JPH07330684A - 異種複合エステル - Google Patents

異種複合エステル

Info

Publication number
JPH07330684A
JPH07330684A JP14222394A JP14222394A JPH07330684A JP H07330684 A JPH07330684 A JP H07330684A JP 14222394 A JP14222394 A JP 14222394A JP 14222394 A JP14222394 A JP 14222394A JP H07330684 A JPH07330684 A JP H07330684A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ester
acid
diol
phthalic acid
adipic acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP14222394A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3409067B2 (ja
Inventor
Satoru Matsumoto
哲 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP14222394A priority Critical patent/JP3409067B2/ja
Publication of JPH07330684A publication Critical patent/JPH07330684A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3409067B2 publication Critical patent/JP3409067B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 本発明の目的は、異種複合エステル及びその
製法に関する。エステルは可塑剤として有用である。低
揮発性であるから、ポリ塩化ビニールフイルムの可塑剤
揮発による硬化を防止する。耐揮発性及び耐水性も優れ
ている。 【構成】 異種複合エステルはフタ−ル酸単位とアジピ
ン酸(繰返し)単位を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フタ−ル酸単位とアジ
ピン酸(繰返し)単位を含む、異種複合エステルに関す
る。本発明の異種複合エステルは、可塑剤として有用で
ある。ポリ塩化ビニールフイルム中で可塑剤を長期間使
用していると可塑剤が揮発するために硬化が起こるが、
本発明の異種複合エステルは、低揮発性であるから、こ
れを防止するために、ポリ塩化ビニールフイルムに使用
できる。また本発明の可塑剤は、ポリ塩化ビニールに添
加するための、耐揮発性及び耐水性の優れた高分子量可
塑剤としても有用である。本発明はまたこのような可塑
剤の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明の化合物は下記一般式で記載され
る構造を有する RO(COC6H4COOXO)m(CO(CH2)4COOXO)nCO(CH2)4COOR 式中、Rはアルキルであり、Xはジオールの残基であ
り、nは3未満であり、mは0、1又は2である。
【0003】使用される二塩基酸は式 HOCOPCOOHで表
わすフタ−ル酸及び式 HOCOACOOHで表わすアジピン酸
である。化合物は、これらとジオ−ル即ち2官能性アル
コール、ならびに一官能性アルコールより製造される。
本発明の化合物は可塑剤として特に有用な性質を有する
異種複合エステル類である。
【0004】
【従来の技術】複合エステルとは、一般式 RO(COACOOXO)nCOACOOR で示される。本質的には n の数が 1-7 の化合物の混合
物として製造される。複合エステルは既に1930年アメリ
カ化学会誌に報告されている(JACS52巻3221
頁)。単一複合エステル についての製造研究、ならび
に組成割合の研究を本発明者は行っている。 高分子論
文集47,177(1990) 参照。また本発明者は、エステル交
換反応による複合エステルの製造方法を特公平 1-25733
に出願しており、脱水エステル化反応については、特公
平 4-51540、米国特許第4661622号に出願した。
【0005】さらに、本発明者は、異種複合エステルと
称する、異なる二塩基酸からなる複合エステルの製造方
法を出願している。特開昭62-234044号参照。また分子
量分布を考慮している、脱水エステル化反応による方法
を特開平5-155810に開示している。またジオール成分と
して2-エチル-1,3-ヘキサンジオールを使用して、耐水
性にすぐれたエステルが得られることから、その特許出
願をしている。その出願中では、その製造方法、並びに
得られる複合エステル類をポリ塩化ビニールに添加した
ときの可塑剤としての性能について開示しており、nの
数に従って分子量の少ないほど、高可塑性であり、低粘
度であり、対揮発性の優れた可塑剤として有用であるこ
とが判明している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ポリエステル可塑剤
は、その分子量に対応して揮発性が減少するが、分子量
が大きく 1500 以上ではその粘度が高く、塩化ビニール
の可塑剤として使用するときは、可塑性能が悪く、また
製造時に酸価を下げた低いエステルを作ることが簡単で
はない。
【0007】一方、複合エステルは低粘度高可塑性であ
るが、アジピン酸ジエステル(ROCOACOOR)(以下DO
Aと略して記載することもある)の副生量が多く、不利
な点は免れない。分子量分布を考慮した、また目的のn
値を得ることの出来る、複合エステル混合物を製造する
技術はとくに確立されていなかった。しかし、本発明人
は末端オクチル系複合エステルの製造方法を研究し、逐
次添加エステル化反応によって分布のコントロールされ
た複合エステルを得る方法を見いだした。前記特開平 5
-1558102 記載の技術に依って、現在では、ジオールと
して一般的な 1,3-ブタンジオールを使用した場合に
は、 n=2.5 を目的とした時、使用したアジピン酸のほ
ぼ 93% が複合エステルとなり、また n=3 以上ではほぼ
97% が目的の複合エステルになることが判明してい
る。
【0008】複合エステルは、必ずオリゴマーの混合物
として得られる為に、その分子量分布がどうであるかが
問題である。nの数の小さい複合エステルを製造すると
きは、アジピン酸ジエステルの副生量が多いので、副生
量を少なくする製造方法を得ることが問題である。前者
の分子量分布の問題として、高分子量のオリゴマーを含
まない複合エステルが製造されれば、低粘度高可塑性で
分子量に対応して低揮発性であるから、優れた可塑剤と
して使用される可能性をもっている。
【0009】エステル化反応において酸に対してアルコ
ールの使用量を多量に使用することは、常識的なこと
で、使用しないと末期の速度が遅く従って低酸価生成物
を得ることが困難である。過剰量の一官能性アルコール
を使用すると、エステルアルコ−ルができるため、分子
量に影響し、高分子量部分が増加するが、酸価を下げる
ために止むを得ず使用されてきた。また前記の研究の途
中で、ポリエステルであっても、充分エステル交換反応
を行わないと、僅かに混在するエステルアルコールが加
熱減量、耐水性、電気特性、その他の可塑剤の性能を低
下させる事が判明している。
【0010】従来開示されている複合エステル製造方法
でのエステル交換反応(特公平 4-51540、米国特許4661
622参照)は、200℃までの温度で行なえば充分であると
の見方がされてきた。しかし、上記の可塑剤性能の良好
な複合エステルを得る為には、記載された方法の条件よ
り更に高温低圧下でエステル交換反応を行うことが必要
であること、また250℃までの高温処理によって複合エ
ステルの可塑剤性能が格段と向上することが分かった。
【0011】特にエステル交換反応の技術を利用する
と、容易に複合エステルが得られることが分かって、本
発明は、種々検討の後アジピン酸複合エステルならびに
ポリエステルの製造技術を完成した。
【0012】また特に重合度の低いnの数の小さな複合
エステルの製造時には、副生するジエステルの量を予め
予測し、副生量以外が反応して目的物を生成するとし
て、反応モル数をコントロールして製造することによっ
て、目的の平均分子量の複合エステルを製造することが
出来ることも判明し、本出願と同時に別願で特許出願し
た。
【0013】
【課題を解決する手段】本発明は、これらの技術を更に
応用して、フタ−ル酸アジピン酸異種複合エステル、そ
の混合物、製造方法、及び可塑剤としての用途に関す
る。
【0014】先に本発明者は複合エステルの製造方法に
ついて検討してきたが、本発明は異種複合エステルに関
するものであって、まずその効果について説明する。
【0015】従来のアジピン酸複合エステルでは、アジ
ピン酸の酸強度が強く、エステル化反応がし易く、低粘
度高可塑性の可塑剤が出来るが、耐水性や耐アルカリ性
が不十分であった。また二塩基酸としてもフタ−ル酸よ
り原料価格が高く、原料としては不利であり、特に屋外
用途で、前記耐水性を考慮し、DOP並の耐水性が要求
されると、特定のジオール成分例えば2-エチル-1,3-ヘ
キサンジオールを使用することが必要であった(特願平
− )。
【0016】一方好ましい耐水性を期待してフタ−ル酸
より複合エステルを製造しても、オリゴマーが同時に製
造されるために、其の粘度が急激に増大し、直接n=1
を目的にしても場合によっては、粘度が数千センチポイ
ズとなり、可塑剤として使用するときは、可塑化効率が
悪く、従ってDOPに代えて使用することなどは全く可
能性がなかった。
【0017】今回平均分子量をコントロールして複合エ
ステルを製造することができるようになったので、目的
のnの数を3迄にして種々の方法並びに反応割合で異種
複合エステルを製造した。
【0018】結果は、得られたエステル類の粘度の21
℃における測定値を示している。本発明では、500セン
チポイズ以下のエステル類を容易に製造することが出
来、そのポリ塩化ビニールに対する可塑化効率もほぼD
OPと同等ないし1割程度悪いだけで、優れた可塑性を
示す許りではなく、複合エステルにすることによって分
子量が増大し、可塑剤として使用したときの可塑剤の揮
発減量はDOPに対比して大幅に、即ち約1割に減少し
た。
【0019】前記した高価なジオールを使用せず、一般
的なジオールを使用しても、アジピン酸よりフタ−ル酸
エステルが耐水性に優れるために全体的に耐水性が改善
され、耐揮発性の可塑剤として非常に優れた性能を示す
ことが判明した。これら(耐水性、耐揮発性改善)の要
求を満たすためには、ジオールの種類によって幾分異な
るが、m+nが3以下、mの数が2以下であることが必
要であると予測されるが、高分子量ポリエステルであっ
ても、部分的にフタ−ル酸を少量含む事によって耐水性
を向上することが期待される。
【0020】優れた可塑性とDOPと同等の耐水性を持
ち、低酸価低揮発性の可塑剤として本発明の異種複合エ
ステルを提起するが、mの平均数が1以下と述べる場合
は実質的にはmが0と1(又は0、1、2)である混合
物を意味するものである。複合エステルが分子量の異な
る分布を有するエステル類の混合物であるので、複合エ
ステルでは分子量分布を測定できるが、本発明の異種複
合エステルは其の割合を分離して測定することは、出来
ていない。しかし単なる混合物とは異なり、n=1より
n=7程度のオリゴマーまでの混合物であり、nの数が
上がるに従ってその割合が順次級数的に減少する。特に
mの平均数が0.2以上を含む組成物が本目的の異種複合
エステルと考えられる。
【0021】mの数が0.2以上と言う意味は、厳密には
フタ−ル酸が1個入ったものと全く入っていないものと
の混合物を意味しており、従って耐水性に関してはフタ
−ル酸エステルとアジピン酸エステルの中間の性質とな
ると考えられる。実際各種の製造方法並びに反応割合で
製造したフタ−ル酸とアジピン酸の組成の異なる異種複
合エステルを可塑剤として使用して、ポリ塩化ビニール
フイルムを作成し、その耐水性を、60℃で48時間石
鹸水浸漬による重量減%で比較すると、DOPより全体
的に重量減が少なく耐水性に優れた結果を示した。フタ
−ル酸の組成割合が少ない0.2ないし0.3の範囲ではその
効果が少なく、フタ−ル酸を使用しない場合に近い値と
なった。
【0022】以下にその製造方法について述べる。 (1)フタ−ル酸無水物とジオ−ルとを反応させ、フタ
−ル酸のモル数に対して、大過剰のアジピン酸を加え、
脱水エステル化反応を行い、末端アルコールとして主と
して2-エチルヘキサノールの計算量を逐次添加し、最後
に過剰量の末端オクタノ−ルを添加して酸価を下げる方
法、(2)同様の反応に於てオクタノ−ルをエステルア
ルコ−ルとするために必要な充分量を添加して脱水エス
テル化反応を行い、式 mROCOPCOOXOH+nROCOACOOXOH+ROCOACOOR+qROCOACOOR の混合組成物とした後、特にジエステルの割合をコント
ロールして反応後副生するジエステルの割合qを予め予
備実験結果より予測して過剰に存在する状態でエステル
組成物を作り、脱アルコールエステル交換反応を行っ
て、目的の平均重合度を有する異種複合エステルを製す
る方法、(3)アジピン酸ジエステルを製造し、過剰の
オクタノールを除去した後、別途製造したフタ−ル酸と
ジオールより製造されるジオールジエステル HOX(OCOC6H4COOX)nOH またはジオール HOXOH の混合物を使用し、特に生成物の重合度を規制する目的
で、反応後副生するジエステルの割合を差し引き、残り
が目的の複合エステルとなる様にジオール成分の添加量
をコントロールしてエステル交換反応液とし、使用した
ジオール量に見合うオクタノールを加えて脱アルコール
エステル化反応を行うものである。
【0023】これらの反応は、温度が120〜250℃、反応
圧力が常圧ないしDOAが沸騰するまでの減圧(0.3mmH
g程度まで)の高真空下、で反応を行った後、脱触媒処
理を行って減圧下真空蒸留して、副生するジエステルを
分留除去し、残留液として生成物が製造される。
【0024】これらの反応で使用するジオール量は副生
するジエステル割合(q)を二塩基酸全反応量1より差
引き ジオール量=(1−q)×(m+n)/(m+n+1) として計算される。
【0025】(1),(2)の反応では無水フタ−ル酸
とジオールとの反応で得られるが、(3)の反応では特
にn'の小さなものが好ましいので、過剰量の2〜6モル
のジオールとフタール酸低級ジエステルとの間のエステ
ル交換反応でジオールジエステルとジオールとの混合物
をつくり、あるいは脱水エステル化反応を使用して目的
物を作った後、フタ−ル酸とジオールの量を使用量に併
せて反応液として使用する。
【0026】生成物のmおよびnは以下のようにして計
算される。蒸留によって副生したジエステルをGC分析
によってDOPとDOAを確認し、平均の分子量を算出
し、その値を使用して、副生したジエステルのモル数を
計算し、エステル回収率で補正したジエステル回収率
q’を計算し、反応したAおよびPの反応量[1−q]
を算出する。一方、オクタノ−ル中または脱水エステル
化反応で水と共に未反応で回収された量を差し引いたジ
オールの反応量[x]を使用して m+n=[X]/{[1−q]−[x]} が計算され、使用したフタール酸量よりDOPとして回
収された量を差し引いた反応量[P]より m=[P]/{[1−q]−[x]} が計算され更にnの値が算出される。
【0027】実施例の記載に当たっては、化合物発明に
ついては定義内には種々含まれるけれども、末端アルコ
ールとして主として2-エチルヘキサノールを使用してい
る。製造方法発明についても、その他にオキソアルコー
ル類の使用を当然考える。
【0028】しかしその分子式が長く複雑であるので、
末端アルコ−ルは、実際に使用したO(オクチルアルコ
−ル)の記号を使用し、アジピン酸成分をA、フタ−ル
酸成分をP、ジオ−ル成分をXとする。1,3-ブタンジオ
ールをX13、1,4-ブタンジオールをX14、1,2-プロパン
ジオールをXP、ジプロピレングリコールをXDP、トリ
プロピレングリコールをXTP、2-エチル-1,3-ヘキサン
ジオ−ルをX2Eとする。
【0029】その製造方法としてq値また反応組成を決
めるための目的分子式 O(PX)m(AX)nAO、 並びに反応後得られた生
成物より計算されるm、nを入れた生成物の組成、その
21℃の粘度、及び得えられた異種複合エステルを使用
して、50PHRの可塑剤安定剤を含むポリ塩化ビニー
ル1mmのシートを使用した際の耐水テスト結果、を実
施例に示した。
【0030】なお、シートを使用してDOP50部使用
と同等の表面硬度を示す可塑剤量で表現される可塑化効
率は、45〜52であって、幾分の変動は示すが、ほぼ
DOPと同等ないし幾分悪い程度の可塑性能を有し、ま
た、160℃熱風循環式加熱炉中2時間の加熱減量は1
ー3%の値でDOP15%の略1/7の低揮発性であっ
た。
【0031】
【実施例】以下に実施例について述べる 実施例1ジ-2-エチルヘキシル ポリ-(1,3-ブタンジイル アジペ
ート(0.72)フタレート(157)) 製造方法として目的組成 OPXAXAO n=2 副生 DOA 割合 q
=0.35(表中の()記載のq値)の代表例について記載す
る。(1-0.35)×1/3=0.2167 モル 32.06gの無水フタ−
ル酸と(1-0.35)×0.433モル 39.0gの1,3-ブタンジオ
−ルを脱酸素処理後100-120℃で加熱攪拌し、無水物を
反応させアジピン酸(1-0.35)×2/3=0.783モル114.4g
のアジピン酸及び2-エチルヘキサノ−ル(2-0.433)=1.
567モル 203.67g さらに触媒として、0.2gのテトラブト
キシチタンを加えて少量の共沸溶剤トルエンの存在脱水
エステル化反応を行った。酸値を0.08に下げた後減圧下
に200-230℃/0.5mnHgまで上げて加熱攪拌しエステル化
反応で生成したオクタノ−ル52g計算量に対し92%を得て
エステル交換反応を終了した。反応終了後、トルエンお
よび水を加えてチタンを不活性化し、瀘過次いでアルカ
リ洗浄更に熱水洗浄活性白土瀘過し、蒸留して170-210
℃/0.4mmHg留分137.1g(GC分析ではDOA 78% DOP 22%で
あった)と265℃/0.5mmHg以上の目的生成物を得、その2
1℃における粘度は266cPであった。前留分ジエステルに
ついて、その平均分子量374で生成物重量を割り副生ジ
エステルモル量を計算し、エステルの回収率で補正した
副生ジエステル モル0.417を得更に反応した二塩基酸
量0.587を得た。一方エステル交換反応時にオクタノ−
ルと一緒に生成した1,3-ブタンジオ−ル量をGC分析して
補正し、反応したジオ−ル モル量0.410を得た。更に
使用したフタ−ル酸量より回収したDOPモル量を引き反
応したフタ−ル酸量0.129 を得た。これらの値を使用し
n=1.57 m=0.72を得組成は0(AX)1.57(PX)0.72AOとし
た。生成物についての組成は2桁目を四捨五入して記載
した。一方2PHRの安定剤と50PHRのこれら複合エステル
類を可塑剤としてポリ塩化ビニ−ル樹脂に配合し、ロ−
ル混練後プレスして1mm厚のシ−トを作成し、60℃48時
間2%石鹸水に浸漬しのち72時間乾燥後のシ−トの減量%
を測定して、耐水性とした。この複合エステルについて
は1.22%で、DOPを使用した場合1.15-1.65平均値1.42に
対比して優れた値となった。また石鹸水液に1/20 N ア
ルカリを1/5量添加した対アルカリ性の結果を次覧に示
しこの場合は0.62でDOPの平均値0.74に対比し優れてい
た。
【0032】ジ-2-エチルヘキシルポリ-(1,3-ブタンジ
イルアジペ−トフタレ−ト) 実施例1−17にはジオ−ル成分として1,3-ブタンジオ
−ルを使用し()記載の副生DOAを除外したアジペ−
トが製造方法記載の組成となる様に反応モル比を合わせ
反応した際に生成物を計算して、生成物中の(PX)mのm
の少ない順に表示した。フタレ−トは100%生成物に
取り込まれないので、生成エステル中のフタ−ル酸割合
が種々であるがDOPの平均と比較し何れもが同等ない
し優れた値となった。実施例12はDOPの平均値より
幾分悪いがDOPの最高値よりはかなり低い。 一方m=
0.3を示した実施例2は耐水性が劣る結果となった。フタ
−ル酸の効果が出るのは(PX)mのmが0.3以上必要であ
ると判断された。
【0033】 第1表実施例 製造方法 粘度cP 生成エステル 耐水性% 耐アルカリ性 2 OPXAXAO(0.50) 137 O(PX)0.3(AX)1.9AO 1.95 1.40 3 OPXAXAO(0.50) 201 O(PX)0.5(AX)1.5AO 1.30 1.15 4 OPX(AX)0.5AO(0.40) 223 O(PX)0.6(AX)1.4AO 0.94 0.66 5 OPXAO(0.60) 176 O(PX)0.6(AX)1.3AO 1.32 0.72 6 OPXAXAO(0.40) 243 O(PX)0.6(AX)1.6AO 1.38 0.68 7 OPXAO(0.50) 209 O(PX)0.6(AX)1.0AO 0.83 0.65 8 OPXAXAO(0.45) 226 O(PX)0.6(AX)1.6AO 1.37 0.68 1 OPXAXAO(0.35) 266 O(PX)0.7(AX)1.6AO 1.22 0.62 9 OPXAXAO(0.30) 328 O(PX)0.8(AX)1.6AO 1.46 0.78 10 OPXAXAO(0.20) 429 O(PX)1.0(AX)1.6AO 1.11 0.52 11 OPXAO(0.40) 318 O(PX)1.1(AX)0.8AO 1.54 0.87 12 O(PX)2AO(0.45) 355 O(PX)1.2(AX)0.7AO 0.87 0.35 13 OPXAO(0.30) 351 O(PX)1.2(AX)1.2AO 0.74 0.46 14 O(PX)1.5AO(0.3) 487 O(PX)1.5(AX)1.0AO 1.03 0.34 15 OAXPXAO(0.45) 461 O(PX)1.6(AX)1.1AO 0.72 0.50 16 OAXPXAO(0.40) 866 O(PX)1.6(AX)1.2AO 0.68 0.43 17 OPXPO(0.30) 1158 O(PX)2.8AO 0.24 0.17 DOP 1.15〜1.65
【0034】ジ-2-エチルヘキシル ポリ-(アルカンジイ
ル アジペートフタレート) 種々のジオールを使用した例を18−28に耐水性の値
の高いものから順に記載した。ポリエチレングリコール
系XTEまたはXDEは耐水性は悪く、ジオ−ル成分の種類
によって耐水性が影響を受ける。フタ−ル酸が入った結
果は耐水性が改善され、ポリプロピレングリコール系の
TPDPで良く出ている。X14は1,3-ブタンジオ−ル系
とほぼ同程度で、X2E系は耐水性が顕著に優れた結果と
なった。最後にDOP、DOAおよびアジペート系複合
エステルの対照実験結果の耐水性を記載したが、(PX)
mの mの値が0.3以上の異種複合エステルとすることによ
って耐水性が向上した。
【0035】 第2表実施例と対照例製造方法 粘度cP 生成エステル 耐水性% 耐アルカリ性 18 OPXTEAXTEAO(0.30) 351cP O(PXTE)0.6(AXTE)1.5AO 4.95 4.78 19 OPXDEAO(0.50) 175cP O(PXDE)0.7(AXDE)1.5AO 3.24 2.70 20 OPXDEAO(0.40) 223cP O(PXDE)1.0(AX13)1.1AO 2.56 2.64 21 OPXDEAX13AO(0.30) 262cP O(PXDE)0.7(AX13)1.6AO 2.28 1.65 22 OPXTPAXTPAO(0.30) 440cP O(PXTP)0.7(AXTP)1.6AO 1.58 1.02 23 OPXTPAO(0.40) 284cP O(PXTP)0.7(AXTP)1.2AO 1.57 1.14 1 OPXAXAO(0.35) 266cP O(PX)0.7(AX)1.6AO 1.22 0.62 24 OPX14AX14AO(0.30) 295cP O(PX14)0.6(AX14)1.5AO 1.28 0.81 25 OPXDPAX2EAO(0.30) 435cP O(PXDP)0.8(AX2E)2.2AO 0.86 0.64 26 OPXDPAX2EAO(0.40) 319cP O(PXDP)0.6(AX2E)1.6AO 0.87 0.53 27 OPX2EAX2EAO(0.30) 473cP O(PX2E)0.8(AX2E)2.2AO 0.57 0.21 28 OPX2EAX2EAO(0.40) 404cP O(PX2E)0.8(AX2E)1.2AO 0.57 0.21 対照例 1 DOP 平均値= 1.42 0.74 2 DOA 3.60 2.97 3 O(AX13)nAO (n=1.5-3.0) 平均値= 1.98 0.99 4 O(AXTP)nAO (n=1.5-3.0) 平均値= 2.60 1.825 O(AX2E)nAO (n=1.5-3.0) 平均値= 1.23 0.34

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 RO(COC6H4COOXO)m{OCOACOOXO}nCOACOOR (I) 〔式中、Rはアルキル基、C6H4はフタ−ル酸からカルボ
    キシル基を除いた残基、Xはジオ−ルの残基、Aはアジ
    ピン酸カルボキシル基を除いた残基、nは3未満の値、
    mは1又は2である。〕の異種複合エステル。
  2. 【請求項2】 式 RO(COC6H4COOXO)m'{OCOACOOXO}nCOACOOR (I) 〔式中,Rはアルキル基、C6H4はフタ−ル酸からカルボ
    キシル基を除いた残基、Xはジオ−ルの残基、Aはアジ
    ピン酸からカルボキシル基を除いた残基又は主としてア
    ジピン酸よりなるジカルボン酸混合物からカルボキシル
    基を除いた混合残基から選択される残基、nは3未満の
    値、m'は0、1又は2である〕の化合物の、m'の平均
    値が0.2以上、Aが主として該カルボン酸残基となる混
    合物である、異種複合エステル組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の化合物又
    は組成物を含む可塑剤。
JP14222394A 1994-06-02 1994-06-02 異種複合エステル Expired - Fee Related JP3409067B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14222394A JP3409067B2 (ja) 1994-06-02 1994-06-02 異種複合エステル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14222394A JP3409067B2 (ja) 1994-06-02 1994-06-02 異種複合エステル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07330684A true JPH07330684A (ja) 1995-12-19
JP3409067B2 JP3409067B2 (ja) 2003-05-19

Family

ID=15310284

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14222394A Expired - Fee Related JP3409067B2 (ja) 1994-06-02 1994-06-02 異種複合エステル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3409067B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1308208A1 (en) * 2000-05-19 2003-05-07 Japan Science and Technology Corporation Catalyst for esterification and transesterification and process for producing ester
WO2003055842A1 (fr) * 2001-12-25 2003-07-10 Japan Science And Technology Agency Procede de production d'un ester composite melange
JP2016150940A (ja) * 2015-02-18 2016-08-22 エボニック デグサ ゲーエムベーハーEvonik Degussa GmbH エステル混合物の製造

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1308208A1 (en) * 2000-05-19 2003-05-07 Japan Science and Technology Corporation Catalyst for esterification and transesterification and process for producing ester
EP1308208A4 (en) * 2000-05-19 2004-08-04 Japan Science & Tech Corp ESTERIFICATION AND TRANSESTERIFICATION CATALYST AND METHOD FOR PRODUCING ESTER
US7030057B2 (en) 2000-05-19 2006-04-18 Japan Science And Technology Agency Catalyst for esterification and transesterification and process for producing ester
WO2003055842A1 (fr) * 2001-12-25 2003-07-10 Japan Science And Technology Agency Procede de production d'un ester composite melange
JP2016150940A (ja) * 2015-02-18 2016-08-22 エボニック デグサ ゲーエムベーハーEvonik Degussa GmbH エステル混合物の製造

Also Published As

Publication number Publication date
JP3409067B2 (ja) 2003-05-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN111732757A (zh) 增塑剂组合物和树脂组合物及其制备方法
US2789968A (en) Polycarbonates from polymethylene glycol-bis
KR20180129153A (ko) 시트레이트계 가소제 및 이를 포함하는 수지 조성물
DE2407156A1 (de) Herstellung von polyestern
US4661622A (en) Method for producing composite ester
JP3409067B2 (ja) 異種複合エステル
US3135785A (en) Di(pentaerythritol trimonocarboxylate) alkylene dicarboxylate
KR102118552B1 (ko) 사이클로헥산 1,4-디에스터계 화합물을 포함하는 가소제 조성물 및 이를 포함하는 수지 조성물
JPH07330670A (ja) 複合エステルならびにエステル類の改良された製造方法
JP3409068B2 (ja) ジオールジエステルならびにそれを使用して造られる複合エステルならびにポリエステル
JP2517245B2 (ja) 複合エステルの製造方法
JP3401037B2 (ja) 複合エステル化合物
JPS6116948A (ja) 塩化ビニール樹脂用可塑剤
JPH0125733B2 (ja)
KR100919930B1 (ko) 내이행성이 우수한 고분자 가소제, 이의 제조방법 및 이를포함하는 고분자 수지 조성물
JPS6256173B2 (ja)
JP3525133B2 (ja) エステル化反応及びエステル交換反応の少なくとも一方の反応用触媒及びエステルの製法
JP7485275B2 (ja) 可塑剤及びその製造方法
JPS63101357A (ja) 複合エステルと可塑剤組成物
JPH05155810A (ja) オクチル末端複合エステル可塑剤の改良された製造法
JP3547002B2 (ja) エステル類の製造方法
EP0039878B1 (en) Method of making mixed esters of phthalic acid
US3756988A (en) Preparation of polyesters from acyloxyethyl terephthalates
JPS62234044A (ja) 異種複合エステルの製造方法
JPH032233A (ja) 異種複合エステル可塑剤

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees