JPH07325659A - 抵抗膜式ペン入力型パーソナルコンピュータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ペン型入力装置による入力時の操作性を向上
させることができる抵抗膜式ペン入力型パーソナルコン
ピュータを提供することを目的とする。 【構成】 制御部１ｈが、２ケ所の感知部からＡ／Ｄコ
ンバータ１ｆ，１ｇによって感知された上側抵抗膜１ａ
上の電圧の情報を処理して、ペン型入力装置１ｅの先端
の太さの変化を検知することによって、ペン型入力装置
１ｅのボタン１ｊが押されているか否かを認識する。こ
れにより、２ケ所の感知部からの電圧が異なる場合に
は、ペン型入力装置１ｅのボタン１ｊが押された状態と
認識し、２ケ所の感知部からの電圧が同一の場合には、
ペン型入力装置１ｅのボタン１ｊが押されていない状態
と認識する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ペン型入力装置と抵抗
膜式タッチパネルによってデータ入力を行なう抵抗膜式
ペン入力型パーソナルコンピュータに関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来の抵抗膜式ペン入力型パーソナルコ
ンピュータは、コンピュータ本体にペン型入力装置と抵
抗膜式タッチパネルが接続されており、このペン型入力
装置は抵抗膜式タッチパネル上の位置を指定するだけの
機能を有するものである。

【０００３】図５に従来の抵抗膜式ペン入力型パーソナ
ルコンピュータの構成を示す。図５において、５ａは上
側抵抗膜であり、５ｂは下側抵抗膜であり、上側抵抗膜
５ａと下側抵抗膜５ｂとを上下に重ね合わせて配置して
抵抗膜式タッチパネルを構成している。また、５ｃはプ
ラス側電極、５ｄはマイナス側電極、５ｅはペン型入力
装置、５ｆはＡ／Ｄコンバータ（Ａ／Ｄ）、５ｇは制御
部、５ｈは中央演算処理装置（ＣＰＵ）である。

【０００４】以上の構成要素からなる従来の抵抗膜式ペ
ン入力型パーソナルコンピュータについて以下に動作を
説明する。上側抵抗膜５ａ上ではプラス側電極５ｃか
ら、マイナス側電極５ｄにかけて電流が流れる。上側抵
抗膜５ａの抵抗値は均質に分布しているため、上側抵抗
膜５ａ上の任意の点の電圧は、その点のマイナス側電極
５ｄからの距離の１次関数であらわすことができる。

【０００５】実際に、ペン型入力装置によって入力を行
なう場合は、ペン型入力装置５ｅが上側抵抗膜５ａを押
し込んで変形させることによって、上側抵抗膜５ａと下
側抵抗膜５ｂとをある接触点において接触させる。これ
により、上下の抵抗膜５ａ、５ｂは電気的に導通し、下
側抵抗膜５ｂの電位は、上側抵抗膜５ａの下側抵抗膜５
ｂとの接触点と同じ電位となる。

【０００６】Ａ／Ｄコンバータ５ｆは、下側抵抗膜５ｂ
の電圧を測定し、デジタル信号に変換する。この電圧値
をもとにして、制御部５ｇは接触点とマイナス側電極の
距離を推測する。これにより、ペン型入力装置５ｅのＸ
座標を割り出す。Ｙ座標についても同様の作業によりペ
ン型入力装置５ｅのＹ座標を割り出す。

【０００７】制御部５ｇは、Ｘ、Ｙ軸の座標を割り出す
ことによって、ペン型入力装置５ｅが指定している抵抗
膜式タッチパネル上の位置（Ｘ，Ｙ座標）に対応するデ
ータ（情報）をＣＰＵ５ｈに与える。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】ペン入力型パーソナル
コンピュータにおいては、ペン型入力装置をマウス型入
力装置の代用として使用し、ペン型入力装置により、マ
ウス型入力装置と同様の入力操作、つまり、マウス型入
力装置のボタン操作と同様に、ペン型入力装置から、指
定した座標の座標値の読み込み操作を行いたいという要
望が強い。この場合、ペン型入力装置にマウス型入力装
置のボタンと同様の機能を持たせることが必要となる。

【０００９】しかしながら上記のような従来の抵抗膜式
ペン入力型パーソナルコンピュータでは、ペン型入力装
置には、座標を指定する機能はあるが、マウス型入力装
置のボタンのように、座標値をコンピュータ本体内に読
み込むための機能がないので、ペン型入力装置により指
定した座標の座標値を読み込むためには、たとえば、コ
ンピュータ本体のキー操作などが必要となる。

【００１０】これを解消して、上記の機能を実現するた
めには、ケーブルによって、ペン型入力装置と抵抗膜式
ペン入力型パーソナルコンピュータのコンピュータ本体
とを接続する等の手法を用いる必要があり、このため、
ペン型入力装置による入力時の操作性が悪化し、そのう
えコストが高くなる等の問題点を有していた。

【００１１】本発明は、このような従来の課題を解消
し、ペン型入力装置とコンピュータ本体とのケーブルに
よる接続をせずに、ペン型入力装置にマウス型入力装置
のボタンと同様の機能を持たせることができ、このため
のコストアップが防止でき、かつペン型入力装置による
入力時の操作性を向上させることができる抵抗膜式ペン
入力型パーソナルコンピュータを提供することを目的と
する。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明の抵抗膜式ペン入力型パーソナルコンピュー
タは、抵抗膜を重ね合わせて構成した抵抗膜式タッチパ
ネルの表面に、ペン型入力装置により圧力を加えて、こ
の圧力点における抵抗膜式タッチパネル表面の座標を指
定する抵抗膜式ペン入力型パーソナルコンピュータにお
いて、前記ペン型入力装置を、このペン型入力装置に設
けられたボタンの操作によって先端の太さが変化するよ
う構成し、前記抵抗膜式タッチパネルを構成する抵抗膜
のうち、少なくとも１つの抵抗膜の２ケ所に、この抵抗
膜上の電圧を感知する感知部を形成し、前記感知部によ
って感知された電圧の情報を処理して、前記ペン型入力
装置により指定された前記座標を算出するとともに、前
記ペン型入力装置の先端の太さの変化を検知する制御手
段を設けた構成とする。

【００１３】

【作用】上記の構成によると、制御部が、２ケ所の感知
部によって感知された抵抗膜上の電圧の情報を処理し
て、ペン型入力装置の先端の太さの変化を検知すること
によって、ペン型入力装置のボタンが押されているか否
かを認識する。

【００１４】以上により、２ケ所の感知部からの電圧が
異なる場合には、ペン型入力装置のボタンが押された状
態と認識し、２ケ所の感知部からの電圧が同一の場合に
は、ペン型入力装置のボタンが押されていない状態と認
識する。

【００１５】

【実施例】以下、本発明の実施例の抵抗膜式ペン入力型
パーソナルコンピュータについて図面を参照して説明す
る。

【００１６】図１は本実施例の抵抗膜式ペン入力型パー
ソナルコンピュータの構成図である。図１において、１
ａは上側の抵抗膜であり、１ｂは下側の抵抗膜であり、
上側抵抗膜１ａと下側抵抗膜１ｂとを重ね合わせて配置
し抵抗膜式タッチパネルを構成している。また、１ｃは
プラス側電極、１ｄはマイナス側電極、１ｅはペン型入
力装置であり、押下操作ができるボタン１ｊが設けられ
ている。また、１ｆおよび１ｇはそれぞれ独立して設け
られたＡ／Ｄコンバータ（Ａ／Ｄ）、１ｈは制御手段を
構成する制御部、１ｉは制御部１ｈとともに制御手段を
構成するパーソナルコンピュータの中央演算処理装置
（ＣＰＵ）である。

【００１７】上記の構成要素からなる抵抗膜式ペン入力
型パーソナルコンピュータについて以下動作を説明す
る。上側抵抗膜１ａ上では、Ｘ軸上において相対する２
ケ所の辺に、プラス側電極１ｃとマイナス側電極１ｄが
ある。プラス側電極１ｃにはプラスの電圧が、マイナス
側電極１ｄにはマイナスの電圧がそれぞれ印加され、プ
ラス側電極１ｃからマイナス側電極１ｄにかけて電流が
流れている。上側抵抗膜１ａは均質に分布しているた
め、上側抵抗膜１ａ上の任意の点の電圧はその点のマイ
ナス側電極１ｄからの距離で表すことができる。

【００１８】この上側抵抗膜１ａにペン型入力装置１ｅ
を用いて圧力を加えると、この圧力点において、上側抵
抗膜１ａは下側抵抗膜１ｂに接触して電気的に導通す
る。下側抵抗膜１ｂには、Ｘ軸上において相対する２ケ
所の辺に、Ａ／Ｄコンバータ１ｆ、１ｇが設けられてお
り、各々独立して、下側抵抗膜１ｂの電圧を計測するこ
とができる。計測された電圧は制御部１ｈによって比較
検討がなされ、この比較結果に基づいて、制御部１ｈ
は、コンピュータ本体のＣＰＵ１ｉに対して、ペン型入
力装置１ｅの座標とボタン１ｊの状態を知らせる。

【００１９】図２にペン型入力装置１ｅの詳細な構成を
示す。図２（ａ）において、２ａはペン型入力装置１ｅ
のボタン１ｊがおされていない状態を表し、２ｂはペン
型入力装置１ｅの状態２ａにおいて、先端からみたペン
先１ｋの形状である。また、図２（ｂ）において、２ｃ
はペン型入力装置１ｅのボタン１ｊがおされている状態
を表し、２ｄはペン型入力装置１ｅの状態２ｃにおい
て、先端からみたペン先１ｍの形状である。図２（ａ）
に示すように、ペン型入力装置１ｅの状態２ａでは、ペ
ン先１ｋが細くなっており、先端からみたペン先１ｋの
形状２ｂは点となる。これに対して、図２（ｂ）に示す
ように、ペン型入力装置１ｅの状態２ｃでは、ペン先１
ｍが太くなっており、先端からみたペン先１ｍの形状２
ｄは直径を持った円となる。

【００２０】ペン型入力装置１ｅの状態２ａで抵抗膜式
タッチパネルに圧力を加えると、上側抵抗膜１ａと下側
抵抗膜１ｂは点で接触する。図３に上下の抵抗膜が点で
接触している時の抵抗膜式タッチパネルの電気的な概念
図を示す。図３において、３ａは上側抵抗膜、３ｂは下
側抵抗膜、３ｃは上下抵抗膜３ａ，３ｂの接触部分、３
ｄはプラス側電極、３ｅはマイナス側電極、３ｆおよび
３ｇはＡ／Ｄコンバータ（Ａ／Ｄ）である。

【００２１】上下抵抗膜３ａ，３ｂの接触部分３ｃにお
ける電圧は、下側抵抗膜３ｂの抵抗を通して、Ａ／Ｄコ
ンバータ３ｆおよび３ｇに入力されている。この時、上
下抵抗膜３ａ，３ｂの接触部分３ｃは点であるので、Ａ
／Ｄコンバータ３ｆ，３ｇに入力される電圧は同じ値と
なる。

【００２２】ペン型入力装置１ｅの状態２ｃで抵抗膜式
タッチパネルに圧力を加えると、上側抵抗膜１ａと下側
抵抗膜１ｂは円形の面で接触する。図４に上下の抵抗膜
が面で接触している時の抵抗膜式タッチパネルの電気的
な概念図を示す。図４において、４ａは上側抵抗膜、４
ｂは下側抵抗膜、４ｃは上下抵抗膜４ａ，４ｂの接触部
分、４ｄはプラス側電極、４ｅはマイナス側電極、４ｆ
および４ｇはＡ／Ｄコンバータ、４ｈはプラス側電極４
ｄに最も近い上下抵抗膜４ａ，４ｂの接触点、４ｉはマ
イナス側電極４ｅに最も近い上下抵抗膜４ａ，４ｂの接
触点である。

【００２３】この状態では、Ａ／Ｄコンバータ４ｇに入
力される電圧は、接触部分４ｃのうちの最もＡ／Ｄコン
バータ４ｇに近い点、つまり、上側抵抗膜４ａのプラス
側電極４ｄに最も近い上下抵抗膜４ａ，４ｂの接触点４
ｈの電圧となる。また、Ａ／Ｄコンバータ４ｆに入力さ
れる電圧は、接触部分４ｃのうちの最もＡ／Ｄコンバー
タ４ｆに近い点、つまり、上側抵抗膜４ａのマイナス側
電極４ｅに最も近い上下抵抗膜４ａ，４ｂの接触点４ｉ
の電圧となる。

【００２４】このように、上下抵抗膜４ａ，４ｂが面で
接触している場合には、点で接触する場合と異なり、接
触部分４ｃはそれ自体が抵抗値を持っており、さらに、
そこに電流が流れる。このため、接触点４ｈと接触点４
ｉとの電圧は異なり、Ａ／Ｄコンバータ４ｆとＡ／Ｄコ
ンバータ４ｇとが測定する電圧も異なる。

【００２５】以上の動作により、制御部１ｈが、本体に
設けられた２つのＡ／Ｄコンバータ１ｆ，１ｇが測定し
ている電圧を比較することによって、ペン型入力装置１
ｅのボタン１ｊが押されているか否かを認識することが
できる。そのため、ペン型入力装置１ｅとコンピュータ
本体とのケーブルによる接続をせずに、ペン型入力装置
１ｅにマウス型入力装置のボタンと同様の機能を持たせ
ることができ、このためのコストアップが防止でき、か
つペン型入力装置１ｅによる入力時の操作性を向上させ
ることができる。

【００２６】尚、上記の実施例では、ペン型入力装置１
ｅのボタン１ｊを押した時にペンの先端を太くするよう
にした場合について述べているが、逆に、ボタン１ｊを
はなした時にペンの先端を太くするようにしても同様に
構成でき、この場合についても全く同様の効果がえられ
る。

【００２７】また、上記の各実施例では、抵抗膜上の接
触点の電圧を検出するための抵抗膜１ｂの他に、Ｘ座標
検出のためにＸ軸方向に電圧が印加された抵抗膜１ａの
みを配置した場合について説明したが、実際には、Ｘ軸
およびＹ軸の両座標を検出するためには、Ｙ座標検出の
ためにＹ軸方向に電圧が印加された抵抗膜も、上記実施
例と同様に重ねて配置する。

【００２８】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、制御部
が、２ケ所の感知部によって感知された抵抗膜上の電圧
の情報を処理して、ペン型入力装置の先端の太さの変化
を検知することによって、ペン型入力装置のボタンが押
されているか否かを認識する。

【００２９】以上により、２ケ所の感知部からの電圧が
異なる場合には、ペン型入力装置のボタンが押された状
態と認識し、２ケ所の感知部からの電圧が同一の場合に
は、ペン型入力装置のボタンが押されていない状態と認
識することができる。

【００３０】そのため、ペン型入力装置とコンピュータ
本体とのケーブルによる接続をせずに、ペン型入力装置
にマウス型入力装置のボタンと同様の機能を持たせるこ
とができ、このためのコストアップが防止でき、かつペ
ン型入力装置による入力時の操作性を向上させることが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例の抵抗膜式ペン入力型パーソナ
ルコンピュータの構成図

【図２】同実施例のペン型入力装置の構成図

【図３】同実施例の抵抗膜の点接触時の電気的概念図

【図４】同実施例の抵抗膜の面接触時の電気的概念図

【図５】従来の抵抗膜式ペン入力型パーソナルコンピュ
ータの構成図

【符号の説明】

１ａ 上側抵抗膜 １ｂ 下側抵抗膜 １ｅ ペン型入力装置 １ｈ 制御部 １ｉ ＣＰＵ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 抵抗膜を重ね合わせて構成した抵抗膜式
   タッチパネルの表面に、ペン型入力装置により圧力を加
   えて、この圧力点における抵抗膜式タッチパネル表面の
   座標を指定する抵抗膜式ペン入力型パーソナルコンピュ
   ータにおいて、前記ペン型入力装置を、このペン型入力
   装置に設けられたボタンの操作によって先端の太さが変
   化するよう構成し、前記抵抗膜式タッチパネルを構成す
   る抵抗膜のうち、少なくとも１つの抵抗膜の２ケ所に、
   この抵抗膜上の電圧を感知する感知部を形成し、前記感
   知部によって感知された電圧の情報を処理して、前記ペ
   ン型入力装置により指定された前記座標を算出するとと
   もに、前記ペン型入力装置の先端の太さの変化を検知す
   る制御手段を設けた抵抗膜式ペン入力型パーソナルコン
   ピュータ。