JPH0737027A - 磁性コード印刷物、その読取り方法および装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コードのパターンを磁性インキにより印刷す
ることで、光学読取り方式、磁気読取り方式のいずれの
方式によっても情報を記録し得る印刷物を得るととも
に、その読み取り毎に磁性インキを磁化することによ
り、正確にコードパターンを読み取ることができ、偽造
や不正を防止し得るコード印刷物および読取り装置を提
供する。 【構成】 磁性インキによりコードが印刷された印刷物
１０を送り機構２０によって読取り機内部に挿入し、磁
気ヘッド２２により磁性インキの塗布部分１４を磁化
し、その後磁気センサ２４により、磁化されたコードパ
ターンを読み取るように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、商品やプリペイドカ
ード等の情報記録に用いるバーコードやカルラコード等
を印刷した印刷物およびその読取りに関するものであ
り、コードのパターンの印刷を磁性インキにて行うこと
により、磁気式読取りセンサおよび光学式読取りセンサ
のいずれのセンサによっても読取り可能にしたコード印
刷物、その読取り方法および装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、商品やプリペイドカード等に情報
を記録し、またこれを読み取る方法としては、主として
光学読取り方式と磁気読取り方式の２つの異なる方式が
利用されてきた。ここに光学読取り方式とは、バーコー
ドやカルラコードに用いられる方式であり、一定の情報
をコードのパターンとして紙やプラスチック等の印刷媒
体上に非磁性インキにて印刷し、印刷されたコードパタ
ーンを光学センサにて読み取る様に構成したものもので
ある。

【０００３】また、磁気読取り方式とは、紙やプラスチ
ック上に磁性体を塗布し、その磁性体を磁気ヘッドでＮ
極とＳ極に磁化し、その組み合わせにより情報を記録
し、読取る時には磁性体のＮ極とＳ極の組合わせを読取
り用の磁気ヘッドで読み取るよう構成したものである。

【０００４】しかし、光学式コードにあっては、コード
化した情報を印刷して記録するために印字した部分が汚
れた場合にセンサが情報を誤って読み込む事があるとい
う欠点があり、また読取りの精度を維持するためにはラ
イタやリーダの限界からある一定以上の大きさをもって
コードのパターンを印刷する必要がある。

【０００５】一方、磁気読取り方式は、前記の光学方式
のものに比べて汚れに強く、また情報も高密度で記録す
ることができ、情報を記録する面を小さくすることがで
きるが、情報を記録した磁性体の部分に磁石を近付ける
だけで磁性体の磁気破壊が生じ、情報が読み取れなくな
るという欠点がある。特に、電化製品の普及した今日に
あっては、至る所に磁石があり、磁性体が磁気破壊する
機会は非常に多い。また、磁気方式により記録がなされ
ている場合、磁性体に記録されたＮ極、Ｓ極の組合せを
変えることで情報を書き替え、プリペイドカード等の偽
造が行われているという事実は昨今問題となっている。

【０００６】加えて、従来は前記光学方式の読取りと磁
気方式の読取りは共に独立して用いられており、双方に
互換性のある情報記録担体というものは存在していなか
った。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上
記欠点を取り除くために、コードのパターンを磁性イン
キにより印刷することで、光学読取り方式、磁気読取り
方式のいずれの方式によっても情報を記録し得、汚れに
強く高密度の情報が記録でるコード印刷物を提供するこ
とにある。

【０００８】また、本発明の別の目的は、磁性インキに
より印刷された印刷物を読み取り毎に磁化することによ
り、読取り前に磁性インキが磁気破壊されていても正確
にコードパターンを読み取ることができ、偽造や不正を
防止し得るコード印刷物および読取り装置を提供するこ
とにある。

【０００９】更に、本発明の別の目的は、読取り装置に
光学読取り方式、磁気読取り方式のいずれもの読取装置
を備えることで、両方式間で互換性のあるコード印刷物
およびその読取り装置を提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る磁性コード印刷物は、磁性体を含有す
るインキによりパターンを印刷したことを特徴とする。

【００１１】また、本発明に係るコードの読取り方法
は、磁界を発生させる磁気ヘッドによりコードパターン
を印刷するインキを磁化させた後、磁気センサで前記の
磁化されたコードのパターンを読み取る事を特徴とす
る。

【００１２】更に、磁性体を含有するインキによりパタ
ーンを印刷してなる磁性コード印刷物の情報の読取りに
際しては、磁界を発生させる磁気ヘッドと磁気センサを
向い合せに配置し、その間に磁性インキによりパターン
を印刷してなる磁性コード印刷物を通過させることによ
り、磁気ヘッドから発生した磁界の変化を磁気センサで
感知することにより磁性インキにより表示されたコード
のパターンを読み取ることとすれば好適である。

【００１３】加えて、前記磁性コードの読取り装置は、
磁性コードが印刷された印刷物の送り機構と、磁界を発
生させる磁気ヘッドと、印刷物上の磁気の変化を検知し
てコードパターンを読み取る磁気センサとを備えてなる
ことを特徴とし、特に磁界を発生させる磁気ヘッドと磁
気センサは向い合せに配置すれば好適である。

【００１４】更に加えて、磁性コードの読取り装置は、
磁気式読取りセンサと光学式読取りセンサの双方を備え
ることとすればより好適である。

【００１５】

【作用】本発明に係るコード印刷物によれば、コードパ
ターンの印刷を磁性インキにより行うことで光学読取り
方式、磁気読取り方式のいずれにも対応でき、しかも両
読取り方式の利点を生かしたコード印刷物を得ることが
できる。

【００１６】また、前記コード印刷物の読取りに際して
は、読取り毎に磁性インキを磁化することで、磁気破壊
に影響されずコード化情報を読み取ることができ、従っ
て偽造や不正を防止し得る読取り方法および装置を得る
ことができる。

【００１７】

【実施例】次に本発明の実施例を添附図面を参照しなが
ら以下詳細に説明する。図１は、本発明に係る磁性イン
キ印刷物の一実施例を示す平面図である。図１中参照符
号１０は、磁性コードが印刷された紙やプラスチック等
の印刷物を示す。この印刷物１０上には、コード１２が
磁性インキにより印刷される。また、参照符号１４は、
磁性インキの塗布部分を示し、参照符号１６は磁性イン
キが塗布されていない部分を示す。この磁性インキの塗
布の有無は、コード毎に定められた法則および表示する
情報の内容により適宜そのパターンを変更する。尚、印
刷に際しては磁性インキを磁化させるか否かは任意であ
る。

【００１８】また、参照符号１８は、コードの仕切枠を
示す。この仕切枠１８は、コード自体の情報内容と無関
係であれば印刷する必要はなく、またこの場合印刷する
のであれば非磁性インキを用い、ドロップアウトカラー
にて印刷する。尚、図１中にはカルラコードを用いた一
実施例を示したが、表示するコードは、係るコードに限
定されるものでなく、バーコードやその他のコードを用
いて表示することも可能である。また、図中のコードの
大きさは磁気センサによる読取りの場合には適宜の大き
さに縮小することが可能であるが、光学式センサーと併
用して読み取る場合には光学式リーダが読取り可能な大
きさの範囲、好適には１ミリないし２ミリ以上の大きさ
で表示する。

【００１９】図２は、本発明に係る読取装置の一実施例
を示す構造図である。図２において、参照符号２０は、
印刷物１０の送り装置を示す。この送り装置２０の送り
方向には磁気ヘッド２２および磁気センサ２４を配置す
る。従って、送り装置２０に挿入された印刷物１０は、
磁気ヘッド２２および磁気センサ２４の下方を順に通過
する。尚、磁気ヘッドおよび磁気センサは、図３に示す
ように上下に向い合せに配置すればより好適である。

【００２０】図４は、前記磁気方式の読取り装置に光学
式読取り装置を組合わせた読取装置の一実施例を示す構
造図である。この図４中参照符号２６はフォトセンサや
ＣＣＤセンサ等の光学式読取りセンサを示す。尚、光学
式読取りセンサ２６の配置位置は、適宜の変更が可能で
あり、図４に示された位置に限定されるものではない。

【００２１】次に本発明に係る読取り方法の手順につい
て説明する。

【００２２】図１に示す様に印刷された印刷物１０は、
読取り装置の挿入口（図示せず）より挿入される。この
様にして挿入された印刷物１０は、送り装置２０によっ
て読取り装置の内部に送られる。内部に送られた印刷物
１０は、まず磁気ヘッド２２により磁化される。磁化
は、読取り毎に行われるので、印刷物に磁気破壊が生じ
ていたとしても、誤読取りの問題は生じない。尚、磁気
化ヘッド２２により行われる磁化は、Ｎ極とＳ極の適宜
の組合わせにより情報を入力するものでなく、単に磁性
インキの塗布部分１４が磁化されれば足りる。

【００２３】次に、磁化された印刷物１０は送り装置２
０により磁気センサ２４の下方に運ばれる。そして磁気
ヘッド２２により磁化されたコードパターンの読取りが
行われる。即ち、磁気センサ２４によって読み取られる
情報は、磁性インキにＮ極、Ｓ極とを組合せて磁化する
という、従来のように磁化の方法に情報があるのではな
く、磁化された位置からコードのパターンを読み取って
コード化された情報を読み取るものであるので、磁化さ
れたものの一部が磁気破壊されていたとしても正確な情
報を読み取ることができる。従って、印刷物１０に記録
された情報の内容の変更は、印刷されたパターンの変形
によってのみ行えるので、磁気的に情報を書き替えるこ
とはできず、印刷物の偽造や不正の防止を有効になし得
る。また、磁気センサは、非常に狭小な磁気部分をも読
み取ることが可能であるから、コードを小さく表示する
ことができ、従って狭面に高密度の情報を入力すること
ができる。そして、この様にして磁気ヘッド２４により
読み取られた情報は、信号化され処理される。

【００２４】磁気ヘッド２２と磁気センサ２４の配置位
置は、図３に示すように向い合せに配置することもでき
る。この場合には送り装置２０により読取り装置内に送
られた印刷物１０は、磁気ヘッド２２と磁気センサ２４
の間を通過することになり、磁気ヘッド２２により発生
した磁界の中を磁性インキの塗布部分１４と磁性インキ
が塗布されていない部分１６とが通過することになる。
そのため磁気ヘッド２２より発生した磁界に変化が生
じ、その磁界の変化を磁気センサ２４が読み取ってコー
ド化された情報を信号化して処理する。尚、発明者等の
実験によれば、磁気ヘッド２２と磁気センサ２４の配置
位置は、図２に示すように横方向に並べて配置した場合
よりも向い合せて配置した方がより正確に記録された情
報を読取ることが明らかとなっている。

【００２５】更に、図４に示すように読取装置に光学セ
ンサ２４を組み込んだ場合には、上記の作業に加えて光
学的にもコードパターンが読み取られ、これを信号化
し、処理する。従って、磁性インキの磁化が不十分な場
合等、磁気センサ２４の読取りが十分に行えない場合に
は光学センサ２６の読み取った情報が、また、印刷面の
汚れなどにより光学センサ２６の読取りが十分行えない
場合には磁気センサにより読み取った情報により、それ
ぞれ双方を補う事ができ、また、双方の読取り方式を組
合せて採用することで、光学読取り方式および磁気式読
取り方式の相互間での情報の互換性をもたせることがで
きる。

【００２６】以上、本考案の好適な実施例について説明
したが本考案は前述した実施例に限定されるものでな
く、本考案の精神を逸脱しない範囲で種々の設計変更が
可能である。

【００２７】

【発明の効果】前述した実施例から明らかなように、本
発明の磁性インキ印刷物によれば、コードのパターンを
磁性インキにより印刷することで、光学読取り方式、磁
気読取り方式のいずれの方式によっても情報を記録し
得、汚れに強く高密度の情報が記録できるコード印刷物
を提供することができた。

【００２８】また、磁性インキにより印刷された印刷物
を読み取り毎に磁化するという方法により、読取り前に
磁性インキが磁気破壊されていても正確にコードパター
ンを読み取ることができ、かかる方法を読取り装置に応
用することで、偽造や不正を防止し得るコード印刷物お
よび読取り装置を提供することができた。

【００２９】更に、読取り装置に光学読取り方式、磁気
読取り方式のいずれもの読取装置を備えることで、両方
式間で互換性のあるコード印刷物およびその読取り装置
を提供することができた。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る磁性インキ印刷物の一実施例を示
す平面図である。

【図２】本発明に係る磁気式読取り装置の一実施例を示
す構造図である。

【図３】本発明に係る磁気式読取り装置の一変形例を示
す構造図である。

【図４】本発明に係る磁気式読取り装置に光学式読取り
装置を組合せた一実施例を示す構造図である。

【符号の説明】

１０ 印刷物 １２ コード １４ 磁性インキの塗布部分 １６ 磁性インキの塗布されていない部分 １８ コードの仕切り枠 ２０ 送り機構 ２２ 磁気ヘッド ２４ 磁気センサ ２６ 光学センサ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｇ０６Ｋ 19/06 Ｇ０７Ｆ 7/08

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 磁性体を含有するインキによりパターン
   を印刷したことを特徴とする磁性コード印刷物。
2. 【請求項２】 磁性体を含有するインキによりパターン
   を印刷してなる磁性コード印刷物の情報の読取り方法に
   おいて、磁界を発生させる磁気ヘッドによりコードパタ
   ーンを印刷したインキを磁化させた後、磁気センサで前
   記の磁化されたコードのパターンを読み取る事を特徴と
   する磁性コードの読取り方法。
3. 【請求項３】 磁性体を含有するインキによりパターン
   を印刷してなる磁性コード印刷物の情報の読取り方法に
   おいて、磁界を発生させる磁気ヘッドと磁気センサを向
   い合せに配置し、その間に磁性インキによりパターンを
   印刷してなる磁性コード印刷物を通過させることによ
   り、磁気ヘッドから発生した磁界の変化を磁気センサー
   で感知することにより磁性インキにより表示されたコー
   ドのパターンを読み取ることを特徴とする磁性コードの
   読取り方法。
4. 【請求項４】 磁性コードが印刷された印刷物の送り機
   構と、磁界を発生させる磁気ヘッドと、印刷物上の磁気
   の変化を検知してコードパターンを読み取る磁気センサ
   とを備えてなることを特徴とする磁性コードの読取装
   置。
5. 【請求項５】 請求項３記載の読取り装置において、磁
   界を発生させる磁気ヘッドと磁気センサは向い合せに配
   置されている事を特徴とする磁性コードの読取装置。
6. 【請求項６】 請求項３乃至４記載の磁性コードの読取
   り装置において、磁気式読取りセンサと光学式読取りセ
   ンサの双方を備えることを特徴とする磁性コードの読取
   り装置。