JPH07334066A - トナー貯蔵部を有するユニットの梱包装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 トナー貯蔵部を有するユニットの輸送，運搬
中に、トナー貯蔵部でのトナーの凝集を防ぐことができ
るようにした梱包装置を提供することである。 【構成】 梱包箱２内に梱包するユニット１の両端側面
に軸部４，４を設ける。ユニット１のサイド側を規制す
る緩衝材３，３に、穴部５，５を設け、この穴部５，５
に、軸部４，４をそれぞれ嵌め込んで、ユニット１を梱
包箱２内に入れる。この状態で、ユニット１は梱包箱２
内で回転可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、トナー貯蔵部を有する
ユニットの梱包装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】複写装置や、プリンタや、ファクシミリ
などの画像形成装置で、トナー貯蔵部を持つユニットを
有するものがある。かようなユニットを、例えばその製
造工場から販売店又はユーザのもとなどに運搬、輸送す
るとき、そのユニットを梱包箱内に入れ、それを梱包箱
に対して固定したあとで、梱包箱を運搬したり、輸送し
ているが、その運搬、輸送中にトナーの自重や、梱包箱
の振動などによって、トナー貯蔵部におけるトナーが下
方に凝集し易くなる。

【０００３】かような状態で、開梱したあと、ユニット
を上述の画像形成装置本体に装填し、これを稼動態勢に
すると、凝集したトナーによって、ユニット内に設けら
れている、例えばトナー撹拌用アジテータなどの回転部
材の回転負荷が大きくなってしまい、アジテータや、こ
れを駆動するギア系などの破損につながるおそれがあ
る。このため、そのようなユニットを使用する前に、そ
れを充分に振って、トナーを充分にほぐしてから使用す
る旨を画像形成装置の取扱い説明書や、ユニットなどに
表示しているが、取り扱う側のユーザの方でそれをし忘
れると、回転部材が破損するなどの不具合が生じ易くな
る。

【０００４】又、回転部材を有さないユニット、例えば
現像器に補給するトナーを収容したトナーカートリッジ
などのユニットにおいても、これを梱包箱に入れて運
搬、輸送すると、そのトナーカートリッジ内のトナーが
凝集するので、このトナーカートリッジを梱包箱から取
り出してプロセス機器としての現像器に装填し、トナー
カートリッジ内のトナーを現像器に補給するとき、トナ
ーカートリッジ内のトナーが現像器内にうまく落下しな
くなるおそれがある。

【０００５】そこで、従来よりユニットを画像形成装置
本体などに装填する前に、ユニット内のトナーの凝集塊
を粉砕する構成が各種提案されている。ところが、従来
の構成では、トナーの凝集塊を効率よく粉砕してこれを
ほぐすことが難しく、或いはその構成が複雑となる点に
問題があった。これに関連する技術として、例えば実開
平１−６４６５９号公報などによるものが既に提案され
ている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、トナ
ー貯蔵部を有するユニットの輸送，運搬中に、トナー貯
蔵部でのトナーの凝集を防ぐことができ、しかも構成が
簡単な梱包装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、トナーの貯蔵されたトナー貯蔵部を有する
ユニットを梱包箱内に梱包する梱包装置において、梱包
箱の内部に収容されたユニットを梱包箱に対して回転可
能に支持するユニット支持手段を具備する構成を提案す
る。

【０００８】その際、ユニット支持手段が、梱包箱の内
部に収容されるユニットの両端側に位置するように、梱
包箱内に入れられる一対の緩衝材を有し、該緩衝材と、
これに対向するユニットの側面のうちの一方に、軸部
を、他方に、その軸部が回転可能に嵌め込まれる穴部を
それぞれ設けると効果的である。

【０００９】又、上記構成において、ユニット支持手段
が、更に、穴部に嵌め込まれた軸受を有し、該軸受に軸
部が回転可能に嵌合していると有利である。

【００１０】更に、上記各構成において、ユニットの一
方向のみの回転を許容する回転規制手段を付設すると特
に有利である。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に従って詳細に
説明する。

【００１２】図１は、本発明一実施例の梱包装置の分解
斜視図である。同図において、符号１は内部にトナーの
貯蔵されたトナー貯蔵部（これについては後述する）を
有するユニットを示し、符号２はそのユニット１が梱包
される梱包箱を、又、符号３は一対の緩衝材をそれぞれ
示している。梱包箱２は、例えば合成樹脂又は紙製の段
ボール、又は木材や金属板から構成され、緩衝材３，３
は、例えば発泡スチロールより成り、かかる緩衝材３，
３は梱包箱２内に収容されるユニット１の縦方向におけ
る両端側に位置するように、梱包箱２内に入れられる。
このように、本例ではユニット１を梱包箱内に梱包する
梱包装置が、その梱包箱２のほかに一対の緩衝材３，３
を有している。

【００１３】緩衝材３と、これに対向するユニット１の
側面のうちの一方、例えば同図に示すように、ユニット
１の両端側面であって、そのユニットの重心又はこれに
近い部位を通る軸線上に、ピン状の軸部４，４がユニッ
トと一体的に設けられている。一方、緩衝材３とこれに
対向するユニット１の側面のうちの他方、本例では両緩
衝材３，３の互いに対向する側面であって、上記軸線上
の位置に所定深さの穴部５，５が穿設されている。

【００１４】ユニット１の両軸部４，４を、緩衝材３の
穴部５，５に嵌め込んだ状態で、ユニット１を緩衝材３
もろとも梱包箱２の中に入れると、ユニット１は、緩衝
材３によって、軸部４の軸方向には動かぬように保持さ
れるが、軸部４，４は穴部５，５に回転可能に嵌合して
支持される。この状態で梱包箱２のフタを閉めて、適
宜、封をすれば、ユニットの梱包は終了することとな
る。

【００１５】このようにユニット１を梱包した梱包装置
は、例えばユニット１の製造工場などから販売店がユー
ザのもとなどに輸送ないしは運搬されるが、その際、振
動や振れなどによって、ユニット１が図２に示すように
梱包箱２内において軸部４の軸線周りに揺動回転する。
ユニット１は、軸部４と穴部５とによって回転自在に支
持され、ユニット１が自由に回転できるようになるので
ある。なお、梱包箱２は、ユニット１の所定角度範囲の
揺動回転、又は３６０°にわたる回転を可能とする空間
が確保できるような大きさとなっている。

【００１６】図６は、当該ユニット１の横断面図であ
り、このユニット１は、現像ローラ６を有する現像器と
して構成されている。ユニット１の内部のトナー貯蔵部
７にはトナーＴが貯蔵され、ユニット１を図示していな
い画像形成装置本体に装填して使用するとき、ユニット
１内のトナーＴはトナー撹拌用アジテータ８の回転によ
って撹拌されつつ、現像ローラ６に供給され、このトナ
ーによって、画像形成装置本体内に設けられた感光体
（不図示）上にトナー像が形成される。

【００１７】かようなユニット１内の貯蔵トナーＴが凝
集してしまうと、そのユニットを複写装置本体などの画
像形成装置本体に装填し、同ユニットを稼動させたと
き、凝集トナーによる過大な負荷によって、トナー撹拌
用アジテータ８が回転しなくなったりしてトナーの撹拌
機能などに支障を来たす。又、トナー撹拌用アジテータ
８や、これを駆動するギア系（不図示）などが破損する
場合もある。

【００１８】本例の梱包装置によれば、輸送時や運搬時
などの振動によって、ユニット１が前述のように回転
し、これによって、内部の貯蔵トナーの凝集を防ぐこと
ができる。このため、ユニット１を画像形成装置本体に
装填し稼動態勢としたとき、トナー撹拌用アジテータ８
などの回転部材が回転しなくなったり、或いは、その部
材や、該部材を駆動するギア系などが破損したりするの
を防止できる。なお、ユニットが図６に示したように回
転部材を有しているときは、その回転部材の軸を図１に
示した軸部４として用いることもできる。例えば図６に
示したトナー撹拌用アジテータ８の軸８ａをユニット１
のケースの両側から外部に突出させ、その各軸端部を軸
部４として用いるのである。

【００１９】上述のように、トナー貯蔵部を有するユニ
ットを梱包箱に梱包する梱包装置は、その梱包箱の内部
に収容されたユニットを梱包箱に対して回転自在に支持
するユニット支持手段を具備し、本例では、かかるユニ
ット支持手段が、ユニット１の軸部４，４を回転可能に
支持する穴部５，５を備えた一対の緩衝材３，３を有し
ているのである。このように本例では、梱包箱２内のユ
ニット１を保護する緩衝材３，３をユニット支持手段と
して利用したので、梱包装置の構成を簡素化し、かつそ
のコストを低減することができる。

【００２０】なお、ユニット１が回転するとき、軸部４
は穴部５を内周壁に沿って摺動するように回転するので
あるが、この際の摺動性が悪い場合には、図３に示すよ
うな軸受９を穴部５内に入れ、その軸受９に、軸部４を
回転可能に嵌め込むようにしてもよい。軸受９の材料と
しては、例えば、摩擦摺動性に優れた合成樹脂などを選
択するとよい。このように、ユニット支持手段が、緩衝
材５，５のほかに、穴部５，５内に嵌め込まれた軸受
９，９を有し、これらの軸受９，９に軸部４，４を回転
可能に嵌合することによって、梱包箱２内のユニット１
をより確実、かつ円滑に回転させることができる。

【００２１】上述の実施例において、輸送中などの梱包
箱の揺れに対して、ユニット１と内部の貯蔵トナーとが
同じ方向に揺れ動く場合がある。この場合、トナーが一
方側に密に偏ってトナーを充分に撹拌できない傾向とな
る場合もある。このような場合には、ユニット１の一方
向のみの回転を許容する回転規制手段を梱包装置に設け
ることが望ましい。

【００２２】例えば、図４に示すように、緩衝材３に穿
った穴部３Ａに、ワンウェイクラッチ１０を圧入などし
て緩衝材３に固定する。なお、穴部３Ａは図１に示した
穴部５と同じ位置に配置されている。固定したワンウェ
イクラッチ１０にユニット１の軸部４を嵌め込む。かよ
うに構成することによって、ユニット１は輸送、運搬の
際の振動や、揺れなどの度毎に、順次、一方向にのみ回
転するため、トナー撹拌効果が高められ、中のトナーの
一方向へ偏り（密になる偏り）を防止できる。

【００２３】ワンウェイクラッチ１０は、ユニットの一
方向のみの回転を許容する回転規制手段の一例をなすも
のであり、軸部４に付設されるものとなる。

【００２４】かような回転規制手段として、図５に示す
ようなラチェット機構を用いてもよい。緩衝材３に基端
部を枢着されたラチェット爪１１を、その両者に各端部
を係止された引張ばね１３によって、ラチェット歯車１
２の歯に係合させる。これによってラチェット歯車１２
は一方向のにみ、回転を許容されることになり、かかる
ラチェット歯車１２の中心部には例えばＤ型の穴１２ａ
が明けられ、この穴１２ａにはユニット側の軸部４が嵌
め込まれる。軸部４の端部はＤ型となっており、この部
位を穴１２ａに嵌め込むのである。かかる構成によっ
て、ラチェット歯車１２は軸部４と一体となって回転す
る。穴１２ａと軸部４をＤ型以外の形態としたり、或い
はこれらを互いに圧入してラチェット歯車１２と軸部４
を一体に連結してもよい。

【００２５】このようなラチェット機構により、梱包箱
内のユニット１を一方向にのみ回転させることができ、
貯蔵トナーの一方向への偏りを防止することができる。

【００２６】ところで、図１に示す実施例では、ユニッ
ト１の方に軸部４を設け、これを緩衝材３の穴部５に嵌
め込むようにしているが、これとは反対に、図７に示す
ように、緩衝材３の方に軸部１４を設け、この軸部をユ
ニット１の縦方向における両端側面に穿設した穴部１ａ
に回転自在に嵌め込むようにしてもよく、これによって
も、ユニット１を回転させることができる。ユニットの
一方の側面に軸部を設け、これに対向する緩衝材の側面
に、この軸部が回転可能に嵌合する穴部を設けると共
に、ユニットの他方の側面に穴部を設け、これに対向す
る緩衝材の側面に、この穴部に回転可能に嵌合する軸部
を設けるようにしてもよい。このように、ユニットの側
に穴部を設け、緩衝材の側に軸部を設ける構成において
も、ユニット１に穿設した穴部に軸受（図３）を嵌め込
み、これに緩衝材３の側に設けた軸部を回転可能に嵌合
してもよく、更には、前述の回転規制手段を、この構成
に採用して、梱包箱内のユニット１を一方向にのみ回転
するように支持することもできる。

【００２７】なお、本発明においては、被梱包体とし
て、上述した如き現像器として構成されたユニットのみ
ならず、トナーカートリッジの如き、トナー（補給用ト
ナー）のみを貯蔵するユニットや、現像器と他の画像形
成プロセス機器とを一体化した、プロセスカートリッジ
型のユニットなども、含まれるものであり、要するに、
少なくともトナー貯蔵部を有するユニットであればよい
のである。ユニットがトナーカートリッジである場合、
その運搬、輸送中にその内部のトナーの凝集を防止でき
るので、かかるユニットをプロセス機器である現像器に
装填したとき、そのユニット内のトナーを確実に、その
現像器に移して補給することができる。

【００２８】

【発明の効果】請求項１に記載の構成によれば、梱包箱
に収容したユニットの輸送時や運搬時に、振動等によっ
て、ユニットが回転し、ユニット内の貯蔵トナーの凝集
を防ぐことができるので、例えばユニットを画像形成装
置本体などに装填し、これを作動させたとき、そのユニ
ットの回転部材が回転しなくなったり、同部材や、これ
を駆動するギア系などが破損したりするのを防止でき
る。或いは、ユニットをプロセス機器に装填して、ユニ
ット内のトナーをそのプロセス機器に確実に移すことが
できる。

【００２９】請求項２に記載の構成によれば、梱包箱内
のユニットを保護する緩衝材をユニット支持手段として
利用したので、装置の構成を簡素化し、かつそのコスト
を低減できる。

【００３０】請求項３に記載の構成によれば、梱包箱内
のユニットをより確実、かつ円滑に回転させることがで
きる。

【００３１】請求項４に記載の構成によれば、ユニット
内の貯蔵トナーが一方向に密に偏ることを防止でき、ト
ナーをより一層効果的に撹拌してその凝集を防止でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明一実施例の梱包装置の分解斜視図であ
る。

【図２】梱包箱内でユニットが回転する様子を示す概略
説明図である。

【図３】ユニットの軸部を受ける軸受の一例の断面図で
ある。

【図４】ユニットの軸部をワンウェイクラッチを介して
支持させる構成の一例を示す斜視図である。

【図５】ユニットを一方向にのみ回転させるためのラチ
ェット機構を示す斜視図である。

【図６】被梱包体であるユニットの横断面図である。

【図７】緩衝材の方に軸部を設ける別実施例の斜視図で
ある。

【符号の説明】

１ ユニット １ａ 穴部 ２ 梱包箱 ３ 緩衝材 ４ 軸部 ５ 穴部 ７ トナー貯蔵部 ９ 軸受 １４ 軸部 Ｔ トナー

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 トナーの貯蔵されたトナー貯蔵部を有す
   るユニットを梱包箱内に梱包する梱包装置において、梱
   包箱の内部に収容されたユニットを梱包箱に対して回転
   可能に支持するユニット支持手段を具備することを特徴
   とするトナー貯蔵部を有するユニットの梱包装置。
2. 【請求項２】 ユニット支持手段が、梱包箱の内部に収
   容されるユニットの両端側に位置するように、梱包箱内
   に入れられる一対の緩衝材を有し、該緩衝材と、これに
   対向するユニットの側面のうちの一方に、軸部を、他方
   に、その軸部が回転可能に嵌め込まれる穴部をそれぞれ
   設けたことを特徴とする請求項１に記載のトナー貯蔵部
   を有するユニットの梱包装置。
3. 【請求項３】 ユニット支持手段が、更に、穴部に嵌め
   込まれた軸受を有し、該軸受に軸部が回転可能に嵌合し
   ていることを特徴とする請求項２に記載のトナー貯蔵部
   を有するユニットの梱包装置。
4. 【請求項４】 ユニットの一方向のみの回転を許容する
   回転規制手段を付設したことを特徴とする請求項１乃至
   ３のいずれかに記載のトナー貯蔵部を有するユニットの
   梱包装置。