JPH07330025A - ブリスタパッケージとそのケースの製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ ブリスタパッケージの透明なケース内に装着
される飾り板を確実に係止するようにしたブリスタパッ
ケージを提供することを目的とする。 ［構成］ シート成形後の外形打抜きの際に凹部の側面
にコ字状の切欠きを形成し、この切欠きによって形成さ
れる係止片に飾り板の端部を挟むようにしたものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はブリスタパッケージとそ
のケースの製造方法に係り、とくに内部に装着される飾
り板の係止の構造とそのためのケースの製造方法に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】電子機器の付属品等を販売するために、
従来よりブリスタパッケージが用いられている。ブリス
タパッケージは図６に示すように、ポリスチレン樹脂等
の透明な樹脂から成るケース１に凹部から成る空間２を
形成し、その中に飾り板３を装着し、この飾り板３の前
方または上に商品を配し、ケース１の背面側に台紙４を
重ね、この台紙４の周縁部にケース１の周縁部を熱溶着
するとともに、吊下げ孔５、６によって吊下げて販売を
行なうようにしたものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このようなブリスタパ
ッケージにおいて、ケース１の空間２内に装着される飾
り板３を固定するために、従来はテープ止めを行なって
いた。テープ止めを行なわないと、図７および図８に示
すように、飾り板３の折曲げ部分の弾性復元力によって
ケース１の空間２から飾り板３が飛出してしまい、これ
によって台紙４をケース１の周縁部に熱溶着するときに
その作業を妨げるという不具合があった。

【０００４】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たものであって、テープを用いることなく、しかもケー
ス内の凹部に飾り板を確実に係止できるようにしたブリ
スタパッケージとそのケースの製造方法を提供すること
を目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】第１の発明は、透視可能
であって内部に商品が収納されるケースと、前記ケース
の背面側に結合される台紙と、前記商品がその前または
上に配されるように前記ケース内に装着される飾り板
と、前記ケースの平板状の周縁部と商品を収納する空間
を形成する凹部の側面との間において前記周縁部側に連
設され、前記飾り板の端部を係止する係止片と、をそれ
ぞれ具備するブリスタパッケージに関するものである。

【０００６】第２の発明は、上記第１の発明において、
前記係止片が形成されている側面が傾斜面であってその
傾斜角が４５°以内であることを特徴とするブリスタパ
ッケージに関するものである。

【０００７】第３の発明は、透視可能な材料によってシ
ート成形した後に周縁部を打抜いてブリスタパッケージ
のケースを製造する方法において、前記周縁部の外形の
打抜きの際に前記ケースの平板状の周縁部と商品を収納
する空間を形成する凹部の側面との間において周縁部側
に連設された係止片を同時に形成するようにしたブリス
タパッケージのケースの製造方法に関するものである。

【０００８】

【作用】第１の発明によれば、ケースの平板状の周縁部
と商品を収納する空間を形成する凹部の側面との間にお
いて周縁部側に連設された係止片によって飾り板が係止
されるようになり、この飾り板の前または上に商品が配
されるとともに、ケースの背面側に台紙が結合される。

【０００９】第２の発明によれば、４５°以内の傾斜角
を有する傾斜面から成る側面に係止片が形成され、この
係止片によって飾り板の端部が係止される。

【００１０】第３の発明によれば、周縁部の外形の打抜
きの際にケースの平板状の周縁部と商品を収納する空間
を形成する凹部の側面との間において周縁部側に連設さ
れた状態で係止片が同時に形成されることになる。そし
てこの係止片によって、ケースの内部に収納される飾り
板の端部が係止される。

【００１１】

【実施例】図１〜図４によって第１の実施例を説明す
る。透明なポリスチレン樹脂によってブリスタパッケー
ジのケース１０がシート成形される。すなわちポリスチ
レンのシートを用いて真空成形または圧空成形を行なう
ことによって、図１および図２に示すように、中央部に
凹部から成る空間１１を有する透明なケース１０が成形
される。ケース１０の凹部１１の回りが平板状の周縁部
１２によって構成されている。またこのケース１０の凹
部１１の上端側と対応する部分には傾斜面１３が形成さ
れるようになっている。

【００１２】次にこのような透明なケース１０を打抜く
ための抜き型について説明すると、抜き型はベース１６
を具備し、このベース１６に切刃１７、１８、１９をそ
れぞれ設けたものである。切刃１７はケース１０の周縁
部１２の外周側であって鎖線２２の位置を打抜くための
ものである。また切刃１８は吊下げ孔２３を形成するた
めのものである。そして切刃１９は係止片２４を形成す
るために傾斜面１３をコ字状に打抜くためのものであ
る。

【００１３】中央部に凹部１１を有するケース１０をベ
ース１６上に配するとともに、ベース１６側に下降さ
せ、平板２０によって上方から押圧すると、図３に示す
ようなケース１０が打抜かれる。すなわち図１に示す鎖
線２２の部分の外形の打抜きが行なわれるとともに、切
刃１８によって吊下げ孔２３が形成され、さらに切刃１
９によって係止片２４が形成される。

【００１４】このようにして製造されたケース１０内に
は図３および図４に示すように飾り板２８が装着され
る。飾り板２８はその表面に販売の促進のための種々の
表示を施すようにしたものであって、この飾り板２８が
凹部１１内に装着されるようになっている。そして飾り
板２８の前方には例えばヘッドホンが配される。ヘッド
ホンはそのバンドが飾り板２８の切込みを挿通した状態
で凹部１１内に収納される。ケース１０の空間１１の背
面側は図４に示すように台紙２９によって閉塞されるよ
うになっている。ケース１０の平板状の周縁部のエッジ
の近傍が台紙２９に熱溶着される。そしてケース１０の
吊下げ孔２３と台紙２９の吊下げ孔３０とを通して挿通
されるフックによってこのブリスタパッケージが吊下げ
られ、これによって内部に収納された商品が外部から見
えるようにして販売される。

【００１５】このように本実施例のブリスタパッケージ
は、ケース１０の鎖線２２で示す外形の打抜きの際に、
ベース１６に設けられている切刃１９によってコ字状の
切込みを入れ、平板状の周縁部１２に連設されている係
止片２４を傾斜面１３に形成するようにしたものであ
る。そしてこの係止片２４によって、ケース１０の凹部
１１内に収納される飾り板２８の上端側の部分を係止す
るようにしている。

【００１６】このようなシート成形後の打抜き加工、す
なわちダイプレスにおいて、一方向の打抜きを行なう場
合に、図２に示す傾斜角度がθの傾斜面１３の周縁部１
２側の部分であれば、多少の無理抜きであっても、切刃
１９によって刃を入れることができる。従って形成され
た係止片２４に飾り板２８の端部を差込むことによっ
て、ケース１０と飾り板２８との密着固定が簡単に行な
い得るようになる。なお図２に示す傾斜面１３の傾斜角
度θの値は４５°以内の値がより好ましく、３０°以内
の値にするとより好ましい。

【００１７】傾斜面１３の角度を４５°以下、好ましく
は３０°以下とすることによって、飾り板２８のデザイ
ンを施すための面積が広がることになり、これによって
より広い面積に表示を行なうことが可能になる。またケ
ース１０の鎖線２２で示す部分の外形打抜きの際に同時
に係止片２４を形成することができるために、プレス加
工の必要がなく、これによってコストが増大することも
なくなる。

【００１８】次に図５によって第２の実施例を説明す
る。この実施例においては、ケース１０のほぼ中央部に
形成されている凹部１１内に装着される飾り板２８の両
側を係止するように係止片２４が凹部１１の両側にそれ
ぞれ形成されている。そしてこのケース１０の平板状の
周縁部１２の背面側に装着される台紙は外形打抜き後に
成形される折返し溝３３によってその両側が係止される
ようになっている。

【００１９】このような構成においても、ケース１０の
凹部１１に装着される板紙を折曲げた飾り板２８は両側
の係止片２４によって係止されるために、飾り板２８の
係止がより確実に行なわれるようになる。

【００２０】

【発明の効果】第１の発明は、透視可能なケースの平板
状の周縁部と商品を収納する空間を形成する凹部の側面
との間において周縁部側に連設されるように係止片を形
成するようにしたものである。従ってこのような係止片
によって、飾り板を確実に係止することが可能になり、
飾り板の飛出しが防止される。

【００２１】第２の発明は、４５°以内の傾斜角の傾斜
面から成る側面に係止片が形成されるようにしたもので
ある。従ってシート成形後の打抜きの際に容易に係止片
が形成されることになる。

【００２２】第３の発明は、周縁部の外形の打抜きの際
にケースの平板状の周縁部と商品を収納する空間を形成
する凹部の側面との間において周縁部側に連設された係
止片を同時に形成するようにしたものである。従って周
縁部の外形の打抜きの際に同時に係止片を形成すること
ができ、工程が増加することがなく、コスト的にも有利
なブリスタパッケージのケースの製造方法を提供するこ
とが可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１の実施例のブリスタパッケージのケースの
打抜きを示す外観斜視図である。

【図２】同縦断面図である。

【図３】ケースに対する飾り板の装着を示す外観斜視図
である。

【図４】組立てられたブリスタパッケージの縦断面図で
ある。

【図５】第２の実施例のブリスタパッケージの外観斜視
図である。

【図６】従来のブリスタパッケージの分解斜視図であ
る。

【図７】飾り板の装着を示す縦断面図である。

【図８】台紙の取付けを示す縦断面図である。

【符号の説明】

１０ ケース １１ 空間（凹部） １２ 平板状の周縁部 １３ 傾斜面 １６ ベース １７〜１９ 切刃 ２０ 平板 ２２ 鎖線 ２３ 吊下げ孔 ２４ 係止片 ２８ 飾り板 ２９ 台紙 ３０ 吊下げ孔 ３３ 折返し溝

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】透視可能であって内部に商品が収納される
   ケースと、 前記ケースの背面側に結合される台紙と、 前記商品がその前または上に配されるように前記ケース
   内に装着される飾り板と、 前記ケースの平板状の周縁部と商品を収納する空間を形
   成する凹部の側面との間において前記周縁部側に連設さ
   れ、前記飾り板の端部を係止する係止片と、 をそれぞれ具備するブリスタパッケージ。
2. 【請求項２】前記係止片が形成されている側面が傾斜面
   であってその傾斜角が４５°以内であることを特徴とす
   る請求項１に記載のブリスタパッケージ。
3. 【請求項３】透視可能な材料によってシート成形した後
   に周縁部を打抜いてブリスタパッケージのケースを製造
   する方法において、 前記周縁部の外形の打抜きの際に前記ケースの平板状の
   周縁部と商品を収納する空間を形成する凹部の側面との
   間において周縁部側に連設された係止片を同時に形成す
   るようにしたブリスタパッケージのケースの製造方法。