JPH0735813U - Ｔスロット用ナット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】本考案の課題は、Ｔスロットの中間部より挿入
できて、挿入後は容易に脱落しないＴスロット用ナット
を提供することにある。 【構成】本考案は、従来のＴナットに改良を加えたもの
である。凸形状の底部の出張り部を、ネジ穴の上面より
見て右回り方向部分を斜めに切除した形状とし、凸形状
の上部の出張り部を台形としたＴスロット用ナット。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、Ｔスロット内に挿入して使用するＴスロット用ナットに関するもの である。

【０００２】

【従来の技術】

従来Ｔスロット用ナットとして、断面形状が適応するＴスロットの形状に合わ せた凸形をしたＴナットが多く用いられている。これはＴスロットの端部より挿 入して使用するものでＴスロットの中間部より挿入はできない。

【０００３】 また前記Ｔナットを菱形に切断したいわゆる菱ナットは、Ｔスロットの中間部 より挿入でき、挿入後４５°程回転して底部の出張り部をＴスロットに引っ掛け て使用する。これはＴスロットに斜めに橋渡しした状態で使用するので強度的に 不利であり、見た目にも不安定である。また、菱ナットは少し左回りしただけで Ｔスロットから外れる恐れがある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の課題は、Ｔスロットの中間部より挿入できて、挿入後は容易に脱落し ないＴスロット用ナットを提供することにある。

【０００５】

【問題点を解決するための手段】

本考案は、前記Ｔナットに改良を加えたもので、図１に示すような略凸形状を している。凸形状の底部の出張り部を図２に示したように、ネジ穴の上面より見 て右回り方向部分Ｃを斜めに切除した形状となっている。

【０００６】 凸形状の出張りの無い方向の長さＢは適応Ｔスロットの口幅よりやや短くなっ ており、この方向よりＴスロットに挿入できる。凸形状の上部の出張り部は図１ に示したように台形となっており、台形部分の底辺の幅Ａは適応Ｔスロットの口 幅よりやや狭くなっている。全体の高さＨは適応Ｔスロットの懐の高さより低く なっている。

【０００７】

【作用】

以上に示した形状の本考案のＴスロット用ナット（以下ナットと言う）を図４ に示すようにＴスロットに挿入し、Ｔスロット内で右に回す。約９０°右に回転 したところで底部の出張りがＴスロットの内壁に当り止まる。

【０００８】 この状態でボルトをねじ込めば、ナットはＴスロットより引き出され、上部の 台形部分がＴスロットの口部にはまり込み、回り止めとして効果する。

【０００９】 さらにボルトを締込めば底部の出張りがＴスロットに引っ掛かり、目的の締結 を行う。

【００１０】

【実施例】

図４の実施例は、前記ナットの上部の台形部分の稜に角丸めを施してある。本 考案のナットを使用する場合、あらかじめボルトの先端にナットを取り付けてそ のままＴスロットに差込み、ボルトの回転により自然にナットが回転して、Ｔス ロットに引っ掛かるような使い方が便利である。この場合ナットが回転して上部 の台形部がＴスロットの口部に確実にはまり込む必要がある。

【００１１】 この目的の為に上部を台形にし、且つ稜Ｄに丸みをもたせてあり、これでナッ トの回転が不完全であっても上部の台形状と丸みでうまく案内されながらＴスロ ットの口部にはまり込む。またナットの回転が少ない状態で締込まれると逆に最 初に挿入された角度まで戻りＴスロットから抜け出す。このことは、結果として 不完全な締結を防ぐという効果がある。

【００１２】 図５は、ナットとＴスロットの底の間に敷板を敷込んだ実施例である。敷板は 、中央部にボルトの通るニゲ穴があり、一方の端部は弾力性のあるカエリが形成 され逆駒となる。反対側の端にはストッパーとなる出張りが形成されている。（ 図４の２参照）この敷板２を、Ｔスロットに挿入された本考案のナット１の下部 に差し込むことで、ナットは、上部の台形部がＴスロットの口元にはまり込んだ 状態に固定され回転できなくなるので、確実な締結が可能となる。敷板は逆駒と ストッパーでナット下部から外れることは無い。

【００１３】

【考案の効果】

以上に説明したように、本考案のナットはＴスロットの中間部より任意に挿入 でき、挿入後は確実な締結を実現できる便利なものである。

【００１４】 特に本考案は、形状がシンプルであり鍛造でも容易に作れるので一般の六角ナ ットと大差ないコストで提供できる。このことは、この種のナットに於て最も重 要な課題の一つである。

【００１５】 また最近急速に広まっている、周囲にＴスロット形成したアルミ押し出し成形 材をフレームとした装置などに於いては、本考案を実施したナットは便利さ、コ スト、共にすこぶる有用である。

【００１６】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の正面図である。

【図２】本考案のＴスロット用ナットの平面図である。

【図３】本考案のＴスロット用ナットの側面図である。

【図４】本考案の他の実施例の斜視図である。

【図５】本考案の他の実施例の断面図である。

【符号の説明】

１ Ｔスロット用ナット ２ 敷板 ３ Ｔスロット ４ ボルト

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上面にネジ穴があり、正面形状が凸形を
   し、側面形状が四角形をしたＴスロット用のナットに於
   て、凸形状の底部の一対の出張り部を、上面より見て右
   回り方向部分を斜めに切除した形状とし、凸形状の上部
   の出張り部分の形状を台形としたことを特徴とするＴス
   ロット用ナット。
2. 【請求項２】 請求項第１項のＴスロット用ナットに於
   て、凸形状の上部の台形部分の稜に角丸めを施したこと
   を特徴とするＴスロット用ナット。
3. 【請求項３】 敷板を底部に敷設したことを特徴とす
   る、請求項第１項及び請求項第２項のＴスロット用ナッ
   ト。