JPH0735200A - ねじり疲労特性に優れた高性能自動車駆動軸 - Google Patents

ねじり疲労特性に優れた高性能自動車駆動軸

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JPH0735200A
JPH0735200A JP18010293A JP18010293A JPH0735200A JP H0735200 A JPH0735200 A JP H0735200A JP 18010293 A JP18010293 A JP 18010293A JP 18010293 A JP18010293 A JP 18010293A JP H0735200 A JPH0735200 A JP H0735200A
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JP
Japan
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balance weight
plate thickness
drive shaft
torsional fatigue
fatigue
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Withdrawn
Application number
JP18010293A
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English (en)
Inventor
Hiroto Tanabe
弘人 田邊
Akihiro Miyasaka
明博 宮坂
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、耐HAZ軟化ハイテン鋼管を利用
したプロペラシャフトの軽量化のための利用技術を与え
る。 【構成】 自動車駆動軸において、バランスウェイトの
溶接接合部の板厚を鋼管部分の板厚の75%以下とする
こと。または、さらにバランスウェイトの重量を減らさ
ずに溶接接合部分の板厚を減らすため、接合部分以外
を、接合部に対して20%以上厚肉とすることにより、
ねじり疲労特性に優れた軽量駆動軸が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乗用車・トラック・ト
ラクターといったいわゆる、広義の自動車に属する車両
のエンジン推進力を各車輪に伝える駆動軸、例えばプロ
ペラシャフト、ドライブシャフトといった部品に関する
もので、特に従来品より疲労特性に優れ、サイズダウン
による軽量化が可能で、現在の深刻な環境問題に対処し
得る自動車駆動軸に係る。
【0002】
【従来の技術】自動車駆動軸は、自動車技術ハンドブッ
ク(第4分冊、生産・品質・整備偏P.233 自動車
工業会 1991年)に記載される如く、高速回転時に
振動が少ないことが重要な特性のひとつであり、その対
策として図1の駆動軸部品の外観図に示す如く鋼管1に
バランスウェイト2を取り付け、周方向の重量バランス
調整が行なわれる。代表的な取付方には、図2に示す
(a)スポット溶接、あるいは(b)プロジェクション
溶接等があるが、いずれの方法にても同様に駆動力を繰
返し伝達することに対応するねじり疲労試験を実施する
と、図3(a)に示す如くバランスウェイト近くからの
疲労割れ6が認められる場合がある。
【0003】特に、TS<500MPa の低強度材の疲労
試験の場合は図3(b)の如く接合部分3からの疲労割
れ7が特性を決めていたのに対し、特開平1−1426
7号公報に記載されるような材料強度を高め駆動軸の断
面積を減らし、軽量化を進めた場合の疲労破壊は、図3
(a)に示す如くバランスウェイト近くからの疲労割れ
6が支配的となり、ねじり疲労特性が劣化するため軽量
化のための大きな障害であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の如く、
自動車駆動軸の軽量化を進めようとした場合特に問題と
なる、バランスウェイトの溶接部の耐ねじり疲労特性を
高めることにより、駆動軸部品全体としてのねじり疲労
特性を向上させた高性能自動車推進軸を得ようというも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、(1)
自動車のエンジン推進力を車輪に伝え、かつ回転振れま
わりを低減するためのバランスウェイトを溶接により取
り付ける駆動軸において、バランスウェイト溶接取付部
分の板厚Twを、鋼管部分の板厚Toの0.75倍以下
とすることを特徴とするねじり疲労特性に優れた高性能
自動車推進軸と、(2)バランスウェイト接合部以外の
板厚の一部を接合部分の板厚より20%以上厚肉とする
ことを特徴とする(1)に記載のねじり疲労特性に優れ
た高性能自動車推進軸である。
【0006】
【作用】バランスウェイトをスポット溶接あるいはプロ
ジェクション溶接によって取り付けた部分は急熱・急冷
を受けることにより母材部とは違った金属微細組織を呈
し、残留応力を生じるとともに、幾何学形状由縁の応力
集中部を生じ、駆動軸部品のねじり疲労試験を実施する
とバランスウェイト取付部近傍からの疲労破壊が認めら
れる場合があった。特に、本発明において材料強度を高
め駆動軸鋼管部分の板厚を下げていった駆動軸を試作
し、現在実車で使用されているより軽量化を進めた駆動
軸の疲労特性を詳細に検討したところ、疲労破壊の発生
部位はバランスウェイト取付部分に集中することが認め
られた。
【0007】そこで、本発明においてバランスウェイト
の断面形状の疲労特性への影響を詳細に検討した。ま
ず、図4にスポット溶接前の鋼管1とバランスウェイト
部2の断面模式図を示すが、接合予定位置11のバラン
スウェイト板厚(Tw)10を、鋼管板厚(To)9に
対して変化させた場合のハンテンプロペラシャフトを試
作し、ねじり疲労特性を調査した。図5にその結果を示
す。Tw/To=1の場合の寿命を1として破断に至る
までの寿命を表しているが、Tw/Toが0.5以上で
は疲労破壊はいずれもバランスウェイト取付部から発生
しているものの、Tw/Toが0.75以下となるよう
にバランスウェイトを薄くした場合疲労寿命が延びるの
が認められた。また、Tw/Toが0.5より小さくな
るほどバランスウェイトの薄肉化を進めると疲労寿命が
延びるとともに破壊位置が、バランスウェイト部から他
の弱い位置であるジョイント部品4との接合部分3へ移
行するのが認められた。そこで現状は鋼管部分の同板厚
程度のバランスウェイトを用いるのが一般的であるが、
本発明においては図5をもとに、バランスウェイト取付
部も含め駆動軸の疲労特性を改善するためTwをToの
0.75倍以下とすることを特徴とする。
【0008】また、請求項2にて規定するバランスウェ
イト取付部以外のところに厚肉部分を設けるのは、バラ
ンスウェイトは本来一定の重量を鋼管に取り付けるとい
う機能を担っており、図5の如くねじり疲労特性の改善
を狙いTw/To=<0.75とバランスウェイト取付
部を薄肉化していくと、バランスウェイトの表面積が大
きくなり、取扱い上、駆動軸高速回転時のバランスウェ
イトの安定性、複数個使用時の取付場所選定等で問題が
生じてくる。そこで、表面積をできるだけ大きくせずに
必要重量を確保する方法として薄肉化が必要でない部分
の板厚を高めることが有効であると考えられる。実際、
本発明にて疲労特性向上効果が認められるTw/To=
0.75のバランスウェイトを若干薄肉とした場合につ
いて、接合部分12以外の厚肉化を図ったバランスウェ
イトを試作し、取付作業性等を調べた。その結果20%
未満の厚肉化のみでは従来使用されてきたTw/To=
1程度のバランスウェイトより表面積が大きくなり、取
付作業性等を損なうとともに、高速回転時の風切音等の
不安材料が認められた。そこで、板厚差20%未満では
バランスウェイト取付部の疲労寿命向上には効果あるも
のの、取扱い上、性能上、従来バランスウェイトに劣る
ため、最低20%程度の厚肉差が必要である。
【0009】ところで差厚化の方法であるが、バランス
ウェイトの生産性を加味すると、例えばプレス打ち抜き
時の差厚化同時加工等が有効であるが、厚肉バランスウ
ェイトの一部切除法、複数鋼板の張合わせ法等があり、
特にその製法にはこだわるものではない。ただし、厚肉
とする部分については若干の配慮が必要である。図6に
請求項2に該当する部分的に薄い部分を有するバランス
ウェイトをスポット溶接にて取り付ける場合の薄肉とす
る必要のある範囲を説明する図を示すが、スポット溶接
接合部12の外側の板厚が0.75×To以下の範囲1
4までの最短距離(Lmin)13が一定以上必要である。
図7にLmin と疲労寿命の相関を示すが、Tw=0.3
0×Toの場合の図5と同様の疲労試験結果であるが、
Lmin がTwを超える範囲にて疲労寿命の改善が認めら
れ、バランスウェイト接合部板厚Twを鋼管部分の板厚
Toの0.75倍以下とする必要の範囲は接合部分の外
側に少なくともTw以上設ける必要がある。
【0010】また、接合部分の板厚の減少を図ることに
よる疲労特性の向上を図る本発明の効果は、スポット溶
接によるバランスピースの取付結果にて説明したが、他
の接合方法として、プロジェクション溶接、アーク溶接
等の各種接合方法へも広く適用され、接合方法限定をす
るものではない。
【0011】
【実施例】表1に本発明のねじり疲労特性に優れた高性
能自動車駆動軸および比較例を示す。いずれも引張強度
T780MPa クラスのハイテン鋼管を用い、軽量化を進
めた駆動軸に対して、バランスウェイトを取り付けた場
合の疲労試験結果を示す。バランスウェイトの材質は鋼
管と同等とし、駆動軸鋼管部分の寸法は外径60.5m
m、板厚1.6mmで、+130kgfm〜−130kgfmの繰
返しトルクを2Hzにて負荷した。
【0012】比較例A,Bと実施例D,E,Fは板厚の
均一なバランスウェイトをスポット溶接にて取り付けた
場合であり、比較例Bが通常取り付けられるバランスウ
ェイトの条件に近いほぼ鋼管と同じ板厚のバランスウェ
イトを取り付けた場合である。これに比べ、実施例D,
E,Fとバランスウェイトが薄くなるにつれ、駆動軸の
延命が図られている。そして、少なくとも1割程度の延
命が図られており、最も薄肉の実施例Fについては寿命
が数倍以上に延びるとともに、破壊位置がバランスウェ
イト部から他の部分に移行しているのが認められる。
【0013】次に、比較例C、実施例G,Hは比較例B
の厚さ1.6mmのバランスウェイトの溶接部分を局所的
に薄肉とした場合の例で、比較例Cは薄肉とした範囲が
狭く比較例Bから殆ど特性が改善されないのに対して、
実施例G,Hでは薄肉とする範囲を請求範囲通りとする
ことによって疲労特性の改善が認められた。しかも、充
分広い範囲を削った実施例Hについては、均一に薄肉化
した実施例Fと同等の良好な結果が得られた。また、実
施例Iについては接合部分の板厚は減少させ、良好な疲
労特性を得た上で、他の部分の厚肉とすることにより、
比較例Aの厚肉バランスウェイト同等の重量を同じ表面
積を得ることに成功した例である。
【0014】最後に実施例I,J,K,Lはスポット溶
接以外の方法として、図8の如くプロジェクション溶
接、アーク溶接にて取り付けた場合であるが、いずれも
取付部を薄肉化することにより疲労寿命の向上が図られ
た。
【0015】
【表1】
【0016】
【発明の効果】本発明の自動車のエンジン推進力を車輪
に伝える駆動軸によれば、回転振れまわりを低減するた
めのバランスウェイトの形状を工夫することにより、ね
じり疲労特性を低下させていたバランスウェイト取付部
からの疲労破壊発生を遅らせる、または回避することが
でき、駆動軸部品としてのねじり疲労特性を向上させる
ことができる。その結果、実使用応力の上昇が可能であ
り、自動車推進軸の軽量化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】代表的な自動車推進軸の構造を示す図。
【図2】バランスウェイトを取り付けるスポット溶接と
プロジェクション溶接の概要を示す図。
【図3】駆動軸に対して主要な性能評価であるねじり疲
労試験を実施した場合の疲労破壊発生位置を示す図。
【図4】溶接前の鋼管とバランスウェイトの断面を示す
模式図。
【図5】バランスウェイト接合部板厚と鋼管部分板厚比
の疲労寿命への影響を示す図。
【図6】局所的に薄肉部分を設ける場合の必要範囲を示
す図。
【図7】バランスウェイト接合部外側に必要な薄肉部分
の範囲と疲労寿命の関係を示す図。
【図8】(a)はバランスウェイトの各部寸法説明図、
(b)は表1の実施例I,Jに適用したプロジェクショ
ン溶接による取付説明図、(c)は表1の実施例L,M
に適用したアーク溶接による取付状態を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B23K 31/00 F B60K 17/22 Z 9035−3D

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車のエンジン推進力を車輪に伝え、
    かつ回転振れまわりを低減するためのバランスウェイト
    を溶接により取り付ける駆動軸において、バランスウェ
    イト溶接取付部分の板厚Twを、鋼管部分の板厚Toの
    0.75倍以下とすることを特徴とするねじり疲労特性
    に優れた高性能自動車推進軸。
  2. 【請求項2】 バランスウェイト接合部以外の板厚の一
    部を接合部分の板厚より20%以上厚肉とすることを特
    徴とする請求項1記載のねじり疲労特性に優れた高性能
    自動車推進軸。
JP18010293A 1993-07-21 1993-07-21 ねじり疲労特性に優れた高性能自動車駆動軸 Withdrawn JPH0735200A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010054999A1 (de) * 2008-11-11 2010-05-20 Robert Bosch Gmbh Verfahren zum unwuchtausgleich an topfförmigen rotoren
GB2505300A (en) * 2012-07-03 2014-02-26 Schenck Rotec Gmbh A method and a device for unbalance correction of rotors by applying corrective weights by welding

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