JPH073528U - ドリッパー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 永久変形が残らず初期の形状を保つことの出
来るドリッパーを提供すること。 【構成】 ドリッパーの構造材として、形状記憶特性又
は超弾性特性を有する形状記憶合金製コイルバネを使用
し、略円錐状か螺旋形状に形成した濾斗部１をベース２
に取付け、ベース２に濾斗部１を収納可能とし、携帯出
来るようにしたドリッパーである。 【効果】本考案のドリッパーは収納が容易で、変形しに
くく使用時には容易にコーヒードリッパーの形状にな
り、携帯用として便利である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、コーヒー、紅茶、お茶等の飲物を抽出するためのドリッパーであっ て特に携帯用のドリップ式液体抽出器具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のものは、図３（ａ）に示すように、構造材としてステンレス製の線材等 を使用し、濾斗部１として略逆円錐状のスパイラル構造からなり、そしてその濾 斗部の底部と一体となって濾斗部を支えるために略円形状のベース２が成形され ている。運搬時は図３（ｂ）に示すように、濾斗部１を略円錐の底面から頂点方 向に圧縮し、折りたたみ、ストッパー３で固定することによって、平面状に収納 することが可能であり、小型化をはかることができる。これは特に、運搬時のス ペースを有効に活用することが必要なアウトドア用品においては、非常に有効な 特徴である。使用時においては、ストッパーを外すことで構造材の弾性により、 使用時の形状に回復する様になっている。このドリッパーの使用状態を図３（ｃ ）に示す。ドリッパーをカップ６にのせ、濾斗部１の内部にフィルター４を入れ る。そして、フィルター４の内部にコーヒーの粉５をいれ、お湯を注ぐことによ ってコーヒー７が得られる。 しかし、従来の製品は、線材の弾性域を越えるような変形力を加えると形状が 変形し、収納不能になったり、ドリッパーとしての機能が失われることがあった 。従って、使用時または収納時においては、過度な変形が加わらないように取り 扱いに注意を要した。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上述したように、従来のドリッパーにはそれぞれ一長一短がある。従って本考 案の目的は、従来品では変形してしまうような変形力が加わっても、永久変形が 残らずに初期の形状を保つことのできるドリッパーを提供することを目的とする 。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、ドリップ式液体抽出器具において、フィルターを支持する部材が同 心円状に巻回した超弾性又は形状記憶合金からなることを特徴とするドリッパー である。

【０００５】

【作用】

本考案によれば、濾斗部として略逆円錐状のスパイラル構造を有し、収納時に は濾斗部を略円錐の底面から頂点方向に圧縮して折りたたみ、小型化をはかれる ドリッパーであって、構造材としてコイル状の超弾性又は形状記憶合金を濾材支 持部に使用することにより、従来品では永久変形が残ってしまうような変形力が 加わっても、永久変形が残らず、使用時においては初期の形状を保つことのでき るドリッパーが得られる。

【０００６】

【実施例】

次に、本考案の実施例について図面を参照して説明する。

【０００７】 （実施例１） 図１は、本考案の一実施例によるドリッパーの説明図である。図１（ａ）は使 用時の形状を示す断面図。図１（ｂ）は収納時の形状を示す断面図。図１（ｃ） は使用時の形状を上方向から見た平面図である。ほぼＮｉが５０．５ａｔ％、残 部ＴｉのＮｉＴｉ合金線を作製し直径２．０ｍｍの丸棒を得た。この丸棒を円錐 かつ螺旋形に拘束し、４００℃で３０分保持し超弾性コイルバネを得た。この超 弾性コイルバネを用いて、ドリッパーを作製した。即ち、本実施例のドリッパー は、構造材として室温付近で超弾性を示す前記の組成の形状記憶記合金製コイル バネを使用している。使用方法は従来製品と同じであるが、室温付近で超弾性を 示す組成のＴｉＮｉ系形状記憶合金製コイルバネを使用することによって、使用 時や収納時において、従来品では永久変形が残るような変形力が加わっても、超 弾性効果によって永久変形は残らず、初期の形状を保つことが可能となる。

【０００８】 （実施例２） ほぼＮｉが５０．２ａｔ％、残部ＴｉのＮｉ−Ｔｉ合金線を作製し直径２．０ ｍｍの丸棒を得た。この丸棒を円錐かつ螺旋形に拘束し、５００℃で３０分間保 持し、形状回復温度が約５０℃の形状記憶合金製コイルバネを得た。この形状記 憶合金製コイルバネを用いてドリッパーを作製した。 構造材として、合金の形状回復温度が約５０℃である形状記憶合金製コイルバ ネを使用したものを図２に示す。図２（ａ）は収納時の形状であり、３０℃程度 までの外気温、すなわち形状回復温度よりも低温の場合には、形状記憶合金線は 非常に軟らかく、収納時においては図２（ａ）の様に、形状を容易に変形させる ことが可能である。そして使用時には、お湯等で変態点以上の温度に加熱するこ とによって、図２（ｂ）のような形状に回復させ、使用することが出来る。従っ て、構造材として形状記憶合金線を使用することによって、ストッパーが必要な い構造とすることも可能であり、従来品では永久変形が残ってしまうような変形 力が加わった場合においても、永久変形が残らず、初期の形状を保つことができ るドリッパーを提供できる。なお、本実施例では、形状回復温度が約５０℃の形 状記憶合金部材を用いたが、３５〜５５℃程度の形状回復温度をもつものなら、 特に限定しない。

【０００９】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案は、濾斗部として略逆円錐状のスパイラル構造を 有し、収納時には、略円錐の頂点から底面方向に圧縮し、折りたたみ、小型化を はかれるドリッパーにおいて、構造材として、形状記憶合金又は超弾性合金を使 用することによって、従来品では永久変形が残ってしまうような変形力が加わっ ても、永久変形が残らず初期の形状を保つことが可能なドリッパーを提供できる 。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のドリッパーを示す説明図で、図１
（ａ）は本考案の実施例１によるドリッパーの使用時の
形状の断面図である。図１（ｂ）は本考案の実施例１に
よるドリッパーの収納時の断面図である。図１（ｃ）は
本考案の実施例１によるドリッパーの使用時の形状を上
方向から見た平面図である。

【図２】本考案の他の例を示すドリッパーの説明図で、
図２（ａ）は本考案の実施例２によるドリッパーの収納
時の形状の断面図である。図２（ｂ）は本考案の実施例
２によるドリッパーの使用時の形状の断面図である。

【図３】従来のドリッパーを示す説明図であり、図３
（ａ）は従来品のドリッパーの断面図であり、使用時の
形状を示す断面図である。図３（ｂ）は従来品のドリッ
パーであり、収納時の形状を示す断面図である。図３
（ｃ）は従来品のドリッパーの使用状態を示す断面図で
ある。

【符号の説明】

１ 濾斗部 ２ ベース ３ ストッパー ４ フィルター ５ コーヒーの粉 ６ カップ ７ コーヒー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ドリップ式液体抽出器具において、フィ
   ルターを支持する部材が同心円状に巻回した超弾性又は
   形状記憶合金からなることを特徴とするドリッパー。