JP2515432B2 - 酵母から得られる組換え肝炎b型ウイルス表面タンパク質を安定化する方法 - Google Patents

酵母から得られる組換え肝炎b型ウイルス表面タンパク質を安定化する方法

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Description

【発明の詳細な説明】 肝炎B型ウイルス(HBV)DNAはいくつかのオープン読
取り枠を有するが、その1つはenv遺伝子である。この
遺伝子は各々の5′−3′遺伝子順序で3種の密接に関
連したタンパク質:pre S1+pre S2+S、pre S2+S及
びSをコードするが、これらは構造エンベロープ、即ち
表面(“S")タンパク質である。pre S1+pre S2+S、
pre S2+S及びSタンパク質はまとめて肝炎B型ウイル
ス表面タンパク質と称される。pre S2+S及びSタンパ
ク質は22ナノメートル(22nm)粒子又はオーストラリア
抗原として知られる構造を形成することができる。22nm
粒子は異なるSタンパク質の組み合せ又は同一種Sタン
パク質からなる。すべてのS関連タンパク質は完全HBV
ビリオン中に見出される。
組換えDNA技術の使用によって、Sタンパク質をコー
ドするDNAを様々な宿主細胞(例えば、大腸菌、酵母、
昆虫及び哺乳動物細胞培養物)中に導入することがで
き、その結果pre S1+pre S2+S,pre S2+S及びSタン
パク質が合成され、ついでpre S2+S及びSタンパク質
から22nm粒子が形成されることが証明された。3種すべ
てのタンパク質はインビボで免疫原性を有することが知
られ、各Sタンパク質に対する抗体は防御抗体である。
pre S2+Sタンパク質はpre S2領域があるために免疫優
性である。pre S2領域はウイルス複製過程で細胞膜と相
互作用する配列として機能するらしい。
酵母細胞内におけるpre S2+Sタンパク質の発現は、
pre S2+Sタンパク質が酵母細胞膜と相互作用するこ
と、pre S2+Sタンパク質の精製がこの性質により容易
になることを証明した。
現在、実質的に純粋な膜結合pre S2+Sタンパク質の
精製方法があるが、この方法は、a)精製初期段階にお
ける相当量の混入酵母タンパク質、b)高レベルの混入
酵母プロテアーゼによるpre S2+Sタンパク質のタンパ
ク質分解、c)pre S2+Sタンパク質のタンパク質分解
と拮抗するためのプロテアーゼインヒビターの添加(及
びその後の除去)及びd)上記ファクターの積み重ねに
よる精製物の収率低下といったいくつかの欠点を有す
る。こうして精製されたこのタンパク質がHBV感染予防
のためのヒトにおけるワクチンとして用いられるのであ
る。
組換えタンパク質は通常天然形又は古典的形とは違う
形で得られるため、どのような精製方法が組換えタンパ
ク質にとって有用であるかは予想することができない。
この理由から、組換えタンパク質ではしばしば既知操作
を新しく組み合せるか又は全く新しい精製方法が必要と
される。
さらに、ヒト用のワクチン製造では極度の純粋性が必
要とされるため、精製のスキームが結果的にどうなるか
はさらに予測がつきにくくなる。
本発明の目的は、酵母細胞から組換え肝炎B型ウイル
ス表面タンパク質を実質的に精製するための方法を提供
することである。本発明のもう1つの目的は、精製時に
おけるプロテアーゼインヒビター導入の必要性を解消し
た肝炎B型ウイルス表面タンパク質精製方法を提供する
ことである。本発明のもう1つの目的は、酵母細胞から
組換え肝炎B型ウイルス表面タンパク質を精製して更に
安定な表面タンパク質生成物を得るための方法を提供す
ることである。本発明のこれらの及び他の目的は以下の
記載から明らかとなるであろう。
本発明は下記ステップからなるサッカロミセス・セレ
ビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)からの組換え肝
炎B型ウイルス表面タンパク質の精製方法を提供する: a) 高pH緩衝液中で組換え表面タンパク質発現酵母細
胞を破壊して、粗抽出物を得る; b) 粗細胞抽出物(a)を熱処理する; c) 界面活性剤の存在又は非存在下において熱処理粗
抽出物(b)からi)遠心又はii)精密濾過により破片
を除去して、熱処理清澄化抽出物を得る; d) 熱処理抽出物(c)の濃縮及び透析濾過; e) 熱処理清澄化抽出物(d)のアルカリ性度を低下
させる; f) 表面タンパク質を吸着かつ保持するが混入タンパ
ク質は吸着しない広孔シリカ(ワイドポアシリカ)にス
テップ(d)の生成物を接触させることにより表面タン
パク質から混入酵母タンパク質を分離する; g) 広孔シリカから吸着表面タンパク質を溶出させ
る; h) ステップ(f)の溶出液を透析濾過に付して、更
に低分子量の不純物を除去しかつ最終生成物を濃縮し、
実質上純粋な表面タンパク質を得る。
本発明のプロセスは酵母細胞抽出物から組換え肝炎B
型ウイルス表面タンパク質を精製する方法に関する。こ
れらの方法では高温及び高いpHでの酵母細胞抽出物の組
合せ処理を要する。
本発明の新規精製プロセスはタンパク質がヒトもしく
は動物血清から得られるか又は組換え生物から得られる
かにかかわらずS、pre S1+pre S2+S及びpre S2+S
タンパク質を含めたある範囲の肝炎B型ウイルス表面タ
ンパク質又はその一部に適用可能であることが理解され
るであろう。pre S1+pre S2+S、pre S2+S及びSタ
ンパク質はまとめて肝炎B型ウイルス表面タンパク質と
称される。S、pre S1+pre S2+S及びpre S2+Sの全
部又は一部を有する融合タンパク質もこれに含まれる。
主要例の1つは酵母細胞から産生される組換えpre S2+
Sタンパク質である。この酵母発現系はpre S2+Sアミ
ノ酸配列を産生する。もう1つの例は酵母細胞から産生
される組換えSタンパク質である。Sタンパク質の他の
変異アミノ酸配列の精製に関するプロセスも本発明に包
含される。本発明のプロセスは、本発明の主題に従いS
タンパク質変異体及びpre S1+pre S2+S、pre S2+S
変異体並びにそれらの各融合タンパク質を含めたあらゆ
るSタンパク質又は融合Sタンパク質の迅速かつ効率的
な精製方法を提供することを目的としている。例えば、
pre S1+pre S2+Sアミノ酸配列における保存的置換
〔テーラー,W.R.,ジャーナル・オブ・モレキュラー・バ
イオロジー,第188巻,第233頁,1986年(Taylor,W.R,Jo
urnal of Molecular Biology,188:233(1986))の第1
表で示されるように規定される〕では本発明の主題及び
実施に関していかなる実質的又は新たな修正も生じな
い。S抗原の保存的置換は公知である;エルファッシ、
E.ら、ジャーナル・オブ・セオレティカル・バイオロジ
ー、第121巻、第371頁、1986年〔Elfassi,E.et al.,Jou
rnal Theoretical Biology,121:371(1986)〕参照。加
えて、S、pre S1又はpre S2+S領域内に欠失があって
も一般に前記精製プロセスにいかなる修正も必要としな
い。組換えSタンパク質、表面抗原、組換えpre S1+S2
+Sタンパク質又はそれらの一部がpre S1+S2+Sタン
パク質もしくはその一部、22nm粒子、オーストラリア抗
原又はHBV表面抗原配列の他の天然形に特異的な抗体と
免疫化学的に反応するものである限り、組換えSタンパ
ク質もしくは表面抗原又は組換えpre S1+pre S2+Sタ
ンパク質もしくはpre S2+Sタンパク質又はそれらの一
部は本出願においてはそのアミノ酸配列中に保存的アミ
ノ酸置換、欠失又は他のプロセスによる何らかの変更を
含んでいると理解されるであろう。
多数の酵母ベース発現系が組換えpre S2+S、S及び
S関連タンパク質の供給源として明らかに適している。
サッカロミセス・セレビシアエの発現系はたまたま選ば
れたものである。他の酵母ベクターとしては格別限定さ
れないが、シャトルベクター、コスミドプラスミド、キ
メラプラスミド及び2μ環状プラスミド由来配列を有す
るものが含まれる。
サッカロミセス属は様々な種からなる。様々な外来ポ
リペプチドの組換えDNA媒介発現用の宿主としては、S.
セレビシアエ、即ちパン酵母が最も普通に用いられてい
る。しかしながら、サッカロミセス属の他の種との差異
は常に十分に規定されているわけではない。これらの種
の多くは、S.セレビシアエと交差接合することができ、
S.セレビシアエの場合と類似又は同一の調節プロモータ
ー並びに他の転写及び翻訳調節要素を有するらいし。し
たがって、S関連ポリペプチドの発現のための宿主選択
は格別限定されないが、カールスバーゲンシス(carlsb
ergensis)、ウバラム(uvarum)、ロウキシイ(rouxi
i)、モンタナス(montanus)、クルイベリ(kluyver
i)、エロングルグソラス(elongrgsorus)、ノルベン
シス(norbensis)、オビフォルミス(oviformis)及び
ジアスタチカス(diastaticus)を含めたサッカロミセ
ス属の他の種にも拡張しうることは当業者にとって明ら
かであろう。
デーン(Dane)粒子(血清型adw)はウイルスオープ
ン読取り枠(ORF)を単離するためのHBV核酸源として用
いられた。この操作がウイルス遺伝子差異に基づく他の
血清学的反応性を有するHBV株からの核酸を用いる場合
にも拡張しうることは当業者にとって明らかである。HB
ビリオン中に本来存在するニック及びギャップのある核
酸形からHBVゲノムの共有結合閉環状二本鎖DNAを作成す
るために内在ポリメラーゼ反応を用いた。そのDNAは単
離され、EcoRIで完全に切断され、pBR322のEcoRI部位に
組込まれてクローニングされ、pHBV/ADW−1が得られ
た。pre S領域のEcoRI部位において環状に変換された形
のHBVゲノムを含む組換えプラスミドが選択された。pre
S2領域の55アミノ酸(aa)及びS領域の226 aaをコー
ドする完全ORFは、最初pHBV/ADW−1をEcoRI及びAccIで
切断して得られる0.8キロ塩基対(kbp)断片を精製する
ことにより構築された。この断片は開始コドン、アミン
末端3アミノ酸、カルボキシ末端3アミノ酸及び翻訳終
止コドンのみを欠くpre S2+Sポリペプチドをコードし
ている。
オリゴヌクレオチドを合成し、この断片に結合させる
ことによりこの断片を10bp酵母由来非翻訳5′隣接配列
及び完全pre S2+S ORF含有Hind III断片に変換した。p
re S2+S ORFの3′隣接配列は、終結コドンがADHI転写
ターミネーター中の天然Hind III部位と直接隣接し、こ
のためいかなる付加介在塩基もなく完全な天然酵母由来
結合を形成するように選択された。pre S2+Sの発現に
とって適切であればいかなる酵母の活性転写ターミネー
ターもADHIに代わりうることは当業者にとって明らかで
ある。
構築のための隣接配列は、酵母遺伝子GAP63(GAP)
〔ホランド、ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミ
ストリー、第225巻、第2596頁、1980年(Holland,Journ
al of Biological Chemistry,225,2596(1980)〕の非
翻訳リーダー(NTL)に関する場合に相当するよう(ACA
AAACAAAA)が選択されたが、これはGAP遺伝子群に関す
るコンセンサスでもある。その構築はいかなる付加塩基
も介在させずにNTLをpre S2+S ORFの開始コドンに直接
隣接させうるような方法で行われた。したがって、エン
ベロープポリペプチドの発現に関してNTL配列を選択す
ることが適切な発現レベルをもたらす他の配列にまで拡
張されることは当業者にとって明らかである。
DNA配列分析では、pHB pre SGAP347/19T〔バレンズエ
ラら、バイオテクノロジー、第3巻、第4号、第317−3
20頁、1985年(Valenzuela et al.,Biotechnology,3
(4),317−320(1985)〕のDNAでコードされるpre S2
+S配列とアミノ酸が異ることになる2塩基置換がある
ことが示された。双方の組立て体に関して同一のポリペ
プチドを用いて評価するために、HBV pre S2+Sの846b
p ORFの塩基64がCに代わりT(LeuではなくPheについ
てコード)及び塩基352がAに代わりC(GlnではなくHi
sについてコード)となったこれらのヌクレオチド置換
を部位特定変異誘発によって変化させた。〔ゾラーら、
ヌクレイック・アシッズ・リサーチ、第10巻、第6487−
6500頁、1982年(Zoller et al.,Nucleic Acids Resear
ch,10:6487−6500(1982)〕。次いで最適組立てとなる
ようコードされたaa配列が確認された。本発明がこの配
列に限定されず、DNAがHBV抗原性のあるポリペプチドに
ついてコードするあらゆる配列に及ぶことは当業者にと
って明らかである。
変異誘発後、前記断片はすでに述べた発現カセット
〔ニスカーンら、ジーン、第46巻、第135−141頁、1986
年(Kniskern et al.,Gene,46:135−141(1986)〕、を
組立てるために用いられたがこれは(a)約1.1kbpのGA
P491プロモーター、(b)10bpの酵母由来隣接配列、
(c)いかなるウイルス隣接配列も有さない846塩基対
のHBV pre S2+S遺伝子(血清型adw)及び(d)約0.4
kbpの酵母ADH1ターミネーター、から構成されている。
この発現カセットをプラスミドpYG pre S2S−1を作成
するため酵母シャトルベクターpCl/1〔ベッグス、ネー
チャー、第275巻、第104頁、1978年(Beggs,Nature,27
5:104(1978));ローゼンバーグ(Rosenberg)ら、ネ
ーチャー、第312巻、第77頁、1984年〕に挿入し、これ
を酵母株CF42を形質転換させるために用いて、以下pF40
3と称される形質転換体を得た。この形質転換体は評価
及び次の実験のため凍結ストックとして確立された。親
株CF42は下記のようにして得られた:酵母株2150−2−
3〔L.ハートウェル(L.Hartwell)、ワシントン大学〕
における自然ura 3変異が選択された〔ベークら、モレ
キュラー・アンド・ゼネラル・ジェネティクス、第197
巻、第345−346頁、1984年(Boeke et al.,Molecular a
nd General Genetics,197:345−346(1984))〕。得ら
れた株(MATa,ade1-,leu2−04-,ura3-,cir0)はプラス
ミドYCp50−OHで形質転換させることにより二倍体化さ
れた〔ジェンセン(Jensen)ら、P.N.A.S.USA,第80巻、
第3035−3039頁、1983年〕。機能性酵母遺伝子HOは細胞
の接合型を変えることができる。このため単一細胞形質
転換体からの継代種はa及びα双方の接合型の混合物で
あって、コロニー増殖中に接合する。二倍体クローン単
離株はプラスミドを失っておりCF42と命名された(MATa
/α、ade1-、leu2−04-,ura3-)。これらの形質転換体
は評価及び次の実験のための凍結ストックとして確立さ
れた。
pF403凍結ストックからの組換え酵母はYEHD培地で増
殖させた〔カーティら、ジャーナル・オブ・インダスト
リアル・マイクロバイオロジー、第2巻、第117−121
頁、1987年(Carty et al.,Journal of Industrial Mic
robiology,2,117−121(1987)〕。定常期まで増殖後、
酵母細胞を回収し、溶解物を調製し、ドデシル硫酸ナト
リウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAG
E)で分離してHBsAgに対する抗体と共に免疫ブロットを
行った。2種の主ポリペプチドがpre S2+S ORFの翻訳
産物及びそのグリコシル化誘導体の予想分子量に一致す
る約30kD及び34kDの分子量の位置に検出された。更に高
グリコシル化種の群に相当しかつ抗酵母及び抗HBs血清
の双方と免疫反応する多分散(分子量約50kD)糖ペプチ
ドバンドも検出された。更に、組換え酵母の溶解物はラ
ジオイムノアッセイ(RIA)によるとpre S2+Sに関し
て陽性であったが、親株ではこれは認められなかった。
部分的精製酵母溶解物の電子顕微鏡検査では高密度の典
型的22nm pre S2+S粒子が認められた。
酵母由来プロモーターはpre S2+S遺伝子の転写を開
始させる。したがって、いかなる酵母活性プロモーター
配列であってもGAP491プロモーターに代わりうることは
当業者にとって明らかである。収率を最大にするために
培養物の回収時間を最適にするよう、適切なアッセイ
系、例えば免疫ブロット、RIA又は酵素結合免疫アッセ
イ(EIA)をこの系におけるpre S2+Sポリペプチドの
発現を調べるために利用するべきであることも当業者に
とって明らかである。
GAP491プロモーターはHBsAgを含めた数種の外来タン
パク質の酵母内発現にとって有用である〔ビター(Bitt
er)ら、ジーン,第32巻、第263−274頁、1984年;ワン
プラー(Wampler)ら、P.N.A.S.USA、第82巻、第6830−
6834頁、1985年〕。可溶性酵母タンパク質の約40%まで
HBsAgを発現させる我々の以前の結果に基づき(ニスカ
ーンら、前掲)、我々は適切な酵母宿主細胞でpre S2+
S抗原の発現を行わせるためこのプロモーターを用い
た。
組換え酵母発現pre S2+Sタンパク質のグリコシル化
をコントロール及び限定するため、前記発現カセットを
含む酵母発現プラスミド(pYG preS2S−1)はS.セレビ
シアエ株KHY−107(cir+,ade1+,leu2-,mnn9-)を形質転
換させるのにも用いられた。KHY−107は下記のように構
築された: a接合型株CZ5/LB347−1C(mnn9-,SUCZ-)〔C.バロウ
(C.Ballou)、カルフォルニア大学〕をYEHD寒天プレー
ト(カーティら、前掲)上でα型株2150−2−3(leu2
-,ade1-)(L.ハートウェル、ワシントン大学)と混合
することにより接合させた。二倍体を選択するため、接
合株をロイシンを含まず唯一の炭素源として2%スクロ
ースを含有した最少培地上にレプリカして培養した。単
一コロニーを単離した後、二倍体は胞子形成させ子嚢を
標準的方法で切開した。KHY−107株は単一胞子として単
離され、(シッフ染色法により)cir+,ade1+,leu2-及び
mnn9-として特徴付けられた。
形質転換クローンは1Mソルビトール含有最少培地(le
u-)上で選択された。これらのクローン化された形質転
換体は後の評価及び次の実験のために17%グリセロール
中凍結ストックとして確立された。
発現プラスミドpYG pre S2S−1はまた前記株KHY−10
7(cir+,ade1+,leu2-,mnn9-)に由来するKHY−107(cir
0,ade1+,leu2-,mnn9-)を形質転換させるために用いら
れた〔ブローチ、G.R.“メソッズ・イン・エンザイモロ
ジー",第101巻、C部、第307−325頁、1987年、アカデ
ミックプレス、ニューヨーク(Broach,G.R.,“Methods
in Enzymology",Vol.101、part C,pg307−325,1987,Aca
demic Press,N.Y.)〕。形質転換クローン単離株は後の
評価及び次の実験のために17%グリセロール中凍結スト
ックとして確立された。
発現プラスミドpYG pre S2S−1含有形質転換酵母の
クローン〔KHY−107(cir+,ade1+,leu2-,mnn9-)〕を1M
ソルビトール含有leu-選択寒天プレート上に塗布し、30
℃で2〜3日間インキュベートした。これらの酵母を1M
ソルビトール含有複合YEHD(カーティら、前掲)培地5
〜7mlに接種し、その培養物を通気下30℃で12〜18時間
インキュベートした。1Mソルビトールを含む複合YEHD培
地(以下YEHDSと称される)50mlを含有したフラスコに
上記培養物をA600=約0.1となるよう接種し、振盪下(3
50rpm)30℃で48〜72時間(最終A600=10〜16)までイ
ンキュベートした。A600単位10のサンプルをチューブに
分け、酵母細胞を2000xgで10分間遠心してペレット化し
た。サンプルはただちに試験されるか又は−70℃で凍結
貯蔵された。アッセイ時に、ペレットは2Mフェニルメチ
ルスルホニルフルオリド(PMSF)含有リン酸緩衝液(PB
S)0.4mlに再懸濁された後、1.5mlエッペンドルフチュ
ーブに移された。酵母細胞は1)洗浄ガラスビーズ(0.
45mm)200〜300mgを添加し渦巻ミキサーで15分間攪拌
し、2)0.5%となるようTX−100を添加し、3)渦巻ミ
キサーで2分間攪拌し、4)4℃で10分間のインキュベ
ードすることにより破壊された。細胞砕片及びガラスビ
ーズは2000xgで10分間の遠心により除去された。清澄化
された上澄液を取出し、ローリー(Lowry)ら、(ジャ
ーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー、第193
巻、第265頁、1951年)の方法及びpre S2+Sに特異的
なRIA〔ハンソンら、インフェクション・アンド・イム
ノロジー、第26巻、第125−130頁、1979年(Hansson et
al.,Infection and Immunity,26:125−130(197
9))、マチダら、ガストロエンテロロジー(Gastroent
erology)、第86巻、第910〜918頁、1984年〕によって
タンパク質に関し調べられた。
5クローンが並行して評価され、対照として1.0に標
準化したクローンpF403の相当細胞ペレットにおける値
と比較された。実施例7で示されるように5クローンに
おける抗原産生力の典型的相対値が得られた。
発現プラスミド含有形質転換酵母のクローン〔KHY−1
07(cir0,ade1+,leu2-,mnn9-)〕を1Mソルビトール含有
leu-選択寒天プレート上に塗布し、30℃で2〜3日間イ
ンキュベートした。これらの酵母は複合YEHDS培地5〜7
mlに接種され、通気下30℃で12〜18時間インキュベート
された。複合YEHDS培地50ml含有フラスコに上記培養物
を初期A600=0.1となるよう接種し、振盪下(350rpm)3
0℃で48〜72時間最終A600=10〜16までインキュベート
した。A600単位10の三連のサンプルをチューブに分注
し、酵母細胞は200xgで10分間の遠心でペレット化され
た。サンプルは前記のように直接試験されるか又は−70
℃で凍結貯蔵された。
5クローンが並行して評価され、参照として1.0の値
に標準化されたクローンpF403における値と比較され
た。5クローンに関する抗原産生力の典型的相対値が実
施例8で示されるように得られた。
mnn9表現型の宿主細胞内における前記すべての組換え
クローンに由来するpre S2+Sポリペプチドを免疫ブロ
ットにより分析すると、見かけの分子サイズ30kD及び34
kDの2バンドを示した。多分散(分子量50kD以上)高グ
リコシル化された分子種は抗酵母又は抗HBs血清のいず
れでも検出されなかった。
発現タンパク質の固有的性質としてHBV pre S2+Sの
グリコシル化のコントロールされている発現ベクターを
得るため、preS2+S ORF内のN結合グリコシル化に関す
る認識配列〔Asn−X−Thr〕を変異させた。クローンpU
C13pre S2Sがこの構築のための出発物質となった。
pre S2+S ORFの5′部分を再構築するため、ATG上流
のBamHI部位から10bp NTL及びHind III部位を経てEcoRI
適合末端に至るORFを再組立てするために、一対のオリ
ゴヌクレオチドが合成された。AからCへの変異(塩基
31)及びTからAへの変異(塩基33)があるためS2タン
パク質ドメインの4位においてAsnからGlnへのaa変化を
もたらすこのオリゴヌクレオチドの配列は以下のようで
ある: この合成オリゴヌクレオチド対を既にEcoRI及びBamHI
で切断されたpUC19と結合させた。得られたプラスミド
はBamHI及びSalIで切断され、しかる後pUC13per S2Sか
ら切断かつ精製された0.8kbp BamHI〜SalI断片と結合さ
れてプラスミドpUC19pre S2S WG−1が得られたが、こ
れはHind III断片として4位でAsnの代わりにGlnを有す
るpre S2+SORFを含んでいる。このORFは前記と同様の
方法で酵母発現ベクターを作成するために用いられた。
同様の方法で0.8kbp Hind III断片がpUC13 pre S2Sか
ら単離され、EcoRI及びBamHI部位を予め壊したpUC19ベ
クターに結合された。得られたベクターはEcoRI及びBam
HIで切断され、一対の合成オリゴヌクレオチドと結合さ
れたが、これはpre S2ドメインのアミノ酸+6がThrか
らAlaにアミノ酸変換するAからGへの変異(オリゴヌ
クレオチドの塩基+7)を生じたEcoRI〜BamHIのpre S2
+SエンベロープORFを再組立てしうるようにデザイン
されている。
このオリゴヌクレオチドの配列は以下である: この組立てにより、pre S2ドメインのアミノ酸6がTh
rからAlaに代わっているORFのHind III断片を含むpUC19
pre S2SWG−2を作成した。このORFは前記と同様の方
法で酵母発現ベクターを作成するために用いられた。
pre S2+S抗原発現は前記のように評価され、前記形
質転換体で得られる場合と産生力の点で匹敵することが
示された。双方の変異体のクローンは次の評価のため凍
結ストックとして保存された。抗HBs血清又は抗pre S2
血清のいずれかで行われた免疫ブロット分析では、予想
されるpre S2+S ORFのグリコシル化されていない翻訳
産物と一致する分子量約30kDの単一主要種が検出され
た。
インビボ効力試験のため、非高グリコシル化pre S2+
S調製物をミョウバンに吸着させ、マウス群に段階的に
量を変えた抗原を注入した。6週間後、マウス血清を
〔ニューラス、ジャーナル・オブ・メディシナル・バイ
ロロジー、第17巻、第119−121頁、1985年(Neurath,Jo
urnal,of Medicinal Virology,17,119−121(1985))
に従い〕抗HBs抗体(AUSAB)及び抗pre S2抗体に関し
て試験した。このような実験の結果では、pre S2+S調
製物が抗HBs抗体応答を誘導する上でHBsAgコントロール
調製物と同等に有効であることを示した(有効免疫用量
はHBsAgコントロールの場合の0.25mgと比較してpre S2
+Sの場合0.34mgであった)。加えて、pre S2+S調製
物はpre S2ドメインに特異的な付随抗体応答を誘導しう
る強い能力(有効免疫用量0.14mg)を示した。
サッカロミセス属は様々な種からなる。様々な外来ポ
リペプチドの組換えDNA媒介発現用の宿主としては、S.
セレビシアエ、即ちパン酵母が最も普通に用いられてい
る。しかしながら、サッカロミセス属の他の主との差異
は常に十分に規定されているわけではない。これらの種
の多くは、S.セレビシアエと交差結合することができ、
S.セレビシアエの場合と類似又は同一の調節プロモータ
ー並びに他の転写及び翻訳調節要素を有するらしい。し
たがって、S関連ポリペプチドの発現のための宿主選択
は格別限定されないが、カールスバーゲンシス、ウバラ
ム、ロウキシイ、モンタナス、クルイベリ、エロングル
グソラス、ノルベンシス、オビフォルミス及びジアスタ
チカスを含めたサッカロミセス属の他の種にも拡張され
ることは当業者にとって容易に明らかであろう。
ハンセヌラ(Hansenula)、カンジダ(Candida)、ト
ルロプシス(Torulopsis)及びピチア(Pichia)のよう
な数種の酵母属は、増殖のため唯一の炭素源としてメタ
ノール利用する代謝経路を有することが示された。この
代謝経路に関与するアルコールオキシダーゼ酵素の遺伝
子はピチア・パストリス(Pichia pastoris)から単離
された。P.パストリスアルコールオキシダーゼ遺伝子プ
ロモーターも単離され、メタノール存在下で誘導可能な
ことが示された。このように誘導可能なプロモーター系
は、宿主にマイナスの効果を有するポリペプチドの発現
に有用である。特に、このプロモーターはP.パストリス
においてSポリペプチドの発現を調節する活性があるこ
とが示されたため、免疫学的に活性なSポリペプチドの
組換えDNA遺伝子発現用宿主として機能しうる他の酵母
属の能力が脚光をあびることになった。したがって、pr
e S2+S含有ポリペプチドの発現用宿主の選択は格別限
定されないがピチア、カンジダ、ハンセヌラ、トルロプ
シス、クルイベロミセス(Kluyveromyces)及びサッカ
ロミコプシス(Saccharomycopsis)を含めたサッカロミ
セス(Saccharomycetaceae)及びクリプトコッカス(Cr
yptococcaceae)科の他の酵母属の種にも拡張されるこ
とは当業者にとって明らかであろう。
本発明の組換えpre S2+Sの精製方法は、どの精製ス
テップでもこれまで必要とされたプロテアーゼインヒビ
ターの導入を完全に排除している。肝炎B型ウイルス表
面タンパク質又はその変異体をコードする発現ベクター
で形質転換された酵母細胞は増殖後、回収された。その
細胞は所望であれば細胞を緩衝液、例えばPBSで洗浄し
かつ細胞ペーストとして貯蔵してもよいが、これは典型
的には−70℃で凍結貯蔵される。
精製は典型的には、下記のようにして開始する。新鮮
又は凍結細胞ペーストのバッチを約9.0〜約12.0、好ま
しくは約11.0の高pHの緩衝液、好ましくはトリス(TRI
S)に懸濁する。次いで細胞を好ましくは機械的手段で
破壊する。穏和な破砕方法であるビーズ破壊方法はスケ
ールアップに適さないことがわかった。高圧ホモゲナイ
ザーによる破壊〔約10,000〜20,000psi(約700〜1400kg
/cm2)、ゴーリン(Gaulin)又はスタンステッド(Stan
sted)ホモジナイザー使用〕はその迅速かつ効率的な操
作のために好ましい。
酵母細胞の破壊で粗抽出物を得る。次いで粗抽出物を
pH調整する。pHは8.0〜11.0の範囲内に調整されるが、1
0.5が好ましい。
この時点において、粗抽出物に界面活性剤を加えるこ
とが望ましい。界面活性剤の添加は、不要な細胞砕片か
らの酵母細胞膜の分離を容易にする。pre S2+Sタンパ
ク質及び他の形の表面タンパク質は酵母細胞膜と会合す
ることが示されている。格別限定されないが、トリトン
(TRITON)−Nシリーズ、トリトン−Xシリーズ、ブリ
ジ(BRIJ)シリーズ、ツイーン(TWEEN)シリーズ、エ
マソール(EMASOL)シリーズ、デオキシコレート、オク
チルグルコピラノシド又はノニデット(NONIDET)−Np
−40の界面活性剤を含めた様々な中性又は非イオン系界
面活性剤が使用可能であるチャップス(CHAPS)又はチ
ャプソ(CHAPSO)のような双極性イオン界面活性剤も有
用かつ適切である。
界面活性剤が用いられる場合、好ましい界面活性剤は
濃度約0.5%のトリトンX−100である。本発明の方法は
このステップで界面活性剤の使用を要せず、界面活性剤
の使用は任意であることが強調されねばならない。
次いで抽出物は熱処理される。熱処理は一定の温度範
囲及び一定の処理時間範囲において有効である。典型的
には45〜60℃の温度範囲が適用され、50℃が好ましい温
度である。熱処理時間は典型的には20〜40分間の範囲内
であるが、30分間が好ましい時間である。抽出物は適切
な容器内で熱処理され、容器が加熱浴に浸漬されるか又
は熱交換器が用いられる。次いでその物質は好ましくは
それを氷水浴に入れるか又は熱交換器を用いて約10℃に
冷却される。本発明の方法によれば、熱処理及び破片除
去ステップが行われる順序はこの操作の結果に有意の影
響がない限り逆でもよいことは当業者にとって明らかで
あろう。
熱処理粗抽出物からの細胞砕片除去は次の精製におけ
る物理的めづまりを予防する上で必要である。砕片を遠
心、精密濾過又は濾過によって除去して清澄化抽出物を
得ることができる。遠心及び精密濾過が最も好ましい方
法である。遠心は様々な遠心力と時間で行うことができ
るが、4℃、約3000xgで15分間の遠心が適当とわかっ
た。粗酵母細胞抽出物に典型的な粘稠性を低下させるた
め遠心前に抽出物を希釈しておくことも有利である。希
釈はこの操作の後のいずれのステップも変えることがな
い。
精密濾過は、濾過及び透析が同時に実施可能であると
いう利点を有している。数種のタイプの精密濾過ユニッ
ト、例えばミクロゴン社(Microgon Inc.)のクロスフ
ロー(KROSFLO)又はアミコン(Amicon)もしくはA/Gテ
クノロジー(A/G Technology)の様々な中空糸膜カート
リッジがこのステップでの使用に適している。好ましい
精密濾過方法は、pH約10.4の約0.1Mトリス及び約0.1%
トリトンX−100からなる緩衝液を用い約2〜7psi(約
0.14〜0.49kg/cm2)の入口圧で孔径約0.1〜0.2μのプロ
スタック・デェラポア(Prostak Durapore)〔ミリポア
(Millipore)〕膜、プレート及びフレーム精密濾過ユ
ニットに抽出物を通すことである。
遠心による上澄又は精密濾過による濾液はこの操作の
次のステップ前に濃縮してもよい。濃縮は格別限定され
ないが透析、濾過、凍結乾燥、限外濾過及び透析濾過を
含めたいくつかの方法で行うことができる。本発明の好
ましい濃縮方法は清澄化抽出物を105分子量カットオフ
中空糸膜限外濾過系に通すことである。清澄化抽出物の
用量は濃縮液を得るため一般に精密濾過産物の場合で約
6.5倍及び希釈遠心産物の場合で約2倍に減少できる。
濃縮後、留液は更に低分子量混物質を除去するため透析
濾過する。透析濾過は105分子量カットオフ中空糸膜シ
ステムを用いて行われる。
トリトンX−100が加えられた場合、それは格別限定
されないが透析、ある種の有機溶媒の添加、冷却、クロ
マトグラフィー分離並びにエキストラクトゲル(Extrac
togel)〔ピアス(Pierce)〕及びXAD樹脂〔ロミコン
(Romicon)〕のような界面活性剤と特異的に結合する
ゲル又は樹脂との接触を含めたいくつかの常法によって
除去することができる。トリトンX−100を除去するた
めに本発明で好ましい方法は、トリトンX−100含有熱
処理抽出物をXAD−2又はXAD−4樹脂(ポリスチレンジ
ビニルベンゼン)のカートリッジを循環させることであ
る。熱処理抽出物は4℃で約10時間にわたりXADカート
リッジを循環した後適切な容器、例えば密封可能なガラ
スボトルに回収される。
次いで熱処理抽出物のpHはpH約7.0〜約7.9、好ましく
はpH約7.7に調整される。本発明の方法により高pHで熱
処理後にpHを約7.7に調整すれば、後のステップで用い
られる広孔シリカへの表面タンパク質の吸着が著しく容
易になる。熱処理抽出物のpHの調整は操作結果に影響を
与えることなくトリトンX−100除去ステップ前に行う
ことができる。したがって、本発明の方法によればpH調
整及びトリトンX−100除去ステップが行われる順序が
この操作の結果に有意の影響を与えることなく逆にでき
ることは当業者にとって明らかであろう。
次いで表面タンパク質は実質的精製肝炎B型ウイルス
表面タンパク質を得るため混入物質から容易に分離され
る。好ましい混入物質除去方法は広孔シリカに表面タン
パク質を吸着させることである。本発明の最も好ましい
方法は、孔径範囲約1000〜1500Å及びシリカ粒径範囲約
30〜130μの広孔シリカ〔アミコン(Amicon)〕に表面
タンパク質を吸着させることである。表面タンパク質は
シリカの孔内に容易に入り込んで留まる。したがって、
酵母細胞タンパク質混入物質は容易に洗い流すことがで
きる。
広孔シリカへの表面タンパク質の吸着はクロマトグラ
フィー的に又は非クロマトグラフィーバッチ方式で行う
ことができる。クロマトグラフィー吸着はカラムクロマ
トグラフィー装置内の広孔シリカ層にpH調整抽出物を通
すことで行われる。典型的には、熱処理抽出物約1が
流速約200ml/hrで広孔シリカビーズ約300ml(乾燥重量
約100g)含有5cmジャケット付カラム装置に供給され
る。
広孔シリカへの非クロマトグラフィー吸着は、通常適
切な容器、例えば密封可能なガラスボトル内で熱処理抽
出物をシリカと混合することにより行われる。好ましい
方法は、ガラスボトル内で熱処理抽出物約1に広孔シ
リカ300mlを加え攪拌しながらインキュベートすること
である。吸着は好ましくは約4〜8℃で約1.5時間続け
られるが、異なる時間及び温度でも良い。
非吸着物質を除くための表面タンパク質吸着シリカの
洗浄も非クロマトグラフィーで行われるか、又はシリカ
を上述したようなクロマトグラフィー吸着のためのカラ
ム装置に注入して行う。バッチ式洗浄は熱処理抽出物を
広孔シリカから流出させかつシリカに吸着された表面タ
ンパク質を遊離させない数倍容量の緩衝液を加えること
で行われる。好ましい緩衝液はPBSである。シリカは水
を切って、洗浄ステップを3〜5回繰返す。
表面タンパク質吸着シリカのクロマトグラフィー洗浄
は、280nmの吸光度が一定になるまで約200ml/hrの流速
でPBSをシリカに通すことで行われる。
表面タンパク質はpH約8.5〜9.0の緩衝液を用いて洗浄
広孔シリカから溶出される。表面タンパク質はpH約8.7
の約0.05Mホウ酸緩衝液を用いて脱着されることが好ま
しい。表面タンパク質の脱着は広範囲にわたる高温下で
促進させることができる。約55℃における脱着が好まし
い。
非クロマトグラフィー的脱着はpH8.7の0.05Mホウ酸緩
衝液1200mlを洗浄した表面タンパク質吸着広孔シリカ約
700mlと混合することで行われる。脱着は約25時間続け
られる。次いで溶出液を回収し、脱着ステップを2回繰
返し、溶出液を冷却する。
クロマトグラフィーによる脱着は洗浄シリカのジャケ
ット付カラムを約55℃に加温して行われる。pH8.7の0.0
5Mホウ酸緩衝液を55℃に加温し、しかる後速度500ml/hr
でカラムに供給する。次いで溶出液を回収し、冷却す
る。溶出液の容量は広孔シリカ処理に用いた熱処理抽出
物の容量と通常ほぼ等しい。
溶出された表面タンパク質の濃縮が通常望ましい。好
ましい濃縮方法はpH8.7の0.05Mホウ酸緩衝液を用いて10
5分子量カットオフ中空糸膜透析濾過糸に溶出液を通す
ことである。溶出表面タンパク質の容量は通常この糸を
用いて16倍にも減少される。透析濾過留液は必要であれ
ば精密濾過で滅菌してもよい。
下記実施例は本発明を説明するものであるが、しかし
ながら本発明をそれに限定するわけではない。下記実施
例で記載された各参考文献の開示は参考のため本明細書
に組込まれる。
実施例1 pBR322におけるHBV DNAのクローニング HBVデーン粒子(血清型adw)をヒト血漿(キャリア)
から単離かつ精製し、二本鎖DNAをランダース(Lander
s)ら〔ジャーナル・オブ・バイロロジー(Journal of
Virology)、第23巻、第368−376頁、1977年〕及びヒル
スカ(Hruska)ら(ジャーナル・オブ・バイロロジー、
第21巻、1977年)の方法に従いデーン粒子の内在ポリメ
ラーゼで合成させた。そのDNAはSDS中プロテイナーゼK
による切断後フェノール/クロロホルム抽出及びエタノ
ール沈澱によって単離した。HBVゲノムDNAをEcoRIで切
断して単一の3.2kbp断片を得、これをpBR322のEcoRI部
位に組込みクローニングしてpHBV/ADW−1を形成させ
た。HBV DNAの存在はEcoRI切断、ニトロセルロースへの
サザンブロット転写及び〔32P〕標識特異的オリゴヌク
レオチドプローブとのハイブリッド形成によって確認し
た。
実施例2 pGAP−tADH−2発現ベクターに組込まれたpre S2+S遺
伝子のクローニング プラスミドpHBV/ADW−1(実施例1で記載)をEcoRI
及びAccIで切断し、0.8kbp断片を調製用アガロースゲル
電気泳動で精製した。
pre S2+S ORFの5′部分を構築するため、ATG上流の
EcoRI部位から10kbp NTL配列を経てHind III未満に至る
ORFを再構成する一対のオリゴヌクレオチドを合成し
た。このオリゴヌクレオチドの配列は以下である: AGCTTACAAAACAAAATGCAGTGG ATGTTTTGTTTTACGTCACCTTAA pre S2+S ORFの3′部分を再構築するため、AccI部
位から翻訳ターミネーターを経てHind III末端に至るOR
Fを再構成する第二の一対のオリゴヌクレオチドを合成
した。このオリゴヌクレオチドの配列は以下である: ATACATTTAA TGTAAATTTCGA pBR322のADH1転写ターミネーター及びGAP491プロモー
ター〔ホランド(Holland)ら、ジャーナル・オブ・バ
イオロジカル・ケミストリー、第255巻、第2596頁、198
0年〕を含有したプラスミドgGAP−tADH−2は唯一のHin
d IIIクローニング部位を有するが、そこに前記pre S2
+S ORFを結合させてpEG preS2S−1を得た。HBV DNAの
存在及び向きは制限エンドヌクレアーゼ分析及びサザン
ブロック転移によって確認した。pre S2+S ORF含有発
現カセットをSphI切断でpEG pre S2S−1から取出し、
調製用アガロースゲル電気泳動で単離した。次いでその
カセットをSphIで予め切断されたシャトルベクターpCl/
1〔ベッグス(Beggs)、前掲;ローゼンバーグ(Rosenb
erg)ら、前掲〕に組込みクローニングして酵母発現ベ
クター(pYG pre S2S−1)を得、これを用いて下記の
ようにS.セレビシアエを形質転換させた。
実施例3 グリコシル化に関する“野生型”酵母内pre S2+S発現
用種ストックの形質転換及び確立 発現カセットを含むプラスミドpYG preS2S−1(前記
実施例2)を用いてS.セレビシアエ株CF42(MATa/a,ade
1-,leu2−04-,ura3-)を形質転換させた。CF42株は下記
のようにして作成した: 酵母株2150−2−3(L.ハートウェル、ワシントン大
学)においてura3変異を選択した(ベークら、前掲)。
得られた株(MATa,ade1-,leu2−04-,ura3-,cir0)をプ
ラスミドYCp50−HOで形質転換することで二倍化させた
〔ジェンセンら、P.N.A.S.USA、第80巻、第3035−3039
頁、1983年)。二倍体株はプラスミドを失っており、CF
42(MATa/a,ade1-,leu2−04-,ura3-)と命名された。
CF42株の形質転換クローン(pF403)を選択し、下記
の評価用の凍結ストック(17%グリセロール)として確
立した。
実施例4 グリコシル化に関する“野生型”酵母内におけるpre S2
+S遺伝子の増殖及び発現 実施例3に記載された発現プラスミド含有酵母のクロ
ーンpF403をleu-寒天プレート上に塗布し、30℃で2〜
3日間インキュベートした。これらの酵母を複合YEHD培
地5〜7ml中に接種し、培養物を通気下30℃で12〜18時
間インキュベートした。複合YEHD培地50ml含有フラスコ
をA600=0.1となるよう上記培養物を接種し、最終A600
=10〜16となるまで振盪下(350rpm)30℃で48〜72時間
インキュベートした。A600単位10のサンプルをチューブ
に分注して3連とし、酵母細胞を2000xgで10分間遠心し
てペレット化した。そのペレットは直接調験に供される
か又は実施例7、8、9及び10で後記されるコントロー
ルグリコシル化クローンの評価用内部参照標準として将
来の使用のために−70℃で貯蔵された(これらの比較の
ため、クローンpF403に関する値は1.0に標準化され
た)。アッセイ時にペレットを2mM PMSF含有リン酸緩衝
液0.4mlに再懸濁した。酵母細胞を1)洗浄したガラス
ビーズ(0.45mm)200〜300mgを添加し、2)渦巻ミキサ
ーで15分間の攪拌し、3)0.5%(v/v)までTX−100を
添加し、4)渦巻ミキサーで2分間の攪拌した後5)4
℃で10分間のインキュベートすることにより破壊した。
細胞破片及びガラスビーズを2000xgで10分間の遠心によ
り除去した。清澄化された上澄液を取出し、ローリー
ら、(ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリ
ー、第193巻、第265頁、1951年)の方法及びpre S2+S
に特異的なRIA(ハンソンら、前掲;マチダら、前掲)
によってタンパク質に関し試験した。
実施例5 Circle(+)mnn9変異酵母におけるpre S2+Sの酵母形
質転換及び種確立 前記実施例2で得られた発現カセットを含むプラスミ
ド(pYG pre S2S−1)を用いてS.セレビシアエKHY−10
7(cir+)を形質転換させた。KHY−107(cir+)株は下
記のようにして組立てた: a型接合型株CZ5/LB347−1C(mnn9-,SUCZ-)はその株
をα型株2150−2−3(leu2-,ade1-)とYEHD完全培地
プレート上で混合することにより接合させた。二倍体に
ついて選択するため、接合株を唯一の炭素源として2%
スクロースを含有するleu-最少培地上にレプリし培養し
た。単一コロニーの単離後、二倍体に胞子形成させ、子
嚢を標準的技術で切開した。KHY−107株を単一胞子とし
て単離し、シッフ染色法によりcir+,ade1+,leu2-及びmn
n9-として特徴付けた。
形質転換クローンを最少培地(leu-,1Mソルビトール
含有)で選択し、凍結ストック(17%グリセロール中)
として確立し、下記のように評価を行った。
実施例6 Cir0 mnn9変異酵母におけるpre S2+Sの酵母形質転換
及び種確立 実施例2で前記された発現プラスミドを用いてKHY107
株(cir+)に由来するS.セレビシアエ株KHY−107(ci
r0)をブローチ(Broach)(“メソッズ・イン・エンザ
イモロジー”、第101巻、C部、第307−325頁、1983
年)で記載されるように形質転換させた。クローンを選
択し、前記実施例5のように凍結ストックとして確立
し、下記実施例8のようにpre S2+Sの発現に関して評
価した。
実施例7 Cir+mnn9変異酵母におけるpre S2+S遺伝子の増殖及び
発現 実施例5で記載された発現プラスミド含有酵母のクロ
ーンを1Mソルビトール含有leu-選択寒天プレート上に塗
布し、30℃で2〜3日間インキュベートした。これらの
酵母を複合YEHDS 5〜7ml中に接種し、培養物を通気下30
℃で12〜18時間インキュベートした。YEHDS培地50ml含
有フラスコに初期A600=0.1となるよう上記培養物を接
種し、最終A600=10〜16となるまで振盪下(350rpm)30
℃で48〜72時間インキュベートした。A600単位10のサン
プルをチューブに分け、酵母細胞を2000xgで10分間遠心
してペレット化した。サンプルは実施例4で記載のよう
に直接試験するか又は−70℃で凍結貯蔵した。細胞砕片
及びガラスビーズを2000xgで10分間の遠心により除去し
た。清澄化された上澄液を取出し、前記のようにpre S2
+Sに特異的なRIAでタンパク質に関し試験した。
5クローンを並列して評価し、参照として1.0の値に
標準化されたクローンpF403の相当細胞ペレット(前記
実施例4参照)と比較した。5クローンに関する抗原産
生力の代表的相対値は以下であった: pre S2ドメインに対するウサギ抗HBsまたはMcAbで行
われた免疫ブロット分析では分子量約34kDの単一主要種
が検出された。以下クローン14007−230−1Aと称される
上記クローン“a"を次の展開のために選択した。
実施例8 Cir0mnn9変異酵母におけるpre S2+S遺伝子の増殖及び
発現 実施例6で記載された発現プラスミド含有酵母のクロ
ーンを1Mソルビトール含有leu-選択寒天プレート上に塗
布し、30℃で2〜3日間インキュベートした。これらの
酵母をYEHDS培地5〜7ml中に接種し、培養物を通気下30
℃で12〜18時間インキュベートした。複合YEHDS培地50m
l含有フラスコに初期A600=0.1となるよう上記培養物を
接種し、最終A600=10〜16となるまで振盪下(350rpm)
30℃で48〜72時間インキュベートした。A600単位10のサ
ンプルを3連でチューブに分け、酵母細胞を2000xgで10
分間遠心してペレットとした。サンプルは前記のように
直接試験するか又は−70℃で凍結貯蔵した。細胞砕片及
びガラスビーズは2000xgで10分間の遠心で除去した。清
澄化された上澄液を取出し、前記のようにタンパク質及
びpre S2+S抗原に関して試験した。
5クローンを並行して評価し、参照として1.0の値に
標準化されたクローンpF403(前記実施例4参照)と比
較した。5クローンに関する抗原産生力の代表的相対値
は以下であった: (実施例7) *実施例7参照 免疫ブロット分析(実施例7参照)では分子量約34KD
の単一主要バンドを検出した。以下クローン14007−284
−1Aと称される上記クローン“a"を次の展開のために選
択した。
実施例9 振盪フラスコ内におけるpre S2+S産生S.セレビシアエ
(mnn9-)の増殖に関する追加研究 凍結ストック培養物14007−230−1A(前記実施例7)
を1Mソルビトール含有leu-プレート上に接種した。プレ
ートを28℃で2〜3日間下を向けてインキュベートし
た。種培養物を前記実施例7で記載のように確立するか
又はプレート上の増殖物をYEHDS培地に再懸濁して、再
懸濁された増殖物をYEHDS500ml含有2エーレンマイヤ
ーフラスコに移した。フラスコを環境制御振とう式イン
キュベーター中28℃、350rpmで18〜22時間インキュベー
トした。
種フラスコからの接種原(5%v/v)を各々YEHDS 50m
l又は500mlを含む250ml又は2容フラスコ内に移し
た。次いで産生用フラスコを前記のように40〜46時間イ
ンキュベートした。典型的にはA660における光学密度単
位8.0を得た。フラスコの細胞は500ml遠心ボトル内でフ
ラスコの内容物を1300xgで10分間遠心することにより回
収した。上澄をデカントし、細胞ペレットを緩衝塩溶液
50〜100mlに再懸濁した。
20%洗浄細胞スラリーの一部(0.6ml)を1.5mlエッペ
ンドルフチューブ中ガラスビーズ(0.45〜0.52mm)を用
い破壊した。PMSF(200mMストック6.5ml)をプロテアー
ゼインヒビターとして加えた。破壊後一部をチューブか
ら取出し、免疫ブロット分析用に−70℃で凍結した。チ
ューブ内の残留サンプルにトリトンX−100を最終濃度
0.5%まで加え、サンプルを簡単に混合し、4℃で20〜4
0分間インキュベートした。細胞砕片を遠心除去し、清
澄化された細胞抽出物をpre S RIA及びローリー法によ
るタンパク質について試験した。
得られた典型的値は15.65mg pre S2+S/ml発酵ブロス
0.04mgおよびpre S2+S/mg全タンパク質であった。
実施例10 発酵槽内におけるpre S2+S産生S.セレビシアエ(mnn9
-)の大規模培養 凍結ストック培養物14007−230−1Aを1Mソルビトール
含有leu-プレート上に接種した。プレートを28℃で2〜
3日間反転してインキュベートした。プレート上の増殖
物をYEHDSに再懸濁し、再懸濁された増殖物をYEHDS 500
ml含有2エーレンマイヤーフラスコに移した。フラス
コを環境制御振とう式インキュベーター中28℃、350rpm
で18〜22時間インキュベートした。次いでこれらの種培
養物を用いて産生工程容器に接種した。
1以上のフラスコからの接種原(1〜5%v/v)を各
々YEHDS 10又は200含有16又は250発酵槽内に移
した。16発酵槽は500rpm、空気5/min及び28℃で操
作した。250発酵槽は160rpm、空気60/min及び28℃
で操作した。種培養物を接種後40〜46時間目に発酵槽か
ら回収した。典型的にはA660における光学密度15.0の値
を得た。回収は中空糸膜濾過装置で細胞を濃縮ししかる
後細胞を緩衝塩溶液で洗浄することにより行った。細胞
スラリーは下記のように試験するか又は次の操作及び分
析用に−70℃で凍結貯蔵した。
20%洗浄細胞スラリーの少量サンプル(0.6ml)を1.5
mlエッペンドルフチューブ中でガラスビーズ(0.45〜0.
52mm)により破壊した。PMSF(200mMストック6.5ml)を
プロテアーゼインヒビターとして加えた。破壊後一部を
チューブから取出し、免疫ブロット分析用に−70℃で凍
結した。トリトンX−100を最終濃度0.5%までチューブ
内の残留サンプルに加え、サンプルを簡単に混合し、4
℃で20〜40分間インキュベートした。細胞砕片を遠心除
去し、清澄化された細胞抽出物をpre S RIA及びローリ
ー法によるタンパク質について試験した。抗原産生力に
関する平均値は8.4mg pre S2+S/ml発酵ブロス及び0.02
5mg pre S2+Sタンパク質/mg全タンパク質であった。
実施例11 本発明の組換えHB pre S2+Sの精製方法では、いず
れの複製ステップにおいても以前必要であったプロテア
ーゼインヒビターの導入を完全に省略することができ
る。HB pre S2+Sタンパク質又はその変異体をコード
する発現ベクターで形質転換された酵母細胞を増殖させ
て回収する。その細胞は所望であれば細胞をPBSのよう
な緩衝液で洗浄して細胞ペーストを形成することにより
貯蔵してもよく、これは典型的には−70℃で凍結貯蔵さ
れる。
凍結酵母細胞スラリー(組換えpre S2+Sタンパク質
産生)約6.6kgを解凍し、PBS 1.06及びpH11.0の1Mト
リス塩基緩衝液7.36で希釈した。粗細胞抽出物は酵母
細胞懸濁物をゴーリン高圧ホモジナイザーに2回通して
調製した。ホモジナイズ後、トリトンX−100を粗細胞
抽出物に最終濃度0.1%まで加えた。粗細胞抽出物を45
℃に加熱し、45〜50℃で15分間保ち、しかる後熱交換器
で10℃以下に冷却した。冷却後、熱処理スラリーの一
部、即ち細胞約3.25kgを0.1〜0.2μm接線流でプロスタ
ット・デュラポア(ミリポア)膜、プレート及びフレー
ム透析濾過ユニットを用い0.1%トリトンX−100含有pH
10.1の0.1Mトリス塩基緩衝液に対して透析濾過した。得
られた濾液の容量は47.8であった。次いで濾液を分子
量カットオフ105の中空糸膜透析濾過ユニットで濃縮か
つ透析濾過し、容量を約8.6に減少させた。次いで濃
縮物をカップ型の0.2μ孔径フィルターで濾過し、濾過
濃縮物をXAD−4樹脂(約320g)含有カートリッジに通
してトリトンX−100を除去した。濾過濃縮物を約800ml
/hrでXAD−4樹脂層(径約3.5インチ(約9cm)のカート
リッジ)に通した。樹脂処理濃縮物のpHを7.8に低下さ
せ、抽出物をポアサイズ範囲約1000〜1500Å及びシリカ
粒径範囲約30〜130μの広孔シリカの25×27cmクロマト
グラフィーカラム(アミコン)にペリスタポンプにより
流速5/hrで供給し、pre S2+Sタンパク質を吸着さ
せた。次いで広孔シリカを1.5倍容量のPBS(16.8/h
r)で洗浄した。pre S2+Sを55〜60℃に加温されたpH
8.7の50mMホウ酸緩衝液26.25により流速16.8/hrで
広孔シリカから溶出させた。pre S2+Sタンパク質溶出
液を26.25の容量で回収し、しかる後分子量カットオ
フ105の中空糸膜透析濾過ユニットで濃縮して、容量を
約1.6まで減少させた。次いでpre S2+Sタンパク質
を105分子量カットオフ中空糸膜システムでpH8.7の50mM
ホウ酸緩衝液に対して透析濾過した。
実施例12 凍結酵母細胞ペースト(組換えpre S2+Sタンパク質
産生)約210gをpH10の0.5Mトリス塩基緩衝液約630mlに
懸濁した。粗細胞抽出物は酵母細胞懸濁液をスタンステ
ッド高圧ホモジナイザーに3回通すことで調製した。ホ
モジナイズ後、10%トリトンX−100 43mlを粗酵母細胞
抽出物に加え、穏やかな攪拌で混合した。次いで粗抽出
物を熱水浴中の浸漬により55℃で30分間加熱した。次い
で抽出物を氷水浴で約4℃に冷却した。冷却された抽出
物を3000xg、4℃で15分間遠心した。上澄(清澄化抽出
物)をガラスビーカーに回収し、XAD−2樹脂155gを加
えて、トリトンX−100を除去した。樹脂及び清澄化抽
出物を2〜8℃で約90分間穏やかに攪拌し、樹脂を金属
スクリーンに通すことで清澄化抽出物から除去した。次
いで抽出物のpHを1M HCl約150mlの添加で約7.6に低下さ
せた。ポアサイズ約1500Å及び粒径約100μの広孔シリ
カ約230gを抽出物に加えて、pre S2+Sタンパク質を吸
着させた。抽出物及び広孔シリカを約2〜8℃で約90分
間穏やかに混合した。次いでpre S2+Sが吸着された広
孔シリカを2〜8℃においてPBS約6300mlで5回洗浄し
た。pre S2+Sタンパク質を55℃でpH8.7の50mMホウ酸
緩衝液1200mlの添加により広孔シリカから溶出させた。
溶出ステップを3回繰返した。次いで溶出pre S2+Sを
分子量カットオフ105の中空糸膜透析濾過ユニットでpH
8.7の50mMホウ酸緩衝液に対する透析濾過により濃縮し
た。
実施例13 凍結酵母細胞ペースト(組換えpre S2+Sタンパク質
産生)約210gをpH10の0.5Mトリス塩基緩衝液約600mlに
懸濁した。粗細胞抽出物は酵母細胞懸濁液をスタンステ
ッド高圧ホモジナイザーに3回通すことで調製した。ホ
モジナイズ後、粗抽出物を0.1〜0.2μm接線流で中空糸
膜透析濾過ユニットを用いpH10.4の0.5Mトリス塩基緩衝
液+0.1%トリトンX−100に対して透析濾過した。得ら
れた濾液の容量は7.3であった。次いで濾液を分子量
カットオフ105の中空糸膜透析濾過ユニットで透析濾過
により濃縮し、容量を約1.3に減少させた。次いで濃
縮物を約55℃に約30分間加熱し、約2〜8℃に冷却し
た。濃縮物をガラスビーカーに回収し、XAD−2樹脂250
gを加えて、トリトンX−100を除去した。樹脂及び濃縮
抽出物を2〜8℃で約90分間穏やかに攪拌し、樹脂を金
属スクリーンに通すことで濃縮抽出物から除去した。樹
脂の除去後、pHを7.7に低下させ、抽出物を広孔シリカ
の5×15cmクロマトグラフィーカラムにペリスタポンプ
により流速200ml/hrで供給し、pre S2+Sタンパク質を
吸着させた。次いで広孔シリカを9倍容量のPBS(200ml
/hr)で洗浄した。pre S2+Sを55℃に加温されたpH8.7
の50mMホウ酸緩衝液1400mlにより流速500ml/hrで広孔シ
リカから溶出させた。pre S2+Sタンパク質溶出液を1.
4の容量で回収し、しかる後分子量カットオフ105の中
空糸膜透析濾過ユニットで濃縮し、容量を約0.48に減
少させた。次いでpre S2+Sタンパク質を105MW中空糸
膜システムでpH8.7の50mMホウ酸緩衝液に対して透析濾
過した。
実施例14 凍結酵母細胞ペースト(組換えpre S2+Sタンパク質
産生)約210gをpH11.3の0.5Mトリス塩基緩衝液約640ml
に懸濁した。粗細胞抽出物は酵母細胞懸濁液をスタンス
テッド高圧ホモジナイザーに3回通すことで調製した。
ホモジナイズ後、粗抽出物を0.1〜0.2μm接線流で中空
糸膜透析濾過ユニットを用いpH10.4の0.5Mトリス塩基緩
衝液+0.1%トリトンX−100に対して透析濾過した。得
られた濾液の容量は7.8であった。次いで濾液を分子
量カットオフ105の中空糸膜透析濾過ユニットで透析濾
過により濃縮し、容量を約1.1に減少させた。次いで
濃縮物を約55℃に約35分間加熱し、約8℃に冷却した。
濃縮物をガラスビーカーに回収し、XAD−2樹脂285gを
加えて、トリトンX−100を除去した。樹脂及び濃縮抽
出物を2〜8℃で約90分間穏やかに攪拌し、金属スクリ
ーンに通すことで樹脂を濃縮抽出物から除去した。樹脂
の除去後、pHを7.7に低下させ、抽出物を広孔シリカの
5×15cmクロマトグラフィーカラムにペリスタポンプに
より流速200ml/hrで供給し、pre S2+Sタンパク質を吸
着させた。次いで広孔シリカを9倍容量のPBS(200ml/h
r)で洗浄した。pre S2+Sを55℃に加温されたpH8.7の
50mMホウ酸緩衝液1200mlにより流速500ml/hrで広孔シリ
カから溶出させた。回収したpre S2+Sタンパク質溶出
液は1.2であった。しかる後分子量カットオフ105の中
空糸膜透析濾過ユニットで濃縮し、容量を約0.43に減
少させた。次いでpre S2+Sタンパク質を105MW中空糸
膜システムでpH8.7の50mMホウ酸緩衝液に対して透析濾
過した。
実施例15 凍結酵母細胞ペースト(組換えSタンパク質産生)約
146gをpH11.3の0.3Mトリス塩基緩衝液約800mlに懸濁し
た。粗細胞抽出物は酵母細胞懸濁液をゴーリン高圧ホモ
ジナイザーに2回通すことで調製した。ホモジナイズ
後、10%トリトンX−100 11mlを粗酵母細胞抽出物に加
え、穏やかな攪拌で混合した。次いで粗抽出物を熱水浴
中に浸漬して55℃で35分間加熱した。次いで抽出物を氷
水浴で約4℃に冷却し、3000xg、4℃で15分間遠心し
た。上澄(清澄化抽出物)をガラスビーカーに回収し、
XAD−2樹脂40gを加えて、トリトンX−100を除去し
た。樹脂及び清澄化抽出物を2〜8℃で約3時間穏やか
に攪拌した。樹脂をチーズクロスに通すことで清澄化抽
出物から除去した。次いで抽出物のpHを1M HCl約150ml
の添加で約7.2に低下させた。抽出物はSタンパク質を
吸着させる目的でペリスタポンプを用い流速200ml/hrで
広孔シリカの5×15cmクロマトグラフィーカラムに供給
した。次いで広孔シリカを12倍容量のPBSにより流速200
ml/hrで洗浄した。Sタンパク質を55℃に加温されたpH
8.7の50mMホウ酸緩衝液630mlにより流速500ml/hrで広孔
シリカから溶出させた。
実施例16 凍結酵母細胞ペースト(組換えpre S2+Sタンパク質
産生)約100gをpH11.5の0.5Mトリス塩基緩衝液約300ml
に懸濁した。粗細胞抽出物は酵母細胞懸濁液をスタンス
テッド高圧ホモジナイザーに3回通すことで調製した。
ホモジナイズ後、10%トリトンX−100 20mlを粗酵母細
胞抽出物に加え、穏やかな攪拌で混合した。粗抽出物を
3000xg、4℃で15分間遠心した。10、9.5、9.0、8.5、
8.0及び7.5にpH調整後各pHの上澄サンプル(清澄化抽出
物)を4セット調製した。第1組サンプルでは直ちに凍
結して−70℃に保った。第2組サンプルは2〜8℃で48
時間保ち、しかる後−70℃で凍結した。第3及び4組は
55℃に30分間加熱した後第3組サンプルは−70℃で凍結
し、第4組サンプルは2〜8℃で48時間保ち、しかる後
−70℃で凍結した。
次いで全サンプル中のpre S2+Sの量をラジオイムノ
アッセイ(RIA)で測定した。各組の各サンプルから同
等量のpre S2+Sタンパク質について前記のような免疫
ブロットでpre S2+S分解に関し試験した。第1組の全
サンプルにおけるpre S2+Sは完全なままであった。第
2組の全サンプルは相当量分解されたpre S2+Sタンパ
ク質を含有していた。第3及び4組は主に完全なpre S2
+Sタンパク質を含有しており、どのpHでもほとんど分
解が認められなかった。pre S2+Sタンパク質の安定性
は55℃のサンプル熱処理後にかなり高まった。熱処理さ
れなかったサンプルは各pHでpre S2+Sタンパク質の有
意の分解を示した。
前記明細書は説明目的で示される実施例と共に本発明
の主題について開示しているが、本発明の実施にはここ
で記載された操作及びプロトコールの通常の変更、修
正、改変、省略又は付加のすべてを本請求の範囲内に属
するものとして包含するものと理解されるであろう。

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酵母細胞抽出物から組換え肝炎B型ウイル
    ス表面タンパク質を実質上精製する方法であって、 a) pH約9.0〜約12.0の緩衝液中で酵母細胞を破壊す
    る; b) pHを約10.5に調整し、ステップ(a)の抽出物を
    約40〜約60℃で熱処理し、しかる後ほぼ室温まで冷却す
    る; c) ステップ(b)の生成物に界面活性剤を加える; d) 望ましくない酵母細胞砕片を遠心で除去する; e) ステップ(d)の生成物から界面活性剤を除去す
    る; f) ステップ(e)の生成物のpHを約7.5〜8.0に調整
    する; g) ステップ(f)の生成物を広孔シリカビーズに付
    して表面タンパク質を吸着させる; h) 広孔シリカビーズから表面タンパク質を溶出させ
    る; i) ステップ(h)の溶出液を濃縮して、実質上精製
    された表面タンパク質を得る; ステップを含むことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】酵母細胞抽出物から組換え肝炎B型ウイル
    ス表面タンパク質を実質上精製する方法であって、 a) pH範囲約9.0〜12.0の緩衝液中で酵母細胞を破壊
    する; b) pHを約10.5に調整し、ステップ(a)の抽出物を
    約40〜60℃で熱処理し、しかる後ほぼ室温まで冷却す
    る; c) ステップ(b)の生成物に界面活性剤を加える; d) 望ましくない酵母細胞砕片を精密濾過で除去す
    る; e) ステップ(d)の生成物を濃縮及び限外濾過す
    る; f) ステップ(e)の生成物から界面活性剤を除去す
    る; g) ステップ(f)の生成物のpHを約7.5〜約7.9に調
    整する; h) ステップ(e)の生成物を広孔シリカに付して表
    面タンパク質を吸着させる; i) 広孔シリカから表面タンパク質を溶出させる; j) ステップi)の溶出液を濃縮して、実質上精製さ
    れた表面タンパク質を得る; ステップを含むことを特徴とする方法。
  3. 【請求項3】酵母細胞の破砕がpH約10で約0.5モルのト
    リス緩衝液中で行われる、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】酵母細胞の破砕がpH約10で約0.5モルのト
    リス緩衝液中で行われる、請求項2記載の方法。
  5. 【請求項5】界面活性剤添加ステップ(c)が省略され
    る、請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】界面活性剤添加ステップ(c)が省略され
    る、請求項2記載の方法。
  7. 【請求項7】ステップ(d)の精密濾過が孔径範囲約0.
    1〜0.45μmのプレート及びフレーム精密濾過装置で行
    われる、請求項2記載の方法。
  8. 【請求項8】ステップ(d)の上澄が保持呼称分子量約
    100,000の中空糸膜透析装置で行われる透析濾過により
    濃縮される、請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】ステップ(g)において、シリカ吸着が孔
    径範囲約1000〜1500Å及びシリカ粒径範囲約30〜130μ
    の広孔シリカを用いて行われる、請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】ステップ(h)において、シリカ吸着が
    孔径範囲約1000〜1500Å及びシリカ粒径範囲約30〜130
    μの広孔シリカを用いて行われる、請求項2記載の方
    法。
JP2326191A 1989-12-05 1990-11-29 酵母から得られる組換え肝炎b型ウイルス表面タンパク質を安定化する方法 Expired - Lifetime JP2515432B2 (ja)

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DE69013471T2 (de) 1995-03-30

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