JPH0735176B2 - ペ−スト状ないしは液状物質を適量づつ取出すための装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は備蓄容器の上端部に配備されていて、混合容器
の底面の自動開閉孔内に挿入することができる排出口、
およびピストン棒によつて動かすことができ、ピストン
シリンダー内に押進めて、備蓄容器内に送出圧力をかけ
ることができる送出ピストンを備えた備蓄容器を用いて
ペースト状ないしは液状物質を適量づつ取出すための装
置に関する。

この装置はたとえば化粧品調合剤、特に毛髪用染料ない
しはそれらの混合成分、を取出すのに用いられる。この
場合に多数の備蓄容器を用意することによつて、混合す
べき物質を順次混合容器内に取出すことができる。空気
中の酸素と反応を起す物質やおたがいに化学的に反応し
合う物質あるいは又部分的に強く着色する物質の場合、
汚染を避けるために、できるだけ空気に触れないよう
に、直接的に混合容器内に取出すことが肝要である。

冒頭に述べた形式の公知の装置の場合（ドイツ特許公告
明細書第2827610号）、備蓄容器内にピストン−送出ポ
ンプが配備されていて、そのピストンシリンダーと備蓄
容器とがねじ連結されている。ピストンシリンダーから
中空ピストン棒が突き出ており、その場合にこのピスト
ン棒は送出ピストンと連結されていて、その上端部に排
出口を備えている。

上記排出口上には混合容器がその底面の自動開閉孔を通
して装着される。そこでピストン棒、すなわち送出ピス
トン上に圧力がかけると、ペースト状ないしは液状の被
取出し物質が上方に押され、混合容器内に排出される。

この場合それぞれの備蓄容器に対して個々にポンプが必
要であり、それに伴つてそれぞれに逆流防止弁が二個、
さらにばねが一個必要である。従つて備蓄容器一個当り
に必要な構成費用はかなり大きな額となる。これらの部
分は絶えず被送出物質と接触する。そして送出終了後に
おいてもかなり多量の物質がピストンシリンダーおよび
ピストン棒に付着残留する。すなわちこれらはそれ以上
送出することができず、いわゆるロスとなる。

本発明は、このような従来の装置の問題点を解決し、ペ
ースト状ないしは液状物質を適量づつ取出すための装置
において、構造ができるだけ簡単で、しかも被送出物質
を送出し易く、さらに最大限送出して、容器内をほとん
ど空の状態にすることが可能な装置を提供することを課
題とする。

前記の課題は本発明により解決することができ、本発明
の装置は、ペースト状ないしは液状物質を適量づつ取出
すための装置で、前記装置が、備蓄容器（１）、送出ピ
ストン（８）、ピストン棒（９）、台板（11）、混合容
器（７）、閉鎖弁（４）および直進誘導手段を含み、 前記備蓄容器（１）は、ペースト状ないしは液状物質を
備蓄するためのもので、前記備蓄容器（１）の本体が、
開口した下端と上端を有するピストンシリンダー（２）
を形成しており、その上端に、前記物質を排出するため
の排出口（５）が配置されていること、 前記送出ピストン（８）は、前記備蓄容器（１）のピス
トンシリンダー（２）の中に配置されており、前記備蓄
容器（１）のピストンシリンダー（２）に対して送出圧
力をかけることができるように前記備蓄容器（１）に対
して上側に向かって移動可能であること、 前記ピストン棒（９）は、前記送出ピストン（８）を操
作させるためのもので、脚部（10）を有し、前記脚部
（10）が、前記備蓄容器（１）内へ下方から突出した前
記ピストン棒（９）と一体化しており、ピストン棒
（９）は前記送出ピストン（８）を移動可能に支持して
いること、 前記台板（11）は、前記ピストン棒（９）を収容する実
質的に円筒形状のピストン棒孔（12）を有し、前記ピス
トン棒（９）の脚部（10）が前記台板（11）に固定され
ており、前記ピストン棒孔（12）には、前記ピストン棒
（９）、送出ピストン（８）及び備蓄容器（１）が互い
に同軸的かつ同心円的になるようにして収容されている
こと、 前記混合容器（７）は、前記台板（11）の外側に位置し
ており、前記備蓄容器（１）の排出口（５）を挿入可能
な自動開閉底面弁（６）を有し、前記自動開閉底面弁
（６）には、前記弁（６）の中心軸と軸を同じくするリ
ング状密着部（23）が設けられており、前記自動開閉底
面弁（６）は、前記物質を前記混合容器（７）の中に排
出するように前記排出口（５）を挿入した時に開口可能
で、しかも、前記混合容器（７）から排出口（５）を取
り外した時に前記物質が漏れ出ないように閉鎖可能であ
ること、 前記閉鎖弁（４）は、前記備蓄容器（１）の上端に配置
されており、弁操作キャップ（16）を有し、前記弁操作
キャップ（16）の上端には前記排出口（５）が形成され
ており、前記弁操作キャップ（16）は、前記備蓄容器
（１）に対して相対的に回転させることによって前記閉
鎖弁（４）を操作するように配置されており、前記閉鎖
弁（４）は、前記排出口（５）を前記自動開閉底面弁
（６）から取り外した後、前記弁操作キャップ（16）を
回転させることにより、前記備蓄容器（１）中の物質が
汚染されないように密封して閉鎖可能であり、前記弁操
作キャップ（16）は、前記排出口（５）の下部に設けら
れた外部円錐密着部（24）を有し、前記外部円錐密着部
（24）は、前記物質が前記混合容器（７）の中に排出さ
れる間、連続した密封が得られるように、前記自動開閉
底面弁（６）における前記リング状密着部（23）と密着
可能であること、及び 前記直進誘導手段は、前記ピストン棒孔（12）内におい
て前記備蓄容器（１）を誘導するためのものであり、前
記ピストン棒孔（12）の壁に設けられた一つ以上の縦溝
（13）と、前記ピストンシリンダー（２）の下端に設け
られた一つ以上の半径方向の突起（14）とを含み、前記
突起（14）が前記縦溝（13）内に突出して、前記ピスト
ンシリンダー（２）の回転が阻止されていること を特徴とする。

本発明による備蓄容器は構造が非常に単純である。すな
わち本発明による備蓄容器は実質的にピストンシリンダ
ー並びにピストンシリンダー内において往復運動の可能
な送出ピストンによつて構成されており、その場合にピ
ストンシリンダーが同時に備蓄容器としても形成されて
いて、その上端に排出口を備えている一方、送出ピスト
ンが非常に単純な構成要素として、すなわちピストンシ
リンダー内において往復運動可能な容器底面として、形
成されている。

ピストン棒は備蓄容器とは別個にできている。すなわち
ピストン棒は備蓄容器を交換する場合にも取はずせな
い。これはピストンシリンダーに対する誘導部並びにさ
さえとして形成されている。従つてピストン棒が固定配
備されている限り、排出の際に備蓄容器がひつくり返る
心配はなく、よごれるということがなくなる。

排出すべき物質が長時間空気と接触することによつてお
たがいに化学反応をおこすということがない様に、又誤
つて物質が備蓄容器から押出されるということがない様
に、本発明においてはさらに次の様な装備がなされてい
る。すなわち備蓄容器の排出口に閉鎖弁が装備されてい
る。そしてこの閉鎖弁は弁操作キヤツプを備蓄容器に対
して相対的に回転させることによつて操作することがで
きる。これによつて排出後、あるいは少なくとも長時間
排出を行なわない場合には備蓄容器を閉鎖しておくこと
ができる。

特殊な目的に応じて、ピストン棒を一つの台板上に多数
設置することも可能である。それによつて一つの支持台
上に多数の備蓄容器を組織的に配列することができ、簡
単に複数の備蓄容器から順次物質を取出すことができ
る。

特に望ましい実施形態においては、ピストン棒はそれぞ
れ物質的に円筒状のピストン棒孔内に軸を共有してお
り、かつ半径方向に遊隙を持つて配置されており、さら
にピストン棒孔の壁に備蓄容器とかみ合う直進誘導路が
一個所以上設けられている。これによつて備蓄容器は排
出の間ピストン棒に対して相対的に降下して行くが、回
転はしない。従つて閉鎖弁の弁操作キヤツプは、備蓄容
器自体を特に固定しなくても、手によつてあるいは装着
した混合容器を通して回転操作することができる。

上記誘導路のうち構造上特に簡単な実施形態として次の
ものが挙げられる。すなわちピストン棒孔の壁に縦溝が
一つ以上設けられていて、この縦溝に備蓄容器の半径方
向の突起がかみ合つている。

次に図面に示した一つの実施形態に基づいて本発明をさ
らに詳しく説明する。

第１図に示されている備蓄容器（１）は容器の外郭を成
しているピストンシリンダー（２）を備えている。容器
内にはペースト状ないしは液状の物質（３）、たとえば
毛髪染色剤、が充填されている。ピストンシリンダー
（２）の上端は閉鎖弁（４）によつて閉鎖することがで
きる様になつており、さらにその上に排出口（５）が配
備されている。排出口（５）は第１図に示されている様
に混合容器（７）の底面の自動開閉弁（６）内に挿入す
ることができる。

ピストンシリンダー（２）内には送出ピストン（８）が
配備されており、これはピストンシリンダー（２）の内
壁に密着していて、容器の底面としての役割もなしてい
る。ピストンシリンダー（２）の下端は開放されてい
て、この開放部を通じてピストン棒（９）が中に挿入さ
れている。図面に示されている実施態様の場合ピストン
棒（９）は管状であるが、これは下端に脚部（10）を備
えており、この脚部（10）は台板（11）に固定されてい
る。ピストン棒孔（12）の壁には幅の広い縦溝（13）が
二つ、おたがいに向合う位置に、掘られており、この溝
に、ピストンシリンダー（２）の下端に設けられている
半径方向の突起（14）がかみ合つている。この縦溝（1
3）と突起（14）とがかみ合つていることによつて、備
蓄容器（１）を台板（11）とは反対方向に真すぐ誘導す
ることができる。備蓄容器（１）は、たとえば内容物が
完全に空になり、新しい充満備蓄容器と交換しなければ
ならない場合、台板（11）のピストン棒孔（12）から完
全に上方に引出すことができる。

第３図に示す様に台板（11）は脚部（15）を備えてお
り、多数のピストン棒孔（12）を備えている。従つて多
数の備蓄容器（１）を配備することができる。図面に示
されている実施例においては備蓄容器内にそれぞれ別の
物質が充填されている。従つて台板（11）からの突出長
がそれぞれ異つている。

第４図および第５図に詳細に示されているが、備蓄容器
（１）の閉鎖弁（４）は弁操作キヤツプ（16）を備えて
おり、この上端に排出口（５）が設けられている。弁操
作キヤツプ（16）はねじ部（17）を通してピストンシリ
ンダー（２）のねじ部（18）と連結されている。ピスト
ンシリンダー（２）のねじ部（18）にはウエブ（Steg）
（19）を経て中央の閉鎖部（20）が付属している。閉鎖
状態（第４図）においては閉鎖部（20）は排出口（５）
に設けられている、内側に突出た、密封突起（21）と密
着している。

弁操作キヤツプ（16）をピストンシリンダー（２）のね
じ部（18）に対して相対的に限度まで回転させると、密
封突起（21）が閉鎖部（20）から離れ、リング状断面の
開口部が生じる。この開口状態（第５図）において、内
容物が、閉鎖部（20）の周りを通り、第５図において矢
印であらわされた道を経て、出口（５）から外に送出さ
れる。

この場合に閉鎖弁（４）を手だけで操作することができ
る様に、ピストンシリンダー（２）は、すでに述べた様
に、ピストン棒孔（12）に設けられている直進誘導路に
よつて回転が阻止されている。

図面に示されている実施例の場合は、混合容器（７）の
底面の自動開閉弁（６）は弾性物質から単部品として形
成されており、形状は密着唇弁である。閉鎖状態（第６
図）においては二つの密着唇（22）が中央において密着
した状態となる。排出口（５）をこの自動開閉弁（６）
にさし込むと（第７図）、二つの密着唇（22）が押し上
げられることによつて弁が開く。

密着唇（22）の下部には、弁（６）の中心軸と軸を同じ
くするリング状の密着部（23）が設けられている。これ
は、相対する、たとえば排出口（５）の下部に設けられ
ている円錐台形の、密着部（24）と密着するが、それに
よつて取出し作業の間に排出口（５）の周囲から取出し
物質が漏れ出るのを阻止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は混合容器を装着した備蓄容器の縦断面図である
が、この場合備蓄容器は台板（部分的にしか示されてい
ない）のピストン棒孔内に配備されている。 第２図は第１図においてII−II線に沿つて切断した場合
の横断面である。 第３図は台板をささえているスタンドの見取図である。
この場合台板には多数の備蓄容器が配備されている。 第４図は備蓄容器の排出口に対する閉鎖弁部分の拡大縦
断面図であり、この場合は閉鎖状態があらわされてい
る。 第５図は第４図と同様に閉鎖弁部分の拡大縦断面図であ
るが、この場合は開口状態があらわされている。 第６図は備蓄容器の排出口に装着する直前のびん状混合
容器をあらわしている。 第７図は備蓄容器の排出口に装着した後の混合容器をあ
らわしており、第６図と同様に底面の自動開閉弁付近は
断面であらわされている。 第８図は第７図においてVIII−VIII線に沿つて切断した
場合の横断面図である。 （１）……備蓄容器 （２）……ピストンシリンダー （４）……閉鎖弁 （５）……排出口 （８）……ピストン （９）……ピストン棒 （10）……脚部 （16）……弁操作キヤツプ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ペースト状ないしは液状物質を適量づつ取
   出すための装置で、前記装置が、備蓄容器（１）、送出
   ピストン（８）、ピストン棒（９）、台板（11）、混合
   容器（７）、閉鎖弁（４）および直進誘導手段を含み、 前記備蓄容器（１）は、ペースト状ないしは液状物質を
   備蓄するためのもので、前記備蓄容器（１）の本体が、
   開口した下端と上端を有するピストンシリンダー（２）
   を形成しており、その上端に、前記物質を排出するため
   の排出口（５）が配置されていること、 前記送出ピストン（８）は、前記備蓄容器（１）のピス
   トンシリンダー（２）の中に配置されており、前記備蓄
   容器（１）のピストンシリンダー（２）に対して送出圧
   力をかけることができるように前記備蓄容器（１）に対
   して上側に向かって移動可能であること、 前記ピストン棒（９）は、前記送出ピストン（８）を操
   作させるためのもので、脚部（10）を有し、前記脚部
   （10）が、前記備蓄容器（１）内へ下方から突出した前
   記ピストン棒（９）と一体化しており、ピストン棒
   （９）は前記送出ピストン（８）を移動可能に支持して
   いること、 前記台板（11）は、前記ピストン棒（９）を収容する実
   質的に円筒形状のピストン棒孔（12）を有し、前記ピス
   トン棒（９）の脚部（10）が前記台板（11）に固定され
   ており、前記ピストン棒孔（12）には、前記ピストン棒
   （９）、送出ピストン（８）及び備蓄容器（１）が互い
   に同軸的かつ同心円的になるようにして収容されている
   こと、 前記混合容器（７）は、前記台板（11）の外側に位置し
   ており、前記備蓄容器（１）の排出口（５）を挿入可能
   な自動開閉底面弁（６）を有し、前記自動開閉底面弁
   （６）には、前記弁（６）の中心軸と軸を同じくするリ
   ング状密着部（23）が設けられており、前記自動開閉底
   面弁（６）は、前記物質を前記混合容器（７）の中に排
   出するように前記排出口（５）を挿入した時に開口可能
   で、しかも、前記混合容器（７）から排出口（５）を取
   り外した時に前記物質が漏れ出ないように閉鎖可能であ
   ること、 前記閉鎖弁（４）は、前記備蓄容器（１）の上端に配置
   されており、弁操作キャップ（16）を有し、前記弁操作
   キャップ（16）の上端には前記排出口（５）が形成され
   ており、前記弁操作キャップ（16）は、前記備蓄容器
   （１）に対して相対的に回転させることによって前記閉
   鎖弁（４）を操作するように配置されており、前記閉鎖
   弁（４）は、前記排出口（５）を前記自動開閉底面弁
   （６）から取り外した後、前記弁操作キャップ（16）を
   回転させることにより、前記備蓄容器（１）中の物質が
   汚染されないように密封して閉鎖可能であり、前記弁操
   作キャップ（16）は、前記排出口（５）の下部に設けら
   れた外部円錐密着部（24）を有し、前記外部円錐密着部
   （24）は、前記物質が前記混合容器（７）の中に排出さ
   れる間、連続した密封が得られるように、前記自動開閉
   底面弁（６）における前記リング状密着部（23）と密着
   可能であること、及び 前記直進誘導手段は、前記ピストン棒孔（12）内におい
   て前記備蓄容器（１）を誘導するためのものであり、前
   記ピストン棒孔（12）の壁に設けられた一つ以上の縦溝
   （13）と、前記ピストンシリンダー（２）の下端に設け
   られた一つ以上の半径方向の突起（14）とを含み、前記
   突起（14）が前記縦溝（13）内に突出して、前記ピスト
   ンシリンダー（２）の回転が阻止されていること を特徴とする、ペースト状ないしは液状物質を適量づつ
   取出すための装置。
2. 【請求項２】前記ピストン棒（９）が複数個設けられて
   おり、前記複数個のピストン棒（９）が、一つの共通の
   台板（11）に設けられていることを特徴とする特許請求
   の範囲の第１項に記載の装置。