JPH0732829A - タイヤ用ctスキャナ装置 - Google Patents

タイヤ用ctスキャナ装置

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Publication number
JPH0732829A
JPH0732829A JP5124350A JP12435093A JPH0732829A JP H0732829 A JPH0732829 A JP H0732829A JP 5124350 A JP5124350 A JP 5124350A JP 12435093 A JP12435093 A JP 12435093A JP H0732829 A JPH0732829 A JP H0732829A
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JP
Japan
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tire
scattered
rays
ray
detection target
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Application number
JP5124350A
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English (en)
Inventor
Yoshitaka Udagawa
好隆 宇田川
Yoshinori Chikaura
吉則 近浦
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Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧力を加えた状態でタイヤ内部の検査が可能
なタイヤ用CTスキャナ装置を提供すること。 【構成】 検査対象のタイヤ19に加圧機によって下方
向に圧力を加えると共に、X線出射部21からタイヤ1
9に対してZ軸方向にX線を照射し、タイヤ19内の検
出対象位置からX−Y平面内に散乱される散乱X線を検
出部22によって検出し、その強度を検出対象位置に対
応して記憶することにより断層画像データを得る。 【効果】 タイヤ内部の部分的な構成物質の違いを的確
に検出することができると共に、加圧状態におけるタイ
ヤ内部の構造変化、並びに欠陥の存在及び発生を容易に
識別することができる。さらに、実使用状態に即したタ
イヤ内部の構造変化、欠陥の存在及び発生を識別するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タイヤの内部構造を検
査するタイヤ用CTスキャナ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、乗用車等のタイヤを製造する上
で、走行中の安全性をより確かなものとするために、製
造されたタイヤの内部構造の検査は必要不可欠なものと
なっている。
【0003】このようなタイヤの内部構造を検査する装
置の一例として、特開平2−195237号公報に開示
されるようなX線を用いたCTスキャナが知られてい
る。
【0004】この装置は、X線管から放射したX線をタ
イヤ等の環状の被検査体に照射し、X線検出器のデータ
を画像処理して被検査体内部の構成物質の違いを検出し
て内部欠陥を検査するもので、前記X線管を直線移動さ
せるX線管移動機構と、前記X線管の移動方向に平行に
前記X線検出器を直線移動させるX線検出器移動機構
と、このX線検出器移動機構の下方に前記被検査体が縦
に載置され前記環状の中心水平断面の一側を軸にして他
側を旋回し、円周方向に回転させる回転テーブルと、前
記X線管移動機構と前記X線検出器移動機構に出力軸が
接続され前記X線管と前記X線検出器を同期して同方向
に移動させるモータとを備えている。
【0005】上述のCTスキャナによれば、X線管から
放射されたX線はタイヤ等の被検査体を透過してX線検
出器に入射する。X線検出器に入射したX線の強度デー
タをX線の照射位置に対応して記憶し、この記憶データ
を画像処理することにより、X線照射部分の構成物質の
違いを検出して被検査体の内部欠陥が検査される。これ
により、任意の直径のタイヤの欠陥を検出することがで
きる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来のX線CTスキャナにおいては、次のような問題
点があった。
【0007】即ち、透過X線によるタイヤ内部の構成物
質の検出は、透過X線の強度に基づくものであり、タイ
ヤの主材料であるゴムと比重が同程度の材質の補強材等
が用いられている場合、ゴムを透過したX線の強度と補
強材を透過したX線の強度との差が小さくなるため、ゴ
ムと補強材の識別が非常に困難であった。
【0008】さらに、透過X線を検出するX線検出器
は、タイヤを挟んでX線源に対向して配置しなければな
らないため、装置設計の自由度が低下してしまい、実使
用状態と同様の圧力が加えられた際の内部状態の検査を
行える装置を構成することが困難であった。
【0009】本発明の目的は上記の問題点に鑑み、圧力
を加えた状態でタイヤ内部の検査が可能なタイヤ用CT
スキャナ装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために請求項1では、タイヤの内部構造を検査す
るタイヤ用CTスキャナ装置において、前記タイヤの所
定部分に圧力を加える加圧手段と、X線或いはγ線等の
電磁波放射線を検査対象となるタイヤに照射する放射線
源と、前記タイヤにおける所定の検出対象位置において
発生した散乱電磁波放射線を通過させるスリットと、前
記スリットを通過した散乱電磁波放射線のエネルギーを
検出する検出器と、前記照射及び検出対象位置を移動す
る照射及び検出対象位置可変手段と、前記検出器によっ
て検出した電磁波放射線のエネルギー量を前記検出対象
位置の座標に対応させて記憶する記憶手段とを備えたタ
イヤ用CTスキャナ装置を提案する。
【0011】また、請求項2では、請求項1記載のタイ
ヤ用CTスキャナ装置において、前記加圧手段は、前記
タイヤの回転軸と外周面の所定部分との間に圧力を加え
るタイヤ用CTスキャナ装置を提案する。
【0012】さらに、請求項3では、請求項1又は2記
載のタイヤ用CTスキャナ装置において、前記放射線源
からの電磁波放射線の出射方向と前記スリットを通過可
能な散乱電磁波放射線の方向とのなす角度が90度とな
るように、前記放射線源及び前記スリット並びに前記検
出器が配置されているタイヤ用CTスキャナ装置を提案
する。
【0013】
【作用】本発明の請求項1によれば、検査対象となるタ
イヤに任意の圧力が加えられ、X線或いはγ線等の電磁
波放射線が照射される。さらに、前記タイヤ上の検出対
象位置から散乱された電磁波放射線がスリットを介して
検出器により検出されると共に、該散乱電磁波放射線の
エネルギーが検出されて記憶される。ここで、前記電磁
波放射線の通過経路には複数種の原子が存在し、該通過
経路の全ての位置から前記原子に対応した散乱電磁波放
射線が発生する。該散乱電磁波放射線としては、前記原
子の種類に対応したエネルギーを有する特性X線、コン
プトン散乱により放出されるX線或いはγ線、原子の配
列構造に対応して回折される回折X線等が含まれ、前記
検出対象位置から特定方向に散乱される電磁波放射線の
エネルギーが前記スリットを介して検出される。また、
前記照射及び検出対象位置は、例えば前記タイヤの断面
画像取得対象面内で移動される。ここで、前記記憶した
複数の検出対象位置におけるエネルギー量は、前記検出
対象位置の構成物質によって異なるため、前記タイヤ内
部の構成物質の違い及び欠陥等の識別を容易に行うこと
ができる。
【0014】さらに、請求項2によれば、前記タイヤの
回転軸と外周面の所定部分との間に圧力が加えられるた
め、実際の使用時とほぼ同じ状態でタイヤに圧力を加え
ることが可能となる。
【0015】また、請求項3によれば、放射線源からの
電磁波放射線の出射方向と前記スリットを通過可能な散
乱電磁波放射線の方向とのなす角度が90度とされるた
め、前記放射線源から出射された電磁波放射線の通過経
路上に存在する検出対象位置の近傍位置から散乱された
散乱電磁波放射線が前記スリットを通過する割合を極小
とすることができる。
【0016】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の一実施例を説
明する。図1は本発明の一実施例の外観斜視図、図2は
側面断面図、図3は平面図である。図において、10は
装置本体(以下、本体と称する)で、断面略L字形状を
有し、その底部は所定の厚さを有する強固な金属板1
1、例えば鉄板から構成されている。また、金属板11
の後部に立設された機械室12の内部には、加圧機13
によって上下方向に平行移動可能に水平に支持されたタ
イヤ支持軸14、タイヤ支持軸14の後端部と金属板1
1の間に取り付けられたバネ15及び第1の支持枠移動
部16が設けられている。さらに、本体底部の前部には
第2の支持枠移動部17が配置されている。
【0017】また、タイヤ支持軸14の前端部は機械室
12の前方に突出され、アルミニウムからなるタイヤホ
イール18が着脱自在に取り付けられている。タイヤ検
査時には、検査対象となるタイヤ19がタイヤホイール
18に装着される。
【0018】さらに、第1及び第2の支持枠移動部1
6,17はモーター及びボールネジ等から構成され、こ
れら第1及び第2の支持枠移動部16,17の間には、
断面逆L字形状のセンサ支持枠20が、支持枠移動部1
6,17によって本体10の幅方向、即ち図1に示すY
軸方向に移動可能に架設されている。
【0019】また、センサ支持枠20の水平片20aの
下面には、図中のX軸方向に移動可能なようにX線出射
部21が取り付けられ、このX線出射部21内には図4
に示すように、X線源21a、ピンホールスリット21
b,21c、X線検出器21d及びX線源21aから出
射されたX線XR1の強度を検知するために用いられる
マイラーフィルム21eを備えている。さらに、ピンホ
ールスリット21b,21cはX線源21aから放射さ
れたZ軸方向のX線XR1のみをタイヤ19に照射でき
るように配置されている。さらにまた、X線源21aか
ら放射されたX線XR1は、マイラーフィルム21eを
通過するときにX線XR1の強度に応じたX線XR2を
出し、このX線XR2はX線検出器21dに入射され、
X線XR2が入射したX線検出器21dはX線XR2の
強度に対応した信号B1を出力する。
【0020】センサ支持枠20の垂直片20bの内面に
は、図中のX軸方向及びY軸方向に移動可能なように検
出部22が取り付けられ、この検出部22内には図4及
び図5に示すように、所定の曲率をもって湾曲して形成
されたX線検出器22a及びスリット22b,22cが
設けられている。ここで、図5は検出器22の平面図を
示している。スリット22b,22cのそれぞれには所
定の幅と長さを有する透過窓が形成されると共に、スリ
ット22b,22cのそれぞれは所定間隔を開けて図中
のY−Z平面に平行に配設されている。これにより、ス
リット22b,22cの透過窓を含むX−Y平面内のX
線照射位置A(検出対象位置)からX−Y平面内に散乱
される特定方向の散乱X線XRgのみがスリット22
b,22cを通過する。即ち図6に示すように、例えば
検出対象位置Aを原点とし、かつY軸正方向を基準とす
ると、スリット22b,22cの透過窓に対応したX−
Y平面内の角度ψ1〜ψ2(ψ1<ψ2)に散乱される
散乱X線XRgのみがスリット22b,22cを通過す
る。また、スリット22b,22cを通過した散乱X線
XRgは、X線検出器22aに入射され、X線検出器2
2aは入射した散乱X線の強度に対応した信号B2を出
力する。ここで、X線検出器22aの全ての検出面と検
出対象位置Aとの間の距離が一定となるようにX線検出
器22aが構成されており、これにより検出対象位置A
からX線検出器22aに入射される全ての散乱X線の伝
搬距離が等しくなるので、検出強度の誤差を低減でき
る。
【0021】また、検出部22内にはY軸に平行な回転
軸を有する回転機構(図示せず)が備えられ、この回転
機構によってX線検出器22a及びスリット22b,2
2cが一体となって回転可能に構成されている。これに
より、検出対象位置Aからあらゆる角度に散乱される散
乱X線の内の任意の角度に散乱される散乱X線を選択し
て、X線検出器22aによって検出することができる。
【0022】前述の構成により、X−Y平面と平行に散
乱される散乱X線を入射可能なように、前記回転機構に
よってX線検出器22a及びスリット22b,22cの
配置を設定したとき、検出対象位置A以外の位置から散
乱される散乱X線がスリット22b,22cを通過する
割合を極小とすることができるので、高い分解能を得る
ことができる。即ち、X線出射部21からのX線の出射
方向とスリット22b,22cを通過可能な散乱X線の
方向とのなす角度θが90度以外の角度θ1 となるよう
に、X線出射部21、スリット22b,22c及びX線
検出器22aが配置されている場合には、図7に示すよ
うに角度θが90度のときに比べて、スリット22b,
22cを通過可能な散乱X線を発するX線通過経路上の
領域ERが広がって分解能を低下させる。この分解能
は、スリット22b,22cの幅を狭めることによって
高めることができるが、同一幅のスリットを用いた場合
には前記角度θを90度としたときの分解能の高さが極
大となる。
【0023】図8は本実施例における電気系回路を示す
ブロック図である。図において、30はCPU及びメモ
リなどから構成される中央処理部、31a,31bはリ
ニアアンプで、それぞれX線検出器21d,22aの出
力信号B1,B2を増幅してアナログ/ディジタル(以
下、A/Dと称する)変換器32a,32bに出力す
る。A/D変換器32a,32bから出力されるディジ
タルデータは中央処理部30に入力される。
【0024】33a〜33fはモーター駆動部で、中央
処理部30からの制御信号に基づいて、第1及び第2の
支持枠移動部16,17に設けられたモーター34a,
34b、X線出射部21を移動するモーター34c、検
出部22を移動するモーター34d,34e、及び検出
部22内のX線検出器22a及びスリット22b,22
cを一体として回転させるモーター34fを駆動する。
【0025】35a〜35fはロータリーエンコーダー
で、前述した各モーター34a〜34fの回転を検出し
て、これを中央処理部30に出力する。これにより、中
央処理部30は、センサー支持枠20のY軸方向の位
置、X線出射部21のX軸方向の位置、及び検出部22
のX軸及びZ軸方向の位置、並びにX線検出器22a及
びスリット22b,22cの回転角度をそれぞれ認識す
ることができる。
【0026】36は加圧機駆動部で、中央処理部30か
らの制御信号に基づいて、加圧機13を駆動する。
【0027】37は表示制御部で、中央処理部30から
入力する表示制御信号に基づいて、表示器38にタイヤ
19の断層画像等の情報を表示する。
【0028】39はデータ入出力部で、フロッピーディ
スクドライブ装置等から構成され、中央処理部の演算に
よって得られた画像データ等の情報をフロッピーディス
ク等の外部記憶媒体に記憶すると共に、外部記憶媒体に
記憶されている情報を読み出す。
【0029】40は操作部で、例えばキーボード等から
構成され、中央処理部30に対する各種の命令の入力を
行う。
【0030】次に、前述の構成よりなる本実施例の動作
を図9及び図10の処理フローチャートに基づいて説明
する。タイヤの検査を行う場合、まずタイヤホイール1
8に検査対象となるタイヤ19を装着した後、操作部4
0を介して中央処理部30に検査条件を入力して検査を
開始する。この検査条件としては、例えば加圧機13に
よる加圧力、検査対象範囲等を設定する。
【0031】加圧力としては、例えば0〜3000Kg
の範囲の任意の値を設定することができ、この圧力によ
ってタイヤ支持軸14が下方向に加圧される。これによ
り、タイヤ19には自動車に装着したときとほぼ同じ状
態で圧力が加えられる。
【0032】また、検出対象範囲としては、X軸方向の
検出開始点と終了点、Y軸方向の検出開始点と終了点及
びZ軸方向の検出開始点と終了点が設定される。これに
より、任意の範囲を指定して検出データをメモリに蓄積
し、この検出範囲内の任意の断面の断層画像を表示させ
ることができる。
【0033】装置を起動すると、表示器38にはメイン
メニュー画面が表示される。このメニューには散乱X線
による断層データの検出を行う断層データ検出、検出さ
れた断層データ或いは予め蓄積されている断層データに
基づいて断層画像を表示する画像表示、外部記憶媒体へ
のデータ書き込み、及び外部記憶媒体からのデータ読み
込み等の項目が表示される。操作員は、操作部40を介
してこれらの項目の中の1つを選択して検査作業を行う
ことができる。
【0034】メインメニューから断層データ検出の項目
が選択されると、図9のフローチャートに示すように、
中央処理部30は、断層データを記憶しておく配列メモ
リをクリアする等の初期設定を行う(S1)。次いで、
加圧値入力の指示を表示器38に表示し(S2)、入力
された加圧力の値をメモリに記憶する(S3)。さら
に、X軸、Y軸及びZ軸のそれぞれにおける検出対象範
囲の入力指示を表示器38に表示し(S4)、入力され
た検出対象範囲をメモリに記憶する(S5)。
【0035】この後、中央処理部30は、スタート入力
がなされたか否かを判定し(S6)、スタート入力がな
されたときはX線源21aからのX線の照射を開始する
(S7)。次いで、各モーター34a〜34fを駆動し
てセンサ支持枠20、X線出射部21及び検出部22を
移動して検出対象位置Aを更新する(S8)と共に、こ
の検出対象位置に対応して配列メモリのアドレスを更新
する(S9)。
【0036】さらに、中央処理部30は、X線検出器2
1dの出力信号B1に基づくX線XR1の強度データを
入力する(S10)と共に、検出対象位置Aから発せら
れる散乱X線XRgを検出して、X線検出器22aの出
力信号B2に基づく散乱X線XRgの強度をデータを入
力する(S11)。この後、入力したデータに基づいて
演算処理を行い(S12)、演算結果、即ち検出対象位
置Aにおける散乱X線の強度を検出対象位置Aの座標に
対応した3次元或いは2次元の配列メモリに記憶する
(S13)。
【0037】次に、中央処理部30は、検出対象範囲内
の全域に渡っての検出が終了したか否かを判定し(S1
4)、終了していないときは前記S8の処理に移行す
る。また、検出対象範囲の全域に渡っての検出が終了し
たときは、X線出射部21からのX線XR1の出射を停
止した後(S15)、第1及び第2の支持枠移動部1
6,17のモーター34a,34bを駆動してセンサ支
持枠20を基準位置、即ち本体10の右端の位置に移動
する(S16)と共に、表示器38に検出終了を表す表
示を所定時間した後(S17)、メインメニューを表示
して断層データの検出処理を終了する。
【0038】また、メインメニューにおいて、画像表示
が選択されると、図10のフローチャートに示すよう
に、中央処理部30は、表示器38に断層画像表示範囲
の入力指示を表示し(SP1)、入力された表示範囲を
メモリに記憶する(SP2)。次いで、入力された表示
範囲に基づいて演算処理を行い、表示画像データを作成
し(SP3)、指定された範囲の断層画像を表示器に表
示する(SP4)。
【0039】この後、中央処理部30は、操作部40を
介して表示を終了させる指示が入力されたか否かを判定
し(SP5)、表示終了指示が入力されたときに断層画
像の表示を終了すると共に、メインメニュー画面を表示
して画像表示処理を終了する。この際、表示範囲の入力
は表示対象とする断層面を含む平面内の4点の座標で入
力し、これらの4点を結んだ範囲内の断層画像が構成物
質の違いにより色分けされて表示器38に表示される。
【0040】また、メインメニューにおいて外部記憶媒
体へのデータの書き込み処理が選択されると、中央処理
部30内のメモリに記憶されている検出範囲のX,Y,
Z座標、加圧力及び配列メモリ内の断層データを1つの
ファイルとしてフロッピーディスク等の外部記憶媒体に
書き込む。さらに、メインメニューにおいて外部記憶媒
体からのデータの読み込み処理が選択されると、外部記
憶媒体に記憶されているファイルから検出範囲のX,
Y,Z座標、加圧力及び配列メモリ内の断層データを中
央処理部30内のメモリに読み込む。この読み込まれた
データによって、前述した画像表示処理を行うことがで
き、過去の検出結果を何時でも自由に表示させることが
できる。
【0041】前述したように本実施例では、タイヤ19
の原子によって散乱される散乱X線を検出し、この散乱
X線の強度に基づいて、タイヤ19の各部の構成物質の
違いを検出しているので、タイヤの主材料であるゴムと
比重が同程度の材質の補強材等が用いられている場合に
おいても、ゴムと補強材の識別を容易に行うことができ
る。
【0042】また、加圧機13によって検査対象となる
タイヤ19に任意の圧力を加えることができるので、実
使用状態とほぼ同じ状態におけるタイヤ19の内部状態
の検査を非常に簡単に行うことができる。
【0043】さらに、散乱X線を検出する検出部22
は、X線出射部21に対して如何なる位置にも配置する
ことが可能であるため、装置設計の自由度を増すことが
できる。
【0044】尚、本実施例の構成は一例でありこれに限
定されることはない。例えば、図11の(a)(b)に示すよ
うに、タイヤ19の下部の金属板11の所定位置にY軸
方向に延びる所定幅の貫通孔11a〜11eを形成する
と共に、金属板11の下側にこれらの貫通孔に沿って移
動する第2のX線出射部23を設けても良い。この際、
貫通孔11a〜11eの上部をテーパー状に形成し、こ
の部分にX線を透過しやすいベリリウム、アルミニウム
等の金属Mを充填しておくことにより、タイヤ19に圧
力を掛けた際の、貫通孔11a〜11eによるタイヤ1
9の変形を防止することができる。また、X線出射部2
1を除去して、第2のX線出射部23のみとしても良
い。
【0045】さらに、散乱X線を検出する検出部を複数
設けても良い。例えば図12に示すように、センサ支持
枠20の垂直片20bに、検出部22と同様の複数の検
出部24a〜24gをZ軸方向に並べて配設し、これら
の検出部22,24a〜24gの検出データを中央処理
部30に取り込むようにしても良い。
【0046】また、本実施例では、X線出射部21と検
出部22を設け、X線源21aと散乱X線を検出するX
線検出器22aとを分離して配置したが、図13に示す
ようにX線源と散乱X線を検出するX線検出器を備えた
センサ部25を設け、このセンサ部25をX軸方向、Y
軸方向及びZ軸方向のそれぞれに移動可能としてセンサ
支持枠20に取り付けても良い。
【0047】即ち、図13に示すセンサ部25には、X
線源25a、ピンホールスリット25b,25c、スリ
ット25d,25e、X線検出器25f〜25h及びX
線XR1の強度を検知するために用いられるマイラーフ
ィルム25iを備えている。ピンホールスリット25
b,25cはX線源25aから放射されたX線XR1を
一方向のみに出射できるように配置されている。また、
スリット25d,25eのそれぞれは、X線XR1を通
すピンホール及び所定の開口面積の貫通孔が形成された
もので、センサ部25からX線出射方向に所定距離Lだ
け離れた検出対象位置Aから散乱された特定方向の散乱
X線、即ちX線XR1を基準として角度θaに発生する
散乱X線XR3,XR4を通過させるように構成及び配
置されている。さらに、スリット25d,25eを通過
した散乱X線XR3,XR4は、X線検出器25f,2
5gに入射され、X線検出器25f,25gのそれぞれ
は、入射した散乱X線の強度に対応した信号B2,B3
を出力する。
【0048】また、X線源25aから放射されたX線X
R1は、マイラーフィルム25iを通過するときにX線
XR1の強度に応じたX線XR2を出し、このX線XR
2はX線検出器25hに入射される。また、X線XR2
が入射したX線検出器25hもX線検出器25f,25
gと同様に、入射したX線の強度に対応した信号B1を
出力する。これらのX線検出器25f〜25hの出力信
号B1〜B3を前述と同様にディジタル変換して中央処
理部30に取り込むことによりタイヤ19の断層データ
を得ることができる。また、X線源25aとX線検出器
25f〜25hを移動する駆動機構を簡略化することが
できる。
【0049】さらにまた、図13に示すセンサ部25を
用いた場合には、スリット25d,25eの何れか一方
のスリット25d,25eの貫通孔の間隔或いはスリッ
ト25d,25eの間隔を変えることによっても同様に
検出対象位置AのX軸方向の位置を変化させることがで
きる。
【0050】また、散乱X線はあらゆる方向に散乱され
るので、検出部22はタイヤ19の周囲であれば如何な
る位置に配置してもほぼ同様の効果が得られる。この
際、検出部22の配置によって、検出対象位置Aからの
散乱X線のみを検出できるようにスリット及びX線検出
器を構成及び配置しなければならないことは言うまでも
ないことである。
【0051】また、本実施例では、検出対象位置Aにお
いて発生したコンプトン散乱X線を検出しているが、検
出対象位置から散乱される特性X線、散乱γ線、或いは
回折X線等を検出することによっても同様の効果を得る
ことができる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に
よれば、検査対象となるタイヤに任意の圧力を加えた状
態で、前記タイヤの検出対象位置から散乱される電磁波
放射線のエネルギーを検出して記憶しているので、タイ
ヤ内部の部分的な構成物質の違いを的確に検出すること
ができると共に、加圧状態におけるタイヤ内部の構造変
化、並びに欠陥の存在及び発生を容易に識別することが
できる。
【0053】さらに、請求項2によれば、上記の効果に
加えて、実際の使用時とほぼ同じ状態でタイヤに圧力を
加えることができるので、実使用状態に即したタイヤ内
部の構造変化、欠陥の存在及び発生を識別することがで
きるという非常に優れた効果を奏するものである。
【0054】また、請求項3によれば、上記の効果に加
えて、放射線源から出射された電磁波放射線の通過経路
上に存在する検出対象位置の近傍位置から散乱された散
乱電磁波放射線がスリットを通過して検出される割合を
極小とすることができるので、分解能を高めることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す外観斜視図
【図2】一実施例の側面断面図
【図3】一実施例の平面図
【図4】一実施例におけるX線出射部及び検出部を示す
構成図
【図5】一実施例における検出部の構成を示す平面図
【図6】一実施例の検出部における散乱X線の検出範囲
を示す図
【図7】一実施例における検出部の配置による分解能の
違いを説明する図
【図8】一実施例における電気系回路を示すブロック図
【図9】一実施例における処理フローチャート
【図10】一実施例における処理フローチャート
【図11】他の実施例を示す構成図
【図12】他の実施例を示す構成図
【図13】他の実施例を示す構成図
【符号の説明】
10…装置本体、11…金属板、11a,11b…貫通
孔、12…機械室、13…加圧機、14…タイヤ支持
軸、15…バネ、16…第1の支持枠移動部、17…第
2の支持枠移動部、18…タイヤホイール、19…タイ
ヤ、20…センサ支持枠、21…X線出射部、21a…
X線源、21b,21c…スリット、21d…X線検出
器、21e…マイラーフィルム、22…検出部、22a
…X線検出器、22b,22c…スリット、23…第2
のX線出射部、24a〜24h…検出部、25…センサ
部、25a…X線源、25b,25c…ピンホールスリ
ット、25d,25e…スリット、25f〜25h…X
線検出器、25i…マイラーフィルム、30…中央処理
部、31a,31b…リニアアンプ、32a,32b…
A/D変換器、33a〜33e…モーター駆動部、34
a〜34e…モーター、35a〜35e…ロータリーエ
ンコーダー、36…加圧器駆動部、37…表示制御部、
38…表示器、39…データ入出力部、40…操作部。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タイヤの内部構造を検査するタイヤ用C
    Tスキャナ装置において、 前記タイヤの所定部分に圧力を加える加圧手段と、 X線或いはγ線等の電磁波放射線を検査対象となるタイ
    ヤに照射する放射線源と、 前記タイヤにおける所定の検出対象位置において発生し
    た散乱電磁波放射線を通過させるスリットと、 前記スリットを通過した散乱電磁波放射線のエネルギー
    を検出する検出器と、 前記照射及び検出対象位置を移動する照射及び検出対象
    位置可変手段と、 前記検出器によって検出した電磁波放射線のエネルギー
    量を前記検出対象位置の座標に対応させて記憶する記憶
    手段とを備えた、 ことを特徴とするタイヤ用CTスキャナ装置。
  2. 【請求項2】 前記加圧手段は、前記タイヤの回転軸と
    外周面の所定部分との間に圧力を加えることを特徴とす
    る請求項1記載のタイヤ用CTスキャナ装置。
  3. 【請求項3】 前記放射線源からの電磁波放射線の出射
    方向と前記スリットを通過可能な散乱電磁波放射線の方
    向とのなす角度が90度となるように、前記放射線源及
    び前記スリット並びに前記検出器が配置されていること
    を特徴とする請求項1又は2記載のタイヤ用CTスキャ
    ナ装置。
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