JPH0732973U - ホール素子 - Google Patents
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 リードフレームの熱伸縮に伴うヘテロ接合ホ
ール素子の特性劣化を抑制する。 【構成】 可繞部を設けたリードフレームにホール素子
を固定する。 【効果】 不平衡率、積感度の劣化を抑制できる。
ール素子の特性劣化を抑制する。 【構成】 可繞部を設けたリードフレームにホール素子
を固定する。 【効果】 不平衡率、積感度の劣化を抑制できる。
Description
【0001】
本考案は、ホール素子を固定するマウント材料の構造に関する。
【0002】
磁電変換素子の一つとしてホール素子がある。ホール素子は一種の磁気センサ ーであり、回転検出センサーや電流センサーなどとして既に利用されている。最 近では、産業界からの高性能ホール素子の要望に対応して半導体のヘテロ接合を 利用したホール素子も開発されている。ヘテロ接合の形成により、高い電子移動 度が発現され、素子の高感度化が達成されるからである。この様な素子にGaI nAs/InPヘテロ接合ホール素子がある(奥山 忍他、1992年秋季第5 3回応用物理学会学術講演会予稿集No.3(応用物理学会発行)、講演番号1 6a−SZC−16、1078頁)。
【0003】 ヘテロ接合ホール素子も従来のGaAs等のホール素子と同じく、リードフレ ームに固定される。従来のリードフレームは図3に示す様に端子部と台座からな っている。台座にはホール素子を固定する。リードフレームは銅、ニッケルなど から構成される。従来の端子部は直線上で可繞な部分がない。
【0004】 リードフレームにマウントされたヘテロ接合ホール素子はエポキシ樹脂等でモ ールドされる。ヘテロ接合の界面の物性が素子特性を左右するヘテロ接合ホール 素子ではモールド工程で特性が劣化する。モールド工程では封止用樹脂が加熱成 形される。この加熱によりヘテロ接合界面が乱されるからである。ヘテロ界面を 乱雑にする一因にリードフレームからヘテロ接合ホール素子への伝熱がある。リ ードフレームの熱サイクルに伴う伸縮が直接、ホール素子に伝わりヘテロ界面を 乱す。これに因り不平衡電圧(例えば片岡 照栄著「磁電変換素子」(昭和46 年発行第4版(日刊工業新聞社)、61頁)や積感度が悪化する。
【0005】
また、リードフレームの端子部は例えばプリント基板に接着される。ハンダ等 による接着の際にも端子部は加熱される。直線状の端子部は熱伸縮する。伸縮に よる変形応力がヘテロ界面に掛かる。これにより、ヘテロ界面は乱され、本来の 優れた特性が発揮されなくなる。端子部の熱伸縮に伴うヘテロ接合界面の乱雑化 を抑制できるリードフレームの構造については提案がない。このため、ヘテロ接 合の形成によって発現される優れた特性を発揮するヘテロ接合ホール素子を安定 して得るには至らなかった。 本考案は、ヘテロ接合界面物性を損なわないリードフレームの構造を見出すこ とを目的とする。
【0006】
可繞な部位を設けたリードフレームにヘテロ接合ホール素子を固定する。
【0007】 ヘテロ接合は半導体単結晶等の基板上に形成すれば良い。格子の整合性を考慮 すれば、GaInAs/InPヘテロ接合の形成にはInPを基板として使用す るのが一般的である。AlGaAs/GaAs接合であれば、通常GaAs単結 晶を基板とする。
【0008】 ヘテロ接合材料からホール素子を製造するには公知のプロセス技術を利用すれ ば良い。 チップとしたホール素子をリードフレームにマウントする。リードフレームの 材質には制限はない。公知のCu、Niなどで構成すれば良い。本発明ではフレ ームに可繞な部位を設ける。可繞部位は端子部と台座の中間に設ける。可繞部は 例えばリードフレーム材料の一部を波型に折り曲げることによって形成する。可 繞部は外囲工程や端子部のハンダリフロー工程等に伴うフレームの伸縮を吸収す る。これにより、リードフレームの熱伸縮応力がホール素子に直接及ぶのを避け ることができる。可繞部の形状は帯状に曲折させても良い。巻き線状(コイル状 )としても構わない。可繞部は端子部とは異なる材料から構成しても良い。
【0009】 外囲する場合は可繞部の全てを被覆する必要はない。可繞部の一部を外囲器の 外部に露出させても構わない。被覆しないとより可繞性が発揮される。可繞部の 全体を外囲器内に収める場合は外囲器の内部を空洞とし、外囲樹脂によって可繞 部が固定されない様にすると都合が良い。可繞部の自由度が増すからである。
【0010】
熱によるリードフレームの伸縮を抑制して、感磁部への歪の伝播を抑制する。
【0011】
以下、本考案をGaInAs/InPヘテロ接合ホール素子についての実施例 を基に具体的に説明する。図1は本考案に係わるリードフレームを備えたホール 素子の平面模式図を示す。図2は図1の破線A−A’に沿う断面模式図である。 GaInAs/InPヘテロ接合は半絶縁性InP単結晶基板上に形成した。ヘ テロ接合層はMOVPE法で成長させた。ヘテロ接合材料から公知の技術を利用 してホール素子となした。
【0012】 スクライビングによるチップ化後、ホール素子チップ(100)をリードフレ ーム(101)に固定した。フレームの端子部は幅0.5mm、厚さ0.2mm の銅箔を使用した。フレーム(101)のマウント部(102)と端子部(10 3)との中間にはフレーム材をプレスして、10山を有する波状の可繞部(10 4)を設けた。可繞部(104)は4本の端子部(103)に設けた。然る後、 一般的なエポキシ樹脂で外囲した。外囲器(105)の寸法は縦5mm、横5m m、高さ2mmの直方体とした。外囲にあたっては、上下を別々に成形したもの を張り合わせ、可繞部(104)の全体を被覆せずに、その一部を外囲用のエポ キシ樹脂で固定すると、可繞部(104)の伸縮の吸収能力を充分に発揮でき好 都合である。
【0013】 外囲器をハンダリフロー工程で採用される温度に近い300℃で1時間加熱し 、素子特性の変化の有無を評価した。表1に結果を示す。本発明に係わる場合は 不平衡率及び積感度に顕著な変化は生じなかった。従来の可繞部がないフレーム にマウントした素子は、不平衡率、積感度共に劣化した。これは、本発明に依る 可繞部がフレームの熱伸縮応力を吸収し、ヘテロ界面の乱雑化を抑制できたため と解釈された。
【0014】
【表1】
【0015】
実装作業等で若干の熱を加えても特性の変動を抑制する効果があり、ホール素 子の信頼性を高める。
【図1】ホール素子の平面模式図である。
【図2】図1の破線A−A’に沿った断面模式図であ
る。
る。
【図3】従来のリードフレームを示す図である。
(100) ホール素子チップ (101) リードフレーム (102) マウント部 (103) 端子部 (104) 可繞部 (105) 外囲器 (106) 空洞
Claims (1)
- 【請求項1】 III−V族化合物半導体を感磁部とした
ホール素子において、可繞な部位を設けたリードフレー
ムに素子チップを固定したことを特徴とするホール素
子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP064092U JPH0732973U (ja) | 1993-11-30 | 1993-11-30 | ホール素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP064092U JPH0732973U (ja) | 1993-11-30 | 1993-11-30 | ホール素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0732973U true JPH0732973U (ja) | 1995-06-16 |
Family
ID=13248094
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP064092U Pending JPH0732973U (ja) | 1993-11-30 | 1993-11-30 | ホール素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0732973U (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002026419A (ja) * | 2000-07-07 | 2002-01-25 | Sanken Electric Co Ltd | 磁電変換装置 |
JP2018046200A (ja) * | 2016-09-15 | 2018-03-22 | アイシン精機株式会社 | 素子ユニット |
-
1993
- 1993-11-30 JP JP064092U patent/JPH0732973U/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2002026419A (ja) * | 2000-07-07 | 2002-01-25 | Sanken Electric Co Ltd | 磁電変換装置 |
JP2018046200A (ja) * | 2016-09-15 | 2018-03-22 | アイシン精機株式会社 | 素子ユニット |
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