JPH07334722A - 硬貨選別装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 硬貨の側面からの加圧を硬貨加圧腕による加
圧に変え、空気圧で側面から加圧することにより硬貨の
硬貨転動路での詰まりをなくし硬貨の選別を確実に行
う。 【構成】 前板１と後板２との間に硬貨投入口３より投
入された硬貨４が下方向へ転動する硬貨転動路５を形成
し、硬貨転動路５の途中に硬貨傾倒用開口６を形成し、
硬貨傾倒用開口部分６の後板２硬貨受け傾斜部８を形成
し、硬貨受け傾斜部８の下部に対向する前板１に硬貨落
込口９を形成し、硬貨転動路５を転動する硬貨４をその
側面に空気圧を加えることにより硬貨傾倒用開口６側へ
傾倒させるポンプを設けている。硬貨投入口３より投入
され硬貨転動路５を転動してきた硬貨４が硬貨傾倒用開
口６部分に位置したときに、ポンプにより硬貨４の側面
に空気圧を加えて硬貨４を傾倒させ硬貨４の選別を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、前板と後板との間に硬
貨投入口より投入された硬貨が下方向へ転動する硬貨転
動路を形成し、該硬貨転動路の途中に径の小さな硬貨だ
けが傾倒可能な硬貨傾倒用開口を形成し、該硬貨傾倒用
開口部分の上記前板若しくは後板に前方若しくは後方に
傾斜した硬貨受け傾斜部を形成し、該硬貨受け傾斜部の
下部に対向する上記後板若しくは前板に、当該硬貨受け
傾斜部に傾倒した硬貨が下方へ落ちる硬貨落込口を形成
し、該硬貨落込口より径の小さな硬貨だけを下方へ落と
し径の大きな硬貨をそのまま硬貨転動路を転動させるこ
とにより、径の小さな硬貨と径の大きな硬貨とを選別す
る硬貨選別装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の硬貨選別装置の一例を図１１乃至
図１４とともに説明する。従来の硬貨選別装置は、相対
向する前板３１と後板３２との硬貨投入口３３より投入
された硬貨３４が下方向へ転動する傾斜を有した硬貨転
動路３５を形成し、該硬貨転動路３５の途中に硬貨が傾
倒可能な硬貨傾倒用開口３６を上記後板３２に形成する
とともに該後板３２に上記硬貨傾倒用開口３６の上部に
位置し所定の径（径の小さい）の硬貨だけが傾倒するよ
うに硬貨選別部３７を形成し、上記硬貨傾倒用開口３６
部分の上記後板３２を後方に傾斜させて硬貨受け傾斜部
３８を形成し、該硬貨受け傾斜部３８の下部に対向する
上記前板３１に当該硬貨受け傾斜部３８に傾倒した硬貨
が下方へ落ちる硬貨落込口３９を形成し、該硬貨落込口
３９から落ちた径の小さな硬貨３４ａを下方へ導く径小
硬貨落込路４０を形成していた。

【０００３】そして、上記前板３１の上記硬貨傾倒用開
口３６に対向する部分に開口部４１を形成し、該前板３
１の側面に硬貨を側面から加圧して傾倒させるための硬
貨加圧腕４２の一端を回動自在に軸支する回動軸４３を
設け、該回動軸４３に該硬貨加圧腕４２を軸支し、該硬
貨加圧腕４２の他端を上記開口部４１から上記硬貨転動
路３５へ位置するよう屈曲して硬貨加圧部４４を形成
し、上記硬貨加圧腕４２に加圧おもり４５を設けて構成
していた。

【０００４】上記硬貨投入口３３から投入された径の小
さな硬貨３４ａは上記硬貨転動路３５の上端に落ち、該
硬貨転動路３５を上端から下端の方へ転動し、やがて上
記硬貨加圧腕４２の硬貨加圧部４４に接触する。この
時、上記硬貨加圧腕４２は加圧おもり４５により上記硬
貨傾倒用開口３６側へ重量が加わっているが、硬貨転動
路３５を転動してきた硬貨３４ａにより加圧おもり４５
の重量に逆らって上記硬貨加圧腕４２が上記回動軸４３
を軸として回動する。

【０００５】しかし、硬貨３４ａが上記硬貨傾倒用開口
３６に位置すると、該硬貨３４ａの径が小さいため上記
後板３２の硬貨選別部３７に当接せず、上記硬貨加圧腕
４２により該硬貨傾倒用開口３６部分で上記硬貨受け傾
斜部３８側へ傾倒され、この傾倒した硬貨３４ａは該硬
貨受け傾斜部３８を下方へ滑り落ちて硬貨落込口３９か
ら径小硬貨落込路４０へ落ちる。また、径の大きな硬貨
３４ｂは、上記硬貨傾倒用開口３６部分へ転動しても、
上記後板３２の硬貨選別部３７に上部分が当接するため
硬貨加圧腕４２により傾倒方向へ加圧されても傾倒せ
ず、上記硬貨転動路３５をそのまま下端まで転動する。
このようにして従来の硬貨選別装置は径の小さな硬貨と
径の大きな硬貨との選別を行っていた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記硬貨選別
装置においては、硬貨加圧腕の硬貨加圧部が硬貨転動路
を転動してきた硬貨に接触し該硬貨を側面方向から加圧
し傾倒させることにより硬貨の選別を行っていたが、硬
貨加圧腕の回動軸での軸支状態の不良やガタツキによっ
て硬貨加圧腕の回動動作の動作性が悪くなると、硬貨が
硬貨転動路を転動してきても硬貨加圧腕が回動せず硬貨
の側面が硬貨加圧腕に当たったままとなり、硬貨傾倒用
開口部分まで硬貨が転動せず硬貨が硬貨転動路に詰まっ
てしまうという問題があった。また、硬貨転動路の硬貨
の転動面に汚れが付着し、硬貨の転動がスムーズに行か
なくなると、硬貨の転動速度が低下して硬貨加圧腕を回
動させることができなくなり、上記と同様に硬貨が硬貨
転動路に詰まってしまうという問題を生じていた。

【０００７】本発明の硬貨選別装置は上記の問題に鑑み
なされたものであり、硬貨の側面からの加圧を硬貨加圧
腕による加圧に変え、空気圧で側面から加圧することに
より硬貨の硬貨転動路での詰まりをなくし硬貨の選別を
確実に行うことを目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明の硬貨選別装置は、前板と後板との間に硬貨
投入口より投入された硬貨が下方向へ転動する硬貨転動
路を形成し、該硬貨転動路の途中に径の小さな硬貨だけ
が傾倒可能な硬貨傾倒用開口を形成し、該硬貨傾倒用開
口部分の上記前板若しくは後板に前方若しくは後方に傾
斜した硬貨受け傾斜部を形成し、該硬貨受け傾斜部の下
部に対向する上記後板若しくは前板に、当該硬貨受け傾
斜部に傾倒した硬貨が下方へ落ちる硬貨落込口を形成
し、該硬貨落込口より径の小さな硬貨だけを下方へ落と
し径の大きな硬貨をそのまま硬貨転動路を転動させるこ
とにより、径の小さな硬貨と径の大きな硬貨とを選別す
るものにおいて、上記硬貨転動路を転動する硬貨をその
側面に空気圧を加えることにより上記硬貨傾倒用開口側
へ傾倒させるポンプを設けている。また、上記硬貨転動
路の端部に該硬貨転動路を転動する硬貨にその転動方向
へ空気圧を加えて転動を補助するポンプを設けている。

【０００９】

【作用】上記の硬貨選別装置は、硬貨投入口より投入さ
れ硬貨転動路を転動してきた硬貨が硬貨傾倒用開口部分
に位置したときに、ポンプにより硬貨の側面に空気圧を
加えて硬貨を傾倒させて硬貨の選別を行う。また、ポン
プにより硬貨にその転動方向へ空気圧を加え硬貨の転動
を補助し、硬貨をスムーズに転動させる。

【００１０】

【実施例】本発明の硬貨選別装置の第１実施例を図１乃
至図４とともに説明する。本発明の硬貨選別装置の第１
実施例は、相対向する前板１と後板２との硬貨投入口３
より投入された硬貨４が下方向へ転動する傾斜を有した
硬貨転動路５を形成し、該硬貨転動路５の途中に硬貨が
傾倒可能な硬貨傾倒用開口６を上記後板２に形成すると
ともに該後板２に上記硬貨傾倒用開口６の上部に位置し
所定の径（径の小さい）の硬貨だけが傾倒するように硬
貨選別部７を形成し、上記硬貨傾倒用開口６部分の上記
後板２を後方に傾斜させて硬貨受け傾斜部８を形成し、
該硬貨受け傾斜部８の下部に対向する上記前板１に当該
硬貨受け傾斜部８に傾倒した硬貨が下方へ落ちる硬貨落
込口９を形成し、該硬貨落込口９から落ちた径の小さな
硬貨４ａを下方へ導く径小硬貨落込路１０を形成してい
る。

【００１１】そして、上記前板１の上記硬貨傾倒用開口
６に対向する部分に空気吹出孔１１を形成し、該空気吹
出孔１１に空気吹出管１２の一端を接続し、該空気吹出
管１２の他端にポンプ（図示せず）を接続している。

【００１２】上記構成の硬貨選別装置の硬貨選別動作を
説明すると、上記硬貨投入口３から投入された径の小さ
な硬貨４ａは上記硬貨転動路５の上端に落ち、該硬貨転
動路５を上端から下端の方へ転動し、やがて上記硬貨傾
倒用開口６部分まで転動してくるとポンプからの空気が
上記空気吹出管１２を通り上記空気吹出孔１１から硬貨
４ａの側面に吹き出され、該硬貨４ａに正の空気圧が加
えられる。この時、上記硬貨４ａの径は小さいため上記
後板２の硬貨選別部７に当接せず、上記ポンプからの空
気圧によって上記硬貨４ａが該硬貨傾倒用開口６部分で
上記硬貨受け傾斜部８側へ傾倒され、この傾倒した硬貨
４ａはその下端が硬貨転動路５の転動面から外れ該硬貨
受け傾斜部８を下方へ摺動して硬貨落込口９から径小硬
貨落込路１０へ落ちる。

【００１３】また、径の大きな硬貨４ｂは、上記硬貨傾
倒用開口６部分へ転動しても、上記後板２の硬貨選別部
７に上部分が当接するため、ポンプにより側面から正の
空気圧が加えられても硬貨４ｂは傾倒せず、上記硬貨転
動路５をそのまま下端まで転動する。このようにして硬
貨選別装置は径の小さな硬貨４ａと径の大きな硬貨４ｂ
との選別を行っている。

【００１４】本発明の硬貨選別装置の第２実施例を図５
とともに説明すると、硬貨転動路５の上端部分に転動空
気吹出孔１３を形成し、該転動空気吹出孔１３に転動空
気吹出管１４の一端を接続し、該転動空気吹出管１４の
他端にポンプを接続して構成している。

【００１５】このような硬貨選別装置は、硬貨投入口３
から硬貨が投入され、硬貨転動路５を硬貨が転動すると
きポンプからの空気が転動空気吹出管１４を通り転動空
気吹出孔１３から硬貨の転動方向へ吹き出され、該硬貨
の転動がスムーズに行われるように硬貨に空気圧を加
え、硬貨の転動を補助し硬貨が硬貨転動路５に詰まるの
を防止している。

【００１６】次に、本発明の硬貨選別装置の第３実施例
を図６乃至図９とともに説明する。上記第１実施例と同
一部分は同一符号を付して詳細な説明は省略する。本発
明の硬貨選別装置の第３実施例は、硬貨受け傾斜部８に
一端を該硬貨受け傾斜部８の傾斜と同形状に形成した空
気吸込孔１５を有した空気吸込管１６を設け、後板２の
硬貨傾倒用開口６に対向する前板１の部分に開口部１７
を設けている。

【００１７】上記構成の硬貨選別装置の硬貨選別動作を
説明すると、上記硬貨投入口３から投入された径の小さ
な硬貨４ａは上記硬貨転動路５の上端に落ち、該硬貨転
動路５を上端から下端の方へ転動し、やがて上記硬貨傾
倒用開口６部分まで転動してくるとポンプが上記空気吹
出管１６を介して上記空気吹出孔１５から空気を吸い込
み、硬貨４ａの側面に負の空気圧が加えられる。このポ
ンプによる負の空気圧により硬貨４ａを介して開口部１
７から空気が吸い込まれることになり、該硬貨４ａの側
面から当該硬貨を傾倒させるための力が働く。この時、
上記硬貨４ａの径は小さいため上記後板２の硬貨選別部
７に当接せず、上記ポンプからの空気圧によって上記硬
貨４ａが該硬貨傾倒用開口６部分で上記硬貨受け傾斜部
８側へ傾倒され、この傾倒した硬貨４ａはその下端が硬
貨転動路５の転動面から外れ該硬貨受け傾斜部８を下方
へ摺動して硬貨落込口９から径小硬貨落込路１０へ落ち
る。

【００１８】また、径の大きな硬貨４ｂは、上記硬貨傾
倒用開口６部分へ転動しても、上記後板２の硬貨選別部
７に上部分が当接するため、ポンプにより側面から負の
空気圧が加えられても硬貨４ｂは傾倒せず、上記硬貨転
動路５をそのまま下端まで転動する。このようにして硬
貨選別装置は径の小さな硬貨４ａと径の大きな硬貨４ｂ
との選別を行っている。

【００１９】本発明の硬貨選別装置の第４実施例を図１
０とともに説明すると、硬貨転動路５の下端部分に転動
空気吸込孔１８を形成し、該転動空気吹出孔１８に転動
空気吸込管１９の一端を接続し、該転動空気吹出管１９
の他端にポンプを接続して構成している。

【００２０】このような硬貨選別装置は、硬貨投入口３
から硬貨が投入され、硬貨転動路５を硬貨が転動すると
きポンプが硬貨転動路５内の空気を吸い込むため、該硬
貨に転動方向への空気圧が加わり、該硬貨の転動がスム
ーズに行われ、硬貨の転動を補助し硬貨が硬貨転動路５
に詰まるのを防止している。

【００２１】上記第２実施例及び第４実施例において、
硬貨の傾倒方向へ空気圧を加えるポンプと硬貨の転動方
向へ空気圧を加えるポンプとを夫々設けても、１個のポ
ンプを兼用してもよい。

【００２２】

【発明の効果】本発明の硬貨選別装置は上記のような構
成であるから、硬貨を傾倒させるために該硬貨の側面に
傾倒方向へ力を加えるのに、従来のように硬貨に直接当
接して力を加える必要がなく、ポンプの空気圧により硬
貨に傾倒方向への力を加えているので、硬貨が硬貨転動
路内に詰まることがなく、確実に硬貨の選別を行うこと
ができる。また、硬貨の転動方向へもポンプにより空気
圧を加えているので、硬貨転動路に多少汚れが付着して
いても、硬貨を確実に転動させることができるので、硬
貨が硬貨転動路内に詰まることがなく、確実に硬貨の選
別を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の硬貨選別装置の第１実施例の側面図で
ある。

【図２】図１において、径の小さな硬貨４ａの選別時の
該硬貨４ａの傾倒前を示すＡ−Ａ断面図である。

【図３】図１において、径の小さな硬貨４ａの選別時の
該硬貨４ａの傾倒後を示すＡ−Ａ断面図である。

【図４】図１において、径の大きな硬貨４ｂの選別時を
示すＡ−Ａ断面図である。

【図５】本発明の硬貨選別装置の第２実施例の側面図で
ある。

【図６】本発明の硬貨選別装置の第３実施例の側面図で
ある。

【図７】図６において、径の小さな硬貨４ａの選別時の
該硬貨４ａの傾倒前を示すＢ−Ｂ断面図である。

【図８】図６において、径の小さな硬貨４ａの選別時の
該硬貨４ａの傾倒後を示すＢ−Ｂ断面図である。

【図９】図６において、径の大きな硬貨４ｂの選別時を
示すＢ−Ｂ断面図である。

【図１０】本発明の硬貨選別装置の第４実施例の側面図
である。

【図１１】従来の硬貨選別装置の一例の側面図である。

【図１２】図１１において、径の小さな硬貨３４ａの選
別時の該硬貨３４ａの傾倒前を示すＣ−Ｃ断面図であ
る。

【図１３】図１１において、径の小さな硬貨３４ａの選
別時の該硬貨３４ａの傾倒後を示すＣ−Ｃ断面図であ
る。

【図１４】図１１において、径の大きな硬貨３４ｂの選
別時を示すＣ−Ｃ断面図である。

【符号の説明】

１ 前板 ２ 後板 ３ 硬貨投入口 ４ 硬貨 ５ 硬貨転動路 ６ 硬貨傾倒用開口 ７ 硬貨選別部 ８ 硬貨受け傾斜部 ９ 硬貨落込口 １１ 空気吹出孔 １２ 空気吹出管

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 前板と後板との間に硬貨投入口より投入
   された硬貨が下方向へ転動する硬貨転動路を形成し、 該硬貨転動路の途中に径の小さな硬貨だけが傾倒可能な
   硬貨傾倒用開口を形成し、 該硬貨傾倒用開口部分の上記前板若しくは後板に前方若
   しくは後方に傾斜した硬貨受け傾斜部を形成し、 該硬貨受け傾斜部の下部に対向する上記後板若しくは前
   板に、当該硬貨受け傾斜部に傾倒した硬貨が下方へ落ち
   る硬貨落込口を形成し、 該硬貨落込口より径の小さな硬貨だけを下方へ落とし径
   の大きな硬貨をそのまま硬貨転動路を転動させることに
   より、径の小さな硬貨と径の大きな硬貨とを選別するも
   のにおいて、 上記硬貨転動路を転動する硬貨をその側面に空気圧を加
   えることにより上記硬貨傾倒用開口側へ傾倒させるポン
   プを設けたことを特徴とする硬貨選別装置。
2. 【請求項２】 上記硬貨転動路の端部に該硬貨転動路を
   転動する硬貨にその転動方向へ空気圧を加えて転動を補
   助するポンプを設けたことを特徴とする請求項１記載の
   硬貨選別装置。