JPH0733089Y2 - 湯沸器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は湯沸器に関する。

（従来の技術） 従来の湯沸器は、第６図に示すように、熱交換器ａを収
容する本体ケースｂの上部に設けた排気口ｃの上方に間
隙を存して該排気口ｃを覆い且つ該間隙の後方を閉塞す
る排気フードｄを設けるを一般とする。このような、湯
沸器は一般に壁掛式であるため、排気口から出る高温の
排気によって、壁面が加熱されないように考慮する必要
がある。

そのため前述のごとく、排気フードｄは後方が閉塞され
ており、排気口ｃから流れ出る排気が壁面側へ流れない
ようになっている。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、上記従来のものは、排気フードｄと本体
ケースｂが離れずぎているため、両者に一体感がなく、
デザイン上好ましいものではなかった。

そこで、本願考案者は、第１図に示すように熱交換器ａ
と排気フードｄとの距離を変えずに、本体ケースｂを熱
交換器ａより上方に延長して排気フードｄと本体ケース
ｂを接近させ、一体感を出すようにしたが、これによれ
ば、排気フードｄと排気口ｃとの距離が近くなり、その
結果、排気フードｄと本体ケースｂとの間から流出する
排気の流速（単位面積当りの熱保有量）が増えるため、
排気フードの後方、即ち壁面側が閉塞されていても、排
気フードｄの横方向、特に後半部の横方向から流出した
排気により壁面側を加熱する恐れがある。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記不都合を解消しようとするものであって、
請求項１の湯沸器は、熱交換器を収納する本体ケースの
上部に設けた排気口の上方に間隙を存して排気口を覆い
且つ該間隙の後方を閉塞する排気フードを設けるものに
おいて、該本体ケースの上端を熱交換器より上方に延長
して該排気口を該排気フードに接近させると共に、該熱
交換器と該排気フードとの間に、前方に向って斜上方に
傾く天板の両側に側板を設けた排気ガイドを設け、該排
気ガイドによって、該熱交換器の後半部を通過した排気
を前方に導くことを特徴とする。

請求項２の湯沸器は、請求項１の湯沸器において、前記
本体ケースに固定される熱交換器の取付板と該排気ガイ
ドを一体成形したことを特徴とする。

（作用） 本考案は上記構成によるもので、請求項１の湯沸器によ
れば、熱交換器と排気フードとの距離を変えずに、排気
フードと本体ケースを接近させて、デザイン上排気フー
ドと本体ケースに一体感があるようにした場合でも、熱
交換器の後半部を通過した排気は排気ガイドの天板によ
って強制的に前方に向きを変えられ、しかも側板によっ
て横方向への排気の流出を抑えられる。これによって、
壁面の加熱を防止出来ると共に排気作用を十分に行なう
ことができる。

また、請求項２の湯沸器によれば、本体ケースに熱交換
器の取付板を取付ける作業を行えば、排気ガイドを取付
ける作業が不要となる。

（実施例） 次に本考案の実施例を図面に基づて説明する。第２図乃
至第５図において、１は前後２分割のカバー1a,1bで構
成される湯沸器の本体ケース、２は吸熱管３が配管され
上部に多数のフィンを備え、下部にガスバーナ４の燃焼
室を形成した熱交換器を示し、該熱交換器２の上部は取
付板５を介して本体ケース１の後カバー1bに固定され、
該熱交換器２の下部は、図示しないが、その後面下部の
掛止片において該本体ケース１の後カバー1bの鉤片に掛
止め固定され、該後カバー1bはその後面に固定された遮
熱板取付金具６を介して壁面７に固定される。

前記熱交換器２の上部の本体ケース１への固定を更に詳
しく説明すると、先ず熱交換器２を、その上面両側端部
に設けた外方に延びる舌片8,8において平面略コ字形の
取付板５にねじ9,9により固定し、次いで該取付板５
を、その立上部の後面に後方に突出させて設けた係止片
10,10を本体ケース１の後カバー1bの設けた係合孔11,11
に係合させて位置決めし、最後に該取付板５を、その立
上部において本体ケース１の後カバー1bにねじ12,12,12
により固定して終了する。

13は本体ケース１の上面の排気口14に間隙を存し該間隙
の後方を閉塞するように設けられた排気フードで、その
下端の差込片15,15を本体ケース１の後カバー1bの後面
に固定された遮熱板付取付金具６の切起し16,16に差し
込んで固定される。

この場合、該排気フード13から前記熱交換器２までの距
離を前記した従来のものと変えずに、該排気フード13か
ら本体ケース１の排気口14までの距離を、該本体ケース
１の上端を熱交換器２より上方に延長して接近させ、デ
ザイン上一体感を出すようにした。上記した構成によれ
ば、排気口14と排気フード13の距離が近くなるため、排
気フード13と本体ケース１との間から流出する排気の流
速（単位面積当りの熱保有量）が増え、排気フードの横
方向、特に後半部の横方向から流出した排気により壁面
７を加熱する恐れがある。

そこで本考案では、該熱交換器２と該排気フード13との
間に、前方に向って斜上方に傾く天板17aの両側に側板1
7bを設けた排気ガイド17を設け、該排気ガイド17によっ
て、該熱交換器２の後半部を通過した排気を前方に導く
ようにしたもので、具体的には、該排気ガイド17は、そ
の側板17bの両側端部に設けた下方に向う爪片18,18を取
付板５に設けた透孔19,19に挿入して位置決めし、且つ
天板17aの後端部に設けた上方に向う取付片20を該取付
板５を本体ケース１の後カバー1bに固定するとき用いる
前記ねじ12により共締めして熱交換器２と排気フード13
との間に設けた。

かくするときは、熱交換器２の後半部を通過した排気は
排気ガイド17の天板17aにより強制的に前方に向きを変
えられ、しかも側板17b,17bにより横への排気の流れを
抑えられるので、排気フード13の後方の壁面の加熱を防
止出来ると共に、排気作用が十分に行なわれる。

図中、21は点・消火用操作子を示す。

尚、上記した実施例では熱交換器２の取付板５と排気ガ
イド17を別体のもので構成したが、第５図に示すように
一体成形しても良い。

（考案の効果） このように請求項１の湯沸器によるときは、本体ケース
を排気フードに接近させて両者にデザイン上一体感が出
るようにして、排気が出にくくなる場合も、熱交換器の
後半部を通過した排気は排気ガイドの天板によって強制
的に前方に向きを変えられ、しかも側板によって両側へ
の排気の流出を抑えられるので、排気ガイドにより壁面
の加熱を防止出来ると共に、排気作用を十分に行なうこ
とができる効果を有する。

さらに請求項２の湯沸器によるときは、熱交換器の取付
板と排気ガイドとが別体のものに比して、該排気ガイド
を取付ける作業が不要となり、作業工数を減少させるこ
とができると共に部品点数を減少させることができる効
果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の創案途中で案出した湯沸器の要部截断
側面図、第２図は本考案の実施の１例を示す截断側面
図、第３図はその組立途中の要部を拡大した截断側面
図、第４図はその要部の分解斜視図、第５図は本考案の
他の実施例の取付板と排気ガイドを示した斜視図、第６
図は従来例の要部截断側面図である。 １…本体ケース、２…熱交換器 ５…取付板、13…排気フード 14…排気口、17…排気ガイド

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】熱交換器を収納する本体ケースの上部に設
   けた排気口の上方に間隙を存して排気口を覆い且つ該間
   隙の後方を閉塞する排気フードを設けるものにおいて、
   該本体ケースの上端を熱交換器より上方に延長して該排
   気口を該排気フードに接近させると共に、該熱交換器と
   該排気フードとの間に、前方に向って斜上方に傾く天板
   の両側に側板を設けた排気ガイドを設け、該排気ガイド
   によって、該熱交換器の後半部を通過した排気を前方に
   導くことを特徴とする湯沸器。
2. 【請求項２】前記本体ケースに固定される熱交換器の取
   付板と該排気ガイドを一体成形して成る請求項１記載の
   湯沸器。