JPH07331763A - 防音パネルおよびその製造方法 - Google Patents

防音パネルおよびその製造方法

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JPH07331763A
JPH07331763A JP7110076A JP11007695A JPH07331763A JP H07331763 A JPH07331763 A JP H07331763A JP 7110076 A JP7110076 A JP 7110076A JP 11007695 A JP11007695 A JP 11007695A JP H07331763 A JPH07331763 A JP H07331763A
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JP
Japan
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plate
soundproof panel
sound insulating
sound
sound insulation
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JP7110076A
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English (en)
Inventor
Fujio Yamagishi
富士夫 山岸
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Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 防音パネル自体を厚くすることなく、かつ遮
音構造を複雑化することなく、共鳴透過やコインシデン
ス効果を抑制でき、十分な遮音性能を得ることができる
防音パネルを提供することを目的とする。 【構成】 表面板3側と裏面板4側とを音響的に絶縁し
た状態で、表面板3と裏面板4との少なくとも一方の内
面に、遮音板5を接着した防音パネル1であって、遮音
板5を、複数枚の遮音板片5aに分割したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防音室などの壁面パネ
ルとして、また各種の防音ドアとして用いられる防音パ
ネルおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、防音パネルを防音ドアに適用した
ものとして、例えば実開平3−126988号公報およ
び実公昭63−40637号公報に記載のものが知られ
ている。前者の防音ドアは、表面板および裏面板の内側
に、それぞれ石膏ボードなどの遮音板を接着すると共
に、両石膏ボードの間にグラスウールなどの吸音材を充
填して構成されている。また、後者の防音ドアは、表面
板と裏面板との間に、空気層、吸音材および遮音シート
を介在させると共に、表面板と裏面板とを互いに異なる
厚さのもので構成している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記前者の従
来技術では、表面板または裏面板と、遮音板とが一体化
され、かつ表面板と裏面板とが全く同一の構造となって
いるので、質量則に基づく遮音性能およびグラスウール
(空気層)による遮音性能が、低音域(250HZ
後)における共鳴透過、および高音域(2KHZ 前後)
におけるコインシデンス効果により、十分に発揮され
ず、空気層の厚みや遮音板の厚みに比して、十分な透過
損失(遮音性能)を得ることができなかった。
【0004】一方、上記後者の従来技術では、表面板と
裏面板とを厚さの異なるもので構成して、それぞれの固
有振動数を異なるものとし、共鳴透過を低減すると共
に、空気層、吸音材および遮音シートを介在させること
により、全体として遮音性能を向上させるようにしてい
るが、コインシデンス効果は避けられず、また、ドアが
厚くなると共に、構造が複雑になる分、コストアップに
なる不具合があった。
【0005】本発明は、防音パネル自体を厚くすること
なく、かつ遮音構造を複雑化することなく、共鳴透過や
コインシデンス効果を抑制でき、十分な遮音性能を得る
ことができる防音パネルを提供することをその目的とし
ている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく請
求項1の防音パネルは、表面板側と裏面板側とを音響的
に絶縁した状態で、表面板と裏面板との少なくとも一方
の内面に、遮音板を接着した防音パネルであって、遮音
板が、複数枚の遮音板片に分割されていることを特徴と
する。
【0007】請求項1の防音パネルにおいて、各遮音板
片は、接着剤により、表面板と裏面板との少なくとも一
方の内面に、部分的に接着されていることが好ましい。
【0008】請求項2の防音パネルにおいて、接着剤
は、制振性の接着剤であることが好ましい。
【0009】請求項1、2または3の防音パネルにおい
て、複数枚の遮音板片は、それぞれ質量が異なることが
好ましい。
【0010】請求項1ないし4のいずれかの防音パネル
において、複数枚の遮音板片は、それぞれ同一の面密度
および厚さを有し、平面形状が異なることが好ましい。
【0011】請求項1、2または3の防音パネルにおい
て、複数枚の遮音板片は、それぞれ同一の面密度および
厚さを有し、左右に非対称のパターンで配設されている
ことが、好ましい
【0012】請求項1、2、3または6の防音パネルに
おいて、複数枚の遮音板片は、それぞれ同一の面密度お
よび厚さを有し、上下に非対称のパターンで配設されて
いることが、好ましい。
【0013】請求項1ないし7のいずれかの防音パネル
において、各遮音板片は、隣接する遮音板片との間に間
隙を存して、配設されており、間隙には、ダンピング材
が充填されていることが、好ましい。
【0014】請求項1ないし8のいずれかの防音パネル
において、表面板および裏面板は、心材を介して周縁部
で相互に張り合わされており、心材は、遮音シートを介
在した状態で表裏方向に分割されていることが、好まし
い。
【0015】請求項1ないし9のいずれかの防音パネル
において、表面板の内面および裏面板の内面には、遮音
板がそれぞれ設けられており、表面板と遮音板との間、
および裏面板と遮音板との間には、第1遮音シートがそ
れぞれ介在していることが、好ましい。
【0016】請求項10の防音パネルにおいて、各遮音
板の内側には、第2遮音シートが接着されていること
が、好ましい。
【0017】請求項11の防音パネルにおいて、2枚の
第2遮音シートの間には、空気層が形成されており、空
気層には、吸音材が充填されていることが、好ましい。
【0018】請求項1ないし12のいずれかの防音パネ
ルにおいて、表面板と裏面板との少なくとも一方の内面
に、長溝を多数形成することが、好ましい。
【0019】請求項14の防音パネルの製造方法は、外
装板の内面に、複数枚の遮音板片に分割した遮音板を貼
着する防音パネルの製造方法であって、外装板の内面に
遮音板を貼着した後、遮音板に切れ目を入れて、遮音板
を複数枚に分断することを特徴とする。
【0020】請求項15の防音パネルは、表面板側と裏
面板側とを音的に絶縁した状態で、表面板と裏面板との
少なくとも一方の内面に、長溝を多数形成したことを特
徴とする。
【0021】請求項15の防音パネルにおいて、長溝
は、表面板および裏面板の両方に形成されており、表面
板と裏面板との相互間で長溝の形成パターンが異なるこ
とが、好ましい。
【0022】
【作用】請求項1の防音パネルによれば、表面板と裏面
板との少なくとも一方の内面に貼着した遮音板が、複数
枚の遮音板片に分割されているため、遮音板を接着して
一体化された表面板および/または裏面板は、各遮音板
片の自由振動と、表面板自体または裏面板自体の自由振
動とが合成された振動を行う。したがって、透過損失
が、特定の周波数域で極端に減少することがない。ま
た、遮音板が遮音板片に分割されているため、遮音板を
貼着しても、全体として表面板または裏面板の剛性はほ
とんど大きくならず、コインシデンス周波数を比較的高
い値に維持することができる。
【0023】請求項2および3の防音パネルによれば、
各遮音板片が、接着剤により、表面板と裏面板との少な
くとも一方の内面に、部分的に接着されているため、各
遮音板片の自由振動が顕著になり、またこの接着剤が、
制振性の接着剤であれば、この自由振動がより一層、顕
著になる。したがって、表面板または裏面板の振動系に
対して、各遮音板片が制動系として働き、表面板自体ま
たは裏面板自体の振動が制振され、共鳴透過やコインシ
デンス効果による透過損失の減少を抑制できると共に、
全体としても透過損失を大きくすることができる。
【0024】請求項4および5の防音パネルによれば、
複数枚の遮音板片が、それぞれ質量が異なるため、表面
板または裏面板の全体の質量配分のバランスが崩れ、表
面板自体または裏面板自体の振動を効率よく制振できる
と共に、遮音板片相互間の共振を防止することができ
る。この場合、複数枚の遮音板片が、それぞれ同一の面
密度と厚さとを有し、平面形状が異なれば、同一の材質
でかつ同一の厚みを有する遮音板片を用いて、質量配分
のバランスを崩すことができる。
【0025】請求項6および7の防音パネルによれば、
複数枚の遮音板片が、それぞれ同一の面密度と厚さとを
有し、左右に非対称のパターンで配設され、あるいは上
下に非対称のパターンで配設されているため、同一の材
料で、かつ同一の平面形状で構成した遮音板片であって
も、上記の質量配分のバランスを崩すことができる。
【0026】請求項8の防音パネルによれば、各遮音板
片と隣接する遮音板片との間隙に、ダンピング材が充填
されているため、各遮音板片の離脱などを有効に防止す
ることができると共に、各遮音板片を制振することがで
き、かつ遮音板片相互間での振動の伝搬を抑制すること
ができる。
【0027】請求項9の防音パネルによれば、表面板お
よび裏面板が、その心材に設けた遮音シートにより、音
響的に効率良く絶縁されているため、表面板および裏面
板間のサウンドブリッジが抑制される。
【0028】請求項10の防音パネルによれば、表面板
と遮音板との間、および裏面板と遮音板との間には、第
1遮音シートがそれぞれ介在しているため、表面板およ
び裏面板に、剛性を高めることなく、質量を付加するこ
とができ、また振動曲率の大きい表面板および裏面板
を、直接的に制振することができる。
【0029】請求項11の防音パネルによれば、各遮音
板の内側には、第2遮音シートがそれぞれ接着されてい
るため、全体として剛性を高めることなく、質量を付加
することができ、より一層、遮音性能を高めることがで
きる。
【0030】請求項12の防音パネルによれば、2枚の
第2遮音シートの間には、空気層が形成されており、空
気層には、吸音材が充填されているため、この空気層お
よび吸音材により、より一層、遮音性能および吸音性能
を高めることができる。
【0031】請求項13の防音パネルによれば、パネル
自体の厚みや重量を大きくすることなく、また遮音構造
を複雑にすることなく、共鳴透過による透過損失の減少
を防止できると共に、コインシデンス周波数が低くなる
のを防止することができる。
【0032】請求項14の防音パネルの製造方法によれ
ば、外装板の内面に遮音板を貼着した後、遮音板に切れ
目を入れて、遮音板を複数枚に分断するので、外装板
に、一枚ずつ遮音板片を貼着する必要がなく、遮音板片
の貼着作業を、極めて簡単かつ正確に行うことができ
る。
【0033】請求項15の防音パネルによれば、表面板
側と裏面板側とを音的に絶縁した状態で、表面板と裏面
板との少なくとも一方の内面に、スリット状の溝を多数
形成することにより、外観や板厚を変えることなく、表
面板または裏面板の剛性のみを小さくすることができ
る。すなわち、コインシデンス周波数を比較的高くする
ことができる。
【0034】請求項16の防音パネルによれば、スリッ
ト状の溝が、表面板および裏面板の両方に形成されてお
り、表面板と裏面板との相互間で溝の形成パターンが異
なるので、表面板および裏面板を同一の厚みや材質で構
成しても、表面板と裏面板との相互間で固有振動周波数
を変えることができる。
【0035】
【実施例】以下、添付図面を参照して、本発明の一実施
例に係る防音パネルについて説明する。この防音パネル
は、壁面パネルや防音ドアとして用いるものであるが、
いずれにあっても、基本構造は全く同一であるため、単
に防音パネルとして説明する。図1は防音パネルの部分
裁断正面図、図2はその断面図である。両図に示すよう
に、この防音パネル1は、方形の枠体2に、表裏両側か
らそれぞれ表面板3と裏面板4とを接着して、形成され
ており(フラッシュ構造)、その内部空間(空気層)
に、表面板3に接着した遮音板5を設けると共に吸音材
6を充填して、構成されている。
【0036】枠体2は、特に図示しないが、それ自体、
木材や合成樹脂などの柔らかな材料で構成され、或い
は、表面板3および裏面板4との間にゴムなどの防振材
を介在させて、表面板3と裏面板4との間にサウンドブ
リッジが生じないように、すなわち表面板3と裏面板4
とを音響的に絶縁できる構造になっている。
【0037】表面板3および裏面板4は、ハードボー
ド、パーティクルボード、化粧合板などで構成され、相
互に同一の材料で、かつ同一の厚さに形成されている。
もっとも、表面板3および裏面板4の外面デザインは、
用途に応じて色彩や模様などを異にする場合もある。吸
音材6は、グラスウールやロックウールをはじめとする
多孔質吸音材で構成されており、主に高音域の透過損失
に寄与する。
【0038】遮音材5は、石膏ボード(プラスターボー
ド)などで構成され、複数枚の遮音材片5aに分割した
状態で、表面板3の内面に接着されている。この場合、
接着剤7は、制振性の接着剤、例えば超軟質エラストマ
ー系などの接着剤(一般にはシーリング材として用い
る)が用いられ、これを帯状に塗布して、各遮音材片5
aを接着している。そして、複数枚の遮音材片5aは、
図1に示すように、相互に平面形状が異なると共に、上
下および左右に非対称に、かつ相互間で1〜2mm程度
の間隙(目地)を存して、配設されている。
【0039】図3は、本発明の第2実施例を示してい
る。この実施例では、裏面板4にも複数枚の遮音材片5
aで構成された、第1実施例と全く同一の遮音材5が、
接着されている。この場合、表面板3に接着した遮音材
5と、裏面板4に接着した遮音材5とは、その分割パタ
ーンが異なっており、表面板3と裏面板4とが、異なる
振動特性を示すようになっている。
【0040】次に、図4および図5を参照して、単体と
して、および防音ドアとして構成した防音パネル1の透
過損失の実験結果について説明する。図4は、単体とし
ての防音パネル1の透過損失であり、図5は防音ドアと
して構成した防音パネル1の透過損失である。ここで、
曲線Aは、遮音材5を省略した場合の透過損失であり、
曲線Bは、表面板3に、分割しない1枚の遮音材5を全
面接着した場合の透過損失であり、曲線Cは、表面板3
に、分割した遮音材片5を部分接着(帯状に接着)した
場合の透過損失であり、曲線Dは、表面板3および裏面
板4に、分割した遮音材片5aを非対称に部分接着した
場合(上記の第2実施例)の透過損失である。
【0041】それぞれ図4および図5に示すように、曲
線Aでは、250HZ を中心に透過損失が減少する特性
線図となっており、表面板3と裏面板4の共鳴透過が顕
著に表れている。曲線Bでは、2〜3KHZ を中心に透
過損失が減少する特性線図となっており、表面板3と遮
音材5とが一体化されて、この部分の剛性が高くなり、
比較的低域でコインシデンス効果が顕著に表れている。
曲線Cでは、4KHZを中心に透過損失がわずかに減少
する特性線図となっており、コインシデンス効果が、よ
り高周波数域に、かつわずかに表れている。そして、全
体として、透過損失が大きくなっている。曲線Dでは、
顕著な共鳴透過およびコインシデンス効果は表れず、全
体として、曲線Cのものより更に透過損失が大きくなっ
ている。
【0042】この場合、図4の単体としての防音パネル
1の方が、図5の防音ドアより、高音域で良好な透過損
失を示しているが、全体として、図4の防音パネルの曲
線Aおよび曲線Bは、壁としてJISの遮音等級のD−
30に留まり、曲線Cおよび曲線Dは、D−35を達成
することができた。同様に、図5の防音ドアの曲線Aお
よび曲線Bは、ドアとしてJISの遮音等級のTS −3
0に留まり、曲線Cおよび曲線Dは、TS −35を達成
することができた。すなわち、遮音板5の分割構造が、
透過損失に大きく寄与していることが確認できた。
【0043】以上のように第1および第2実施例によれ
ば、表面板3または裏面板4に、複数枚の遮音材片5a
に分割した遮音材5を、制振性の接着剤6により上下、
左右に非対称に配設して、部分接着しているので、平面
形状の異なる複数枚の遮音材片5aの自由振動が、表面
板3または裏面板4の振動を広い周波数に亘って均一に
制振する。また、遮音材5が分割されているので、表面
板3または裏面板4の剛性が、遮音材5を接着すること
により大きくなることはほとんどない。しかも、表面板
3と裏面板4とは、固有振動周波数が異なる構造となる
ので、共振が抑制され、また遮音材片5aが、上下、左
右に非対称に配設されているので、遮音材片5aの各部
においても共振の生ずる余地がない。このため、表面板
3および裏面板4を同一の材料で構成しても、共鳴透過
が顕著に表れることがなく、また、接着した遮音材5に
より、表面板3および裏面板4の厚みが増しても、コイ
ンシデンス周波数が低く、かつコインシデンス効果が顕
著に表れることがない。さらに、これら構成材の有機的
な作用により、防音パネル1自体を厚くすることなく、
透過損失に大きくすることができる。したがって、良好
な遮音効果を有する軽量でローコストの防音パネル1を
構成することができる。
【0044】図6は、防音パネル1の製造方法のうち、
表面板(外装材)3または裏面板(外装材)4に遮音板
片5aを接着する工程の一例を示している。遮音板片5
aをモザイク様に、表面板3または裏面板4に1枚ずつ
接着してゆくことも可能であるが、この場合には、表面
板3または裏面板4の内面に、接着剤7を帯状に等間隔
に塗布し、これに分割前の1枚の遮音板5を接着する。
そして、カッター8で上下、左右が対称になるように切
れ目を入れて、遮音板片5aを形成する。このようにし
て、遮音板片5aを形成すれば、極めて簡単に、かつ位
置決めなどの煩雑な作業なしに、遮音板片5を表面板3
または裏面板4に接着することができる。
【0045】図7および図8は、第3実施例の防音パネ
ル11を示している。両図に示すように、この防音パネ
ル11は、第2実施例と同様に、枠体(心材)12に、
表面板13および裏面板14を接着したフラッシュ構造
を有し、その内部空間(空気層)に、表面板13および
裏面板14に沿わせて2枚の遮音板15,15が設けら
れ、かつ吸音材16が充填されている。そして、各遮音
板15が、複数枚の遮音板片15aにそれぞれ分割さ
れ、また複数枚の遮音板片15aが、相互に平面形状が
異なると共に、上下および左右に非対称に、かつ相互間
で間隙(目地)を存して、配設されている。
【0046】この場合、第3実施例の第1および第2実
施例と異なるところは、表面板13と遮音板15との
間、および裏面板14と遮音板15との間に、それぞれ
第1遮音シート17が設けられると共に、各遮音板1
5,15の内側、すなわち吸音材16側に、それぞれ第
2遮音シート18が設けられている。両第1遮音シート
17,17は、それぞれ枠体12の部分にまで延びてお
り、この両第1遮音シート17,17の各延設部17a
により、枠体12と表面板13との間、および枠体12
と裏面板14との間が、音響的に絶縁されている。ま
た、表面板13側の遮音板15と裏面板14側の遮音板
15の厚みを変え(裏面板14側が厚い)、表面板13
側と裏面板14側との間で、共振が生じないようにして
いる。なお、図中の符合19は、防音パネルの端面を覆
う木口化粧板である。
【0047】図9は、第4実施例の防音パネル11を示
している。この実施例の防音パネル11では、第2遮音
シート18も、それぞれ枠体12の部分にまで延びてい
る。この場合、枠体12は、遮音板15と同一厚の表裏
両外層部12a,12aと、空気層と同一厚の中層部1
2bとに分割されており、両外層部12a,12aと中
層部12bとの間に、第2遮音シート18の各延設部1
8aが、介在している。また、各遮音板片15a間の目
地には、ダンピング材20が充填されており、ダンピン
グ材20により、各遮音板片15aの剥がれなどを有効
に防止することができると共に、遮音板片15a相互間
を音響的に絶縁することができる。
【0048】図10は、第5実施例の防音パネル11を
示している。この実施例の防音パネル11では、枠体1
2が、中間部で分割されており、表半部12cと裏半部
12dとの間に、遮音シート21が、介在している。
【0049】以上のように第3ないし第5実施例によれ
ば、枠体12の表裏両面や中間部に遮音シート17,1
8,21を介在させることにより、表面板13と裏面板
14とが音響的に確実に絶縁され、この部分からのサウ
ンドブリッジが防止される。これにより、防音パネル1
1全体として、遮音性能を高めることができる。また、
表面板13と遮音板15との間、および裏面板14と遮
音板15との間に、それぞれ第1遮音シート17が、さ
らに各遮音板15,15の内側に、それぞれ第2遮音シ
ート18が設けられているので、表面板13および裏面
板14の剛性を高めることなく、質量を付加することが
でき、かつ表面板13および裏面板14を直接制振する
ことができる。したがって、この点でも遮音性能を高め
ることができる。しかも、空気層とこれに充填した吸音
材16により、遮音性能と共に吸音性能をも高めること
ができる。
【0050】図11は、第6実施例の防音パネル31を
示しており、この防音パネル31は、上記第2実施例の
防音パネル1を単純化したものである。この防音パネル
31では、枠体32に接着した表面板33および裏面板
34を、それ自体遮音効果の大きい、例えば、パーティ
クルボードなどで構成し、かつ所定の遮音効果を奏する
ように一定の厚みを持たせている。また、空気層には、
吸音材35が充填されている。表面板33および裏面板
34の内面には、複数のスリット状の溝33a,33a
がそれぞれ形成され、厚みを保持した状態で、表面板3
3および裏面板34の剛性を小さく押さえている。ま
た、複数のスリット状の各溝33a,34aは、少なく
とも左右非対称に、かつ表面板33と裏面板34とで
は、異なるパターンとなるように、形成されている。
【0051】このように、第6実施例によれば、遮音材
となる表面板33および裏面板34の厚みを保持した状
態で、その剛性を小さくすることができると共に、表面
板33および裏面板34を、相互に異なる材質や厚みに
することなく、異なる固有振動数となるように構成する
ことができる。したがって、より一層単純な構造で、上
記第1および第2実施例と同様の遮音性能を達成するこ
とができる。なお、特に図示しないが、第6実施例の表
面板33および裏面板34と、第1および第2実施例の
遮音板5とを、また第3ないし第5実施例の遮音板15
とを組み合わせて、防音パネル31を構成するようにし
てもよい。
【0052】また、表面板、裏面板、遮音板、吸音材お
よび接着剤は、その機能を満足する限り、実施例に掲げ
た材料に限定されるものではない。さらに、防音パネル
自体、壁面パネルや防音ドアの他、引き戸などにも適用
できることは、いうまでもない。
【0053】
【発明の効果】以上のように請求項1の防音パネルによ
れば、防音パネル自体を厚くすることなく、かつ遮音構
造を複雑化することなく、共鳴透過やコインシデンス効
果を抑制でき、軽量かつ低コストで十分な遮音性能を得
ることができる。
【0054】また、請求項14の防音パネルの製造方法
によれば、共鳴透過やコインシデンス効果を十分に抑制
できる遮音性能の良好な防音パネルを、簡単に製造する
ことができる。
【0055】さらに、請求項15の防音パネルによれ
ば、簡単な構造で、コインシデンス周波数を高めること
ができ、低コストで良好な遮音性能を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る防音パネルの部分裁
断正面図である。
【図2】第1実施例に係る防音パネルの断面図である。
【図3】第2実施例に係る防音パネルの断面図である。
【図4】単体としての各種防音パネルの透過損失を表し
た周波数特性線図である。
【図5】防音ドアとしての各種防音パネルの透過損失を
表した周波数特性線図である。
【図6】防音パネルの製造方法の一例を表した斜視図で
ある。
【図7】第3実施例に係る防音パネルの部分裁断正面図
である。
【図8】第3実施例に係る防音パネルの断面図である。
【図9】第4実施例に係る防音パネルの断面図である。
【図10】第5実施例に係る防音パネルの断面図であ
る。
【図11】第6実施例に係る防音パネルの断面図であ
る。
【符号の説明】
1,11,31 防音パネル 3,13,33 表面板 4,14,34 裏面板 5,15 遮音板 5a,15a 遮音板片 7 接着剤 16 吸音材 17 第1遮音シート 18 第2遮音シート 17a,18a 延設部 20 ダンピング材 21 遮音シート 33a,34a 溝

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面板側と裏面板側とを音響的に絶縁し
    た状態で、表面板と裏面板との少なくとも一方の内面
    に、遮音板を接着した防音パネルであって、 前記遮音板が、複数枚の遮音板片に分割されていること
    を特徴とする防音パネル。
  2. 【請求項2】 前記各遮音板片は、接着剤により、前記
    表面板と前記裏面板との少なくとも一方の内面に、部分
    的に接着されていることを特徴とする請求項1に記載の
    防音パネル。
  3. 【請求項3】 前記接着剤は、制振性の接着剤であるこ
    とを特徴とする請求項2に記載の防音パネル。
  4. 【請求項4】 前記複数枚の遮音板片は、それぞれ質量
    が異なることを特徴とする請求項1、2または3に記載
    の防音パネル。
  5. 【請求項5】 前記複数枚の遮音板片は、それぞれ同一
    の面密度および厚さを有し、平面形状が異なることを特
    徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の防音
    パネル。
  6. 【請求項6】 前記複数枚の遮音板片は、それぞれ同一
    の面密度および厚さを有し、左右に非対称のパターンで
    配設されていることを特徴とする請求項1、2または3
    に記載の防音パネル。
  7. 【請求項7】 前記複数枚の遮音板片は、それぞれ同一
    の面密度および厚さを有し、上下に非対称のパターンで
    配設されていることを特徴とする請求項1、2、3また
    は6に記載の防音パネル。
  8. 【請求項8】 前記各遮音板片は、隣接する遮音板片と
    の間に間隙を存して、配設されており、 当該間隙には、ダンピング材が充填されていることを特
    徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の防音
    パネル。
  9. 【請求項9】 前記表面板および前記裏面板は、心材を
    介して周縁部で相互に張り合わされており、 前記心材は、遮音シートを介在した状態で表裏方向に分
    割されていることを特徴とする請求項1ないし8のいず
    れか1項に記載の防音パネル。
  10. 【請求項10】 前記表面板の内面および前記裏面板の
    内面には、前記遮音板がそれぞれ設けられており、 前記表面板と前記遮音板との間、および前記裏面板と前
    記遮音板との間には、第1遮音シートがそれぞれ介在し
    ていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1
    項に記載の防音パネル。
  11. 【請求項11】 前記各遮音板の内側には、第2遮音シ
    ートが接着されていることを特徴とする請求項10に記
    載の防音パネル。
  12. 【請求項12】 前記2枚の第2遮音シートの間には、
    空気層が形成されており、 当該空気層には、吸音材が充填されていることを特徴と
    する請求項11に記載の防音パネル。
  13. 【請求項13】 前記表面板と前記裏面板との少なくと
    も一方の内面に、長溝を多数形成したことを特徴とする
    請求項1ないし12のいずれか1項に記載の防音パネ
    ル。
  14. 【請求項14】 外装板の内面に、複数枚の遮音板片に
    分割した遮音板を貼着する防音パネルの製造方法であっ
    て、 前記外装板の内面に遮音板を貼着した後、当該遮音板に
    切れ目を入れて、当該遮音板を複数枚に分断することを
    特徴とする防音パネルの製造方法。
  15. 【請求項15】 表面板側と裏面板側とを音響的に絶縁
    した状態で、表面板と裏面板との少なくとも一方の内面
    に、長溝を多数形成したことを特徴とする防音パネル。
  16. 【請求項16】 前記長溝は、前記表面板および前記裏
    面板の両方に形成されており、前記表面板と前記裏面板
    との相互間で当該長溝の形成パターンが異なることを特
    徴とする請求項15に記載の防音パネル。
JP7110076A 1994-04-11 1995-04-11 防音パネルおよびその製造方法 Pending JPH07331763A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005021917A1 (ja) * 2003-09-01 2005-03-10 Tetsuya Kogyo Co., Ltd. 扉等のパネルの遮音構造
CN109927844A (zh) * 2019-04-29 2019-06-25 江龙船艇科技股份有限公司 客船与游艇隔音降噪结构

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WO2005021917A1 (ja) * 2003-09-01 2005-03-10 Tetsuya Kogyo Co., Ltd. 扉等のパネルの遮音構造
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