JPH0732752B2 - 自走式掃除機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、清掃機能と移動機能とを備え、床面の清掃を
行なう自走式掃除機に関するものである。

従来の技術 従来より、清掃機に移動機能を付加して清掃時の操作性
の向上を図った清掃機が開発されている。特に最近で
は、これにマイクロコンピュータと各種センサ類を搭載
することにより、清掃場所の移動を自分で判断しつつ清
掃を行なう。いわゆる自立誘導型の自走式掃除機の開発
も行なわれている。

この種の自走式掃除機では、例えば左右の走行輪にロー
タリエンコーダ等を接続して走行輪の回転数から移動距
離を計測することにより移動方向を決定し、本体の周囲
に取付けた超音波距離センサ等により障害物回避を行な
っているのが通常である。また、移動方向の計測をより
確実にするためにガスレートジャイロ等のジャイロセン
サを付加しているものもある。また、掃除機能としては
床面のゴミを吸引する電動送風機を備え、また床面を掃
く回転式のブラシを備えて清掃能力の向上を図っている
ものもある。

発明が解決しようとする問題点 一般に従来の自立誘導型の自走式掃除機では、清掃領域
の隅部での清掃のやり残しが問題になっていた。第４図
にこの様子を示す。１は従来の自走式掃除機の本体、２
は本体１の側面に取付けられた回転式のサイドブラシで
ある。本体１は下部に設けた床ノズルよりゴミを吸引
し、サイドブラシ２は回転して清掃領域の壁際３を掃き
ながら矢印Ａの方向に移動する。このとき図に示すよう
に、本体１の回転半径の関係から、４の部分にはサイド
ブラシ２が通過せず未清掃部分が残るため、この部分を
別途清掃しなければならなかったり、本体１に複雑な移
動をさせたりしなければならないという問題点があっ
た。

そこで本発明は、このような清掃領域の隅部の清掃を一
度通過するだけでほとんどやり残しなくできる自走式掃
除機を提供するものである。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決する本発明の技術的手段は、平面形状
が略円形または八角形をした本体と、この本体に設けら
れ、かつ本体を移動させる駆動装置と、清掃領域の隅部
において本体の方向を転換させる操舵装置と、前記本体
に設けられた電動送風機、フィルタ、床ノズルなどから
なる清掃装置と、本体の進行方向側の左右両側または片
側に設けられ、床面を掃くための回転ブラシを備え、こ
の回転ブラシは本体の外周面より突出したものである。

作 用 この技術的手段による作用は次のようになる。すなわ
ち、本体の平面形状を略円形または八角形として本体の
方向変換時（回転時）の最大回転半径を最小にするとと
もに、回転ブラシの本体周囲への突出をブラシのみにす
ることにより、清掃領域の隅部に入り込んでも方向変換
が可能になり、しかも回転ブラシによって壁際まで掃く
ことができるため、従来のような清掃のやり残しをほと
んどなくすことができる。

実施例 以下、本発明の実施例を添付図面にもとづいて説明す
る。

第１図，第２図において、５は自走式掃除機の本体で第
１図に示すように平面形状は略八角形をしている。6R,6
Lはそれぞれ本体５の左右に設けられた走行輪で、それ
ぞれ左右のサーボモータ，パルスモータ等からなる駆動
モータ7R,7Lと連結している。８は本体５の底面に回動
自在に取付けられた補助輪である。9R,9Lはそれぞれ本
体５の前部における左右両側に、その先端部が本体５の
全幅より突出するように設けられた回転ブラシで、それ
ぞれの回転軸9R′,9L′はその駆動部10R,10Lと接続して
矢印B,B′の方向に回転して床面を掃くよう構成されて
いる。また、この回転軸9R′,9L′および駆動部10R,10L
は本体５内に収容されている。11は床面のゴミを吸引す
るための空気吸引力を発生する電動送風機で、12はその
吸引側に配設したフィルタで、集塵室13内に位置させて
ある。この集塵室13はホース14を介して本体５の下方に
設けた床ノズル15と接続している。16は鉛蓄電池，乾電
池等の電源、17は駆動モータ7R,7Lを制御して走行およ
び操舵の制御を行なう移動制御回路である。

以上のように構成された自走式掃除機について、以下そ
の動作を説明する。

清掃領域内にこの自走式掃除機を置くと、走行輪6R,6L
が駆動モータ7R,7Lによって駆動され矢印Ｃの方向へ移
動し始める。このとき図には示されていない障害物検知
装置および位置検知装置等からの信号により移動制御回
路17を通じて駆動モータ7R,7Lが制御され、直進，停
止，方向変換などを繰返しながら清掃領域内全体を移動
する。移動中には、回転ブラシ9R,9Lの駆動部10R,10Lと
電動送風機11が起動されており、回転ブラシ9R,9Lによ
り本体５の左右周囲のゴミを床ノズル15に導くととも
に、床ノズル15よりホース14を通じて集塵室13にゴミが
集められ清掃される。

ここで、例えば第３図に示すような壁18と18′とにより
直角にはさまれた清掃領域の隅部における場合について
説明する。まず、本体５は障害物検知装置により、壁18
を検知しつつ壁18に沿って矢印Ｄの方向に移動して清掃
を行なう。このとき、回転ブラシ9Rは本体５の前部右側
にあって、かつ本体５の外周面より外方へでているので
回転ブラシ9Rにより本体５が壁18に接触することなく壁
際まで清掃される。次に、図のように本体５の前方に壁
18′が一定距離まで近づくと一但停止し、矢印Ｅの方向
へ90゜方向変換し、本体５は今度は壁18′に沿って矢印
Ｆの方向へ移動し始める。さて、本実施例では走行輪6R
と6Lを独立に駆動することができ、それぞれを反対方向
に回転させることにより方向変換を行う。したがって、
本体５は走行輪6Rと6Lの中心を結ぶ中点Ｏを中心にその
場回転（いわゆるスピンターン）することができ、しか
も本体５の平面形状は略八角形の円形に近い形状をし、
また回転ブラシ9R,9Lの回転軸9R′,9L′と駆動部10R,10
Lは本体５内に収容しているため、方向変換時の最大回
転半径Ｌはほぼ全長または全幅の２分の１になる。つま
り、壁18に沿って壁18′にかなり近づいても、本体５が
壁18や18′に接触することなく方向変換できるものであ
り、回転ブラシ9Rの通過しない未清掃部分はごくわずか
になる。また、回転ブラシ9Rはこの方向変換時に壁18,1
8′に当然接触するが、可撓性があるから大きな抵抗に
なったり、壁18,18′を傷付けたりすることはない。

なお、本実施例では本体５の方向変換時にその場回転さ
せる手段として、左右の走行輪6L,6Lをそれぞれ駆動モ
ータ7L,7Rによって独立に駆動する方法についてのみ述
べたが、例えば１輪ないしは２輪の駆動輪の方向を操舵
モータによって変える方法などでもよい。

また、本実施例では回転ブラシ9L,9Rを本体５の前部左
右両側に設けているが、壁に沿って移動するときの壁側
のみに回転ブラシを設けても良い。

発明の効果 以上のように本発明は、本体の平面形状を略円形または
八角形とするとともに、本体の進行方向側の左右両側ま
たは片側に床面を掃く回転ブラシを備え、回転ブラシは
本体の外周面より突出し、回転ブラシの回転軸および駆
動部は本体内に収容したものであるから、清掃領域の隅
部の清掃を一度通過するだけでほとんどやり残しなくで
きる自走式掃除機が提供できるものであり、その実用的
効果は大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の自走式掃除機の平面図、第
２図は同自走式掃除機の側断面図、第３図は同自走式掃
除機の清掃領域の隅部における動作を示す平面図、第４
図は従来の自走式掃除機の清掃領域の隅部における動作
を示す平面図である。 ５……本体、６……走行輪、７……駆動モータ、９……
回転ブラシ、10……駆動部、11……電動送風機、12……
フィルタ、15……床ノズル、16……電源。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】平面形状が略円形または八角形をした本体
   と、この本体に設けられ、かつ本体を移動させる駆動装
   置と、清掃領域の隅部において本体の方向を転換させる
   操舵装置と、前記本体に設けられた電動送風機、フィル
   タ、床ノズルなどからなる清掃装置と、本体の進行方向
   側の左右両側または片側に設けられ、床面を掃くための
   回転ブラシを備え、この回転ブラシは本体の外周面より
   突出した自走式掃除機。
2. 【請求項２】駆動装置は、本体の左右に設けた走行輪
   と、この左右の走行輪をそれぞれ独立に駆動する駆動モ
   ータとから構成した特許請求の範囲第１項記載の自走式
   掃除機。