JPH07335545A - 半導体薄膜の製造方法 - Google Patents

半導体薄膜の製造方法

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JPH07335545A
JPH07335545A JP6132114A JP13211494A JPH07335545A JP H07335545 A JPH07335545 A JP H07335545A JP 6132114 A JP6132114 A JP 6132114A JP 13211494 A JP13211494 A JP 13211494A JP H07335545 A JPH07335545 A JP H07335545A
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film
amorphous semiconductor
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景一 佐野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 非晶質半導体材料を出発材料として結晶粒径
が大粒径化した多結晶構造の半導体薄膜の製造方法を提
供する。 【構成】 基板1上に非晶質SiGe膜2を形成した
後、さらにGeH4 ガスを導入しプラズマCVD法によ
りGe微結晶分散層3を形成する。さらに、非晶質Si
Ge膜4を形成した後、アニール処理を施し、非晶質S
iGe膜2、4を固相成長させて多結晶SiGe膜5を
形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば太陽電池の光電
変換材料などに好適な半導体薄膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体薄膜、例えば多結晶シリコン薄膜
は、光起電力素子などにおいて光電変換層として用いら
れている。このような光起電力素子においては光電変換
効率の向上が求められており、光電変換効率を向上させ
るための1つの手段として、薄膜多結晶シリコンにおけ
る結晶粒を大粒径化し、薄膜内におけるキャリア移動度
を高めることが必要とされている。
【0003】従来、多結晶シリコンなどの半導体薄膜の
製造方法として、いわゆる固相成長法が知られている。
この方法は、基板上に非晶質層を形成した後、この非晶
質層に熱処理を施して結晶化させるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ように、均質な非晶質半導体材料を出発材料に用いて固
相成長を行わせる方法では、非晶質半導体材料の結晶成
長温度が高いため、高温の熱処理を施す必要があった。
このような高温プロセスは、半導体薄膜を用いたデバイ
スの製造プロセスにおいて、他層の特性に影響を与える
場合があり、好ましいものではない。また、結晶成長は
核を中心に生じるが、従来の固相成長法では、バルク中
で核がランダムに発生する。このため、この核の発生位
置を制御し、粒径の大きい多結晶層を製造することが困
難であるという問題があった。
【0005】従って、本発明は、非晶質半導体材料を出
発材料として結晶粒径が大粒径化した多結晶構造を有す
る半導体薄膜を製造する方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による半導体薄膜
の製造方法は、非晶質半導体層を形成した後、固相成長
法により結晶化させるものであり、Geの微結晶層を分
散した状態で含むGe微結晶分散層と非晶質半導体層と
を隣接して形成した後に、この非晶質半導体層を固相成
長法により結晶化させることを特徴とするものである。
【0007】本発明のより限定された局面に従う半導体
薄膜の製造方法において、Ge微結晶分散層は、水素希
釈されたGeH4 ガスを用いたプラズマCVD法により
形成される。
【0008】さらに、本発明のより限定された局面に従
う半導体薄膜の製造方法において、Ge微結晶分散層の
Ge微結晶粒の空間分布密度は、プラズマCVD法にお
いて基板温度、水素希釈率及び高周波パワーを調整する
ことによって制御される。
【0009】さらに、本発明の他の局面に従う半導体薄
膜の製造方法において、非晶質半導体層は、下地層の上
に形成され、Ge微結晶分散層は、下地層と非晶質半導
体層との間、非晶質半導体層の表面上及び第1非晶質半
導体層と第2非晶質半導体層との間の何れかの位置に形
成されるものである。
【0010】
【作用】本発明の半導体薄膜の製造方法において、Ge
微結晶分散層に含まれるGeの微結晶は、固相成長時の
種結晶として作用する。従って、Ge微結晶分散層中の
Ge微結晶の粒径あるいは分布密度を制御することによ
って粒径の大きい均質な結晶化した半導体薄膜を製造す
ることができる。また、Ge微結晶を種結晶とする固相
成長は、従来の方法に比べて低い温度で結晶成長が行わ
れることが判明した。
【0011】さらに、Ge微結晶分散層は、プラズマC
VD法を用いて製造される。このGe微結晶層は基板温
度がほぼ300℃以上で形成され、GeH4 ガスの水素
希釈率が大きくなるほど、また高周波(RF)パワーが
減少するほどGe微結晶粒の空間分布密度が減少する。
従って、基板温度、水素希釈率及び高周波パワーを適宜
設定することにより、Ge微結晶粒の空間分布密度を制
御することができ、ひいては結晶化した半導体薄膜の結
晶粒の平均結晶粒径を所望の値に設定することができ
る。
【0012】
【実施例】本発明の実施例における半導体薄膜の製造方
法は、非晶質膜を出発材料とし、Ge微結晶を種結晶と
して非晶質膜を固相成長させて多結晶膜を製造するもの
である。図1(a)〜(c)は、この製造工程を模式的
に示した図である。
【0013】図1(a)に示すように、まず、基板1の
表面上に非晶質層2を形成する。次に、非晶質層2の表
面上にGe微結晶が分散して含まれるGe微結晶分散層
3を形成する。
【0014】さらに、図1(b)に示すように、Ge微
結晶分散層3の表面上に非晶質層4を形成する。そし
て、図1(c)に示すように、全体をアニール処理し、
非晶質層2,4を固相成長させて多結晶層5を形成す
る。
【0015】以下では、上記製造工程の諸条件について
具体例を用いて説明する。なお、以下では、非晶質膜と
して非晶質SiGe膜を用いた場合の例を示す。
【0016】・非晶質膜2の形成工程 まず、例えば金属、絶縁材料あるいは半導体材料などか
らなる基板1の表面上にプラズマCVD法を用いて非晶
質Si0.5 Ge0.5 膜2を形成する。形成条件は以下に
示す通りである。 反応温度・・・300℃(250〜350℃) RFパワー・・・30W(5〜50W) 圧力・・・0.2Torr(0.05〜0.4Tor
r) SiH4 ・・・40SCCM(1〜40SCCM) GeH4 (水素希釈率10%)・・・20SCCM(1〜4
0SCCM) なお、上記のカッコ内の数字は各条件の好ましい範囲を
示している。
【0017】・Ge微結晶分散層3の形成工程 Ge微結晶分散層3は、プラズマCVD法を用いて非晶
質Si0.5 Ge0.5 膜2の表面上に形成される。
【0018】ここで、このGe微結晶分散層3中に含ま
れるGe微結晶は、固相成長の種結晶となるものであ
り、Ge微結晶の性状は重要な要因となる。従って、以
下のような実験を行い、このGe微結晶粒を制御するた
めの条件を求めた。
【0019】(1)基板温度条件 プラズマCVD法における条件を以下のように設定し、
基板温度を種々変化させてGe微結晶粒の生成の有無を
確認した。 RFパワー・・・50W 圧力・・・0.2Torr GeH4 (水素希釈率10%)・・・40SCCM
【0020】上記の条件により、非晶質Si0.5 Ge
0.5 膜2の上に新たな層を膜厚1000Å形成し、X線
回折によりこの層中のGeの結晶ピークの存在の有無を
評価した。その結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】この結果より、基板温度が300℃以上で
GeH4 ガスの熱分解によるGeの微結晶の凝集が生じ
ていることが判明した。なお、デバイスの製造プロセス
に適用する場合、できるかぎり低温で処理することが望
ましいため、Ge微結晶分散層の形成には、基板温度と
して300℃を用いることが好ましい。
【0023】(2)水素希釈率条件 次に、プラズマCVD法における条件を以下のように設
定し、GeH4 ガスの水素希釈率を変化させた場合のG
e微結晶粒の空間分布密度の変化を透過型電子顕微鏡
(TEM)を用いて評価した。 基板温度・・・300℃ RFパワー・・・50W 圧力・・・0.2Torr
【0024】TEMによる評価結果を図2に示す。な
お、空間分布密度の算出にあたっては、直径100Å以
上の格子像をGe凝集領域として算出した。図2から明
らかなように、水素希釈率が増加するに伴い、Ge微結
晶粒の空間分布密度は減少する。なお、後述するよう
に、空間分布密度が減少するに伴い、結晶化した半導体
薄膜の平均粒径は大粒径化する。
【0025】(3)RFパワー条件 さらに、プラズマCVD法における条件を以下のように
設定し、RFパワーを変化させた場合の空間分布密度の
変化をTEMにより評価した。 基板温度・・・300℃ 圧力・・・0.2Torr GeH4(水素希釈率20%)・・・40SCCM
【0026】TEMによる評価結果が図3に示される。
図3から明らかなように、RFパワーが減少するに伴
い、Ge微結晶粒の空間分布密度は減少する。
【0027】上記の(1)〜(3)の実験結果から、基
板温度、水素希釈率、RFパワーを調整することによ
り、所望の空間分布密度を有するGe微結晶分散層を形
成できることが判明した。従って、実際のデバイス製造
プロセス中の半導体薄膜形成工程においても、上記の実
験結果に基づいてGe微結晶分散層3のGe微結晶の空
間分布密度を制御することができる。
【0028】・非晶質膜4の形成工程 非晶質Si0.5 Ge0.5 膜4は、Ge微結晶分散層3の
表面上に非晶質Si0. 5 Ge0.5 膜2と同様の条件で形
成される。
【0029】・アニール処理工程(固相成長工程) アニール処理は、アニール炉によりN2 雰囲気中で温度
範囲300〜400℃で4時間行った。この処理におい
て、アニール温度が350℃でGe微結晶の部分から選
択的に結晶化が生じていることが断面TEMを用いて確
認できた。これにより、非晶質SiGe膜の単膜(膜厚
1000Å)での固相成長温度が400℃であるのと比
較して、約50℃低い温度で固相成長が生じることが判
明した。
【0030】以上の工程により製造された多結晶SiG
e膜に対して、その多結晶の平均結晶粒径と、種結晶と
して用いたGe微結晶分散層内のGe微結晶の空間平均
密度との関係を検査した。その結果、図4に示す関係が
得られた。この関係は、非晶質SiGe層(1000
Å)/Ge微結晶分散層(100Å)/非晶質SiGe
層(1000Å)の積層膜に対し求められたものであ
る。図から明らかなように、Ge微結晶の空間分布密度
が小さくなるに従って、固相成長後の結晶粒の平均結晶
粒径が大きくなることがわかる。
【0031】このように、本実施例による固相成長法に
おいては、プラズマCVD法におけるRFパワー、基板
温度及びGeH4 ガスの水素希釈率を制御することによ
りGe微結晶分散層のGe微結晶粒の空間分布密度を所
望の値に設定することができ、この結果、Ge微結晶粒
から選択的に固相成長した多結晶層の平均結晶粒径を所
望の大きさに設定することができる。
【0032】なお、上記実施例においては、Ge微結晶
分散層として、Ge非晶質層中にGe微結晶粒が分散し
た層を形成する場合について説明したが、非晶質Si層
中にGe微結晶粒が分散された層を形成するようにして
もよい。この場合、上記のGe微結晶分散層の形成条件
に加えて、SiH4 ガスを所定流量(上記具体例では流
量40SCCM)で加えるように構成すればよい。
【0033】また、上記実施例において、固相成長の出
発材料となる非晶質SiGe膜とGe微結晶分散層の形
成は同一のプラズマCVD装置を用い、原料ガスや諸条
件を切り替えることにより連続的に製造してもよく、ま
た別途の装置や工程によって製造してもよい。
【0034】さらに、上記実施例においては、Ge微結
晶分散層3は、結晶化すべき非晶質Si0.5 Ge0.5
の間に製造する場合について説明したが、Ge微結晶層
はこの位置に限定されるものではない。すなわち、Ge
微結晶分散層は、固相成長させるべき半導体非晶質層に
隣接して形成されればよい。従って、図1の例におい
て、基板1と非晶質膜2との間に形成してもよく、また
固相成長させるべき非晶質膜上部に形成してもよい。
【0035】次に、上記の実施例による半導体薄膜の製
造方法を太陽電池の製造プロセスに応用した例について
説明する。図5(a)、(b)は、金属基板10の表面
上にn型多結晶SiGe膜13、p型非晶質Si膜14
及び透明導電層15を積層したいわゆるヘテロ接合型の
太陽電池の製造工程を示している。図5(b)における
n型多結晶SiGe膜13は、図5(a)におけるn型
非晶質SiGe層12をGe微結晶分散層11を種結晶
として固相成長により形成されている。ここでは、比較
のために、水素希釈率が各々10%と40%との2種類
のサンプルが製造される。Ge微結晶分散層11の膜厚
は各々100Åで形成され、さらに、その表面上にn型
非晶質SiGe層12が膜厚1000Åで形成される。
その後、2つのサンプルをアニール処理(アニール炉に
よりN2 雰囲気中で350℃、4時間)し、固相成長を
行わせる。その後、図5(b)に示すように、p型非晶
質Si膜14及び透明導電層15を形成する。
【0036】上記のような方法により製造した2つの太
陽電池について、その特性を比較した。比較実験の条件
として、基準光源(AM)1.5、100mW/cm2
で光照射した場合を設定した。比較試験の結果を表2に
示す。なお、太陽電池Aは水素希釈率10%の場合を示
し、太陽電池Bは40%の場合を示している。
【0037】
【表2】
【0038】なお、上記の表2において、Vocは開放
電圧、Iscは短絡電流、F.F.は曲線因子、ηは変
換効率を示している。表2から明らかなように、水素希
釈率が大きい、すなわちn型多結晶SiGe膜13の平
均粒径が大きい太陽電池Bの方が平均粒径の小さい太陽
電池Aに比べて特性値が高い値を示している。特に、曲
線因子F.F.は高い値を示している。これは、光活性
層に用いられたn型多結晶SiGe膜13の平均結晶粒
径が大きくなりキャリアの移動度が大幅に改善されたこ
とに起因している。また、電流密度も向上しているが、
これは結晶粒が大型化し粒界密度が減少したことによっ
てキャリアの再結合中心が大幅に低下したことに起因し
ている。
【0039】なお、上記の実施例においては、固相成長
用出発材料の主構成材料として非晶質SiGeを用いた
例について説明したが、これに限定されることなく、例
えばSi、Geの非晶質膜を用いる場合にも同様の効果
を得ることができる。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明による半導体薄膜
の製造方法に従うと、多結晶半導体の出発材料である非
晶質半導体材料に隣接してGe微結晶分散層を設けるこ
とにより、従来の方法に比べてより低温で結晶成長が可
能となるのみならず、結晶粒の大粒径化及び空間的分布
の制御が可能となる。また、本発明の方法により製造さ
れる多結晶薄膜を太陽電池の光活性層に用いた場合には
太陽電池の特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における多結晶SiGe膜の製
造方法における各工程(a)〜(c)を示す断面図。
【図2】本発明の実施例の方法における水素希釈率とG
e微結晶の空間分布密度との関係を示す相関図。
【図3】本発明の実施例の方法におけるRFパワーとG
e微結晶の空間分布密度との関係を示す相関図。
【図4】Ge微結晶の空間分布密度と結晶層の平均結晶
粒径との関係を示す相関図。
【図5】本発明の方法を用いた太陽電池の製造方法の各
工程(a)〜(b)を示す断面図。
【符号の説明】
1…基板 2…非晶質SiGe膜 3…Ge微結晶分散層 4…非晶質SiGe膜 5…多結晶SiGe層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非晶質半導体層を形成した後、固相成長
    法により結晶化させる方法において、 Geの微結晶を分散した状態で含むGe微結晶分散層と
    前記非晶質半導体層とを隣接して形成した後、前記非晶
    質半導体層を固相成長法により結晶化させることを特徴
    とする、半導体薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記Ge微結晶分散層は、水素希釈され
    たGeH4 ガスを用いたプラズマCVD法により形成さ
    れることを特徴とする、請求項1に記載の半導体薄膜の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 前記プラズマCVD法において、基板温
    度と、水素希釈率及び高周波パワーを調整することによ
    って前記Ge微結晶分散層のGe微結晶粒の空間分布密
    度を制御することを特徴とする、請求項2に記載の半導
    体薄膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記非晶質半導体層は、下地層の上に形
    成され、前記Ge微結晶分散層は、前記下地層と前記非
    晶質半導体層との間、前記非晶質半導体層の表面上及び
    第1非晶質半導体層と第2非晶質半導体層との間の何れ
    かの位置に形成されることを特徴とする、請求項1ない
    し請求項3の何れかに記載の半導体薄膜の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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