JPH07328466A - ローラミル並びに該ミルの原料供給量制御方法および装置 - Google Patents
ローラミル並びに該ミルの原料供給量制御方法および装置Info
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- JPH07328466A JPH07328466A JP6144082A JP14408294A JPH07328466A JP H07328466 A JPH07328466 A JP H07328466A JP 6144082 A JP6144082 A JP 6144082A JP 14408294 A JP14408294 A JP 14408294A JP H07328466 A JPH07328466 A JP H07328466A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 粉砕粒度が細かい微粉体を生成する場合で
も、ミル内の原料の残存量を、常時、装置の処理能力の
限界近くに維持して稼働させることができるミル並びに
原料供給量制御方法および装置を提供すること。 【構成】 粉砕処理時にローラ8と粉砕用テーブル4の
レース凹部2との間に形成される粉砕原料のベッド22
の厚さtをベッド検出手段30によって検出し、該ベッ
ド厚tが予め設定した許容最大値を超える時には原料供
給手段9による粉砕用テーブル4への原料供給量を減少
させ、ベッド厚tが予め設定した許容最少値よりも小さ
くなるときには前記原料供給手段9による原料供給量を
増大させて、前記ベッド厚tを一定の範囲に保つ。
も、ミル内の原料の残存量を、常時、装置の処理能力の
限界近くに維持して稼働させることができるミル並びに
原料供給量制御方法および装置を提供すること。 【構成】 粉砕処理時にローラ8と粉砕用テーブル4の
レース凹部2との間に形成される粉砕原料のベッド22
の厚さtをベッド検出手段30によって検出し、該ベッ
ド厚tが予め設定した許容最大値を超える時には原料供
給手段9による粉砕用テーブル4への原料供給量を減少
させ、ベッド厚tが予め設定した許容最少値よりも小さ
くなるときには前記原料供給手段9による原料供給量を
増大させて、前記ベッド厚tを一定の範囲に保つ。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉱石等の粗粒をさらに
細かな粉体等に粉砕するローラミルの原料供給量制御方
法および装置に関するものである。
細かな粉体等に粉砕するローラミルの原料供給量制御方
法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、石炭や石灰石等の粗粒をさらに
細かな粉体等に粉砕する装置として各種のものが利用さ
れているが、その一つに竪型ローラミルと称されている
ものがある。この装置は、一般に、外周側に原料圧潰用
のレース凹部を有してミルケーシング(装置の外枠)の
内底部側に回転可能に支持された粉砕用テーブルと、ロ
ーラ外周面が前記レース凹部に対峙するように前記ミル
ケーシングに回転可能に支持されて前記レース凹部との
間に原料を噛み込むことにより前記粉砕用テーブル上に
供給される原料を粉砕する複数個のローラと、前記粉砕
用テーブル上に原料を供給する原料供給手段とを備えた
構成をなしている。また、レース凹部とローラとによる
噛み込みで所定の粒度に粉砕された粉体を粗粉から分級
して速やかに回収するため、ミルケーシング内には前記
粉砕用テーブルの外周に配置されたノズル等により旋回
上昇空気流が流され、さらに、回収用の開口が設けられ
るミルケーシング上部の中央には所定の粒度の粉体のみ
を回収用の開口に導くセパレータが装備される。
細かな粉体等に粉砕する装置として各種のものが利用さ
れているが、その一つに竪型ローラミルと称されている
ものがある。この装置は、一般に、外周側に原料圧潰用
のレース凹部を有してミルケーシング(装置の外枠)の
内底部側に回転可能に支持された粉砕用テーブルと、ロ
ーラ外周面が前記レース凹部に対峙するように前記ミル
ケーシングに回転可能に支持されて前記レース凹部との
間に原料を噛み込むことにより前記粉砕用テーブル上に
供給される原料を粉砕する複数個のローラと、前記粉砕
用テーブル上に原料を供給する原料供給手段とを備えた
構成をなしている。また、レース凹部とローラとによる
噛み込みで所定の粒度に粉砕された粉体を粗粉から分級
して速やかに回収するため、ミルケーシング内には前記
粉砕用テーブルの外周に配置されたノズル等により旋回
上昇空気流が流され、さらに、回収用の開口が設けられ
るミルケーシング上部の中央には所定の粒度の粉体のみ
を回収用の開口に導くセパレータが装備される。
【0003】このような竪型ローラミルでは、粉砕対象
の原料は前記粉砕用テーブルの中央に供給され、遠心力
でテーブル外周方向に移動し、前記ローラとレース凹部
との間に噛み込まれて粉砕される。そして、粉砕された
原料は前述の旋回上昇気流によってミルケーシングの上
部に送られ、ケーシングの上部中央付近に配置されたセ
パレータによって所定の粒度の微粉は回収されて回収用
開口に送出され、粒度が基準以上の粗粉は粉砕用テーブ
ル上に落下して新たにテーブル上に供給される原料とと
もに再粉砕される。
の原料は前記粉砕用テーブルの中央に供給され、遠心力
でテーブル外周方向に移動し、前記ローラとレース凹部
との間に噛み込まれて粉砕される。そして、粉砕された
原料は前述の旋回上昇気流によってミルケーシングの上
部に送られ、ケーシングの上部中央付近に配置されたセ
パレータによって所定の粒度の微粉は回収されて回収用
開口に送出され、粒度が基準以上の粗粉は粉砕用テーブ
ル上に落下して新たにテーブル上に供給される原料とと
もに再粉砕される。
【0004】ところで、このような竪型ローラミルは、
より微細な粉砕を可能にするために、そして、粉砕処理
量を増大させるために、ローラの装備形態やローラ形状
に改善がなされ、また、原料の供給量の制御に改善が凝
らされる。例えば、粉砕力を高めて粉砕粒度をより細か
くするには、単純な圧縮力だけでなく剪断力を作用させ
て原料粒の圧潰を促進するのが好ましい。そこで、従来
では、ローラの外周面を粉砕用テーブルの中心側が拡径
したテーパ状にすることによって原料を噛み込むレース
凹部とローラの外周面との間に生じる滑りを大きくし、
もって、噛み込まれた原料粒により大きな割合で剪断力
を作用させる技術が提案されている(特開平4−210
247号公報参照)。
より微細な粉砕を可能にするために、そして、粉砕処理
量を増大させるために、ローラの装備形態やローラ形状
に改善がなされ、また、原料の供給量の制御に改善が凝
らされる。例えば、粉砕力を高めて粉砕粒度をより細か
くするには、単純な圧縮力だけでなく剪断力を作用させ
て原料粒の圧潰を促進するのが好ましい。そこで、従来
では、ローラの外周面を粉砕用テーブルの中心側が拡径
したテーパ状にすることによって原料を噛み込むレース
凹部とローラの外周面との間に生じる滑りを大きくし、
もって、噛み込まれた原料粒により大きな割合で剪断力
を作用させる技術が提案されている(特開平4−210
247号公報参照)。
【0005】また、旧来では、竪型ローラミルへの原料
の供給は、例えば、コンスタントフィードウェアやイン
パクトラント流量計等を利用した構成で、供給量を一定
に保つようにするのが一般的であった。しかし、通常、
ミルに供給される原料である粗粒は、例えば鉱石等にお
いては採掘位置やその採掘日等の種々の条件によって、
その鉱石強度や粒度のばらつきが大きく、一般に粒度の
大きいものが多い場合には、規定の粒度に粉砕するまで
の所要時間が長くなる。したがって、このように粉砕時
間を多く必要とするような場合でも、原料がミルの処理
能力以上に過度に供給されることが無いように、供給量
を一定に保つ旧来の場合では、最悪の場合を想定して、
供給量を少な目に設定していた。換言すれば、旧来で
は、ミル内の原料の残存量を装置の処理能力の限界より
もかなり低く維持しての稼働が余儀なくされ、そのた
め、粉砕処理装置の性能に見合った粉砕処理量が得られ
ず、粉砕処理量の向上が難しくなるという問題があっ
た。
の供給は、例えば、コンスタントフィードウェアやイン
パクトラント流量計等を利用した構成で、供給量を一定
に保つようにするのが一般的であった。しかし、通常、
ミルに供給される原料である粗粒は、例えば鉱石等にお
いては採掘位置やその採掘日等の種々の条件によって、
その鉱石強度や粒度のばらつきが大きく、一般に粒度の
大きいものが多い場合には、規定の粒度に粉砕するまで
の所要時間が長くなる。したがって、このように粉砕時
間を多く必要とするような場合でも、原料がミルの処理
能力以上に過度に供給されることが無いように、供給量
を一定に保つ旧来の場合では、最悪の場合を想定して、
供給量を少な目に設定していた。換言すれば、旧来で
は、ミル内の原料の残存量を装置の処理能力の限界より
もかなり低く維持しての稼働が余儀なくされ、そのた
め、粉砕処理装置の性能に見合った粉砕処理量が得られ
ず、粉砕処理量の向上が難しくなるという問題があっ
た。
【0006】そこで、従来では、このような問題を解決
するために、ミルケーシング内の空気圧の差圧に基づい
て、原料の供給量を制御する方法が提案されている。ミ
ルケーシング内には粉砕した原料をケーシング上部の回
収用開口に送るための旋回上昇気流がケーシングの内底
部外周からケーシング上部に向けて流されていて、ミル
ケーシング内の内底部とケーシング上部の回収用開口付
近とでは、空気圧に差がある。そして、この差圧は、一
般に、前記ミルケーシング内における原料の残存量が多
い場合には大きくなり、残存量が少なくなれば小さくな
るという特性を示す。
するために、ミルケーシング内の空気圧の差圧に基づい
て、原料の供給量を制御する方法が提案されている。ミ
ルケーシング内には粉砕した原料をケーシング上部の回
収用開口に送るための旋回上昇気流がケーシングの内底
部外周からケーシング上部に向けて流されていて、ミル
ケーシング内の内底部とケーシング上部の回収用開口付
近とでは、空気圧に差がある。そして、この差圧は、一
般に、前記ミルケーシング内における原料の残存量が多
い場合には大きくなり、残存量が少なくなれば小さくな
るという特性を示す。
【0007】ミルケーシング内の空気圧の差圧を利用し
て原料供給量を制御する従来の方法は、このようなミル
ケーシング内の空気圧特性を利用するもので、ミルケー
シング内の内底部側における空気圧と回収用開口付近の
空気圧の差圧を検出し、この差圧が、予め選定した所定
値以上になれば、ミル内への原料の供給量が減少するよ
うに原料供給手段の動作を制御し、所定値以下になれ
ば、ミル内への原料の供給量が増加するように原料供給
手段の動作を制御するものである。
て原料供給量を制御する従来の方法は、このようなミル
ケーシング内の空気圧特性を利用するもので、ミルケー
シング内の内底部側における空気圧と回収用開口付近の
空気圧の差圧を検出し、この差圧が、予め選定した所定
値以上になれば、ミル内への原料の供給量が減少するよ
うに原料供給手段の動作を制御し、所定値以下になれ
ば、ミル内への原料の供給量が増加するように原料供給
手段の動作を制御するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述したミル内の空気
圧の差圧によって原料供給量を制御する方法によれば、
ミル内の原料の残存量を、装置の処理能力の限界にある
程度近くに維持して稼働させることができ、装置の性能
を十分に引き出して、粉砕処理量を向上させることがで
きる。
圧の差圧によって原料供給量を制御する方法によれば、
ミル内の原料の残存量を、装置の処理能力の限界にある
程度近くに維持して稼働させることができ、装置の性能
を十分に引き出して、粉砕処理量を向上させることがで
きる。
【0009】しかし、粉砕粒度が細かくなるに従ってミ
ル内の差圧は小さくなって、差圧によって原料の供給量
を制御する方法では、原料の供給量の制御を高感度に行
うことが困難になることが、本発明者の研究により明ら
かになった。そして実際、粒度が比表面積で7000c
m2 /g以上の微粉体を生成するような場合には、差圧
によって原料の供給量を制御する方法では、ミル内の原
料残存量を厳密に管理することができず、結局、ミル内
の原料の残存量を装置の処理能力の限界近くに維持して
稼働させることができなくなり、粉砕処理量を低下させ
ざるを得ないという問題が生じた。
ル内の差圧は小さくなって、差圧によって原料の供給量
を制御する方法では、原料の供給量の制御を高感度に行
うことが困難になることが、本発明者の研究により明ら
かになった。そして実際、粒度が比表面積で7000c
m2 /g以上の微粉体を生成するような場合には、差圧
によって原料の供給量を制御する方法では、ミル内の原
料残存量を厳密に管理することができず、結局、ミル内
の原料の残存量を装置の処理能力の限界近くに維持して
稼働させることができなくなり、粉砕処理量を低下させ
ざるを得ないという問題が生じた。
【0010】そこで、本発明の目的は上記課題を解消す
ることにあり、例えば、粒度が比表面積で7000cm
2 /g以上の微粉体を生成するような場合でも、ミル内
の原料の残存量を、常時、装置の処理能力の限界近くに
維持して稼働させることができ、装置の性能を十分に引
き出して、粉砕処理量を向上させることができるローラ
ミル並びに該ミルの原料供給量制御方法および装置を提
供することである。
ることにあり、例えば、粒度が比表面積で7000cm
2 /g以上の微粉体を生成するような場合でも、ミル内
の原料の残存量を、常時、装置の処理能力の限界近くに
維持して稼働させることができ、装置の性能を十分に引
き出して、粉砕処理量を向上させることができるローラ
ミル並びに該ミルの原料供給量制御方法および装置を提
供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、外
周側に原料圧潰用のレース凹部を有し回転可能に支持さ
れた粉砕用テーブルと、ローラ外周面が前記レース凹部
に対峙するように設けられて前記レース凹部との間に原
料を噛み込むことにより原料を粉砕するローラとを少な
くとも備えてなるローラミルを用いてミルケーシング内
で前記原料を粉砕しながら粉砕された所定の粒度以上の
ものをミルケーシング外に取り出しながら粉砕処理をす
るときに、前記ローラと前記粉砕用テーブルのレース凹
部との間に形成される粉砕原料のベッド厚を測定し、こ
の測定値に基づいて原料供給手段による前記ミルケーシ
ング内への原料供給量を制御することを特徴とするロー
ラミルの原料供給量制御方法により達成される。
周側に原料圧潰用のレース凹部を有し回転可能に支持さ
れた粉砕用テーブルと、ローラ外周面が前記レース凹部
に対峙するように設けられて前記レース凹部との間に原
料を噛み込むことにより原料を粉砕するローラとを少な
くとも備えてなるローラミルを用いてミルケーシング内
で前記原料を粉砕しながら粉砕された所定の粒度以上の
ものをミルケーシング外に取り出しながら粉砕処理をす
るときに、前記ローラと前記粉砕用テーブルのレース凹
部との間に形成される粉砕原料のベッド厚を測定し、こ
の測定値に基づいて原料供給手段による前記ミルケーシ
ング内への原料供給量を制御することを特徴とするロー
ラミルの原料供給量制御方法により達成される。
【0012】また、外周側に原料圧潰用のレース凹部を
有してミルケーシングの内底部側に回転可能に支持され
た粉砕用テーブルと、ローラ外周面が前記レース凹部に
対峙するように前記ミルケーシングに回転可能に支持さ
れて前記レース凹部との間に原料を噛み込むことにより
前記粉砕用テーブル上に供給される原料を粉砕するロー
ラと、を備えてなるローラミルにおいて、粉砕処理時に
前記ローラと粉砕用テーブルのレース凹部との間に形成
される粉砕原料のベッド厚を検出するベッド検出手段を
備えたことを特徴とするローラミルによっても上記目的
を達成することができる。また、上記ローラミルにおけ
るベッド検出手段による検出値に応じて前記ミルケーシ
ング内へ原料を供給する原料供給手段の動作を制御する
制御手段を備えたローラミルの原料供給量制御装置によ
っても、上記目的を達成することができるものである。
有してミルケーシングの内底部側に回転可能に支持され
た粉砕用テーブルと、ローラ外周面が前記レース凹部に
対峙するように前記ミルケーシングに回転可能に支持さ
れて前記レース凹部との間に原料を噛み込むことにより
前記粉砕用テーブル上に供給される原料を粉砕するロー
ラと、を備えてなるローラミルにおいて、粉砕処理時に
前記ローラと粉砕用テーブルのレース凹部との間に形成
される粉砕原料のベッド厚を検出するベッド検出手段を
備えたことを特徴とするローラミルによっても上記目的
を達成することができる。また、上記ローラミルにおけ
るベッド検出手段による検出値に応じて前記ミルケーシ
ング内へ原料を供給する原料供給手段の動作を制御する
制御手段を備えたローラミルの原料供給量制御装置によ
っても、上記目的を達成することができるものである。
【0013】
【作用】ローラミルにおける粉砕処理時にローラと粉砕
用テーブルのレース凹部との間に形成される粉砕原料の
ベッド厚は、粉砕する粒度に影響されずに粉砕処理量や
粉砕処理時に発生する振動量(振幅)を反映するパラメ
ータで、ミル内の原料残存量(即ち、原料供給量の増
減)に応じて変化するが、このベッド厚と粉砕処理量と
の相関、およびベッド厚と振動量との相関は、装置の仕
様に応じて決定される固有のものであり、粉砕処理量を
装置の処理能力の限界付近にし、かつ、発生する振動を
最小限に抑制する最適値を実験等によって知ることがで
きる。これにより粉砕処理の効率的な処理を行うことが
可能となる。
用テーブルのレース凹部との間に形成される粉砕原料の
ベッド厚は、粉砕する粒度に影響されずに粉砕処理量や
粉砕処理時に発生する振動量(振幅)を反映するパラメ
ータで、ミル内の原料残存量(即ち、原料供給量の増
減)に応じて変化するが、このベッド厚と粉砕処理量と
の相関、およびベッド厚と振動量との相関は、装置の仕
様に応じて決定される固有のものであり、粉砕処理量を
装置の処理能力の限界付近にし、かつ、発生する振動を
最小限に抑制する最適値を実験等によって知ることがで
きる。これにより粉砕処理の効率的な処理を行うことが
可能となる。
【0014】本発明の上記構成によれば、このようなベ
ッド厚を検出し、ベッド厚が最適な範囲に維持されるよ
うにミル内への原料の供給を制御するものであるから、
例えば、粒度が比表面積で7,000cm2 /g以上の
微粉体を生成するような場合でも、原料の供給量を高感
度に制御して、ミル内の原料の残存量を、常時、装置の
処理能力の限界近くに正確に維持して稼働させることが
できる。
ッド厚を検出し、ベッド厚が最適な範囲に維持されるよ
うにミル内への原料の供給を制御するものであるから、
例えば、粒度が比表面積で7,000cm2 /g以上の
微粉体を生成するような場合でも、原料の供給量を高感
度に制御して、ミル内の原料の残存量を、常時、装置の
処理能力の限界近くに正確に維持して稼働させることが
できる。
【0015】
【実施例】図1に本発明を適用したローラミル及びその
関連装置の概略図を示し、図2には原料を図1に示す装
置にて粉砕処理したときのベッド厚と粉砕処理量並びに
振動との関係を測定したテスト結果を示すグラフ、図3
はローラにより粉砕用テーブル上に形成されるベットを
示した概略断面図である。先ず、本発明の基本的な原理
について説明する。従来より、竪型ローラミルは、粉砕
する原料が未供給の状態(即ち、ミル内が空のとき)で
は、ローラとレース凹部との間に所定の隙間が確保され
て、ローラと粉砕用テーブルのレース凹部とが直接接触
しないように、ローラと粉砕用テーブルとの位置決めが
なされている。そして、ミル内の粉砕用テーブル上に供
給された原料の層厚が前述の隙間以上になると、初めて
ローラとレース凹部とによって原料の噛み込みが行われ
て、原料の粉砕が始まる。前述のローラとレース凹部と
の間の隙間は、低振動・低騒音の運転を実現する重要な
構成であることが知られている。
関連装置の概略図を示し、図2には原料を図1に示す装
置にて粉砕処理したときのベッド厚と粉砕処理量並びに
振動との関係を測定したテスト結果を示すグラフ、図3
はローラにより粉砕用テーブル上に形成されるベットを
示した概略断面図である。先ず、本発明の基本的な原理
について説明する。従来より、竪型ローラミルは、粉砕
する原料が未供給の状態(即ち、ミル内が空のとき)で
は、ローラとレース凹部との間に所定の隙間が確保され
て、ローラと粉砕用テーブルのレース凹部とが直接接触
しないように、ローラと粉砕用テーブルとの位置決めが
なされている。そして、ミル内の粉砕用テーブル上に供
給された原料の層厚が前述の隙間以上になると、初めて
ローラとレース凹部とによって原料の噛み込みが行われ
て、原料の粉砕が始まる。前述のローラとレース凹部と
の間の隙間は、低振動・低騒音の運転を実現する重要な
構成であることが知られている。
【0016】そして、ローラとレース凹部とが原料を噛
み込んで圧潰する破砕処理の際には、圧潰によって圧縮
された粉砕原料の層であるベッドが前記レース凹部の表
面に付着形成されるが、このベッドの厚さ寸法(以下、
ベッド厚と呼ぶ)は、粉砕する粒度に影響されずに粉砕
処理量や粉砕処理時に発生する振動量(振幅)を反映す
るパラメータで、ミル内の原料残存量(即ち、原料供給
量の増減)に応じて変化するが、このベッド厚と粉砕処
理量との相関、およびベッド厚と振動量との相関は、図
2に示すように、装置の仕様に応じて決定される固有の
ものであり、粉砕処理量を装置の処理能力の限界付近に
し、かつ、発生する振動を最小限に抑制する最適値を実
験等によって知ることができる。
み込んで圧潰する破砕処理の際には、圧潰によって圧縮
された粉砕原料の層であるベッドが前記レース凹部の表
面に付着形成されるが、このベッドの厚さ寸法(以下、
ベッド厚と呼ぶ)は、粉砕する粒度に影響されずに粉砕
処理量や粉砕処理時に発生する振動量(振幅)を反映す
るパラメータで、ミル内の原料残存量(即ち、原料供給
量の増減)に応じて変化するが、このベッド厚と粉砕処
理量との相関、およびベッド厚と振動量との相関は、図
2に示すように、装置の仕様に応じて決定される固有の
ものであり、粉砕処理量を装置の処理能力の限界付近に
し、かつ、発生する振動を最小限に抑制する最適値を実
験等によって知ることができる。
【0017】図2は、図1に示す一実施例の装置によっ
てクリストバライトの粗粒を、比表面積28,000c
m2 /gの粒度の微粉に粉砕したときのテスト結果を示
したもので、粉砕処理横軸がベッド厚(単位:mm)を
示し、横軸の上方の領域に示した上に凸の曲線Fが粉砕
処理量(単位トン/h)とベッド厚との相関曲線を示
し、横軸の下方の領域に示した下に凸の曲線Gがベッド
厚と振動量(振幅で、単位:μ)との相関曲線である。
本発明は、このようなベッド厚に関する知見に基づい
て、鋭意考究した結果なされたものである。
てクリストバライトの粗粒を、比表面積28,000c
m2 /gの粒度の微粉に粉砕したときのテスト結果を示
したもので、粉砕処理横軸がベッド厚(単位:mm)を
示し、横軸の上方の領域に示した上に凸の曲線Fが粉砕
処理量(単位トン/h)とベッド厚との相関曲線を示
し、横軸の下方の領域に示した下に凸の曲線Gがベッド
厚と振動量(振幅で、単位:μ)との相関曲線である。
本発明は、このようなベッド厚に関する知見に基づい
て、鋭意考究した結果なされたものである。
【0018】以下、図面に基づいて、本発明に係るロー
ラミルの原料供給量制御方法および装置を説明するが、
最初に本発明の方法を実施する装置の構成について詳細
に説明する。図1は、本発明に係る原料供給量制御方法
によって原料の供給を行う竪型ローラミル(以下、単
に、ローラミル、またはミルと略称する)1の一実施例
を示したものである。
ラミルの原料供給量制御方法および装置を説明するが、
最初に本発明の方法を実施する装置の構成について詳細
に説明する。図1は、本発明に係る原料供給量制御方法
によって原料の供給を行う竪型ローラミル(以下、単
に、ローラミル、またはミルと略称する)1の一実施例
を示したものである。
【0019】このローラミル1は、外周側に原料圧潰用
のレース凹部2を有してミルケーシング(装置の外枠)
3の内底部側に回転可能に支持された粉砕用テーブル4
と、ローラ外周面5がレース凹部2に対峙するようにミ
ルケーシング3に回転可能に支持されてレース凹部2と
の間に原料を噛み込むことにより粉砕用テーブル4上に
供給される原料7を粉砕するローラ8と、粉砕用テーブ
ル4上に原料7を供給する原料供給手段9と、この原料
供給手段9の動作を制御して粉砕用テーブル4上への原
料7の供給量を制御する原料供給量制御装置10とを備
えた構成となっている。
のレース凹部2を有してミルケーシング(装置の外枠)
3の内底部側に回転可能に支持された粉砕用テーブル4
と、ローラ外周面5がレース凹部2に対峙するようにミ
ルケーシング3に回転可能に支持されてレース凹部2と
の間に原料を噛み込むことにより粉砕用テーブル4上に
供給される原料7を粉砕するローラ8と、粉砕用テーブ
ル4上に原料7を供給する原料供給手段9と、この原料
供給手段9の動作を制御して粉砕用テーブル4上への原
料7の供給量を制御する原料供給量制御装置10とを備
えた構成となっている。
【0020】なお、レース凹部2とローラ8とによる噛
み込みで所定の粒度に粉砕された粉体を粗粉から分級し
て速やかに回収するため、ミルケーシング3の下部に装
備された圧縮空気供給口11に供給された圧縮空気を粉
砕用テーブル4の外周に配置されたノズル等によりミル
ケーシング3内に供給することによって、ミルケーシン
グ3内に旋回上昇空気流が形成されるように構成されて
いる。また、回収用の開口12が設けられるミルケーシ
ング3上部の中央には所定の粒度の粉体のみを回収用の
開口12に導くセパレータ13が装備されている。
み込みで所定の粒度に粉砕された粉体を粗粉から分級し
て速やかに回収するため、ミルケーシング3の下部に装
備された圧縮空気供給口11に供給された圧縮空気を粉
砕用テーブル4の外周に配置されたノズル等によりミル
ケーシング3内に供給することによって、ミルケーシン
グ3内に旋回上昇空気流が形成されるように構成されて
いる。また、回収用の開口12が設けられるミルケーシ
ング3上部の中央には所定の粒度の粉体のみを回収用の
開口12に導くセパレータ13が装備されている。
【0021】以上の構成において、前記粉砕用テーブル
4は、ミルケーシング3を支持しているケース基台15
内に装備されている変速機能付きの動力伝達機構(図示
略)を介して原動機(モータ)16により回転駆動され
る。前記ローラ8は、この一実施例の場合、いわゆるス
フェリカルローラで、レース凹部2の円周等分に3個装
備されている。このスフェリカルローラは、原料7の粉
砕処理時、即ち、原料7を噛み込んでその時の摩擦で回
転する時に、該ローラ外周面5とレース凹部2との間に
生じる滑り量が大きく、圧潰力として原料7に剪断力を
多く作用させることができるため優れた粉砕力を得るこ
とができ、比表面積で7,000cm2 /g以上の微粉
体を生成するような場合にも良好な粉砕性能を得ること
ができる。
4は、ミルケーシング3を支持しているケース基台15
内に装備されている変速機能付きの動力伝達機構(図示
略)を介して原動機(モータ)16により回転駆動され
る。前記ローラ8は、この一実施例の場合、いわゆるス
フェリカルローラで、レース凹部2の円周等分に3個装
備されている。このスフェリカルローラは、原料7の粉
砕処理時、即ち、原料7を噛み込んでその時の摩擦で回
転する時に、該ローラ外周面5とレース凹部2との間に
生じる滑り量が大きく、圧潰力として原料7に剪断力を
多く作用させることができるため優れた粉砕力を得るこ
とができ、比表面積で7,000cm2 /g以上の微粉
体を生成するような場合にも良好な粉砕性能を得ること
ができる。
【0022】また、このローラ8は、ローラ支持アーム
18によって回転自在に支持されているが、このローラ
支持アーム18は下端側がピン19を介してミルケーシ
ング3に回転自在に支持されているとともに上端側が往
復動型の油圧アクチュエータ20に連結されて、該油圧
アクチュエータ20によってローラ外周面5側に付勢さ
れる構成とされている。なお、前記ローラ支持アーム1
8をピン19回りに回転操作することで、ローラ外周面
5とレース凹部2との基準の位置関係を調整することが
でき、粉砕する原料が未供給の状態(即ち、ミル1内が
空のとき)では、ローラ外周面5とレース凹部2との間
に所定の隙間が確保されて、ローラ8とレース凹部2と
が直接接触しないようにローラ8の位置が設定されてい
る。このローラ8とレース凹部2との間に設定される隙
間は、低振動・低騒音の運転を実現する重要な構成であ
る。
18によって回転自在に支持されているが、このローラ
支持アーム18は下端側がピン19を介してミルケーシ
ング3に回転自在に支持されているとともに上端側が往
復動型の油圧アクチュエータ20に連結されて、該油圧
アクチュエータ20によってローラ外周面5側に付勢さ
れる構成とされている。なお、前記ローラ支持アーム1
8をピン19回りに回転操作することで、ローラ外周面
5とレース凹部2との基準の位置関係を調整することが
でき、粉砕する原料が未供給の状態(即ち、ミル1内が
空のとき)では、ローラ外周面5とレース凹部2との間
に所定の隙間が確保されて、ローラ8とレース凹部2と
が直接接触しないようにローラ8の位置が設定されてい
る。このローラ8とレース凹部2との間に設定される隙
間は、低振動・低騒音の運転を実現する重要な構成であ
る。
【0023】従って、図3に示すようにミル1内の粉砕
用テーブル上に供給された原料の層厚Tが前述の隙間以
上になると、初めてローラ8とレース凹部2とによって
原料7の噛み込みが行われて、原料7の粉砕が始まるこ
とになる。そして、ローラ8とレース凹部2とが原料を
噛み込んで圧潰する破砕処理の際には、圧潰によって圧
縮された粉砕原料の層であるベッド22が前記レース凹
部2の表面に付着形成されるが、このベッド22の厚さ
寸法tは、前述したように、粉砕用テーブル4上への原
料7の供給量に応じて変化し、粉砕処理量や振動量を左
右するパラメータとなる。
用テーブル上に供給された原料の層厚Tが前述の隙間以
上になると、初めてローラ8とレース凹部2とによって
原料7の噛み込みが行われて、原料7の粉砕が始まるこ
とになる。そして、ローラ8とレース凹部2とが原料を
噛み込んで圧潰する破砕処理の際には、圧潰によって圧
縮された粉砕原料の層であるベッド22が前記レース凹
部2の表面に付着形成されるが、このベッド22の厚さ
寸法tは、前述したように、粉砕用テーブル4上への原
料7の供給量に応じて変化し、粉砕処理量や振動量を左
右するパラメータとなる。
【0024】前記原料供給手段9は、原料7を搬入する
バケット24、該バケット24によって搬入されてきた
原料7をホッパ25を介してミルケーシング3上部の原
料供給管26に送り込むコンベヤ等の搬送手段27など
から構成されている。前記原料供給量制御装置10は、
粉砕処理時に前記ローラ8と粉砕用テーブル4のレース
凹部2との間に形成される粉砕原料のベッド22の厚さ
(以下、ベッド厚と呼ぶ)tを検出するベッド検出手段
30と、ベッド厚tが予め設定した例えば許容最大値を
超える時には前記原料供給手段9による原料供給量を減
少させ、かつ、ベッド厚tが予め設定した例えば許容最
少値よりも小さくなるときには前記原料供給手段9によ
る原料供給量を増大するように、前記ベッド検出手段3
0の検出値に応じて前記原料供給手段9の各部の動作を
制御する制御手段31とを備えた構成となっている。
バケット24、該バケット24によって搬入されてきた
原料7をホッパ25を介してミルケーシング3上部の原
料供給管26に送り込むコンベヤ等の搬送手段27など
から構成されている。前記原料供給量制御装置10は、
粉砕処理時に前記ローラ8と粉砕用テーブル4のレース
凹部2との間に形成される粉砕原料のベッド22の厚さ
(以下、ベッド厚と呼ぶ)tを検出するベッド検出手段
30と、ベッド厚tが予め設定した例えば許容最大値を
超える時には前記原料供給手段9による原料供給量を減
少させ、かつ、ベッド厚tが予め設定した例えば許容最
少値よりも小さくなるときには前記原料供給手段9によ
る原料供給量を増大するように、前記ベッド検出手段3
0の検出値に応じて前記原料供給手段9の各部の動作を
制御する制御手段31とを備えた構成となっている。
【0025】ここに、前記ベッド検出手段30は、前記
ローラ支持アーム18のピン19を回転中心とした回動
に連動して往復動する検出ロッド33の進退量から、ロ
ーラ支持アーム18によって位置決めされているローラ
8とレース凹部2との間の隙間であるベッド厚tを検出
し、ベッド厚tの値に応じた電気信号を制御手段31に
送信する。
ローラ支持アーム18のピン19を回転中心とした回動
に連動して往復動する検出ロッド33の進退量から、ロ
ーラ支持アーム18によって位置決めされているローラ
8とレース凹部2との間の隙間であるベッド厚tを検出
し、ベッド厚tの値に応じた電気信号を制御手段31に
送信する。
【0026】本発明に係る原料供給量制御方法は、前記
ベッド厚tが一定の範囲内に保持されるように、粉砕処
理時における原料供給手段9からの原料供給量を前述の
原料供給量制御装置10によって制御するものである。
具体的には、前記ローラミル1では、粉砕対象の原料7
は原料供給手段9から原料供給管26を経て粉砕用テー
ブル4の中央に供給され、遠心力でテーブル外周方向に
移動し、前記ローラ8とレース凹部2との間に噛み込ま
れて粉砕される。そして、粉砕によってレース凹部2上
に形成されるベッド22のベッド厚tが一定の範囲内に
保持されるように、原料供給手段9からの原料供給量が
前述の原料供給量制御装置10によって調整される。そ
して、粉砕によって得た粉体は前述の旋回上昇気流によ
ってミルケーシング3の上部側に送られ、ケーシング3
の上部中央付近に配置されたセパレータ13によって所
定の粒度の微粉は回収されて回収用開口12に送出さ
れ、粒度が基準以上の粗粉は粉砕用テーブル4上に落下
して新たにテーブル上に供給される原料7とともに再粉
砕される。
ベッド厚tが一定の範囲内に保持されるように、粉砕処
理時における原料供給手段9からの原料供給量を前述の
原料供給量制御装置10によって制御するものである。
具体的には、前記ローラミル1では、粉砕対象の原料7
は原料供給手段9から原料供給管26を経て粉砕用テー
ブル4の中央に供給され、遠心力でテーブル外周方向に
移動し、前記ローラ8とレース凹部2との間に噛み込ま
れて粉砕される。そして、粉砕によってレース凹部2上
に形成されるベッド22のベッド厚tが一定の範囲内に
保持されるように、原料供給手段9からの原料供給量が
前述の原料供給量制御装置10によって調整される。そ
して、粉砕によって得た粉体は前述の旋回上昇気流によ
ってミルケーシング3の上部側に送られ、ケーシング3
の上部中央付近に配置されたセパレータ13によって所
定の粒度の微粉は回収されて回収用開口12に送出さ
れ、粒度が基準以上の粗粉は粉砕用テーブル4上に落下
して新たにテーブル上に供給される原料7とともに再粉
砕される。
【0027】このようなローラミル1では、粉砕する粒
度に影響されずに粉砕処理量や粉砕処理時に発生する振
動量(振幅)を反映するパラメータであるベッド厚tを
検出し、このベッド厚tが最適な範囲に維持されるよう
にミル1内への原料の供給を制御するものであるから、
例えば、粒度が比表面積で7,000cm2 /g以上の
微粉体を生成するような場合でも、原料7の供給量を高
感度に制御して、ミル1内の原料の残存量を、常時、装
置の処理能力の限界近くに正確に維持して稼働させるこ
とができ、装置の性能を十分に引き出して、粉砕処理量
を向上させることができると同時に、振動を最小限に抑
えて低振動・低騒音の処理環境を得ることもできる。
度に影響されずに粉砕処理量や粉砕処理時に発生する振
動量(振幅)を反映するパラメータであるベッド厚tを
検出し、このベッド厚tが最適な範囲に維持されるよう
にミル1内への原料の供給を制御するものであるから、
例えば、粒度が比表面積で7,000cm2 /g以上の
微粉体を生成するような場合でも、原料7の供給量を高
感度に制御して、ミル1内の原料の残存量を、常時、装
置の処理能力の限界近くに正確に維持して稼働させるこ
とができ、装置の性能を十分に引き出して、粉砕処理量
を向上させることができると同時に、振動を最小限に抑
えて低振動・低騒音の処理環境を得ることもできる。
【0028】前述の図2の各特性は、図1に示したロー
ラミル1によって、クリストバライトの粗粒を、比表面
積28,000cm2 /gの粒度の微粉に粉砕したとき
のテスト結果を示したものである。その時のローラミル
1の仕様は、以下の通りである。 *粉砕用テーブル4の径が700mmφとした。 *ローラ8の外径が630mmφとした。 *ローラ8の押付け油圧は120kg/cm2 に設定し
た。 *粉砕用テーブル4を回転駆動する主軸の出力が75k
w( モータ定格)とした。(回転数32rpm ) *セパレータ13のモータ定格22kwとした。(空気
の吸引量 140m3/min) *ファンのモータ定格が55kwである。 そして、原料の供給を一定量で行う粉砕処理では平均の
粉砕処理量が0.4t/h程度しか得らず、しかも、振
幅が30μ以上の振動が発生することがあるのに対し、
ベッド厚tが11〜16mmの範囲に収るように前記原
料供給量制御装置10によって原料供給手段9の動作を
制御すると、図2にも示しているように、平均の粉砕処
理量を0.5t/h程度まで引き上げることができ、さ
らに、発生する振動の振幅も30μm以下に抑えて、低
振動・低騒音の処理環境を得られることが確認された。
ラミル1によって、クリストバライトの粗粒を、比表面
積28,000cm2 /gの粒度の微粉に粉砕したとき
のテスト結果を示したものである。その時のローラミル
1の仕様は、以下の通りである。 *粉砕用テーブル4の径が700mmφとした。 *ローラ8の外径が630mmφとした。 *ローラ8の押付け油圧は120kg/cm2 に設定し
た。 *粉砕用テーブル4を回転駆動する主軸の出力が75k
w( モータ定格)とした。(回転数32rpm ) *セパレータ13のモータ定格22kwとした。(空気
の吸引量 140m3/min) *ファンのモータ定格が55kwである。 そして、原料の供給を一定量で行う粉砕処理では平均の
粉砕処理量が0.4t/h程度しか得らず、しかも、振
幅が30μ以上の振動が発生することがあるのに対し、
ベッド厚tが11〜16mmの範囲に収るように前記原
料供給量制御装置10によって原料供給手段9の動作を
制御すると、図2にも示しているように、平均の粉砕処
理量を0.5t/h程度まで引き上げることができ、さ
らに、発生する振動の振幅も30μm以下に抑えて、低
振動・低騒音の処理環境を得られることが確認された。
【0029】なお、本発明の実施に際して、ベッド検出
手段30の構成は、一実施例のものに限定するものでは
なく、非接触式の検出センサを利用したり、その他の種
々の公知技術を利用することができる。上記実施例にお
いては、原料供給量制御装置10により原料供給を自動
制御できるように構成したが、本発明においては上記実
施例に限るものではなく、ベッド検出手段が設けられた
ローラミルがあれば、ベッド厚の検出値に対応させてマ
ニュアル操作にて処理を行うこともできる。
手段30の構成は、一実施例のものに限定するものでは
なく、非接触式の検出センサを利用したり、その他の種
々の公知技術を利用することができる。上記実施例にお
いては、原料供給量制御装置10により原料供給を自動
制御できるように構成したが、本発明においては上記実
施例に限るものではなく、ベッド検出手段が設けられた
ローラミルがあれば、ベッド厚の検出値に対応させてマ
ニュアル操作にて処理を行うこともできる。
【0030】
【発明の効果】本発明のローラミル並びに該ミルの原料
供給量制御方法および装置によれば、粉砕する粒度に影
響されずに粉砕処理量や粉砕処理時に発生する振動量
(振幅)を反映するパラメータであるベッド厚を検出
し、このベッド厚が最適な範囲に維持されるようにロー
ラミル内への原料の供給を制御するものであるから、例
えば、粒度が比表面積で7,000cm2 /g以上の微
粉体を生成するような場合でも、原料の供給量を高感度
に制御して、ローラミル1内の原料の残存量を、常時、
装置の処理能力の限界近くに正確に維持して稼働させる
ことができ、装置の性能を十分に引き出して、粉砕処理
量を向上させることができると同時に、振動を最小限に
抑えて低振動・低騒音の処理環境を得ることができる。
更にまた、本発明のベッド厚を測定してミルケーシング
内の原料粉砕状況を検出する方法によれば、従来のミル
ケーシング内の空気圧力差を測定する方法に比べて、こ
の圧力差が生じるまでの時間を必要としないので、粉砕
処理状況の把握が正確でかる迅速に行うことができ、従
来以上に処理装置の処理能力の限界近くにて稼働させる
ことが可能になる。
供給量制御方法および装置によれば、粉砕する粒度に影
響されずに粉砕処理量や粉砕処理時に発生する振動量
(振幅)を反映するパラメータであるベッド厚を検出
し、このベッド厚が最適な範囲に維持されるようにロー
ラミル内への原料の供給を制御するものであるから、例
えば、粒度が比表面積で7,000cm2 /g以上の微
粉体を生成するような場合でも、原料の供給量を高感度
に制御して、ローラミル1内の原料の残存量を、常時、
装置の処理能力の限界近くに正確に維持して稼働させる
ことができ、装置の性能を十分に引き出して、粉砕処理
量を向上させることができると同時に、振動を最小限に
抑えて低振動・低騒音の処理環境を得ることができる。
更にまた、本発明のベッド厚を測定してミルケーシング
内の原料粉砕状況を検出する方法によれば、従来のミル
ケーシング内の空気圧力差を測定する方法に比べて、こ
の圧力差が生じるまでの時間を必要としないので、粉砕
処理状況の把握が正確でかる迅速に行うことができ、従
来以上に処理装置の処理能力の限界近くにて稼働させる
ことが可能になる。
【図1】本発明の一実施例を利用する竪型ローラミルの
概略構成を示す縦断面図である。
概略構成を示す縦断面図である。
【図2】図1に示した竪型ローラミルにおける特性図で
ある。
ある。
【図3】図2に示した竪型ローラミルの要部拡大概略図
である。
である。
1 ローラミル 2 レース凹部 3 ミルケーシング 4 粉砕用テーブル 5 ローラ外周面 7 原料 8 ローラ 9 原料供給手段 10 原料供給量制御装置 11 圧縮空気供給口 12 回収用の開口 13 セパレータ 15 ケース基台 16 原動機(モータ) 18 ローラ支持アーム 19 ピン 20 油圧アクチュエータ 22 ベッド 24 バケット 25 ホッパ 26 原料供給管 27 搬送手段 30 ベッド検出手段 31 制御手段 33 検出ロッド t ベッド厚
Claims (3)
- 【請求項1】 外周側に原料圧潰用のレース凹部を有し
回転可能に支持された粉砕用テーブルと、ローラ外周面
が前記レース凹部に対峙するように設けられて前記レー
ス凹部との間に原料を噛み込むことにより原料を粉砕す
るローラとを少なくとも備えてなるローラミルを用いて
ミルケーシング内で前記原料を粉砕しながら粉砕された
所定の粒度以上のものをミルケーシング外に取り出しな
がら粉砕処理をするときに、 前記ローラと前記粉砕用テーブルのレース凹部との間に
形成される粉砕原料のベッド厚を測定し、この測定値に
基づいて原料供給手段による前記ミルケーシング内への
原料供給量を制御することを特徴とするローラミルの原
料供給量制御方法。 - 【請求項2】 外周側に原料圧潰用のレース凹部を有し
てミルケーシングの内底部側に回転可能に支持された粉
砕用テーブルと、ローラ外周面が前記レース凹部に対峙
するように前記ミルケーシングに回転可能に支持されて
前記レース凹部との間に原料を噛み込むことにより前記
粉砕用テーブル上に供給される原料を粉砕するローラ
と、を備えてなるローラミルにおいて、 粉砕処理時に前記ローラと粉砕用テーブルのレース凹部
との間に形成される粉砕原料のベッド厚を検出するベッ
ド検出手段を備えたことを特徴とするローラミル。 - 【請求項3】 請求項2に記載のベッド検出手段による
検出値に応じて前記ミルケーシング内へ原料を供給する
原料供給手段の動作を制御する制御手段を備えたことを
特徴とするローラミルの原料供給量制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6144082A JPH07328466A (ja) | 1994-06-03 | 1994-06-03 | ローラミル並びに該ミルの原料供給量制御方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6144082A JPH07328466A (ja) | 1994-06-03 | 1994-06-03 | ローラミル並びに該ミルの原料供給量制御方法および装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07328466A true JPH07328466A (ja) | 1995-12-19 |
Family
ID=15353837
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6144082A Pending JPH07328466A (ja) | 1994-06-03 | 1994-06-03 | ローラミル並びに該ミルの原料供給量制御方法および装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07328466A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104588198A (zh) * | 2015-02-09 | 2015-05-06 | 郑州大学 | 一种碾压式平盘锥辊破碎机全自动控制方法 |
CN117225504A (zh) * | 2023-09-21 | 2023-12-15 | 武安市铭诚混凝土有限公司 | 一种混凝土生产用原料破碎装置 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62144549U (ja) * | 1986-03-05 | 1987-09-11 | ||
JPH04210247A (ja) * | 1990-12-11 | 1992-07-31 | Nittetsu Mining Co Ltd | 竪型ローラミル |
JPH04247245A (ja) * | 1991-02-01 | 1992-09-03 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | 竪形ミルの圧加力制御方法 |
JPH05104011A (ja) * | 1991-10-15 | 1993-04-27 | Ube Ind Ltd | 竪型粉砕機の自動運転方法 |
JPH05104018A (ja) * | 1991-10-15 | 1993-04-27 | Ube Ind Ltd | 粉砕設備 |
-
1994
- 1994-06-03 JP JP6144082A patent/JPH07328466A/ja active Pending
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS62144549U (ja) * | 1986-03-05 | 1987-09-11 | ||
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN117225504A (zh) * | 2023-09-21 | 2023-12-15 | 武安市铭诚混凝土有限公司 | 一种混凝土生产用原料破碎装置 |
CN117225504B (zh) * | 2023-09-21 | 2024-03-26 | 武安市铭诚混凝土有限公司 | 一种混凝土生产用原料破碎装置 |
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