JPH0732752U - 磁気ヘッドの支持構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 部品点数が少なく、強震により磁気ディスク
の表面が傷つくおそれのない磁気ヘッドの支持構造を得
るにある。 【構成】 弾性変形できるフレキシャの先端部に磁気ヘ
ッド３を取付け、同フレキシャの基部を取付部材２に片
持ち的に支持する磁気ヘッドの支持構造において、前記
フレキシャを弾性変形する導電材層１ａを有したフレキ
シブルプリント基板１で製作し、前記磁気ヘッド３に接
続される信号伝達リードパターンとされる前記導電材層
１ａをフレキシブルプリント基板１の長さ方向に延長さ
せ、絶縁性ベース１ｂの表面に形成される前記信号伝達
リードパターンの表面を絶縁被覆層５で覆った磁気ヘッ
ドの支持構造。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は例えば固定ディスク装置等の磁気ヘッドの支持構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

周知のように、固定ディスク装置やミニディスク装置等においては、図３に示 すようなフレキシャＡを用いて取付部材Ｂに磁気ヘッドＣを支持する。 即ち、図３の符号”Ｂ”で示された取付部材はアクチュエータアームの一部で あり、この取付部材Ｂには弾性をもつ薄い金属板で製作するフレキシャＡの基部 ａ₁が固定ねじＤを用いて固定され、同フレキシャＡの先端部ａ₂の下面に磁気ヘ ッドＣが固定されている。

【０００３】 そして、従来の同支持構造では、前記磁気ヘッドＣに対する信号伝達のため、 一端を前記磁気ヘッドＣに接続されたフレキシブルプリント基板Ｅが前記フレキ シャＡの表面に沿って這わされ、このフレキシブルプリント基板Ｅの接続端部ｅ を前記取付部材Ｂの位置で終端させることにより、同接続端部ｅが周辺回路に接 続される。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような従来の磁気ヘッドの支持構造によると、磁気ヘッド Ｃの弾性支持のためのフレキシャＡと磁気ヘッドＣに対する信号伝達のためのフ レキシブルプリント基板Ｅを別々に製作しなければならず、部品点数が多く、組 立工程の増大により、製造原価が割高になる問題がある。

【０００５】 また、同支持構造では、磁気ヘッドＣは弾性材であるフレキシャＡにより支持 されることになり、同フレキシャＡの固有振動数の影響によりフレキシャＡが外 部から特定の振動を受けると、共振してしまい、貴重な固定ディスクＦ等の表面 が磁気ヘッドＣで傷つくおそれがある。

【０００６】 本考案の目的は、以上に述べたような従来の磁気ヘッドの支持構造の問題に鑑 み、部品点数が少なく、強震により磁気ディスクの表面が傷つくおそれのない磁 気ヘッドの支持構造を得るにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

この目的を達成するため、本考案は、弾性変形できるフレキシャの先端部に磁 気ヘッドを取付け、同フレキシャの基部を取付部材に片持ち的に支持する磁気ヘ ッドの支持構造において、前記フレキシャを弾性変形する導電材層を有したフレ キシブルプリント基板で製作し、前記磁気ヘッドに接続される信号伝達リードパ ターンとされる前記導電材層をフレキシブルプリント基板の長さ方向に延長させ 、絶縁性ベースの表面に形成される前記信号伝達リードパターンの表面を絶縁被 覆層で覆った磁気ヘッドの支持構造を提案するものである。

【０００８】

【実施例】

以下、図１及び図２について本考案の実施例の詳細を説明する。 図示例のフレキシャは弾性変形する導電材層１ａを有したフレキシブルプリン ト基板１で製作されることを特徴としている。 つまり、このフレキシブルプリント基板１は弾性変形する厚みのある鉄系導電 材層１ａをポリイミド樹脂からなる絶縁性ベース１ｂの表面に形成した特殊な構 造をもつており、同フレキシブルプリント基板１は取付部材２に固定される取付 部１Ａ、弾性変形される弾性変形部１Ｂ、下面に磁気ヘッド３を取付けられるヘ ッド取付部１Ｃとからなる。

【０００９】 本考案によるフレキシャの詳細を説明すると、フレキシブルプリント基板１の 前述した弾性変形部１Ｂ及びヘッド取付部１Ｃの表面には、前記ヘッド取付部１ Ｃの下面に取付けられる磁気ヘッド３に対する信号伝達のため、導電材層１ａで 構成された信号伝達リードパターンが形成されるけれども、これらの導電材層１ ａは、磁気ヘッド３に与えられる外力により曲げ変形を起こすように、フレキシ ャの長さ方向に延長される。 そして、基部寄りの部分の断面係数を増大させるため、長さ方向両側の絶縁性 ベース１ｂが上方に向かって直角に折曲げられてフランジ１ｃとされている。

【００１０】 また、前記導電材層１ａを取除かれる前記取付部１Ａは固定ねじ４を用いてア クチュエータアームの一部である取付部材２に固定されるが、図２に示すように 、弾性変形部１Ｂ及びヘッド取付部１Ｃの導電材層１ａの表面は前記絶縁性ベー ス１ｂと接着性のよい材料即ちポリイミド樹脂等の絶縁被覆層５により被覆され る。

【００１１】 図示実施例による磁気ヘッドの支持構造は、以上のような構造であるから、磁 気ヘッド３に外力が作用されると、フレキシャを兼用するフレキシブルプリント 基板１の導電材層１ａが弾性変形を起こすため、磁気ヘッド３を弾力的に支持で きる。 そして、同磁気ヘッドの支持構造では、導電材層１ａの表面を覆う絶縁被覆層 ５が弾性部材である導電材層１ａのダンパとして機能するので、フレキシブルプ リント基板１で構成される振動系は２次減衰振動系となり、外部振動を受けても 、磁気ヘッド３を安定的に支持できる。

【００１２】 また、本考案による磁気ヘッドの支持構造は、従来のフレキシブルプリント基 板１の加工工程と同様の工程で、フレキシャとしての機能と磁気ヘッド３に対す る信号伝達機能とを付加できるため、特別にフレキシャを制作する必要がなくな り、部品点数の削減と組立工程の単純化により製造原価を低減できる。

【００１３】

【考案の効果】

以上の説明から明らかなように、本考案においては、磁気ヘッドを弾性支持す るフレキシャを、特殊な導電材層を信号伝達リードパターンとするフレキシブル プリント基板で兼用するため、部品点数や組立工程の削減により製造原価を低減 できるばかりでなく、導電材層の表面を被覆する絶縁被覆層が振動に対する減衰 要素（ダンパ）として機能するから、耐振動性の良好な構造を得ることができる 。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による磁気ヘッドの支持構造の平面図で
ある。

【図２】図１の２−２線に沿う拡大断面図である。

【図３】従来の磁気ヘッドの支持構造の斜視図である。

【符号の説明】

１ フレキシブルプリント基板 １ａ 導電材層 １ｂ 絶縁性ベース ２ 取付部材 ３ 磁気ヘッド ５ 絶縁被覆層

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 弾性変形できるフレキシャの先端部に磁
   気ヘッドを取付け、同フレキシャの基部を取付部材に片
   持ち的に支持する磁気ヘッドの支持構造において、前記
   フレキシャを弾性変形する導電材層を有したフレキシブ
   ルプリント基板で製作し、前記磁気ヘッドに接続される
   信号伝達リードパターンとされる前記導電材層をフレキ
   シブルプリント基板の長さ方向に延長させ、絶縁性ベー
   スの表面に形成される前記信号伝達リードパターンの表
   面を絶縁被覆層で覆ったことを特徴とする磁気ヘッドの
   支持構造。