JPH0734753B2 - 組換え宿主細胞から得られる組換えb型肝炎ウイルス表面タンパク質の安定化方法 - Google Patents

組換え宿主細胞から得られる組換えb型肝炎ウイルス表面タンパク質の安定化方法

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JPH0734753B2
JPH0734753B2 JP4051980A JP5198092A JPH0734753B2 JP H0734753 B2 JPH0734753 B2 JP H0734753B2 JP 4051980 A JP4051980 A JP 4051980A JP 5198092 A JP5198092 A JP 5198092A JP H0734753 B2 JPH0734753 B2 JP H0734753B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】B型肝炎ウイルス(HBV)DNAはいく
つかのオープンリーディングフレームを含み、その1つ
はenv遺伝子である。この遺伝子は3種の密接に関連
したタンパク質:preS1+preS2+S、preS2+S
及びSをそれらの各々5'-3'遺伝子順序でコードし、
それらは構造エンベロープ、即ち表面(“S”)タンパ
ク質を含んでいる。包括的に、preS1+ preS2+
S、preS2+S及びSタンパク質はB型肝炎ウイルス
表面タンパク質と称される。 preS2+S及びSタンパ
ク質は集合して22ナノメーター(22nm)粒子又は
オーストラリア抗原として知られる構造をとることがで
きる。22nm粒子は異るSタンパク質の組合わせから
なるか又は均質に1種のSタンパク質からなる。すべて
のS関連タンパク質は完全HBVビリオン中にみとめら
れる。
【0002】組換えDNA技術の適用により、Sタンパ
ク質をコードするDNAは様々な宿主細胞(例えば大腸
菌、酵母、昆虫及び哺乳動物細胞培養物)内に導入する
ことができ、preS1+ preS2+S、preS2+S及び
Sタンパク質を合成した後にpreS2+S及びSタンパ
ク質から22nm粒子を形成しうることが証明された。
これら3種の形態のSタンパク質は全てインビボで免疫
原性であることが知られ、これらのSタンパク質に対す
る抗体は保護的であって、 preS2+Sタンパク質は p
reS2領域があるので免疫優性である。 perS2領域は
ウイルス複製過程に際して細胞膜との相互作用配列とし
て機能する。
【0003】酵母細胞におけるpreS2+Sタンパク質
の発現は、preS2+Sタンパク質が酵母細胞膜と相互
作用すること、 preS2+Sタンパク質の精製がこの性
質により容易になることを証明した。
【0004】現在、実質上純粋な膜結合 preS2+Sタ
ンパク質を精製する方法がある。この方法はいくつかの
欠点、即ちa)精製経路の初期段階における相当量の酵
母タンパク質の混入、b)高レベルの混入酵母プロテア
ーゼによる preS2+Sタンパク質の分解、c) preS
2+Sタンパク質の分解を阻止するためのプロテアーゼ
阻害剤の添加(及びしかる後の除去)及びd)上記ファ
クターの積み重ねによる生成物収率低下、などがある。
加えて、こうして精製されたこのタンパク質はHBV感
染の予防用ワクチンとしてヒトに用いられている。
【0005】組換えタンパク質は天然又は古典的形とし
ては通常典型的でない形で提供されるため、どんな精製
方法が組換えタンパク質にとり有用であるかは予想でき
ない。この理由から、組換えタンパク質では既知操作の
新規組合わせ又は全く新しい精製方法を要することが多
い。加えて、ヒト用のワクチン製剤では極端な純度を必
要とするが、これは精製経路の結果に関して非常に大き
な非予測性を生じる。
【0006】組換え宿主細胞から組換えB型肝炎ウイル
ス表面タンパク質を実質上精製する方法を提供すること
が本発明の目的である。本発明のもう1つの目的は精製
中にプロテアーゼ阻害剤を導入する必要性を解消したB
型肝炎ウイルス表面タンパク質の精製方法を提供するこ
とである。本発明のもう1つの目的は更に安定な表面タ
ンパク質産物を得る組換え宿主細胞からの組換えB型肝
炎ウイルス表面タンパク質の精製方法を提供することで
ある。本発明のこれらの及び他の目的は以下の記載から
明らかになるであろう。
【0007】本発明を要約すると: a)組換え表面タンパク質を発現する全細胞を中性pH
緩衝液中で熱処理する; b)熱処理された細胞(a)
を破壊して粗抽出物を得る; c)界面活性剤の存在下でi)遠心又はii)精密濾過に
より熱処理抽出物(b)から砕片を除去して、熱処理さ
れた清澄化抽出物を得る; d)熱処理された抽出物(c)の濃縮及び透析濾過; e)ステップ(d)の生成物を界面活性剤を吸着する樹
脂と接触させることにより加えられた界面活性剤を除去
してかつ表面タンパク質から混入宿主細胞タンパク質を
分離させ、しかる後表面タンパク質を吸着及び保持する
が混入タンパク質は吸着しない広孔シリカと接触させ
る; f)広孔シリカから吸着された表面タンパク質を溶出さ
せる; g)更に低分子量不純物を除去して最終生成物を濃縮す
るため(f)の溶出液を透析濾過に付し、実質上精製さ
れた表面タンパク質を得る; ステップからなる、組換え宿主細胞からの組換えB型肝
炎ウイルス表面タンパク質の精製方法を提供する。
【0008】以下本発明を詳細に説明する。本発明のプ
ロセスは組換え宿主細胞抽出物から組換えB型肝炎ウイ
ルス表面タンパク質を精製する方法に関する。これらの
方法では中性pH及び高温において全細胞の混合的処理
を行う。
【0009】本発明の新規精製プロセスは、タンパク質
がヒトもしくは動物血清由来であるか又は組換え生物由
来であるかにかかわらず、S、 preS1+ preS2+S
及びpre S2+Sタンパク質を含めた広範囲のB型肝炎
ウイルス表面タンパク質又はその部分に適用しうると解
釈される。様々な組換え宿主細胞種が本発明の方法に包
含されることも理解される。包括的に、preS1+ pre
S2+S、preS2+S及びSタンパク質はB型肝炎ウ
イルス表面タンパク質と称される。S、 preS1+ pre
S2+S及び preS2+Sの全部又は一部を含む融合タ
ンパク質並びに組換え宿主細胞で同時に産生される多く
の形のB型肝炎ウイルス表面タンパク質も含まれる。
【0010】1つの主要な例は酵母細胞で産生される組
換え preS2+Sタンパク質である。この酵母発現系は
preS2+Sアミノ酸配列を産生する。もう1つの例は
酵母細胞で産生される組換えSタンパク質である。その
他Sタンパク質の変異アミノ酸配列の精製プロセスも本
発明に包含される。本発明のプロセスは本発明の原則に
従いSタンパク質変異体並びに preS1+ preS2+S
及び preS2+S変異体とそれらの各融合タンパク質を
含めてあらゆるSタンパク質又はS融合タンパク質を精
製する迅速かつ効率的な方法を提供するように考案され
ている。例えば、preS1+preS2+Sアミノ酸配列に
おける保存的置換[テイラー,W.R.,ジャーナル・オ
ブ・モレキュラー・バイオロジー,第188巻,第23
3頁,1986年(Taylor, W. R., J, Mol. Bi
ol. 188:233(1986))の表1で示すように
定義される]は通常本発明の原則及び実施にいかなる実
質的又は新規な変更も加えない。S抗原の保存的置換は
公知である;エルファシー,E.ら,ジャーナル・オブ
・セオレティカル・バイオロジー,第121巻,第37
1頁,1986年[Elfassi, E. et al., J. Theor,
Biol. 121:371(1986)]参照。加えて、
S、preS1又はpreS2+S領域内における欠失も通常
ここで記載された精製プロセスに変更を加える必要はな
い。本出願における組換えSタンパク質もしくは表面抗
原又は組換えpreS1+preS2+Sタンパク質もしくは
preS2+Sタンパク質又はそれらの一部は、保存的ア
ミノ酸置換であれ、欠失又は他のプロセスによるもので
あれ、アミノ酸配列のこのようなあらゆるバリエーショ
ンを含むと理解すべきであるが、その組換えSタンパク
質、表面抗原、組換え preS1+S2+Sタンパク質又
はそれらの一部は preS1+S2+Sタンパク質もしく
はその一部、22nm粒子、オーストラリア抗原又は他
の天然形のHBV表面抗原配列に特異的な抗体と免疫化
学的に反応性でなければならない。
【0011】多くの酵母系発現系は組換えpreS2+
S、S及びS関連タンパク質の供給源として明らかに適
している。サッカロミセス・セレビシアエ(Saccharom
ycescerevisiae)の発現系を主要源と考えるものではな
い。他の酵母ベクターとしては格別限定されず、シャト
ルベクター、コスミドプラスミド、キメラプラスミド及
び2ミクロン環状プラスミド由来配列を有したものがあ
る。
【0012】サッカロミセス属は様々な種からなる。
S.セレビシアエ即ちパン酵母が様々な外来ポリペプチ
ドの組換えDNA媒介発現用の宿主として最も普通に用
いられる。しかしながら、サッカロミセス属の他の種間
における区別は必ずしも充分に定義されているわけでは
ない。これらの種の多くはS.セレビシアエと交差接合
することができ、S.セレビシアエの場合と類似した又
は同一の調節プロモーター並びに他の転写及び翻訳調節
要素を有しているらしい。したがって、S関連ポリペプ
チドの発現に関する宿主の選択が格別限定されずにカー
ルスベルゲンシス(carlsbergensis)、ウバラム(uvar
um)、ロウキシイ(rouxii)、モンタナス(montanu
s)、クルイベリ(kluyveri)、エロングルグソラス(el
ongrgsorus)、ノルベンシス(norbensis)、オビフォ
ルミス(oviformis)及びジアスタチクス(diastaticu
s)を 含めたサッカロミセス属の他の種にも拡張しうる
ことは当業者にとり明らかであろう。
【0013】デーン粒子(血清型adw)がウイルスオ
ープンリーディングフレーム(ORF)単離用のHBV
核酸源として利用された。この操作がウイルス遺伝子多
様性に基づき他の血清学的反応性を有したHBV株から
の核酸の使用にも拡張しうることは当業者にとり明らか
である。内在ポリメラーゼ反応はHBビリオン中に天然
で存在するニック及びギャップ形成核酸形からHBVゲ
ノムの共有結合閉環二本鎖DNAを得るために用いられ
た。DNAを単離し、EcoRIで完全に切断し、pB
R322のEcoRI部位に組込んでクローニングして
pHBV/ADW−1を得た。 preS領域のEcoRI
部位で環状変換形のHBVゲノムを組込んだ組換えプラ
スミドが選択された。 preS2領域の55アミノ酸(a
a)及びS領域の226aaをコードする完全ORF
は、まずEcoR I及びAcc IでpHBV/ADW
−1を切断して得られた0.8キロ塩基対(kbp)断
片を精製して組立てられたが、この断片は開始コドン、
アミノ末端3aa、カルボキシ末端3aa及び翻訳終結
コドンのみを欠いた preS2+Sポリペプチドをコード
している。
【0014】オリゴヌクレオチドを合成し、この断片に
結合させて、10bp酵母由来非翻訳5’フランキング
配列及び完全 preS2+S ORFを含むHind III
断片に変換した。preS2+S ORFの3’側における
配列は、終結コドンがADH1転写ターミネーターにお
ける天然Hind III 部位に直接隣接し、このためい
かなる付加的介在塩基もなく完全な天然酵母由来結合を
形成するように選択した。 preS2+Sの発現にとり適
切であればいかなる酵母活性転写ターミネーターもAD
H 1の代わりに用いうることは当業者にとり明らかで
ある。
【0015】構築のための5’フランキング配列(AC
AAAACAAAA)は酵母遺伝子GAP63(GA
P)の非翻訳リーダー(NTL)と対応するように選択
されたが[ホランド,ジャーナル・オブ・バイオロジカ
ル・ケミストリー,第225巻,第2596頁,198
0年(Holland, J. Biol. Chem., 225,259
6(1980))]、これはGAP遺伝子群におけるコ
ンセンサス配列でもある。その組立てはいかなる付加的
塩基の介在もなしにNTLをpreS2+S ORFの開始
コドンに直接隣接させるように行われた。したがって、
エンベロープポリペプチドの発現に関するNTL配列の
選択が適切な発現レベルを生じる他の配列にも拡張され
ることは当業者にとり明らかである。
【0016】DNA配列分析から2塩基が置換されてお
り、pHB preSGAP347/19TのDNAでコー
ドされる preS2+S配列[バレンズエラら,バイオテ
クノロジー,第3巻,第4号,第317−320頁,1
985年(Valenzuela et al., Biotechnology, 3
(4),317−320(1985))]とaa相違を
生じることが示された。双方の組立てに関して同一のポ
リペプチドで評価するため、HBVpreS2+Sの84
6bp ORFの塩基64がCからTになり(Leuで
はなくpheをコードする)塩基352がAからCに代
わった(GlnではなくHisをコードする)これらの
ヌクレオチド置換を部位特定変異誘発により変異させた
[ゾラーら,ヌクレイック・アシッズ・リサーチ,第1
0巻,第6487−6500頁,1982年(Zoller
et al., Nucleic Acids Research,10:6487−
6500(1982))]。次いで最適の構築用にコー
ド化されたaa配列が確認された。本発明がこの配列に
限定されず、DNAがHBV抗原性を有するポリペプチ
ドをコードするあらゆる配列に拡張されうることは当業
者にとり明らかである。
【0017】変異誘発後、前記の断片を用い、(a)約
1.1 kbpのGAP491プロモーター、(b)10
bpの酵母由来隣接配列、(c)ウイルス隣接配列は全
く有さない846塩基対のHBV preS2+S遺伝子
(血清型adw)及び(d)約0.4kbpの酵母AD
H1ターミネーターから構成される、ニスカーンらによ
り記載されたような[ニスカーンら,ジーン,第46
巻,第135−141頁,1986年(Kniskern et a
l., Gene, 46:135−141(1986))]発現
カセットを組立てた。この発現カセットを酵母シャトル
ベクターpC 1/1[ベッグス,ネーチャー,第275
巻,第104頁,1978年(Beggs, Nature, 27
5:104(1978));ローゼンバーグ(Rosenber
g)ら、ネーチャー,第312巻,第77頁,1984
年]に挿入してプラスミドpYG preS2S−1を得、
これを用いて酵母株CF42を形質転換させて以下pF
403と称される形質転換株を得た。この形質転換株は
評価及びその後の実験のため凍結ストックとして保存し
た。親株CF42は下記のようにして得られた:酵母株
2150−2−3[L.ハートウェル(L. Hartwel
l)、ワシントン大学]の 自然ura3変異が選択され
た[ベークら,モレキュラー・アンド・ゼネラル・ジェ
ネティクス,第197巻,第345−346頁,198
4年(Boeke et al., Mol. Gen. Genet., 19
7:345−346(1984))]。 得られた株
(MATa、adel-、leu2−04-、ura3-
cir°)はプラスミドYCp50−HOで形質転換し
て二倍体化した[ジェンセンら、プロシーディング・オ
ブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンスUS
A,第80巻,第3035-3039頁,1983年(J
ensen et al., P.N.A.S.USA,80:303
5−3039(1983))]。機能性酵母遺伝子HO
は細胞において接合型を転換させることができる。この
ため、単一細胞形質転換株からの子孫はa及び接合型
双方の混合物であり、コロニー増殖中に接合する。二倍
体クローン単離株からそのプラスミドを除去し、CF4
2(MATa/a、ade1-、leu2−04-、ur
a3-)と命名した。これらの形質転換株は評価及びそ
の後の実験のため凍結ストックとした。
【0018】pF403凍結ストックからの組換え酵母
はYEHD培地で増殖させた[カーティら,ジャーナル
・オブ・インダストリアル・マイクロバイオロジー,第
2巻,第117−121頁,1987年(Carty et a
l., J. Industrial Micro.,2,117−121(19
87))]。定常期まで増殖させた後、酵母細胞を回収
した。溶菌液を調製し、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリ
アクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)で分
離して、HBsAgに対する抗体と免疫ブロットを行っ
た。2つの主なポリペプチドが、preS2+S ORFの
翻訳産物及びそのグリコシル化誘導体の予想分子量と一
致する約30KD及び34KDの分子量を有していた。
高グリコシル化種の群に相当しかつ抗酵母及び抗HBs
血清と免疫反応するもう1つの多分散(分子量約50K
D)糖ペプチドハンドも検出された。更に、組換え酵母
の溶菌液はラジオイムノアッセイ(RIA)で preS2
+Sに関して陽性であったが、親株では認められなかっ
た。部分的精製酵母溶菌液を電子顕微鏡観察すると、高
密度の典型的22nm preS2+S粒子が認められた。
【0019】酵母由来プロモーターはpreS2+S遺伝
子の転写を開始させる。したがって、いかなる酵母活性
プロモーター配列もGAP491プロモーターの代わり
になりうることは当業者にとって容易に明らかである。
最大収率を達成するための培養物回収時間を最適化する
ように、適切なアッセイ系、例えば免疫ブロット、RI
A又は酵素結合免疫アッセイ(EIA)をこの系におけ
る preS2+Sポリペプチドの発現を調べるのに利用す
ることも当業者にとり容易に明らかである。
【0020】GAP491プロモーターはHBsAgを
含めたいくつかの外来タンパク質の酵母内発現にとり有
用であった[ビッター(Bitter)ら,ジーン,第32
巻,第263-274頁,1984年;ワンプラー(Wam
pler)ら,プロシーディング・オブ・ナショナル・アカ
デミー・オブ・サイエンスUSA,第82巻,第683
0−6834頁,1985年]。可溶性酵母タンパク質
の約40%までHBcAgが発現された我々の以前の結
果に基づき(ニスカーンら,前掲)、我々は適切な酵母
宿主細胞で preS2+S抗原を発現させるためにこのプ
ロモーターを用いた。
【0021】組換え酵母発現 preS2+Sタンパク質の
グリコシル化をコントロール及び規定するために、前記
発現カセットを含んだ酵母発現プラスミド(pYG pre
S2S−1)を用い、下記のように組立てられたS.セ
レビシアエ株KHY−107(cir+、ade 1+
leu2-、mnn9-)を形質転換した。
【0022】a接合型株CZ5/LB347−1C(m
nn9-、SUCZ-)[C.バロー(C. Ballou)、カ
リフォルニア大学]をYEHD寒天プレート上で株を混
ぜることにより型株2150−2−3(leu2-
ade1-)(L.ハートウェル、ワシントン大学)と
接合させた(カーティら,前掲)。二倍体を選択するた
め、接合した株は唯一の炭素源として2%スクロースを
含有した無ロイシン(leu-)の 最少培地上にレプリ
カ培養された。単一コロニーを単離した後、二倍体に胞
子形成させ、子嚢を標準技術で切開した。KHY−10
7株は単一胞子として単離され、(シッフ染色技術によ
り)cir+、ade 1+、leu2-及びmnn9-
して特徴付けられた。形質転換されたクローンを1Mソ
ルビトール含有の最少培地(leu-)上で選択した。こ
れらのクローン化形質転換株は後の評価及び次の実験の
ため17%グリセロール中で凍結ストックとして確立さ
れた。
【0023】発現プラスミドpYG preS2S−1もK
HY-107(cir°、ade1+、leu2-、mnn
-)を形質転換するために用いられたが、これは[ブ
ローチ,G.R., 「メソッド イン エンザイモロジ
ー」第101巻,パートC,第307-325頁,19
87年,アカデミックプレス,ニューヨーク(Broach,
G. R,“Methods in Enzymology”,Vol.101,pa
rt C,pg.307−325,1987,Academic
Press, N. Y.)]記載のように 株KHY−107
(cir+、ade1+、leu2-、mnn9-)から誘
導されたものである。形質転換されたクローン単離物は
後の評価及び次の実験のため17%グリセロール中で凍
結ストックとして確立した。
【0024】発現プラスミドpYG pre S2S−1
含有形質転換酵母[KHY−107(cir+、ade
+、leu2-、mnn9-)]のクローンは1Mソル
ビトール含有leu-選択寒天プレート上で、30℃で2
〜3日間インキュベートされた。これらの酵母を1Mソ
ルビトール含有複合YEHD(カーティら,前掲)培地
の5〜7ml培養中に接種し、通気下30℃で12〜1
8時間インキュベートした。1Mソルビトール含有50
ml複合YEHD培地(以下、YEHDSと称される)
を含むフラスコに上記培養物を(初期A600約0.1まで)
接種し、振盪下(350rpm)30℃で48〜72時
間にわたり最終A600 10〜16までインキュベートし
た。10A600 単位のサンプルをチューブに分注し、酵
母細胞を2000xgで10分間かけてペレット化し
た。サンプルはそのまま分析するか又は−70℃で凍結
貯蔵した。アッセイ時には、そのペレットは2mMフェ
ニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)含有リン
酸緩衝液(PBS)0.4mlに再懸濁され、1.5m
lエッペンドルフチューブに移された。酵母細胞は、
1)洗浄したガラスビーズ(0.45mm)200〜3
00mgを加えて渦巻式ミキサーで15分間攪拌、2)
トリトンX−100を0.5%になるよう添加、3)渦
巻式ミキサーで2分間攪拌、4)4℃で10分間インキ
ュベートすることにより破壊された。細胞砕片及びガラ
スビーズは2000xgで10分間の遠心により除去さ
れた。清澄化された上澄液をとり、蛋白量[ローリー(L
owry)ら、ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミス
トリー,第193巻,第265頁,1951年]及び p
reS2+Sに特異的なRIA[ハンソンら,インフェク
ション・アンド・イムノロジー,第26巻,第125−
130頁,1979年(Hanssonet al., Infect. Immun
ol.26:125−130(1979));マチダら,
ガストロエンテロロジー(Gastroenterology),第8
6巻,第910−918頁,1984年]の分析を行っ
た。
【0025】5つのクローンが並行して評価され、参照
として1.0の値に標準化されたクローンpF403か
らの相当細胞ペレットと比較された。5つのクローンの
抗原産生力の典型的な相対値は、実施例7に示す。
【0026】発現プラスミド含有形質転換酵母[KHY
−107(cir°、ade 1+、leu2-、mnn9
-)]のクローンを1Mソルビトール含有leu-選択寒
天プレート上で、30℃で2〜3日間インキュベートし
た。これらの酵母を複合YEHDS培地の5〜7ml培
養中に接種し、通気下30℃で12〜18時間インキュ
ベートした。50ml複合YEHDS培地含有フラスコ
に上記培養物を(初期A600が0.1になるよう)接種
し、振盪下(350rpm)30℃で48〜72時間に
わたり最終A60010〜16までインキュベートした。
10A600単位のサンプルを3連のチューブに分注し、
酵母細胞を2000xgで10分間ペレット化した。サ
ンプルは前記のように直接分析されるか又は−70℃で
凍結貯蔵された。 5つのクローンが並行して評価さ
れ、参照として1.0の値に標準化されたクローンpF
403と比較された。5つのクローンに関する抗原産生
力の典型的相対値は実施例8で示すようであった。
【0027】mnn9表現型の宿主細胞における前記す
べての組換えクローンから得られたpre S2+Sポリペ
プチドの免疫ブロット分析では、見かけの分子量30K
D及び34kDを有する2つのバンドが認められた。多
分散(50kD以上の分子量)高グリコシル化種は抗酵
母又は抗HBs血清のいずれでも検出されなかった。
【0028】発現されるタンパク質の固有的性質がHB
S preS2+Sのグリコシル化の調節を規定する発現ベ
クターを提供するため、preS2+S ORF内のN結合
グリコシル化に関する認識配列[Asn−X−Thr]
を変異させた。クローンpUC13 preS2Sをこの組
立てに関する出発物質として用いた。
【0029】preS2+S ORFの5’部分を再組立て
するため、BamHIからATG上流の10bp NT
L及びHind III部位を経てEcoR I適合末端に
至るORFを再組立てする一対のオリゴヌクレオチドが
合成された。塩基31におけるAからCへの変異及び塩
基33におけるTからAへの変異を含み、その結果S2
タンパク質ドメインの4位においてAsnからGlnに
aa変化を生じるこのオリゴヌクレオチドの配列は下記
のとおりである:
【化1】 この合成オリゴヌクレオチド対をEcoR I及びBa
mH Iで予め切断されたpUC19に結合させた。得
られたプラスミドをBamH I及びSal Iで切断
し、しかる後pUC13 preS2Sから切断及び精製さ
れた0.8kbpのBamH I−Sal I断片と結合
して、プラスミドpUC19 preS2SWG−1を得た
が、これはHind III断片として4位がAsnからG
lnに代わったpreS2+S ORFを含有している。こ
のORFは前記と同様にして酵母発現ベクターを得るた
めに用いられた。
【0030】同様にして0.8kbp Hind III断
片がpUC13 preS2Sから単離され、EcoR I
及びBamH I部位が予め破壊されたpUC19ベク
ターに結合された。得られたベクターをEcoR I及
びBamH Iで切断し、一対の合成オリゴヌクレオチ
ドと結合させたが、このオリゴヌクレオチドは preS2
ドメインのアミノ酸+6位でThrからAlaへのアミ
ノ酸変換をもたらすオリゴヌクレオチドの塩基+7位に
おけるAからGへの変異を有し、EcoRIからBam
H IまでのpreS2+SエンベロープORFを再形成す
るようにデザインされていた。
【0031】このオリゴヌクレオチドの配列は下記のと
おりである:
【化2】 この組立てにより、 preS2ドメインのアミノ酸6位に
おいてThrがAlaに代わったHind III断片とし
てORFを含むpUC19 preS2SWG−2を得た。
このORFは前記と同様にして酵母発現ベクターを得る
ために用いられた。
【0032】pre S2+S抗原発現は前記のように評価
され、前記形質転換株で得られた場合と相同の産生力を
有することが示された。変異体のクローンは2つとも次
の評価のため凍結ストックとして保存された。抗HBs
血清又は抗 preS2血清のいずれかで展開された免疫ブ
ロット分析では、preS2+S ORFの非グリコシル化
翻訳産物として予想されたものと一致する約30KDの
分子量を有する単一の主要な種が検出された。
【0033】インビボ抗力測定のため、非高グリコシル
化 preS2+S調製物をアルミナに吸着させ、何群かの
マウスに抗原を増量しながら注射した。6週間後、マウ
ス血清を[ノーラス,ジャーナル・オブ・メディシナル
・バイロロジー,第17巻,第119-121頁,19
85年(Neurath, J. Med. Virol., 17,119-
121(1985)に従い]抗HBs抗体(AUSAB
*)及び抗 preS2抗体に関して分析した。このような
実験の結果は preS2+S調製物が抗HBs抗体応答の
誘導に関してHBsAgコントロール調製物と同程度に
有効であることを示した(有効な免疫用量は対照HBs
Agの0.25mgに対して preS2+Sの場合0.3
4mgであった)。加えて、preS2+S調製物はpreS
2ドメインに特異的な付随抗体応答を誘導しうる強い
(有効免疫用量0.14mg)能力を証明した。
【0034】サッカロミセス属は様々な種からなる。様
々な外来ポリペプチドの組換えDNA媒介発現用の宿主
として最も普通に用いられるのはS.セレビシアエ即ち
パン酵母である。しかしながら、サッカロミセス属の他
の種間における区別は必ずしも充分に規定されているわ
けではない。これらの種の多くはS.セレビシアエと交
差接合することができ、S.セレビシアエの場合と類似
した又は同一の調節プロモーター並びに他の転写及び翻
訳調節要素を有しているらしい。したがって、S関連ポ
リペプチドの発現に関する宿主の選択が格別限定されず
にカールスバーゲンシス、ウバラム、ロウキシイ、モン
タナス、クルイベリ、エロングルグソラス、ノルベンシ
ス、オビフォルミス及びジアスタチクスを含めたサッカ
ロミセス属の他の種にも拡張しうることは当業者にとり
容易に明らかであろう。
【0035】ハンセヌラ(Hansenula)、カンジダ(Cand
ida)、トルロプシス(Torulopsis)及びピチア(Pichi
a)のようないくつかの酵母属は生育に唯一の炭素源と
してメタノールを利用するための代謝経路を有している
ことがわかっている。この代謝経路に関与する酵素、ア
ルコールオキシダーゼの遺伝子がピチア・パストリス
(Pichia pastoris)から単離された。P.パストリスア
ルコールオキシダーゼ遺伝子プロモーターが単離され、
メタノールの存在下で誘導がかかることが示された。こ
のような誘導性プロモーター系は宿主で負の効果を有す
るポリペプチドの発現に有用である。特に、このプロモ
ーターはP.パストリスにおいてSポリペプチドの発現
を調節する活性を有することが示されたが、これは免疫
性形Sポリペプチドの組換えDNA媒介遺伝子発現用宿
主として他の酵母属が機能しうる能力を明らかにしてい
る。したがって、 preS2+S含有ポリペプチドの発現
に関する宿主の選択が格別限定されずにピチア、カンジ
ダ、ハンセヌラ、トルロプシス、クルイベロミセス(Kl
uyveromyces)及び サッカロミコプシス(Saccharomyco
psis)を含めたサッカロミセス科(Saccharomycetacea
e)及びクリプトコッカス科(Cryptococcaceae)の 他
の酵母属の種に拡張しうることは当業者にとり明らかで
あろう。
【0036】本発明の組換え preS2+Sの精製方法で
は以前はどの精製ステップにおいても必要だったプロテ
アーゼ阻害剤を用いる必要性を完全に解消している。B
型肝炎ウイルス表面タンパク質又はその変異体をコード
する発現ベクターで形質転換された酵母細胞を増殖させ
回収する。所望であればそれらの細胞は緩衝液、例えば
PBSで洗浄し、典型的には−70℃で凍結貯蔵して細
胞ペーストにして貯蔵してもよい。
【0037】精製は典型的には下記のように始める。1
回分の新鮮な又は凍結された細胞ペーストを緩衝液に懸
濁する。穏和な破壊法であるビーズ破砕法はスケールア
ップ用には適切であることがわかった。高圧ホモジナイ
ザーによる破壊[約10,000〜20,000psi
(約700〜1400kg/cm2)、ゴーリン(Gauli
n)又はスタンステッド(Stansted)ホモジナイザーを
用いる]が、迅速かつ効率的な操作のために好ましい。
【0038】この時点で粗抽出物に界面活性剤を加える
ことが望ましい場合もある。界面活性剤の添加は不要な
細胞砕片からの酵母細胞膜の分離を促進させる。 preS
2+Sタンパク質及び他の形の表面タンパク質は酵母細
胞膜に結合していることが示されている。格別限定され
ずトリトン−Nシリーズ、トリトン−Xシリーズ、ブリ
ッジ(BRIJ)シリーズ、ツイーンシリーズもしくは
エマゾール(EMASOL)シリーズ、デオキシコレー
ト、オクチルグルコピラノシド又はノニデット(NON
IDET)−Np−40の界面活性剤を含めた様々な中
性又は非イオン系界面活性剤が使用できる。チャップス
(CHAPS)又はチャプソ(CHAPSO)のような
双極性イオン界面活性剤も有用かつ適切な物質である。
【0039】界面活性剤が用いられる場合、好ましい界
面活性剤は濃度約0.5%のトリトンX−100であ
る。本発明の方法ではこのステップで界面活性剤の使用
を必要とせず、界面活性剤の使用は任意であることが強
調されねばならない。
【0040】熱処理はある範囲の温度である範囲の処理
時間の時有効である。典型的には40−50℃の温度範
囲が用いられるが、45℃が好ましい温度である。熱処
理時間は典型的には20−40分間の範囲内である、3
0分間が好ましい時間である。次いでその物質を好まし
くはそれを氷水浴に入れるかまたは熱交換器を用いて約
10℃に冷却する。
【0041】熱処理された粗抽出物からの細胞砕片の除
去は後の精製ステップで物理的めづまりを防止するため
に必要である。砕片は遠心、精密濾過又は清澄化抽出物
が得られる濾過により除去できる。遠心及び精密濾過が
最も好ましい方法である。遠心は異なる遠心力で時間の
長さを変えて行うことができる。4℃で15分間にわた
る約3000xgでの遠心で充分であった。粗酵母細胞
抽出物に典型的な粘稠な性質を減少させるため遠心前に
抽出物を希釈しておくことも有利であろう。稀釈はこの
操作後のいかなるステップにも変更を与えない。
【0042】精密濾過は濾過及び透析が同時に実施でき
るという利点を有している。いくつかのタイプの精密濾
過ユニット、例えばマイクロゴン社(Microgon Inc.)の
クロスフロ(KROSFLO)又はアミコン(Amicon)
もしくはA/Gテクノロジー(A/G Technology)の
あらゆる種類の中空糸膜カートリッジがこのステップで
の使用に適している。好ましい精密濾過法ではpH約1
0.4の約0.1Mトリス及び約0.1%トリトンX−
100からなる緩衝液を用いて約2〜7psi(約0.
14〜0.5kg/cm2)の 導入圧力で孔径約0.1〜
0.2ミクロンのプロスタック・デュラポア(Prostak Du
rapore)[ミリポア(Millipore)膜、プレート及びフ
レーム精密濾過ユニットに抽出物を通過させる。
【0043】遠心による上清又は精密濾過による濾液は
この操作の次のステップ前に濃縮してもよい。濃縮は格
別限定されず、透析、濾過、凍結乾燥、限外濾過及び透
析濾過を含めたいくつかの方法で達成することができ
る。本発明の濃縮の好ましい方法は清澄化された抽出物
を105 分子量分画中空糸膜限外濾過系で処理すること
である。清澄化された抽出物は通常、精密濾過生成物の
場合に約6.5倍、希釈した遠心生成物の場合約2倍ま
で濃縮され、濃縮貯留物を残す。濃縮後、貯留物は低分
子量の混入物質を更に除去するため透析濾過を行う。透
析濾過は105 分子量分画中空糸膜系を用いて行われ
る。
【0044】トリトンX−100を加えた場合、それは
格別限定されないが透析、ある有機溶媒の添加、冷却、
クロマトグラフィー分離及びエクストラクトゲル(Extr
actogel)[ピアース(Pierce)]、XAD樹脂[ロミ
コン(Romicon)]のような特に界面活性剤と結合する
ゲル又は樹脂との接触を含めたいくつかの慣用的方法で
除去することができる。トリトンX−100を除去する
上で好ましい本発明の方法は、トリトンX−100含有
の熱処理抽出物をXAD−2又はXAD−4樹脂(ポリ
スチレンジビニルベンゼン)のカートリッジ内で循環さ
せることである。熱処理抽出物を4℃で約10時間にわ
たりXADカートリッジ内で循環させた後適切な容器、
例えば密封しうるガラスボトルに集める。
【0045】細胞が高pH緩衝液中で破壊された場合、
その熱処理抽出物のpHは約pH7.0〜約7.9、好
ましくは約7.7のpHに調整される。本発明の方法に
従い高pHで熱処理後にpHを約7.7に調整した場
合、後のステップで利用する広孔シリカへの表面タンパ
ク質の吸着を大いに促進することができる。熱処理抽出
物のpH調整は操作結果に影響を与えることなくトリト
ンX−100除去ステップ前に行うことができる。した
がって、本発明の方法によれば、pH調整及びトリトン
X−100除去ステップが行われる順序がこの操作の結
果に有意の影響を与えずに逆転させうることは当業者に
とり明らかであろう。
【0046】次いで表面タンパク質は混入物質から容易
に分離され、実質上精製されたB型肝炎表面タンパク質
を得ることができる。混入物質の好ましい除去方法は広
孔シリカに表面タンパク質を吸着させることである。本
発明の最も好ましい方法は孔径範囲約1000〜150
0オングストローム及びシリカ粒径範囲約30〜130
ミクロンの広孔シリカ(アミコン)に表面タンパク質を
吸着させることである。表面タンパク質はシリカの孔内
に容易に入りこみ、保留される。したがって、酵母細胞
タンパク質混入物質は容易に洗浄除去することができ
る。
【0047】広孔シリカへの表面タンパク質の吸着はク
ロマトグラフィーで又はクロマトグラフィーではないバ
ッチ方式で行える。クロマトグラフィー吸着はカラムク
ロマトグラフィー装置内の広孔シリカ層にpH調整抽出
物を通すことで行われる。典型的には、約1リットルの
熱処理抽出物を広孔シリカビーズ約300ml(乾燥重
量約100g)含有の5cmジャケット付カラム装置に
約200ml/hrの流速でかける。
【0048】広孔シリカへの非クロマトグラフィー吸着
は典型的には適切な容器、例えば密封しうるガラスボト
ル内で熱処理抽出物をシリカと混ぜることにより行われ
る。好ましい方法はガラスボトル内で熱処理抽出物約1
リットルに広孔シリカ300mlを加えて一定のミキシ
ング下でインキュベートすることである。吸着は好まし
くは約4〜8℃で約1.5時間続けるが、但し異なる時
間及び温度でも適切である。
【0049】表面タンパク質吸着シリカから非吸着物質
を洗い流すのは非クロマトグラフィー的に行っても、ま
た前述したクロマトグラフィー吸着の場合のようにシリ
カをカラム装置内に注いでもよい。バッチ式洗浄は広孔
シリカから熱処理抽出物を流し切り、シリカに吸着され
た表面タンパク質の溶出を起すことのない数倍容量の緩
衝液を加えて行う。好ましい緩衝液はPBSである。シ
リカは水切り後、洗浄ステップを3〜5回繰返す。表面
タンパク質吸着シリカのクロマトグラフィー洗浄は、2
80nmの吸光度が一定になるまで流速約200ml/
hrでPBSをシリカに通して行う。
【0050】表面タンパク質は約8.5〜9.0のpH
の緩衝液を用いて洗浄された広孔シリカから溶出され
る。表面タンパク質は好ましくはpH約8.7の約0.
05Mホウ酸からなる緩衝液を用いて脱着される。表面
タンパク質の脱着は広範囲にわたる昇温で促進すること
ができる。約55℃での脱着が好ましい。非クロマトグ
ラフィー脱着はpH8.7の0.05Mホウ酸緩衝液12
00mlを洗浄表面タンパク質吸着広孔シリカ約700
mlと混ぜることで行われる。脱着は約25分間続け
る。次いで溶出液を集め、脱着ステップを2回繰返し
て、溶出液を冷却する。
【0051】クロマトグラフィー脱着は洗浄シリカのジ
ャケット付カラムを約55℃に加温することで行われ
る。pH8.7の0.05Mホウ酸緩衝液は55℃に加温
してから500ml/hrの速度でカラムに流す。次い
で溶出液を集め、冷却する。溶出液の容量は通常広孔シ
リカに適用された熱処理抽出物の容量にほぼ相当する。
【0052】溶出した表面タンパク質を濃縮することが
通常望まれる。好ましい濃縮方法はpH8.7の0.0
5Mホウ酸緩衝液を用いて105分子量カットオフ中空
糸膜透析濾過系に溶出液を通すことである。溶出表面タ
ンパク質の容量は通常この系を用いて16倍ほどに減少
させることができる。透析濾過貯留液は必要であれば精
密濾過で滅菌することができる。下記実施例は本発明に
ついて説明するが、しかしながら本発明をそれに限定す
るわけではない。下記実施例で記載された各参考文献の
開示は参考のためここに組込まれる。
【0053】実施例1 pBR322におけるHBV DNAのクローニング HBVデーン粒子(血清型adw)をヒト(キャリア)
血漿から単離及び精製し、二本鎖DNAをランダース
ら、ジャーナル・オブ・バイロロジー、第23巻、第3
68−376頁、1977年 [Landers et al.,
J.Virology, 23,368−376(1977)及
びルスカ(Hruska)ら、ジャーナル・オブ・バイ
ロロジー、第21巻、1977年の方法に従いデーン粒
子の内在ポリメラーゼにより合成した。DNAはSDS
中でプロテイナーゼKで消化し、フェノール/クロロホ
ルムで抽出し、エタノールで沈降させて単離した。HB
VゲノムDNAをEcoRIで切断して単一の3.2k
bp断片を得、これをpBR322のEcoRI部位に
組込んでクローニングし、pHBV/ADW−1を形成
させた。HBV DNAの存在はEcoRI切断、ニト
ロセルロースへのサザンブロットトランスファー及び[
32P]標識特異的オリゴヌクレオチドプローブとのハイ
ブリッド形成により確認した。
【0054】実施例2 pGAP−tADH−2発現ベクターに組込んだpre
S2+S遺伝子のクローニング プラスミドpHBV/ADW−1(実施例1で記載)を
EcoRI及びAccIで切断し、0.8kbp断片を
調製用アガロースゲル電気泳動で精製した。preS2
+S ORFの5’部分を再組立てするためのEcoR
Iから上流のATGへ、さらに10bpNTL配列を経
てHind III末端に至るORFを再組立てする一対の
オリゴヌクレオチドを合成した。このオリゴヌクレオチ
ドの配列は下記のとおりである:
【化3】 preS2+S ORFの3’部分を再組立てするた
め、AccI部位から翻訳ターミネーターを経てHin
d III末端に至るORFを再組立てする第二の対のオリ
ゴヌクレオチドを合成した。このオリゴヌクレオチドの
配列は下記のとおりである:
【化4】 pBR322中にGAP491プロモーター(ホランド
ら、ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリ
ー、第255巻、第2596頁、1980年)及びAD
H1転写ターミネーターを含有するプラスミドpGAP
−tADH−2は唯一のHind III クローニング部
位を有するが、そこに前記preS2+SORFを結合
させて、pEGpreS2S−1を得た。HBV DN
Aの存在及び向きは制限エンドヌクレアーゼ分析及びサ
ザンブロットトランスファーにより確認した。preS
2+S ORF含有の発現カセットをSphI切断でp
EGpreS2S−1から取出し、調製用アガロースゲ
ル電気泳動で単離した。次いでそのカセットをSphI
で予め切断されたシャトルベクターpC1/1(ベッグ
ス、前掲;ローゼンバーグら、前掲)に組込みクローニ
ングして酵母発現ベクター(pYGpreS2S−1)
を得、しかる後これを用いて下記のようにS.セレビシ
アエを形質転換した。
【0055】実施例3 グリコシル化に関して“野生型”の酵母での形質転換お
よびpreS+S発現用種ストックの確立 得られた発現カセット含有プラスミドpYGpreS2
S−1(前記実施例2から)を用いてS.セレビシアエ
株CF42(MATa/a,ade1-,leu2−0
-、ura3-)を形質転換させたが、これは下記のよ
うにして得た:
【0056】酵母株2150−2−3(L.ハートウェ
ル、ワシントン大学)のura3変異を選択した(ベー
クら、前掲)。得られた株(MATa、adel-、le
u2−04-、ura3-、cir゜)をプラスミドYC
p50−HOで形質転換して二倍化させた(ジェンセン
ら、プロシーディング・オブ・ナショナル・アカデミー
・オブ・サイエンスUSA、第80巻、第3035−30
39頁、1983年)。二倍体株をそのプラスミドを除
き、CF42(MATa/a、ade1-、leu2−0
-、ura3-)と命名した。形質転換されたクローン
(pF403)を選択し、下記に述べる評価を行うため
凍結ストック(17%グリセロール中)として確立し
た。
【0057】実施例4 グリコシル化に関して“野生型”の酵母でのpreS2
+S遺伝子の増幅及び発現
実施例3で記載された発現プラスミド含有酵母のクロー
ンpF403をleu-寒天プレート上で、30℃で2〜
3日間インキュベートした。これらの酵母を複合YEH
D培地の5〜7ml中に接種し、培養物を通気下30℃
で12〜18時間インキュベートした。50ml複合Y
EHD培地含有フラスコにA6000.1となるよう上記培
養物を接種し、最終A60010〜16まで振盪下(350
rpm)30℃で48〜72時間インキュベートした。
10A600 単位のサンプルを三連のチューブに分注し、
酵母細胞を2000×gで10分間遠心してペレットに
した。ペレットは直接分析されるか、又は下記実施例
7、8、9及び10で記載されたグリコシル化がコント
ロールされたクローンの評価のための内部参照標準とし
て用いるために−70℃で貯蔵された(これらの比較の
ため、クローンpF403に関する値は1.0に標準化
された)。アッセイ時に、そのペレットを2mMPMS
F含有リン酸緩衝液0.4mlに再懸濁した。酵母細胞
を1)洗浄されたガラスビーズ(0.45mm)200
〜300mgを加え、2)渦巻式ミキサーで15分間攪
拌し、3)0.5%(v/v)までTX−100を添加
し、4)渦巻式ミキサーで2分間攪拌して5)4℃で1
0分間インキュベートすることにより破壊した。細胞砕
片及びガラスビーズを2000×gで10分間の遠心に
より除去した。清澄化された上澄液をとり、タンパク量
測定(ローリーら、ジャーナル・オブ・バイオロジカル
・ケミストリー、第193巻、第265頁、1951年
の方法により)及びpreS2+Sに特異的なRIA
(ハンソンら、前掲;マチダら、前掲)を行なった。
【0058】実施例5 サークル(+)mnn9変異酵母における酵母形質転換
及びpreS2+Sの種確立 発現カセットを含有する前記実施例2で得られたプラス
ミド(pYGpreS2S−1)を用いてS.セレビシ
アエKHY−107(cir+)を形質転換したが、こ
の株は下記のようにして組立てた:a接合型株CZ5/
LB347−1C(mnn9-、SUCZ-)をYEHD
型株2150−2−3(leu2-、ade1-)と完
全培地プレート上で混ぜることにより接合させた。二倍
体を選択するため、接合株を唯一の炭素源として2%ス
クロース含有leu-最少培地上でレプリカ培養した。単
一コロニーを単離した後、二倍体に胞子形成させ、子嚢
を標準技術で切開した。KHY−107株を単一胞子と
して単離し、(シッフ染色技術により)cir+、ad
e1+、leu2-、mnn9-として特徴付けた。クロ
ーンを最少培地(leu-及び1Mソルビトール含有)
上で選択し、凍結ストック(17%グリセロール中)と
して確立し、下記のように評価した。
【0059】実施例6 Cir゜mnn9変異酵母における酵母形質転換及びp
reS2+Sの種確立 前記実施例2で記載された発現プラスミドを用いてS.
セレビシアエ株KHY−107(cir゜)を形質転換
したが、この株はブローチ(メソッド イン エンザイモ
ロジー、第101巻、パートC、第307−325頁、
1983年)で記載されたように株KHY−107(c
ir+)から誘導された。クローンを選択し、実施例5で
前記されたように凍結ストックとして確立し、下記実施
例8で記載するようにpreS2+Sの発現に関して評
価した。
【0060】実施例7 サークル+mnn9変異酵母におけるpreS2+S遺
伝子の増殖及び発現 実施例5で記載された発現プラスミド含有酵母のクロー
ンを1Mソルビトール含有のleu-選択寒天プレート上
で30℃で2〜3日間インキュベートした。これらの酵
母を複合YEHDSの5〜7mlに接種し、培養物を通
気下30℃で12〜18時間インキュベートした。50
mlYEHDS培地含有フラスコに(初期A600=0.1
となるよう)前記培養物を接種し、最終A600が10〜1
6になるまで振盪下(350rpm)30℃で48〜7
2時間インキュベートした。10A600単位のサンプル
をチューブに分注し、酵母細胞を2000×gで10分
間遠心してペレット化した。サンプルは実施例4で記載
されたように直接分析するか又は−70℃で凍結貯蔵し
た。細胞砕片及びガラスビーズを2000×gで10分
間の遠心により除去した。清澄化された上澄液を除去
し、前記のようにタンパク質量及びpreS2+Sに特
異的なRIA分析を行った。5つのクローンを並行して
評価し、参照として1.0の値に標準化されたクローン
pF403からの相当細胞ペレット(前記実施例4参
照)と比較した。5つのクローンに関する抗原産生力の
典型的相対値は下記のとおりであった: 相対値* 相対値* クロ-ン mg preS2+S/ml 単位preS2+S/単位タンパク質 a 1.6 0.7 b 1.4 0.25 c 1.2 0.5 d 1.5 0.3 e 1.3 0.2 pF403 1.0 1.0 *エリスら、1987年、“ウイルス肝炎及び肝臓疾
患”、A.ズッカーマン(編集)、ニューヨーク:アラ
ンR.リス社、第1079頁[Ellis etal.,(1
987) In“Viral Hepotitis and Liver Dis
ease”,A.Zuckermann (ed.),New York: Al
an.R.Liss Inc.,p.1079]及びニスカーン
ら、1988年、ヘパトロジー、第8巻、第82−87
頁[Kniskern et al., (1988)Hepatology,
8,82−87]preS2ドメインに対するウサギ抗
HBs又はMcAbで展開された免疫ブロット分析では
約34kDの分子量を有する単一の主要な種が検出され
た。以下クローン14007−230−1Aと表示され
る上記クローン“a”を次の展開のために選択した。
【0061】実施例8 Cir゜mnn9変異酵母におけるpreS2+S遺伝
子の増殖及び発現 実施例6で記載された発現プラスミド含有酵母のクロー
ンを1Mソルビトール含有leu-選択寒天プレート上
で、30℃、2〜3日間インキュベートした。これらの
酵母を5〜7mlのYEHDS培地に接種し、培養物を
通気下30℃で12〜18時間インキュベートした。5
0ml複合YEHDS培地含有フラスコに初期A600
0.1となるよう前記培養物を接種し、最終A600が10
〜16になるまで振盪下(350rpm)30℃で48
〜72時間インキュベートした。10A600単位でサン
プルを三連のチューブに分割し、酵母細胞を2000×
gで10分間かけてペレット化した。サンプルを前記の
ように直接分析するか又は−70℃で凍結貯蔵した。細
胞砕片及びガラスビーズは2000×gで10分間の遠
心により除去した。清澄化された上澄液をとり、前記の
ようにタンパク質及びpreS2+S抗原に関して分析
した。5つのクローンを並行して評価し、参照として
1.0の値に標準化されたクローンpF403(前記実
施例4参照)と比較した。5つのクローンに関する抗原
産生力の典型的相対値は下記のとおりであった: 相対値* 相対値* クローン mg preS2+S/ml 単位preS2+S/単位タンパク質 a 2.1 1.2 b 1.7 1.1 c 1.65 1.0 d 2.0 1.2 e 2.0 1.1 pF403 1.0 1.0 14007-230-1A 1.8 1.0 (実施例7から) *実施例7参照 イムノブロット分析(実施例7参照)から約34kDの
分子量の単一の主要バンドを検出した。以下クローン1
4007−284−1Aと表示される上記クローン
“a”を次の展開のために選択した。
【0062】実施例9 振盪フラスコ内におけるpreS2+S産生S.セレビ
シアエ(mnn9-)の増殖の追加研究 凍結ストック培養物14007−230−1A(前記実
施例7)を1Mソルビトール含有leu-プレート上に接
種した。プレートを28℃で2〜3日間にわたり下向き
にしてインキュベートした。種培養物は前記実施例7に
記載したように確立するか又はプレート上の増殖物をY
EHDS培地に再懸濁し、再懸濁した増殖物をYEHD
S500ml含有の2リットルエーレンマイヤーフラス
コ内に移した。フラスコを制御環境シェーカーインキュ
ベーター内において28℃及び350rpmで18〜2
2時間インキュベートした。
【0063】種フラスコからの接種原(5%v/v)を
各々YEHDS50ml又は500ml含有の250m
l又は2リットルフラスコ内に移した。次いで産生フラ
スコを前記のように40〜46時間インキュベートし
た。8.0A660単位の光学密度が得られた。細胞は50
0ml遠心ボトル内においてフラスコの内容物を130
0×gで10分間遠心することにより回収した。上澄を
デカントし、細胞ペレットを緩衝液50〜100mlに
再懸濁した。20%洗浄細胞スラリーの一部(0.6m
l)を1.5mlエッペンドルフチューブ内でガラスビ
ーズ(0.45〜0.52mm)を用いて破壊した。P
MSF(200mMストック6.5ml)をプロテアー
ゼ阻害剤として加えた。一部を破壊後にチューブから取
出し、免疫ブロット分析のため−70℃で凍結した。ト
リトンX−100をチューブ内の残留サンプルに最終濃
度0.5%まで加え、サンプルを簡単にまぜ、4℃で2
0〜40分間インキュベートした。細胞砕片を遠心除去
し、清澄化された細胞抽出物をpreS RIA及びタ
ンパク質(ローリー法)について分析した。得られた典
型的値は15.65mg preS2+S/ml発酵ブ
ロス及び0.04mgpreS2+S/mg全タンパク
質であった。
【0064】実施例10 発酵槽内におけるpreS2+S産生S.セレビシアエ
(mnn9-)の大規模培養 凍結ストック培養物14007-230−1Aを1Mソ
ルビトール含有leu-プレート上に接種した。プレー
トを28℃で2〜3日間にわたり下向きにしてインキュ
ベートした。プレート上の増殖物をYEHDSに再懸濁
し、再懸濁した増殖物をYEHDS500ml含有の2
リットルエーレンマイヤーフラスコ内に移した。フラス
コを制御環境シェーカーインキュベーター内において2
8℃及び350rpmで18〜22時間インキュベート
した。次いでこれらの種培養物を用いて産生段階容器に
接種した。
【0065】1以上のフラスコからの接種原(1〜5%
v/v)を各々YEHDS10リットル又は200リッ
トル含有の16リットル又は250リットル発酵槽内に
移した。16リットル発酵槽は500rpm、空気5リ
ットル/min及び28℃で操作した。250リットル
発酵槽は160rpm、空気60リットル/min及び
28℃で操作した。発酵物は種培養物を接種後40〜4
6時間目に回収した。典型的には15.0A660単位の光
学密度値が得られた。回収は中空糸膜濾過装置を用いて
細胞を濃縮し、緩衝液中で細胞を洗浄して行なった。細
胞スラリーは下記のように分析するか又は次の処理及び
分析のため−70℃で凍結貯蔵した。
【0066】20%洗浄細胞スラリーの少量サンプル
(0.6ml)を1.5mlエッペンドルフチューブ内
でガラスビーズ(0.45〜0.52mm)を用いて破壊
した。PMSF(200mMストック6.5ml)をプ
ロテアーゼ阻害剤として加えた。一部を破壊後にチュー
ブから取出し、免疫ブロット分析のため−70℃で凍結
した。トリトンX−100をチューブ内の残留サンプル
に最終濃度0.5%まで加え、サンプルを簡単にまぜ、
4℃で20〜40分間インキュベートした。細胞砕片を
遠心除去し、清澄化された細胞抽出物をpreS RI
A及びタンパク質(ローリー法)分析した。抗原産生力
に関する平均値は8.4mg preS2+S/ml発
酵ブロス及び0.025mg preS2+Sタンパク
質/mg全タンパク質であった。
【0067】実施例11 凍結細胞ペースト(組換えSタンパク質産生)約250
gをリン酸緩衝液(PBS)中に17%湿重量/容量
(約1500ml)まで再懸濁した。ウォーターバス中
で45℃まで加熱した。細胞を45℃で15分間保ち、
しかる後氷上で約10℃に冷却した。次いで細胞をゴー
リンホモジナイザーに2回通して破壊した。 ホモジナ
イズ後。10%トリトンX−100を最終濃度0.3%
まで加え、約15分間混合した。次いで細胞抽出物を4
℃、3600×gで20分間遠心し、上澄を集めた。
【0068】次いで上澄をXAD−2樹脂約200g含
有カラムに通して、トリトンX−100を除去した。次
いで溶出液を孔径約1500オングストローム及び粒径
約50ミクロンの広孔シリカ約150g含有カラムに直
接通した。使用されたカラムは5cm径であり[ファル
マシア(Pharmacia)]、約200ml/hrの流速で
流した。
【0069】シリカカラムはA280がベースラインに戻
るまでPBSで洗浄した。Sタンパク質はまず冷ホウ酸
緩衝液(50mM、pH8.7、4℃)を用いて約50
0ml/hrの流速でA280の上昇が観察されるまでシリ
カカラムから溶出させた。A280が上昇し始めてからカ
ラムを55℃に加熱し、55℃ホウ酸緩衝液を約500
ml/hrでカラムに流した。Sタンパク質含有溶出液
(約1リットル)を氷上で集めた。次いで溶出液は分子
分画量105 の中空糸膜透析濾過ユニットを用いてpH
8.7の50mMホウ酸緩衝液に対し透析濾過を行って
約200mlに濃縮した。次いでSタンパク質を0.2
ミクロンフィルターで濾過し、貯蔵した。生成物は安定
であることがわかり、有意の分解はウエスターンブロッ
ト分析で観察されなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 15/00 ZNA //(C12P 21/00 C12R 1:865) (72)発明者 デニス ジェー.クベク アメリカ合衆国,26426 ウエスト ヴァ ージニア,セイレム,カロライナ アヴェ ニュー 76

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組換え宿主細胞抽出物から組換えB型肝
    炎ウイルス表面タンパク質を実質上精製する方法であっ
    て、 a)宿主細胞を中性pHの緩衝液中で約40〜50℃に
    加熱し、しかる後ほぼ周囲温度まで冷却する; b)熱処理細胞(a)を破壊して粗抽出物を得る; c)ステップ(b)の生成物に界面活性剤を加える; d)遠心又は精密濾過で望ましくない宿主細胞砕片を除
    去する; e)ステップ(d)の生成物を濃縮及び限外濾過する; f)ステップ(e)の生成物から界面活性剤を除去す
    る; g)表面タンパク質を吸着させるためステップ(f)の
    生成物を広孔シリカに付す; h)広孔シリカから表面タンパク質を溶出させる; i)ステップ(h)の溶出液を濃縮して、実質上純粋な
    表面タンパク質を得る;ステップからなる方法。
  2. 【請求項2】 ステップ(d)の生成物が公称分画分子
    量約100,000の中空糸膜透析濾過装置で実施され
    る透析濾過により濃縮される、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 ステップ(g)において、シリカ吸着が
    孔径範囲約1000〜1500オングストローム及びシ
    リカ粒径範囲約30〜130μの広孔シリカを用いて行
    われる、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 ステップ(i)が公称分画分子量約10
    0,000の中空糸膜透析濾過装置での透析濾過により
    行われる、請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 組換え宿主細胞が酵母種である、請求項
    1記載の方法。
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