)で抽出した。これ
らの抽出液からペトロールを蒸発させて粗二塩化物を得
た。純粋な二ハロゲン化物の標品が真空蒸留(0.05mmHg
で沸点60℃)によつて得られた、次に溶離剤として酢酸
エチル/石油エーテル混合物を用いたキエセルゲル60
(メルク社)上のクロマトグラフイーを行つた。
3.0(×2) iv. 4,4−ビス(ジメチルホスフイノメチル)テトラヒ
ドロピラン 撹拌下の無水液体アンモニア(60cm3)中のジメチルホ
スフイン(5cm3)の溶液にn−ブチルリチウム(2.4M
ヘキサン中10.5cm3)の溶液を加えた。60℃で10分後、
少量のジエチルエーテル中の4,4−ビス(クロロメチ
ル)テトラヒドロピラン(1g)を添加した。低温で更に
15分間後、混合物をゆつくりと室温まで暖めた。アンモ
ニアを蒸発させて、ジエチルエーテル(150cm3)を加え
て、そして生成した混合物を希塩酸(2M)で抽出した。
水性の抽出液を一緒にして水酸化ナトリウム水酸液で塩
基性にして、そして遊離のホスフインをクロロホルム中
に抽出した。減圧下で集められたクロロホルム抽出液か
ら溶媒を除去してホスフイン(0.3g)を得た。
2)(t,J=4)、34.7(t,J=12)、37.8(×2)(t,
J=8)、43.4(×2)(dd,J=16,12)、63.5(×2)
(s) 実施例13. 実施例8〜12で述べられた方法に対応する手順で次に示
すリガンドを調製した。
を混合し、120℃で30分間加熱した。冷却後、pHを0.1M
HClで6.5に調節し、4mlの食塩水で希釈した。生成した
溶液をクロマトグラフイー分析及び動物生体内分布試験
に供した。
ロイドを含んでおらず、所望の種類のものが溶液中に約
85%の収率で存在していることが示された。
の微量成分が17分まであつた)。
を混合し、120℃で1時間加熱した。冷却後、調製物を
フイルター(アクロデイスク、0.2μm)で過した。
生成した溶液をクロマトグラフイー分析及び動物生体内
分布試験に供した。
おらず、所望の種類のものが約90%の収率で存在するこ
とが示された。
0.89(“ー”はカソードに向けての移動を示してい
る。)。
体 Lは実施例10のリガンド である。
を混合し、120℃で1時間加熱した。冷却後、調製物を
動物生体内分布試験に供した。
んでおらず、所望の種類のものが約70%の収率で存在す
ることが確認された。
した(二種の微量成分が14分と18分にあつた)。
=−0.53(rf値が+0.04及び−1.07の2種の微量成分が
存在した。ここで“ー”はカソード方向への移動を示し
ている。) 生体内分布結果 生体内分布の結果を表12及び13に示した。
を混合し、120℃で1時間加熱した。冷却した調製物を
0.2μmのアクロデイスク(ゲルマン)で過し、食塩
水8mlで希釈した。生成した溶液をクロマトグラフイー
分析及び動物生体内分布試験に供した。
まず、所望の種類のものが収率約80%で存在することが
確認された。
=−0.78(ここで“ー”はカソード方向への移動を示
す。) 生体内分布結果 生体内分布の結果を表14と15に示す。
合成 Lは実施例9のリガンド である。
混合し、120℃で1時間加熱した。冷却後、調製物をク
ロマトグラフイー分析及び生体内分布試験に供した。
含有しておらず、所望の種類のものが約90%の収率で存
在していることが確認された。
て溶出した。
0.27(ここで“ー”はカソード方向への移動を示してい
る。) 生体内分布試験結果 生体内分布試験の結果を表16及び17に示した。
イン錯体の合成 Lは実施例9のリガンド である。
混合し、120℃で1時間加熱した。冷却後、調製物を0.2
μmアクロデイスク(ケルマン)で過した。生成した
調製物をクロマトグラフイー分析及び生体内分布試験に
供した。
せず、所望の種類のものが約90%の収率で存在すること
が確認された。
出した。(微量成分が約5.8分のところに存在してい
る。) ゲル電気泳動 錯体はカソード方向に単一バンドで移動した。rf=−0.
64(“ー”はカソード方向への移動を示している。) 生体内分布試験結果 生体内分布試験の結果を表18及び19に示した。
ン錯体の合成 Lは実施例11のリガンド である。
/ml) 方法 チツ素ガスで置換された密閉できるバイアルで各成分を
混合し、60℃で1時間加熱した。冷却後、生成した調製
物をクロマトグラフイー分析及び生体内分布試験に供し
た。
ず、所望の種類のものが収率約90%で存在していること
が確認された。
溶出した。
=−0.60(ここで“ー”はカソード方向への移動を示し
ている。) 生体内分布試験結果 生体内分布試験の結果を表20及び21に示した。
まないチツ素雰囲気下で行われた。溶媒は使用する前に
乾燥し、チツ素ガスで脱ガス処理した。CH3OCH2CH2OCH2
Cl及びn−ブチルリチウム(n−BuLi)はアルドリツチ
(Aldrich)から購入した。Me(H)PC2H4P(H)Meはバツケ
(Baake)らの方法(M.Baake,O.stelzer,及びV.Wray,Ch
em.Ber.113、1356(1980))に従つて調製した。
攪拌棒を備えた250cm3の3つ首丸底フラスコにMe(H)PC2
H4P(H)Me(3.18g,26.06mmol)を溶かしたペトロール(p
etrol)(40〜60℃,50cm3)を入れた。この溶液に−78
℃でn−ブチルリチウム(35ml,57.0mmol,1.6Mヘキサン
中)を加えた。室温まで暖めて後、白い沈殿を過しペ
トロール(40〜60℃,25cm32回)で洗浄した。ナトリウ
ムで乾燥した液体アンモニア(150cm3)を上記反応容器
に再凝縮させて、オレンジ色の溶液を得た。これにジエ
チルエーテル(20cm3)にCH3OC2H4OCH2Cl(6cm3,52.1m
mol)を溶した溶液をちようどオレンジ色が消失するま
で滴下した。そして、アンモニアを室温で蒸発させた。
ジエチルエーテル(30cm3)を添加して白い懸濁液を得
た。次に、これを加水分解し、そして有機層を分離して
無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ジエチルエーテルは
大気圧下での蒸留によつて除去した。他の揮発性物質は
真空下で120℃で蒸留して除去した。残つた無色の液体
はNMR分析により純粋であることが確認された。収率は5
0.3%、4.7gであつた。
Bq/ml 方法 チツ素ガスで置換された密閉できるバイアルで各成分を
混合し、室温で2時間静置した。そしてpHを7に希塩酸
(1M)で調整した。生成した溶液をクロマトグラフイー
分析及び生体内分布試験に供した。
を含有せず、Tc錯体が純度70%で存在することが確認さ
れた。
のところにもピークがあつた。
−0.34(“ー”はカソード方向への移動を示してい
る。) 生体内分布結果 結果を表22及び23に示した。
インビボでの生体内分布は前記の結果と正確に同一であ
つた。
チル)−N,N,N′,N′−四酢酸である。
中で混合した。紫色の溶色が直ぐに生成した。次に、こ
の紫色の溶液をNaCl、EGTA、食塩水及び99mTcO4 -が入つ
たP11バイアルに写した。反応混合物を120℃で60分間加
熱した(pH 41。生成した溶液を下記で述べるような分
析に供した。
含有せず、テクネチウム錯体が約80%で収率で存在して
いた。
さらに二つの小さいピークが5.2分と6.1分にあつた。
−0.67(“ー”はカソード方向への移動を示してい
る。) 生体内分布結果 結果を表24に示した。
ンテクネチウム−99m錯体を実施例13に示したリガンド
を用いて調製して、それをラツトにおける生体内分布試
験に用いた。その結果を次の表25及び26に示した。
するために用いた実験手法は下記のものである。
プ(2.5cm×20cm)と1枚のワツトマン(Whatman)No.1
ストリツプ(2.5cm×20cm)の底辺から約2.5cmのところ
に針でスポツトし,a)(生理)食塩水、b)メチルエチ
ルケトン、及びc)50:50のアセトニトリルと水の3種
の各々の新しい溶媒(1cmの深さ)が入つた上行クロマ
トグラフイー展開槽にストリツプを直ぐに入れた。15cm
の高さまで溶媒が上つた後ストリツプを取り出し、溶媒
の先端にマークを入れて乾燥して適当な装置を用いて活
性の分布を測定した。
ゲルに300Vの電圧をかけ約35分間、ブロモフエノールブ
ルー指示薬(この指示薬はカソード方向に移動する)を
用いて行つた。得られた活性の分布を適当な装置を用い
て測定した。
システムを次のものと共に用いた。
度勾配変化させる状態でサンプルを負荷した。流速は2m
l/minでハミルトン(Hamilton)PRPカラム(15cm×4.0m
m)を室温で行つた。同じHPLCシステムを99mTc及び99Tc
の測定に用い、99mTcはエミツシヨンによつて検出し、
99Tcは液体シンチレーシヨン法により検出した。
が、溶媒濃度勾配システムは次のものを用いた。
の状態を5分間維持した後、20分間でb)が100%にな
るように濃度を変化させた。b)が100%の状態をさら
に5分間維持した、流速は2ml/minで、ハミルトンPRPカ
ラムを用いた。
頭のラツトの側方尾部静脈に注射した。
首から血液を流出させて解剖した。以下に示す器官を解
剖時に取り出した:腎臓;膀胱(+尿)、肺、肝臓、ひ
臓、胃、小腸、大腸、脳(重量を計測)、心臓(重量を
計測)、甲状腺並びに血液(重量を計測)及び筋肉(重
量を計測)のサンプル、残りの胴体と尾(注射をした部
位)。続いて、サンプルは自動双結晶(ツウインクリス
タル)ガンマ−カウンターでカウントされた。
を用いて全ての器官について計算(バツクグラウンドを
補正後)した。
組織におけるパーセンテージは、血液と筋肉はそれぞれ
動物の全体重の5.8%と43%であると仮定して次の式を
用いて計算した。
ある。
chnetium Chemistry and Technetium Radiopharmaceuti
cals Prog.Inorg.Chem.1982、vol.30、p175。
Claims (12)
- 【請求項1】次式: Y2PZPY2 (式中、基Yは各々同一であっても異なっていてもよ
く、それぞれH、又は3個までのエーテル酸素原子を含
みうるC1-C8飽和炭化水素基であり; Zは、−CC−鎖、−CCC−鎖または−COC−鎖であって、
これらの鎖はそれぞれ3個までのエーテル酸素原子を含
みうるC1-C8飽和炭化水素基で置換されていてもよい。 ただし、該リガンドは少なくとも1個の−COC−エーテ
ル結合を含む。) で表されるリガンドとテクネチウム−99mとの陽イオン
錯体。 - 【請求項2】基Yは各々同一であっても異なっていても
よく、それぞれH、又はC1-C4アルコキシ基で置換され
ていてもよいC1-C4アルキル基であり、 Zが、−CC−鎖、−CCC−鎖または−COC−鎖であって、
これらの鎖はそれぞれC1-C4アルコキシ基またはアルコ
キシアルキル基またはスピロ環式エーテル基で置換され
ていてもよい、請求項1記載の陽イオン錯体。 - 【請求項3】Zが−CC−鎖または−CCC−鎖であり、 各YがH又はメチル基であり、 1以上のメトキシ置換基が1以上の基Yに結合している
か、あるいは1以上のメトキシメチル基又は−COC−ス
ピロ環式エーテル基がZの炭素原子に結合している、請
求項1記載の陽イオン錯体。 - 【請求項4】リガンドが以下に記載されるいずれかの構
造を有する、請求項1記載の陽イオン錯体。 - 【請求項5】次式: [Tc(NO)nXmL2]+A- または、次式: [TcL3]+A- (各式中、XはTcの単座リガンドであり; Aはアニオンであり; nは1または2であり; mはnに対応して0または1であり; Lは請求項1−4のいずれかに記載のリガンドである) で表される構造を有する陽イオン錯体。
- 【請求項6】次式: [Tc(NO)XL2]+A- (式中、Lは次式: で表される構造を有するリガンドである) で表される、請求項5記載の陽イオン錯体。
- 【請求項7】次式: [TcL3]+A- (式中、Lは次式: で表される構造を有するリガンドである) で表される、請求項5記載の陽イオン錯体。
- 【請求項8】請求項1−7のいずれかに記載の陽イオン
錯体を含む心臓用造影剤。 - 【請求項9】次式: Y2PZPY2 (式中、基Yは各々同一であっても異なっていてもよ
く、それぞれC1-C4飽和炭化水素基であり; Zは、−CCC−鎖または−COC−鎖であって、これらの鎖
はそれぞれ3個までのエーテル酸素原子を含みうるC1-C
8飽和炭化水素基で置換されていてもよい。 ただし、該リガンドは少なくとも1個の−COC−エーテ
ル結合を含む。) で表されるリガンド。 - 【請求項10】Zが、−CCC−鎖又は−COC−鎖であっ
て、これらの鎖はそれぞれC1-C4アルコキシ基、アルコ
キシアルキル基およびスピロ環式エーテル基のうちの少
なくとも1つで置換されている、請求項9記載のリガン
ド。 - 【請求項11】Zが−CCC−鎖であって、この鎖中の炭
素原子に1以上のメトキシメチル基又は−COC−スピロ
環式エーテル基が結合している、請求項9記載のリガン
ド。 - 【請求項12】以下に記載されるいずれかの構造を有す
るリガンド。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
GB8723438 | 1987-10-06 | ||
GB878723438A GB8723438D0 (en) | 1987-10-06 | 1987-10-06 | Cationic complexes of technetium-99m |
Publications (2)
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