JPH0734592B2 - 信号判別回路 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、入力テレビジョン信号がSECAM方式のテレビ
ジョン信号であるか否かを判別する信号判別回路に関
し、例えば、PAL方式、SECAM方式あるいはNTSC方式等の
各種標準テレビジョン方式に対応可能な所謂マルチスタ
ンダードタイプの海外地域向けカラーテレビジョン受像
機やビデオテープレコーダ等に適用される。

〔発明の概要〕

本発明は、入力テレビジョン信号がSECAM方式のテレビ
ジョン信号であるか否かを判別する信号判別回路におい
て、二つの色差信号を線順次に切り換えて、走査線毎に
搬送周波数の異なる搬送波を周波数変調（FM）した搬送
色信号を輝度信号に重畳してなるSECAM方式のテレビジ
ョン信号の水平ブランキング部分に付加されている無変
調部分すなわちバースト信号をFM復調することとにより
得られる復調出力に含まれる周波数がfh/2なる信号成分
を同期検波により検出することによって信号判別を行う
ようにして、外付け部分の少ない集積回路化に適した信
号判別回路を実現したものである。

〔従来の技術〕

従来より、海外地域向けのカラーテレビジョン受像器や
ビデオテープレコーダでは、例えば、PAL方式、SECAM方
式あるいはNTSC方式等の各種標準テレビジョン方式に対
応可能な所謂マルチスタンダードタイプの製品が提供さ
れており、入力テレビジョン信号が何方式の信号である
かを判別する必要がある。

従来、二つの色素信号（Ｒ−Ｙ），（Ｂ−Ｙ）を線順次
に切り換えて走査線毎に搬送周波数の異なる搬送波を周
波数変調（FM）した搬送色信号を輝度信号に重畳してな
るSECAM方式のテレビジョン信号の判別には、第６図に
示すような構成の信号判別回路が使用されていた。

第６図のブロック図に示した信号判別回路の従来例にお
いて、信号入力端子110に供給される入力テレビジョン
信号は、その水平ブランキング部分に重畳されている無
変調キャリア部分すなわちバースト信号がバーストゲー
ト回路111により取り出される。上記バースト信号は、
前置増幅器112により増幅してセラミックフィルタ113を
介して検波回路114に供給され、上記セラミックスフィ
ルタ113の周波数特性を利用したスロープ検波により、F
M復調される。

ここで、SECAM方式のテレビジョン信号では、Ｒ−Ｙ信
号に対する4.40626MHzの搬送周波数とＢ−Ｙ信号に対す
る4.2500MHzの搬送周波数を走査線毎に切り換えて使用
しているので、その水平ブランキング部分に重畳されて
いるバースト信号を取り出してFM復調すると、走査線毎
に信号レベルが上下する周波数が水平走査周波数fhの1/
2の信号成分を含んだFM復調出力が得られる。

上記検波回路114による検波出力すなわち上記バースト
信号についてのMF復調出力は、可変利得増幅器115を介
して同調周波数がSECAM方式のテレビジョン信号の水平
走査周波数fhの1/2のタンク回路116に供給され、該タン
ク回路116にて周波数がfh/2の信号成分が取り出される
ようになっている。そして、上記タンク回路116の出力
がローパスフィルタ117を介して供給されるレベル弁別
回路118にて、上記タンク回路116の出力のレベル弁別を
行うことによって、上記バースト信号のFM復調出力中に
fh/2の信号成分が含まれているか否か、すなわち上記入
力テレビジョン信号がSECAM方式のテレビジョン信号で
あるか否かの判別を行い、その判別出力信号を信号出力
端子119から出力するようになっている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところで、セラミックフィルタを用いたスロープ検波に
よりバースト信号のFM復調を行い、そのFM復調出力中に
含まれる周波数がfh/2の信号成分をタンク回路にて取り
出すことによって、SECAM方式のテレビジョン信号であ
るか否かの判別を行う従来の信号判別回路では、集積回
路化する場合に、上記セラミックフィルタやタンク回路
の多数の取付け部品を必要とする。また、同調周波数が
SECAM方式のテレビジョン信号の水平走査周波数fhの1/2
のタンク回路は、大きなインダクタンスのタンクコイル
を必要とし、その調整作業に多大な手間と時間を要する
という問題点がある。さらに、一般に、セラミックフィ
ルタは、提供される各部品の特性が一定でないものが多
く、信号判別回路による判別マージンを劣化させる要因
となっている。

そこで、本発明は、上述の如き従来の問題点に鑑み、SE
CAM方式のテレビジョン信号の判別動作を安定かつ確実
に行ことができ、しかも、外付け部品の少ない集積回路
化に適した新規な構成の信号判別回路を提供することを
目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明に係る信号判別回路は、上述の如き問題点を解決
するために、入力テレビジョン信号の無変調キャリア部
分を取り出すゲート回路と、上記ゲート回路を介して供
給される上記無変調キャリア部分をFM復調するFM復調回
路と、上記FM復調回路による復調出力が供給される同期
検波回路と、上記入力テレビジョン信号の水平走査周波
数fh/に同期したfh/2なる周波数の同期検波信号を上記
同期検波回路に供給する信号発生回路と、上記同期検波
回路による検波出力の信号レベルを判別するレベル弁別
回路とを備えて成ることを特徴としている。

〔作用〕

本発明に係る信号判別回路では、入力テレビジョン信号
の無変調キャリア部分のFM復調出力に含まれる周波数が
fh/2の信号成分を同期検波にて検出することにより、入
力テレビジョン信号がSECAM方式のテレビジョン信号で
あるか否かを判別を行う。

〔実施例〕

以下、本発明の一実施例について、図面に従い詳細に説
明する。

第１図のブロック図に示す実施例は、変速再生機能付き
のPAL/SECAM用ビデオテープレコーダのクロマ信号処理
回路に本発明を適用したものであり、図示しない再生系
にて再生されるPAL方式あるいはSECAM方式のテレビジョ
ン信号の複合同期信号（Sync）が第１の信号入力端子10
に供給され、再生クロマ信号（Cpb）が第２の信号入力
端子20に供給される。なお、この実施例では、図示しな
い再生系において第２図のタイミングチャートに示すよ
うに期間（Ta）中にPAL方式のテレビジョン信号が再生
され、続く期間（Tb）中にSECAM方式のテレビジョン信
号が再生され、さらに期間（Tc）中にPAL方式のテレビ
ジョン信号が再生されて、上記再生系から上記第２の信
号入力端子20に各方式の再生クロマ信号（Cpb）が供給
されるものとする。

上記複合同期信号（Sync）は、上記第１の信号入力端子
10からサンプル・ホールド（S/H）回路11に供給されて
いる。上記S/H回路11は、後述する電圧制御型可変発振
（VCO）回路13の発振出力がサンプリングパルスとして
供給されており、上記複合同期信号（Sync）の水平同期
信号（HD）部分をサンプル・ホールドして、そのサンプ
ル・ホールド出力をループフィルタ12を介して制御電圧
として上記VCO回路13に供給して、該VCO回路13から上記
水平同期信号（HD）に位相固定した水平走査周波数（f
h）の発振出力を得るPLL回路を構成している。そして。
上記VCO回路13にて得られる水平走査周波数（fh）の発
振出力を分周器14により1/2分周することにより、上記
水平同期信号（HD）の周波数すなわち水平走査周波数
（fh）に同期した第２図に示す如き矩形波状のfh/2なる
周波数の同期検波信号（Syd）を形成している。

この実施例において、上記同期検波信号（Syd）は、後
述する同期検波回路30に供給されている。

また、上記再生クロマ信号（Cpb）が供給される第２の
信号入力端子20は、１水平走査期間（1H）に等しい遅延
量を有する遅延回路21を介してスイッチ回路22の第１の
固定端子22aに接続されているとともに、上記スイッチ
回路22の第２の固定端子22bとバーストゲート回路24接
続されている。上記スイッチ回路22は、その制御入力端
子22dに後述するレベル弁別回路42から供給される制御
信号に応じて上記各固定端子22a,22bを選択する可動端
子22cが信号出力端子23に接続されている。

上記バーストゲート回路24は、上記第２の信号力端子20
から供給される再生クロマ信号（Cpb）の無変調キャリ
ア部分すなわちバースト信号を取り出して、約5MHz程度
まで直線的にFM復調可能なインジェクションOSCタイプ
のFM復調回路25に上記バースト信号を供給している。

上記FM復調回路25では、上記バーストゲート回路24から
供給されるバースト信号をFM復調回路25にてFM復調する
ことにより、第２図のタイミングチャートに示すよう
に、PAL方式の期間（Ta），（Tc）中には信号レベルの
一定なFM復調出力が1H毎に得られ、また、SECAM方式の
期間（Tb）中には信号レベルが1H毎に繰り返し変化する
FM復調出力が得られる。そして、上記FM復調回路による
復調出力は積分型ローパスフィルタ（LPF）26を介して
サンプル・ホールド（S/H）回路27に供給され、このS/H
回路27にてサンプル・ホールドされる。

上記S/H回路27は、1H毎に上記FM復調出力のピークレベ
ル部分をサンプル・ホールドする。上記S/H回路27によ
るサンプル・ホールド出力は、コンデンサ28にて直流カ
ットして交流増幅器29に供給され、この交流増幅器29に
て所定信号レベルまで増幅して、同期検波回路30に供給
されている。

上記同期検波回路30は、上記交流増幅器29の出力につい
て、上述の分周器14から供給される同期検波信号（Sy
d）にて同期検波を行う。上記同期検波回路30では、第
２図に示すように、信号レベルの一定なPAL方式の期間
（Ta），（Tc）中には上記同期検波信号（Syd）の信号
成分が出力され、また、1H毎に信号レベルが繰り返し変
化するSECAM方式の期間（Tb）中には信号レベルの一定
な同期検波出力が得られる。従って、上記同期検波回路
30による同期検波出力の信号レベルが所定レベルになっ
ていることを第１のレベル弁別回路33にて検出すること
によって、上記第２の信号入力端子20に供給された再生
クロマ信号（Cpb）がSECAM方式のテレビジョン信号のも
のであることを検出することができる。

なお、この実施例では、図示しない再生系においてスチ
ル再生等の変速再生動作を行い上記SECAM方式の期間（T
b）中の（to）なるタイミングで再生出力に色並べ反転
が生じている状態を第２図のタイミングチャートに示し
てあり、上記色並べの反転によって上記バースト信号の
FM復調出力に含まれるhf/2なる周波数の信号成分の位相
が反転して上記同期検波出力の極性も反転している。

この実施例において、上記同期検波回路30による検波出
力は、極性反転（INV）回転31とローパスフィルタ（LP
F）32を介して第１のレベル弁別回路33に供給されると
ともに、ローパスフィルタ41を介して第２のレベル弁別
回路42に供給されている。

上記第１のレベルべ別回路33は、上記同期検波回路30か
ら上記極性反転回路31を介して供給される同期検波出力
を上記ローパスフィルタ32にて平滑化した信号レベルが
所定レベル（La）以上あること検出するレベル弁別動作
を行うことにより得られる弁別出力をSECAM方式のテレ
ビジョン信号の判別出力信号として信号出力端子34から
出力するとともに、上記弁別出力をフリップフロップ回
路43のリセット端子に供給している。上記信号出力端子
34から出力される判別出力信号は、SECAM方式のテレビ
ジョン信号の信号処理系のオートカラーキラー回路の動
作解除制御等に使用される。

また、上記第２のレベル弁別回路42は、上記ローパスフ
ィルタ41にて平滑化される上記同期検波回路30による検
波出力の信号レベルが所定レベル（Lb）以上あること検
出するレベル弁別動作を行うことにより、上記SECAM方
式の再生クロマ信号（Cpb）に色並べ反転を生じて、上
記同期検波出力の極性が反転している期間（Tbo）を検
出し、その弁別出力を上記極性反転回路31の制御入力端
子に供給して、上記ローパスフィルタ32に供給する同期
検波出力の極性を揃えるように上記極性反転回路31を行
っている。また、上記第２のレベル弁別回路42による弁
別出力すなわち色並べ反転検出出力信号は、フリップフ
ロップ回路43のトリガ端子に供給されており、その立ち
上がりエッジすなわち上記第２の信号入力端子20に供給
されるSECAM方式の再生クロマ信号（Cpb）に色並べ反転
を生じる毎に上記フリップフロップ回路43をトリガする
ようになている。そして、上記フリップフロップ回路43
の肯定出力パルスを制御信号として上述のスイッチ回路
22の制御入力端子22dに供給して該スイッチ回路22の動
作制御を行うことにより、上記色並べ反転を補償した再
生クロマ信号（Cpb′）を信号出力端子23から出力する
ようにしてある。

なお、上述の第１の実施例では、同期検波回路30による
検波出力を極性反転回路31に供給することにより、上記
SECAM方式の再生クロマ信号（Cpb）に色並べ反転による
同期検波出力の極性反転に対処するようにしたが、第３
図に示す第２の実施例のように、上記極性反転回路31の
代わりに両波整流回路51を用いて、上記同期検波回路30
による検波出力のを両波整流してからローパスフィルタ
32を介してレベル弁別回路33に供給するようにしても、
上述の第１の実施例と同様に上記レベル弁別回路33によ
る弁別出力としてSECAM方式のテレビジョン信号の判別
出力信号を得ることができる。

また、上述の第１の実施例では、SECAM方式のテレビジ
ョン信号の判別と色並べ反転の検出とに共通の同期検波
回路30を用いるようにしたが、第４図に示す第３の実施
例のように、上記信号判別と色並べ反転検出との個別の
同期検波回路30A,30Bを用いるようにしても良い。

この第３の実施例では、第２のレベル弁別回路42による
弁別出力すなわち色並べ検出出力信号の立ち上がりエッ
ジにてトリガされるフリップフロップ回路43を設けて、
このフリップフロップ回路43の肯定出力を制御信号とし
てスイッチ回路22の動作制御を行い、上記スイッチ回路
22を介して入力再生クロマ信号（Cpb）をバーストゲー
ト回路24に供給するようにしてある。また、信号判別用
の同期検波回路30Aの出力側に極性反転回路31を設ける
代わりに、上記同期検波回路30Aに供給する同期検波信
号（Syd）を位相反転回路61にて位相反転するようにし
て、上記位相反転回路61の動作制御を第２のレベル弁別
回路42による弁別出力すなわち色並べ反転検出出力信号
にて行うようになっている。

上述の如き構成の第３の実施例では、図示しない再生系
において変速再生動作を行い、例えば第５図のタイミン
グチャートに示すように（tp），（tq）のタイミングで
色並べ反転が発生するような再生クロマ信号（Cpb）が
第２の端子20に供給されたとすると、上記再生クロマ信
号（Cpb）に重畳されているバースト信号のFM復調出力
を第２の同期検波回路30Bによりfh/2なる周波数の同期
検波信号にて同期検波することにより取り出される周波
数がfh/2なる信号成分の位相反転部分が第２のレベル弁
別回路42にて検出され、その弁別出力の立ち上がりエッ
ジにてトリガされるフリップフロップ回路43から上記色
並べが反転している期間を示す肯定出力が得られる。そ
して、上記フリップフロップ回路43の肯定出力を制御信
号として動作制御されるスイッチ回路22を介して色並べ
反転を補償した再生クロマ信号（Cpb′）からバースト
ゲート回路24にて取り出されるバースト信号のFM復調出
力について、第１の同期検波回路30Aによって周波数がf
h/2の信号成分を同期検波し、その信号レベルが所定レ
ベル以上あることを第１のレベル弁別回路33にて検出す
ることにより、上記第２の信号入力端子20に供給された
再生クロマ信号（Cpb）がSECAM方式のテレビジョン信号
のものであることを示す判別出力信号を上記第１のレベ
ル弁別回路33より出力する。

なお、第５図のタイミングチャートには、色並べが反転
したままの状態を破線にて示し、上記スイッチ回路22に
て上記色並べ反転を補償した実際の状態を実践にて示し
てある。

〔発明の効果〕

上述の実施例の説明から明らかなように、本発明に係る
信号判別回路では、入力テレビジョン信号の無変調キャ
リア部分のFM復調出力に含まれる周波数がfh/2の信号成
分を同期検波にて検出することにより、入力テレビジョ
ン信号がSECAM方式のテレビジョン信号であるか否かの
判別を行うので、SECAM方式のテレビジョン信号の判別
動作を安定かつ確実に行ことができ、しかも、外付け部
品が少なく集積回路化に適している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る信号判別回路の第１の実施例を示
すブロック図であり、第２図は上記第１の実施例の動作
を示す波形図であり、第３図は本発明に係る信号判別回
路の第２の実施例を示すブロック図であり、第４図は本
発明に係る信号判別回路の第３の実施例を示すブロック
図であり、第５図は上記第３の実施例の動作を示す波形
図である。 第６図は従来の信号判別回路を示すブロック図である。 10,20……信号入力端子 11,12……サンプル・ホールド回路 13……VCO、14……分周回路 24……バーストゲート回路 25……FM復調回路 30,30A……同期検波回路 33……レベル弁別回路

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】入力テレビジョン信号の無変調キャリア部
   分を取り出すゲート回路と、 上記ゲート回路を介して供給される上記無変調キャリア
   部分をFM復調するFM復調回路と、 上記FM復調回路による復調出力が供給される同期検波回
   路と、 上記入力テレビジョン信号の水平走査周波数fhに同期し
   たfh/2なる周波数の同期検波信号を上記同期検波回路に
   供給する信号発生回路と、 上記同期検波回路による検波出力の信号レベルを判別す
   るレベル弁別回路とを備え、 入力テレビジョン信号の無変調キャリア部分のFM復調出
   力に含まれる周波数がfh/2の信号成分を同期検波にて検
   出することにより、入力テレビジョン信号がSECAM方式
   のテレビジョン信号であるか否かを判別するようにした
   ことを特徴とする信号判別回路。