JPH0732916A - 制動エネルギ回生装置 - Google Patents

制動エネルギ回生装置

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JPH0732916A
JPH0732916A JP5181254A JP18125493A JPH0732916A JP H0732916 A JPH0732916 A JP H0732916A JP 5181254 A JP5181254 A JP 5181254A JP 18125493 A JP18125493 A JP 18125493A JP H0732916 A JPH0732916 A JP H0732916A
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vehicle
braking
oil temperature
motor
pump
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JP5181254A
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Inventor
Takeshi Nobori
猛 野堀
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 作動油温度の過上昇によるシール劣化の防止
のために制動エネルギ回生装置のエネルギ蓄積動作を停
止するようにした場合に車両のサービスブレーキに加わ
る負担を軽減する。 【構成】 油温センサ81で検出した油温が所定値以上
のときは、コントローラ4の制御下でクラッチ21が切
状態にされる。この状態で、ブレーキペダル6が踏まれ
ると、コントローラの制御下でリターダ83が制動動作
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の制動時に蓄積し
た制動エネルギを車両の発進に利用する制動エネルギ回
生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両の制動は、車両の運動エネ
ルギを摩擦エネルギに変換することによって行われ、こ
のため、車両制動時には大気中にエネルギが放散され
る。近年、大気汚染などの地球環境問題に対する関心が
高まる中、制動エネルギを再利用するようにした車両た
とえば蓄圧式制動エネルギ回生車両が提案されている。
【0003】蓄圧式制動エネルギ回生車両は、典型的に
は、油圧ポンプ・モータとアキュムレータとを含む制動
エネルギ回生装置を備え、該アキュムレータは、ピスト
ンとその両側に配された2つのチャンバとを有してい
る。この種の制動エネルギ回生装置は、車両制動時に、
油圧ポンプ・モータを車両の駆動輪で駆動してポンプ作
動させてポンプ・モータによりアキュムレータの一方の
チャンバに作動油を圧送して、アキュムレータの他方の
チャンバに充填したガスをピストンを介して圧縮し、こ
れにより制動エネルギを蓄えるようにしている。そし
て、車両の発進時あるいは加速運転時には、車両制動時
に圧縮したガスを膨張させることにより作動油をアキュ
ムレータから油圧ポンプ・モータに供給して該ポンプ・
モータをモータ作動させて車両の駆動輪をポンプ・モー
タで駆動し、これにより制動エネルギを再利用してい
る。
【0004】この様に、制動エネルギ回生装置では、制
動エネルギの蓄積、放出のための作動媒体として作動油
が用いられ、又、作動油の漏洩を防止するためのシール
が装置各部に配されている。しかし、エネルギ蓄積、放
出動作が繰り返されると作動油の温度が上昇し、この油
温上昇が過大になると、シールが劣化するに至る。そこ
で、油温が過上昇する前に、装置のエネルギ蓄積動作を
停止させるべく油圧ポンプ・モータを車両の駆動系から
駆動的に遮断するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、油温上
昇に起因するシール劣化を防止すべく制動エネルギ回生
装置のエネルギ蓄積動作を停止すると、車両の制動は、
車両のサービスブレーキによって行われることになる。
油温上昇は、典型的には、油圧蓄圧が急激に行われるよ
うな急坂降坂時に発生し、従って、このときにエネルギ
回生装置を非作動化するとサービスブレーキに加わる負
担は大きなものとなる。即ち、サービスブレーキ温度が
過上昇しやすく、ブレーキラインニングの寿命が短くな
る。
【0006】そこで、本発明は、作動油温度の過上昇に
よるシール劣化の防止のためにエネルギ蓄積動作を停止
するようにした場合にもサービスブレーキへの負担が過
大になることを防止できる制動エネルギ回生装置を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】車両の駆動系にクラッチ
を介して連結される油圧ポンプ・モータにより制動エネ
ルギを油圧エネルギに変換してアキュムレータに蓄積す
る一方、この蓄積したエネルギで上記油圧ポンプ・モー
タを駆動して車両の発進エネルギとして利用すると共
に、作動油の油温を検出する油温検出手段と、油温検出
手段により検出される油温が所定値以上のときはクラッ
チを遮断する制御手段とを有する制動エネルギ回生装置
において、本発明は、車両のエンジンから駆動輪に伝達
される駆動力を減少させる補助ブレーキ装置を更に備
え、制御手段は、油温が所定値以上である状態で車両の
制動動作が行われたときに、補助ブレーキ装置を作動さ
せるように構成されていることを特徴とする。
【0008】好ましくは、制御手段は、油温が所定値以
上である場合にのみ補助ブレーキ装置を作動可能とす
る。
【0009】
【作用】制動エネルギ回生装置の作動中、油温検出手段
により作動油温度が検出される。そして、検出される油
温が所定値以上になると、制御手段の制御下で、クラッ
チが遮断動作して油圧ポンプ・モータが車両の駆動系か
ら遮断される。この結果、油圧ポンプ・モータのエネル
ギ蓄積動作が禁止され、更なる油温上昇が防止される。
【0010】又、油温が所定値以上である状態での制動
時には、制御手段の制御下で補助ブレーキ装置が作動す
る。この結果、油温が上昇して制動エネルギ回生装置の
制動作用が禁止された場合にも、制動時には補助ブレー
キ装置が作動するので、車両のサービスブレーキに過大
な負担が加わることがない。油温が所定値以上の場合に
のみ補助ブレーキ装置を作動可能とする本発明の特定に
態様によれば、油温が所定値に達していない場合には、
補助ブレーキ装置が非作動化されると共に制動エネルギ
回生装置がクラッチを介して車両の駆動系に連結される
ので、制動エネルギ回生装置が有効に利用される。
【0011】
【実施例】図1を参照すると、本発明の一実施例の蓄圧
式制動エネルギ回生装置が搭載される車両は、トランス
ミッション2を介して駆動輪1を駆動するためのエンジ
ン3を備えている。制動エネルギ回生装置は、車両制動
時にポンプ作動して制動エネルギを回収する一方、回収
エネルギの再利用時にモータ作動する油圧ポンプ・モー
タとしての斜板式可変容量ピストンポンプ・モータ10
と、回収エネルギを蓄えるためのアキュムレータ40と
を備えている。
【0012】ポンプ・モータ10の駆動軸10aは、ギ
ヤボックス22を含むと共に駆動輪1に連結された車両
の駆動系にクラッチ21を介して断接自在に連結されて
いる。又、ポンプ・モータ10は、駆動軸10aにこれ
と一体回転自在に嵌着された斜板10bと、斜板10b
の回転に伴って往復動するピストン10cとを有し、駆
動軸10aに対する斜板10bの角度すなわち傾転角に
応じてポンプ・モータ容量が変化するようになってい
る。
【0013】図2に示すように、傾転角を可変制御する
ための傾転シリンダ11は、斜板10bに連結されたピ
ストン11aと、該ピストン11aの両側に夫々画成さ
れたチャンバ11b,11cとを有し、一方のチャンバ
例えばチャンバ11bにパイロット油圧源12からのパ
イロット油圧が供給されると斜板10bがポンプ作動側
に駆動され、他方のチャンバ例えばチャンバ11cにパ
イロット油圧が供給されると斜板10bがモータ作動側
に駆動されるようになっている。
【0014】パイロット油圧源12は、これと傾転シリ
ンダ11間に介在する比例電磁弁13と協働して、パイ
ロット油圧源12から傾転シリンダ11へのパイロット
油圧の供給を可変制御するためのパイロット圧供給回路
を構成している。そして、比例電磁弁13の一方のソレ
ノイド13aに通電すると、通電量に応じた量のパイロ
ット油圧が比例電磁弁13を介して傾転シリンダ11の
チャンバ11bに供給され、又、他方のソレノイド13
bに通電するとパイロット油圧がチャンバ11cに供給
され、これにより、傾転シリンダ11のピストン11a
の作動位置ひいては斜板10bの傾転角が可変制御され
るようになっている。
【0015】比例電磁弁13のソレノイド13a,13
bへの通電が停止されて比例電磁弁13がスプリング1
3c,13dのばね力で中立位置をとって傾転シリンダ
11へのパイロット油圧供給が遮断されたとき、傾転シ
リンダ11のピストン11aは、チャンバ11b,11
c内に夫々配されたスプリング11d,11eのばね力
により、中立位置をとるようになっている。なお、ピス
トン11aの移動時、傾転シリンダ11内のパイロット
油は、図示しない管路を介して排出される。図2中、参
照符号16,17及び18はリリーフ弁を夫々表す。
【0016】図1及び図2に示すように、ポンプ・モー
タ10は、管路31を介して作動油タンク30に連通
し、また、管路32を介してアキュムレータ40に連通
している。管路32のアキュムレータ40側には切換弁
50が設けられ、ポンプ・モータ10とアキュムレータ
40間での作動油の流通を切換弁50によって許容また
は阻止するようにしている。
【0017】より詳しくは、図3に示すように、ポンプ
・モータ10とアキュムレータ40とを接続する管路3
2は、ポンプ・モータ10に一端が接続された高圧ホー
ス71と、該ホース71の他端が接続された管路72と
を含んでいる。管路72は、車両のフレーム(図示略)
に固定したマニホールドブロック60に設けられ、アキ
ュムレータ40に接続されている。管路72の途中には
ロジックバルブ51が配され、該バルブ51は、ブロッ
ク60に固定したサブプレート61に固定されたポペッ
ト弁52と協働して上述の切換弁50を構成している。
【0018】ポペット弁52は、第1ポートが、管路7
2のロジックバルブ51側から分岐した分岐管路73に
連通し、第2ポートが作動油タンク30に連通するドレ
イン管路78に連通している。第1ポートは、ポペット
弁52のソレノイド52aが消勢されているときに、ポ
ペット弁52の第3ポートに連通する管路74を介し
て、ロジックバルブ51の制御ポートに連通するように
されている。即ち、ソレノイド52aの消勢時、分岐管
路73内の作動油圧をポペット弁52を介してロジック
バルブ51の制御ポートに印加して、ロジックバルブ5
1を閉弁するようにしている。
【0019】更に、管路72の、ロジックバルブ51に
関してポンプ・モータ側の半部は、管路76及び77を
介して三方向切換弁53に接続されている。切換弁53
のソレノイド53aが消勢されているとき、管路72
は、管路76及び切換弁53を介してドレイン管路78
に連通し、これにより、高圧ホース71内ならびに管路
72のポンプ・モータ側半部内に残った加圧作動油がタ
ンク30に戻される一方、ソレノイド53aが付勢され
ると管路76,77同士が接続されるようになってい
る。そして、管路72のポンプ・モータ側端部は、入力
ポートに加わる油圧が或る一定圧を上回ると開弁するよ
うにされた弁54を介してドレイン管路78に連通して
いる。
【0020】図1に示すように、アキュムレータ40
は、中空円筒状のアキュムレータ本体41と、アキュム
レータ本体41内に該本体に対して摺動自在に配された
ピストン42とを有している。ピストン42に関して切
換弁50側においてアキュムレータ本体41の内面とピ
ストン42の端面とにより第1チャンバ43が画成さ
れ、又、切換弁50と反対側においてアキュムレータ本
体内面とピストン端面とにより第2チャンバ44が画成
されている。第2チャンバ44内には窒素ガスが充填さ
れている。
【0021】図1中、参照符号4は、プロセッサ,メモ
リ,入出力回路などを含む制御手段としてのコントロー
ラを表し、コントローラ4は、従来公知の各種エンジン
制御を行うと共に、アクセルペダル5に連動するアクセ
ルペダル開度センサおよびブレーキペダル6の操作に応
動するブレーキセンサを含む各種センサからのセンサ出
力に応じて比例電磁弁13,切換弁50などの作動を制
御するようになっている。
【0022】上述のように、制動エネルギ回生装置の制
動エネルギ回収および放出動作が繰り返されて作動油温
度が過上昇すると、装置各部に作動油漏洩防止のために
配されたシール(図示略)が劣化することになる。これ
を防止すべく、制動エネルギ回生装置は、油温上昇時に
は、ポンプ・モータ10を車両の駆動系から遮断してそ
のエネルギ蓄積動作を禁止するようにしている。
【0023】このため、制動エネルギ回生装置の作動媒
体としての作動油の実際温度を検出するための油温セン
サ81をアキュムレータ本体41に装着すると共に、油
温センサ81をコントローラ4に接続し、実際油温デー
タをコントローラ4に供給可能にしている。又、クラッ
チ21を例えば電磁クラッチで構成すると共に、図示し
ない電源及びリレー回路を含むクラッチ駆動部82をコ
ントローラ4に接続し、クラッチ駆動部82からクラッ
チ21への電力供給をコントローラ4で制御することに
より同クラッチを断接動作させるようにしている。
【0024】更に、制動エネルギ回生装置のエネルギ蓄
積動作が禁止されたときに車両のサービスブレーキ(図
示略)へ加わる負担を軽減すべく、補助ブレーキ装置と
しての電磁リターダ83が設けられている。この電磁リ
ターダ83は、例えばトランスミッション2の出力軸と
一体回転自在に出力軸後端部に装着されたロータ(図示
略)と、このロータの近傍に磁場を形成するための磁場
発生部(図示略)とを備えている。電磁リターダ83
は、コントローラ4の制御下で作動するリターダ駆動部
84から磁場発生部に電力が供給されると、ロータの近
傍に磁場を形成してロータの回転エネルギを熱エネルギ
として放出し、これにより、制動機能を奏するようにな
っている。なお、電磁リターダ83は、制動エネルギ回
生車両の既存スペース内に収容可能で、又、その脱着が
容易である。
【0025】以下、上述の構成の制動エネルギ回生装置
の作動を説明する。制動エネルギ回生装置の作動中、コ
ントローラ4は、該装置の作動媒体としての作動油の実
際温度を表す油温センサ81の出力を周期的に読み取
る。そして、油温センサ出力を読み取る毎に、コントロ
ーラ4は、油温の上限許容値と同一又はこれよりも小さ
い値に予め設定された油温の所定値を、コントローラ4
に内蔵のメモリから読み出し、実際の油温と所定値とを
比較する。
【0026】油温が所定値よりも低いと判別した場合、
コントローラ4は、アクセルペダル開度センサ,ブレー
キスイッチなどの各種センサからの出力に基づいて、車
両の制動動作,発進動作または加速運転動作が行われて
いるか否かを更に判別する。そして、車両の制動,発進
または加速運転動作が行われていなければ、車両が定常
走行状態にあると判別される。車両の定常走行時には、
コントローラ4の制御下でポペット弁52のソレノイド
52aが消勢されて、管路72に連通する分岐管路73
内の作動油圧がポペット弁52及び管路74を介してロ
ジックバルブ51の制御ポートに加えられる。ロジック
バルブ51の作動油流通ポートには制御ポートに加わる
作動油圧と同一油圧が加えられるが、同ポート側の受圧
面積は制御ポート側のそれよりも小さくされており、ロ
ジックバルブ51(より一般的には切換弁50)が閉弁
する。この結果、ポンプ・モータ10とアキュムレータ
40との間での作動油の流通が阻止される。
【0027】又、方向切換弁53のソレノイド53aが
消勢されて、高圧ホース71内の及び管路72のポンプ
・モータ側半部内の加圧作動油がドレイン管路78を介
してタンク30へ戻されて、ホース及び管路内の残圧が
解消される。これにより、残圧によりポンプ・モータ1
0がモータ作動して車両が不用意に移動することがな
い。
【0028】更に、比例電磁弁13のソレノイド13
a,13bへの通電が停止されて比例電磁弁13が中立
位置をとって該電磁弁を介する傾転シリンダ11へのパ
イロット油圧の供給が遮断され、ポンプ・モータ10の
斜板10bがその傾転角が零になるような非作動位置に
セットされて、ポンプ・モータ10が非作動化される。
又、コントローラ4の制御下で、クラッチ駆動部82か
らクラッチ21への電力供給が遮断されてクラッチ21
が切状態にされ、これにより、ポンプ・モータ駆動軸1
0aが車両の駆動系から遮断される。
【0029】従って、車両の定常走行中、制動エネルギ
回生車両は、通常の車両の場合と同様に作動する。車両
走行中にブレーキスイッチがオン作動すると、車両の制
動動作が行われたと判別される。この車両制動時には、
作動油流通ポートに作用する力がロジックバルブ51の
制御ポートに加わる力より大きいので、ロジックバルブ
51(より一般的には切換弁50)は開弁可能である。
従って、ポンプ・モータ10とアキュムレータ40との
間での作動油の流通が許容される。
【0030】これと同時に、コントローラ4の制御下で
比例電磁弁13の一方のソレノイドたとえばソレノイド
13aへの通電が行われ、比例電磁弁13を介してパイ
ロット油圧が傾転シリンダ11のチャンバ11bに供給
されて、ポンプ・モータ10の斜板10bが図1に示す
ポンプ作動位置にセットされる。又、クラッチ駆動部8
2からクラッチ21へ電力が供給されてクラッチ21が
接状態にされ、ポンプ・モータ駆動軸10aが車両の駆
動系に連結される。
【0031】結果として、クラッチ21及びギヤボック
ス22を介して駆動輪1に連結されたポンプ・モータ1
0が、駆動輪1により駆動されてポンプ作動し、回生ブ
レーキが働く。即ち、タンク30からの作動油が、図1
中矢印で示すように、ポンプ・モータ10により高圧ホ
ース71とロジックバルブ51を含む管路72(図2)
とを介してアキュムレータ40の第1チャンバ43内に
圧送され、アキュムレータ40の第2チャンバ44内に
充填した窒素ガスが圧縮される。この結果、車両の運動
エネルギはアキュムレータ40内に蓄えられる。
【0032】車両発進時、すなわちトラスミッションギ
ヤ位置,クラッチペダルの踏み代,アクセルペダル開度
等を表す各種センサ出力に基づいてドライバによる発進
操作を検出すると、コントローラ4は、切換弁50を開
くと共に、比例電磁弁13のソレノイド13bへの通電
を行い、これにより、比例電磁弁13を介してパイロッ
ト油圧が傾転シリンダ11のチャンバ11cに供給され
てポンプ・モータ10の斜板10bが図1に示す側と反
対の側に傾斜するモータ作動位置にセットされる。又、
コントローラ4は、クラッチ21が接状態になるように
クラッチ駆動部82を駆動制御する。
【0033】上述のように、切換弁50(ロジックバル
ブ51)が開かれると、アキュムレータ40の第2チャ
ンバ44内で窒素ガスが膨張し、第1チャンバ43内の
作動油がピストン42によりアキュムレータ40から排
出されてロジックバルブ51を含む管路72と高圧ホー
ス71とを介してポンプ・モータ10に圧送され、該ポ
ンプ・モータ10がモータ作動してトルクを発生する。
ポンプ・モータ10の出力トルクは、クラッチ21及び
ギヤボックス22を介して駆動輪1に伝達されて駆動輪
1を駆動する。
【0034】車両の加速運転時、すなわち、ドライバが
アクセルペダルを踏み込むと、例えばエンジン3の中負
荷以上おいて、車両発進時と同様、コントローラ4の制
御下でポンプ・モータ10がモータ作動し始め、エンジ
ン3へのトルクアシストを行う。油温が所定値に達して
いない場合、車両の制動,発進又は加速運転が終了する
と、コントローラ4は、切換弁50を閉じると共に比例
電磁弁13のソレノイド13a,13bへの通電を停止
して、ポンプ・モータ10を非作動化し、又、クラッチ
21を切状態にする。
【0035】上述の場合と異なり、油温が所定値以上で
あると判別すると、コントローラ4は、クラッチ駆動部
82から電磁クラッチ21への電力供給が遮断されるよ
うにクラッチ駆動部82を駆動制御する。この結果、ク
ラッチ21への電力供給が停止しクラッチ21は切状態
になり、このため、ポンプ・モータ駆動軸10aが車両
の駆動系から駆動的に遮断される。
【0036】従って、車両制動時における駆動輪1の回
転力を駆動源とするポンプ・モータ10のポンプ動作が
禁止される。又、車両発進時などでは、モータ動作する
ポンプ・モータ10は無負荷運転されることになる。こ
の様に、油温が所定値以上であるとポンプ・モータ10
が非作動化されて、ポンプ・モータ10の作動による更
なる油温上昇が防止され、これにより、油温上昇による
シール劣化が防止される。
【0037】これに加えて、油温が所定値以上である状
態で車両の制動動作が行われると、コントローラ4は、
リターダ駆動部84からリターダ83へ電力が供給され
るようにリターダ駆動部84を駆動制御する。この結
果、リターダ83へ電力が供給され、リターダ83の磁
場発生部は、リターダのロータの近傍に磁場を形成す
る。これにより、トランスミッション2の出力軸と一体
に回転するロータの回転エネルギが熱エネルギとして放
出され、リターダ83の制動機能が奏される。
【0038】この様に、油温が上昇して制動エネルギ回
生装置の制動作用が禁止された場合にも、制動時にはリ
ターダ83が制動動作するので、車両のサービスブレー
キに過大な負担が加わることがなく、ブレーキライニン
グの寿命を延ばすことができる。しかも、リターダ83
は、油温が所定値以上の場合にのみ作動可能とされ、油
温が所定値に達していない場合には非作動化される。上
述のように、油温が所定値に達していない状態での車両
制動時には、クラッチ21を介して車両の駆動系に連結
されたポンプ・モータ10がポンプ動作し、従って、制
動エネルギ回生装置が有効に利用されることになる。
【0039】本発明は上記実施例に限定されず、種々の
変形が可能である。例えば、実施例では、既存スペース
を有効利用すると共に装置構成を簡易にすべく、補助ブ
レーキ装置として電磁リターダを用いたが、これに代え
て、駆動輪に伝達される駆動力を減少させることによっ
て制動力を発生するようにした種々のタイプの補助ブレ
ーキ装置を使用可能である。
【0040】例えば、エンジンの本体側に設けたステー
タとエンジンのクランク軸側に設けたロータとの間に作
動油を供給してロータの運動エネルギを吸収することに
より制動動作する油圧式リターダを用いても良い。又、
エンジンの排気管内に配した開閉弁によって排気管通路
面積を減少させてエンジン排気圧を上昇させることによ
り制動力を得るようにした排気ブレーキを用いても良
く、エンジンへの燃料供給を遮断すると共に、ピストン
上昇時に燃焼室内に正圧が発生しかつピストン下降時に
シリンダ内に負圧が発生するようにバルブタイミングを
調整することにより制動力を発生させるパワータードを
用いても良い。
【0041】上記実施例では、油温が所定値以上である
状態で車両の制動動作が行われたときに、補助ブレーキ
装置としての電磁リターダ83を作動させると共にクラ
ッチ21を切状態としたが、クラッチの切動作に加え
て、或はこれに代えて、電磁弁13のソレノイド13
a,13bへの通電を停止するようにしても良い。通電
を停止すると、比例電磁弁13を介する傾転シリンダ1
1へのパイロット油圧供給が遮断されて、傾転シリンダ
11のピストン11aが中立位置に戻されるので、斜板
10bの傾転角が零になってポンプ・モータ10のポン
プ作動が無効にされる。
【0042】又、実施例では、油温が所定値以上である
状態で車両の発進または加速運転動作が行われたとき
に、クラッチ21を切状態としたが、これに加えて、或
はこれに代えて、ポペット弁52のソレノイド52aへ
の通電を停止してロジックバルブ51(一般には切換弁
50)を閉弁させ、アキュムレータ40からポンプ・モ
ータ10への加圧作動油の供給を停止させるようにして
も良い。
【0043】
【発明の効果】上述のように、車両の駆動系にクラッチ
を介して連結される油圧ポンプ・モータにより制動エネ
ルギを油圧エネルギに変換してアキュムレータに蓄積す
る一方、この蓄積したエネルギで上記油圧ポンプ・モー
タを駆動して車両の発進エネルギとして利用すると共
に、作動油の油温を検出する油温検出手段と、油温検出
手段により検出される油温が所定値以上のときはクラッ
チを遮断する制御手段とを有する制動エネルギ回生装置
において、本発明は、車両のエンジンから駆動輪に伝達
される駆動力を減少させる補助ブレーキ装置を更に備
え、制御手段を、油温が所定値以上である状態で車両の
制動動作が行われたときに、補助ブレーキ装置を作動さ
せるように構成したので、作動油温度の過上昇によるシ
ール劣化の防止のためにエネルギ蓄積動作を停止するよ
うにした場合にもサービスブレーキへの負担が過大にな
ることを防止でき、ブレーキライニングの寿命が長くな
る。
【0044】また、油温が所定値以上である場合にのみ
補助ブレーキ装置を作動可能とするようにした本発明の
特定の態様によれば、油温が所定値に達していない場合
には、補助ブレーキ装置が非作動化されるので、制動エ
ネルギ回生装置を有効に利用して制動エネルギを蓄積で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による制動エネルギ回生装置
の要部を、周辺要素と共に示す概略図である。
【図2】図1の斜板式可変容量ピストンポンプ・モータ
を示す油圧回路図である。
【図3】図1の切換弁を示す油圧回路図である。
【符号の説明】
1 駆動輪 4 コントローラ(制御手段) 10 斜板式可変容量ピストンポンプ・モータ 21 クラッチ 22 ギヤボックス(車両の駆動系) 40 アキュムレータ 50 切換弁 81 油温センサ 82 クラッチ駆動部 83 リターダ(補助ブレーキ装置) 84 リターダ駆動部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の駆動系にクラッチを介して連結さ
    れる油圧ポンプ・モータにより制動エネルギを油圧エネ
    ルギに変換してアキュムレータに蓄積する一方、この蓄
    積したエネルギで上記油圧ポンプ・モータを駆動して車
    両の発進エネルギとして利用すると共に、 作動油の油温を検出する油温検出手段と、 上記油温検出手段により検出される油温が所定値以上の
    ときは上記クラッチを遮断する制御手段とを有する制動
    エネルギ回生装置において、 上記車両のエンジンから駆動輪に伝達される駆動力を減
    少させる補助ブレーキ装置を更に備え、 上記制御手段は、上記油温が上記所定値以上である状態
    で上記車両の制動動作が行われたときに、上記補助ブレ
    ーキ装置を作動させるように構成されていることを特徴
    とする制動エネルギ回生装置。
  2. 【請求項2】 上記制御手段は、上記油温が上記所定値
    以上である場合にのみ上記補助ブレーキ装置を作動可能
    とすることを特徴とする請求項1に記載の制動エネルギ
    回生装置。
JP5181254A 1993-07-22 1993-07-22 制動エネルギ回生装置 Withdrawn JPH0732916A (ja)

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