JPH09291974A - ねじり疲労特性に優れた高性能自動車駆動軸 - Google Patents

ねじり疲労特性に優れた高性能自動車駆動軸

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JPH09291974A
JPH09291974A JP12626296A JP12626296A JPH09291974A JP H09291974 A JPH09291974 A JP H09291974A JP 12626296 A JP12626296 A JP 12626296A JP 12626296 A JP12626296 A JP 12626296A JP H09291974 A JPH09291974 A JP H09291974A
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JP
Japan
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drive shaft
projection
balance weight
high performance
fatigue
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JP12626296A
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Junji Yamanaka
淳史 山中
Kenji Kato
謙治 加藤
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、自動車駆動軸の軽量化を進めよう
とした場合特に問題となる、バランスウエイトの溶接部
の耐ねじり疲労特性を高めることにより、部品全体とし
てのねじり疲労特性を向上させた高性能自動車駆動軸を
提供する。 【解決手段】 回転振れまわりを低減するためのバラン
スウエイトをプロジエクション溶接で取り付けた、自動
車のエンジン推進力を車輪に伝える駆動軸において、バ
ランスウエイトのプロジエクションの直径を1.5mm
以上、4.0mm未満とすることにより、バランスウエ
イト取付け後も優れたねじり疲労特性を有する高性能自
動車駆動軸を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乗用車・トラック
・トラクターといった、いわゆる広義の自動車に属する
車両のエンジン推進力を各車輪に伝える駆動軸、例えば
プロベラシャフト、ドライブシャフトといった部品に関
するもので、特に従来品より疲労特性が向上し、サイズ
ダウンによる軽量化が可能な自動車駆動軸に係る。
【0002】
【従来の技術】自動車駆動軸は、自動車技術ハンドブッ
ク(第4分冊、生産・品質・整備編p233自動車工業
会、1991年)に記載されるように、高速回転時に振
動が少ないことが重要な特性の1つである。その対策と
して図1の鋼管1にジョイント部品接合部3を介してジ
ョイント部品4を接合してある駆動部品の外観図に示す
ように、鋼管1にバランスウエイト2を取り付け、周方
向の重量バランス調整が行われる。
【0003】このバランスウエイト2の取付方法は大き
く分けて、図2に示す(a)スポット溶接、あるいは
(b)プロジエクション溶接の2通りが存在するが、い
ずれの方法でも駆動力を繰返し伝達することに対応する
ねじり疲労試験を実施すると、図3(a)に示すように
バランスウエイトの溶接部からの疲労割れ6が認められ
る場合がある。引張強さが500MPa未満の低強度材
の疲労試験の場合は図3(b)のようにジョイント部品
接合部3からの疲労割れ7が特性を決めていたのに対
し、特開平2−197525号公報に記載されるような
材料強度を高め駆動軸の断面積を減らし、軽量化を進め
た場合の疲労破壊は、図3(a)に示すようにバランス
ウエイト溶接部からの疲労割れ6が支配的となり、ねじ
り疲労特性が劣化して軽量化のための大きな障害であっ
た。
【0004】バランスウエイト溶接部からの疲労割れの
主な原因としては、溶接部の幾何学形状に起因する応
力集中、溶接時の急熱急冷による金属組織の変化、
溶接残留応力などが考えられる。これらを解決するた
め、例えば、特開平6−246440号公報には、バラ
ンスウエイト取付部を加熱することで疲労特性を向上さ
せる製造方法が開示されている。さらに、特開平6−2
46439号公報には、取付方法に従来のスポット溶接
やプロジエクション溶接を用いず、アーク溶接を用いて
バランスウエイトを取り付けたねじり疲労特性に優れた
自動車駆動軸が、また、特開平6−249291号公報
には、接着剤を用いてバランスウエイトを取り付けたね
じり疲労特性に優れた自動車駆動軸が開示されている。
しかし、これらの発明では、従来のバランスウエイト取
付工程での生産性の低下を招いたり、設備・工程の大幅
な変更や新設の必要があり、経済性の面での難点があっ
た。
【0005】一般的なバランスウエイト取付けでは、ま
ず、バランサーでバランスウェイト取付位置を算出し、
スポット溶接またはプロジエクション溶接でバランスウ
エイトを取付け、その後、再度バランサーで駆動軸の回
転重心が所定の位置にあるかを確認するといった工程を
とる。現状の工程に、例えば、特開平6−246440
号公報の製造方法を適用するには、新たに加熱用のライ
ンを設ける必要があるし、特開平6−246439号公
報の発明を適用するには溶接機の変更が必要である。特
開平6−249291号公雑の発明を適用する上では、
バランスウエイト取付後の回転重心位置の確認を行うの
に、接着剤の乾燥を持たねばならず、生産性の低下を招
くといった難点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のような現状に鑑
み、本発明は、従来の製造工程の大きな変更を要するこ
となく製造できる、バランスウエイト溶接部の耐ねじり
疲労特性が高く、部品全体としての耐ねじり疲労特性の
高い自動車駆動軸を得ようとするものであり、特に、バ
ランスウエイトの取付方法にプロジエクション溶接を用
いる自動車駆動軸において、耐ねじり疲労特性の高い自
動車駆動軸を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
対して種々の検討を行った結果、バランスウエイトのプ
ロジエクションの寸法を所定の大きさにすることで、解
決が図れることを見出したのである。本発明の要旨は以
下の通りである。
【0008】回転振れまわりを低減するためのバランス
ウエイトをブロジエクション溶接で取り付けた、自動車
のエンジン推進力を車輪に伝える駆動軸において、バラ
ンスウエイトのプロジエクションの直径が1.5mm以
上、4.0mm未満であることを特徴とするねじり疲労
特性に優れた高性能自動車駆動軸。
【0009】
【発明の実施の形態】前述のように、バランスウエイト
溶接部からの疲労割れの主な原因としては、溶接部の
幾何学形状に起因する応力集中、溶接時の急熱急冷に
よる金属組織の変化、溶接残留応力などが考えられ
る。本発明者らは、これらの要因のうち、バランスピー
ス溶接部の疲労特性に及ぼす影響が最も大きいのは、
であるという考え方に立ち、プロジエクション溶接部の
幾何学形状を改善し、応力集中の少ない形状とするべ
く、バランスウエイトのプロジエクション8の形状・寸
法についての検討を行った。形状については、図4
(a)〜(c)に示すような、(a)半球型、(b)円
錐台型、(c)円柱型等のプロジエクション形状をもつ
バランスウエイト2を作製し、これを駆動軸に取り付け
てねじり疲労試験を行ったが、形状による疲労特性の差
異は特に認められなかった。しかし、寸法の影響は大き
く、プロジエクションの直径を4.0mm未満とする
と、疲労特性が向上した。ここでいうプロジエクション
の直径とは、図4(a)〜(c)に示すdのことであ
る。プロジエクションの直径が4.0mm以上では、プ
ロジエクション直径の影響はほとんどなく、疲労強度は
低い値でほぼ一定となる。疲労特性は、プロジエクショ
ン直径が小さいほど向上するが、1.5mm未満となる
とプロジエクション溶接部の接合強度に問題を生じる。
すなわち、通電の前にバランスウエイトを駆動軸上に加
圧固定する際にプロジエクションが潰れて溶接が不安定
になったり、プロジエクション部分の熱容量が駆動軸部
分のそれに比ベ極端に小さくなるために駆動軸側の充分
な溶融が得られないといった現象が生じ、プロジエクシ
ョン直径の小径化により接合面積自体が減ることとあい
まって、接合強度が低下し、繰返しのねじりを受けるう
ちにバランスウエイトがはずれてしまうという不都合を
生じる。以上のような理由から、本発明において、プロ
ジエクション直径の範囲は1.5mm以上4.0mm未
満とした。
【0010】また、先に述べたようにプロジエクション
の形状(半球型、円錐台型、円柱型等)による疲労特性
の違いは見受けられないことから、プロジエクション直
径を限定して疲労強度を向上させた本発明の範囲は、プ
ロジエクションの形状によって限定されるものではな
い。すなわち、いかなるプロジエクション形状を用いた
としても、プロジエクションの直径を最適化して疲労強
度を向上させるものは、本質的には本発明の範囲内であ
る。
【0011】プロジエクションの高さ(図4(a)、
(c)中のh)については、本発明では特にその範囲を
限定するものではない。本発明者らの検討によれば、プ
ロジエクション高さの疲労特性に及ぼす影響は特に見ら
れないので、プロジエクション溶接を安定的に行えるよ
うに適宜その寸法を選択すればよい。
【0012】プロジエクション溶接によるバランスウエ
イトの取付けでは、1つのバランスウエイトに複数のプ
ロジエクションを設け、同時多点溶接を行うことが一般
化されているが、本発明はこうした多点溶接にも適用可
能である。すなわち、複数のプロジエクションを有する
バランスウエイトにおいても、各プロジエクションの直
径を本発明の寸法範囲とすることで疲労特性を向上させ
ることができる。
【0013】
【実施例】外径114.3mm、肉厚4.0mm、引張
強さ735MPaクラスの高強度鋼管部分を持つ駆動軸
に、種々のプロジエクションの形状・寸法を持つバラン
スウエイトをプロジエクション溶接により取付け、ねじ
り疲労試験を実施した。プロジエクションはlつのバラ
ンスウエイトに2つ設け、2点止め溶接とした。結果を
表1に示す。プロジエクション直径を1.5mm未満と
した比較例10〜12では、プロジエクション溶接が不
安定で、良好な接合状態を得ることが出来なかった。図
5は表1の結果を、プロジエクション直径と破断寿命の
関係で図化したものである。疲労割れはいずれの場合に
おいてもバランスウエイトの取付け部からの疲労割れで
あっだが、表lおよび図5に見るように、プロジエクシ
ョン直径を4.0mm未満とした本発明例1〜9におい
て、プロジエクション形状によらず破断寿命の向上が認
められる。
【0014】
【表1】
【0015】
【発明の効果】本発明を用いれば、回転振れまわりを低
減するためのバランスウエイトをプロジエクション溶接
で取り付けた自動車駆動軸において、ねじり疲労特性を
低下させていたバランスウエイト取付部からの疲労破壊
発生を遅らせることができ、部品としてのねじり疲労特
性を向上させることができる。その結果、実使用応力の
上昇が可能であり、自動車推進軸の軽量化が可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】代表的な自動車駆動軸の構造を示す図である。
【図2】駆動軸にバランスウエイトを取付けるスポット
溶接(a)とプロジエクション溶接(b)の概要を示す
図である。
【図3】(a)、(b)は駆動軸に対して主要な性能評
価であるねじり疲労試験を実施した場合の疲労破壊発生
位置を示す図である。
【図4】バランスウエイトのプロジエクションの形状と
寸法を示す図で、(a)は半球型プロジエクション、
(b)は円錐台型プロジエクション、(c)は円柱型プ
ロジエクションを示す図である。
【図5】バランスウエイトのプロジエクション直径とね
じり疲労試験における破断寿命の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 鋼管 2 バランスウエイト 3 ジョイント部品接合部 4 ジョイント部品 5 電極チップ 6 バランスウエイト溶接部からの疲労割れ 7 ジョイント部品接合部からの疲労割れ 8 バランスウエイトのプロジエクション(突起) d プロジエクション直径 h プロジエクション高さ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転振れまわりを低減するためのバラン
    スウエイトをプロジエクション溶接で取り付けた、自動
    車のエンジン推進力を車輪に伝える駆動軸において、バ
    ランスウエイトのプロジエクションの直径が1.5mm
    以上、4.0mm未満であることを特徴とするねじり疲
    労特性に優れた高性能自動車駆動軸。
JP12626296A 1996-04-24 1996-04-24 ねじり疲労特性に優れた高性能自動車駆動軸 Pending JPH09291974A (ja)

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