JPH0736441Y2 - ケーブル接続部 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案は、絶縁閉止栓の締め忘れなどの不完全な組立て
の生じるおそれのないケーブル接続部に関する。

（従来の技術） 従来から、ゴム・プラスチック絶縁電力ケーブルの例え
ばＴ形接続部として次のような構造のものが用いられて
いる。すなわち、このＴ型接続部は、ケーブル端部の導
体端子を挟んでテーパー状の差し込み口を対向して有す
るＴ型の絶縁接続筒を一体に形成し、この絶縁接続筒の
一方の差し込み口に、ねじ溝を有する導体棒を突設した
ケーブル端部を挿入し、他方の差し込み口に、先端に前
記導体棒に螺合するナットを埋設した閉止栓を差し込み
捻回させて前記導体棒をナットにより固定し、この閉止
栓の上部を覆うように保護キャップが被せて構成されて
いる。そしてこのＴ型接続部は、閉止栓を所定の位置ま
で完全にねじ込むことによって、導体接続部が完全に導
体棒と締結され正常な接続状態となる。

（考案が解決しようとする課題） しかしながらこのような従来のケーブル接続部において
は、作業者がうっかり閉止栓を締め込むことを忘れたよ
うな場合、閉止栓が緩んだ状態でも保護キャップを閉止
栓上に支障なく装着することができるため、閉止栓の締
め忘れに気が付かないという問題があった。

そして閉止栓の締め込みが不完全な場合には、導体接続
部の押圧締結が不充分となり、導体接続部が加熱したり
あるいは閉止栓と接続筒との接触面に絶縁破壊が生じた
りするおそれがあった。

本考案はこれらの問題を解決するためになされたもの
で、保護キャップの装着によって閉止栓の締め付けが確
認され、不注意などによる閉止栓の締め忘れが完全に防
止されたケーブル接続部を提供することを目的とする。

［考案の構成］ （課題を解決するための手段） 本考案のケーブル接続部は、ケーブル端部に形成された
差し込み口を有する絶縁接続筒の前記差し込み口に絶縁
閉止栓を挿入し、その上部に保護キャップを被嵌してな
るケーブル接続部において、前記接続筒の外縁と前記保
護キャップの内縁に互いに嵌合する係止部を設けるとと
もに、前記閉止栓の上面と保護キャップ間に、前記絶縁
接続筒の差し込み口内の適正位置に前記絶縁閉止栓が挿
入されたときにのみ前記保護キャップが嵌合可能となる
高さの圧縮付勢されたスプリングを介挿させたことを特
徴としている。

（作用） 本考案のケーブル接続部においては、閉止栓の差し込み
状態が不完全なときには、保護キャップを係合位置まで
被せることができず、そのため付勢されたスプリングの
弾発力で、保護キャップは外側に弾き飛ばされる。した
がって、保護キャップの装着の際に閉止栓の差し込み状
態の確認が同時になされ、作業者の不注意による不完全
な挿入状態をなくすることができる。

なお、前述したＴ型分岐接続部の場合には、閉止栓が差
し込み口内で、導体棒を充分に締結する位置までねじ込
まれたときに、保護キャップと接続筒とが係合し、閉止
栓と保護キャップとの間に介挿されたスプリングは、軸
方向に付勢された状態のままこれらの間の空隙内に保持
されて同様の効果を発揮する。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基いて説明する。

第１図は、本考案の一実施例のCVケーブル（架橋ポリエ
チレン絶縁ビニルシースケーブル）のＴ形接続部を示す
縦断面図であり、第２図は第１図を部分的に拡大して示
した図である。

図において、符号１は接続本体側のCVケーブルを示して
おり、その端部の導体２上には先端に羽子板部３を有す
る圧縮端子４が接続されている。

このケーブルおよび導体接続部は、外径を均一にするエ
チレン−プロピレンゴム（EPゴム）からなるスペーサ５
を介して、Ｔ形の絶縁接続筒６のＴ形の脚部に収納さ
れ、その接合部には所定の防水および絶縁補強処理が施
されている。

この絶縁補強筒６のＴ型の水平部には、それぞれ対向さ
れ、かつ連通するテーパー状の差し込み口７、８が形成
されている。一方の差し込み口７には接続すべきケーブ
ル９のブッシング10が挿入されて、ブッシング10から突
出した先端外周にねじ溝の形成された導体棒11がケーブ
ル１の羽子板部３の穴に挿入されている。また、他方の
差し込み口８には先端に導体棒11のねじ溝に螺合するナ
ット12を埋め込み後端にボルト13を埋め込んだエポキシ
樹脂等の絶縁ゴム・プラスチックからなる閉止栓14が螺
入されている。

また接続筒６の差し込み口８の外周面には、フランジ部
15が形成され、このフランジ部15のわずかに上方の接続
筒６の縁部には、環状の突縁16が形成されている。

さらに閉止栓14のボルト13上には、コイル状スプリング
17が配置され、このコイル状スプリング17を圧縮した状
態で、その上に半導電性EPゴム製の保護キャップ18が被
せられている。この保護キャップ18の内縁には環状の突
縁19が形成され、この突縁19は接続筒６のフランジ部15
と突縁16により形成される環状の凹溝に係合されてい
る。

このように構成されたCVケーブルＴ形接続部において
は、保護キャップ18の装着が完全に行われその突縁19が
接続筒６の突縁16とフランジ15間の凹溝に係合されてい
るか否かによって、閉止栓14の締め込みが完全か否かを
容易に確認することができる。

すなわち閉止栓14が所定の位置までねじ込まれず、この
閉止栓14が接続本体のCVケーブル１の圧縮端子４と他方
のケーブル９の導体棒11とが充分に締結されていない場
合には、閉止栓14の上部が接続筒５の周縁より浮上るた
め、保護キャップ18の突縁19が接続筒６の環状突縁16に
係合しない。そしてこの場合には、閉止栓14と保護キャ
ップ18との間にコイル状スプリング17を保持することが
できず、スプリング17の弾発力によって保護キャップ18
は弾き飛ばされ、したがって保護キャップ18の被嵌され
たことで完全なねじ込みが行なわれたことを確認するこ
とができる。

［考案の効果］ 以上説明したように、本考案のケーブル接続部において
は、閉止栓が充分に挿入されているかどうかを、保護キ
ャップの装着具合のような外観上から容易に判定するこ
とができるので、作業者の不注意による閉止栓の締め忘
れなどの人的な事故の発生を完全に防止し、電気的性能
の良好な接続部を形成することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例のCVケーブルのＴ形接続部
を示す縦断面図、第２図はその一部拡大図である。 １、９……ケーブル ２……導体 ３……羽子板部 ４……圧縮端子 ６……絶縁接続筒 ７、８……差し込み口 10……ブッシング 11……導体棒 12……ナット 13……ボルト 14……閉止栓 15……フランジ部 16、19……突縁 17……コイル状スプリング 18……保護キャップ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ケーブル端部に形成された差し込み口を有
   する絶縁接続筒の前記差し込み口に絶縁閉止栓を挿入
   し、その上部に保護キャップを被嵌してなるケーブル接
   続部において、前記接続筒の外縁と前記保護キャップの
   内縁に互いに嵌合する係止部を設けるとともに、前記閉
   止栓の上面と保護キャップ間に、前記絶縁接続筒の差し
   込み口内の適正位置に前記絶縁閉止栓が挿入されたとき
   にのみ前記保護キャップが嵌合可能となる高さの圧縮付
   勢されたスプリングを介挿させたことを特徴とするケー
   ブル接続部。