JPH0735429U - 作物の選別用搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 作物選別装置において、被搬送作物の還元搬
送を能率よく行うものを簡単な構造で提供する。 【構成】 貯溜部１から作物を順次載置搬出する搬出装
置２と、この搬出装置２から送りだされた作物を１個づ
つ所定姿勢で次工程の計量選別部５に送り出す順送り載
置搬送装置３とを備えた作物の選別用搬送装置におい
て、順送り載置搬送装置３の横一側方に、零れ落ちた作
物を前記貯溜部１内に流下案内しながら還元させる第１
流下シュート３０を設けるとともに、順送り載置搬送装
置３の他側方に、零れ落ちた作物を順送り載置搬送装置
３の下方側空間部を介して流下案内して前記第１流下シ
ュート３０の途中部に合流させる第２流下シュート３１
を設けてある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えば人参や大根その他の長物野菜等の被搬送作物を、貯溜部から 取り出して、順次、後工程の計測装置に搬送して、自動で計測選別できるように した搬送装置に係わり、詳しくは、貯溜部から作物を順次載置搬出する搬出装置 と、この搬出装置から送りだされた作物を１個づつ所定姿勢で次工程の計量選別 部に送り出す順送り載置搬送装置とを備えた作物の選別用搬送装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

上記作物の選別用搬送装置において、従来では、例えば特開平５‐８８４４号 公報に示されるように、前記順送り載置搬送装置の左右両側方から零れ落ちた作 物を夫々流下案内する一対の流下シュートを設けるとともに、これらのシュート から案内された作物を貯留部に還元するベルトコンベアを設ける構成となってい た。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、上記従来構造においては、選別作業中に貯留部内に作物が多く残っ ている状態で前記ベルトコンベアにより強制的に作物を還元させると、作物がコ ンベア終端部付近で堆積して作物を損傷させるおそれが高くなる欠点があり、又 、強制駆動によるベルトコンベアによって作物を還元させる構造であるから、本 来の選別用搬送経路と異なる還元経路に特別な駆動機構が必要で、部品点数が多 くコスト高になる難点もあった。 本考案は上記不具合点を解消することを目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案の特徴構成は、冒頭に記載した作物の選別用搬送装置において、前記順 送り載置搬送装置の横一側方に、零れ落ちた作物を前記貯溜部内に流下案内しな がら還元させる第１流下シュートを設けるとともに、前記順送り載置搬送装置の 他側方に、零れ落ちた作物を順送り載置搬送装置の下方側空間部を介して流下案 内して前記第１流下シュートの途中部に合流させる第２流下シュートを設けてあ る点にある。

【０００５】

【作用】

搬出装置により搬送されてきた作物は、順送り搬送装置によって１個づつ所定 姿勢で次工程の計量部に送りだされていく。そして、このような単体送り出しを 行うために順送り搬送装置の横一側方に零れ落ちた作物は第１流下シュートを介 して貯留部内に向けて流下案内されて還元され、順送り載置搬送装置の他側方に 零れ落ちた作物は第２流下シュートによって順送り搬送装置の下方側空間部を通 って第１流下シュートに合流して、貯留部内に向けて流下案内される。 このように零れ落ちた作物を貯留部内に戻す搬送形態を流下案内によって行う ので、貯留部内に作物が多量に残っている場合であっても、作物は順次滞留積載 されるだけであって、強制搬送により還元させる場合のように作物に損傷を与え るおそれが少ない。

【０００６】

【考案の効果】

従って、順送り搬送装置における搬送中に不安定な姿勢の被搬送作物が外方に 落下したような場合でも、作物の損傷を抑制しながら有効に還元させて選別搬送 の無駄を少なくして、搬送能率の向上を図ることが可能なものでありながら、流 下シュートだけの簡単な構造で済ませることができ、コストダウンを図ることが できた。

【０００７】

【実施例】

以下、実施例を図面に基いて説明する。 図１に人参、大根その他の作物を貯溜部から順次１個づつ搬出して、計量選別 し、各重量ランク毎に振り分けて選別回収する作物の自動選別装置を示している 。この選別装置は、多数の作物を貯溜する貯溜ホッパー１〔貯溜部の一例〕、こ の貯溜ホッパー１から作物を、順次、載置搬出する搬出コンベア２（搬出装置の 一例）、搬出された被搬送作物Ｃを１個づつ後工程に送り出す順送り載置搬送装 置３、この順送り載置搬送装置３から送り出される被搬送作物Ｃを載置搬送しな がら計量し、各重量ランク別に複数の回収具４に選択的に仕分け回収する計量選 別装置５等を備えて構成してある。

【０００８】 前記搬出コンベア２は、上下一対のプーリ６，６に亘り無端回動ベルト７を巻 回するとともに、この無端回動ベルト７の外周面に所定ピッチで係止突起８を形 成して構成され、その搬送始端部を貯溜ホッパー１に横一側に形成した切欠部を 通して底部に臨む状態で配設して、各係止突起８上の被搬送作物Ｃを１個づつ横 向きで載置して斜め上方に向けて搬送するよう構成してある。又、この搬出コン ベア２の左右両側には、被搬送作物Ｃが横外方に落下するのを防止するための縦 壁を形成し、各縦壁の上部に亘って自由回転状態でローラ２９を支承してあり、 係止突起８上に複数の作物が載置されるのを傷つめることなく阻止するようにし てある。前記貯留ホッパー１の底部１ａは搬送コンベア２の始端部に向けて作物 が流下案内されるよう傾斜姿勢に設けてある。

【０００９】 前記計量選別装置５は、左右一対の無端回動チェーン１２，１２に亘り所定ピ ッチで作物載置用受け皿１３を搬送方向の一側に偏った位置の横軸芯周りで回動 自在に架設し、架設部の反対側箇所に形成した載置係合部１４が無端回動チェー ン１２に沿って配設したガイドレール１５に載置係止して、所定載置姿勢を維持 するよう構成してある。そして、図５、図６に示すように、ガイドレール１５の 途中の適宜箇所を可動レール１５ａに構成し、この可動レール１５ａを天秤アー ム１６の一方側に取付け、天秤アーム１６の他方側には、重量ランクに対応した 重り１７を取付けてあり、受け皿１３に載置される被搬送作物Ｃの重量がこの重 り１７よりも重いときは、可動レール１５ａが下方に下がり、受け皿１３が下方 に回動して載置作物を下方の案内シュート１８を介して、無端回動チェーン１２ の搬送方向に沿って横側部に並列配備した回収具４のうち、対応するランクの回 収具４に落下回収するよう構成してある。又、いずれの回収具４にも落下しなか った被搬送作物Ｃは搬送終端部から案内シュート１９を介して、各回収具４に連 なって並列配備した収納具２０に落下案内するよう構成してある。この収納具２ ０は、無端回動チェーン１２の搬送終端位置よりも搬送上手側に入り込んだ状態 で配設してある。

【００１０】 前記順送り搬送装置３は、図２、図３に示すように、被搬送作物Ｃとほぼ同一 幅の上部側作物載置面２１ａを、被搬送作物Ｃの搬送作物の搬送下手側ほど下方 に位置する傾斜姿勢に構成した搬送体２１を、作物搬送方向に沿って複数並列配 備し、かつ、各搬送体２１を所定ピッチで上下動させる駆動機構２２を設けると ともに、隣接する各搬送体２１同士が背反的に上下動するよう駆動タイミングを 設定して構成してある。つまり、図４に示すように、奇数番目の搬送体２１を第 １グループとして一体的に一定ピッチで往復上下動するよう構成するとともに、 偶数番目の搬送体２１を第２グループとして一体的に一定ピッチで往復上下動す るよう構成し、各搬送体２１の下方位置に、偏芯クランク機構２３により往復揺 動する一対のＴ字形揺動部材２４，２４を設けるとともに、前記第１グループの 搬送体２１に連結される連結アーム２４ａを前記各揺動部材２４の天秤揺動端の 一方側に枢支し、第２グループの搬送体２１に連結される連結アーム２４ａを他 方側に連結して、第１グループと第２グループが背反的に上下動するように駆動 タイミングを設定して駆動機構２２を構成してある。又、各搬送体２１の搬送幅 を搬送始端部で広く形成し、終端部側ほど狭くなるよう順次幅狭となるよう形成 して、終端部においては、搬送体２１上に１個の作物だけが載置されるよう構成 するとともに、各搬送体２１を搬送幅方向に沿って少し傾斜させ、移送に伴って 重なっている被搬送作物Ｃを横ずれさせて１個づつ載置されるようにしてある。 尚、各搬送体２１の低レベル側の載置面２１ａ，前記案内ベルト２７の作用面に は、被搬送作物Ｃの滑りに抵抗を与えて転がるように案内する表層材３２を付設 してある。この表層材３２は、所謂、人工芝の如くシート面に弾性小突起を多数 植設して構成してある。

【００１１】 前記搬出コンベア２の終端から落下した被搬送作物Ｃを、被搬送作物Ｃが搬送 体２１の載置搬送姿勢に沿う姿勢で流下案内させる案内シュート２５を介して搬 送始端部の搬送体２１の傾斜上部側箇所に送り出すよう構成して、重なり合った 被搬送作物Ｃが、その重なりが崩された状態で供給されるようにしてある。各搬 送体２１の搬送幅方向の高レベル側横側部には、その搬送速度をほぼ同一速度で 移動して被搬送作物Ｃに接当作用する縦軸芯周りで回動する案内ベルト２７を搬 送経路のほぼ全域に亘る範囲で配設してある。 前記順送り搬送装置３においては、被搬送作物Ｃは搬送体２１の上方移動に伴 って傾斜姿勢の作物載置面２１ａにより搬送方向下手側の搬送体２１に乗り移る ことになり、このような乗り移り移動を順次繰り返して被搬送作物Ｃが搬送され て行く。この時、下方に移動する搬送体２１に乗り移る前の被搬送作物Ｃは、次 の搬送体２１の前面に受け止め支持されるので、分離が確実に行われる。しかも 、搬送体２１の搬送方向に沿う幅は被搬送作物Ｃの幅とほぼ等しく、かつ、搬送 方向と直交する方向の搬送幅が順次狭くなるように構成してあるので、このよう な乗り移り移動が複数回繰り返されると、２個以上重なり合った被搬送作物Ｃは １個づつに均されて終端部近くでは１個づつ確実に載置されることになる。

【００１２】 そして、前記順送り搬送装置３の選別搬送方向右側外方には、この順送り搬送 装置３から零れ落ちた作物を受け止め、貯留部内に向けて流下案内しながら還元 させる第１流下シュート３０を配設してある。又、左側外方には、前記案内ベル ト２７による案内作用が終了した順送り搬送装置の搬送終端部付近から零れ落ち た作物を受け止め、順送り搬送装置の下方側空間を介して第１流下シュート３０ の途中部に合流案内する第２流下シュート３１を配設してある。

【００１３】 尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を容易にするために符号を記 すが、該記入により本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】選別装置の全体側面図

【図２】順送り搬送装置の平面図

【図３】順送り搬送装置の斜視図

【図４】順送り搬送装置の側面図

【図５】選別部の平面図

【図６】選別部の縦断正面図

【符号の説明】

１ 貯溜部 ２ 搬出装置 ３ 順送り載置搬送装置 ５ 計量選別部 ３０ 第１流下シュート ３１ 第２流下シュート

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 貯溜部（１）から作物を順次載置搬出す
   る搬出装置（２）と、この搬出装置（２）から送りださ
   れた作物を１個づつ所定姿勢で次工程の計量選別部
   （５）に送り出す順送り載置搬送装置（３）とを備えた
   作物の選別用搬送装置であって、前記順送り載置搬送装
   置（３）の横一側方に、零れ落ちた作物を前記貯溜部
   （１）内に流下案内しながら還元させる第１流下シュー
   ト（３０）を設けるとともに、前記順送り載置搬送装置
   （３）の他側方に、零れ落ちた作物を順送り載置搬送装
   置（３）の下方側空間部を介して流下案内して前記第１
   流下シュート（３０）の途中部に合流させる第２流下シ
   ュート（３１）を設けてある作物の選別用搬送装置。