JPH0735605B2 - 耐熱性樹脂の溶融紡糸方法 - Google Patents
耐熱性樹脂の溶融紡糸方法Info
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- JPH0735605B2 JPH0735605B2 JP2087150A JP8715090A JPH0735605B2 JP H0735605 B2 JPH0735605 B2 JP H0735605B2 JP 2087150 A JP2087150 A JP 2087150A JP 8715090 A JP8715090 A JP 8715090A JP H0735605 B2 JPH0735605 B2 JP H0735605B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高耐熱性の樹脂、例えば溶融温度が300℃以上
の、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリ
エーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンスルフィド(P
PS)の繊維、特にPEI繊維の溶融紡糸に関するものであ
る。
の、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリ
エーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンスルフィド(P
PS)の繊維、特にPEI繊維の溶融紡糸に関するものであ
る。
〔従来の技術〕 いわゆるスーパーエンプラと称せられるPEEK、PEI、PPS
などの高耐熱性樹脂は、紡糸温度が通常の重合体からな
る樹脂に比べて高いため、紡糸時に、分解又は重合、架
橋等の反応の起る可能性もあり、発泡や、高粘度化な
ど、長時間の安定な紡糸を行なう上での障害があった。
などの高耐熱性樹脂は、紡糸温度が通常の重合体からな
る樹脂に比べて高いため、紡糸時に、分解又は重合、架
橋等の反応の起る可能性もあり、発泡や、高粘度化な
ど、長時間の安定な紡糸を行なう上での障害があった。
従来、上記耐熱性樹脂の溶融紡糸の際の濾材としては、
ステンレス鋼線やその他の金属、無機物からなる繊維な
どの無機繊維の焼結体(例えば特開昭61−132617号公報
参照)、高メッシュ金網フィルター、ブロンズ球焼結体
が使用されてきたが、上記溶融紡糸時のゲル除去を完全
に行なうことができなく、ゲル除去能力を完全に行なう
ことができなく、ゲル除去能力を高めるために平均空孔
径を小さくするとパック圧が上昇するなど溶融紡糸工程
上いろいろ問題があった。
ステンレス鋼線やその他の金属、無機物からなる繊維な
どの無機繊維の焼結体(例えば特開昭61−132617号公報
参照)、高メッシュ金網フィルター、ブロンズ球焼結体
が使用されてきたが、上記溶融紡糸時のゲル除去を完全
に行なうことができなく、ゲル除去能力を完全に行なう
ことができなく、ゲル除去能力を高めるために平均空孔
径を小さくするとパック圧が上昇するなど溶融紡糸工程
上いろいろ問題があった。
〔発明が解決しようとする課題〕 本発明の目的は、溶融体中のゲル化物などの夾雑物を除
去すると共に安定した長時間にわたる紡糸を可能にし、
産業用繊維として十分満足できる品質の繊維を製造する
方法を提供することにあり、特に単糸織度が9デニール
以下(直径30μm)の細い繊維からなる高品質のマルチ
フィラメントを工業的に安定して製造する方法を提供す
ることにある。
去すると共に安定した長時間にわたる紡糸を可能にし、
産業用繊維として十分満足できる品質の繊維を製造する
方法を提供することにあり、特に単糸織度が9デニール
以下(直径30μm)の細い繊維からなる高品質のマルチ
フィラメントを工業的に安定して製造する方法を提供す
ることにある。
上記の本発明の目的は、溶融温度が300℃以上の耐熱性
樹脂を溶融紡糸するに際し、ステンレス鋼粉末の焼結物
からなり、かつ繊維直径(μm)の64%以上の粒子の透
過率が5%以下の濾材で濾過した後、紡糸することによ
り、工業的に有利に達成される。
樹脂を溶融紡糸するに際し、ステンレス鋼粉末の焼結物
からなり、かつ繊維直径(μm)の64%以上の粒子の透
過率が5%以下の濾材で濾過した後、紡糸することによ
り、工業的に有利に達成される。
本発明の溶融紡糸を行なう装置としては既知のものが使
用できる。本発明において、耐熱性樹脂の溶融紡糸に適
した温度は300〜420℃、好ましくは350〜400℃である。
この温度域より低温では、装置への負荷が過大になった
り、樹脂溶融物の均一化が不十分であったり、逆にこの
温度域により高温では分解発泡や高粘度化、生成ゲルに
よる糸切れが生じる。これらの不都合を避けるためにこ
の温度域で溶融紡糸を行うのであるが、本発明の最大の
特徴は、溶融樹脂中に含まれる夾雑物や、ゲルを除く目
的でステンレス鋼粉末の焼結物からなり、かつ繊維直径
(μm)の64%以上の粒子の透過率が5%以下の濾材を
用い、溶融樹脂を濾過することにある。
用できる。本発明において、耐熱性樹脂の溶融紡糸に適
した温度は300〜420℃、好ましくは350〜400℃である。
この温度域より低温では、装置への負荷が過大になった
り、樹脂溶融物の均一化が不十分であったり、逆にこの
温度域により高温では分解発泡や高粘度化、生成ゲルに
よる糸切れが生じる。これらの不都合を避けるためにこ
の温度域で溶融紡糸を行うのであるが、本発明の最大の
特徴は、溶融樹脂中に含まれる夾雑物や、ゲルを除く目
的でステンレス鋼粉末の焼結物からなり、かつ繊維直径
(μm)の64%以上の粒子の透過率が5%以下の濾材を
用い、溶融樹脂を濾過することにある。
溶融紡糸しようとする耐熱性樹脂中には、出発原料中の
異物、重合時や後処理時に生成、混入するゲル、異物な
どが含まれている場合がある。そのうえ上述のように溶
融樹脂の分解によって生じる気泡や架橋反応によって生
じるゲルが含まれている。これらは溶融紡糸に悪影響を
与え、ノズル孔の閉塞、吐出不良、糸切れなどの問題が
生じる。したがって、本発明で述べるように、濾過が必
要であるが、本発明の目的が、特に単糸繊度が数デニー
ル(直径約30μm以下)の細い繊維からなる高品質のマ
ルチフィラメントを長時間安定して製造することにある
から、微小な夾雑物の影響は大きい。最終的に得られる
繊維直径としては45μm以下、特に30μm以下(約9デ
ニール以下)が望まれるから45μmの場合は42μm以上
の、30μmでは19μm以上の異物の存在は断糸原因をな
すものとして致命的である。繊維直径が45μmの場合に
比べて30μmの場合に許容される異物の最大径の割合が
約30%ほど小さくなければならないのは、小さい孔径の
オリフィス(ノズル孔)を通過する方が通過時流速が大
きく、従って抵抗が大きいため小さな異物による障害の
発生率が大きくなるためと考えられる。
異物、重合時や後処理時に生成、混入するゲル、異物な
どが含まれている場合がある。そのうえ上述のように溶
融樹脂の分解によって生じる気泡や架橋反応によって生
じるゲルが含まれている。これらは溶融紡糸に悪影響を
与え、ノズル孔の閉塞、吐出不良、糸切れなどの問題が
生じる。したがって、本発明で述べるように、濾過が必
要であるが、本発明の目的が、特に単糸繊度が数デニー
ル(直径約30μm以下)の細い繊維からなる高品質のマ
ルチフィラメントを長時間安定して製造することにある
から、微小な夾雑物の影響は大きい。最終的に得られる
繊維直径としては45μm以下、特に30μm以下(約9デ
ニール以下)が望まれるから45μmの場合は42μm以上
の、30μmでは19μm以上の異物の存在は断糸原因をな
すものとして致命的である。繊維直径が45μmの場合に
比べて30μmの場合に許容される異物の最大径の割合が
約30%ほど小さくなければならないのは、小さい孔径の
オリフィス(ノズル孔)を通過する方が通過時流速が大
きく、従って抵抗が大きいため小さな異物による障害の
発生率が大きくなるためと考えられる。
しかして濾材の材質としてはステンレス鋼の異形粉の焼
結体でなければならない。この異形粉は、例えば溶融ス
テンレス鋼を窒素やアルゴンガス流により噴霧させるア
トマイズ法によって製造したものであって、直径に対し
て長さが約2倍の柱状の、しかも全表面がギザギザの極
めて凹凸に富んだ粉体である。本発明で用いる濾材の材
質は、耐熱性、耐酸化性、コストの点からステンレスで
あることが極めて好ましい。また、本発明で用いる濾材
は、未延伸繊維直径(μm)の64%以上の粒子が95%除
去できるものでなければならない。この64%という数値
は、スーパーエンプラ繊維として常用される30μmに対
するものであり、繊維直径がこれより大きい場合、例え
ばスーパーエンプラ繊維として使用される上限の繊維直
径45μmの場合は、94%以上であれば良い。具体的には
繊維直径45μmの場合には42μm、30μmの場合には19
μm以上の異物が95%除去できるものでなければならな
い。この除去率は、42μmの異物除去については、25℃
の空気の濾過時の圧力損失(mmHg)が流量0.5Nl/min/cm
2で約9mmH2O、流量10Nl/min/cm2で約170〜200mmH2O、19
μmの異物除去については流量0.5Nl/min/cm2で約40mmH
2O、流量10Nl/min/cm2で約650〜750mmH2Oのステンレス
鋼異形粉の焼結体で得られる。この範囲に入る異形粉焼
結体の厚さ2mm及び1mmのエレメントの特性を下記の表1
に示す。
結体でなければならない。この異形粉は、例えば溶融ス
テンレス鋼を窒素やアルゴンガス流により噴霧させるア
トマイズ法によって製造したものであって、直径に対し
て長さが約2倍の柱状の、しかも全表面がギザギザの極
めて凹凸に富んだ粉体である。本発明で用いる濾材の材
質は、耐熱性、耐酸化性、コストの点からステンレスで
あることが極めて好ましい。また、本発明で用いる濾材
は、未延伸繊維直径(μm)の64%以上の粒子が95%除
去できるものでなければならない。この64%という数値
は、スーパーエンプラ繊維として常用される30μmに対
するものであり、繊維直径がこれより大きい場合、例え
ばスーパーエンプラ繊維として使用される上限の繊維直
径45μmの場合は、94%以上であれば良い。具体的には
繊維直径45μmの場合には42μm、30μmの場合には19
μm以上の異物が95%除去できるものでなければならな
い。この除去率は、42μmの異物除去については、25℃
の空気の濾過時の圧力損失(mmHg)が流量0.5Nl/min/cm
2で約9mmH2O、流量10Nl/min/cm2で約170〜200mmH2O、19
μmの異物除去については流量0.5Nl/min/cm2で約40mmH
2O、流量10Nl/min/cm2で約650〜750mmH2Oのステンレス
鋼異形粉の焼結体で得られる。この範囲に入る異形粉焼
結体の厚さ2mm及び1mmのエレメントの特性を下記の表1
に示す。
しかして濾材の材質としてはステンレス鋼以外の他の金
属も考えられるが、例えばブロンズでは耐熱性の点で問
題があり、鋼鉄では耐酸化性の点で問題があり、無機粒
子の焼結体では耐圧性の点で問題がある。
属も考えられるが、例えばブロンズでは耐熱性の点で問
題があり、鋼鉄では耐酸化性の点で問題があり、無機粒
子の焼結体では耐圧性の点で問題がある。
また、濾材としては他にステンレス鋼線などの焼結体や
ブロンズ球焼結体などがあるが、球の場合は開口部の縁
が丸くなっているためゲル状物が通過しやすく所望の濾
過効率が得られない。一方ステンレス鋼線焼結体につい
ては、95%除去できる直径はステンレス鋼異形粉と比べ
何等見劣りする所はないものの、空隙率が大きいため時
間の経過に伴う濾過圧の増大によりゲル等が流出して、
ノズル詰まりを生じて長時間安定して操業できないとい
う欠点がある。ステンレス鋼線焼結体の特性を表2に示
す。
ブロンズ球焼結体などがあるが、球の場合は開口部の縁
が丸くなっているためゲル状物が通過しやすく所望の濾
過効率が得られない。一方ステンレス鋼線焼結体につい
ては、95%除去できる直径はステンレス鋼異形粉と比べ
何等見劣りする所はないものの、空隙率が大きいため時
間の経過に伴う濾過圧の増大によりゲル等が流出して、
ノズル詰まりを生じて長時間安定して操業できないとい
う欠点がある。ステンレス鋼線焼結体の特性を表2に示
す。
異形粉焼結体と鋼線焼結体を比較すると、同じ平均空孔
径では後者の空隙率が極めて大きく、また圧力損失が極
めて小さいことがわかる。すなわち、鋼線焼結体は断面
が円形の滑らかな表面を持っていることとも相俟って、
いったん濾材にひっかかった異物が圧力が増大すると容
易に流出してしまい易いことがわかる。
径では後者の空隙率が極めて大きく、また圧力損失が極
めて小さいことがわかる。すなわち、鋼線焼結体は断面
が円形の滑らかな表面を持っていることとも相俟って、
いったん濾材にひっかかった異物が圧力が増大すると容
易に流出してしまい易いことがわかる。
本発明で述べる濾材により、高耐熱性樹脂を長時間安定
して紡糸できるが、紡糸時に押出器先端に本発明で述べ
る濾材より粗い濾材を用い、より大きな夾雑物やゲルな
どを除去してから本発明で述べる濾材で濾過することに
より、濾材の稼働時間を長くすることができるなど、よ
り安定した紡糸を長時間継続することができる。
して紡糸できるが、紡糸時に押出器先端に本発明で述べ
る濾材より粗い濾材を用い、より大きな夾雑物やゲルな
どを除去してから本発明で述べる濾材で濾過することに
より、濾材の稼働時間を長くすることができるなど、よ
り安定した紡糸を長時間継続することができる。
濾材の形態としては特に限定されないが、普通は平板パ
ック型を使用する。そして通常濾材は、補強板と共に使
用するが、エレメント厚が1mmで平均空孔径の大きい濾
材を使用するときは、濾材密度が小さいので補強板には
目の比較的緻密なものを使用することによって、濾材の
破損を有効に防止できる。本発明に従って紡糸した繊維
はそのままで、又は油剤を付着させ巻取るか又は引落
す。巻取り又は引落し速度は10〜10,000m/min、好まし
くは100〜1,000m/minである。
ック型を使用する。そして通常濾材は、補強板と共に使
用するが、エレメント厚が1mmで平均空孔径の大きい濾
材を使用するときは、濾材密度が小さいので補強板には
目の比較的緻密なものを使用することによって、濾材の
破損を有効に防止できる。本発明に従って紡糸した繊維
はそのままで、又は油剤を付着させ巻取るか又は引落
す。巻取り又は引落し速度は10〜10,000m/min、好まし
くは100〜1,000m/minである。
得られる繊維の太さや断面形状は、用途に応じて選定す
るが、5〜20デニールの太さの繊維径のものが一般的で
ある。得られた繊維はそのままでも使用できるが、熱処
理や延伸あるいはこれらの組合せ処理を施すことによっ
て、さらに高強度、高弾性化することができる。
るが、5〜20デニールの太さの繊維径のものが一般的で
ある。得られた繊維はそのままでも使用できるが、熱処
理や延伸あるいはこれらの組合せ処理を施すことによっ
て、さらに高強度、高弾性化することができる。
以上説明したように、紡糸された繊維直径に応じて繊維
直径の最高64%以上の粒子の透過率が5%以下の濾材で
濾過することによって、ノズル孔の閉塞や吐出不良、糸
切れなどの原因となるゲルや異物を効果的に除去し得る
とともに、適度の空隙率と濾過抵抗を有し、しかも全表
面がギザギザして極めて凹凸に富んでいるため、いった
ん濾材に捕捉された異物が極めて流出し難いため、長時
間安定した紡糸が可能であるとともに、繊維物性も向上
するものと考えられる。
直径の最高64%以上の粒子の透過率が5%以下の濾材で
濾過することによって、ノズル孔の閉塞や吐出不良、糸
切れなどの原因となるゲルや異物を効果的に除去し得る
とともに、適度の空隙率と濾過抵抗を有し、しかも全表
面がギザギザして極めて凹凸に富んでいるため、いった
ん濾材に捕捉された異物が極めて流出し難いため、長時
間安定した紡糸が可能であるとともに、繊維物性も向上
するものと考えられる。
以下実施例と比較例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。
る。
実施例1 PEI(商品名ULTEM 1010−1000、390℃でのMI:17g/10
分、GE社製)を使用して、30mm径のスクリュー型押出機
により、紡糸を行なった。スクリューヘッドの部分に40
0メッシュの金網を3枚、200メッシュの金網と組合せて
用い、ギヤポンプとノズルとの間にステンレス鋼の異形
粉末の焼結フィルター(SMC社製MCFステンレスパウダー
エレメントMC−40)を設けた。このフィルターは19μm
以上の粒子を95%以上除去してしまうもので、平均空孔
径40μm、空隙率55%、厚さ2mmのものである。ノズル
として孔数100のものを用い、紡糸温度375℃で36g/分の
吐出量で紡糸速度400m/分で巻取り、単糸繊度30μmで
糸番手90texのマルチフィラメント糸を得た。5日間糸
切れもなく安定して紡糸できた。得られたフィラメント
中にはゲルの混入はほとんどなく、たまにあっても断糸
しない程度の微小のものであった。
分、GE社製)を使用して、30mm径のスクリュー型押出機
により、紡糸を行なった。スクリューヘッドの部分に40
0メッシュの金網を3枚、200メッシュの金網と組合せて
用い、ギヤポンプとノズルとの間にステンレス鋼の異形
粉末の焼結フィルター(SMC社製MCFステンレスパウダー
エレメントMC−40)を設けた。このフィルターは19μm
以上の粒子を95%以上除去してしまうもので、平均空孔
径40μm、空隙率55%、厚さ2mmのものである。ノズル
として孔数100のものを用い、紡糸温度375℃で36g/分の
吐出量で紡糸速度400m/分で巻取り、単糸繊度30μmで
糸番手90texのマルチフィラメント糸を得た。5日間糸
切れもなく安定して紡糸できた。得られたフィラメント
中にはゲルの混入はほとんどなく、たまにあっても断糸
しない程度の微小のものであった。
実施例2 フィルターをSMC社製MC−30(19μm以上の粒子を95%
以上除去する、平均空孔径30μm、空隙率55%、厚さ1m
m)に変えた外は実施例1と同じ条件で実験を繰返し
て、実施例1と同様の結果を得た。
以上除去する、平均空孔径30μm、空隙率55%、厚さ1m
m)に変えた外は実施例1と同じ条件で実験を繰返し
て、実施例1と同様の結果を得た。
実施例3 フィルターをSMC社製MC−80(42μm以上の粒子を95%
以上除去する、平均空孔径50μm、空隙率60%、厚さ2m
m)に変え、ノズルとして孔数100のものを使用し紡糸速
度172m/分で巻取った外は、実施例1と同じ条件で実験
を繰返して、単糸繊度45μm、糸番手210texのマルチフ
ィラメント糸を得た。48時間の間に5回切断を生じたも
のの、特に紡糸困難ということなく、工業的に十分安定
して操業することができた。
以上除去する、平均空孔径50μm、空隙率60%、厚さ2m
m)に変え、ノズルとして孔数100のものを使用し紡糸速
度172m/分で巻取った外は、実施例1と同じ条件で実験
を繰返して、単糸繊度45μm、糸番手210texのマルチフ
ィラメント糸を得た。48時間の間に5回切断を生じたも
のの、特に紡糸困難ということなく、工業的に十分安定
して操業することができた。
実施例4 フィルターをSMC社製MC−60(31μm以上の粒子を95%
以上除去する、平均空孔径60μm、空隙率60%、厚さ2m
m)に変えた外は実施例3と同じ条件で実験を繰返し
た。実施例と同様のマルチフィラメント糸を48時間の間
に3回断糸しただけで、工業的に十分満足できる安定な
紡糸状態で得ることができた。
以上除去する、平均空孔径60μm、空隙率60%、厚さ2m
m)に変えた外は実施例3と同じ条件で実験を繰返し
た。実施例と同様のマルチフィラメント糸を48時間の間
に3回断糸しただけで、工業的に十分満足できる安定な
紡糸状態で得ることができた。
比較例1 フィルターを上側200メッシュ、下側50メッシュの金網
の組フィルターの2組構成に変えた外は実施例1と同じ
条件で実験を繰返したが、紡糸開始直後からゲル混入に
よる断糸が頻発し、30分〜1時間の巻取りが辛うじてで
きる程度であった。
の組フィルターの2組構成に変えた外は実施例1と同じ
条件で実験を繰返したが、紡糸開始直後からゲル混入に
よる断糸が頻発し、30分〜1時間の巻取りが辛うじてで
きる程度であった。
比較例2 300メッシュの金網フィルター3枚を比較例1の組フィ
ルターの間にはさんだ外は比較例1と同じ条件で実験を
繰返した。フィルターによるゲル細分化の効果による為
か10時間までは断糸なく紡糸できた。しかしその後はゲ
ルの混入が急激に増加し、断糸が多発し紡糸困難となっ
た。
ルターの間にはさんだ外は比較例1と同じ条件で実験を
繰返した。フィルターによるゲル細分化の効果による為
か10時間までは断糸なく紡糸できた。しかしその後はゲ
ルの混入が急激に増加し、断糸が多発し紡糸困難となっ
た。
比較例3 フィルターをステンレス鋼線の焼結フィルター(SMC社
製MF−40)に変えた外は実施例1と同じ条件で実験を繰
返した。このフィルターは17μm以上の粒子を95%以上
除去してしまうもので、平均空孔径40μm、空隙率75%
のものである。20時間までは断糸なく紡糸できたが、そ
の後はパック圧が上昇するとともにゲルの混入が急激に
増加し、断糸が多発して紡糸困難となった。
製MF−40)に変えた外は実施例1と同じ条件で実験を繰
返した。このフィルターは17μm以上の粒子を95%以上
除去してしまうもので、平均空孔径40μm、空隙率75%
のものである。20時間までは断糸なく紡糸できたが、そ
の後はパック圧が上昇するとともにゲルの混入が急激に
増加し、断糸が多発して紡糸困難となった。
比較例4 フィルターをステンレス鋼線の焼結フィルター(35μm
以上の粒子を95%以上除去する、平均空孔径80μm、空
隙率75%、SMC社製MF−80)に変えた外は実施例3と同
じ条件で実験を繰返した。20時間までは断糸なく紡糸で
きたが、その後はパック圧上昇とともにゲルの混入が急
激に増加し、断糸多発により紡糸困難となった。
以上の粒子を95%以上除去する、平均空孔径80μm、空
隙率75%、SMC社製MF−80)に変えた外は実施例3と同
じ条件で実験を繰返した。20時間までは断糸なく紡糸で
きたが、その後はパック圧上昇とともにゲルの混入が急
激に増加し、断糸多発により紡糸困難となった。
以上詳細に説明したように、本発明に述べる濾材を使用
することによって、溶融体中の夾雑物が効果的に除去さ
れて紡糸操業上の問題なく長時間安定して物性の優れた
高耐熱性のスーパーエンプラ系繊維を製造できることに
なった。そして本発明により得られる繊維はFRP、FRT
P、ロープ、安全作業衣等広範な用途を有する。
することによって、溶融体中の夾雑物が効果的に除去さ
れて紡糸操業上の問題なく長時間安定して物性の優れた
高耐熱性のスーパーエンプラ系繊維を製造できることに
なった。そして本発明により得られる繊維はFRP、FRT
P、ロープ、安全作業衣等広範な用途を有する。
Claims (1)
- 【請求項1】溶融温度が300℃以上の耐熱性樹脂を溶融
紡糸するに際し、アトマイズ法により製造され表面に凹
凸を有するステンレス鋼粉末の焼結物からなり、かつ繊
維直径(μm)の64%以上の粒子の透過率が5%以下の
濾材で濾過した後、紡糸することを特徴とする耐熱性樹
脂の溶融紡糸方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2087150A JPH0735605B2 (ja) | 1990-03-30 | 1990-03-30 | 耐熱性樹脂の溶融紡糸方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2087150A JPH0735605B2 (ja) | 1990-03-30 | 1990-03-30 | 耐熱性樹脂の溶融紡糸方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03287808A JPH03287808A (ja) | 1991-12-18 |
JPH0735605B2 true JPH0735605B2 (ja) | 1995-04-19 |
Family
ID=13906951
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2087150A Expired - Fee Related JPH0735605B2 (ja) | 1990-03-30 | 1990-03-30 | 耐熱性樹脂の溶融紡糸方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0735605B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20080006970A1 (en) * | 2006-07-10 | 2008-01-10 | General Electric Company | Filtered polyetherimide polymer for use as a high heat fiber material |
US9416465B2 (en) * | 2006-07-14 | 2016-08-16 | Sabic Global Technologies B.V. | Process for making a high heat polymer fiber |
JP2012072507A (ja) * | 2010-09-28 | 2012-04-12 | Kuraray Co Ltd | 扁平化されたポリエーテルイミド繊維及びそれからなる布帛 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5427444B2 (ja) * | 1972-06-13 | 1979-09-10 | ||
JPH0633525B2 (ja) * | 1984-11-27 | 1994-05-02 | 住友化学工業株式会社 | 芳香族ポリエステルの紡糸方法 |
JPS62144518U (ja) * | 1986-03-06 | 1987-09-11 |
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1990
- 1990-03-30 JP JP2087150A patent/JPH0735605B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH03287808A (ja) | 1991-12-18 |
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