JPH0733652U - 印刷用メタルマスク取付装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】メタルマスクと印刷用枠とが容易に分離でき、
かつメタルマスクに均一な張力をかけることのできる印
刷用メタルマスク取付装置を提供。 【構成】メタルマスク１に分割されて取り付けられた取
付ブロック２と、印刷用枠３に回動自在に分割されて取
り付けられバネ８により付勢された可動ブロック５とを
係合させ、均一な張力を得ることができる。また、ピン
１５により可動ブロック５を回動させることによって、
メタルマスク１と印刷用枠３とを容易に分離できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、部品が取付けられるプリント配線基板のパターン部分のみにクリー ム半田を塗布するために使用されるメタルマスクを、印刷用枠に取り付けた印刷 用メタルマスク取付装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

プリント配線基板には集積回路（ＩＣ）などのように多数のピンを有する表面 実装形の部品が実装されるが、このような集積回路のピンはプリント配線基板に 半田で取付けられる。１枚のプリント配線基板には多数のＩＣが搭載されること が多いが、このような場合、ピンの位置に相対する部分を開口したメタルマスク を用いて、丁度型板を用いて字を描くように、クリーム半田をプリント配線基板 の集積回路のピンを取付ける位置に塗布する方法が用いられている。

【０００３】 このような方法でクリーム半田を塗布するためには、半田付けする集積回路の ピンの位置と相対する位置に開口を設けたメタルマスクを作成し、このメタルマ スクを印刷機（クリーム半田を塗布する装置をこのように言う）に取付け、たわ まないよう一定の張力をかけて取付ける必要がある。

【０００４】 この取付方法として従来よく行われている方法を図５を用いて説明する。まず （ａ）に示すように四角形の４辺を角形の断面の部材で枠組した印刷用枠２に、 テフロン等の弾力性のある織物２１を一定の張力をかけて接着剤で張り付ける。 次に（ｂ）に示すように印刷用枠２の基準位置にメタルマスク１の基準位置を合 わせて、メタルマスク１の外縁に接着剤を塗布し、織物２１の上に接着する。（ ｃ）は（ｂ）のＸ−Ｘ断面を示す。接着剤が硬化した後に（ｄ）に示すようにメ タルマスク１の印刷パターンを覆う織物２１の部分を切り取る。これによりメタ ルマスク１には、切り取られた織物にかかっていた張力が加わるようになる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、このような方法でメタルマスク１を印刷用枠２に取付ける場合、次の ような問題があった。 メタルマスクは印刷用枠に接着剤で固着されているため取り外しができない。 そのうえ、メタルマスクは何回も使用するため、使用後も保管しておくが、印 刷用枠が大きなスペースを必要とするため、収納スペースが大きく、さらにその 出し入れなどに手間がかかる。 メタルマスクを織物に固定するのに接着剤を用いるが、硬化するまでに時間が かかる。 織物を印刷用枠に一定の張力をかけて張り付けるが、この張り付けには専用の 設備が必要となる。 メタルマスクに表わされた印刷パターンの修正、変更は、メタルマスクが印刷 用枠に固着されているため、メタルマスクを剥がして行わなければならない。こ のため、再度貼り直し作業を行う必要がある。

【０００６】 本考案は上述の問題点に鑑みてなされたもので、メタルマスクと印刷用枠とを 容易に分離することのできる印刷用メタルマスク取付装置を提供することを目的 とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案の印刷用メタルマスク取付装置では、メタル マスク１の各辺に取り付けられる取付ブロック２がそれぞれ複数に分割され、こ の取付ブロック２とそれぞれ噛み合うように可動ブロック５が分割されて印刷用 枠２に回動可能に取り付けられており、この可動ブロック５はバネ８により印刷 用枠２の外側方向に付勢され、ピン１５によってこのバネ８の付勢方向に抗して 回動されるようになっている。

【０００８】

【作用】

バネによって印刷用枠の外側方向に付勢されている可動ブロックと、メタルマ スクの各辺に取り付けられた取付ブロックとを噛み合わせることにより、バネの 付勢力によってメタルマスクを外周方向へ引っ張る。可動ブロックと取付ブロッ クはそれぞれ複数に分割されて、個々にバネが取り付けられているため、張力を 均一にすることが可能である。 また、印刷用枠からメタルマスクを取り外す場合は、印刷用枠の外側からピン により可動ブロックをバネに抗する方向に回動させて、可動ブロックと取り付け ブロックとの噛み合わせを解除させる。このため、短時間に容易に印刷用枠から メタルマスクを分離できる。また、メタルマスクは取付ブロックを取り付けた状 態、または、単体で保管ができるので保管スペースも少なくてすみ、管理も容易 になる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面を参照して説明する。 図１は、本考案の実施例の構成部品を示す図であり、図２は、引張機構部３を 示す断面図である。 メタルマスク１は、四角形のステンレス製等の薄い板で、プリント基板に実装 される部品のハンダ付け位置に対応した位置にクリーム半田塗布用の開口が設け られ、張力がかけられる各辺には取付ブロック４に固定するためのネジ１２用の 穴１４が設けられている。

【００１０】 印刷用枠２は、角パイプにより四角形に形成され、メタルマスク１より大きい 内法寸法を有している。

【００１１】 引張機構部３は、取付ブロック４、可動ブロック５、シャフト６、バネ用ポス ト７、バネ８、支柱９、ナット１１とから構成される。 取付ブロック４は、円弧の部分が飛行機の翼のように流線型をなして、メタル マスク１の各辺に対応するように４組設けられ、さらに各組がそれぞれ６分割さ れている。分割の数はメタルマスク１の大きさにより適宜変えられる。個々の取 付ブロック４には、流線型の円弧の一部が直線となっている面にメタルマスク１ を取り付けるためのネジ穴１０が設けられている。メタルマスク１は、このネジ 穴１０にメタルマスク１の穴１４が位置合わせされ、ネジ１２およびクランプ板 １３を介して取り付けられる。 取付ブロック４の弦の部分には可動ブロック５と噛み合わされる段差部分４ａ が設けられている。

【００１２】 可動ブロック５は、取付ブロック４と噛み合わされるための段差部分５ａを有 し、取付ブロック４に対応するように４組に分けられ、さらに各組がそれぞれ６ 個に分割されており、シャフト６を軸として個別に回動可能に連結されている。 それぞれの可動ブロック５には、シャフト６と直交する方向にバネ用ポスト７ がナット１１により固定される。可動ブロック５を連結したシャフト６の両端は 、それぞれ印刷用枠２の内側四隅に設けられたコーナーブロック１９に固設され る。印刷用枠２を矩形にするために四隅に支点となる直角のコーナーブロック１ ９を配したことにより、シャフト６の固設ができるとともに正確な寸法の印刷用 枠２が製作可能である。

【００１３】 シャフト６がコーナーブロック１９に固設されると、バネ用ポスト７のナット １１が固定された側の反対端は、印刷用枠２の内壁にあけられた逃げ穴１８を通 って、印刷用枠２の角パイプの内部に配置される。バネ用ポスト７のナット１１ が固定された側の反対端は、印刷用枠２の角パイプの内部に設けられた支柱９に 一端が固定されたバネ８の他端と固定される。

【００１４】 ピン１５は、ピン固定ブロック１６にそれぞれの可動ブロック５と対応するよ うに固定され、それぞれの可動ブロック５を印刷用枠２の外側から内側方向へ回 動させるように印刷用枠２にあけられた穴１７に挿入される。

【００１５】 次に、本実施例の動作として、まず、メタルマスク１を印刷用枠２に取り付け る場合を説明する。 メタルマスク１への取付ブロック４の取り付けは、取付ブロック４の流線型の 一部をなす直線部分のネジ穴１０にメタルマスク１の穴１４を合わせ、クランプ 板１３とネジ１２により行われる。この段階では、メタルマスク１はフラットな 状態を保っている。このようにメタルマスク１は印刷用枠２から外された状態で はフラットなので折り曲げ加工が不要であり、加工性が良い。

【００１６】 印刷用枠２の一辺に対し６個に分割された可動ブロック５は、バネ用ポスト７ と印刷用枠２内に固定された支柱９とがバネ８で連結されていることにより、印 刷用枠２の外側方向へそれぞれ引っ張られているが（矢印Ａ）、ピン固定ブロッ ク１６により固定されたピン１５が図示しない油圧シリンダ等で印刷用枠２の外 から内へ挿入されることにより、可動ブロック５がシャフト６を軸として印刷用 枠２の内側方向へ回動する（図３）。この状態において、メタルマスク１の各辺 に取り付けられた取付ブロック４の段差部分４ａと、印刷用枠２の内側各辺に取 り付けられた可動ブロック５の段差部分５ａとの位置を合わせる。 ここで、図２に示すようにピン１５が印刷用枠２の外側へ引き出されると（矢 印Ｂ）、可動ブロック５はバネ８により印刷用枠２の外側方向へ付勢され、可動 ブロック５と取付ブロック４とは噛み合った状態で回動する（矢印Ｃ）。可動ブ ロック５と取付ブロック４とが回動すると、メタルマスク１に張力が加えられる 。この張力は個々のバネ８の強さおよび個々のナット１１の締め付け具合により 容易に調整することが可能である。 このように、引張機構部３の可動ブロック５を分割した構成にし、それぞれの 可動ブロック５をバネ８で個別に付勢して調整可能とし、シャフト６を中心とし た回動運動にしたので、メタルマスク１に歪みを発生させることなく簡単な構造 で均一な張力を得ることができる。 また、可動ブロック５が取付ブロック４と噛み合った状態で回動すると、取付 ブロック４の円弧部分の軌跡は、シャフト６を中心とする円周上にあり、印刷用 枠２の下面より飛び出さない。当初フラットな状態であったメタルマスク１は、 取付ブロック４の円弧の部分に沿って曲げられ、それに伴いネジ１２の頭は印刷 用枠２の下面より上側へ入り込み、メタルマスク１の面より飛び出さない。この ように可動ブロック５の回動によってメタルマスク１の張力が得られるとともに メタルマスク１の取り付け高さは印刷用枠２の下面の高さと常に同一となる。 このようにして組み立てられた印刷用枠２は、プリント配線基板２０の上に位 置決めされて載せられ、クリーム半田の塗布が行われる。

【００１７】 次に、メタルマスク１を印刷用枠２から取り外す場合を説明する。 図２に示すように、ピン固定ブロック１６により固定されたピン１５が、図示 しない油圧シリンダ等で印刷用枠２の外から内へ挿入されることにより（矢印Ｄ ）、可動ブロック５がバネ８の付勢力に抗してシャフト６を軸として印刷用枠２ の内側方向へ回動する。可動ブロック５と噛み合っていた取付ブロック４は、可 動ブロック５とともに回動し、段差部分４ａが段差部分５ａから解放される（矢 印Ｅ）。 取付ブロック４が取り付けられているメタルマスク１は、段差部分４ａが解放 されて取付ブロック４の円弧の部分に沿って曲げられていた状態からフラットの 状態になり、印刷用枠２から取り外される。 このように、可動ブロック５と取付ブロック４を段差部分による噛み合わせに よってメタルマスク１の張力を保持しているので、ピン１５による押し込み操作 だけで可動ブロック５から取付ブロック４を解放し、メタルマスク１を印刷用枠 ２から取り外すことができる。

【００１８】

【発明の効果】

以上の説明より明らかなように、本考案は、可動ブロックと取付ブロックを利 用して、メタルマスクに張力をかけて取り付けるので次のような効果を有する。 メタルマスクと印刷用枠の取付、取外しが容易にできるため、印刷後のメタル マスクの洗浄、保管、追加加工が容易にできる。 メタルマスクの対向する２辺または４辺を分割された可動ブロックと取り付け ブロックを用いて互いに引っ張ることにより、メタルマスクにかかる張力を歪み を発生させることなく均一にかけることができる。 メタルマスクを接着剤で張り付ける作業がなくなり、製作が容易となり短時間 で製作できる。 メタルマスクを取外した印刷用枠は他のメタルマスクの印刷に流用できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の構成部品を示す図である。

【図２】張力機構部の断面を示す図である。

【図３】メタルマスクが印刷用枠から外された状態を示
す図である。

【図４】メタルマスクを印刷用枠から外す状態を示す図
である。

【図５】従来のメタルマスク取り付け方法を説明する図
である。

【符号の説明】

１ メタルマスク。 ２ 枠。 ３ 張力機構部。 ４ 取付ブロック。 ５ 可動ブロック。 ６ シャフト。 ８ バネ。 １５ ピン。 ２０ プリント配線基板。 ２１ 織物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】メタルマスク（１）と、該メタルマスクに
   張力を与える引張機構部（３）と、該引張機構部が配設
   された印刷用枠（２）とを有する印刷用メタルマスク取
   付装置において、 前記引張機構部が、前記メタルマスクの各辺に分割され
   て取り付けられる複数の取付ブロック（４）と、該取付
   ブロックと対応して係合するように分割され前記印刷用
   枠に回動可能に取り付けられる複数の可動ブロック
   （５）と、個々の該可動ブロックを前記印刷用枠の外側
   方向に付勢する複数の付勢手段（８）と、該付勢手段の
   付勢力に抗して個々の可動ブロックを回動させるための
   複数の回動手段（１５）とを備えたことを特徴とする印
   刷用メタルマスク取付装置。