JPH07329558A - 車両用空気調和装置 - Google Patents

車両用空気調和装置

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JPH07329558A
JPH07329558A JP6129412A JP12941294A JPH07329558A JP H07329558 A JPH07329558 A JP H07329558A JP 6129412 A JP6129412 A JP 6129412A JP 12941294 A JP12941294 A JP 12941294A JP H07329558 A JPH07329558 A JP H07329558A
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JP
Japan
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refrigerant
heat exchanger
air
temperature
vehicle
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JP6129412A
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English (en)
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Kazuhiro Fukuda
和啓 福田
Kazuyuki Doi
和幸 土井
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 冷凍サイクル4の高圧カット制御による冷媒
圧縮機11の断続運転を抑えて作動油サイクル5の油圧
モータのトルク変動を小さくして特殊自動車の運転性や
特殊自動車の油圧機器による土木建設の作業性の悪化を
防止する特殊自動車用空気調和装置1を提供する。 【構成】 暖房モード時に内気温度と設定温度とを比較
して、この比較結果に基づいて車室内の暖房負荷を求め
る。そして、車室内の暖房負荷が大きく高い暖房能力が
必要な場合は作動油の熱量を冷媒油熱交換器17で吸熱
する油熱源サイクルで冷凍サイクル4を運転する。逆
に、車室内の暖房負荷が小さく高い暖房能力が必要のな
い場合はダクト2内に吸い込まれる空気の熱量を冷媒蒸
発器18で吸熱する空気熱源サイクルで冷凍サイクル4
を運転する。これにより、中間期や室温安定域における
冷凍サイクル4の高圧側圧力の上昇が抑えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両を運転する際に
発熱する熱媒体の熱量を冷媒に吸熱させて車室内の暖房
を行うようにした車両用空気調和装置に関するもので、
とくに熱媒体として油圧モータ等の油圧機器に油圧を供
給するための作動油を暖房用熱源に利用した特殊自動車
用空気調和装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】従来より、車室内を暖房する場合に、車
両に搭載された油圧モータ等の油圧機器に油圧を供給す
るための作動油を暖房用熱源として利用するようにした
車両用空気調和装置(例えば特開平2−154954号
公報に記載の技術)が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この従来の技術は、
春、秋などの中間期における暖房運転時においては、暖
房能力が過剰となり、冷凍サイクルの高圧側圧力が上昇
し易く、冷媒圧縮機の仕事量が増大するという不具合が
ある。
【0004】また、冷凍サイクルの高圧側圧力制御、所
謂高圧カット制御を行うものでは、冷凍サイクルの高圧
側圧力が頻繁に設定値以上に上昇するため、冷媒圧縮機
の頻繁な断続運転による駆動源のトルク変動によって車
両の運転性および作業性が悪化するという不具合もあ
る。
【0005】これらの不具合を解消する目的で、油熱源
経路を2系統持つ冷媒蒸発器を利用し、油熱源経路を電
磁弁にて切り替えるようにして、作動油から冷媒が吸熱
する吸熱量を制御するようにした技術(例えば特開平2
−204118号公報に記載の技術)が存在するが、作
動油回路が複雑化することにより組付作業性が悪く製品
コストを上昇させるという不具合がある。
【0006】請求項1の発明の目的は、冷凍サイクルの
高圧側圧力の過上昇による冷媒圧縮機の仕事量の増大化
を防止し、且つ熱媒体サイクルを単純化することにより
製品コストを低減できる車両用空気調和装置を提供する
ことにある。請求項2の発明の目的は、冷凍サイクルの
高圧側圧力制御による冷媒圧縮機の断続運転を抑えて駆
動源のトルク変動を小さくして、車両の運転性および作
業性の悪化を防止する車両用空気調和装置を提供するこ
とにある。請求項2の発明および請求項4の発明の目的
は、基本的な冷凍サイクルの構成を変更することなく、
冷凍サイクルの高圧側圧力制御による冷媒圧縮機の過剰
な断続運転を抑えることができる車両用空気調和装置を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、車室
内へ空気を送るためのダクトと、このダクトを介して車
室内へ送風する送風機と、圧縮した冷媒を吐出する冷媒
圧縮機、この冷媒圧縮機より流入した冷媒を、前記ダク
ト内を流れる空気と熱交換させて凝縮させる室内熱交換
器、この室内熱交換器より流入した冷媒を、車両を運転
する際に発熱する熱媒体と熱交換させて蒸発させる第1
の熱交換器、前記室内熱交換器より流入した冷媒を、空
気と熱交換させて蒸発させる第2の熱交換器、前記冷媒
圧縮機より吐出された冷媒を、前記室内熱交換器、前記
第1の熱交換器の順に循環させる第1の冷媒経路、前記
冷媒圧縮機より吐出された冷媒を、前記室内熱交換器、
前記第2の熱交換器の順に循環させる第2の冷媒経路、
前記第1の冷媒経路と前記第2の冷媒経路とを切り替え
る経路切替手段を有する冷凍サイクルと、前記第1の熱
交換器に熱媒体を循環させる熱媒体サイクルと、車室内
の暖房負荷を検出する暖房負荷検出手段を有し、この暖
房負荷検出手段で検出された車室内の暖房負荷が大きい
時に前記第1の冷媒経路へ切り替えるように前記経路切
替手段を制御し、且つ前記暖房負荷検出手段で検出され
た車室内の暖房負荷が小さい時に前記第2の冷媒経路へ
切り替えるように前記経路切替手段を制御する制御手段
とを備えた技術手段を採用した。
【0008】なお、前記冷媒圧縮機とこの冷媒圧縮機を
回転駆動する駆動源との連結状態を断続する係脱手段を
備え、前記制御手段は、前記冷凍サイクルの高圧側圧力
を検出する冷媒圧力検出手段を有し、この冷媒圧力検出
手段で検出された前記冷凍サイクルの高圧側圧力に基づ
いて前記係脱手段を制御する技術手段を採用しても良
い。また、前記暖房負荷検出手段は、車室内の温度を所
望の温度に設定する温度設定手段、および車室内の温度
を検出する内気温度検出手段よりなり、前記制御手段
は、前記温度設定手段で設定された設定温度と前記内気
温度検出手段で検出された内気温度との温度差に基づい
て前記経路切替手段を制御する技術手段を採用しても良
い。さらに、前記第2の熱交換器は、前記室内熱交換器
よりコアサイズが小さく、前記ダクト内の前記室内熱交
換器より上流側に設置され、前記ダクト内を流れる空気
を冷媒と熱交換させて除湿する技術手段を採用しても良
い。
【0009】
【作用】請求項1の発明によれば、暖房負荷検出手段で
検出された車室内の暖房負荷が大きい場合は、第1の冷
媒経路へ切り替えるように経路切替手段を制御すること
により、冷媒圧縮機より吐出された冷媒が室内熱交換器
に流入して、ダクト内を流れる空気を冷媒の凝縮熱によ
り加熱して車室内の暖房がなされる。そして、室内熱交
換器より第1の熱交換器に流入した冷媒は、第1の熱交
換器を通過する際に熱媒体より高温の暖房エネルギーを
吸熱することにより、冬期においても充分な暖房が可能
となる。
【0010】また、検出手段で検出された車室内の暖房
負荷が小さい場合は、第2の冷媒経路へ切り替えるよう
に経路切替手段を制御することにより、冷媒圧縮機より
吐出された冷媒が室内熱交換器に流入して、ダクト内を
流れる空気を冷媒の凝縮熱により加熱して車室内の暖房
がなされる。そして、室内熱交換器より第2の熱交換器
に流入した冷媒は、第2の熱交換器を通過する際に空気
より吸熱することにより、春、秋などの中間期において
車室内の暖房能力が過剰となることはない。これによ
り、熱媒体サイクルを複雑化することなく、冷凍サイク
ルの高圧側圧力の過上昇が抑制される。
【0011】
【実施例】
〔実施例の構成〕次に、この発明の車両用空気調和装置
を、土木建設作業に利用する特殊自動車用空気調和装置
に適用した実施例に基づいて説明する。図1は特殊自動
車用空気調和装置の全体構造を示した図である。
【0012】この実施例の特殊自動車用空気調和装置1
は、例えば油圧機器を備えたクレーン車、ブルドーザ、
ロードローラ等の特殊自動車や自走が可能な特殊作業用
機械に搭載されている。特殊自動車用空気調和装置1
は、ダクト2、室内ファン3、冷凍サイクル4、作動油
サイクル5および電子制御装置(以下ECUと呼ぶ)6
等から構成されている。
【0013】ダクト2の最も上流側は、内外気切替箱を
構成する部分で、内気導入口7および外気導入口8を有
している。また、内気導入口7および外気導入口8の内
側には、内外気切替ドア9が回動自在に取り付けられて
いる。この内外気切替ドア9は、サーボモータ等のアク
チュエータ29により駆動される。
【0014】また、ダクト2の最も下流側は、吹出口切
替箱を構成する部分で、デフ吹出口、フェイス吹出口お
よびフット吹出口等の車室内吹出口(図示せず)が設け
られている。また、各吹出口の内側にはモード切替ドア
(図示せず)が回動自在に取り付けられている。モード
切替ドアは、サーボモータ等のアクチュエータ(図示せ
ず)により駆動される。
【0015】室内ファン3は、本発明の送風機であっ
て、ダクト2内に回転自在に支持され、室内ファンモー
タ10により回転速度が制御されるもので、内気導入口
7または外気導入口8のいずれか開かれた導入口から車
室内空気(以下内気と略す)または車室外空気(以下外
気と略す)を吸引して車室内へ送風する。
【0016】冷凍サイクル4は、所謂アキュームレータ
サイクルであって、冷媒圧縮機11、室内熱交換器1
2、暖房用減圧手段13、冷房用減圧手段14、除湿用
減圧手段15、室外熱交換器16、冷媒油熱交換器1
7、冷媒蒸発器18、アキュームレータ19、四方弁2
0、電磁弁21、22、逆止弁23およびこれらを接続
する冷媒配管等から構成されている。
【0017】冷媒圧縮機11は、ベルト(図示せず)や
電磁クラッチ24(図2参照)を介して油圧モータ等の
駆動源(図示せず)の回転動力が伝達されることにより
回転駆動されると、吸入口より吸入した冷媒を圧縮して
吐出口より吐出する。電磁クラッチ24は、本発明の係
脱手段であって、ECU6により通電(オン)および通
電停止(オフ)される。この電磁クラッチ24は、通電
されると冷媒圧縮機11と駆動源とを駆動連結し、通電
停止されると冷媒圧縮機11と駆動源との駆動連結を遮
断する。
【0018】室内熱交換器12は、ダクト2内に設置さ
れ、暖房モード時および除湿暖房モード時に冷媒圧縮機
11の吐出口より吐出された冷媒を空気と熱交換させて
凝縮液化させる冷媒凝縮器として働き、冷房モード時に
冷房用減圧手段14より流入した冷媒を空気と熱交換さ
せて蒸発気化させる冷媒蒸発器として働く。したがっ
て、室内熱交換器12は、暖房モード時および除湿暖房
モード時にダクト2内を流れる空気を加熱する空気加熱
器(空気加熱手段)として働き、冷房モード時にダクト
2内を流れる空気を冷却する空気冷却器(空気冷却手
段)として働く。
【0019】暖房用減圧手段13、冷房用減圧手段14
および除湿用減圧手段15は、キャピラリチューブ、オ
リフィス、膨張弁等よりなり、内部を流れる冷媒を減圧
して気液二相状態の冷媒にする。なお、暖房用減圧手段
13は暖房モードの油熱源サイクル時に作用し、冷房用
減圧手段14は冷房モード時に作用し、除湿用減圧手段
15は暖房モードの空気熱源サイクル時および除湿暖房
モード時に作用する。
【0020】室外熱交換器16は、ダクト2の外、例え
ば特殊自動車の走行風を受け易い場所に設置されてい
る。この室外熱交換器16は、冷房モード時に冷媒油熱
交換器17より流入した冷媒を室外ファン25により吹
き付けられる外気と熱交換させて凝縮液化させる冷媒凝
縮器として働く。室外ファン25は、室外ファンモータ
26により回転速度が制御されるもので、室外熱交換器
16に冷却風を送風する。
【0021】冷媒油熱交換器17は、本発明の第1の熱
交換器であって、ダクト2の外に設置され、作動油が流
入するシェル27、およびこのシェル27内に螺旋状ま
たは波形状に収容され、内部を冷媒が流れるチューブ2
8よりなる。冷媒油熱交換器17は、暖房モードの油熱
源サイクル時に暖房用減圧手段13より流入した冷媒を
高温の作動油と熱交換させて蒸発気化させる冷媒蒸発器
として働く。なお、冷房モード時には、冷媒油熱交換器
17に冷媒圧縮機11の吐出口より吐出された冷媒が通
過するが、高温の作動油とあまり熱交換しない。
【0022】冷媒蒸発器18は、本発明の第2の熱交換
器であって、ダクト2内の室内熱交換器12の上流側に
設置され、室内熱交換器12よりコアサイズが小さい。
この冷媒蒸発器18は、暖房モードの空気熱源サイクル
時および除湿暖房モード時に除湿用減圧手段15より流
入した冷媒を空気と熱交換させて蒸発気化させる冷媒蒸
発器として働く。したがって、冷媒蒸発器18は、除湿
暖房モード時にダクト2内を流れる空気を除湿する除湿
器(除湿手段)として働く。
【0023】アキュームレータ19は、内部に流入した
冷媒を液冷媒とガス冷媒とに分離してガス冷媒のみ冷媒
圧縮機11に供給する気液分離器として働く。なお、気
液分離器として、レシーバを使用しても良い。この場
合、レシーバの接続場所は、冷房モード時は室外熱交換
器16の出口と冷房用減圧手段14の入口との間に接続
し、暖房モード時または除湿暖房モード時は室内熱交換
器12の出口と暖房用減圧手段13の入口または除湿用
減圧手段15の入口との間に接続すると良い。
【0024】四方弁20および電磁弁21、22は、本
発明の経路切替手段であって、ECU6の出力信号に基
づいて冷房用経路、暖房用経路および除湿暖房用経路を
選択的に切り替えるものである。四方弁20は、通電さ
れると暖房位置(図示実線位置)に切り替えられ、通電
停止されると冷房位置(図示破線位置)に切り替えられ
る。電磁弁21、22は、通電されると開弁し、通電停
止されると閉弁する。なお、逆止弁23は、冷媒の逆流
を防止する弁である。
【0025】ここで、冷房用経路は、図1に矢印Cで示
したように、冷媒圧縮機11の吐出口より吐出した冷媒
を、四方弁20→冷媒油熱交換器17のチューブ28
(ほぼ流路として働く)→室外熱交換器16→冷房用減
圧手段14→電磁弁21→室内熱交換器12→四方弁2
0→アキュームレータ19を通って冷媒圧縮機11の吸
入口に帰還させる経路である。
【0026】また、暖房用経路は、図1に矢印Hで示し
たように、冷媒圧縮機11の吐出口より吐出した冷媒
を、四方弁20→室内熱交換器12→電磁弁21→暖房
用減圧手段13→室外熱交換器16(ほぼ流路として働
く)→冷媒油熱交換器17のチューブ28→四方弁20
→アキュームレータ19を通って冷媒圧縮機11の吸入
口に帰還させる経路である。この経路は、暖房モード時
には、第1の経路(油熱源経路=油熱源サイクル)を構
成する。
【0027】そして、除湿暖房用経路は、図1に矢印D
で示したように、冷媒圧縮機11の吐出口より吐出した
冷媒を、四方弁20→室内熱交換器12→電磁弁22→
除湿用減圧手段15→冷媒蒸発器18→逆止弁23→ア
キュームレータ19を通って冷媒圧縮機11の吸入口に
帰還させる経路である。この経路は、暖房モード時に
は、第2の経路(空気熱源経路=空気熱源サイクル)を
構成する。
【0028】作動油サイクル5は、本発明の熱媒体サイ
クルであって、冷媒油熱交換器17、油圧モータ、油圧
ポンプ、オイルパン等の油圧機器(図示せず)に油圧を
供給するための作動油が循環する回路で、特殊自動車の
走行時または土木建設作業時に最大の暖房能力が得られ
るように作動油の油温を制御する油温昇温装置(図示せ
ず)を備えている。
【0029】図2は特殊自動車用空気調和装置1のEC
U6を示した図である。ECU6は、本発明の制御手段
であって、中央演算処理装置(CPU)、ROM、RA
M、A/D変換器等を持ち、それ自体は周知のものであ
る。また、ECU6は、車載電源(バッテリ)30より
電力が供給されることにより作動する。
【0030】ECU6は、内気温度センサ31、外気温
度センサ32、冷媒圧力スイッチ33、フロストセンサ
34、室温設定ダイヤル35、運転モード設定ダイヤル
36および風量設定ダイヤル37より入力した入力信号
と予めインプットされた制御プログラムに基づいて、室
内ファン3の室内ファンモータ10、四方弁20、電磁
弁21、22、室外ファン25の室外ファンモータ2
6、内外気切替ドア9のアクチュエータ29、リレーコ
イル38等のモード状態を制御する。なお、リレーコイ
ル38は、通電されると、冷媒圧縮機11の電磁クラッ
チ24に直列接続されたリレースイッチ39を閉成す
る。
【0031】内気温度センサ31は、本発明の暖房負荷
検出手段、内気温度検出手段であって、例えばサーミス
タ等の感温素子が利用され、ダクト2内に吸い込まれる
内気温度(内気温)を検出する。外気温度センサ32
は、例えばサーミスタ等の感温素子が利用され、ダクト
2内に吸い込まれる外気温度(外気温)を検出する。
【0032】冷媒圧力スイッチ33は、本発明の冷媒圧
力検出手段であって、冷媒圧縮機11の吐出口と四方弁
20との間の冷媒配管内の冷媒の圧力(高圧側圧力=凝
縮圧力)を検出するもので、冷凍サイクル4の高圧側圧
力が設定圧力(例えば28kg/cm2 )以上に上昇し
た際に冷媒圧縮機11の停止信号をECU6に出力す
る。フロストセンサ34は、例えばサーミスタ等の感温
素子が利用され、除湿暖房モード時に冷媒蒸発器18の
出口空気温度を検出する。
【0033】室温設定ダイヤル35は、本発明の暖房負
荷検出手段、温度設定手段であって、特殊自動車の車室
内に設置された操作パネル40に設けられ、車室内の温
度を所望の温度に連続的または段階的に設定するもので
ある。なお、室温設定ダイヤル35の代わりに、タッチ
式の温度設定スイッチやレバー式の温度調整レバーなど
を利用しても良い。
【0034】運転モード設定ダイヤル36は、操作パネ
ル40に設けられ、冷房モード、暖房モードまたは除湿
暖房モード等の各運転モードを設定する運転モード設定
手段である。風量設定ダイヤル37は、操作パネル40
に設けられ、室内ファン3の風量を強風(Hi)、中風
(Me)、弱風(Lo)、オフ(OFF)等の各設定状
態を設定する風量設定手段である。なお、運転モード設
定ダイヤル36、風量設定ダイヤル37の代わりに、タ
ッチスイッチやレバーなどを利用しても良い。また、運
転モードの選択や室内ファン3の風量の設定は、例えば
フルオートエアコンのように、車室内の冷房負荷または
暖房負荷をセンサにより検出して、その信号に応じて自
動的に制御するようにしても良い。
【0035】ここで、ECU6の暖房モード時における
暖房能力制御について説明する。ECU6は、乗員が運
転モード設定ダイヤル35で暖房モードを選択すると、
車室内の暖房負荷を検出するための一例として、内気温
度センサ31で検出された内気温度Trと室温設定ダイ
ヤル34で設定された設定温度Tsとを比較する。そし
て、この比較結果に基づいて、冷媒圧縮機11の電磁ク
ラッチ24、電磁弁21、22を通電制御して油熱源サ
イクル、空気熱源サイクルおよびOFFに切り替える。
【0036】具体的には、空気熱源サイクルが実行され
ている時、図3のグラフに示したように、内気温度Tr
が低温側設定温度TsL(=Ts−1℃)以下に低下し
た場合には、電磁弁21を開弁(オン)、電磁弁22を
閉弁(オフ)、冷媒圧縮機11の電磁クラッチ24をオ
ンして油熱源サイクルに自動的に切り替える。また、油
熱源サイクルが実行されている時、図3のグラフに示し
たように、内気温度Trが設定温度Ts以上に上昇した
場合には、電磁弁21を閉弁(オフ)、電磁弁22を開
弁(オン)、冷媒圧縮機11の電磁クラッチ24をオン
して空気熱源サイクルに自動的に切り替える。
【0037】そして、空気熱源サイクルが実行されてい
る時、図3のグラフに示したように、内気温度Trが高
温側設定温度TsH(=Ts+1℃)以上に上昇した場
合には、電磁弁21を閉弁(オフ)、電磁弁22を閉弁
(オフ)、冷媒圧縮機11の電磁クラッチ24をオフし
て暖房モードを中断(OFF)する。また、暖房モード
が中断されている時、図3のグラフに示したように、内
気温度Trが設定温度Ts以下に低下した場合には、電
磁弁21を閉弁(オフ)、電磁弁22を開弁(オン)、
冷媒圧縮機11の電磁クラッチ24をオンして空気熱源
サイクルを再開する。
【0038】なお、この実施例では、電磁弁21、22
のハンチングを防止するために、図3のグラフに示した
ように、内気温度Trと設定温度Tsとの関係にヒステ
リシスを設けたが、内気温度Trと設定温度Tsとの関
係にヒステリシスを設けなくても良い。
【0039】次に、ECU6の高圧カット制御(高圧側
圧力制御)について説明する。ECU6は、冷凍サイク
ル4内の高圧側圧力が異常に高くなると、冷凍機器の故
障、破損につながるため、冷媒圧力スイッチ33がオフ
(OFF)した際に冷媒圧縮機11の電磁クラッチ24
を通電停止(OFF)する。
【0040】次に、ECU6のフロストカット制御(冷
媒蒸発器18の除霜制御)について説明する。ECU6
は、除湿暖房モード時および暖房モードの空気熱源サイ
クル時に、フロストセンサ34で検出された冷媒蒸発器
18の出口空気温度が所定の温度(例えば5℃)以下に
低下した際に冷媒圧縮機11の電磁クラッチ24の通電
を停止して運転を中断する。このとき、室内ファン3は
車室内への送風を継続している。
【0041】〔実施例の作用〕次に、この実施例のEC
U6の作動を図1ないし図5に基づいて簡単に説明す
る。ここで、図4および図5はECU6の基本的な制御
プログラムの一例を示したフローチャートである。図4
および図5のフローチャートは電源が投入されるとスタ
ートする。初めに、室内ファン3がオン(作動中)か否
かを判断する(ステップS1)。
【0042】このステップS1の判断結果がNoの場合
には、リターンする。但し、冷凍サイクル4の運転中に
室内ファン3がオフされた場合には、電磁弁21および
電磁弁22を閉弁し、電磁クラッチ24の通電を停止し
て冷媒圧縮機11を運転停止(オフ)した後にリターン
する。また、ステップS1の判断結果がYesの場合に
は、室温設定ダイヤル35、運転モード設定ダイヤル3
6および風量設定ダイヤル37等からの設定信号を読み
込む(設定温度入力機能:ステップS2)。
【0043】次に、車室内の空調状態に影響を及ぼす各
物理量を読み込む。すなわち、内気温度センサ31、外
気温度センサ32、冷媒圧力スイッチ33、フロストセ
ンサ34等からセンサ信号を読み込む(各物理量入力機
能:ステップS3)。そして、冷房モードが選択されて
いるか否かを判断する(ステップS4)。
【0044】このステップS4の判断結果がYesの場
合には、すなわち、冷房モードが選択されている場合に
は、四方弁20を冷房位置に設定し(ステップS5)、
室外ファン25の室外ファンモータ26を通電(オン)
し(ステップS6)、電磁弁21を開弁し、電磁弁22
を閉弁する(ステップS7)。
【0045】次に、図5に示したように、冷凍サイクル
4の高圧側圧力が設定圧力(例えば28kg/cm2
より低下しているか否かを判断する。すなわち、冷媒圧
力スイッチ33がオンしているか否かを判断する(異常
高圧判断機能:ステップS8)。
【0046】このステップS8の判断結果がYesの場
合には、電磁クラッチ24を通電して冷媒圧縮機11を
運転(オン)する(ステップS9)。そして、リターン
する。また、ステップS8の判断結果がNoの場合に
は、電磁クラッチ24の通電を停止して冷媒圧縮機11
を運転停止(オフ)する(ステップS10)。そして、
リターンする。
【0047】また、ステップS4の判断結果がNoの場
合には、図4に示したように、四方弁20を暖房位置に
設定し(ステップS11)、室外ファン25の室外ファ
ンモータ26を通電停止(オフ)し(ステップS1
2)、暖房モードが選択されているか否かを判断する
(ステップS13)。
【0048】このステップS13の判断結果がNoの場
合には、すなわち、除湿暖房モードが選択されている場
合には、冷媒蒸発器18に霜が付いた(フロストが発生
している)か否かを判断する。すなわち、フロストセン
サ34の検出温度が所定の温度(例えば5℃)以下に低
下しているか否かを判断する(フロスト判断機能:ステ
ップS14)。
【0049】このステップS14の判断結果がYesの
場合には、ステップS16の判断を行う。また、ステッ
プS14の判断結果がNoの場合には、電磁弁21、2
2を間欠作動させる。例えば電磁弁22を連続して開弁
しておき、電磁弁21を2秒間開弁、28秒間閉弁を繰
り返す(ステップS15)。そして、図5のステップS
8の判断を行う。
【0050】また、ステップS13の判断結果がYes
の場合には、すなわち、暖房モードが選択されている場
合には、図5に示したように、車室内の暖房負荷が大き
いか否かを判断する(暖房負荷演算機能:ステップS1
6)。
【0051】具体的には、油熱源サイクルの運転中に
は、内気温度Trが設定温度Ts以下に低下している
(Tr−Ts=ΔT≦0℃)か否かを判断する。また、
空気熱源サイクルの運転中または暖房モードの中断(O
FF)中には、内気温度Trが低温側設定温度TsL
(=Ts−1℃)以下に低下している(Tr−Ts=Δ
T≦−1℃)か否かを判断する。
【0052】このステップS16の判断結果がYesの
場合には、油熱源サイクルにより冷凍サイクル4を運転
する。すなわち、電磁弁21を開弁し、電磁弁22を閉
弁する(経路切替機能:ステップ17)。そして、ステ
ップS8の判断を行う。また、ステップS16の判断結
果がNoの場合には、車室内の暖房が必要か否かを判断
する(暖房負荷演算機能:ステップS18)。
【0053】具体的には、暖房モードの中断(OFF)
中には、内気温度Trが設定温度Ts以下に低下してい
る(Tr−Ts=ΔT≦0℃)か否かを判断する。ま
た、油熱源サイクルの運転中または空気熱源サイクルの
運転中には、内気温度Trが高温側設定温度TsH(=
Ts+1℃)以下に低下している(Tr−Ts=ΔT≦
1℃)か否かを判断する。
【0054】このステップS18の判断結果がNoの場
合には、車室内の暖房が不要なため、電磁弁21および
電磁弁22を閉弁し、電磁クラッチ24の通電を停止し
て冷媒圧縮機11を運転停止(オフ)することにより、
暖房モードを中断(OFF)する(ステップS10)。
また、ステップS18の判断結果がYesの場合には、
冷媒蒸発器18に霜が付いた(フロストが発生してい
る)か否かを判断する。すなわち、フロストセンサ34
の検出温度が所定の温度(例えば5℃)以下に低下して
いるか否かを判断する(フロスト判断機能:ステップS
19)。
【0055】このステップS19の判断結果がYesの
場合には、ステップS10の制御を行う。また、ステッ
プS19の判断結果がNoの場合には、空気熱源サイク
ルにより冷凍サイクル4を運転する。すなわち、電磁弁
21を閉弁し、電磁弁22を開弁する(経路切替機能:
ステップS20)。そして、ステップS8の判断を行
う。
【0056】次に、この実施例の特殊自動車用空気調和
装置1の作動を図1ないし図3に基づいて簡単に説明す
る。
【0057】(冷房モード時)運転モード設定ダイヤル
36により冷房モードが選択されると、四方弁20が冷
房位置に設定され、電磁弁21が開弁され、電磁弁22
が閉弁される。したがって、冷媒圧縮機11の吐出口よ
り吐出された高温、高圧のガス冷媒は、四方弁20、冷
媒油熱交換器17のチューブ28を通って室外熱交換器
16内に流入する。室外熱交換器16内に流入したガス
冷媒は、室外ファン25の回転により吹き付けられる外
気と熱交換して凝縮液化され、冷房用減圧手段14に流
入する。
【0058】冷房用減圧手段14に流入した液冷媒は、
冷房用減圧手段14を通過する際に減圧され、低温、低
圧の霧状冷媒(気液二相状態の冷媒)となる。霧状冷媒
は、ダクト2内の室内熱交換器12内に流入して室内フ
ァン3の回転により吹き付けられる空気と熱交換して蒸
発気化される。その後に、冷媒は、四方弁20を通って
アキュームレータ19内に流入して気液分離され、ガス
冷媒のみ冷媒圧縮機11内に吸入される。一方、室内熱
交換器12にて冷媒の蒸発熱により冷却された空気は、
主にフェイス吹出口より車室内へ吹き出されることによ
り車室内が冷房される。
【0059】(暖房モード時)運転モード設定ダイヤル
36により暖房モードが選択されると、四方弁20が暖
房位置に設定され、室外ファン25がオフされ、内気温
度センサ31で検出された内気温度Trと室温設定ダイ
ヤル35で設定された設定温度Tsとを比較する。そし
て、この比較結果に基づいて、冷媒圧縮機11の電磁ク
ラッチ24、電磁弁21、22を通電制御して油熱源サ
イクル、空気熱源サイクルおよびOFF等の制御状態に
制御する。
【0060】イ)Tr−Ts=ΔT≦0℃の場合 この場合、設定温度Tsに対して内気温度Trが低いの
で、最大暖房能力が得られるように、電磁弁21が開弁
され、電磁弁22が閉弁され、油熱源サイクルに切り替
えられる。
【0061】したがって、冷媒圧縮機11の吐出口より
吐出された高温、高圧のガス冷媒は、四方弁20を通っ
てダクト2内の室内熱交換器12内に流入する。室内熱
交換器12内に流入したガス冷媒は、室内ファン3の回
転により吹き付けられる空気と熱交換して凝縮液化され
る。一方、室内熱交換器12にて冷媒の凝縮熱により加
熱された空気は、主にフット吹出口より車室内へ吹き出
されることにより車室内が暖房される。
【0062】その後に、暖房用減圧手段13に流入した
液冷媒は、暖房用減圧手段13を通過する際に減圧さ
れ、低温、低圧の霧状冷媒(気液二相状態の冷媒)とな
る。霧状冷媒は、室外熱交換器16を通って冷媒油熱交
換器17のチューブ28内に流入する。そして、冷媒油
熱交換器17のシェル27内に流入した高温の作動油と
熱交換する。このとき、冷媒は、作動油から高温の暖房
エネルギー(熱量)を吸熱することにより蒸発気化され
る。その後に、高温の暖房エネルギーを吸熱した冷媒
は、四方弁20を通ってアキュームレータ19内に流入
して気液分離され、ガス冷媒のみ冷媒圧縮機11内に吸
入され、室内熱交換器12で放熱する。
【0063】ロ)0℃<ΔT≦1℃の場合 この場合、内気温度Trが設定温度Tsよりも1℃以内
で高いから暖房能力はあまり必要はないので、低い暖房
能力が得られ、消費動力が低く、高圧側圧力の上昇を抑
えるように、電磁弁21が閉弁され、電磁弁22が開弁
され、空気熱源サイクルに切り替えられる。
【0064】したがって、冷媒圧縮機11の吐出口より
吐出された高温、高圧のガス冷媒は、室内熱交換器12
までは油熱源サイクルと同様に流れる。そして、室内熱
交換器12から流出した冷媒は、除湿用減圧手段15内
に流入する。除湿用減圧手段15に流入した液冷媒は、
除湿用減圧手段15を通過する際に減圧され、低温、低
圧の霧状冷媒(気液二相状態の冷媒)となる。霧状冷媒
は、ダクト2内の冷媒蒸発器18内に流入して、内気と
熱交換して除湿する。
【0065】このとき、冷媒は、作動油よりも低温の空
気より暖房エネルギー(熱量)を吸熱することにより蒸
発気化される。その後に、低温の暖房エネルギーを吸熱
した冷媒は、四方弁20を通ってアキュームレータ19
内に流入して気液分離され、ガス冷媒のみ冷媒圧縮機1
1内に吸入され、室内熱交換器12で放熱する。
【0066】この空気熱源サイクルでは、ダクト2内の
冷媒蒸発器18にて内気を冷却除湿した後に室内熱交換
器12にて冷却した内気を再度加熱する方式であり、冷
却により吸熱した熱量は冷媒圧縮機11の仕事分の熱量
を加えて車室内に放熱される。したがって、冷媒圧縮機
11の仕事分の熱量が車室内に与えられるため、内気温
度は緩やかに上昇する。このとき、フロストセンサ34
によってフロストが検出された場合は電磁クラッチ24
をオフして冷媒圧縮機11の運転を停止する。
【0067】ハ)Tr−Ts=ΔT>1℃の場合 この場合には、設定温度Tsに対して内気温度Trが高
いので、車室内の暖房は不要のため、電磁クラッチ24
をオフして冷媒圧縮機11の運転を停止する。なお、こ
の領域では、一般に乗員は冷房モードを選択する。
【0068】(除湿暖房モード時)運転モード設定ダイ
ヤル36により暖房モードが選択されると、四方弁20
が暖房位置に設定され、室外ファン25がオフされ、電
磁弁21、22を間欠作動させる。例えば電磁弁22を
連続して開弁しておき、電磁弁21を2秒間開弁、28
秒間閉弁を繰り返す。したがって、暖房モードの空気熱
源サイクルよりも暖房能力が高く、油熱源サイクルより
も暖房能力の低い除湿暖房がなされる。このとき、フロ
ストセンサ34によってフロストが検出された場合は電
磁クラッチ24をオフして冷媒圧縮機11の運転を停止
する。
【0069】〔実施例の効果〕以上のように、特殊自動
車用空気調和装置1は、暖房モード時に、車室内の暖房
負荷が大きく高い暖房能力が必要な場合は作動油を熱源
とする油熱源サイクルで冷凍サイクル4を運転する。逆
に、車室内の暖房負荷が小さく高い暖房能力が必要のな
い場合はダクト2内に吸い込まれる空気(主に内気)を
熱源とする空気熱源サイクルで冷凍サイクル4を運転す
ることにより、車室内の内気温度を制御している。
【0070】ここで、油熱源サイクルでは、作動油サイ
クル5の油温昇温装置にて常に最大の暖房能力が得られ
るように作動油の油温が制御されており、ダクト2内に
吸い込まれる空気(主に内気)の温度上昇や室内ファン
3の風量が少ないと、冷凍サイクル4の高圧側圧力が上
昇し、高圧カット制御域に達してしまい、冷媒圧縮機1
1の断続が繰り返されることにより、油圧モータ等の駆
動源のトルク変動が生じ、特殊自動車の運転性(ドライ
バビリティ)や特殊自動車の油圧機器(クレーン等)に
よる土木建設の作業性を悪化させる要因となっていた。
【0071】それに対し、空気熱源サイクルでは、室内
熱交換器12より冷媒蒸発器16のコアサイズが小さ
く、図6のグラフに示したように、ダクト2内に吸い込
まれる空気による熱量で得られる暖房能力は油熱源サイ
クルと比べて小さく、高圧側圧力も油熱源サイクルと比
べて低い。この結果、この実施例のような暖房モード時
の車室内の温度制御により、春や秋などの中間期や車室
内の温度の安定域における冷凍サイクル4の高圧側圧力
が低く抑えられ、高圧カット制御域に到達し難くなり、
冷媒圧縮機11の断続による不具合を解消することがで
きる。
【0072】また、冷媒油熱交換器17のシェル27内
を複数の油室に区画しておらず、作動油サイクル5のシ
ェル27内を循環する油熱源流路を1つの入口流路と1
つの出口流路だけの単純なものとすることにより組付作
業性を改善しているので、製品コストを低減することが
できる。
【0073】〔変形例〕この実施例では、熱媒体として
油圧モータ等の油圧機器に油圧を供給するための作動油
を用いたが、熱媒体としてエンジン冷却水、エンジンオ
イル、トランスミッションオイル、トルクコンバータオ
イル等の温熱源を用いても良い。
【0074】この実施例では、本発明をクレーン車等の
特殊自動車用空気調和装置1に適用したが、本発明を乗
用車、バス、トラック等の大型車両、ダンプ車、タンク
車、ミキサ車等の特別装備自動車、救急車、宣伝車、冷
凍車、冷蔵車等の特別用途自動車などの車両用空気調和
装置に適用しても良い。
【0075】この実施例では、冷媒圧縮機11を油圧モ
ータにより駆動したが、冷媒圧縮機11を車両に搭載さ
れるエンジンや電動モータにより駆動しても良い。この
実施例では、暖房負荷検出手段として内気温度センサ3
1と室温設定ダイヤル35とを利用したが、暖房負荷検
出手段として冷媒蒸発器18の入口温度センサと室温設
定器とを利用しても良い。また、暖房運転の立ち上がり
時には、外気温度センサ32の出力信号を基にして暖房
負荷を検出しても良い。さらに、日射センサの出力信号
を暖房負荷の補正量として検出しても良い。
【0076】この実施例では、冷房モード時に冷媒圧縮
機11より吐出された冷媒を冷媒油熱交換器17に循環
させたが、冷房モード時に冷媒圧縮機11より吐出され
た冷媒を冷媒油熱交換器17より迂回させても良い。ま
た、作動油サイクル5の冷媒油熱交換器17への油熱源
流路を電磁弁等により遮断しても良い。
【0077】この実施例では、暖房モードの油熱源サイ
クル時に暖房用減圧手段13より流出された冷媒を室外
熱交換器16に循環させたが、暖房モードの油熱源サイ
クル時に暖房用減圧手段13より流出された冷媒を室外
熱交換器16より迂回させても良い。また、四方弁20
を複数の電磁弁等の経路切替手段に変更しても良い。さ
らに、電磁弁21、22を三方弁等の経路切替手段に変
更しても良い。
【0078】
【発明の効果】請求項1の発明は、冷凍サイクルの高圧
側圧力の過上昇による冷媒圧縮機の仕事量の増大化を防
止することができるので、冷凍サイクルの消費動力を低
減することができる。また、熱媒体サイクルを単純化す
ることにより組付作業性を改善することによって製品コ
ストの上昇を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例に用いた特殊自動車用空気調
和装置の全体構造を示した構成図である。
【図2】図1の特殊自動車用空気調和装置のECUを示
した電気回路図である。
【図3】暖房モードの各熱源サイクルにおける電磁弁の
開弁状態および冷媒圧縮機の運転状態を示した図であ
る。
【図4】図1の特殊自動車用空気調和装置のECUの基
本的な制御プログラムの一例を示したフローチャートで
ある。
【図5】図1の特殊自動車用空気調和装置のECUの基
本的な制御プログラムの一例を示したフローチャートで
ある。
【図6】暖房モードの各熱源サイクルにおける冷凍サイ
クルの高圧側圧力、暖房能力を示したグラフである。
【符号の説明】
1 特殊自動車用空気調和装置 2 ダクト 3 室内ファン(送風機) 4 冷凍サイクル 5 作動油サイクル(熱媒体サイクル) 6 ECU(制御手段) 11 冷媒圧縮機 12 室内熱交換器 16 室外熱交換器 17 冷媒油熱交換器(第1の熱交換器) 18 冷媒蒸発器(第2の熱交換器) 20 四方弁(経路切替手段) 21 電磁弁(経路切替手段) 22 電磁弁(経路切替手段) 24 電磁クラッチ(係脱手段) 31 内気温度センサ(暖房負荷検出手段、内気温度検
出手段) 33 冷媒圧力スイッチ(冷媒圧力検出手段) 35 室温設定ダイヤル(暖房負荷検出手段、温度設定
手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)車室内へ空気を送るためのダクト
    と、 (b)このダクトを介して車室内へ送風する送風機と、 (c)圧縮した冷媒を吐出する冷媒圧縮機、 この冷媒圧縮機より流入した冷媒を、前記ダクト内を流
    れる空気と熱交換させて凝縮させる室内熱交換器、 この室内熱交換器より流入した冷媒を、車両を運転する
    際に発熱する熱媒体と熱交換させて蒸発させる第1の熱
    交換器、 前記室内熱交換器より流入した冷媒を、空気と熱交換さ
    せて蒸発させる第2の熱交換器、 前記冷媒圧縮機より吐出された冷媒を、前記室内熱交換
    器、前記第1の熱交換器の順に循環させる第1の冷媒経
    路、 前記冷媒圧縮機より吐出された冷媒を、前記室内熱交換
    器、前記第2の熱交換器の順に循環させる第2の冷媒経
    路、 前記第1の冷媒経路と前記第2の冷媒経路とを切り替え
    る経路切替手段を有する冷凍サイクルと、 (d)前記第1の熱交換器に熱媒体を循環させる熱媒体
    サイクルと、 (e)車室内の暖房負荷を検出する暖房負荷検出手段を
    有し、 この暖房負荷検出手段で検出された車室内の暖房負荷が
    大きい時に前記第1の冷媒経路へ切り替えるように前記
    経路切替手段を制御し、且つ前記暖房負荷検出手段で検
    出された車室内の暖房負荷が小さい時に前記第2の冷媒
    経路へ切り替えるように前記経路切替手段を制御する制
    御手段とを備えた車両用空気調和装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の車両用空気調和装置にお
    いて、 前記冷媒圧縮機とこの冷媒圧縮機を回転駆動する駆動源
    との連結状態を断続する係脱手段を備え、 前記制御手段は、前記冷凍サイクルの高圧側圧力を検出
    する冷媒圧力検出手段を有し、この冷媒圧力検出手段で
    検出された前記冷凍サイクルの高圧側圧力に基づいて前
    記係脱手段を制御することを特徴とする車両用空気調和
    装置。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の車両用空
    気調和装置において、 前記暖房負荷検出手段は、車室内の温度を所望の温度に
    設定する温度設定手段、および車室内の温度を検出する
    内気温度検出手段よりなり、 前記制御手段は、前記温度設定手段で設定された設定温
    度と前記内気温度検出手段で検出された内気温度との温
    度差に基づいて前記経路切替手段を制御することを特徴
    とする車両用空気調和装置。
  4. 【請求項4】請求項1ないし請求項3のいずれかに記載
    の車両用空気調和装置において、 前記第2の熱交換器は、前記室内熱交換器よりコアサイ
    ズが小さく、前記ダクト内の前記室内熱交換器より上流
    側に設置され、前記ダクト内を流れる空気を冷媒と熱交
    換させて除湿することを特徴とする車両用空気調和装
    置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113316522A (zh) * 2019-01-30 2021-08-27 三电汽车空调系统株式会社 车用空调装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113316522A (zh) * 2019-01-30 2021-08-27 三电汽车空调系统株式会社 车用空调装置

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