JPH0734860Y2 - 容器とキャップのアセンブリ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、２筒式吐出容器と容器の２つの出口を同時に
閉じるキャップに関するものである。

従来技術および考案が解決しようとする課題 ２筒式の調合器などの２筒式吐出容器は、異なる反応部
分を入れるのに用いられる。これらの成分は、吐出さ
れ、一緒に混合されて、所望の合成物が生ぜしめられ
る。たとえば、２筒式容器は、一方の室にはエポキシ樹
脂を、他方の室には硬化剤を入れておくことができるの
で、樹脂と硬化剤の一部を同時に吐出させると、直ちに
混合でき、別々に成分を計量する必要がない。

２筒式調合器の１例は、米国特許第4,538,920号に説明
されている。この特許は、本考案の譲受人に譲渡される
ものであり、この調合器は、各筒から、割当てられた分
量の成分を同時に吐出するための２つの連結プランジャ
を有している。出口管は、調合器に取外し可能に結合さ
れ、複数のら旋状混合部材を有しているので、２つの成
分は、いちど出口管から出されれば完全に混合されて、
手による混合は必要としない。

１度に成分の１回分だけが筒から出される形式のもの
が、米国特許第4,538,920号により公知であるが、しば
しば望まれるのは、調合作業と作業の間に並んだ筒の出
口をカバーして、なかの液体成分が過度に硬化したり乾
燥したりするのを防止することである。ある調合器の場
合、ねじ山付きのキャップをかぶせるようにされてい
る。このねじ山は、出口を取囲む対応ねじ山と噛合うよ
うにされてある。また、別の種類の２筒式調合器は、可
とう性の突出閉止部を有する単一のキャップを有し、こ
の閉止部が調合器の並置出口内へ取外し可能にはめ合わ
されている。

しかし、２筒式吐出容器用の、多くの従来のキャップ
は、筒内に残る成分の混り合いを防止できない。たとえ
ば、筒内の少量の成分がキャップの閉止部に残っている
ような場合、調合のためキャップを外し、次いでキャッ
プをかぶせるさいに、うっかり前と異なる出口にかぶせ
てしまうと、前記の残っていた成分が他方の成分と反応
をおこすおそれがある。こうした混り合いの量は筒内に
残る成分量と比較すると僅かではあるが、調合時に他の
液状混合物のなかに硬い固まりが混ることになり、ら旋
状静止ミキサの曲りくねった通路を通る成分を妨害する
ことにもなる。

公知形式の或る吐出容器キャップは、２筒式吐出容器の
滑らかな円筒形突出頚部に押しはめる形式のものであ
る。この形式のキャップは、内側円筒壁に細長いスロッ
ト又は切欠きを有している。このスロット又は切欠き
が、半径方向で内側に延びる、頚部に設けられた定位部
を受容するのである。この定位部は、キャップの２つの
閉止部が必ず２つの出口の決まった出口にかぶさらなけ
れば容器にキャップが取り付けられないようにする目的
のものである。このような措置は、容器に残る成分の混
り合いの可能性を最低限にするものであるが、吐出容器
とキャップにとっては、偶然にキャップが外れたりする
ことなく、確実かつ迅速にふたができることが必要であ
る。また、容器が、従来のねじ山付き出口管に迅速かつ
取外し可能にロックできるように構成されることも望ま
しいであろう。

課題を達成するための手段 本考案は、出口管との連結用の周囲ねじ山を備えた頚部
を有する２筒式吐出容器を含む容器とキャップのアセン
ブリを提供するものである。この頚部は、ねじ山を横切
って延びる切欠きを有し、また、異なる成分を同時に吐
出する第１と第２の並置出口を有している。このアセン
ブリは、更に、第１及び第２の閉止部と、これら閉止部
を容器に取外し可能に連結する連結構造部とを備えたキ
ャップを有している。これら閉止部により第１と第２の
出口はそれぞれ実質的に閉じることができる。このキャ
ップは、突出した定位部を有し、この定位部が、キャッ
プを容器にかぶせるさい、容器に対しキャップを定位
し、切欠きに受容される。また、この定位部により、第
２の閉止部が第１の出口を閉じるようなことが実質的に
防止される。

キャップを容器にはめる場合、ユーザーは、この突出定
位部がすぐに分かるので、定位部が切欠き内に受容され
るようにキャップの位置を調節することができる。頚部
のねじ山により、迅速かつ確実にキャップを連結でき、
更に、ねじ連結端部を有する出口管にも連結できる。切
欠きは、また、取外し式の固定ナットを備えた出口管の
定位部をも受容できる。

実施例 第１図に示されているように、容器アセンブリ10は吐出
容器12とキャップ14とを有している。容器12は２つの並
置された筒16,18を有し、これらの筒は平行に延び、そ
れぞれが円筒形の独立した内室（図示せず）を有し、た
とえば、エポキシ樹脂混合物をつくるための液状の反応
性成分などの、異なる材料が、この内室に入れられる。

容器12は突出した円筒形頚部20を有し、この頚部は、平
らな境界部材26により分離されている。出口22は筒16の
内室と連通し、隣りの出口24は、筒18と連通している。
並置された出口22,44は、双方の内室から異なる材料を
同時に放出する。この放出は、容器12の２つの連結ピス
トン（図示せず）が、頚部20の方向へ内室内を同時に移
動させられることで行なわれる。

頚部20の周囲には、２重の部分片ねじ山28が形成され、
このねじ山が、各筒16,18の前端近くに、ねじ山を横断
して延びる２つの切欠き30（片方のみ図示）により中断
されている。ねじ山28は、所望とあれば、容器12に延長
出口管を連結するための、取外し式の固定ナットをはめ
込むことができる。出口管は、内部に静止混合部材を有
しているので、ピストンにより押出される材料は、容器
出口22,24から離れた出口管端部から放出されるときに
は、完全に混合されている。

キャップ14は、第１の閉止部32と第２の閉止部34とを有
している。これらは第２図、第３図からも見ることがで
きる。並置されているこれらの閉止部32,34は、外方へ
突出し、ほぼ半円筒形状を有し、出口22,24の形状を補
完している。また閉止部32,34は、キャップ14の円筒形
ハウジング36から間隔をおいて設けられている。

キャップ14は、また、容器12に閉止部32,34を取外し可
能に連結するための連結構造部38を有している。これに
より、出口22,24をそれぞれ実質的に閉じることができ
る。連結構造部38は１対のフレキシブルな、ほぼＴ字形
のアーム40を有している。アーム40は、一方の端部にね
じ山28を掴む鉤状部42を有している。アーム40のそれぞ
れは、鉤状部の反対側に、指操作用のセグメント44を有
し、各セグメントは外方へ向いたフランジ46を有してい
る。

アーム40は、好ましくは、キャップ14と一体に形成し、
タブ43によりハウジング36に弾力的に結合されている。
この結果、鉤状部42は、互いに外方へたわみ可能であ
り、キャップ14が頚部20に押しはめられると、ねじ山28
上にまたがる状態となる。外すときには、２本の指でセ
グメント44を同時に押し開けばよい。次いで、フランジ
46のところに指を引掛けて引出せば、容易に容器12から
取外すことができる。

キャップ14は、１対の細長い長方形の定位部48を有して
いる。この定位部は、ハウジング36の向い合った側にハ
ウジングと一体に形成されている。また、この定位部48
は、ハウジング36から外方へ、各アーム40の縦軸と平行
に、突出している。キャップ14がアームを介して容器12
に連結され、出口22,24が閉じられると、定位部48は、
キャプ14が容器12に正しく定位されているかぎり、それ
ぞれ切欠き30に沿ってスライドする。

第２図に示されているように、定位部48は、それぞれ、
キャップ14の中心を通る基準線50の片側に位置してい
る。同じように、切欠き30も、非対称的な位置にあり、
境界板26の中心を垂直方向に通る基準平面の片側に形成
されている。その結果、定位部48は、閉止部32が直接に
第１の出口22に、また、閉止部34が直接に第２の出口24
に重なった場合にのみ、切欠き30内へ滑りばめされるこ
とができる。

閉止部32,34が出口22,24にそれぞれ整列していない場合
は、横方向の肩29が定位部48の前進を阻止し、キャツプ
14は容器12に連結できない。肩29は、ねじ山28と出口2
2,24との間の頚部20に形成され、頚部20の縦方向の中心
基準軸線に対し半径方向に延びている。定位部48はアー
ム40を超えて延びているので、鉤状部42は、たとえば、
キャップ14が容器12に対し正しく定位されていない場合
には、ねじ山28上に引掛からない。切欠き30と肩29と
は、静止ミキサを有する吐出ノズルの定位部と一緒に用
いて、ミキサを容器に配属させ、最上の混合作業を行な
うようにすることも可能である。ねじ山28により、頚部
20にねじ山付出口管を迅速に連結できる一方、出口管内
の圧力に対する十分な抵抗が可能になる。ねじ山なしで
は、不注意で出口管が容器12から外れることを防止でき
ないであろう。

本考案の別の実施例を示したのが、第４図と第５図であ
る。キャップ114は、１対の定位部148と連結構造部138
とを有しているが、これらは既述の形式48,38と実質的
には変らない。しかし、連結構造部138の２つのアーム1
40のそれぞれは、端部に狭幅のフランジ146を有してい
る。このフランジは、断面が縮少されたウェブ152によ
り、２つのほぼＣ字形の取手154の端部に一体に結合さ
れている。通常は、取手154は、第４図に示したよう
に、キャップの残りの部分を取囲む形となる。

ウェブ152は、取手154をアーム140に連結している。ア
ーム140は、それぞれの軸線を中心として選択的な旋回
運動を行なう。これらの軸線は、アーム140の延び方向
にほぼ直角方向に延びる軸線である。容器12のような容
器からキャップ114を外すときは、取手154を掴んで引張
る。これにより、取手がウェブ152縦軸線を中心として
旋回し、第４図の実線位置から外方の作業位置へ引起さ
れる。この位置が第５図に破線で示されている。取手を
更に引張ると、アーム140が可とう性のタブ143を中心と
して旋回する。これにより、タブは、鉤状部142を容器
の頚部のねじ山を超えて半径方向で外方へ動かすので、
キャップ114が容器から外れる。キャップ114は合成樹脂
材料で一体に成形されている。取手154は、離せば第４
図に実線で示したもとの位置へ戻る。別の形式の単一の
Ｃ字形取手を用いることもできる。その場合、この取手
はアーム40のフランジ46の近くに固定し、第５図の破線
で示した取手位置に、外方へ直角に延びるように成形し
ておく。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による容器／キャップ・アセンブリの部
分斜視図、第２図は第１図のキャップを容器から外して
容器側からキャップ端部を見た図、第３図は第２図の３
−３線に沿った側断面図、第４図は本考案の別の実施例
によるキャップの端側の図、第５図は第４図のキャップ
の５−５線に沿った側断面図である。 １……容器アセンブリ、12……吐出容器、14……キャッ
プ、16,18……容器の筒、20……頚部、22,24……出口、
26……境界板、28……ねじ山、32,34……閉止部、38…
…連結構造部、40……アーム、42……鉤状部、48……定
位部、152……ウェブ。

Claims (8)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】２筒式吐出容器とキャップを有する容器
   （12）とキャップ（14）のアセンブリであって、前記吐
   出容器が、出口管と連結するための周囲ねじ山（28）を
   有する頚部（20）を備え、この頚部が、前記ねじ山を横
   方向に貫く切欠き（30）と、同時に異なる材料を吐出す
   るために並置された第１及び第２の出口（22,24）とを
   有しており、更に、前記キャップが、第１と第２の閉止
   部（32,34）と、前記第１と第２の出口をそれぞれ実質
   的に閉じるために前記容器に前記第１と第２の閉止部を
   取外し可能に結合する連結構造部（38）とを有してお
   り、更に、前記キャップが突出定位部を備え、前記第１
   の閉止部（32）を前記第１の出口（22）と整列させ、か
   つまた前記第２の閉止部（34）を第２の出口（24）と整
   列させるさい、前記容器に対し前記キャップを定位する
   ため、前記定位部が前記切欠きに受容されるようにさ
   れ、更に、前記第２の閉止部が前記第１の出口を閉じる
   ことを、前記定位部（48）が実質的に防止することを特
   徴とする容器とキャップのアセンブリ。
2. 【請求項２】前記連結部（38）が、前記ねじ山（28）を
   取外し可能に掴むための鉤状部（42）を有するフレキシ
   ブルな１対のアーム（40）を有していることを特徴とす
   る請求項１記載のアセンブリ。
3. 【請求項３】前記アーム（40）が、ほぼＴ字形を有し、
   前記鉤状部（42）の反対側には、指で操作するセグメン
   ト（44）が設けられ、このセグメントを押し下げると、
   前記ねじ山から鉤状部を外すことができることを特徴と
   する請求項２記載のアセンブリ。
4. 【請求項４】前記指操作式セグメント（44）が、それぞ
   れ前記キャップを前記容器から引き離すための、外方へ
   曲げたフランジ（46）を有することを特徴とする請求項
   ３記載のアセンブリ。
5. 【請求項５】前記アーム（40）と前記定位部（48）と
   が、ほぼ平行に延びていることを特徴とする請求項２記
   載のアセンブリ。
6. 【請求項６】前記アーム（40）が、前記キャップ（14）
   のほぼ反対側に位置し、少なくとも１つのほぼＣ字形の
   取手（154）を有しており、この取手が前記アームに結
   合され、前記頚部から前記キャップ（14）を引き離す一
   方、前記ねじ山から前記鉤状部を外すことを特徴とする
   請求項２記載のアセンブリ。
7. 【請求項７】少なくとも１つの前記取手が前記アームに
   旋回可能に結合され、前記定位部の延び方向に対しほぼ
   直角の軸線を中心として揺動運動を行なうことを特徴と
   する請求項６記載のアセンブリ。
8. 【請求項８】前記定位部が前記第１と第２の閉止部をこ
   えて外側へ突出することを特徴とする請求項１記載のア
   センブリ。