JPH07328303A - 濃縮晶出機 - Google Patents

濃縮晶出機

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JPH07328303A
JPH07328303A JP12883994A JP12883994A JPH07328303A JP H07328303 A JPH07328303 A JP H07328303A JP 12883994 A JP12883994 A JP 12883994A JP 12883994 A JP12883994 A JP 12883994A JP H07328303 A JPH07328303 A JP H07328303A
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JP
Japan
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tank
heat exchange
concentrated
exchange section
pipe
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Withdrawn
Application number
JP12883994A
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English (en)
Inventor
Akira Nakatani
昭 中谷
Shigeharu Sugizaki
重治 杉崎
Yoshikazu Harada
佳和 原田
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱および溶媒に弱い不安定な物質を低温(1
00℃以下)で短時間に濃縮し、大きな結晶に晶出させ
る濃縮晶出機を提供する。 【構成】 軸心部に攪拌羽根3を備えた縦型槽1の周辺
部に軸方向に並行な多数の管より成る管群9‥‥9を全
円周方向の例えば6個所に配設し、管群9の上端を連通
させて低圧水蒸気源15に接続し、管群9の下端を連通
して、大気脚17に接続するとともに、大気脚17の上
端を真空ポンプ20に接続して所定の真空度を保持させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品、化学製品、医薬
品等のうち、特に熱に不安定な物の製造工程において溶
媒を減圧留去し、この溶液を濃縮しながら速やかに結晶
を晶出するための濃縮晶出機に関する。
【0002】
【従来の技術】化学製品、特に医薬品等を工業的に製造
する場合、この製造工程終了後使用した溶媒を留去して
晶出する場合が多い。この溶媒留去には、従来より、図
7に示すような濃縮晶出機が使用されており、これらは
通常反応機も兼ねている。これらの濃縮晶出機は、主に
縦型槽31と、真空ポンプ32と、攪拌手段33と、熱
交換部34と、熱媒体供給源35とを有し、熱交換部3
4は縦型槽の内壁近傍に沿ったコイル状となっており、
このコイルに熱媒体を供給する。
【0003】ところが、このような従来例においては、
縦型槽31の表面積に対するコイルの伝熱面積が低い。
コイルの巻き数を多くすると、その伝熱面積は確保でき
るが、コイル間の間隙が狭くなり、またコイルと攪拌翼
33とがほぼ平行となるため、コイル外側と槽の内壁間
の溶液の攪拌状態が悪くなって、滞留部分が発生しその
部分が局部加熱される。また比較的低温で濃縮しなけれ
ばならない化合物の場合、例えば50℃の温水が用いら
れるが、熱交換部出入口での温度降下が激しく、温度制
御が困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の点を解
決しようとするものであり、熱および溶媒に弱い不安定
な物質を、低温(100℃以下)、短時間で濃縮し結晶
粒の大きい結晶に晶出させる濃縮晶出機を提供すること
を解決課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
の本発明の濃縮晶出機は、濃縮晶出すべき物質を収納す
る縦型槽と、その槽の軸心部に設けられた攪拌機構と、
その槽内の周辺部に設けられた熱交換部と、その熱交換
部の熱媒体を通す管の内圧を減圧する減圧機構を有する
ことにより特徴づけられる。
【0006】本発明の熱交換部は、熱媒体を通す複数本
の縦方向の管より成る管群が槽内側面の全円周方向を複
数個に分割する位置に配設されている構造であることが
好ましい。
【0007】槽内の全円周方向の分割個数(m群)の好
ましい値は、槽の径により異なるが、通常は、3ないし
8個が好ましい。本発明の減圧機構は、真空ポンプ等の
減圧用ポンプ及び熱交換部の排出口(下端)と大気圧の
間に、下端が液シールされた大気脚を設ける手段があ
る。
【0008】本発明において「低圧」とは大気圧以下の
圧力をいう。また「低温」とは100℃以下の温度をい
う。本発明において、「大気圧以下の低圧水蒸気」を用
いる理由の第1は、100℃以下の低温、例えば40℃
において水蒸気を液化させ、そのときに大きな潜熱を放
出させるためである。周知の通り、1気圧のもとにおい
て水は100℃で沸騰して水蒸気になるが、この沸点は
圧力によって図5に示す通り変化し、圧力を大気圧より
低く減圧すれば沸点は100℃より低くなる。また、周
知の通り、水は比熱1の物質であって、水1gを1℃上
昇させるために1cal の熱量を要するが、水1gを蒸発
させるためには538.8cal (at100℃)もの大き
な熱量を要する。その第2の理由は、熱交換部の圧力を
所定の圧力、例えば50Torrに保持することによ
り、熱交換部の温度を例えば40℃に制御することがで
き、槽の温度を長時間安定に保持することができること
である。
【0009】
【作用】水蒸気は熱交換部において液化し、その際大量
の潜熱を放出する。槽内の物質はこの潜熱により加熱さ
れる。飽和蒸気はその圧力により沸点(液化点)が一義
的に定まるから、圧力を制御することにより熱交換部の
温度を制御することができる。液化した水はドレインに
放出される。
【0010】槽内周辺部に設けられた熱交換部は複数本
の管の群が所定間隔で配設されているので、軸心部の回
転翼の回転により槽内の物質に回転力が与えられたと
き、管群の存在する場所と存在しない場所を交互に通過
することにより乱流を生じ、物質の攪拌効果が増大す
る。また縦方向の複数の管が所定の間隔を保って配設さ
れているので、これら管の間隙を溶液が通過する際、ベ
ルヌーイの定理により流速が増大し、更に攪拌効果が増
大する。この攪拌効果は結晶の晶出を促進し、大きな粒
径の結晶成長に適する。
【0011】また、本発明の熱交換部は、複数本の管よ
りなる管群が槽周辺部に複数群配設されているので、槽
の容積(内径D、高さHとしたとき略0.25πD
2 H)に対する熱交換部の伝熱面積(管の縦方向長さ
L、直径dとしたとき略・πdL×m・n)の比率が大
きくなり、濃縮晶出能率が非常に高くなり、溶媒の留去
に要する時間が短縮される。
【0012】さらに、大気圧以下の減圧水蒸気を熱媒体
とする場合は、槽内を、例えば40℃という100℃以
下の所定温度に長時間安定に加熱制御することができ
る。
【0013】
【実施例】図1の、本発明実施例の槽1の縦断面図を含
む全体構成図を示し、図2に図1のA−A′断面図を示
し、図3、図4に槽1内の熱交換部のうちの一つの管群
の側面図と正面図の部分省略図を示す。
【0014】槽1は、濃縮晶出すべき物質を収納する縦
型槽であって、頂部から軸心に沿って垂下するロータ軸
2が設けられ、この軸2に適宜形状の攪拌羽根3が取り
付けられ、軸2はモータ4と減速機5により回転駆動さ
れる。槽1の頂部は、真空ポンプ6に接続されており、
槽内で発生した揮発性ガス等を排気する。原材料は投入
口7から導入され、製品は取出口8から取り出される。
【0015】攪拌羽根の形状は特に限定されないが、2
段式で上部はピッチドパドル押え型4枚羽根、下部はV
型ピッチドパドル4枚羽根の仕様が、晶出物の歩溜りが
少なくて好ましい。
【0016】熱交換部は、槽1内の側壁に近接した外周
部に設けられている。全円周を中心角60°づつ分割す
る6個所に管群9‥‥9が配設され、ひとつの管群は軸
方向の8本の管より構成され、8本の管の上下両端は上
ヘッダ10および下ヘッダ11に連通し、槽外に導出さ
れている。
【0017】全円周上の6個の上ヘッダ10‥‥10の
導出部は槽外周においてリング上連通管12により互い
に連通しており、それが1本の熱媒導入管13に接続さ
れ、調節弁14を介してボイラ等の水蒸気発生源15に
接続されている。なお、槽外周のジャケット22に熱媒
体を通して、上記した熱交換部と併用することができ
る。
【0018】全円周上の6個の下ヘッダ11‥‥11の
それぞれから下方へ鉛直に伸びるドレン抜き用の管21
‥‥21が槽1の底板を貫通して導出され、傾斜したリ
ング状連通管16に合流し、下方へ伸びる長さ10m余
の1本の大気脚17に接続されている。大気脚17の下
端は水槽18により液シールされている。この大気脚1
7の上端は、排気管19を通して真空ポンプ20に接続
されており、例えば50Torrの所定真空度に制御されて
いる。
【0019】なお、排気管19を槽頂部の排気管に連通
させて真空ポンプ6に接続することにより、真空ポンプ
20を省いてもよい。また、大気脚17を複数本設けて
もよい。
【0020】上記実施例の数値例を示せば、熱交換部の
管9の長さ2200mm、管9の外径Dが50mm、半
径方向の管と管の間の空隙Kが30mm、ロータ軸の回
転数毎分36回転である。
【0021】本発明の濃縮晶出機は、熱安定性が低く、
溶媒に対する安定性が低い化合物を含有する溶液の濃縮
晶出に最も適している。このような化合物としてβ−ラ
クタム系抗生物質をあげることができる。その化合物の
一つは、1- (6R,7R)-7- (Z)-2-(5-アミノ-1,2,4- チア
ジアゾール-3- イル)-2-メトキシイミノアセトアミド -
2-カルボキシ-8- オキソ-5- チア-1- アザビシクロ 4.
2.0 オクト-2- エン-3- イル メチル イミダゾ 1,2-
bピリダジニウム ヒドロキシド, 分子内塩であって、
この化合物の構造式を図6に示す。
【0022】この化合物を含有する溶液を用い、溶出液
量7020リットル、温度20℃、槽内の圧力20〜5
0Torr、減圧水蒸気は40℃という条件で溶媒の減
圧留去を行ったところ、9時間という短時間で溶出液量
が2120リットルまで減少し、かつ化合物が分解する
ことなく安定した状態で晶出し、得られた結晶の損失量
は従来法の3分の1に低減していた。結晶粒径(メジア
ン径)は50μmで従来法の5倍の大きさであった。
【0023】本発明の減圧機構の他の実施例として、上
記大気脚とシール槽を設ける代わりに、水封式真空ポン
プを用いて減圧及びドレン排出を行ってもよい。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、熱、溶媒等に不安定な
化合物を含有する溶液を、分解させることなく安定に濃
縮晶出することができ、特に、100℃以下の低温度で
濃縮晶出処理を行うことができる。
【0025】また槽容積に対する熱交換伝熱面積の比率
が従来例に比べて2倍以上に増大し短時間かつ高能率に
濃縮晶出を行うことができる。さらに、管群が邪魔板の
機能を果たして攪乱効果を奏し、また、この流れが晶出
の促進と結晶成長に適度な攪拌効果を与え、晶出率の向
上と大きな粒子の結晶晶出につながる。加えて、並設さ
れた複数管の多くの間隙を被処理物質が通過するとき流
速が上昇し、そのため溶液全体の攪拌速度が速くなり熱
交換効果が増大する。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明実施例を示す槽1の縦断面図とその
周辺を示す図である。
【図2】は、図1のA−A′断面図である。
【図3】は、図1に示す実施例の熱交換部の部分拡大図
である。
【図4】は、図3の熱交換部の側面図である。
【図5】は、水蒸気の特性図である。
【図6】は、本発明を用いて製造された化合物Aの構造
式である。
【図7】は、従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・縦型槽 2・・・ロータ軸 3・・・攪拌羽根 4・・・モーター 5・・・減速機 6・・・真空ポンプ 9・・・熱交換部の管 10・・・上ヘッダ 11・・・下ヘッダ 12・・・リング状連通管 15・・・水蒸気発生源 16・・・リング状連通管 17・・・大気脚 18・・・水槽 20・・・真空ポンプ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 濃縮晶出すべき物質を収納する縦型槽
    と、その槽の軸心部に設けられた攪拌機構と、その槽内
    の周辺部に設けられた熱交換部と、その熱交換部の熱媒
    体を通す管の内圧を減圧する減圧機構を有する濃縮晶出
    機。
  2. 【請求項2】 上記熱交換部が、熱媒体を通す複数本の
    縦方向の管より成る管群が槽内側面に配設されているこ
    とを特徴とする、請求項1に記載の濃縮晶出機。
  3. 【請求項3】 上記管群が槽内側面の全円周方向を複数
    個に分割する位置に配設されていることを特徴とする、
    請求項2に記載の濃縮晶出機。
  4. 【請求項4】 上記熱交換部の管の上端が水蒸気供給源
    に接続され、その管の下端がドレインおよび減圧ポンプ
    に接続されていることを特徴とする、請求項1、2また
    は3のいずれか1つに記載の濃縮晶出機。
  5. 【請求項5】 上記各熱交換部はの管の上端が水蒸気供
    給源に接続され、その管の下端が大気脚に接続され、そ
    の大気脚の下端が液シールされていることを特徴とする
    請求項1、2または3のいずれか1つに記載の濃縮晶出
    機。
JP12883994A 1994-06-10 1994-06-10 濃縮晶出機 Withdrawn JPH07328303A (ja)

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JPH07328303A true JPH07328303A (ja) 1995-12-19

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100924836B1 (ko) * 2009-07-23 2009-11-03 삼전순약공업(주) 무기물을 결정화하는 장치

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Effective date: 20010904