JPH0733784Y2 - 浴用気泡発生器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、温浴効果，洗浄効果，皮膚への刺激による健
康効果を得る目的で、気泡の混入した水流を浴湯内に吐
出する浴用気泡発生器に関するものである。

〈従来の技術〉 斯かる目的で用いられる従来の浴用気泡発生器は、第２
図に示すように、上部に把持部２が形設されて携帯でき
る形態となった本体ケース１を浴槽（図示せず）の浴湯
Ｗに浮かべた状態で使用するようになっており、この本
体ケース１の底面には、浴湯Ｗの吸入口３が開口されて
いるとともに、この吸入口３の上方位置の側面に、ノズ
ル４からなる吐出口５が設けられている。また、吸入口
３からノズル４に至る浴湯循環路に、ノズル４よりも十
分に径の大きい流通管６が配設され、この流通管６とノ
ズル４とによるベンチュリー効果により一般にアスピレ
ータ機構と称せられる吸気機構部が構成されているとと
もに、この吸気機構部の流通管６に通気管７が連通連結
され、この通気管７の上端の空気吸い込み孔部分には消
音球８が取り付けられ、この消音球８は浴湯Ｗに浮かべ
た状態で保持されて空気の吸い込み音を消す機能を有す
る。

そして、電源スイッチ（図示せず）を投入すると、バッ
テリ９からポンプ10の駆動モータ11に電源供給されてポ
ンプ10の羽根車12が回転駆動され、この羽根車12による
汲み上げ力により、吸入口３からフイルタ13およびポン
プ吸入口14を介してポンプ室15内に浴湯Ｗが吸い上げら
れ、吸気機構部の流通管６を通ってノズル４の吐出口５
から浴槽内に吐出される。この循環する水流による吸気
機構部の流通間６およびノズル４によるベンチュリー効
果により通気管７を通じて空気が吸引され、且つ流通管
６において浴湯Ｗと混合され、ノズル４の吐出口５から
気泡の混入した水流を吐出するようになっている。この
浴用気泡発生器は、吸入口３が吐出口５よりも下方に位
置する構成となっているので、運転中において吸入口３
からポンプ室15内に空気が混入する度合が極めて少な
く、この浴用気泡発生器を浴湯Ｗに浸漬させた時にポン
プ室15内の空気が吸入口３から流入する浴湯Ｗにより吐
出口５から円滑に押し出されて容易に空気と浴湯Ｗとの
入れ替えを行え、更に使用終了後に浴湯Ｗから持ち上げ
た時に内部に残留する浴湯Ｗが吸入口３から確実に流出
する等の利点がある。尚、図中の16は制御用の電気回路
部を示す。

〈考案が解決しょうとする課題〉 この浴用気泡発生器は、前述のように安定した性能を維
持できる構造を有する特長がある反面、気泡発生専用の
機能しか備えない難点がある。即ち、他の浴用電気機器
として、浴湯Ｗをこれに含有されている湯垢や髪毛等の
塵芥を除去して浄化する浴湯浄化器があり、この浴湯浄
化器も浴湯を吸い込んでフイルタを備えた循環路を流動
させた後に再び浴槽内に還元させる構成において前述の
浴用気泡発生器と同様であるにも拘わらず、該浴用気泡
発生器は吸入口３を本体ケース１の底面に備えているた
めに、主に湯面に浮遊している湯垢や髪毛等の塵芥を除
去することができない。

そこで、気泡発生と浴湯浄化の両機能を兼備させるため
に、第３図に示すような構成とすることを必然的に考え
つく。即ち、同図において第２図と同一符号は同一若し
くは同等のものであり、ポンプ吸入口14を、Ｌ字状の連
結管18に可動管19が出入自在に挿着されて全体として伸
縮自在となった浄化パイプ17に連通連結して、この浄化
パイプ17の吸込口20を、湯面の波動に応じた可動管19の
上下動により浴湯Ｗの湯面に位置させるようにし、湯面
に浮遊する湯垢や髪毛等を浄化パイプ17に吸い込んでフ
イルタ13で濾過し除去しょうとするものである。

然し乍ら、第３図の構成とすると、吸込口20が吐出口５
の上方に位置することによって第２図で述べた種々の特
長が消失する。つまり、本体ケース１を浴湯Ｗから持ち
上げた場合に、図示のようにポンプ室15内および浄化ポ
ンプ17内に浴湯Ｗが残留し、また、本体ケース１を浴湯
Ｗ内に浸漬させた時に、ポンプ室15内には吐出口５から
浴湯Ｗが入り込んでしまい、この浴湯Ｗに含有する髪毛
等の塵芥も一緒にポンプ室15内に入ってしまう不都合が
生じ、安定した性能を維持することができない。

更に、浄化パイプ17を小径にすれば、入浴者の動きによ
る浴湯Ｗの波動に応じて可動管19が上下動し、吸込口20
を湯面に保持することはできるが、吸入する浴湯Ｗに空
気が混入するために、吸水音が発生する問題がある。し
かも、フイルタ13の目詰り等に起因して吸水量が減少し
た場合には、可動管19が浴湯Ｗ内に沈下してしまい、場
面に浮遊する湯垢等を吸い込むことが出来なくなってし
まう。

本考案は、このような従来の問題点に鑑みてなされたも
のであり、常に安定した性能を維持できるとともに、吸
水音を発生することなく湯面に浮遊する湯垢等を確実に
除去できる機能を兼備した浴用気泡発生器を提供するこ
とを技術的課題とするものである。

〈課題を解決するための手段〉 本考案の浴用気泡発生器は、浴槽内の浴湯に浮かべられ
る本体ケースと、このケースの底面に設けられた湯入口
と、本体ケースの浴湯に浸漬する部分で湯入口よりも上
方位置に設けられ、噴出口が当該ケース外部に臨むノズ
ルと、本体ケースに内蔵され、吸入口が上記湯入口にフ
ィルタを通じて連通し、かつ、吐出側が流通管を通じて
ノズルに連通するポンプと、本体ケースの壁体を貫通し
て設けられ、一端が流通管の内部に連通し、他端が当該
ケースを浴湯に浮かした状態で湯面よりも上方に位置す
る通気管と、本体ケースの壁体を貫通して設けられ、中
間部にフィルタが接続された浄化パイプを備えており、
その浄化パイプは、本体ケースの上下に沿う方向に伸縮
自在で、その上端部に設けた吸込口が上下方向に変位し
得るよう構成されているとともに、このパイプの上端部
には吸込口の上方近傍位置に浮子体が設けられ、かつ、
当該浄化パイプの下方側の端部は流通管の内部へと連通
していることによって特徴づけらける。

〈作用〉 まず、気泡の発生は、先に述べたように、通気管が連通
する流通管とノズルで構成されるアスピレータにより、
空気が通気管を通じて流通管内に流入して浴湯に混合さ
れ、その気泡の混入した湯がノズルを通じて浴槽内へと
噴出するといったメカニズムで行われる。

ここで、本考案では、アスピレータを構成する流通管の
内部には浄化パイプの下端部も連通しているので、先の
気泡発生と同様なメカニズムにより、浴槽の湯面付近の
浴湯が、浄化パイプ内に吸い込まれパイプ途中のフィル
タにより湯垢や髪毛等の塵が除去された後にノズルを通
じて浴槽内へと噴出し、これにより浴湯が浄化される。
この時、浄化パイプの吸込口の高さレベルは浮子体の上
下に伴って変位するので、吸込口は、常に浴槽の湯面に
近い深さ位置に没入した状態が維持され、これにより、
浄化パイプへの空気の入り込みがなって吸水音が発生し
なくなる。

また、本考案では、本体ケースの底面に湯入口を設けて
いるので、本体ケースを浴槽の浴湯から持ち上げたとき
には、ポンプ及び浄化パイプ内の湯が湯入口から抜け
て、それらの内部に残留することがなく、また、本体ケ
ースを浴槽の浴湯に浸漬するときには、浴湯がケース底
面の湯入口から順次に押し上がってフィルタを通じてポ
ンプ内に流入するので、湯吐出側のノズルから浴湯がポ
ンプ内部へと入り込むことが殆どなく、これにより浴槽
の湯中の垢や髪毛等の塵がポンプ内に流入することを防
止できる。

〈実施例〉 以下、本考案の好ましい一実施例について図面を参照し
ながら詳細に説明する。

本考案の一実施例を示した第１図において、第２図と同
一若しくは同等のものには同一の符号を付してその説明
を省略する。そして、浄化用フイルタ26を中間部に配設
した硬質パイプからなるＬ字状の連結パイプ22に同様の
硬質パイプからなる可動管23が出入自在に挿入されてな
る浄化パイプ21を備え、この浄化パイプ21の下端部が流
動管６に連通連結され、この浄化パイプ21の上部が本体
ケース１から外部に突出され、この上端部つまり可動管
23の上端部に浮子体25が水密に固着されて閉塞されてい
るとともに、この浮子体25の下部に吸込口24が開口され
ている。

従って、気泡が混入した水流を吐出口５から吐出させる
作用は第２図の場合と全く同様であるのでその説明を省
略する。そして、気泡の混入した水流の吐出動作時に、
浴湯Ｗが流動することによって流通管６とノズル４とか
らなる吸気機構部に作用するベンチュリー効果によっ
て、通気管７を通じて空気を吸い込むとともに浄化パイ
プ21の吸込口24から湯面部分の浴湯Ｗを吸い込み、この
時、湯面に浮遊している湯垢や塵芥も共に浄化パイプ21
内に吸い込まれ、且つ浄化用フイルタ26で濾過されて除
去され、その後に流通管６で吸入口３からの浴湯Ｗと混
合されて吐出口５から吐出される。

浄化パイプ21の上端部は浮子体25によって水密に閉塞さ
れているとともに、この浮子体25の下方の吸込口24は、
可動管23が連結管22に出入りして浮子体25が湯面高さの
変化に拘わらず常に湯面に浮いていることによって、湯
面に近い浴湯Ｗ内に浸漬していることにより、空気を吸
い込むことがないので吸水音が発生しない。また、第３
図に示したようなポンプ10の汲み上げ力で湯面の浴湯Ｗ
を吸い込むのではなく、吸気機構部によるベンチュリー
効果を利用していることと、浄化パイプ21の先端に浮子
体25が取り付けられていることとにより、浄化パイプ21
の吸込口24が浴湯Ｗ内に沈下してしまうことがない。

〈考案の効果〉 本考案は以上のように構成し、且つ作用するので、以下
のような効果を奏する。即ち、本考案の浴用気泡発生器
によれば、フイルタと浮子体を有する伸縮自在の浄化パ
イプを付設する簡単な構成により、浴湯の浄化機能をも
兼備することができる。従って、気泡の混入した水流を
吐出させながら浴湯の浄化を行えるので、従来の浴湯等
の業務用だけでなく、一般家庭用に適したものとなる。
しかも、浄化パイプの吸込口の高さレベルは浮子体によ
って、常に浴槽の湯面に近い深さ位置に没入した状態が
維持されるので、浄化パイプでの吸水音の発生や吸込口
の浴湯中への沈下といった不具合が生じることもない。

ここで、本考案では、ポンプの吸入口に連通する湯入口
を本体ケースの底面に設けているので、本体ケースを持
ち上げたときにポンプ及び浄化パイプ内に浴湯が残留す
ることがなく、また、浴湯中への浸漬時に浴槽の湯中の
垢や髪毛等の塵がポンプ内へと入りこむことも殆どな
く、これにより安定したポンプ性能を維持できるといっ
た効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の縦断面図、 第２図は従来の浴用気泡発生器の縦断面図 第３図は本考案の特徴を説明するための参考図である。 １……本体ケース ３……吸入口 ４……ノズル（吸気機構部） ５……吐出口 ６……流通管（吸気機構部） ７……通気管 10……ポンプ 21……浄化ポンプ 24……吸込口 25……浮子体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】浴槽内の浴湯に浮かべられる本体ケース
   と、このケースの底面に設けられた湯入口と、上記本体
   ケースの浴湯に浸漬する部分で上記湯入口よりも上方位
   置に設けられ、噴出口が当該ケース外部に臨むノズル
   と、上記本体ケースに内蔵され、吸入口が上記湯入口に
   フィルタを通じて連通し、かつ、吐出側が流通管を通じ
   て上記ノズルに連通するポンプと、上記本体ケースの壁
   体を貫通して設けられ、一端が上記流通管の内部に連通
   し、他端が当該ケースを浴湯に浮かした状態で湯面より
   も上方に位置する通気管と、上記本体ケースの壁体を貫
   通して設けられ、中間部にフィルタが接続された浄化パ
   イプを備え、その浄化パイプは、上記本体ケースの上下
   に沿う方向に伸縮自在で、その上端部に設けた吸込口が
   上下方向に変位し得るよう構成されているとともに、こ
   のパイプの上端部には上記吸込口の上方近傍位置に浮子
   体が設けられ、かつ、当該浄化パイプの下方側の端部は
   上記流通管の内部へと連通していることを特徴とする浴
   用気泡発生器。