JPH07336976A - 永久磁石界磁同期電動機 - Google Patents

永久磁石界磁同期電動機

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JPH07336976A
JPH07336976A JP6128910A JP12891094A JPH07336976A JP H07336976 A JPH07336976 A JP H07336976A JP 6128910 A JP6128910 A JP 6128910A JP 12891094 A JP12891094 A JP 12891094A JP H07336976 A JPH07336976 A JP H07336976A
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JP
Japan
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rotor
magnetic poles
slots
synchronous motor
magnetic pole
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JP6128910A
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English (en)
Inventor
Yuichi Endo
裕一 遠藤
Shogo Azuma
省吾 東
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Fanuc Corp
Original Assignee
Fanuc Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁極数及びスロット数を変えることなくコギ
ングトルクの大きさを低減できるとともに安価に製造で
きる永久磁石界磁同期電動機を提供する。 【構成】 同期電動機10の回転子20は、軸12に固
定された回転子鉄心14と、回転子鉄心14の略円筒状
周面16に固定される8個の永久磁石18とを備える。
固定子22は、空隙24を介して回転子20を囲繞する
固定子鉄心26と、固定子鉄心26の略円筒状周面28
に、周方向へ等間隔に凹設された36個のスロット30
に設置される巻線32とを備える。各永久磁石18は、
回転子20の周方向へ均等な基準間隔で列設された標準
配置に対し、1磁極対を形成する2つの永久磁石が同基
準間隔(中心角a)を有して配置され、4個の磁極対
が、スロットのピッチ角度dの1/4に対応する間隔だ
け、基準間隔よりも小さい間隔(中心角b)と大きい間
隔(中心角c)とを交互的に有して配置される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は永久磁石界磁の同期電動
機に関し、特に、回転子の永久磁石によって形成される
磁極と固定子の巻線設置用スロットとを、スロットに起
因する磁束の乱れから不可避的に発生するコギングトル
クを低減可能な所定位置関係のもとに配置してなる同期
電動機に関する。
【0002】
【従来の技術】同期電動機において、複数の磁極を形成
する永久磁石を回転子鉄心に取付けてなる回転子と、空
隙を介して回転子に対向する固定子鉄心の略円筒状表面
に凹設された複数のスロットに巻線を配置してなる固定
子とを具備したものが知られている。この場合、各スロ
ットは固定子鉄心の略円筒状表面にて開口する。このよ
うな同期電動機では、その作動時すなわち回転子の回転
時に、スロット数に対応した回数のトルクの脈動、いわ
ゆるコギングトルクが発生する。コギングトルクは、回
転子と固定子との相対移動時に、永久磁石による磁極が
各スロットの開口の前方を横切る度に、磁極と固定子鉄
心との間に延びる界磁磁束の磁路が周期的に変化し、回
転子と固定子との間の空隙における磁束分布が乱れるこ
とに起因して生じる。
【0003】コギングトルクの発生周期及び個々のコギ
ングトルクの大きさは、同期電動機の磁極数及びスロッ
ト数に依存して決まる。例えば、回転子の全ての磁極に
固定子の各スロット開口が同一位相で対向する場合は、
回転子の回転中にスロット開口に起因する磁束分布の乱
れが全ての磁極において同時に生じるので、極めて大き
なコギングトルクが回転子の1回転の間にスロット数に
等しい回数だけ発生する。磁極とスロットとのこのよう
な位置関係は、磁極数の自然数倍のスロット数を有する
同期電動機において形成される。
【0004】また、サーボモータ等の動作精度を必要と
される同期電動機では、多層巻線形態を採用して、回転
子の隣接異磁極(N極とS極)からなる磁極対の個数の
奇数倍(すなわち磁極数の非自然数倍)の個数のスロッ
トを固定子に設け、固定子の各スロット開口がN極とS
極とに所定位相差(スロットのピッチ角度の1/2)を
有して対向するようにした構造が知られている。このよ
うな構造によれば、N極とS極とでコギングトルクの発
生時期がスロットのピッチ角度の1/2の位相角だけ規
則的にずれるので、回転子1回転当たりのコギングトル
クの発生回数がスロット数の2倍となり、同一位相で発
生する場合に比べて個々のコギングトルクの大きさが減
少する。
【0005】本願出願人は、軸の周囲に放射状に配置さ
れる複数の永久磁石及びそれら永久磁石間に1つずつ配
設されてそれぞれが磁極を形成する複数のヨーク(鉄心
片)を備えた回転子と、磁極数の自然数倍の個数を有す
る巻線設置用のスロットを備えた固定子とを具備した同
期電動機において、磁極数及びスロット数を変えること
なくコギングトルクの大きさを効果的に低減可能な同期
電動機を既に提案している(特開平5−137304号
公報参照)。この同期電動機では、例えば異なる周方向
厚みを有した永久磁石を各ヨーク間に交互的に配設する
ことにより、複数のヨークが、周方向への等間隔配置に
対し固定子のスロットのピッチ角度の1/4だけ隣接ヨ
ーク間で相互接近又は離反方向へ交互的にずらして配設
される。その結果、隣接する異磁極(N極とS極)にお
いてコギングトルクはスロットのピッチ角度の1/2の
位相角だけずれて発生するので、磁極数の非自然数倍の
スロット数を有する構造と同様に、個々のコギングトル
クの大きさを減少させることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特開平5−13730
4号公報に開示された同期電動機では、回転子における
ヨークの位置をずらすために異なる形状の永久磁石又は
ヨークが使用されるので、部品種類の増加により電動機
の製造コストが上昇する課題がある。また、磁極数の非
自然数倍のスロット数を有した同期電動機では、1磁極
対を形成する2つの磁極においてはコギングトルクの発
生時期が規則的にずれるものの、複数の磁極対を有する
場合に同じ極性の磁極群におけるコギングトルクの同時
性は解消されない。同期電動機による位置決め精度や送
り精度のさらなる高精度化が要求される今日の産業界で
は、このような非自然数倍スロット構造を有する同期電
動機においても、コギングトルクの変動幅をさらに可及
的に低減することが所望されている。しかしながら、非
自然数倍スロット構造を有する同期電動機に、磁極数の
自然数倍のスロット数を有した構造に対する解決策であ
る特開平5−137304号公報の技術を適用すると、
コギングトルクの発生時期のずれが結果的に失われて個
々のコギングトルクの大きさが増加してしまう場合があ
る。
【0007】本発明の目的は、永久磁石界磁同期電動機
において、作動時に生じるコギングトルクの大きさを磁
極数及びスロット数を変えることなく低減できるととも
に、従来の標準構造の電動機の構成部品をそのまま使用
することによりコスト上昇を回避でき、しかも磁極数の
非自然数倍のスロット数を有した構造にも適用できる同
期電動機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、回転子鉄心の略円筒状周面に、複数の磁
極を形成する永久磁石を固定してなる回転子と、固定子
鉄心の、空隙を介して永久磁石に対向する略円筒状周面
に、周方向へ等間隔に凹設された複数のスロットに、そ
れぞれ巻線を設置してなる固定子とを具備し、複数の磁
極は、それぞれが一対の隣接異磁極からなる複数の磁極
対を含み、回転子の周方向へ均等な基準間隔で列設され
た標準配置に対し、各々の磁極対においては一対の異磁
極が基準間隔で配置されるとともに、複数の磁極対が、
スロットのピッチ角度の1/8の角度だけ相互に接近方
向又は離反方向へ回転した位置に交互的にずれて配置さ
れることを特徴とする永久磁石界磁同期電動機を提供す
る。
【0009】上記構成において、永久磁石を、回転子鉄
心の略円筒状周面を包囲する1つの環状磁石から形成
し、着磁工程において環状磁石に対する複数の着磁位置
を周方向への等間隔位置から規則的にずらして着磁する
ことにより複数の磁極を形成することは好都合である。
【0010】
【作用】回転子の各々の磁極対における一対の異磁極
は、複数の磁極が回転子の周方向へ均等な基準間隔で列
設された標準配置に対し、そのままの基準間隔で配置さ
れる。したがって、スロット数が磁極対数の奇数倍すな
わち磁極数の非自然数倍であって固定子の各スロット開
口が一対の異磁極にスロットのピッチ角度の1/2の位
相差を有して対向する場合、回転子の1磁極対において
はコギングトルクの低減効果が標準配置の場合と同様に
得られる。すなわち、隣接する異磁極においてコギング
トルクはスロットのピッチ角度の1/2の位相角だけず
れて発生し、同一位相で生じる場合に比べて個々のコギ
ングトルクの大きさは減少する。
【0011】さらにその場合、複数の磁極対は標準配置
に対し、スロットのピッチ角度の1/8の角度だけ相互
に接近方向又は離反方向へ回転した位置に交互的にずれ
て配置されるので、隣接する磁極対の相互間隔は、スロ
ットのピッチ角度の1/4の角度に対応した間隔だけ基
準間隔から減少又は増加する。それにより、隣接する磁
極対においてコギングトルクはスロットのピッチ角度の
1/4の位相角だけずれて発生する。すなわち、隣接す
る磁極対の4つの磁極によるコギングトルクは、スロッ
トのピッチ角度の1/4の位相角だけそれぞれにずれて
発生する。したがって、回転子1回転当たりのコギング
トルクの発生回数は回転子全体としてスロット数の4倍
となり、1回転における個々のコギングトルクの大きさ
は標準配置のときに比べてさらに減少する。
【0012】スロット数が磁極数の自然数倍であって固
定子の各スロット開口が各磁極対の一対の異磁極に同一
位相で対向する場合は、回転子の1磁極対においては隣
接する異磁極でコギングトルクが同時に発生する。しか
しながら、隣接する磁極対においてコギングトルクはス
ロットのピッチ角度の1/4の位相角だけずれて生じる
ので、回転子1回転当たりのコギングトルクの発生回数
は回転子全体としてスロット数の2倍となり、個々のコ
ギングトルクの大きさは標準配置のときに比べて減少す
る。
【0013】いずれの場合も、回転子の複数の磁極は、
回転子鉄心の略円筒状周面に固定された永久磁石によっ
て形成されるので、標準構造の同期電動機における回転
子鉄心と永久磁石をそのまま使用して、回転子鉄心の略
円筒状周面における各磁極の位置を周方向へずらすだけ
で、上記構成を得ることができる。特に、環状磁石を使
用して、着磁工程において環状磁石に対する着磁位置を
ずらすことにより複数の磁極を形成することは、回転子
表面への永久磁石の取付け及び位置決め作業が簡略化さ
れる点で有利である。
【0014】
【実施例】以下、添付図面を参照して、本発明をその実
施例に基づきさらに詳細に説明する。図1は、本発明の
第1実施例による同期電動機10を断面で示す。同期電
動機10は、軸12に固定された回転子鉄心14と、回
転子鉄心14の略円筒状周面16に固定される複数(図
示実施例では8個)の永久磁石18とから形成される回
転子20を備える。また同期電動機10の固定子22
は、空隙24を介して回転子20を囲繞する固定子鉄心
26と、固定子鉄心26の、永久磁石18に対向する略
円筒状周面28に、周方向へ等間隔に凹設された複数
(図示実施例では36個)のスロット30にそれぞれ2
層巻の形態で設置される巻線32とから形成される。こ
のように図1の同期電動機10は、8極36スロットの
非自然数倍スロット構造を有する。
【0015】回転子20の回転子鉄心14及び複数の永
久磁石18は、永久磁石を周方向へ等間隔に列設した従
来技術による標準配置の回転子と同じものを使用でき
る。隣合う永久磁石18は互いに異なる磁極(N極又は
S極)を形成し、空隙24における永久磁石18による
磁束密度は周方向へ略正弦波状に分布する。図示実施例
では、各永久磁石18による磁束分布の1周期(電気角
360°)は回転子20の回転角90°に相当する。回
転子20が回転すると、空隙24における永久磁石18
による磁束分布は、固定子鉄心26の周面28における
各スロット30の開口に起因してその正弦波形に周期的
な乱れを生じ、それにより不可避的にコギングトルクが
発生する。
【0016】図示実施例では、各永久磁石18は、回転
子鉄心14の略円筒状周面16に密接する内面18a
と、内面18aに略平行に延びて固定子22のスロット
30に対向する外面18bとを備える。なお、空隙24
における磁束分布を理想正弦波に近似させるために、永
久磁石18の周方向両縁部を中心部よりも薄肉にして外
面18bを半径方向外方へ弧状に膨出させることもでき
る。また、周知のように永久磁石18を、回転子鉄心1
4の周面16上で回転子20の軸線に関して斜めに延び
る形状とすることもできる。
【0017】同期電動機10において、回転子20の隣
合う一対の異磁極(N極及びS極)からなる1磁極対を
形成する2つの永久磁石(例えば永久磁石181,18
2)は、回転子の周方向へ均等な基準間隔で列設された
標準配置に対し、同基準間隔(中心角a)を相互間に有
して配置される。なお基準間隔に対応する角度aは、本
実施例では0°<a<45°の範囲で任意に設定できる
が、永久磁石18による充分な磁束密度を得るために好
ましくは0°<a<10°、さらに好ましくは0°<a
<5°の範囲で設定される。
【0018】さらに、回転子20の複数(図示実施例で
は4個)の磁極対は、回転子の周方向へ均等な基準間隔
で列設された標準配置に対し、スロットのピッチ角度d
の1/8の角度だけ相互に接近方向又は離反方向へ回転
した位置に交互的にずれて配置される。その結果、例え
ば4つの永久磁石181,182,183,184から
なる隣合う2つの磁極対は、スロットのピッチ角度dの
1/4の角度に対応した間隔だけ基準間隔(中心角a)
よりも小さい間隔(中心角b)を相互間に有して配置さ
れる。また、例えば4つの永久磁石183,184,1
85,186からなる隣合う2つの磁極対は、スロット
のピッチ角度dの1/4の角度に対応した間隔だけ基準
間隔(中心角a)よりも大きい間隔(中心角c)を相互
間に有して配置される。このように、中心角bに対応す
る小間隔と中心角cに対応する大間隔とが周方向へ交互
に形成されるように、全ての磁極対が回転子鉄心14の
周面16上で位置決めされる。なお上記の角度a,b,
c,dは、図示実施例ではそれぞれa=4°,b=1.
5°,c=6.5°,d=10°である。
【0019】上記構成を有する同期電動機10におい
て、回転子20の回転時に、1つの永久磁石18による
空隙24における磁束分布は、固定子鉄心26の周面2
8における各スロット30の開口に起因して、その正弦
波形に1周期に9回(すなわち電気角40°につき1
回)の乱れを生じる。1磁極対を形成する2つの永久磁
石(例えば永久磁石181,182)においては、この
乱れが電気角20°の位相差を有して生じる。さらに、
隣合う2つの磁極対においては、磁束分布の乱れが、ス
ロットのピッチ角度dの1/4の幾何角に相当する電気
角10°の位相差を有して生じる。したがって同期電動
機10においては、隣合う2つの磁極対を形成する4つ
の永久磁石(例えば永久磁石181,182,183,
184)により、回転子20の回転時に電気角10°す
なわち回転角2.5°につき1回づつのコギングトルク
が発生する。なお、これら2つの磁極対と他の2つの磁
極対とでは、磁束分布の乱れが同一位相で生じる。この
ようにして、同期電動機10においては、回転子20が
1回転する間に、スロット数の4倍である144回のコ
ギングトルクが発生し、標準配置の場合に比べて個々の
コギングトルクの大きさがさらに減少する。
【0020】図2は、本発明の第2実施例による同期電
動機34を示す。同期電動機34は、図1の同期電動機
10の固定子22と同様の構成を有する固定子36を備
える。したがって固定子36の固定子鉄心38には、そ
れぞれに巻線40を収容する36個のスロット42が形
成される。同期電動機34の回転子44は、軸46に固
定された回転子鉄心48と、回転子鉄心48の略円筒状
周面50に固定される4個の永久磁石52とから形成さ
れる。このように同期電動機34は、4極36スロット
の自然数倍スロット構造を有する。なお同期電動機34
では、各永久磁石52による磁束分布の1周期(電気角
360°)は回転子44の回転角180°に相当する。
【0021】同期電動機34では、回転子44の隣合う
一対の異磁極(N極及びS極)からなる1磁極対を形成
する2つの永久磁石(例えば永久磁石521,522)
は、回転子の周方向へ均等な基準間隔で列設された標準
配置に対し、同基準間隔(中心角e)を相互間に有して
配置される。基準間隔に対応する角度eは0°<e<9
0°の範囲でやはり任意に設定できる。
【0022】さらに、回転子44の2個の磁極対は、回
転子の周方向へ均等な基準間隔で列設された標準配置に
対し、スロットのピッチ角度hの1/8の角度だけ相互
に接近方向又は離反方向へ回転した位置に交互的にずれ
て配置される。その結果、4つの永久磁石521,52
2,523,524からなる隣合う2つの磁極対は、ス
ロットのピッチ角度hの1/4の角度に対応した間隔だ
け、一方(永久磁石522と永久磁石523との間)に
おいては基準間隔(中心角e)よりも大きい間隔(中心
角f)を相互間に有し、かつ他方(永久磁石521と永
久磁石524との間)においては基準間隔(中心角e)
よりも小さい間隔(中心角g)を相互間に有して配置さ
れる。したがって回転子44においても、中心角fに対
応する大間隔と中心角gに対応する小間隔とが周方向へ
交互に形成されるように、全ての磁極対が回転子鉄心4
8の周面50上で位置決めされる。なお上記の角度e,
f,g,hは、図示実施例ではそれぞれe=12.5
°,f=15°,g=10°,h=10°である。
【0023】上記構成を有する同期電動機34におい
て、回転子44の回転時に、1つの永久磁石52による
磁束分布は各スロット42の開口に起因して、その正弦
波形に1周期に18回(すなわち電気角20°につき1
回)の乱れを生じる。1磁極対を形成する2つの永久磁
石(例えば永久磁石521,522)においては、この
乱れが同時に生じる。さらに、2つの磁極対において
は、磁束分布の乱れが、スロットのピッチ角度dの1/
4の幾何角に相当する電気角5°の位相差を有して生じ
る。したがって同期電動機34においては、4つの永久
磁石521,522,523,524により、回転子4
4の回転時に電気角15°及び5°、すなわち回転角
7.5°及び2.5°につき交互的に1回づつのコギン
グトルクが発生する。このようにして、同期電動機34
においては、回転子44が1回転する間に、スロット数
の2倍である72回のコギングトルクが発生し、標準配
置の場合に比べて個々のコギングトルクの大きさが減少
する。
【0024】図3は、本発明の第3実施例による同期電
動機に使用される回転子54を、着磁装置の鉄心部56
と共に示す。回転子54は、軸58に固定された回転子
鉄心60と、回転子鉄心60の略円筒状周面62を包囲
して周面62に固定される1個の環状永久磁石64とか
ら形成される。回転子54の環状永久磁石64には、着
磁工程によって所望個数の磁極部分が形成される。図示
実施例では、着磁装置によって環状永久磁石64に8個
の磁極が形成され、この回転子54を例えば図1に示す
36個のスロット30を有した固定子22と組合わせる
ことにより、8極36スロットの非自然数倍スロット構
造を有する同期電動機が構成される。
【0025】着磁装置の鉄心部56は、回転子54を収
容する略円柱状空間を有し、この空間に向けて半径方向
内方に延びる複数(図示実施例では8個)の突起66を
備える。各突起66の先端面68は、図示断面において
同一円上に配置され、略円柱状空間に収容された回転子
54の環状永久磁石64に空隙を介して対向する。各突
起66には、回転子54の環状永久磁石64を着磁する
ための巻線70が巻設される。着磁工程において、各巻
線70に通電して各突起66を交互に異なる極性に励磁
すると、環状永久磁石64の突起先端面68に対向する
部分が着磁され、それにより回転子54に8個の磁極が
周方向へ所定間隔で形成される。
【0026】着磁装置の鉄心部56の各突起66はいず
れも同一の周方向寸法を有し、環状永久磁石64に形成
される磁極も略同一の周方向寸法を有する。また8個の
突起66は、鉄心部56の周方向へ均等な基準ピッチ角
度で列設された標準配置に対し、基準ピッチ角度iで配
置された2つの突起66からなる4つの組に区分でき、
隣合う組の間には基準ピッチ角度iより大きいピッチ角
度jと基準ピッチ角度iより小さいピッチ角度hとが交
互的に形成される。ピッチ角度iとピッチ角度j及びピ
ッチ角度kとの差は、回転子54が適用される固定子の
スロットピッチ角度の1/4に相当する。図示実施例で
は回転子54を図1の固定子22と組合わせるために、
突起66の各ピッチ角度はそれぞれi=45°,j=4
7.5°,k=42.5°に設定される。
【0027】このような構成を有する着磁装置によって
回転子54の環状永久磁石64を着磁すると、環状永久
磁石64には、その周方向へ均等な基準間隔で列設され
た標準配置に対し、基準間隔で配置される一対の異磁極
からなる4つの磁極対が形成されるとともに、それらの
磁極対が、回転子54が適用される固定子のスロットピ
ッチ角度の1/8の角度だけ相互に接近方向又は離反方
向へ回転した位置に交互的にずれて配置される。したが
って図示実施例では、環状永久磁石64に形成される隣
合う2つの磁極対は、図1の固定子22のスロットピッ
チ角度の1/4(2.5°)に対応する間隔だけ、基準
間隔よりも小さい間隔と大きい間隔とを交互的に有して
配置される。なお、磁極間の基準間隔は、着磁装置の鉄
心部56において基準ピッチ角度iで配置された2つの
突起66の両先端面68の間隔に対応して画定される。
【0028】上記のような磁極配置を有する回転子54
が、図1及び図2に示した回転子20,44と同等のコ
ギングトルクの低減作用を発揮することは明らかであ
る。また、環状永久磁石64を使用すると、回転子54
に形成された隣合う磁極間の間隔が不明瞭であることに
よる磁束分布への影響が懸念されるが、磁極数に相当す
る個数の永久磁石を回転子鉄心に固定する回転子20,
44等の構造に比べて、永久磁石の固定作業が迅速かつ
容易になる利点がある。
【0029】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、回転子鉄心の周面に永久磁石を固定してなる回転子
を有した同期電動機の、永久磁石によって形成される複
数の磁極を、回転子の周方向へ均等な基準間隔で列設さ
れた標準配置に対し、各磁極対においては一対の異磁極
を基準間隔で配置するとともに、複数の磁極対をスロッ
トのピッチ角度の1/8の角度だけ相互に接近方向又は
離反方向へ回転した位置に交互的にずらして配置するこ
とにより、隣合う磁極対におけるコギングトルクの発生
時期を規則的にずらし、以て個々のコギングトルクの大
きさを縮小する構成とした。したがって、従来の標準配
置構造の同期電動機に使用された回転子鉄心及び永久磁
石をそのまま使用でき、電動機の製造コストの上昇を回
避することができる。しかも、磁極数の非自然数倍のス
ロット数を有した構造にも適用可能であり、その場合も
磁極数及びスロット数を変えることなく極めて容易な手
段によりコギングトルクの大きさをさらに低減させるこ
とができる。したがって本発明によれば、同期電動機の
動作精度を一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による同期電動機の断面図
である。
【図2】本発明の第2実施例による同期電動機の断面図
である。
【図3】本発明の第3実施例による同期電動機に使用さ
れる回転子を、着磁装置の鉄心部と共に示す断面図であ
る。
【符号の説明】
12,46,58…軸 14,48,60…回転子鉄心 18,52,64…永久磁石 20,44,54…回転子 22,36…固定子 30,42…スロット 32,40…巻線 54…鉄心部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転子鉄心の略円筒状周面に、複数の磁
    極を形成する永久磁石を固定してなる回転子と、 固定子鉄心の、空隙を介して前記永久磁石に対向する略
    円筒状周面に、周方向へ等間隔に凹設された複数のスロ
    ットに、それぞれ巻線を設置してなる固定子とを具備
    し、 前記複数の磁極は、それぞれが一対の隣接異磁極からな
    る複数の磁極対を含み、前記回転子の周方向へ均等な基
    準間隔で列設された標準配置に対し、各々の該磁極対に
    おいては一対の異磁極が該基準間隔で配置されるととも
    に、複数の該磁極対が、前記スロットのピッチ角度の1
    /8の角度だけ相互に接近方向又は離反方向へ回転した
    位置に交互的にずれて配置されることを特徴とする永久
    磁石界磁同期電動機。
  2. 【請求項2】 前記永久磁石は前記回転子鉄心の略円筒
    状周面を包囲する1つの環状磁石からなり、着磁工程に
    おいて該環状磁石に対する複数の着磁位置を周方向への
    等間隔位置から規則的にずらして着磁することにより前
    記複数の磁極を形成した請求項1に記載の永久磁石界磁
    同期電動機。
JP6128910A 1994-06-10 1994-06-10 永久磁石界磁同期電動機 Pending JPH07336976A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100368591B1 (ko) * 2000-06-22 2003-01-24 삼성광주전자 주식회사 모터의 소음 감소 장치 및 균형 유지 장치
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