JPH0734166U

JPH0734166U - 土留壁兼納骨室ブロック及びその組付構造

Info

Publication number: JPH0734166U
Application number: JP7141093U
Authority: JP
Inventors: 拡史浦野
Original assignee: 株式会社アート・スリー
Priority date: 1993-12-07
Filing date: 1993-12-07
Publication date: 1995-06-23

Abstract

(57)【要約】【目的】集合式墓地において、直接、納骨場所の近傍
で故人の参拝供養や墓前に線香や供物等を供えることが
でき、参拝者に対する違和感を解消させる。【構成】矩形ブロックの納骨室本体１をブロック壁状
に縦横に据付配置して土留壁とし、土留壁表面の納骨室
本体１正面を全体として所定の絵柄模様Ｐとする。納骨
室本体１は正面開口の中空状にして、鉄筋コンクリート
製や石製のものとして形成する。そして、正面の蓋体２
と、設置面に立設してある柱体Ｌを案内挿入するための
外側面に形成した案内連結凹溝９と、底面に形成した嵌
合凸部１０と、この嵌合凸部１０に対応すべく上面に形
成した嵌合凹溝１１とを備えたものとし、蓋体２に供物
台１３を挿入装着する嵌合部１２を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、集合式墓地での土留壁を兼用せしめた納骨室ブロック及びその組付構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来のような霊園、寺域等の墓地においては、土地が不足し、特に都心部およびその近郊では墓地用地の確保が困難であり、これを解決するために集合式の墓地が種々勘案されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、従来提案されていた叙上のような集合式墓地では、納骨場所近辺で参拝供養できないものが殆どであり、例えば、納骨時には参拝堂内部に入室できても、それ以後の墓参りの際には、中央祭壇で参拝することしかできず、参拝者に対し大きな違和感を与えるものであった。

【０００４】そこで、本考案は、叙上のような従来存した諸事情に鑑み案出されたもので、集合式墓地において、直接、納骨場所の近傍で故人の参拝供養や墓前に線香や供物等を供えることができるようにし、参拝者に対する違和感を解消できる土留壁兼納骨室ブロック及びその組付構造を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上述した目的を達成するため、本考案にあっては、遺骨壷Ｑを収納密閉可能な多数の納骨室本体１をブロック壁状に縦横に据付配置して土留壁とし、その据付高さを各々納骨室本体１に直接相対面して参拝供養できるように設定し、この土留壁表面となる納骨室本体１の正面に適宜な彫刻模様、色彩等を施して全体として所定の絵柄模様Ｐとしたことを特徴とする。

【０００６】蓋体２には嵌合部１２を設け、この嵌合部１２に供物台１３の装着杆１３Ａを挿入装着することで供物台１３を納骨室本体１に対し着脱自在又は固定式に取付け可能にすることができる。

【０００７】納骨室本体１は、鉄筋コンクリート製によって一体に形成したり、石製の壁板１４，１５，１６，１７によって組立形成したりすることができる。

【０００８】矩形ブロックの納骨室本体１を参拝通路に沿った土盛り上にブロック壁状に敷設したり、更には、ブロック壁状の納骨室本体１を仕切構造状に敷設したりして構成することができる。

【０００９】納骨後の蓋体２は、シール材５を隙間に充填せしめることで密閉固定すべく成すことができる。

【００１０】また、こうした土留壁兼納骨室ブロックの組付構造は、納骨室本体１は施蓋される正面を開口した中空の矩形ブロック状に形成され、正面上縁の下側面に形成した上縁逃溝４内に底上げして手前に引き出し開蓋する正面の蓋体２と、外側面に形成した案内連結凹溝９と、底面に形成した嵌合凸部１０と、この嵌合凸部１０に対応すべく上面に形成した嵌合凹溝１１とを備え、設置面に立設してある柱体Ｌを外側面の案内連結凹溝９内に案内挿入し、底面に形成した嵌合凸部１０を、先に下段に設置してある納骨室本体１の上面に形成した嵌合凹溝１１内に嵌合して納骨室本体１全体を相互に縦横に積載連結したことを特徴とする。

【００１１】

【作用】

本考案に係る土留壁兼納骨室ブロック及びその組付構造にあって、矩形ブロック状の納骨室本体１の正面の蓋体２は、一旦、上縁逃溝４内に底上げして手前に引き出し開蓋させ、納骨室本体１内部に遺骨壷Ｑを収納させてから、再度正面の蓋体２を上縁逃溝４内に底上げして前方に押し込み閉蓋される。そして、納骨後に蓋体２は、シール材５を隙間に充填せしめることで外界に触れることなく密閉固定される。

【００１２】予め設置面に立設してある柱体Ｌを納骨室本体１の四隅側面の案内連結凹溝９内に案内挿入させ、底面に形成した嵌合凸部１０を、先に下段に設置してある納骨室本体１の上面に形成した嵌合凹溝１１内に嵌合させることで納骨室本体１全体は相互にブロック状に積載連結される。而して、多数の納骨室本体１はブロック壁状に縦横に据付配置されて土留壁を形成させる。

【００１３】また、正面の蓋体２に設けた嵌合部１２は、供物台１３の装着杆１３Ａを挿入装着することにより、供物台１３が納骨室本体１に着脱自在かあるいは固定式に取付けられる。

【００１４】納骨室本体１は、鉄筋コンクリート製によって一体に形成したり、石製の壁板１４，１５，１６，１７によって組立形成したりし、これら矩形ブロックの納骨室本体１を参拝通路に沿った土盛り上にブロック壁状に敷設させたり、更には、ブロック壁状の納骨室本体１を仕切構造状に敷設させたりする。

【００１５】

【実施例】

以下、図面を参照して本考案の一実施例を説明するに、図において示される符号１は、セト白焼き等にて形成された適数個の遺骨壷Ｑを収納する納骨室本体であり、全体が土留壁の構成要素である矩形ブロック状に形成してある。すなわち、この納骨室本体１は、施蓋される正面を開口した中空の矩形ブロック状に形成され、図１に示す如く納骨室本体１をブロック組立態様にて人の目の高さ位まで積み上げ、全体を土留壁の如く、予め参拝堂内の参拝通路に沿った土盛り上や、または仕切構造的に納骨室本体１が積み上げられるよう区画配置された設置面上に構築敷設できるようにしてある。

【００１６】そして、この土留壁表面を形成する納骨室本体１における各々正面の蓋体２前面及びその縁廻り３には、全体として適宜な絵柄模様Ｐ例えば花壇や仏画、風景画等の彫刻や絵図を施したり、各々正面の蓋体２一つ一つに白、黒、赤、黄、緑等の７色位を使用したカラー色彩を施して全体として所定の絵柄模様Ｐとなるように形成してある。

【００１７】正面の蓋体２によって閉塞される納骨室本体１の正面上縁の下側面には上縁逃溝４を穿ってあり、蓋体２の下縁より手指にて持ち上げ全体を上縁逃溝４内に底上げしてから手前に引き出すことで開蓋させ、納骨室本体１内部に遺骨壷Ｑを収納させてから、再度蓋体２の上端を上縁逃溝４内に嵌め込み底上げした状態にて前方に押し込むことにより閉蓋すべく成してある。また、納骨後には蓋体２と縁廻り３との間に、シリコン樹脂等のシール材５を隙間に充填せしめることで密閉固定すべく成してある。

【００１８】図２乃至図５に示す如く納骨室本体１は鉄筋コンクリート製の施工仕様にて形成することができ、具体的にはコンクリート６内に主筋にフープ筋を巻回せしめたり、格子状に組合わせたりした鉄筋７を埋設した中空状の鉄筋コンクリートブロック８であって、その左右の外側面には円弧状の案内連結凹溝９を前後で２対ずつ穿設し、底面中央には横長に矩形状の嵌合凸部１０を突設し、この嵌合凸部１０に対応すべく上面には案内テーパー部１１Ａに連なる嵌合凹溝１１を穿設してある。

【００１９】そして、予め参拝堂内の参拝通路に沿った土盛り上や、または仕切構造的に納骨室本体１が積み上げられるよう基礎を行なった後の区画配置された設置面上には、例えば予め外径略１３ｍｍの鉄筋から成る柱体Ｌを２本ずつ等間隔に立設せしめ、前記納骨室本体１外側面に形成した円弧状の案内連結凹溝９に案内挿入するようにこの納骨室本体１を上下、水平方向に積み上げ、先に下段に積み上げてある納骨室本体１の上面の嵌合凹溝１１内に底面の嵌合凸部１０を嵌合させるようにして各々納骨室本体１全体を相互に積載連結すべく成してある。したがって、互いに隣接する納骨室本体１はその側面が柱体Ｌを介して互いにずれることなく柱体Ｌを噛ませるようにして連繋配置せしめられ、上下の隣接する納骨室本体１同志も嵌合凸部１０と嵌合凹溝１１との嵌合により一体的に連結配置せしめられる。更に、利用者に応じて万里の長城の様に納骨室本体１の増造も柱体Ｌを適宜に増加することにより行なえば良い。

【００２０】前記正面の蓋体２前面の下端隅所には、適宜な供物、線香等を供える供物台１３を支持する為の、左右一対乃至複数個の穴状あるいは孔状の嵌合部１２を設けてあり、この嵌合部１２に供物台１３の装着杆１３Ａを嵌入装着することで供物台１３を納骨室本体１に対し着脱自在に取付けたり、固着させたりすべく成してある。この供物台１３はアルミニウム製またはステンレス製から成り、その上には花立てや、線香立て具を挿入する為の挿入孔１３Ｂや供え物を載せる窪み穴１３Ｃ等を穿ち、またその前側面には絵柄模様Ｐを彫ってある（図２、図７参照）。尚、非使用時の嵌合部１２は、図示を省略した蓋栓等によって閉蓋できるようにしておくと良い。

【００２１】また、図６乃至図８に示す如く納骨室本体１はブロック石製の石造施工仕様にて形成することもでき、具体的には上壁板１４、左右横壁板１５、裏壁板１６、底壁板１７を矩形箱状に組み付け、ボルト、ピン、更には接着剤を介在させる等の適宜な締結部材１８により連結せしめて成る。そして、左右横壁板１５の側面は面一でその下端縁中央には下方に向かって一部分を突出させた嵌合凸部１０を突設し、上壁板１４の左右両端縁中央にはこの嵌合凸部１０に対向して一部分を窪ませた嵌合凹溝１１を形成してあるもので、納骨室本体１を積み上げて組付けるに際し、底面に突出した嵌合凸部１０を、先に下段に積み上げてある納骨室本体１の上面の嵌合凹溝１１内に嵌合させるようにして各々納骨室本体１全体を相互に積載連結すべく成してある。また、正面の蓋体２の取付構造及び供物台１３の取付構造は前記鉄筋コンクリート製の納骨室本体１におけるものの施工仕様の場合と略同一なので省略する。

【００２２】次に、本考案の使用の一例を説明するに、予め参拝堂内の参拝通路に沿った土盛り上や、または仕切構造的に納骨室本体１が敷設されるよう区画配置された設置面に立設してある柱体Ｌを納骨室本体１の四隅外側面の案内連結凹溝９内に案内挿入させ、底面に形成した嵌合凸部１０を、先に下段に設置してある納骨室本体１の上平面に形成した嵌合凹溝１１内に嵌合させて納骨室本体１全体が縦横相互にブロック状に積載連結される。而して、多数の納骨室本体１はブロック壁状に縦横に据付配置されて土留壁を形成する。このとき、納骨室本体１の据付高さは、参拝者が各々納骨室に直接相対面して参拝供養できるような高さに設定され、この土留壁表面には適宜な彫刻絵柄模様、色彩を施して全体として所定の絵柄模様Ｐが形成される。

【００２３】納骨時には正面の蓋体２を下縁より手指にて持ち上げ蓋体２全体を上縁逃溝４内に底上げしてから蓋体２下縁にできた隙間に手指を指し込み手前に引き出すことで開蓋させる。そして、納骨室本体１内部に遺骨壷Ｑを収納させてから、再度正面の蓋体２を上縁逃溝４内に嵌め込み底上げした状態にて前方に押し込み閉蓋する。すなわち、鉄筋コンクリート製によって一体に形成されるか、または石製のブロック壁を組み立てることによって形成された矩形ブロック状の納骨室本体１は、一旦、正面の蓋体２を上縁逃溝４内に底上げして手前に引き出し開蓋させ、納骨室本体１内部に遺骨壷Ｑを収納させてから、再度正面の蓋体２を上縁逃溝４内に底上げして前方に押し込み閉蓋する。そして、納骨後に蓋体２は、シール材５等を隙間に充填せしめることで密閉固定する。

【００２４】また、墓参り、その他の供養時には、正面の蓋体２下端の隅所に設けた嵌合部１２に供物台１３の装着杆１３Ａを挿入装着して供物台１３を納骨室本体１に取付け、適当な供物を供え、線香を立てるものとする。

【００２５】

【考案の効果】

本考案は以上のように構成されており、これがため、墓地を有効的に活用する集合式墓地においても、直接、納骨場所の近傍で故人の参拝供養や墓前に線香や供物等を供えることができ、参拝者に対する違和感を解消させることができる。また、この土留壁表面に適宜な模様、色彩を施して全体として所定の絵柄模様Ｐとしたので、墓前のアート的乃至信教的機能を十分に発揮させることができる。そして、全体構成も簡素な部材で組立てられ、量産性に富むものである。

【００２６】矩形ブロックの納骨室本体１を、正面上縁の下側面に形成した上縁逃溝４内に底上げして手前に引き出し開蓋する正面の蓋体２と、外側面に形成した案内連結凹溝９と、底面に形成した嵌合凸部１０と、この嵌合凸部１０に対応すべく上面に形成した嵌合凹溝１１とから成り、設置面に立設してある柱体Ｌを外側面の案内連結凹溝９内に案内挿入し、底面に形成した嵌合凸部１０を、先に下段に設置してある納骨室本体１の上面に形成した嵌合凹溝９内に嵌合して納骨室本体１全体を相互に積載連結してあるので、利用者に応じて増造が容易で施工時間も短縮され、安価に仕上げることができる。

【００２７】正面の蓋体２には嵌合部１２を設け、この嵌合部１２に供物台１３の装着杆１３Ａを挿入装着することで供物台１３を納骨室本体１に対し着脱自在又は固定式に取付け可能にすることができるので、参拝者に対する供養の便宜が図れる。

【００２８】納骨室本体１は、鉄筋コンクリート製によって一体に形成することで、組付の施工作業が楽で、土留壁の積載重量に対し頑丈で安定性も良くなり、また、石製の壁板１４，１５，１６，１７によって組立形成することで、墓石本来のイメージダウンを解消することができる。

【００２９】矩形ブロックの納骨室本体１を参拝通路に沿った土盛り上にブロック壁状に敷設せしめて構成することで、土留壁としての機能が十分に発揮され得るのであり、また、ブロック壁状の納骨室本体１を仕切構造状に敷設することで、参拝堂の占有空間を有利に活用することができる。

【００３０】納骨後の蓋体１は、シール材５を隙間に充填せしめることで密閉固定すべく成してあるので、納骨後には悪戯その他によって簡単に開口されず、また、外界の空気に触れることなく遺骨壺Ｑを保存できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の設置状態の一実施例を示す全体斜視図
である。

【図２】同じく斜視図である。

【図３】同じく正面図である。

【図４】図３におけるＸ−Ｘ線矢視断面図である。

【図５】図３におけるＹ−Ｙ線矢視断面図である。

【図６】同じく平面図である。

【図７】他の実施例を示す全体斜視図である。

【図８】同じく正面図である。

【図９】図８におけるＺ−Ｚ線矢視断面図である。

【符号の説明】

Ｌ柱Ｐ絵柄模様Ｑ遺骨壷１納骨室本体２蓋体３縁廻り４上縁逃溝５シール材６コンクリー
ト７鉄筋８鉄筋コンク
リートブロック９案内連結凹溝１０嵌合凸部１１嵌合凹溝１２嵌合部１３供物台１３Ａ装着杆１３Ｂ挿入孔１３Ｃ窪み穴１４上壁板１５左右横壁
板１６裏壁板１７底壁板１８締結部材

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】遺骨壷を収納密閉可能な多数の納骨室本
体をブロック壁状に縦横に据付配置して土留壁とし、そ
の据付高さを各々納骨室本体に直接相対面して参拝供養
できるように設定し、この土留壁表面となる納骨室本体
の正面に適宜な彫刻模様、色彩等を施して全体として所
定の絵柄模様としたことを特徴とする土留壁兼納骨室ブ
ロック。
【請求項２】正面の蓋体には嵌合部を設け、この嵌合
部に供物台の装着杆を挿入装着することで供物台を納骨
室本体に対し着脱自在又は固定式に取付け可能にした請
求項１記載の土留壁兼納骨室ブロック。
【請求項３】納骨室本体は、鉄筋コンクリート製によ
って一体に形成された請求項１または２記載の土留壁兼
納骨室ブロック。
【請求項４】納骨室本体は、石製の壁板によって組立
形成された請求項１または２記載の土留壁兼納骨室ブロ
ック。
【請求項５】矩形ブロックの納骨室本体を参拝通路に
沿った土盛り上にブロック壁状に敷設せしめた請求項１
乃至４のいずれか記載の土留壁兼納骨室ブロック。
【請求項６】ブロック壁状の納骨室本体を仕切構造状
に敷設せしめた請求項１乃至５のいずれか記載の土留壁
兼納骨室ブロック。
【請求項７】納骨後の蓋体は、シール材を隙間に充填
せしめることで密閉固定すべく成した請求項１乃至６の
いずれか記載の土留壁兼納骨室ブロック。
【請求項８】納骨室本体は施蓋される正面を開口した
中空の矩形ブロック状に形成され、正面上縁の下側面に
形成した上縁逃溝内に底上げして手前に引き出し開蓋す
る正面の蓋体と、外側面に形成した案内連結凹溝と、底
面に形成した嵌合凸部と、この嵌合凸部に対応すべく上
面に形成した嵌合凹溝とを備え、設置面に立設してある
柱体を外側面の案内連結凹溝内に案内挿入し、底面に形
成した嵌合凸部を、先に下段に設置してある納骨室本体
の上面に形成した嵌合凹溝内に嵌合して納骨室本体全体
を相互に縦横に積載連結して構成したことを特徴とする
土留壁兼納骨室ブロックの組付構造。