JPH0732873B2 - マイクロカプセル及びその製造方法 - Google Patents

マイクロカプセル及びその製造方法

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JPH0732873B2
JPH0732873B2 JP13245488A JP13245488A JPH0732873B2 JP H0732873 B2 JPH0732873 B2 JP H0732873B2 JP 13245488 A JP13245488 A JP 13245488A JP 13245488 A JP13245488 A JP 13245488A JP H0732873 B2 JPH0732873 B2 JP H0732873B2
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実 小原
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積水ファインケミカル株式会社
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J13/00Colloid chemistry, e.g. the production of colloidal materials or their solutions, not otherwise provided for; Making microcapsules or microballoons
    • B01J13/02Making microcapsules or microballoons
    • B01J13/06Making microcapsules or microballoons by phase separation
    • B01J13/10Complex coacervation, i.e. interaction of oppositely charged particles

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  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Manufacturing Of Micro-Capsules (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、薬品、化粧品、接着材等の保護および外部環
境に溶出する速度を調節するためのマイクロカプセル、
あるいは診断用試薬、組織培養用人工担体、液体クロマ
トグラフィー用担体、液晶表示素子用接着性粒子、液晶
表示素子用着色粒子等に有用なマイクロカプセルと、そ
の製造方法に関する。
(従来の技術) 「マイクロカプセル」とは、大きさがマイクロメータ
(μm)のオーダーの微小な容器を持つ微粒子であり、
マイクロカプセルは、芯物質と呼ばれる中身と、この芯
物質を被覆する壁物質と呼ばれる容器とから構成されて
いる。
そして、マイクロカプセルを製造するには、最初に芯物
質を微粒子状にして適度な媒質中に分散させ、次いで微
粒子のそれぞれを壁物質で被覆する方法が採られる。マ
イクロカプセルを製造する際の膜かけ操作は、マイクロ
カプセル化と呼ばれ、従来より多数の方法が提案されて
おり、大別すると化学的方法、物理化学的方法、
物理的・機械的方法の三つである。
本発明は、物理化学的方法に属する複合コアセルベーシ
ョン(相分離)法を利用した新規なマイクロカプセルと
その製造方法に関するものである。
一般に、高分子溶液に電解質や有機溶剤を加えると、高
分子の溶解性が減少する。複合コアセルベーションは、
高分子溶液としてポリカチオン溶液とポリアニオン溶液
とを組み合わせて使用し、これらを混合する際に生じる
濃厚コロイド相をカプセル化の被膜に利用したものであ
る。すなわち、ポリカチオン溶液とポリアニオン溶液と
を混合すると、電気的な相互作用で相分離を生起して濃
厚コロイド相が生じるので、この濃厚コロイド相をカプ
セル化の被膜に利用するものである。
ポリカチオン成分としてのゼラチンと、ポリアニオン成
分としてのアラビアゴムによるコアセルベーションは、
その優れた被膜形成能を有している故に、最も良く利用
されている。
ゼラチンは動物のコラーゲンを部分加水分解して得られ
る蛋白質であり、従来より食用、写真用、医薬用等に大
量に生産、使用され、その品質は比較的安定している。
また、ゼラチン中の蛋白質は、トリプトファンを除く全
ての必須アミノ酸を含み、加熱冷却による可逆的なゾル
ーゲル変化の性質を持ち、その優れた被膜形成能、およ
び等電点を境としてアミノ酸中の酸性基、塩基性基の電
荷が逆転すること等のため、複合コアセルベーションに
おけるポリカチオン成分として優れた性質を持ってい
る。
一方、複合コアセルベーションにおけるポリアニオン成
分としては、上記したアラビアゴムの他に、アルギン酸
ナトリウム、カラゲーナン、カルボキシメチルセルロー
ス、寒天などの多糖類、ポリビニルベンゼンスルホン
酸、ポリビニルメチルエーテル−無水マレイン酸共重合
体、アニオン系界面活性剤などが知られている。その中
でもアラビアゴムは、pHの影響を受け難く、ゼラチンと
の相溶性に優れ、また被膜形成能にも優れているので、
従来より複合コアセルベーションには、ゼラチン−アラ
ビアゴム系が広く利用されている。
例えば、特開昭57−153658号公報、特開昭57−160465号
公報および特開昭59−195161号公報には、アラビアゴム
等の水溶性多糖類とゼラチンとを含んだマイクロカプセ
ルおよびその製法が提案されている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、アラビアゴムはアカシア属樹木から採取
される樹脂であり、その成分は多糖類のアラビン酸であ
るが、アカシア属樹木が5000種近くあるのに比例して、
その品質は必ずしも一定とは言い難く、その水溶液は少
量の不純物を含んでいる。従って、このアラビアゴムを
使用する際には、その使用に先立って濾過等の操作を必
要とし、また経時的に不溶物が析出したり、酵素活性に
より増粘する等の欠点がある。
また、このようにコアセルベーションによって得られた
コアセルベート粒子の壁物質を強固に且つ安定に存在さ
せるために、従来よりそのコアセルベート粒子をグリオ
ギザール、グルタルデヒド等のアルデヒド系架橋剤で処
理して架橋を行わせることが一般になされている。とこ
ろが、コアセルベート粒子とアルデヒド系架橋剤との反
応において、壁物質の構成成分であるアラビアゴム等の
多糖類中の水酸基の架橋は起こり難く、ゼラチンに含ま
れるアミノ基と架橋剤との反応が優先し、その結果アミ
ノ基の大部分が架橋反応によって消費されてしまう可能
性がある。従って、得られたマイクロカプセルを、例え
ば、アミノ基の反応性を利用した生化学的用途に使用す
ることは好ましくないのである。
また、上記のようにゼラチンに含まれるアミノ基と架橋
剤との反応で、アルデヒドアミン(アゾメチン)の生成
による架橋が生ずるが、ゼラチン中のアミノ基を持つア
ミノ酸は約8%と言われており、このアミノ酸が全て架
橋剤と反応したとしても強固な架橋構造は形成され難い
ものである。
本発明は上記欠点を解決するものであり、その目的とす
るところは、アラビアゴムに代わる均質且つ安定した性
能および優れた被膜形成能を持ち、また比較的強固な壁
物質を形成させることのできるマイクロカプセルと、複
合コアセルベーション法によるそのマイクロカプセルの
製造方法を提供することにある。
また、人工血球、診断用人工担体、着色ビーズ等の用途
において、ゼラチン−アラビアゴム系マイクロカプセル
は、直接染料、酸性染料によって着色されて用いられる
が、これらの着色マイクロカプセルはPBS(リン酸緩衝
生理食塩水)中で染料の溶出が見られる欠点を有する。
本発明は、かかる欠点を解消するために、モノ(ジ)ク
ロロトリアジン系などの反応性染料と共有結合による強
固な染料分子の結合を可能とする新規な着色マイクロカ
プセルおよびその製造方法を提供することも他の目的と
している。
(課題を解決するための手段) 本発明のマイクロカプセルは、壁物質が、アニオン基を
分子内に有するポリビニルアルコールとゼラチンとを含
有し、該ポリビニルアルコールがその水酸基部位でアル
デヒド系架橋剤にて架橋されていることを特徴としてお
り、そのことにより上記目的が達成される。
本発明のマイクロカプセルの製造方法は、アニオン基を
分子内に有するポリビニルアルコール溶液と、ゼラチン
を溶解させて得られ、その溶液のpHが該ゼラチンの等電
点もしくはその近傍に調整されたゼラチン溶液とを混合
し、ゼラチンのゲル化温度以上に加温して均一なる系と
なし、次いで酸を加えて系のpHをゼラチンの等電点以下
にすることによりコアセルベート粒子を生成させ、その
後このコアセルベート粒子をアルデヒド系架橋剤で処理
することを特徴としており、そのことにより上記目的が
達成される。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のマイクロカプセルを製造するにあたっては、ま
ずアニオン基を分子内に有するポリビニルアルコール溶
液とゼラチン溶液を調製する。
ポリビニルアルコール溶液は、アニオン基を分子内に有
するポリビニルアルコールを水等の溶媒に溶解させて得
られる。アニオン基を分子内に有するポリビニルアルコ
ールとしては、アニオン基としてのスルホン酸基又はカ
ルボン酸基を分子内に有するポリビニルアルコールを使
用することができる。特に、カルボン酸基を分子内に有
するポリビニルアルコールが好適である。カルボン酸基
を分子内に有するポリビニルアルコールの製造方法は公
知である。すなわち、酢酸ビニルとマレイン酸または無
水マレイン酸を(アルカリの存在下)有機溶媒中で共重
合させ、得られた共重合物をケン化することによって得
る方法(例えば、特公昭51−38753号公報参照)、ある
いは一価金属の水酸化物、アルコキサイドの存在下に無
水状態でビニルエステル系重合体のケン化物に環状酸無
水物を反応させて得る方法(例えば、特開昭53−143691
号公報参照)等を採用することができる。これらのアニ
オン基を含むポリビニルアルコール溶液の濃度は、0.1
〜3.0重量%とすることができ、好ましくは0.2〜1.5重
量%である。
また、ゼラチン溶液は、水等の溶媒にゼラチンを溶解さ
せて得られ、その溶液のpHが該ゼラチンの等電点もしく
はその近傍になるように調整される。ゼラチン溶液のpH
が該ゼラチンの等電点もしくはその近傍になるように調
整するとは、ゼラチンを均一に溶解させたゼラチン溶液
が、目視により透明と認められる程度に調製されること
を意味する。
ゼラチンは、工業的に生産されている酸処理法(Aタイ
プ)と石灰処理法(Bタイプ)のいずれでも使用するこ
とができるが、中でもAタイプゼラチンで等電点が6〜
9と高いものが良い。ゼラチンを水に溶解させた際のpH
がゼラチンの等電点もしくはその近傍にならない場合に
は、例えば、水酸化ナトリウム等のアルカリによってそ
の溶液のpHが該ゼラチンの等電点もしくはその近傍にな
るように調整される。ゼラチン溶液におけるゼラチンの
濃度は、0.05〜3.0重量%とすることができ、好ましく
は0.1〜1.5重量%である。
このようにして調製されたポリビニルアルコール溶液お
よびゼラチン溶液を、一般に、予め準備された複合コア
セルベーションのための混合溶液に入れて混合し、ゼラ
チンのゲル化温度以上に加温して均一な系とする。複合
コアセルベーションをより容易に行わせるために、上記
混合溶液には、従来より知られている無機塩および親水
性有機溶媒を添加するのが良い。
無機塩類としては、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウ
ム、メタリン酸ソーダ、ピロリン酸ソーダ、等を挙げる
ことができる。その中で従来より硝酸銀溶液、硝酸バリ
ウム溶液、アルブミンなどの蛋白質溶液を凝固沈澱させ
る作用が知られているメタリン酸イオンを呈するメタリ
ン酸塩が好適である。これら無機塩類の添加量は、上記
混合系のポリマーの固形量に対して5〜60重量%の割合
で用いることができる。
高分子溶液の溶解度を減少させるために、添加される親
水性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソ
プロパノール、アセトン、MEK等を挙げることができ、
特にメタノール、エタノールが好ましく使用される。こ
れら親水性有機溶媒の添加量は上記混合系全体に対して
5〜50容積%の範囲で使用されるが、これら親水性有機
溶媒の添加量の決定は目的とするマイクロカプセルの粒
子の大きさや所望とする物性に応じて三角相平衡図より
求めることができる。
次に、このようにして均一な系とした混合溶液を好まし
くは攪拌しながら、この混合溶液に酸を加えて系のpHを
ゼラチンの等電点以下にする。ここで、pHの調製に使用
される酸は、有機酸でも無機酸でも良いが、その中で、
酢酸が好ましく使用される。このように酸の添加によ
り、系のpHをゼラチンの等電点以下にすると、コアセル
ベート粒子が生成し液は白濁を生じてスラリー状とな
る。その後、系の温度をゼラチンのゲル化温度以下好ま
しくは5℃前後まで冷却した後、得られたコアセルベー
ト粒子に、アルデヒド系架橋剤を処理してその壁物質を
強固に架橋する。ここで、遠心分離あるいは沈澱法によ
り母液分離してコアセルベート粒子だけを集め、次い
で、このコアセルベート粒子を15℃前後の水中に再分散
懸濁させ、塩酸等の酸触媒のもとに上記アルデヒド系架
橋剤を反応せしめるのが好ましい。使用されるアルデヒ
ド系架橋剤としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデ
ヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、グリオギザ
ール、グルタルデヒド等が挙げられる。また、アルデヒ
ド系架橋剤の使用量は、高分子の固形量に対して5〜50
重量%が好ましく、反応時間は1〜5時間の間で適宜選
択される。
このようにアルデヒド系架橋剤をコアセルベート粒子に
処理することにより、コアセルベート粒子の壁物質の構
成成分であるポリビニルアルコールの水酸基とアルデヒ
ド系架橋剤とが反応し、ポリビニルアルコールは架橋さ
れる。ここにおいて、ポリビニルアルコールにはそのケ
ン化度によっても異なるが、90%以上の水酸基を有する
ことが可能であるので、上記アセタール化反応により強
固な壁物質が形成される。
なお、上記複合コアセルベーションによるコアセルベー
ト粒子の形成過程において、芯物質の一部としての固体
物質を単粒子分散させるため、またマイクロカプセルの
形成過程におけるコアセルベート粒子又はマイクロカプ
セル同志の合着を防止するために、混合溶液に界面活性
剤を添加することは好ましいことである。使用される界
面活性剤としては、アルキル硫酸エステル塩、アルキル
ベンゼンスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォ
ン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレ
ンアルキルまたはアルキルアリル硫酸エステル塩、特殊
ポリカルボン酸型高分子活性剤等のアニオン性界面活性
剤およびポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオ
キシエチレンアルキルアリルエーテル、オキシエチレ
ン、オキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸
エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レン脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤があり、
これら界面活性剤の使用濃度は0.001〜5.0重量%の範囲
で適宜選択される。
また、このようにして得られるマイクロカプセルに反応
性染料を処理して着色マイクロカプセルを得ることもで
きる。反応性染料としては、その分子構造中に水溶性を
付与するためのスルホン酸基と、マイクロカプセルの壁
物質が有する水酸基と共有結合させるための反応性基と
して一個あるいは二個の活性塩素原子と、を持ったいわ
ゆるモノクロロあるいはジクロロ−S−トリアジニル染
料を用いることができる。特に、低温反応型であるジク
ロロ−S−トリアジニル染料が好ましく使用される。
このようにして製造されたマイクロカプセルは、前記し
たように芯物質と、この芯物質を被覆する壁物質とから
成り、壁物質は、アニオン基を分子内に有するポリビニ
ルアルコールとゼラチンとを含有し、該ポリビニルアル
コールがそれに含まれる多数の水酸基部位でアルデヒド
系架橋剤にて架橋されているものである。従って、アセ
タール化によって強固な架橋構造の被膜を有する壁物質
が形成されると共に、ゼラチンに含まれるアミノ基はア
セタール化反応の際に完全に消滅されることはないので
ある。
得られたマイクロカプセル、あるいは着色マイクロカプ
セルは、例えば、薬品、化粧品、接着材等の保護および
外部環境に溶出する速度を調節するためのマイクロカプ
セル、あるいは診断用試薬、組織培養用人工担体、液体
クロマトグラフ用担体、液晶表示素子用接着性粒子、液
晶表示素子用着色粒子等に使用される。
(実施例) 以下に本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明す
る。
実施例1 <ポリビニルアルコール溶液の調製> アニオン基を分子内に有するポリビニルアルコールとし
て、酢酸ビニル97モル%、無水マレイン酸3モル%を共
重合した後、この共重合物をケン化して得られた重合度
1050、ケン化度95モル%のマレイン化ポリビニルアルコ
ールを用いた。
1ビーカーにイオン交換水470gを入れて40℃に加温
し、このイオン交換水の中にマグネチックスターラーで
攪拌しながら、上記マレイン化ポリビニルアルコール30
gを徐々に加え、1時間攪拌を続けて完全に溶解させ、
6%のマレイン化ポリビニルアルコール水溶液を得た。
この水溶液のpHは6.1であった。このマレイン化ポリビ
ニルアルコール水溶液を以下「A液」と称する。
<ゼラチン溶液の調製> 市販の等電点9のAタイプゼラチン30gを秤取した。一
方、1ビーカーにイオン交換水470gを入れて40℃に加
温し、マグネチックスターラーで攪拌しながら、上記ゼ
ラチンを徐々に加え、1.5時間攪拌を続けて完全に溶解
させ、6%のゼラチン水溶液を得た。このゼラチン水溶
液のpHは4.1を示したので、これに10%NaOHを加えてゼ
ラチンの等電点であるpH=9.0とした液を調製した。こ
のゼラチン水溶液を以下「G液」と称する。この「G
液」は40℃の恒温槽中に保ち、以下の実験に供した。
<マイクロカプセルの調製> 500mlビーカーに50容積%のエタノール水溶液186mlをと
り、40℃に加温しつつ、マグネチックスターラーで攪拌
した。この溶液に硫酸ナトリウム15gを加えて溶解さ
せ、さらに10%非イオン系界面活性剤(ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル;第一工業製薬(株)製、商品名
ノイゲンET135)3mlを加えた。さらに、この溶液に平均
粒径2〜4μmの、テトラエチレングライコールジメタ
アクリレート60重量部とメタアクリル酸40重量部よりな
る架橋共重合体にて形成された微球体を赤色染料で着色
した着色微球体2gを加えて攪拌し、着色微球体を単粒子
に分散させた。この混合溶液に上記A液60mlとG液54ml
を混合した液を加え、攪拌下に10容積%酢酸を徐々に滴
下し、混合系のpHが4.5になった時点で酢酸の添加を止
め、その後この液を5℃に冷却した。
溶液は白濁してスラリー状となったので、次に、このス
ラリーを一滴サンプリングし、400倍の顕微鏡で検鏡し
た。その結果、前記着色微球体を含む中心径8〜15μm
のコアセルベート粒子が認められた。次に、コアセルベ
ート粒子を含むスラリーを、1500rpm・5分間遠心分離
を行うことによりその粒子を沈降させ、母液分離してコ
アセルベート粒子を取り出した。次に、このコアセルベ
ート粒子を0.1%ノイゲンET135を含む水300mlに再分散
させた。この系の温度を15℃に保ち、これに35%塩酸0.
3ml、25%グルタルデヒド2mlをそれぞれ加え、2時間攪
拌した後、10%NaOHでpH7に中和した。その後、この液
を1500rpm・5分間遠心分離を行うことにより粒子を沈
降させ、母液分離してマイクロカプセルを得た。
実施例2 粒子径6〜15μmのジビニルベンゼン50重量部と、メタ
アクリル酸50重量部とを共重合させて得られる多孔性微
球体に香料の一種であるRose oilを含浸させて香料含浸
多孔性微球体を得た。この香料含浸多孔性微球体1gを、
10%ノイゲンET135を3ml含む40容積%エタノール水溶液
240mlに分散させ、この分散液を40℃に保った。次に、
この液にA液42mlとG液18mlをそれぞれ加え、さらに10
%ピロリン酸ソーダ3mlを加えた後、10%酢酸にて系のp
Hを4.5に調整し、コアセルベーションを行わせた後、5
℃に冷却した。得られたスラリーから一部をサンプリン
グし、サンプリング試料を上記実施例1と同様な方法で
検鏡すると、中心径10〜30μmのコアセルベート粒子が
認められた。このスラリーに35%塩酸0.2ml、25%グル
タルデヒド3mlを加え、一夜放置した後、50℃に昇温し
つつ、10%のNaOHを添加して液のpHを9としてこの状態
で1時間保った。その後、上記実施例1と同様な方法で
系を遠心分離して母液分離した後、得られた粒子をメタ
ノールで洗浄することにより、香料含浸マイクロカプセ
ルを得た。
ここで得られた香料含浸マイクロカプセルと前記香料含
浸多孔性微球体の一部をそれぞれシャーレにとり、一箇
月間常温放置した後、その保香性を比較した。その結
果、香料含浸多孔性微球体は香料の匂いがなくなってい
るのに対し、香料含浸マイクロカプセルは香料の匂いを
保持していた。
実施例3 500mlビーカーに30容積%のエタノール水溶液320mlをと
り、40℃に加温してマグネチックスターラーで攪拌しな
がら、A液56mlとG液24mlの混合液を加え、さらに10%
ヘキサメタリン酸ソーダ3mlを加えた。この混合溶液に
攪拌しながら10%酢酸を滴下して系のpHを4.5としてコ
アセルベーションを行わせた。その後、10%ノイゲンET
135を3ml加えた後、この系を5℃に冷却してその一部を
サンプリングし、実施例1と同様の方法でサンプリング
試料を検鏡すると、中心径6〜8μmの均一真球状のコ
アセルベート粒子が認められた。次に、コアセルベート
粒子を含むスラリーを1500rpm・5分間遠心分離を行う
ことによりその粒子を沈降させ、母液分離してコアセル
ベート粒子を取り出した。次に、このコアセルベート粒
子を0.1%ノイゲンET135を含む水300mlに再分散させて
系の温度を15℃に保った後、この系に35%塩酸0.3ml
と、25%グルタルデヒド3mlをそれぞれ加え、3時間攪
拌してアセタール化反応を行わせた後、10%のNaOHを添
加してpH7に中和した。その後、この液を実施例1と同
様に遠心分離を行うことにより粒子を沈降させ、母液分
離してマイクロカプセルを得た。
得られたマイクロカプセルを100mlのイオン交換水に再
分散させ、次いでこの液を50℃に昇温して目視にて観察
したところ、マイクロカプセルの凝集は見られず、安定
に粒子の形態を保持していた。
実施例4 300mlビーカーに低温反応性のジクロロトリアジン系赤
色染料(日本化薬(株)製、Kayaract Red 3B)0.1gを2
00mlのイオン交換水に40℃で溶解させ、10%炭酸ソーダ
を加えて系のpHを7とした。この液に実施例3で得られ
たマイクロカプセル2ml(沈降容量)を加え、40℃にて
3時間、攪拌下に反応させた。その後、4G−ガラスフィ
ルターで染浴を濾去した後、水洗して赤色に染着された
着色マイクロカプセルを得た。
次に、この着色マイクロカプセルを10mlのPBS中に分散
させ、1週間室温で放置した後、観察しところ、着色マ
イクロカプセルは沈降し、その上澄みPBS液は無色透明
であり、染料の溶出は認められなかった。
実施例5 500mlビーカーに30容積%のメタノール水溶液180mlと、
ノイゲンET135 3gを加え、40℃に加温し、マグネチック
スターラーで攪拌した。これにA液60ml、G液60ml、固
形分50%の水性分散加工酸化チタン(大日本精化工業
(株)製、商品名EP232ホワイト)4gを加え均一に混合
した。次に、この混合溶液を攪拌しながら、10%ヘキサ
メタリン酸ソーダ3mlを加え、その後10%酢酸を徐々に
滴下して系のpHを4.5とした後5℃に冷却した。この液
の一部をサンプリングして実施例1と同様な方法で検鏡
すると、中心径10〜20μmのコアセルベート粒子が認め
られた。得られたスラリーを自然沈降させた後、デカン
テーションすることにより母液分離し、その後実施例3
と同様の方法でコアセルベート粒子をアセタール化反応
することにより架橋させてマイクロカプセルを得た。
(発明の効果) このように、本発明によれば、マイクロカプセルの壁物
質の構成成分として、アニオン基を分子内に有するポリ
ビニルアルコールを使用しているので、品質にばらつき
がなく、且つ不純物を含まない品質の優れたマイクロカ
プセルが得られる。また、従来のアラビアゴムをポリア
ニオン成分として使用する場合のように、不純物を除去
するための濾過操作等を必要とせず、生産性にも優れて
いる。
さらに、マイクロカプセルの壁物質はアニオン基を分子
内に有するポリビニルアルコールとゼラチンとを含有
し、該ポリビニルアルコールがアルデヒド系架橋剤にて
架橋されているので、ポリビニルアルコール中に多数存
在する水酸基をアセタール化反応にあずからせること
で、強固で、且つ安定な壁物質を有するマイクロカプセ
ルが得られると共に、壁物質の他の構成成分であるゼラ
チンに含まれるアミノ基を残存させることができて、得
られたマイクロカプセルを、例えばアミノ基の反応性を
利用した生化学的用途に使用することもできる。
また、本発明のマイクロカプセルは、ポリビニルアルコ
ールに含まれる水酸基に反応性染料を化学的に結合させ
ることができるので、染料の溶出のない、例えば人工血
球、診断用人工担体、着色ビーズ等に有用な着色マイク
ロカプセルを得ることもできる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/544 B

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】壁物質が、アニオン基を分子内に有するポ
    リビニルアルコールとゼラチンとを含有し、該ポリビニ
    ルアルコールがその水酸基部位でアルデヒド系架橋剤に
    て架橋されていることを特徴とするマイクロカプセル。
  2. 【請求項2】アニオン基を分子内に有するポリビニルア
    ルコール溶液と、ゼラチンを溶解させて得られ、その溶
    液のpHが該ゼラチンの等電点もしくはその近傍に調整さ
    れたゼラチン溶液とを混合し、ゼラチンのゲル化温度以
    上に加温して均一なる系となし、次いで酸を加えて系の
    pHをゼラチンの等電点以下にすることによりコアセルベ
    ート粒子を生成させ、その後このコアセルベート粒子を
    アルデヒド系架橋剤で処理することを特徴とするマイク
    ロカプセルの製造方法。
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