JPH07324653A - エンジンの排気還流装置 - Google Patents

エンジンの排気還流装置

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JPH07324653A
JPH07324653A JP6118251A JP11825194A JPH07324653A JP H07324653 A JPH07324653 A JP H07324653A JP 6118251 A JP6118251 A JP 6118251A JP 11825194 A JP11825194 A JP 11825194A JP H07324653 A JPH07324653 A JP H07324653A
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catalyst
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exhaust
gas recirculation
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智巳 大島
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典之 岩田
Kenya Ishii
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 吸気系や排気還流系が金属材で形成されてい
るエンジンにおいて、還流ガスがアルカリ性や酸性とな
ることによって吸気系等を腐食するという事態を防止す
る。 【構成】 吸気通路2に過給機7が設けられ、排気還流
系にEGRガスを過給機上流の吸気通路に送り込むEG
R通路21が設けられ、排気通路に還元機能を有する触
媒装置15が設けられるとともに、EGRガスのpHを
調整するpH調整手段が設けられ、このpH調整手段
は、例えば触媒上流及び触媒下流から取り出される排気
ガスを混合する通路及び混合割合調節バルブ27等によ
り、EGRガスのpHを略中性の所定範囲とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの排気還流装
置に関し、特に吸気系と排気還流系の少なくとも一方が
金属材で形成されているものにおける腐食の対策に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、エンジンのNOx発生量低減
等のために、排気通路を流れる排気ガスの一部を吸気系
に還流する排気還流装置は一般に知られている。また、
最近では過給機付エンジン等において高負荷時の燃焼温
度及び排気ガス温度の上昇を抑制するために、低温のE
GRガス(コールドEGR)を吸気系に送るようにした
ものも提案されている。
【0003】例えば特開平5−187329号公報に示
されるように、過給機付エンジンにおいて、比較的低温
の排気ガスを還流するとともに過給機下流の吸気圧力が
高い高負荷時にもEGRを可能にすべく、排気通路にお
ける触媒の下流から吸気通路における過給機より上流側
に排気ガスを還流させるEGR通路を設けた排気還流装
置が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、排気還流装
置を備えたエンジンにおいて、排気通路から吸気系に還
流される排気ガスのpH(水素イオン指数)は必ずしも
中性とならず、また、一般に吸気系や排気還流系は金属
材料で形成されているため、排気ガスの還流によって吸
気系や排気還流系を構成する金属材料が腐食するという
問題がある。とくに、上記公報に示されるように排気通
路の触媒下流から吸気通路の過給機上流側に排気ガスを
還流させるようなものにおいて、吸気系がアルミ系金属
で形成されている場合に、その腐食が生じ易い。
【0005】このような排気ガスの還流による腐食の問
題を、図1乃至図3を参照しつつ具体的に説明する。
【0006】図1は金属に接する気体または液体のpH
値と金属の腐食量との関係を、アルミ系金属と鉄系金属
とについて示しており、実線はアルミ系金属で温度が常
温である場合、破線は同じくアルミ系金属であるが温度
が80°の場合、一点鎖線は鉄系金属の場合をそれぞれ
示している。
【0007】この図のように、pHが略中性(pH値が
7程度)であればいずれの金属も殆ど腐食しないが、ア
ルミ系金属は、pH値が8程度より大きいアルカリ性と
なった場合やpH値が4程度より小さい酸性となった場
合に腐食し易く、特に80°程度の温度で腐食が顕著に
なる。また、鉄系金属はpH値が5程度より小さい酸性
となった場合に腐食し易い。
【0008】ところで、エンジンの燃焼室から排出され
た排気ガス中には窒素が酸素と結合したNOxと、燃料
やオイルに含まれる硫黄が酸素と結合したSOxとが含
まれており、このNOx及びSOxは弱酸性であるた
め、燃焼室から排出された排気ガスは酸性となってい
る。また、排気通路に三元触媒(酸化、還元の両機能を
有する触媒)が設けられている場合、排気ガスがこの触
媒を通過したときに、上記NOxは還元されてその一部
がアルカリ性のNH3 (アンモニア)に変化し、SOx
は酸化されてSO3 に変化する。そして、上記NH3
影響で触媒通過後の排気ガスのpHはアルカリ側にずれ
る傾向がある。なお、三元触媒に限らず少なくとも還元
機能を有する触媒、例えばNOx浄化触媒が設けられて
いる場合でも、排気ガスが触媒を通過するとNH3 が生
じてpHはアルカリ側にずれる。
【0009】また、排気ガスのpHには空燃比も関係す
るもので、空燃比とNOx、SOxの発生量及び触媒上
流、下流における排気ガスのpHとの関係を図2に示
す。この図のように、NOxは空燃比(A/F)が16
付近で最も多く発生し、またSOxは空燃比がリーンに
なるほど硫黄と酸素が結合し易くなることから増加す
る。これとの関係で、触媒上流における排気ガスのpH
値は7以下(酸性)となり、かつ、空燃比がリーンにな
るにつれて低くなる。理論空燃比(A/F=14.7、
λ=1)ではpH値が5.6程度である。
【0010】一方、触媒下流における排気ガスのpHは
触媒上流と比べて高い値(アルカリ側)となり、とくに
理論空燃比ではpH値が9程度に高くなる。なお、触媒
下流における排気ガスのpHは、触媒が三元触媒の場合
には理論空燃比よりもリーンになるとNOx還元機能の
低下に伴うNH3 の減少によって低下する。また、触媒
がNOx浄化触媒による場合にも、空燃比がある程度以
上リーンになるとNOx発生量の減少に伴ってpH値が
低下するが、リーンでもNOx浄化機能を有するためp
H値の低下の程度は三元触媒の場合より小さい。
【0011】さらに、排気ガスのpHには排気流量も関
係するもので、流量(排気流量ないしはこれに対応する
吸気流量)と触媒上流、下流における排気ガスのpHと
の関係(理論空燃比における場合)を図3に示す。この
図のように、流量が増大すると相対的な排気浄化率が低
下することから、触媒下流の排気ガスのpH値が低下し
て触媒上流の排気ガスのpH値に近づいてくる。
【0012】以上のような傾向から考察すると、還元機
能を有する触媒の下流から排気ガスが還流される場合、
理論空燃比で運転されていて流量がある程度までの運転
状態にあるとき、EGRガスはpH値が9程度のアルカ
リ性となるため、吸気系がアルミ系金属で形成されてい
る場合にその腐食が生じる。とくに過給機付エンジンに
おいて過給機下流にアルミ系金属からなるインタークー
ラが設けられている場合、インタークーラ内で吸気温度
が80°程度になるため、過給機上流に送り込まれたE
GRガスがインタークーラを通過することによりインタ
ークーラの腐食が生じ易くなる。
【0013】また、このようにEGRガスがアルカリ性
となることによる腐食のほかに、例えば触媒の上流から
排気ガスが還流されるような場合に運転状態等によって
はEGRガスが比較的強い酸性となることがあり、また
EGRガス中の水分が結露した場合は上記SO3 が水と
結合してH2SO4(硫酸)を生じ、凝縮水が強い酸性を
呈することがあるため、吸気系がアルミ系金属からなる
場合や排気還流系が鉄系金属からなる場合に酸による腐
食も問題となる。
【0014】このような問題の対策が従来においては充
分になされていなかった。
【0015】なお、公知技術として特開平3−7456
0号公報には、排気通路におけるNOx浄化触媒の上流
に酸化触媒を設けるとともに、両触媒の間から排気ガス
を取り出して吸気系に還流させるようにした構造が示さ
れており、この構造は両触媒の間から排気ガスを取り出
す点で後述の本発明の一つの実施例と一見似ているが、
上流側の触媒は酸化触媒であり、この公報のものではE
GRガスのpHを調整するような機能は得られない。
【0016】本発明は、上記の事情に鑑み吸気系や排気
還流系が金属材で形成されているエンジンにおいて、還
流ガスがアルカリ性や酸性となることによって吸気系等
を腐食するといった事態を確実に防止することができる
エンジンの排気還流装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、エンジンの排気通路を流れる排気ガスの
一部を排気還流通路を介して吸気系に還流する排気還流
系を具備し、上記吸気系と排気還流系の少なくとも一方
が金属材で形成されているエンジンにおいて、上記排気
通路から吸気系へ還流される還流ガスのpHを略中性の
所定範囲に調整するpH調整手段を設けたものである
(請求項1)。
【0018】この発明は、例えば吸気系がアルミ系金属
材で形成されている場合に有効である(請求項2)。さ
らに、吸気系に過給機が設けられ、排気還流系は、還流
ガスを吸気系の上記過給機より上流に送り込む排気還流
通路を有している場合に効果的である(請求項3)。上
記pH調整手段は還流ガスのpH値を6から8までの範
囲に調整するものであることが好ましい(請求項4)。
【0019】またこの発明は、排気還流系が鉄系金属材
で形成されている場合にも有効である(請求項5)。
【0020】この発明において、排気通路に少なくとも
還元機能を有する触媒が設けられ、pH調整手段は、上
記触媒より上流側から排気ガスを排気還流通路に導く上
流側排気ガス取出し部と、上記触媒より下流側から排気
ガスを排気還流通路に導く下流側排気ガス取出し部と、
上記両排気ガス取出し部からの排気ガスの混合割合を調
整する混合割合調整手段とからなるものであることが好
ましい(請求項6)。この場合に、上記混合割合調整手
段は、排気ガスの流量に応じて上記混合割合を変更もの
であること(請求項7)が好ましく、また燃焼室に供給
される混合気の空燃比に応じて上記混合割合を変更する
ものであること(請求項8)が好ましい。
【0021】pH調整手段の別の構成例としては、排気
通路に、第1の触媒と、その下流に位置する第2の触媒
とが設けられ、両触媒は少なくとも還元機能を有し、か
つ、排気還流が行われる所定運転域において上記両触媒
の中間で排気ガスのpHが略中性となるように第1の触
媒の容量が設定されるとともに、排気ガスを排気還流通
路に導く排気ガス取出し部が上記両触媒の中間に設けら
れることにより、pH調整手段が構成される(請求項
9)。
【0022】あるいは、排気通路に少なくとも還元機能
を有する触媒が設けられ、排気ガスを排気還流通路に導
く排気ガス取出し部が上記触媒の下流に設けられるとと
もに、排気ガス流量が少ない運転域で上記触媒の上流に
二次エアを供給する二次エア供給手段が設けられること
により、pH調整手段が構成される(請求項10)。
【0023】あるいは、排気還流が行われる所定運転域
において燃焼室に供給される混合気の空燃比がリーン側
の所定範囲に設定されるとともに、空燃比がリーンの状
態でもNOx浄化性能を有するNOx浄化触媒が排気通
路に設けられ、かつ、排気ガスを排気還流通路に導く排
気ガス取出し部が上記NOx浄化触媒より下流に設けら
れることにより、pH調整手段が構成される(請求項1
1)。この場合に好ましくは、吸気系に過給機が設けら
れ、過給域で吸気系の過給機より上流に還流ガスが送り
込まれ、かつ、この過給域で混合気の空燃比がリーン側
の所定範囲に設定される(請求項12)。
【0024】あるいは、排気通路に少なくとも還元機能
を有する触媒が設けられ、排気ガスを排気還流通路に導
く排気ガス取出し部が上記触媒の下流に設けられるとと
もに、燃焼室に供給される混合気の空燃比を、排気ガス
流量に応じて上記触媒の下流で排気ガスのpHが略中性
となるように変更する空燃比制御手段が設けられること
により、pH調整手段が構成される(請求項13)。
【0025】
【作用】本発明によると、上記pH調整手段によって還
気ガスのpHが略中性に調整されることにより、金属材
料からなる吸気系もしくは排気還流系が還流ガスで腐食
されることが防止される。
【0026】例えば吸気系がアルミ系金属で形成されて
いる場合は、還流ガスがアルカリ性あるいは酸性となる
ことで吸気系が腐食するといった事態が避けられる。と
くに過給機付エンジンにおいて高負荷時に低温の排気ガ
スを還流して排気温度の上昇防止等を図るべく、吸気系
の過給機より上流に還流ガスが送り込まれる場合に、還
流ガスがアルカリ性等になることと過給により吸気温度
が上昇することとで腐食が生じ易くなるという傾向が、
上記pH調整手段による調整作用で充分に防止される。
【0027】還流ガスのpHが6から8までの範囲に調
整されれば、有効に腐食が防止される。
【0028】また、排気還流系が鉄系金属で形成されて
いる場合は、還流ガスが酸性となることで排気還流系の
腐食するといった事態が避けられる。
【0029】pH調整手段が請求項6に記載のように構
成されていると、還元機能を有する触媒の上流側で排気
ガスが酸性、上記触媒の下流側で排気ガスがアルカリ性
となっている状況下において、触媒上流の排気ガスと触
媒下流の排気ガスとが混合されることで略中性の還流ガ
スが得られる。この場合に、上記混合割合を排気ガスの
流量に応じて変更すれば、流量の異なる種々の運転状態
において還流ガスを略中性とすることができる。また、
混合気の空燃比に応じて上記混合割合を変更すれば、運
転状態等によって空燃比が変わっても還流ガスを略中性
とすることができる。
【0030】また、pH調整手段が請求項9に記載のよ
うに構成されていると、第1,第2の触媒の両方によっ
てNOxを浄化する作用が充分に得られつつ、第1の触
媒ではNOxを浄化する作用がある程度にとどめられる
ことにより、第1の触媒の上流で排気ガスが酸性、第2
の触媒の下流で排気ガスがアルカリ性の状態において、
両触媒間で排気ガスが略中性となり、これが還流ガスと
して取り出される。
【0031】また、pH調整手段が請求項10に記載の
ように構成されていると、前記の図3中に示したように
排気ガス流量が少ないときに触媒の下流の排気ガスのp
H値が高くなる傾向があるのに対し、触媒上流に二次エ
アを供給すれば排気ガスの状態は空燃比をリーンにした
場合と同等となることから触媒の下流の排気ガスのpH
値が低下する傾向が生じ、これらの傾向が互いに打ち消
しあって触媒下流の排気ガスが略中性となる状態が得ら
れ、これが還流ガスとして取り出される。
【0032】また、pH調整手段が請求項11に記載の
ように構成されていると、前記の図2中に示したように
NOx浄化用触媒を用いた場合に空燃比がリーンであれ
ば触媒下流で排気ガスが略中性となる状態が得られるこ
とから、これがEGRガスとして取り出される。とくに
過給機付エンジンにおいて過給域で空燃比がリーン側に
されると、触媒下流から略中性でかつ比較低温の排気ガ
スが還流ガスとして取り出される。
【0033】また、pH調整手段が請求項13に記載の
ように構成されていると、前記の図2及び図3に示した
ように触媒下流の排気ガスのpH値は空燃比と排気ガス
流量とによってそれぞれ変わることから、排気ガス流量
に応じた空燃比の調整により触媒下流の排気ガスが略中
性となる状態が得られ、これが還流ガスとして取り出さ
れる。
【0034】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図4は本発明の第1の実施例によるpH調整手段が設け
られた排気還流装置の概略を示し、この図において、1
はエンジン本体、2は吸気通路、3は排気通路である。
【0035】上記吸気通路2には、上流側から順にエア
クリーナ4、エアフローメータ5、スロットル弁6、過
給機7、インタークーラ8、サージタンク9、燃料噴射
弁10が配設されている。上記過給機7は、図示の例で
はリショルム型過給機等の機械的過給機とされ、図外の
ベルト等の伝動手段及び電磁クラッチ等を介してエンジ
ン出力軸により機械的に駆動されるようになっている。
また、上記吸気通路2には、上記過給機7をバイパスす
るバイパス通路11が付設され、このバイパス通路11
にエンジン負荷等に応じて開閉するバイパスバルブ12
が介設されている。
【0036】このようにして吸気系が構成され、この吸
気系は、吸気管やインタークーラ8等がアルミ系の金属
で形成されている。
【0037】また、上記排気通路3には、その途中に触
媒装置15が設けられ、さらに排気通路下流側にサイレ
ンサ16が設けられている。上記触媒装置15は、少な
くとも還元機能を有する触媒からなり、例えば酸化、還
元の両機能を有する三元触媒からなっている。
【0038】上記吸気通路2と排気通路3との間には、
排気通路3を流れる排気ガスの一部を吸気系に還流する
排気還流系が設けられている。この排気還流系はEGR
通路(排気還流通路)を有し、当実施例では、第1EG
R通路21と第2EGR通路22とを有している。
【0039】上記第1EGR通路21は、EGRガス
(還流ガス)を吸気系の上記過給機7より上流に送り込
むものであり、例えばスロットル弁6と過給機7との間
の吸気通路2に出口側端部が接続されている。また、第
2EGR通路22は、吸気系における上記過給機7より
下流側の部分、例えばサージタンク9に出口側端部が接
続されている。上記各EGR通路21,22の入口側
は、後述のように排気ガス取出し部25A,25Bに通
路26A,26Bを介して接続されている。
【0040】上記各EGR通路21,22にはそれぞれ
EGRバルブ23,24が設けられている。そして、エ
ンジンの運転状態に応じて上記各EGRバルブ23,2
4が作動されることにより、吸気圧力が低い低負荷域で
は第2EGR通路22から排気還流が行われ、吸気圧力
が高くなる高負荷域(過給領域)では第1EGR通路2
1から排気還流が行われるようになっている。
【0041】上記排気還流系に対し、EGRガスのpH
を略中性の所定範囲に調整するpH調整手段が設けられ
ている。このpH調整手段は、当実施例では、上記触媒
装置15より上流側から排気ガスをEGR通路に送る上
流側排気ガス取出し部25Aと、上記触媒装置15より
下流側から排気ガスをEGR通路に送る下流側排気ガス
取出し部25Bと、上記両排気ガス取出し部25A,2
5Bからの排気ガスの混合割合を調整する混合割合調整
手段とからなり、具体的には次のように構成されてい
る。
【0042】すなわち、上記排気通路3における触媒装
置15の上流側と下流側とにそれぞれ排気ガス取出し部
25A,25Bが開設され、この両ガス取出し部25
A,25Bにそれぞれ通路26A,26Bが連結される
とともに、これらの通路26A,26Bが相互に連結さ
れている。そして、通路26A,26Bが連結された部
分に第1EGR通路21が接続され、かつ通路26Aに
第2EGR通路22が接続されている。
【0043】また、上流側ガス取出し部25AとEGR
通路接続部分との間の通路25Aには、混合割合調整手
段としての混合割合調節バルブ27が設けられている。
この混合割合調節バルブ27は、アクチュエータ28に
より作動され、全閉から全開にまでわたって開度変化す
るようになっている。上記アクチュエータ28による混
合割合調節バルブ27の作動はコントロールユニット
(ECU)30により吸入空気量等に応じて制御され、
これによって後に詳述する如く、EGRガスのpHが略
中性の所定範囲内となるように、上記ガス取出し部25
A,25Bからのガスの混合割合が調節されるようにな
っている。
【0044】このようにしてpH調整手段が構成されて
いる。
【0045】なお、上記コントロールユニット30は、
上記エアフローメータ5とスロットル開度センサ31、
エンジン回転数センサ32、O2 センサ33等からの信
号を受け、上記燃料噴射弁10等を制御するとともに、
上記混合割合調節バルブ27のアクチュエータ28を制
御するようになっている。
【0046】以上のような当実施例の排気還流装置の作
用を説明する。
【0047】排気還流系においては、運転状態に応じて
排気ガスの還流が行われ、当実施例では、低負荷時には
EGRガスが第2EGR通路22を通って吸気系の下流
側に送り込まれ、一方、高負荷時にはEGRガスが第1
EGR通路21を通って吸気系の過給機7より上流側に
送り込まれる。こうして、過気圧が高くなる高負荷時に
も排気ガスの還流が行われることにより、NOx低減な
どの作用に加えて高負荷時のノッキングや排気温度の上
昇が抑制される。
【0048】このように排気ガスの還流が行われるとき
に、排気通路3における触媒装置15の上流側及び下流
側に設けられた各排気ガス取出し部25A,25Bから
取り出される排気ガスが混合され、かつその混合割合が
混合割合調節バルブ27によって調整されることによ
り、EGRガスのpHが略中性の所定範囲に調整され
る。
【0049】すなわち、例えば理論空燃比で運転されて
いる場合に、前述のように排気ガス流量が著しく増加し
ない限りは触媒装置15の上流側で排気ガスが酸性、触
媒装置15の下流側で排気ガスがアルカリ性となるが、
これらのガスを混合したガスのpHは上記上流側、下流
側の各排気ガスのpHの中間的な値となり、混合割合を
調整することによって略中性のガスが得られる。そし
て、少なくとも上記第1EGR通路21から排気ガスの
還流が行われる運転域で、上記のようにEGRガスのp
Hが調整されることにより、このEGRガスが過給機上
流に送り込まれて吸気通路2を流下していくときに、ア
ルミ系金属からなるインタークーラ8等が腐食するとい
った事態が防止される。
【0050】また、EGRガスが略中性であることによ
り、鉄系金属からなる排気還流系の腐食も防止される。
【0051】上記EGRガスのpHは、図2,図3中に
示したように6から8までの範囲に調整されることが望
ましい。つまり、アルミ系金属(及び鉄系金属)の腐食
を防止のためには図1に示すようにpH値の上限側は8
程度までとすることが好ましく、また、pH値の下限側
はこの図によると4程度以上であればよいことになる
が、EGRガスが排気還流系、吸気系を通る間に前述の
ように結露、凝縮によって酸性が強まることがあるの
で、これを考慮するとEGRガスのpH値は6以上とす
ることが好ましい。
【0052】上記混合割合調節バルブ27による調整の
仕方の一例に示すと、理論空燃比で運転されている場合
に、少なくとも上記第1EGR通路21から排気ガスの
還流が行われる運転域で、前述の図3に示す排気ガスの
pHと流量との関係に対応するように、エアフローメー
タ5で検出される吸気流量に応じて混合割合調節バルブ
27の開度が図5のように変えられる。つまり、触媒下
流側から取り出される排気ガスのpHが9程度のアルカ
リ性となる比較的低流量側では、混合割合調節バルブ2
7が略全開とされることにより、触媒上流側からの排気
ガスの混合割合が比較的多くされる。そして、流量が増
加して触媒下流側からの排気ガスのpHが低下するにつ
れ、混合割合調節バルブ27の開度が小さくされること
により触媒上流側からの排気ガスの混合割合が少なくさ
れ、触媒下流側からの排気ガスのpHが7となる流量Q
a以上では混合割合調節バルブ27が全閉とされる。
【0053】このようにすると、EGRガスのpHが適
正に調整されるとともに、高流量側ほど、触媒上流側と
比べて低温の触媒下流側から取り出される排気ガスの割
合が増加することにより、高流量側でEGRガス温度を
低くして燃焼温度や排気温度の上昇を抑制する作用も高
められることとなる。
【0054】また、運転状態に応じて燃焼室に供給され
る混合気の空燃比が変えられ場合には、図2に示すよう
な傾向に対応して、EGRガスが略中性となるように空
燃比に応じて上記混合割合調節バルブ27の開度を変化
させるようにしてもよい。
【0055】なお、上記実施例では、排気還流系に第1
EGR通路21と第2EGR通路22とを設けている
が、第2EGR通路22を省略し、吸気系の過給機上流
にEGRガスを送り込むEGR通路21のみを設けてお
いてもよい。
【0056】また、上記実施例では、上記両排気ガス取
出し部25A,25Bに連なる通路26A,26Bのう
ちで上流側排気ガス取出し部25Aに連なる通路26A
に混合割合調節バルブ27が設けられているが、下流側
排気ガス取出し部25Bに連なる通路26Bに混合割合
調節バルブを設けてもよい。このようにする場合、通路
26Bの断面積を通路26Aの断面積よりも大きくする
とともに、低流量側の運転領域では混合割合調節バルブ
の開度を小さくし、高流量側の運転領域では混合割合調
節バルブの開度を大きくすればよい。
【0057】図6はpH調整手段の別の実施例を示す。
この実施例では、排気通路3に設けられる触媒装置30
が、第1の触媒31と、その下流に位置する第2の触媒
32とに分割されている。この両触媒31,32はとも
に還元機能を有する触媒、例えば三元触媒である。そし
て、両触媒31,32の中間で排気ガスのpHが略中性
となるように第1の触媒31の容量が設定され、つまり
第1の触媒31の還元機能はある程度にとどめられてお
り、その還元機能の不足分は第2の触媒32により補わ
れて、両触媒31,32で要求される還元機能が達成さ
れるようになっている。
【0058】上記両触媒の中間には排気ガス取出し部3
3が設けられ、この排気ガス取出し部33にEGR通路
34が接続されている。
【0059】このようにpH調整手段を構成した場合で
も、EGRガスのpHが略中性の所定範囲に調整され、
吸気系等の腐食が防止される。すなわち、図7に示すよ
うに、両触媒31,32の中間における排気ガスのpH
は、上流側の排気ガスのpH値と下流側の排気ガスのp
H値との間の値となり、上記第1の触媒31の容量を適
度に設定することにより、大部分の運転域で両触媒3
1,32の中間位置における排気ガスのpHを略中性と
することができる。そして、この部分の略中性の排気ガ
スがEGRガスとして上記排気ガス取出し部33からE
GR通路34を経て吸気系に還流され、排気還流系や吸
気系の腐食が防止される。
【0060】図8はpH調整手段のさらに別の実施例を
示す。この実施例では、排気通路途中に主触媒装置41
が設けられるとともに、これより上流の、エンジン本体
1に近い部位に補助触媒装置42が設けられ、この両触
媒装置41,42の間に排気ガス取出し部43が設けら
れている。上記両触媒装置41,42はともに還元機能
を有する触媒、例えば三元触媒からなっているが、補助
触媒装置42は始動時等に有効に機能するように主触媒
装置41よりも容量が小さくされている。
【0061】また、上記補助触媒装置42をバイパスす
るバイパス通路45と、この通路45を開閉する制御弁
46が設けられいる。そして、排気温度が低いときには
上記制御弁46が閉じられ、排気温度が高くなると上記
制御弁46が開かれて排気ガスがバイパス通路45に流
れることにより補助触媒装置42の熱負荷が軽減される
ようになっている。
【0062】上記排気ガス取出し部43は、補助触媒装
置42の下流の排気通路3に対するバイパス通路45の
合流箇所に設けられており、この排気取出し部43にE
GR通路44が接続されている。
【0063】この実施例による場合も、還元機能を有す
る2つの触媒41,42の間から排気ガスが取り出され
て還流されることにより、EGRガスのpHを略中性に
調整する作用が得られる。とくに、上記バイパス通路4
5及び制御弁46を利用してpHを調整することもでき
る。
【0064】図9はpH調整手段のさらに別の実施例を
示す。この実施例では、排気通路3に、三元触媒等の還
元機能を有する触媒からなる主触媒装置51と、その上
流側に位置する補助触媒装置52とが設けられるととも
に、その主触媒装置51の下流に排気ガス取出し部53
が設けられて、この排気ガス取出し部53にEGR通路
54が接続されている。また、上記主触媒装置51の上
流側に二次エア通路55が接続され、この二次エア通路
55に二次エア調節バルブ56が設けられている。
【0065】この実施例では、上記二次エア調節バルブ
56が図外の制御手段によって制御されることにより、
主触媒装置51の上流に供給される二次エア量が吸気流
量(排気流量)に応じて図10に示すように調節され、
これによってEGRガスのpHが略中性に調整される。
【0066】すなわち、理論空燃比で運転されているよ
うな場合に、前述のように比較的低流量側では触媒下流
の排気ガスのpHが高くなり、一方、触媒上流に二次エ
アを供給すると、触媒を通過する排気ガスは空燃比をリ
ーンにした場合と同様となるので触媒下流の排気ガスの
pHが低下する傾向が生じる(図2参照)。従って、図
3に示した触媒下流の排気ガスのpHと流量との関係に
対応して、図10のように、比較的低流量側では二次エ
ア量が多くされ、流量の増大につれて二次エア量が減少
され、触媒下流側からの排気ガスのpHが7となる流量
Qa以上では二次エア供給が停止されることにより、触
媒下流の排気ガスのpHを略中性とすることができる。
【0067】そして、このようにした上で主触媒装置5
1の下流の略中性となった排気ガスが取り出され吸気系
に還流されることにより、排気ガス還流系及び吸気系の
腐食が防止される。
【0068】なお、この実施例において、さらに図9に
二点鎖線で示すように、触媒上流から排気ガスを取り出
して触媒下流からの排気ガスに混合させる通路57と、
その触媒上流からの排気ガスの混合割合を調整するバル
ブ58とを設け、この混合割合の調整と上記二次エア量
の調整とを併用することにより、EGRガスのpHを略
中性の所定範囲に調整するようにしてもよい。このよう
にすれば排気流量等の広範囲にわたる変化に対して充分
にpHの調整機能を持たせることができる。
【0069】図11はpH調整手段のさらに別の実施例
を示す。この実施例では、空燃比がリーンの状態でもN
Ox浄化機能を維持するNOx浄化触媒61が排気通路
に設けられ、その下流に排気ガス取出し部62が設けら
れて、この排気ガス取出し部62にEGR通路63が接
続されるとともに、コントロールユニット30により、
空燃比がリーン側の所定範囲となるように燃料噴射弁1
0からの燃料噴射量がコントロールされている。
【0070】この実施例によっても、EGRガスのpH
が略中性の所定範囲とされる。
【0071】すなわち、前述の図2中に示すように、還
元機能を有する触媒の下流における排気ガスのpH値
は、理論空燃比付近で高い値(アルカリ性)となり、空
燃比がリーンになると低下するが、特にNOx浄化触媒
61を用いた場合には、空燃比がリーンになってもNO
xを還元する作用を維持することから、三元触媒と比べ
るとリーン側でのpH値の低下の度合が緩やかとなる。
そして、空燃比がリーン側の所定範囲にあれば、NOx
浄化触媒61の下流の排気ガスのpH値は略中性の好ま
しい範囲(6〜8)となる。
【0072】従って、空燃比がリーン側の所定範囲とさ
れ、かつ、NOx浄化触媒61の下流から排気ガスが取
り出されることにより、略中性のEGRガスが得られて
排気還流系及び吸気系の腐食が防止される。その上、こ
のように空燃比がリーンとされ、かつ、NOx浄化触媒
61が用いられることにより、燃費が向上されるととも
にNOx低減により一層有利となる。
【0073】また、この実施例のpH調整手段を過給機
付エンジンに適用する場合、過給域でも混合気の空燃比
をリーンにし、かつ、少なくとも過給域で、上記NOx
浄化触媒61の下流から取り出したEGRガスをEGR
通路63を通して吸気系の過給機より上流に送り込むよ
うにすればよい。こうすることにより、高負荷域(過給
域)において、NOx浄化触媒61の下流からの比較的
低温のEGRガスが吸気系に送り込まれて、ノッキング
や排気温度の上昇が抑制され、しかも、上記のようにE
GRガスが略中性となって吸気系等の腐食が防止される
とともに、燃費向上及びNOxの低減が図られることと
なる。
【0074】さらにpH調整手段の別の実施例として、
排気還流装置の図示は省略するが、還元機能を有する触
媒が設けられた排気通路における上記触媒の下流に排気
ガス取出し部を設けるとともに、コントロールユニット
によって燃料噴射量を制御することにより、図12に示
すように流量(排気流量もしくはこれに対応する吸気流
量)に応じて空燃比を制御し、これによって触媒下流の
排気ガスのpHを略中性に調整するようにしてもよい。
【0075】すなわち、前述の図2,図3に示すよう
に、触媒下流の排気ガスのpH値は、理論空燃比付近で
高くてリーン側で低下する傾向があるとともに、低流量
側では高くて流量が増加すると低下する傾向があること
から、図12のように低流量側では空燃比をリーンに
し、流量の増加につれて理論空燃比程度まで空燃比をリ
ッチ側に変更していくようにすれば、触媒下流の排気ガ
スのpH値を略中性とすることができる。従って、この
ように空燃比を制御しつつ、触媒下流から排気ガスを取
り出すことにより、EGRガスのpHを略中性とするこ
とができる。
【0076】なお、このような流量に応じた空燃比の制
御は、前記各種実施例のpH調整手段と組み合わせて用
いるようにしてもよい。
【0077】
【発明の効果】以上のように本発明は、上記吸気系と排
気還流系の少なくとも一方が金属材で形成されているエ
ンジン、例えば吸気系がアルミ系金属で形成されている
ものや排気還流系が鉄系金属で形成されているようなエ
ンジンにおいて、上記排気通路から吸気系へ還流する還
流ガスのpHを略中性の所定範囲に調整するpH調整手
段を設けているため、還流ガスがアルカリ性または酸性
となることによって吸気系や排気還流系が腐食するとい
った事態を防止し、吸気系等の耐久性を高めることがで
きる。
【0078】とくに、吸気系に過給機が設けられるとと
もに、高負荷域で低温の排気ガスを還流することで排気
温度上昇等を抑制すべく、還流ガスを吸気系の上記過給
機より上流に送り込むように排気還流系が形成されてい
る場合に、上記pH調整手段によって還流ガスのpHを
略中性とすることで、過給機やその下流の吸気系に設け
られる機器等の腐食を有効に防止することができる。
【0079】この発明において、排気通路に設けられた
還元機能を有する触媒の上流側及び下流側からそれぞれ
排気ガスを取り出してこれらを混合するようにするとと
もに、その混合を調整するようにすれば、触媒上流で排
気ガスが酸性、触媒下流で排気ガスがアルカリ性なって
いる状況下において、効果的に略中性の還流ガスを得る
ことができる。
【0080】また、それぞれ還元機能を有する第1,第
2の触媒を排気通路に設けて、上記両触媒の中間で排気
ガスのpHが略中性となるように第1の触媒の容量を設
定するとともに、両触媒の中間に排気ガス取出し部を設
けるようにしても、効果的に略中性の還流ガスを得るこ
とができる。
【0081】また、還元機能を有する触媒の下流に排気
ガス取出し部を設けるとともに、排気ガス流量が少ない
運転域で上記触媒の上流に二次エアを供給するようにし
ても、効果的に略中性の還流ガスを得ることができる。
【0082】また、燃焼室に供給される混合気の空燃比
をリーン側の所定範囲に設定するとともに、空燃比がリ
ーンの状態でもNOx浄化性能を維持するNOx浄化触
媒を排気通路に設けて、その下流に排気ガス取出し部を
設けるようにしても、効果的に略中性の還流ガスを得る
ことができる。
【0083】また、還元機能を有する触媒の下流に排気
ガス取出し部を設けるとともに、空燃比を排気ガス流量
に応じ、上記触媒の下流で排気ガスのpHが略中性とな
るように変更するようにしても、効果的に略中性の還流
ガスを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルミ系金属及び鉄系金属の腐食量とpH値と
の関係を示す図である。
【図2】排気通路に還元機能を有する触媒が設けられて
いる場合の触媒上流及び触媒下流の排気ガスのpH値と
混合気の空燃比との関係を示す図である。
【図3】排気通路に還元機能を有する触媒が設けられて
いる場合の触媒上流及び触媒下流の排気ガスのpH値と
排気ガスの流量との関係を示す図である。
【図4】本発明の一実施例による排気還流装置全体の概
略図である。
【図5】図4に示す装置における混合割合調節バルブの
吸気流量に応じた開度変化を示す図である。
【図6】排気還流装置におけるpH調整手段の別の実施
例を示す要部の概略図である。
【図7】図6に示すpH調整手段による場合の排気ガス
のpHを示す図である。
【図8】排気還流装置におけるpH調整手段のさらに別
の実施例を示す要部の概略図である。
【図9】排気還流装置におけるpH調整手段のさらに別
の実施例を示す要部の概略図である。
【図10】図9に示すpH調整手段による場合の吸気流
量に応じた二次エア量の変化を示す図である。
【図11】排気還流装置におけるpH調整手段のさらに
別の実施例を示す要部の概略図である。
【図12】排気還流装置におけるpH調整手段のさらに
別の実施例として吸気流量に応じて空燃比を制御する場
合の、吸気流量に応じた空燃比の変化を示す図である。
【符号の説明】
1 エンジン本体 2 吸気通路 3 排気通路 7 過給機 15,30,41,42,51,52,61 触媒装置 21,22,34,44,54,63 EGR通路 25A,25B,33,43,53,62 排気ガス取
出し部 55 二次エア通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩田 典之 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 石井 賢也 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの排気通路を流れる排気ガスの
    一部を排気還流通路を介して吸気系に還流する排気還流
    系を具備し、上記吸気系と排気還流系の少なくとも一方
    が金属材で形成されているエンジンにおいて、上記排気
    通路から吸気系へ還流される還流ガスのpHを略中性の
    所定範囲に調整するpH調整手段を設けたことを特徴と
    するエンジンの排気還流装置。
  2. 【請求項2】 吸気系がアルミ系金属材で形成されてい
    る請求項1記載のエンジンの排気還流装置。
  3. 【請求項3】 吸気系に過給機が設けられ、排気還流系
    は、還流ガスを吸気系の上記過給機より上流に送り込む
    排気還流通路を有している請求項2記載のエンジンの排
    気還流装置。
  4. 【請求項4】 pH調整手段は還流ガスのpH値を6か
    ら8までの範囲に調整するものである請求項2または3
    に記載のエンジンの排気還流装置。
  5. 【請求項5】 排気還流系が鉄系金属材で形成されてい
    る請求項1乃至4のいずれかに記載のエンジンの排気還
    流装置。
  6. 【請求項6】 排気通路に少なくとも還元機能を有する
    触媒が設けられ、pH調整手段は、上記触媒より上流側
    から排気ガスを排気還流通路に導く上流側排気ガス取出
    し部と、上記触媒より下流側から排気ガスを排気還流通
    路に導く下流側排気ガス取出し部と、上記両排気ガス取
    出し部からの排気ガスの混合割合を調整する混合割合調
    整手段とからなる請求項1乃至5のいずれかに記載のエ
    ンジンの排気還流装置。
  7. 【請求項7】 上記混合割合調整手段は、排気ガスの流
    量に応じて上記混合割合を変更するものである請求項6
    記載のエンジンの排気還流装置。
  8. 【請求項8】 上記混合割合調整手段は、燃焼室に供給
    される混合気の空燃比に応じて上記混合割合を変更する
    ものである請求項6または7記載のエンジンの排気還流
    装置。
  9. 【請求項9】 排気通路に、第1の触媒と、その下流に
    位置する第2の触媒とが設けられ、両触媒は少なくとも
    還元機能を有し、かつ、排気還流が行われる所定運転域
    において上記両触媒の中間で排気ガスのpHが略中性と
    なるように第1の触媒の容量が設定されるとともに、排
    気ガスを排気還流通路に導く排気ガス取出し部が上記両
    触媒の中間に設けられることにより、pH調整手段が構
    成されている請求項1乃至5のいずれかに記載のエンジ
    ンの排気還流装置。
  10. 【請求項10】 排気通路に少なくとも還元機能を有す
    る触媒が設けられ、排気ガスを排気還流通路に導く排気
    ガス取出し部が上記触媒の下流に設けられるとともに、
    排気ガス流量が少ない運転域で上記触媒の上流に二次エ
    アを供給する二次エア供給手段が設けられることによ
    り、pH調整手段が構成されている請求項1乃至5のい
    ずれかに記載のエンジンの排気還流装置。
  11. 【請求項11】 排気還流が行われる所定運転域におい
    て燃焼室に供給される混合気の空燃比がリーン側の所定
    範囲に設定されるとともに、空燃比がリーンの状態でも
    NOx浄化性能を有するNOx浄化触媒が排気通路に設
    けられ、かつ、排気ガスを排気還流通路に導く排気ガス
    取出し部が上記NOx浄化触媒より下流に設けられるこ
    とにより、pH調整手段が構成されている請求項1乃至
    5のいずれかに記載のエンジンの排気還流装置。
  12. 【請求項12】 吸気系に過給機が設けられ、過給域で
    吸気系の過給機より上流に還流ガスが送り込まれ、か
    つ、この過給域で混合気の空燃比がリーン側の所定範囲
    に設定されている請求項11記載のエンジンの排気還流
    装置。
  13. 【請求項13】 排気通路に少なくとも還元機能を有す
    る触媒が設けられ、排気ガスを排気還流通路に導く排気
    ガス取出し部が上記触媒の下流に設けられるとともに、
    燃焼室に供給される混合気の空燃比を、排気ガス流量に
    応じて上記触媒の下流で排気ガスのpHが略中性となる
    ように変更する空燃比制御手段が設けられることによ
    り、pH調整手段が構成されている請求項1乃至5のい
    ずれかに記載のエンジンの排気還流装置。
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