JPH07330366A - 光ファイバ用母材の製造方法 - Google Patents

光ファイバ用母材の製造方法

Info

Publication number
JPH07330366A
JPH07330366A JP12343094A JP12343094A JPH07330366A JP H07330366 A JPH07330366 A JP H07330366A JP 12343094 A JP12343094 A JP 12343094A JP 12343094 A JP12343094 A JP 12343094A JP H07330366 A JPH07330366 A JP H07330366A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluorine
base material
porous base
optical fiber
refractive index
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP12343094A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3579919B2 (ja
Inventor
Makoto Mitani
真 三谷
Hiroshi Kazashi
洋志 嘉指
Masahiko Inui
正彦 犬井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP12343094A priority Critical patent/JP3579919B2/ja
Publication of JPH07330366A publication Critical patent/JPH07330366A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3579919B2 publication Critical patent/JP3579919B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B37/00Manufacture or treatment of flakes, fibres, or filaments from softened glass, minerals, or slags
    • C03B37/01Manufacture of glass fibres or filaments
    • C03B37/012Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments
    • C03B37/014Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments made entirely or partially by chemical means, e.g. vapour phase deposition of bulk porous glass either by outside vapour deposition [OVD], or by outside vapour phase oxidation [OVPO] or by vapour axial deposition [VAD]
    • C03B37/01413Reactant delivery systems
    • C03B37/0142Reactant deposition burners
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B37/00Manufacture or treatment of flakes, fibres, or filaments from softened glass, minerals, or slags
    • C03B37/01Manufacture of glass fibres or filaments
    • C03B37/012Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments
    • C03B37/014Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments made entirely or partially by chemical means, e.g. vapour phase deposition of bulk porous glass either by outside vapour deposition [OVD], or by outside vapour phase oxidation [OVPO] or by vapour axial deposition [VAD]
    • C03B37/01413Reactant delivery systems
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2201/00Type of glass produced
    • C03B2201/06Doped silica-based glasses
    • C03B2201/08Doped silica-based glasses doped with boron or fluorine or other refractive index decreasing dopant
    • C03B2201/12Doped silica-based glasses doped with boron or fluorine or other refractive index decreasing dopant doped with fluorine
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2207/00Glass deposition burners
    • C03B2207/04Multi-nested ports
    • C03B2207/06Concentric circular ports
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2207/00Glass deposition burners
    • C03B2207/20Specific substances in specified ports, e.g. all gas flows specified
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2207/00Glass deposition burners
    • C03B2207/30For glass precursor of non-standard type, e.g. solid SiH3F

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Glass Melting And Manufacturing (AREA)
  • Manufacture, Treatment Of Glass Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 酸水素火炎加水分解反応により多孔質母材を
合成し、その後加熱、透明化する光ファイバ用母材の製
造方法において、多重管バーナーから原料と共にフッ素
化合物を供給してフッ素含有多孔質母材を形成する多孔
質母材形成工程の後、該多孔質母材を形成した炉内で引
き続き前記多重管バーナーからフッ素化合物を供給し、
前記フッ素含有多孔質母材にさらにフッ素をドープする
フッ素ドーピング工程を行う光ファイバ用母材の製造方
法。 【効果】 軸方向及び径方向に発生する不均一な屈折率
分布が改善され、比屈折率△n- が0.01〜0.3%
の広い範囲で均一なフッ素濃度を有する光ファイバ用母
材を製造することができる。また、炉体を400℃以下
の低温に維持することができるので、系内に発生したH
Fにより炉体自身が腐食される虞れが小さく、比較的安
価なランニングコストで光ファイバ用母材を製造するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光ファイバ用母材の製造
方法に関し、より詳細にはガラス母材の軸方向及び径方
向の全域について、均一なフッ素濃度分布を有する光フ
ァイバ用母材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバによる通信網の拡充と共に、
光ファイバの伝送損失量の低減や強度のコントロールな
どに対するニーズが日々高まっており、それと共に、石
英系光ファイバ用ガラス母材の品質に対する要求が厳し
くなっている。
【0003】現在、光ファイバの主流である石英系の単
一モード光ファイバは、中心部分であるコア部(高屈折
率部;GeO2 −SiO2 )、及び外套部分であるクラ
ッド部(低屈折率部;SiO2 )から構成されている。
しかし、光ファイバの低伝送損失化の要求に伴い、光フ
ァイバ用母材の前記クラッド部分にフッ素を添加する方
法が採用され、この方法によりコア部(高屈折率部)が
SiO2 、クラッド部(低屈折率部)がフッ素を含有す
るSiO2 からなる光ファイバが開発されてきており、
光ファイバの主流は前記構成のものに移行しつつある。
そして、さらなる低伝送損失化や粘性制御の容易化など
を図るため、コア部及びクラッド部の双方にフッ素をド
ープしたものが研究されており、将来的にはこのような
コア部及びクラッド部の双方にフッ素をドープした光フ
ァイバに移行する可能性もある。
【0004】このような構成の光ファイバを製造するた
めには、比屈折率Δn- が0.01〜0.3%となるよ
うな広い屈折率の範囲で、ガラス母材の軸方向及び径方
向の全域に対し、屈折率分布が均一な光ファイバ用ガラ
ス母材の製造方法の確立が必要となり、そのためにはS
iO2 に低濃度のフッ素を均一にドープする方法及びS
iO2 に高濃度のフッ素を均一にドープする方法の両方
の技術が必要になる。ここで、比屈折率Δn- は下記の
数1式で表される。
【0005】
【数1】Δn- =(ns −nD )/ns なお、上記数1式において、ns はSiO2 の屈折率で
あり、nD はフッ素を含有するSiO2 の屈折率であ
る。
【0006】従来より光ファイバ用ガラス母材を製造す
る方法としては、一般にSiCl4などの原料を酸水素
火炎により加水分解反応させてガラス微粒子を合成し、
これを一軸方向に堆積成長させて多孔質母材を形成し、
さらに前記多孔質母材を加熱炉で加熱し、焼成すること
により透明ガラス化する方法、すなわち気相軸付け法
(Vapor-phase Axial Deposition Method : VAD法)
が用いられている。
【0007】従来より前記VAD法を用いてフッ素を含
有する光ファイバ用ガラス母材を製造する具体的な方法
は、以下の3つの方法に大別される。
【0008】第1の方法は、例えば特公昭55−156
82号公報や特開平2−164736号公報などにおい
て提案されている方法であり、前記VAD法によりガラ
ス微粒子を合成して一軸方向に堆積成長させる際に、原
料ガスと共にフッ素化合物のガス(以下、フッ化物ガス
と記す)を導入し、多孔質母材を形成する段階でフッ素
をドープする方法である。このようにして多孔質母材を
形成した後、フッ素がドープされた多孔質母材を透明ガ
ラス化を行うための炉内に挿入し、不活性ガス及び塩素
を供給しつつ、1500℃前後で数時間加熱することに
より透明ガラス化を行うが、この工程は、通常のVAD
法と全く同様である。
【0009】第2の方法は、例えば特開昭60−860
49号公報、特開昭60−231432号公報、特開昭
60−235734号公報などにおいて提案されている
方法であり、まず前記VAD法においてガラス微粒子を
合成して一軸方向に堆積成長させ、フッ素を含まない多
孔質母材を形成する。次に、前記多孔質母材を形成した
炉とは別置きの加熱炉内に前記多孔質母材を挿入し、フ
ッ化物ガス、塩素ガス及び不活性ガスを混合した混合ガ
ス雰囲気でフッ素をドープし、その後加熱することによ
り透明ガラス化を行う方法である。
【0010】さらに第3の方法は、上記の第1の方法と
第2の方法とを組み合わせた方法であり、例えば特開昭
61−236626号公報などにおいて提案されてい
る。
【0011】この方法は、第1段階として、前記VAD
法によりガラス微粒子を合成して一軸方向に堆積成長さ
せる際に、原料ガスと共にフッ化物ガス(例えば六フッ
化硫黄)を導入し、まずフッ素を含有した多孔質母材を
形成する。次に、第2段階として、この多孔質母材を透
明ガラス化炉に移し、炉内にフッ化物ガス、塩素、及び
不活性ガスを供給してさらにフッ素をドープしながら加
熱し、透明ガラス化を行う方法である。この場合、前記
特開昭61−236626号公報においては、第1段階
において供給するフッ素の量を徐々に減少させている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た3つの従来法のいずれにおいても、以下のような課題
があった。
【0013】すなわち、前記した第1の方法では、原料
とフッ化物ガスとの両方を連続的に供給しながら多孔質
母材を形成していくため、前記多孔質母材の初期に形成
した部分と完成直前に形成した部分とでは、フッ化物ガ
ス雰囲気下に存在する時間が大きく異なる。また、形成
する多孔質母材の径方向についてもフッ素含有量のコン
トロールが難しいため、製造された光ファイバ用ガラス
母材は、軸方向に大きな屈折率分布が発生すると共に、
径方向についても屈折率分布が発生するという課題があ
った。また前記第1の方法に含まれる特開昭63−12
9032号公報に提案されている方法では、原料ガスと
してSiCl4 を、フッ素ドーピングを行うためのフッ
化物ガスとしてSF6 をそれぞれ使用している。この場
合、酸水素火炎により生成する水蒸気や原料ガスの熱分
解で生成する化合物などを含めて種々の反応が進行する
と考えられるが、それらの反応のなかで下記の化1式及
び化2式の反応も進行し、これらの反応の結果、SiO
2 中にフッ素がドープされると考えられる。
【0014】
【化1】SF6 +SiO2 →4SiF4 +SO22
【0015】
【化2】3SiO2 +SiF4 →4SiO1.5 F この場合、酸水素火炎中で生成されたH2 OとSiF4
は、加水分解により多量のSiO2 とHFとを生成し易
く、結果的にはドーピング剤であるSiF4 の大部分が
消費されてしまうため、フッ素ドープ量が小さくなる。
従って、通常は、純石英ガラスに対して0.2%程度以
上の大きな比屈折率△n- を有する光ファイバ用ガラス
母材を得ることは難しい。さらに、前記した反応により
生成したHFは、堆積途中の多孔質母材を侵食して剥離
などを引き起こすので、多孔質母材の形成を困難にする
という問題もあった。
【0016】また、前記した第2の方法では、多孔質母
材を形成した後、別の加熱炉に移してフッ化物ガスをド
ープするため、多孔質母材の内部と表面部とではフッ化
物ガスの拡散状況が異なる。また、高濃度のフッ化物ガ
スを導入した場合には、多孔質母材内部にまでフッ化物
ガスが十分に拡散するが、比較的低濃度でフッ化物ガス
を導入した場合には、多孔質母材外周部でフッ化物ガス
が消費され、結果的に多孔質母材の径方向にフッ素ドー
ピング量の分布が生じるようになる。このようなことか
ら、前記方法により形成された光ファイバ用ガラス母材
は、径方向に屈折率分布が発生し、また軸方向について
は、フッ素ドーピング量が比較的高濃度(比屈折率;△
- >0.25%)の領域では屈折率分布に差が生じに
くいが、比較的低濃度(比屈折率;△n- <0.01
%)の領域では屈折率分布に差が発生し易いという課題
があった。
【0017】この問題を解決する方法として、特開平2
−145448号公報では、多孔質母材に脱水処理を施
した後、フッ化物ガスをドープする方法を採用してい
る。すなわち、形成された多孔質母材に前記多孔質母材
が完全にガラス化しない温度で塩素及び不活性ガスを流
しながら加熱し、前記多孔質母材の脱水処理を行った
後、塩素、不活性ガス、及びフッ化物ガスを含有する雰
囲気中で前記脱水処理の温度よりも低温で加熱してフッ
素ドープし、その後、さらに塩素と不活性ガスとを含む
雰囲気中で加熱して透明ガラス化を行っている。前記公
報には、具体的に900℃の加熱炉内でSiF4 を0.
03リットル/分の流量で供給して比屈折率△n-
0.02%である光ファイバ用ガラス母材を得た実施例
が記載されている。この方法の場合は、上記化2式の反
応が進行し、フッ素がドーピングされると考えられる。
【0018】この場合、フッ素ドープ用のガスとして他
のフッ化物、例えばSF6 を使用することも考えられ
る。この場合、導入したSF6 は上記化1式の反応が進
行してSiF4 とSO22 とを生成し、続いて生成し
たSiF4 とSiO2 との間に上記化2式の反応が進行
し、多孔質母材にフッ素がドーピングされると考えられ
る。
【0019】従って、SiF4 以外のフッ化物ガスを用
いると、まず第1段階として上記化1式に示したSiF
4 を生成する反応を必要とするが、この場合には出発物
質としてSiO2 を必要とするため、多孔質母材や石英
炉芯管と反応し、SiF4 を得る。従って、フッ素ドー
プの際に、石英炉芯管を用いると炉芯管がSiF4 を生
成するために侵食され、使用寿命が極端に短くなるとい
った問題が発生する。一方、石英炉芯管の腐食の問題を
避けるために、石英炉芯管の代わりにカーボンや炭化珪
素製などの材料からなる炉芯管を使用してSiF4 でフ
ッ素ドープする方法もあるが、前記したカーボンや炭化
珪素製の炉芯管は石英に比べて純度が低いため、製造し
た光ファイバ用ガラス母材の純度の低下を招き、光ファ
イバ製品の品質低下、すなわり伝送損失を引き起こす。
【0020】これらのことから、前記のような方法をと
る場合、均一なフッ素ドーピングが難しいなどの課題の
他、使用するフッ化物ガスが炉芯管を腐食させにくいS
iF4 ガスに限定され、炉芯管の材質は、高純度で光フ
ァイバ用ガラス母材の純度を維持することができる石英
に限定される。しかし、前記SiF4 は有毒で極めて危
険性が高く非常に取り扱いにくいという問題があった。
【0021】さらに、前記した第3の方法では、得られ
た光ファイバ用ガラス母材は軸方向には余り大きな屈折
率分布を有しないが、多孔質母材を透明ガラス化炉に移
した後にフッ素ドーピングを行うため、前記した第2の
方法と同様の問題が発生し、フッ素のドーピング量が比
較的高濃度(比屈折率;△n- >0.25%)になる領
域では、比較的均一なフッ素ドーピングが可能である
が、フッ素ドーピング量が低濃度(比屈折率;△n-
0.1%)になる領域ではフッ素の均一なドーピングが
難しいという課題があった。またフッ化物としてSF6
を使用すると、石英ガラス製の炉芯管の寿命が著しく短
くなり、ランニングコストが高くつき経済的でないとい
う問題もあった。
【0022】以上のように従来の光ファイバ用ガラス母
材の製造方法においては、前記光ファイバ用ガラス母材
の径方向、軸方向のいずれに対しても均一で、かつ前記
比屈折率△n- が0.01〜0.3%の広い範囲内で正
確に制御された光ファイバ用ガラス母材を製造すること
は困難であるという課題があった。また、前記した第2
の方法や第3の方法では、加熱炉内の温度が900〜1
500℃と比較的高い領域でフッ素ドープするため、化
1式の反応速度が大きくなり、石英炉芯管の劣化が急激
に進行する一方、不安定物質であるSiF4 をフッ化物
ガスとして用いることは危険を伴い取り扱いにくいとい
う課題もあった。
【0023】本発明はこのような課題に鑑みなされたも
のであり、製造する光ファイバ用母材の軸方向及び径方
向における屈折率の分布に差がなく、広い濃度の範囲で
均一にフッ素ドーピングを行うことができ、しかも前記
光ファイバ用母材の製造中に堆積途中の多孔質母材の一
部あるいは全体が剥離、落下したり、炉芯管の著しい劣
化などのトラブルが発生しない光ファイバ用母材の製造
方法を提供することを目的としている。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る光ファイバ用母材の製造方法は、酸水素
火炎加水分解反応により多孔質母材を合成し、その後加
熱、透明化する光ファイバ用母材の製造方法において、
多重管バーナーから原料と共にフッ素化合物を供給して
フッ素含有多孔質母材を形成する多孔質母材形成工程の
後、該多孔質母材を形成した炉内で引き続き前記多重管
バーナーからフッ素化合物を供給し、前記フッ素含有多
孔質母材にさらにフッ素をドープするフッ素ドーピング
工程を行うことを特徴としている(1)。
【0025】また本発明に係る光ファイバ用母材の製造
方法は、上記(1)記載の多孔質母材形成工程及びフッ
素ドーピング工程において、多重管バーナーから、内層
からの流量に対する外層からの流量の比を1〜5の割合
に設定してフッ素化合物を供給することを特徴としてい
る(2)。
【0026】また本発明に係る光ファイバ用母材の製造
方法は、上記(1)記載の多孔質母材形成工程における
流量に対するフッ素ドーピング工程における流量の比を
1.5〜5に設定してフッ素化合物を供給することを特
徴としている(3)。
【0027】本発明においては、まず多孔質母材形成工
程として、原料の酸水素火炎加水分解反応によって多孔
質母材を形成するが、その際多重管バーナーから原料と
共にフッ化物ガスを供給し、フッ素含有多孔質母材を形
成する。
【0028】図1(a)は、本発明で用いられる多重管
バーナーの先端部分を拡大して示した拡大正面図であ
り、図1(b)は側面図である。
【0029】図1に示したように、この多重管バーナー
11は多数の径の異なる管状体12a〜12hが同心円
状に集合した多重構造を有しており、それぞれの層より
異なる種類のガスを供給することができるようになって
いる。この多重管バーナーの層の数は4〜16層程度が
好ましい。
【0030】前記多孔質母材形成工程で用いられる原料
としては、例えば従来より使用されている高純度のSi
Cl4 などのケイ素化合物が挙げられ、その供給量も通
常の供給量と同様でよい。前記原料は主に多重管バーナ
ー11の中心部分より供給する。またこの工程で用いら
れるフッ化物ガスとしては、CF4 、SF6 、CCl2
2 、CHF3 、C26 、SiF4 などが挙げられる
が、中でもCF4 、SF6 が取扱いも比較的容易であ
り、前記多孔質母材へのフッ素ドーピングも効率的に行
うことができるので好ましい。この工程では前記した原
料、フッ化物ガス、酸素及び水素ガスなどと共に、酸水
素火炎との反応の程度をコントロールするために、窒素
やアルゴンなどの不活性ガスも導入するのが好ましい。
またこのときの多重管バーナー11火炎部の温度は熱電
対を用いた測温で1200〜1600℃程度が好まし
く、他方炉体の温度は400℃程度以下に保つのが好ま
しい。多重管バーナー11火炎部の温度が1200℃未
満であると、多孔質母材の堆積効率が低下し、嵩密度の
低下、該母材の剥離などを引き起こし、他方多重管バー
ナー11火炎部の温度が1600℃を超えると、多孔質
母材が局部的にガラス化し、後の焼成工程で気泡が発生
するなどの支障をきたす。また、炉体の温度が400℃
を超えるとガス中に存在するHFの炉体に対する腐食速
度が著しく上昇し、その寿命が著しく短くなる。
【0031】また多重管バーナー11からフッ化物ガス
を供給し、合成するSiO2 にフッ素をドープするが、
形成される多孔質母材にフッ素をより均一にドープする
ためには、前記フッ化物ガスを複数層に分け、かつ多重
管バーナー11の内層からの供給量と外層からの供給量
が一定の割合になるように供給する方が好ましい。この
方法により、酸水素火炎から出たフッ素ドーピング作用
を有する化合物がより均一に分散するようになり、より
均一にフッ素がドーピングされる。このときのフッ化物
ガスの流量の比(外層からの流量/内層からの流量)
は、1〜5が好ましく、2〜4がさらに好ましい。前記
フッ化物ガスの流量の比が1未満であると、前記多孔質
母材の外周部のフッ素濃度が低くなりすぎ、他方フッ化
物ガスの流量の比が5を超えると、前記多孔質母材の外
周部のフッ素濃度が高くなりすぎ、屈折率分布が大きく
なり、均一性に欠ける。
【0032】次にフッ素ドーピング工程として、前記多
孔質母材を形成した炉内で引き続き多重管バーナー11
からフッ素化合物を供給し、前記フッ素含有多孔質母材
にさらにフッ素をドープする。
【0033】この工程では、原料の供給は停止するが、
酸水素火炎による燃焼は引き続き行う必要があり、この
場合の多重管バーナー11火炎部の温度は1200℃以
上が好ましく、炉体の温度は400℃以下を維持するの
が好ましい。多重管バーナー11火炎部の温度が120
0℃未満であると、フッ化物ガスの分解能力が低下する
ため、化1式の反応が進行しにくい。
【0034】この工程では、フッ素ドーピングの効果を
上げるために反応炉内の排気量を低下させ、フッ化物ガ
スの供給量を前記多孔質母材形成工程の供給量よりも増
加させることが好ましい。フッ化物ガスの供給の方法は
多孔質母材形成工程の場合と同様に、フッ化物ガスの流
量の比(外層からの流量/内層からの流量)が、1〜5
であるのが好ましく、2〜4であるのがさらに好まし
い。
【0035】さらに、フッ素ドーピング工程でのフッ化
物ガスの流量は、多孔質母材形成工程におけるフッ化物
ガスの流量に対して、1.5〜5倍が好ましく、3〜4
倍がより好ましい。前記した流量の比(フッ素ドーピン
グ工程での流量/多孔質母材形成工程での流量)が、
1.5未満であるとフッ化物ガスが前記多孔質母材の上
部側まで十分に拡散せず、他方5を超えると前記多孔質
母材の外周部及び火炎に近い部分のフッ素濃度が極端に
高くなるため、いずれの場合においてもガラス母材の径
方向及び軸方向に屈折率分布が発生する。
【0036】従って、本発明は、反応炉内で酸水素火炎
加水分解反応によって生成するガラス微粒子を軸方向に
堆積させる多孔質母材製造工程において、多重管バーナ
ーから原料とともにフッ化物ガスを導入し、多孔質母材
成長段階でフッ素ドープを行い、所定量まで堆積させた
後、炉の腐食が進行しない極めて低い温度で多重管バー
ナーから、酸水素とフッ化物ガスを所定量導入すること
により、ガラス母材の軸方向及び径方向に発生する屈折
率分布を改善し、効率よくかつ0.01〜0.03%の
範囲内での比屈折率の制御と従来法よりも低い温度での
フッ素ドープを可能にした。
【0037】その後の透明ガラス化工程は、従来からの
方法と同様の方法で行えばよい。
【0038】
【作用】本発明の方法は、従来、ガラス微粒子を堆積中
に、酸水素炎とフッ化物ガスの反応から発生する多量の
HFにより形成過程の多孔質母材が侵食を受け、該母材
中の一部が剥離したり、崩れたりし易いなどの問題及び
屈折率分布発生問題を解決し、全域における屈折率が均
一でかつ0.01〜0.03%の範囲内での比屈折率の
制御が可能である大型光ファイバ用母材の製造方法を提
供するものである。
【0039】上記(1)記載の光ファイバ用母材の製造
方法によれば、酸水素火炎加水分解反応により多孔質母
材を合成し、その後加熱、透明化する光ファイバ用母材
の製造方法において、多重管バーナーから原料と共にフ
ッ素化合物を供給してフッ素含有多孔質母材を形成する
多孔質母材形成工程の後、該多孔質母材を形成した炉内
で引き続き前記多重管バーナーからフッ素化合物を供給
し、前記フッ素含有多孔質母材にさらにフッ素をドープ
するフッ素ドーピング工程を行うので、前記多孔質母材
形成工程で前記多孔質母材がHFにより侵食されない程
度に比較的低濃度で比較的均一にフッ素をドープするこ
とができる。また、引き続いて行われる原料ガスを供給
しないフッ素ドーピング工程で、前記工程で形成された
多孔質母材中のフッ素濃度の不均一性を修正しつつ、効
率よくフッ素をドープすることができ、前記光ファイバ
用母材の軸方向及び径方向に発生する不均一な屈折率分
布が改善され、石英に対する比屈折率△n- が0.01
〜0.3%の広い範囲で均一なフッ素濃度を有する光フ
ァイバ用母材の製造が可能になる。
【0040】また、この製造方法では、前記多孔質母材
を外部から加熱する必要がなく、炉体を400℃以下の
低温に維持することができるので、系内に発生したHF
により炉体自身が腐食される虞れが小さく、比較的安価
なランニングコストで光ファイバ用母材を製造すること
ができる。
【0041】また、上記(2)記載の光ファイバ用母材
の製造方法によれば、前記多孔質母材形成工程及びフッ
素ドーピング工程において、多重管バーナーから、内層
からの流量に対する外層からの流量の比を1〜5の割合
に設定してフッ素化合物を供給するので、より均一なフ
ッ素濃度を有する光ファイバ用母材の製造が可能にな
る。
【0042】さらに上記(3)記載の光ファイバ用母材
の製造方法によれば、前記多孔質母材形成工程における
流量に対するフッ素ドーピング工程における流量の比を
1.5〜5に設定してフッ素化合物を供給するので、よ
り均一なフッ素濃度を有する光ファイバ用母材の製造が
可能になる。
【0043】
【実施例及び比較例】以下、本発明に係る光ファイバ用
母材の製造方法の実施例及び比較例を説明する。
【0044】[実施例1〜24]図2は実施例に係る光
ファイバ用母材の製造方法を実施するために用いた装置
を模式的に示した概念図であり、20は光ファイバ用母
材の製造装置を示している。
【0045】反応炉24の内部には、回転昇降装置(図
示せず)に連結された回転棒21が配設され、回転棒2
1には石英ガラス棒23が接続されている。この回転棒
21は一定の速度で回転し、さらに上下に昇降するよう
になっており、すなわち、多孔質母材25を形成する場
合には、多重管バーナ(8層バーナー)22から原料、
酸素、水素及びフッ化物ガスなどを供給して、酸水素火
炎を発生させ、石英ガラス棒23の先端部分にSiO2
などからなる多孔質母材25を一定の大きさになるよう
に形成していくが、この際多孔質母材25の下端部と多
重管バーナ22との距離を所望の値に設定することがで
きるようになっている。
【0046】次に図2に基づいて実施例に係る光ファイ
バ用母材の製造方法を具体的に説明する。
【0047】まず、光ファイバ用母材の製造装置20に
配設されている前記回転昇降装置に連結された回転棒2
1を一定の速度で回転させながら、8層の多重管バーナ
ー22からH2 ガスを180リットル/分、O2 ガスを
160リットル/分、SiCl4 を4リットル/分の流
量で供給し、同時に下記の表1及び表2に示した種類の
フッ化物ガスを用いて、多重管バーナー22の内層のみ
から、又は内層及び外層から表1及び表2に示した流量
でフッ化物ガスをそれぞれ供給した。このときの酸水素
火炎の温度は1500℃であった。この操作を行うこと
により、次第に回転棒21に接続された石英ガラス棒2
3にSiO2 ガラスの微粒子が堆積したので、形成され
る多孔質母材25の外径が300mmに維持されるよう
に、その昇降速度を調整しながら徐々に回転棒21を上
方に移動させた。多孔質母材25の軸方向の長さが14
00mmに達した時点で、SiCl4 の供給を停止し、
多孔質母材形成工程を終了した。
【0048】前記工程の後、多重管バーナー22の内層
のみから、又は内層及び外層から表1及び表2で示す流
量で表1及び表2に示す種類のフッ化物ガスを表1及び
表2に示した時間供給し、フッ素ドーピング工程を終了
した。なお、下記の表1及び表2に示すように、同じ実
施例においては、前記多孔質母材形成工程及びフッ素ド
ーピング工程で同じ種類のフッ化物ガスを使用した。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】次に、このようにフッ素ドーピングが終了
した多孔質母材25を、1400℃の加熱炉内に移し、
Cl2 ガスを1.2リットル/分及びN2 ガスを18リ
ットル/分で供給しながら、前記多孔質母材25を透明
化した。
【0052】これにより外径が140mm、長さが90
0mm、重量が30kgのフッ素含有大型光ファイバ用
母材を得た。
【0053】次に、得られた各実施例に係る光ファイバ
用母材の上部(T部)、中央部(C部)、下部(B部)
から径方向にサンプル(厚さ10mm)を切り出し、そ
の屈折率を測定した。測定結果を下記の表3及び表4に
示している。なお、下記の表3及び表4において、比屈
折率差(MAX −MIN )は、測定した全域において純石英
に対する比屈折率△n- の最も大きい値 (△n-MAX)と小
さい値 (△n-MIN)との差を示した数値である。また、数
2式の値とは、下記の数2式に基づいて計算した値であ
り、比屈折率の分布状態をより適確に示す値である。
【0054】
【数2】[(△n-MAX)-(△n-MIN)]/[(△n-MAX)+(△n-MI
N)] ×100 ;(%)
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【0057】上記表3及び表4の結果より明らかなよう
に、実施例に係る光ファイバ用母材の製造方法により製
造された光ファイバ用母材は、純石英に対する比屈折率
△n- が0.01〜0.28の広い範囲でフッ素が均一
にドーピングされており、比屈折率差(MAX −MIN )が
0〜0.02%と小さく、数2式の値も0〜9%と小さ
い。
【0058】[比較例1〜11]下記の表5に示したフ
ッ化物を用い、表5に示した流量で、上記実施例1の場
合と同様に多孔質母材形成工程を行って多孔質母材を形
成し、その後、上記実施例におけるフッ素ドーピング工
程は行わず、上記実施例1の場合と同様の条件で透明ガ
ラス化を行った。前記製造条件及び得られた母材の比屈
折率△n- などを下記の表5に示している。
【0059】
【表5】
【0060】本比較例の場合、製造途中で多孔質母材の
一部が剥離するトラブルが多発し、また表5より明らか
なように、製造された光ファイバ用母材は、低濃度領域
を除いて軸方向にかなり大きな屈折率分布を有してい
る。ちなみに、表5に示した本比較例の場合における比
屈折率差(MAX −MIN )は0.01〜0.07%と大き
く、数2式の値も14〜54%と非常に大きい。
【0061】[比較例12〜19]フッ化物ガスを導入
しなかった他は実施例1の場合と同様に多孔質母材を形
成した後、形成された多孔質母材を加熱炉内に移し、C
2 ガスを1.2リットル/分、N2 ガスを18リット
ル/分及び表6に示した種類のフッ化物ガスを表6に示
した流量で供給しながら、表6に示した条件でフッ素ド
ーピングを行い、その後、実施例1の場合と同様に透明
ガラス化を行った。前記製造条件及び得られた母材の比
屈折率△n- などを下記の表6に示している。
【0062】
【表6】
【0063】高濃度にフッ素を含有する母材、すなわち
比屈折率△n- が大きなものの製造は、比較的容易であ
る。しかし、上記表6より明らかなように、得られたガ
ラス母材はその径方向及び軸方向に極端に大きな屈折率
分布を有している。ちなみに、表6に示した本比較例の
場合における比屈折率差(MAX −MIN )は0.02〜
0.15%と大きく、数2式の値も18〜54%と非常
に大きい。
【0064】[比較例20〜22]上記表6に示したフ
ッ化物を用い、表6に示した流量で内層から前記フッ化
物ガスを供給し、上記実施例1の場合と同様に多孔質母
材形成工程を行って多孔質母材を形成し、その後、形成
された多孔質母材を加熱炉内に移し、Cl2 ガスを1.
2リットル/分、N2 ガスを18リットル/分及び表6
に示した種類のフッ化物ガスを表6に示した流量で供給
しながら、表6に示した条件でフッ素ドーピングを行っ
た。そして、その後、実施例1の場合と同様に透明ガラ
ス化を行った。前記製造条件及び得られた母材の比屈折
率△n- などを上記の表6に示した。
【0065】上記表6より明らかなように、高濃度にフ
ッ素を含有する母材、すなわち比屈折率△n- が大きな
ものは、比較的屈折率分布が均一的であるが、実施例の
場合のガラス母材の比屈折率△n- と比較すると大きい
値となっている。またフッ素濃度が低濃度になると母材
の径方向及び軸方向について極端に大きな屈折率分布を
有している。ちなみに、表6に示した本比較例の場合に
おける比屈折率差(MAX −MIN )は0.02〜0.05
%と大きく、数2式の値も14〜50%と非常に大き
い。
【0066】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る光ファ
イバ用母材の製造方法にあっては、酸水素火炎加水分解
反応により多孔質母材を合成し、その後加熱、透明化す
る光ファイバ用母材の製造方法において、多重管バーナ
ーから原料と共にフッ素化合物を供給してフッ素含有多
孔質母材を形成する多孔質母材形成工程の後、該多孔質
母材を形成した炉内で引き続き前記多重管バーナーから
フッ素化合物を供給し、前記フッ素含有多孔質母材にさ
らにフッ素をドープするフッ素ドーピング工程を行うの
で、前記多孔質母材形成工程で前記多孔質母材がHFに
より侵食されない程度に比較的低濃度で比較的均一にフ
ッ素をドープすることができる。また、引き続いて行わ
れる原料を供給しないフッ素ドーピング工程で、前記工
程で形成された多孔質母材中のフッ素濃度の不均一性を
修正しつつ、効率よくフッ素をドープすることができ、
前記光ファイバ用母材の軸方向及び径方向に発生する不
均一な屈折率分布が改善され、比屈折率△n- が0.0
1〜0.3%の広い範囲で均一なフッ素濃度を有する光
ファイバ用母材の製造が可能になる。
【0067】また、この製造方法では、前記多孔質母材
を外部から加熱する必要がなく、炉体を400℃以下の
低温に維持することができるので、系内に発生したHF
により炉体自身が腐食される虞れが小さく、比較的安価
なランニングコストで光ファイバ用母材を製造すること
ができる。
【0068】また、上記(2)記載の光ファイバ用母材
の製造方法にあっては、前記多孔質母材形成工程及びフ
ッ素ドーピング工程において、多重管バーナーから、内
層からの流量に対する外層からの流量の比を1〜5の割
合に設定してフッ素化合物を供給するので、より均一な
フッ素濃度を有する光ファイバ用母材を製造することが
できる。
【0069】さらに上記(3)記載の光ファイバ用母材
の製造方法にあっては、前記多孔質母材形成工程におけ
る流量に対するフッ素ドーピング工程における流量の比
を1.5〜5に設定してフッ素化合物を供給するので、
より均一なフッ素濃度を有する光ファイバ用母材を製造
することができる。
【0070】本発明に係る光ファイバ用母材の製造方法
は、上述したVAD法の他、他の外付け法によるガラス
母材の製造方法(例えば、OVD法など)に適用するこ
とができ、さらにクラッド部用ガラス母材の製造方法
(例えば、MCVD法など)にも適用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明で用いられる多重管バーナー
の先端部分を拡大して示した拡大正面図であり、(b)
はその側面図である。
【図2】実施例に係る光ファイバ用母材の製造方法を実
施するために用いた装置を模式的に示した概念図であ
る。
【符号の説明】
22 多重管バーナー 25 多孔質母材
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年6月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】 従って、本発明は、反応炉内で酸水素火
炎加水分解反応によって生成するガラス微粒子を軸方向
に堆積させる多孔質母材製造工程において、多重管バー
ナーから原料とともにフッ化物ガスを導入し、多孔質母
材成長段階でフッ素ドープを行い、所定量まで堆積させ
た後、炉の腐食が進行しない極めて低い温度で多重管バ
ーナーから、酸水素とフッ化物ガスを所定量導入するこ
とにより、ガラス母材の軸方向及び径方向に発生する屈
折率分布を改善し、効率よくかつ0.01〜0.3%の
範囲内での比屈折率の制御と従来法よりも低い温度での
フッ素ドープを可能にした。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】
【作用】本発明の方法は、従来、ガラス微粒子を堆積中
に、酸水素炎とフッ化物ガスの反応から発生する多量の
HFにより形成過程の多孔質母材が侵食を受け、該母材
中の一部が剥離したり、崩れたりし易いなどの問題及び
屈折率分布発生問題を解決し、全域における屈折率が均
一でかつ0.01〜0.3%の範囲内での比屈折率の制
御が可能である大型光ファイバ用母材の製造方法を提供
するものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸水素火炎加水分解反応により多孔質母
    材を合成し、その後加熱、透明化する光ファイバ用母材
    の製造方法において、多重管バーナーから原料と共にフ
    ッ素化合物を供給してフッ素含有多孔質母材を形成する
    多孔質母材形成工程の後、該多孔質母材を形成した炉内
    で引き続き前記多重管バーナーからフッ素化合物を供給
    し、前記フッ素含有多孔質母材にさらにフッ素をドープ
    するフッ素ドーピング工程を行うことを特徴とする光フ
    ァイバ用母材の製造方法。
  2. 【請求項2】 多孔質母材形成工程及びフッ素ドーピン
    グ工程において、多重管バーナーから、内層からの流量
    に対する外層からの流量の比を1〜5の割合に設定して
    フッ素化合物を供給することを特徴とする請求項1記載
    の光ファイバ用母材の製造方法。
  3. 【請求項3】 多孔質母材形成工程における流量に対す
    るフッ素ドーピング工程における流量の比を1.5〜5
    に設定してフッ素化合物を供給することを特徴とする請
    求項1又は請求項2記載の光ファイバ用母材の製造方
    法。
JP12343094A 1994-06-06 1994-06-06 光ファイバ用母材の製造方法 Expired - Lifetime JP3579919B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12343094A JP3579919B2 (ja) 1994-06-06 1994-06-06 光ファイバ用母材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12343094A JP3579919B2 (ja) 1994-06-06 1994-06-06 光ファイバ用母材の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07330366A true JPH07330366A (ja) 1995-12-19
JP3579919B2 JP3579919B2 (ja) 2004-10-20

Family

ID=14860378

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12343094A Expired - Lifetime JP3579919B2 (ja) 1994-06-06 1994-06-06 光ファイバ用母材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3579919B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1067521A (ja) * 1996-08-22 1998-03-10 Nikon Corp フッ素含有石英ガラス、その製造方法、及び投影露光装置
AU706562B2 (en) * 1995-12-04 1999-06-17 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Method for fabricating glass preform for optical fiber
EP1127857A3 (en) * 2000-02-23 2001-10-31 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Fluorine-containing synthetic quartz glass and method of production
US7647792B2 (en) 2003-11-11 2010-01-19 Fujikura Ltd. Method for fabricating porous silica preform
US20220041488A1 (en) * 2020-08-06 2022-02-10 Heraeus Quarzglas Gmbh & Co. Kg Process for the preparation of fluorinated quartz glass

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU706562B2 (en) * 1995-12-04 1999-06-17 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Method for fabricating glass preform for optical fiber
JPH1067521A (ja) * 1996-08-22 1998-03-10 Nikon Corp フッ素含有石英ガラス、その製造方法、及び投影露光装置
EP1127857A3 (en) * 2000-02-23 2001-10-31 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Fluorine-containing synthetic quartz glass and method of production
US7647792B2 (en) 2003-11-11 2010-01-19 Fujikura Ltd. Method for fabricating porous silica preform
US8375749B2 (en) 2003-11-11 2013-02-19 Fujikura Ltd. Method for fabricating porous silica preform
US20220041488A1 (en) * 2020-08-06 2022-02-10 Heraeus Quarzglas Gmbh & Co. Kg Process for the preparation of fluorinated quartz glass
US11952302B2 (en) * 2020-08-06 2024-04-09 Heraeus Quarzglas Gmbh & Co. Kg Process for the preparation of fluorinated quartz glass

Also Published As

Publication number Publication date
JP3579919B2 (ja) 2004-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7946132B2 (en) Method for manufacturing optical fiber preform and optical fiber preform apparatus
JPH08502470A (ja) 石英ガラス光波導体のための予備成形体を製造する方法および装置
US11577984B2 (en) Method for manufacturing optical fiber preform, optical fiber preform, method for manufacturing optical fiber, and optical fiber
EP0146659B1 (en) A method for the preparation of synthetic quartz glass suitable as a material of optical fibers
JPH07330366A (ja) 光ファイバ用母材の製造方法
JP2808857B2 (ja) 光ファイバ用ガラス母材の加熱炉および製法
US20070137256A1 (en) Methods for optical fiber manufacture
KR100545813B1 (ko) 탈수 및 탈염소공정을 포함하는 수정화학기상증착공법을 이용한 광섬유 프리폼 제조방법 및 이 방법에 의해 제조된 광섬유
US6834516B2 (en) Manufacture of optical fiber preforms using modified VAD
CN113716861A (zh) 一种采用外气相沉积法制备弯曲不敏感光纤的方法
US6928841B2 (en) Optical fiber preform manufacture using improved VAD
CN113461322A (zh) 光纤及光纤预制棒的制造方法
JP2003261336A (ja) 透明ガラス母材の製造方法
DK167463B1 (da) Fremgangsmaade til fremstilling af et forstadium til en optisk fiber
JPH06263468A (ja) ガラス母材の製造方法
JPS60263103A (ja) 光フアイバ用母材およびその製造方法
JPH01126236A (ja) 光ファイバープリフォームの製造方法
JP2000063147A (ja) 光ファイバ母材およびその製造方法
WO2024157800A1 (ja) 光ファイバ母材の製造方法および光ファイバの製造方法
JP3169503B2 (ja) 光ファイバ用多孔質ガラス母材の製造方法
JP4048753B2 (ja) 光ファイバ用ガラス母材の製造方法
JPH0818842B2 (ja) 光フアイバ用母材の製造方法
JP2004175614A (ja) ガラス母材の製造方法
JPS61236626A (ja) 光フアイバ母材の製造方法
JPH0558662A (ja) 光フアイバ母材の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040407

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040603

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040629

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040712

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070730

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080730

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100730

Year of fee payment: 6

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100730

Year of fee payment: 6

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100730

Year of fee payment: 6

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100730

Year of fee payment: 6

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100730

Year of fee payment: 6

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100730

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110730

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110730

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120730

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120730

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120730

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130730

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130730

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term