JPH073557A - 複合材料補強用繊維 - Google Patents

複合材料補強用繊維

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JPH073557A
JPH073557A JP16327793A JP16327793A JPH073557A JP H073557 A JPH073557 A JP H073557A JP 16327793 A JP16327793 A JP 16327793A JP 16327793 A JP16327793 A JP 16327793A JP H073557 A JPH073557 A JP H073557A
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Japan
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fiber
composite material
polyimide
resin
solvent
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JP16327793A
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English (en)
Inventor
Masayuki Fukumoto
政之 福元
Shigeji Hayashi
繁次 林
Akihiro Ito
彰浩 伊藤
Masahiro Sugimori
正裕 杉森
Fumio Sawada
二三夫 澤田
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱硬化性マトリックス樹脂と強化繊維から得
られる複合材料成形物に優れた靱性、耐クラック性を付
与するために使用する複合材料補強用繊維を提供する。 【構成】 特定構造の繰り返し単位を有するポリイミド
繊維と特定構造の繰り返し単位を有するポリエーテルイ
ミド繊維をブレンドする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱硬化性マトリックス
樹脂と強化繊維から得られる複合材料成形物に優れた靱
性、耐クラック性を付与するために使用する複合材料補
強用繊維に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】炭素繊
維等の高強度、高弾性繊維を強化繊維とする複合材料
は、その比強度、比弾性に優れるという特徴をいかして
スポーツ用途に広く用いられてきている。通常、マトリ
ックス樹脂として用いられるエポキシ樹脂、ビスマレイ
ミド樹脂をはじめとする熱硬化性樹脂は、種々の特長を
有する一方で靱性に乏しいという欠点を有するために、
その用途はかなり制限されたものになっていた。
【0003】この熱硬化性樹脂の欠点を改良するためゴ
ム成分や、熱可塑性樹脂を添加する方法が一般的である
が、十分な靱性改良効果をあげるためには多量に添加す
る必要があり、耐熱性や耐溶剤性、取扱性の低下を招く
結果となっている。
【0004】また、接着剤あるいは熱可塑性樹脂のフィ
ルムを、強化繊維に熱硬化性樹脂を含浸したプリプレグ
の積層間に挿入することにより、成形物の靱性を向上さ
せるインターリーフとよばれる方法の提案もなされてい
るが、繊維含有率が上げられない、作業性が悪いなどの
理由から実用化には至ってはいない。
【0005】これに代わる方法として、たとえば、熱可
塑性樹脂の微粒子をプリプレグ表面に局在化させること
でインターリーフと同様の効果を与える提案がなされて
いるが(特開平1−110537号公報など)、この場
合でもプリプレグのタックの大幅な低下が避けられない
ばかりか、工程の複雑化、品質管理の複雑化等の問題が
さらに発生する。
【0006】さらに、樹脂系複合材料においては、樹脂
と強化繊維(炭素繊維)の熱膨張率の違いに基づく、成
形時あるいはサーマルサイクル時の熱応力によるクラッ
ク発生の問題がある。これらに対しては、樹脂の高伸度
化など試みられているが、現在の3次元織物など高次な
強化繊維構造になるにしたがい満足な成果をえるには至
っていない。
【0007】これに対して、本発明者らは、特定の繊維
状の熱可塑性樹脂を強化繊維からなる複合材料に併用し
て用いることにより、(1)プリプレグ表面及び内部に
適宜容易に配置することができる。(2)プリプレグの
タックレベルのコントロールが容易である。(3)高粘
度物を扱う必要がなく、従来のプリプレグ製造プロセス
がそのまま利用できる。(4)成形物の耐クラック性が
向上する。など種々の有効な特徴が得られることを見い
だし、本発明に至った。
【0008】本発明は、熱硬化性マトリックス樹脂と強
化繊維から得られる複合材料成形物の優れた熱的性質、
機械的性質を損なうことなく、優れた靱性、耐クラック
性を付与するために使用する複合材料補強用繊維を開発
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の一般式
〔I〕及び/又は〔II〕で示される構造を主な繰り返し
単位とするポリイミド繊維と下記の一般式〔III 〕で示
される構造を主な繰り返し単位とするポリエーテルイミ
ド繊維をブレンドすることにより得られる複合材料補強
用繊維にある。
【0010】
【化4】
【化5】
【化6】
【0011】本発明に用いられる、一般式〔I〕及び/
又は〔II〕で示される構造を主な繰り返し単位とするポ
リイミドは、芳香族2無水物の主成分として3,3′,
4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸2無水物と
ジアミンの主成分として5(6)−アミノ−1−(4′
−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン
を用いた公知の縮合反応により製造される。
【0012】反応は、成分の少なくとも一方の融点より
高い温度で溶融状態で、あるいは適当な溶剤中で行うこ
とができる。芳香族2無水物とジアミンのモル量を慎重
に調整することにより、生成するポリイミドの分子量を
かなり広範囲に調整することが可能である。触媒とし
て、ピリジンなどを用いることにより、ポリイミドの生
成を促進させることが有効である。
【0013】使用される芳香族2無水物は、3,3′,
4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸2無水物を
主成分とするもの、すなわち芳香族2無水物中3,
3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸2無
水物を90モル%以上含有するものであって、その他の
芳香族2無水物としては、たとえばピロメリット酸2無
水物、3,3′−ビスフタリルエーテル2無水物などを
挙げることができる。
【0014】ジアミンとしては、5(6)−アミノ−1
−(4′−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチル
インダンを主成分とするもの、すなわちジアミン中5
(6)−アミノ−1−(4′−アミノフェニル)−1,
3,3−トリメチルインダンを90モル%以上含有する
ものであって、その他のジアミンとしてはたとえば1,
6−ヘキサンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサ
ン−1,6−ジアミン1,6−ビス〔4−アミノフェニ
ル〕ヘキサン、4,4′−メチレンジアニリンなどを挙
げることができる。芳香族2無水物中の3,3′,4,
4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸2無水物、及び
ジアミン中の5(6)−アミノ−1−(4′−アミノフ
ェニル)−1,3,3−トリメチルインダンが上記モル
数未満の場合、後記する紡糸溶剤に対する溶解性が低下
する場合があり好ましくない。
【0015】本発明に用いられるポリイミドの分子末端
は、
【化7】 であるか、又はアミノ基又は無水官能基と反応性を有す
るモノ官能性キャッピング剤でもよい。
【0016】得られるポリイミドは、固体状である。使
用するポリイミドの平均分子量としては、ゲル浸透クロ
マトグラフィー(GPC)により決定した標準ポリエチ
レン換算の数平均分子量、質量平均分子量、Z平均分子
量のいずれかが10,000以上が好ましく、さらに好
ましくは20,000以上である。これよりも低分子量
であると、紡糸の際、糸切れなどの問題が生じ、また仮
に繊維状になったとしても、その後の使用に強度的に耐
え得ないなど好ましくない。
【0017】このようにして得られたポリイミドを繊維
状に賦形する方法、すなわち紡糸方法としては、ポリイ
ミドを適当な溶剤に溶解し、繊維状に押し出し、溶剤を
除去する方法が一般的に用いられる。
【0018】使用される溶剤としては、ポリイミドを溶
解できるものでB型回転粘度計で測定した溶液の粘度
が、温度25℃で102 〜105 ポイズの溶液を製造で
きるものであればよく、たとえば、ジクロロメタン、ジ
クロロエタン、クロロホルム、テトラクロロエタン、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン、アセトフェノン、シク
ロヘキサノン、m−クレゾール、r−ブチロラクトン、
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチ
ルスルホキシド、N−メチルピロリドンあるいはこれら
の混合物、これらの溶剤と他の溶剤との混合物等を挙げ
ることができる。ジクロロメタン、ジクロロエタン、ク
ロロホルム、テトラクロロエタンなどが溶剤の除去の容
易さの上で好ましく、さらに溶液粘度の調整の容易さ、
溶液粘度の変動が少ない点からジクロロメタンにメタノ
ールを混合した溶剤が好ましく、混合割合としては、ジ
クロロメタン/メタノール=99〜80/1〜20重量
比が特に好ましい。
【0019】溶剤にポリイミドを溶解させる方法として
は、ニーダー混合など公知の方法によりおこなえる。溶
解熱の発生による溶液温度の上昇をおさえるため容器の
冷却しながら行うのが好ましく、また溶剤の揮発による
粘度の上昇には注意を払うべきである。
【0020】得られる均一溶液の粘度としては、B型回
転粘度測定による室温(25℃)での粘度が102 〜1
5 ポイズ、好ましくは103 ポイズオーダーであるべ
きである。使用するポリイミドの分子量にもよるが、ジ
クロロメタン/メタノール=99〜80/1〜20重量
比混合溶剤においては、ポリイミドの溶液濃度を15〜
35重量%とすることが紡糸の安定性において紡糸溶液
として最も好ましい。
【0021】このように調整した溶液を繊維状に押し出
し、溶剤を蒸発除去し、乾燥してポリイミド繊維を得る
方法としては、たとえば、溶液プレヒーターにより温度
管理されたシリンダー内に送りこみ、異物を除去するた
めフィルターによりろ過したのち、紡糸ノズルより温度
管理された雰囲気に連続的に押し出し、溶剤の沸点以上
に温度管理された乾燥炉中を通過させ、溶剤を蒸発させ
乾燥し、ローラーにより一定速度で巻き取ることにより
得られる。巻き取る際のトラブル防止、また静電気の防
止などのため適当な油剤をつけてもよいが、好ましく
は、後の複合化に際して悪影響を避ける意味で油剤を付
着しないのが好ましい。また、インターレース(交絡)
処理は、扱い性と巻き取り性を向上するのに好ましい方
法である。形態としては、モノフィラメントあるいはこ
れらを束にしたものなど紡糸ノズル等により変化させう
る。延伸処理も有効である。
【0022】このようにして得られるポリイミド繊維の
断面形状は、3つ以上の枝わかれを有するアメーバー形
状を主形状とする円以外及びだ円以外の異形断面形状で
ある。たとえば図1〜図5に示すような形状を主形状と
する異形断面形状である。
【0023】断面形状がこのような形状であるために、
後述するポリエーテルイミド繊維とのブレンド後のブレ
ンド糸の各繊維の分散性が良好であり、かつ炭素繊維等
の強化繊維、樹脂との複合化プロセスにおいても良好な
本発明の複合材料補強用繊維の良好な分散性を得ること
ができる。繊維は、中実状であることが好ましいが、中
空状あるいは多孔化していても、後の複合化プロセス条
件、成形条件、マトリックス樹脂の選択などにより、成
形不良等の不都合が生じることなしに、問題なく使用で
きる。繊維径も用途にあわせ紡糸ノズル径、製造条件に
より設定すればよい。
【0024】本発明に用いられる一般式〔III 〕の構造
を主な繰り返し単位とするポリエーテルイミドは、たと
えば、芳香族2無水物の主成分として、下記の構造式
(1)で表されるビスフェノールAビスフタル酸2無水
【化8】 とジアミンの主成分として1,3−フェニレンジアミン
を用いた公知の縮合反応により製造される。
【0025】反応は、成分の少なくとも一方の融点より
高い温度で溶融状態で、あるいは適当な溶剤中で行うこ
とができる。芳香族2無水物とジアミンのモル量を慎重
に調整するこにより、生成するポリエーテルイミドの分
子量をかなり広範囲に調整することが可能である。触媒
として、ピリジンなどを用いることにより、ポリエーテ
ルイミドの生成を促進させることが有効である。
【0026】使用される芳香族2無水物は、構造式
(1)で表されるビスフェノールAビスフタル酸2無水
物を主成分とするもの、すなわち芳香族2無水物中構造
式(1)で表されるビスフェノールAビスフタル酸2無
水物を90モル%以上含有するものであって、その他の
芳香族2無水物としては、たとえばピロメリット酸2無
水物3,3′−ビスフタリルエーテル2無水物などをあ
げることができる。
【0027】構造式(1)で表されるビスフェノールA
ビスフタル酸2無水物は、公知の方法により製造され
る。すなわち、4−ニトロ無水フタル酸とアニリンの反
応により得られる、4−フェニル−4−ニトロフタルイ
ミドとビスフェノールAのアルカリ金属塩とのエーテル
化反応により生成するビスエーテルイミド化合物を加水
分解し、脱水環化することにより製造できる。
【0028】ジアミンとしては、1,3−フェニレンジ
アミンを主成分とするもの、すなわちジアミン中1,3
−フェニレンジアミンを90モル%以上含有するもので
あって、その他のジアミンとしてはたとえば1,6−ヘ
キサジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサン−1,
6−ジアミン1,6−ビス〔4−アミノフェニル〕ヘキ
サン、4,4′−メチレンジアニリン、5(6)−アミ
ノ−1−(4′−アミノフェニル)−1,3,3−トリ
メチルインダンなどを挙げることができる。
【0029】芳香族2無水物中の構造式(1)で表され
るビスフェノールAビスフタル酸2無水物、及びジアミ
ン中の1,3−フェニレンジアミンが上記モル数未満の
場合、溶液から紡糸する場合、前記した溶剤に対する溶
解性が低下する、耐熱性が低下する、溶融紡糸が困難に
なるなどして好ましくない。
【0030】本発明に用いられるポリエーテルイミドの
分子末端は、
【化9】 であるか、又はアミノ基又は無水物官能基と反応性を有
するモノ官能性キャッピング剤でもよい。
【0031】得られるポリエーテルイミドは、固体状で
ある。このポリエーテルイミドは、G.E.社(ジェネ
ラル エレクトリック社)製 ウルテムの商標で知られ
る、たとえばウルテム1000などとして市販されてい
るものを用いることができる。
【0032】使用するポリエーテルイミドの平均分子量
としては、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によ
り決定した標準ポリスチレン換算の数平均分子量、質量
平均分子量、Z平均分子量のいずれかが、10,000
以上、さらに好ましくは20,000以上である。これ
よりも低分子量であると、紡糸の際、糸切れなどの問題
が生じ、また仮に繊維状になったとしても、その後の使
用に強度的に耐え得ないことが考えられるので好ましく
ない。
【0033】ポリエーテルイミドを繊維状に賦形し、す
なわち紡糸する方法は、前記したポリイミドと、同様に
前記した溶剤に溶解し、同様に繊維状に押し出し、溶剤
を除去して巻き取る方法、及び溶融温度以上に加熱し、
適当な溶融粘度のもとで繊維状に押し出し、巻き取るい
わゆる溶融紡糸により得られる。形態としては、モノフ
ィラメント、あるいはこれらの束状のものなど限定され
ない。扱い性向上、紡糸の際の巻き取り性の向上のため
油剤を付着させることも有効であるが、後の複合化にお
いてのトラブルを避ける意味で無い方が好ましい。この
ようにして得られるポリエーテルイミド繊維の断面形状
は、特に限定されるものではなく、また中実状であるこ
とが好ましいが、中空状あるいは多孔化していても、後
の複合化プロセス条件、成形条件、マトリックス樹脂の
選択などにより、成形不良等不都合が生じない場合等、
特に問題なく使用できる。繊維径も用途にあわせ紡糸ノ
ズル径、製造条件により設定すればよい。
【0034】このようにして得られたポリイミドの繊維
とポリエーテルイミドの繊維をブレンドする方法として
は、紡糸途中の巻き取りまえ、あるいは巻き取り後あら
ためて、インターレース(交絡)加工を施すなど通常用
いられる方法が使用できる。両繊維の短繊維を混合し紡
績して得られる紡績糸も好ましい。両繊維のブレンド比
は特に限定されるものではなく所望により決定すればよ
い。
【0035】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明をさ
らに詳しく説明する。
【0036】実施例1〜3 3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸
2無水物及び5(6)−アミノ−1−(4′−アミノフ
ェニル)−1,3,3−トリメチルインダンから、米国
特許第3856752号明細書に基づきポリイミド樹脂
を得た。得られたポリイミド樹脂は、ゲル浸透クロマト
グラフィー(GPC)による測定で、数平均分子量2
9,000、質量平均分子量65,000、Z平均分子
量110,000の黄色のパウダー状であった。
【0037】溶剤としてジクロロメタン/メタノール
(91/9重量比)の混合溶剤にポリマー濃度23重量
%で室温下でよく攪拌混合して溶解し均一な溶液を調製
した。B型回転粘度計でこの溶液の粘度を測定したとこ
ろ、1,500ポイズであった。
【0038】この溶液を不織布フィルターで簡易ろ過し
た後、約60℃に加熱し、38μφ×26ホールの紡糸
ノズルより18.70cc/分の割合で吐出し、40〜
90℃の雰囲気下で溶剤の蒸発、乾燥を行い、250m
/分で引き取り、油剤を付けずに巻き取った。得られた
ポリイミド繊維は、26フィラメント、繊度平均96デ
ニール、最大引張強度1.5g/デニール、最大引張伸
度112%、降伏強度0.8g/デニールであった。
【0039】一方、ポリエーテルイミドとして市販のウ
ルテム1000(GE社製)を用い、これを溶融温度以
上に加熱し、いわゆる溶解紡糸法により、38μφ×2
6ホールの紡糸ノズルより押し出し、引き取り、巻き取
った。得られるポリエーテルイミド繊維は、32フィラ
メント、繊度平均102デニール、最大引張強度2.3
g/デニール、最大引張伸度70%、降伏強度1.8g
/デニールであった。
【0040】このようにして得られたポリイミド繊維と
ポリエーテルイミド繊維にインターレース加工を施し、
2つの繊維を1束:1束の比率でブレンドしながら再度
巻き取った。両繊維の分散性は良好であった。
【0041】このようにして得られた本発明の複合材料
補強用繊維を用いて、以下の検討を実施した。高強度中
弾性炭素繊維(三菱レイヨン(株)製、MR−50K、
引張強度5600MPa、弾性率300GPa)と表1
に示す樹脂組成物とから一方向プリプレグをホットメル
ト法で製造した。プリプレグのCF目付は145g/m
2 、樹脂含有率28重量%であった。
【0042】このプリプレグに、本発明の複合材料補強
用繊維の繊維目付が、11g/m2となるようにフィラ
メントワインディング法でプリプレグの両面にCFと同
方向に等間隔(2.0mm間隔)でワインドし、さらに
プリプレグに軽く埋め込んだ。この際本発明の複合材料
用補強繊維は、糸切れの発生がほとんどなく、優れた工
程通過性を示した。このプリプレグから、所定の寸法の
小片を切り出し(+45°/0°/−45°/90°)
の繊維配向状態で4枚積層後、オートクレーブ成形で衝
撃後圧縮強度測定用の試験片を成形した。成形条件は、
表1に示すとおりである。この試験片を用いてSACM
A(Suppliers of Advanced Composites Materiala Ass
ociation)Recommended Method SRM2−88に準拠し
て270 1b,−in.衝撃後の圧縮強度を測定し、
表1に示す結果を得た。
【0043】比較例1〜3 プリプレグの樹脂含有率が36重量%になるようにし、
実施例1〜3と同様にして一方向プリプレグを製造し
た。本発明の複合材料補強用繊維を付着させることなし
に評価した。結果を表1に併わせて示した。
【0044】以上の結果から明らかなように、本発明の
複合材料補強用繊維を用いることにより、成形体は比較
例にくらべ衝撃後の圧縮強度は高く、すぐれた耐衝撃性
を示すことがわかる。
【0045】実施例4 実施例1で得られた複合材料補強用繊維を、高強度中弾
性炭素繊維(三菱レイヨン(株)社製、MR−50K、
引張強度5600MPa,弾性率300GPa)とを合
わせ、ほぐし、均一にフィラメントを炭素繊維の束のな
かに分散させ、巻きとった。混合割合は、複合材料用補
強繊維/炭素繊維=3束/1束(約12/100重量
比)とした。
【0046】さらに、このようにして得た混合繊維と、
実施例1の樹脂組成物(樹脂フィルム目付56g/
2 )から、ホットメルト法によりプリプレグを製造し
た。樹脂を含浸したのちプリプレグ断面を顕微鏡で観察
したところ、複合材料補強用繊維は優れた分散性を示し
ていた。
【0047】さらに複合材料補強用繊維を片面当たり6
g/m2 となるようにフィラメントワインディング法に
て等間隔でワインドしプリプレグを得た。得られたプリ
プレグから所定の寸法の小片を切り出し、実施例1と同
様衝撃後圧縮強度測定用試験片を成形し評価した。
【0048】さらに、サーマルサイクルテスト用に(4
5°/−45°/0°/90°)の繊維配向状態で4枚
積層し成形した。本試験片を−52℃(10分)←→1
32℃(10分)で1サイクル40分計10サイクル熱
衝撃を加えた。その後、断面を研磨し光学顕微鏡にてク
ラック発生の有無を評価した。クラックの発生は認めら
れなかった。
【0049】比較例4 比較例1のプリプレグから実施例4と同様、サーマルサ
イクル用試験片を作成し評価した。熱衝撃後、クラック
の発生が認められた。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】以上のべた如きの本発明の複合材料補強
用繊維を用いることにより、熱硬化性マトリックス樹脂
の優れた熱的性質、機械的性質を損うことなく、成形物
に優れた靱性、耐クラック性を付与することができる。
したがって航空機用構造材料などとして好適に使用され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合材料補強用繊維の形成に使用され
るポリイミド繊維の断面形状の一例を示す図である。
【図2】本発明の複合材料補強用繊維の形成に使用され
るポリイミド繊維の断面形状の他の例を示す図である。
【図3】本発明の複合材料補強用繊維の形成に使用され
るポリイミド繊維の断面形状の他の例を示す図である。
【図4】本発明の複合材料補強用繊維の形成に使用され
るポリイミド繊維の断面形状の他の例を示す図である。
【図5】本発明の複合材料補強用繊維の形成に使用され
るポリイミド繊維の断面形状の他の例を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉森 正裕 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内 (72)発明者 澤田 二三夫 富山県富山市海岸通3番地 三菱レイヨン 株式会社富山事業所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式〔I〕及び/又は〔II〕で
    示される構造を主な繰り返し単位とするポリイミド繊維
    と下記の一般式〔III 〕で示される構造を主な繰り返し
    単位とするポリエーテルイミド繊維をブレンドすること
    により得られる複合材料補強用繊維。 【化1】 【化2】 【化3】
JP16327793A 1993-06-08 1993-06-08 複合材料補強用繊維 Pending JPH073557A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015528532A (ja) * 2012-08-06 2015-09-28 サビック グローバル テクノロジーズ ベスローテン フェンノートシャップ 繊維製造の方法、繊維および繊維紡糸口金
WO2022080401A1 (ja) * 2020-10-13 2022-04-21 ユニチカトレーディング株式会社 紡績糸及びその製造方法

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