JPH07324643A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents
内燃機関の燃料噴射制御装置Info
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- JPH07324643A JPH07324643A JP6119161A JP11916194A JPH07324643A JP H07324643 A JPH07324643 A JP H07324643A JP 6119161 A JP6119161 A JP 6119161A JP 11916194 A JP11916194 A JP 11916194A JP H07324643 A JPH07324643 A JP H07324643A
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- engine
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- Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
- Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 エンジンの暖機中において壁流に起因するエ
ンジンの安定度の変動を抑制する。 【構成】 機関の運転条件を検出する手段50と、前記
機関の運転条件に応じて燃料噴射量を算出する手段51
と、機関の安定度TRFSUMを検出する手段53と、
前記安定度TRFSUMの検出結果に応じて暖機中の燃
料噴射量を増減補正する暖機時燃料噴射量補正手段54
と、暖機時燃料噴射量補正手段54に基づいて前記燃料
噴射量を補正する手段52とを備えてなる内燃機関にお
いて、予め設定した禁止時間TDLYの間だけ安定度T
RFSUMに基づく燃料噴射量補正を中止する制御禁止
手段56と、前記禁止時間TDLYが経過するたびに安
定度TRFSUMに基づく燃料噴射量補正を繰り返す制
御手段55とを備える。
ンジンの安定度の変動を抑制する。 【構成】 機関の運転条件を検出する手段50と、前記
機関の運転条件に応じて燃料噴射量を算出する手段51
と、機関の安定度TRFSUMを検出する手段53と、
前記安定度TRFSUMの検出結果に応じて暖機中の燃
料噴射量を増減補正する暖機時燃料噴射量補正手段54
と、暖機時燃料噴射量補正手段54に基づいて前記燃料
噴射量を補正する手段52とを備えてなる内燃機関にお
いて、予め設定した禁止時間TDLYの間だけ安定度T
RFSUMに基づく燃料噴射量補正を中止する制御禁止
手段56と、前記禁止時間TDLYが経過するたびに安
定度TRFSUMに基づく燃料噴射量補正を繰り返す制
御手段55とを備える。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の安定度を制
御する燃料噴射装置に関し、特に機関の暖機中の安定度
を制御するものに関する。
御する燃料噴射装置に関し、特に機関の暖機中の安定度
を制御するものに関する。
【0002】
【従来の技術】車両用などのエンジンにおいては、マイ
クロプロセッサ等によって制御されたインジェクタから
燃料を吸気通路内に噴射する電子制御式の燃料噴射装置
が従来から採用されているが、この場合、冷機始動直後
などのエンジン温度が低温状態、すなわち、暖機中では
吸気通路内に付着して壁流となる燃料が多いため、使用
される燃料の性状(おもに揮発性)の違いによって実際
にエンジンへ吸入される燃料量が大きく変動する。
クロプロセッサ等によって制御されたインジェクタから
燃料を吸気通路内に噴射する電子制御式の燃料噴射装置
が従来から採用されているが、この場合、冷機始動直後
などのエンジン温度が低温状態、すなわち、暖機中では
吸気通路内に付着して壁流となる燃料が多いため、使用
される燃料の性状(おもに揮発性)の違いによって実際
にエンジンへ吸入される燃料量が大きく変動する。
【0003】この壁流は重質ガソリンと軽質ガソリンで
は大きく相違し、揮発性の低い重質ガソリンの場合には
暖機中に吸気通路内へ付着して壁流となる量が多く、始
動時には一時的に混合比がリーン化する一方、揮発性の
高い軽質ガソリンの場合には同一の噴射量であっても始
動時には一時的にリッチ化し、エンジンの暖機が終了す
るまでの間に空燃比のずれ等が発生し、使用される燃料
の性状によって運転性の低下や排気エミッションの悪化
を伴う場合があった。
は大きく相違し、揮発性の低い重質ガソリンの場合には
暖機中に吸気通路内へ付着して壁流となる量が多く、始
動時には一時的に混合比がリーン化する一方、揮発性の
高い軽質ガソリンの場合には同一の噴射量であっても始
動時には一時的にリッチ化し、エンジンの暖機が終了す
るまでの間に空燃比のずれ等が発生し、使用される燃料
の性状によって運転性の低下や排気エミッションの悪化
を伴う場合があった。
【0004】従来の燃料噴射装置においては、重質ガソ
リンを使用した場合の運転性の確保を優先するため、暖
機中に行われる燃料の増量補正は最も重質のガソリンに
適合するよう設定されるため、軽質ガソリンを使用する
場合には燃料供給量が過大となっていた。
リンを使用した場合の運転性の確保を優先するため、暖
機中に行われる燃料の増量補正は最も重質のガソリンに
適合するよう設定されるため、軽質ガソリンを使用する
場合には燃料供給量が過大となっていた。
【0005】このような燃料の性状の違いによる空燃比
の変動を補正するものとして、エンジンの安定性の指標
としてエンジンの回転変動等から算出された安定度に基
づいて暖機中の燃料噴射量の増量補正量を補正するもの
が提案されており、エンジンの始動後に算出された安定
度が所定の基準値より良好であれば増量補正量を減量補
正して燃料性状に応じた噴射量に修正する一方、安定度
が基準値より悪化した場合には増量補正量を増量して運
転性を確保するものが知られている。
の変動を補正するものとして、エンジンの安定性の指標
としてエンジンの回転変動等から算出された安定度に基
づいて暖機中の燃料噴射量の増量補正量を補正するもの
が提案されており、エンジンの始動後に算出された安定
度が所定の基準値より良好であれば増量補正量を減量補
正して燃料性状に応じた噴射量に修正する一方、安定度
が基準値より悪化した場合には増量補正量を増量して運
転性を確保するものが知られている。
【0006】上記のような燃料噴射装置として、特開平
2−5744号公報では、アイドル時の回転変動幅から
一般ガソリンか重質ガソリン(一般ガソリンに比して揮
発性が悪い)かを判定し、その結果により空燃比や点火
時期の制御マップを切り換える。また、特開昭63−2
72935号公報では、過渡時の実空燃比と目標空燃比
の差の大小、冷機始動時の燃焼時間の長短から一般ガソ
リンか、重質ガソリンかを判断している。
2−5744号公報では、アイドル時の回転変動幅から
一般ガソリンか重質ガソリン(一般ガソリンに比して揮
発性が悪い)かを判定し、その結果により空燃比や点火
時期の制御マップを切り換える。また、特開昭63−2
72935号公報では、過渡時の実空燃比と目標空燃比
の差の大小、冷機始動時の燃焼時間の長短から一般ガソ
リンか、重質ガソリンかを判断している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
装置では図17に示すように、始動及び始動直後の暖機
運転中において、冷却水温度等の運転条件に基づく燃料
噴射量を所定の制御量に応じて増量する一方、エンジン
のクランキングが終了した時間Tsから所定の制御タイ
ミングΔTごとに安定度を判定し、この安定度が所定値
より良好であれば予め設定された重質ガソリン用の制御
量から揮発性等に応じて燃料噴射量が減少する軽質ガソ
リン用の制御量へ向けて所定の減量分Δxずつ補正して
いる。
装置では図17に示すように、始動及び始動直後の暖機
運転中において、冷却水温度等の運転条件に基づく燃料
噴射量を所定の制御量に応じて増量する一方、エンジン
のクランキングが終了した時間Tsから所定の制御タイ
ミングΔTごとに安定度を判定し、この安定度が所定値
より良好であれば予め設定された重質ガソリン用の制御
量から揮発性等に応じて燃料噴射量が減少する軽質ガソ
リン用の制御量へ向けて所定の減量分Δxずつ補正して
いる。
【0008】しかしながら、エンジンの暖機中などでは
吸気通路内に付着した壁流の流速は低速であり、インジ
ェクタから噴射された燃料の一部はこの低速の壁流とな
ってシリンダへ吸入されるため、補正した噴射量の結果
はインジェクタからシリンダまでの距離と流速に応じた
時間を経過した後に現れ、制御の応答遅れが発生する。
時間Tsから時間Taまでは安定度が良好であるため制
御タイミングごとに減量補正が行われ、吸気通路内の壁
流は減少を続けていくが、時間Taになるとシリンダへ
供給される燃料の総量(すなわち、混合気+壁流)がリ
ーン化するため安定度は急激に悪化する。そこで、時間
Taでは安定度の悪化に基づいて制御量を重質ガソリン
用の制御量まで増量補正するが、この増量補正の結果も
時間Tbになるまで現れないため、時間Ta、Tb間で
は運転性が低下する安定度の悪化した状態が継続した
後、時間Tbからは再び安定度が向上する。このように
して暖機運転中の安定度は絶えず変動し、運転性を損な
う場合があり、この制御の応答遅れはエンジンの冷却水
温等の温度が低ければ低いほど顕著に現れるという問題
があった。
吸気通路内に付着した壁流の流速は低速であり、インジ
ェクタから噴射された燃料の一部はこの低速の壁流とな
ってシリンダへ吸入されるため、補正した噴射量の結果
はインジェクタからシリンダまでの距離と流速に応じた
時間を経過した後に現れ、制御の応答遅れが発生する。
時間Tsから時間Taまでは安定度が良好であるため制
御タイミングごとに減量補正が行われ、吸気通路内の壁
流は減少を続けていくが、時間Taになるとシリンダへ
供給される燃料の総量(すなわち、混合気+壁流)がリ
ーン化するため安定度は急激に悪化する。そこで、時間
Taでは安定度の悪化に基づいて制御量を重質ガソリン
用の制御量まで増量補正するが、この増量補正の結果も
時間Tbになるまで現れないため、時間Ta、Tb間で
は運転性が低下する安定度の悪化した状態が継続した
後、時間Tbからは再び安定度が向上する。このように
して暖機運転中の安定度は絶えず変動し、運転性を損な
う場合があり、この制御の応答遅れはエンジンの冷却水
温等の温度が低ければ低いほど顕著に現れるという問題
があった。
【0009】そこで本発明は、上記の問題点に鑑みてな
されたもので、壁流の影響を抑制して暖機運転中の機関
の安定性を確保可能な内燃機関の燃料噴射装置を提供す
ることを目的とする。
されたもので、壁流の影響を抑制して暖機運転中の機関
の安定性を確保可能な内燃機関の燃料噴射装置を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、図1に示
すように、機関の運転条件を検出する手段50と、前記
機関の運転条件に応じて燃料噴射量を算出する手段51
と、機関の安定度TRFSUMを検出する手段53と、
前記安定度TRFSUMの検出結果に応じて暖機中の燃
料噴射量を増減補正する暖機時燃料噴射量補正手段54
と、暖機時燃料噴射量補正手段54に基づいて前記燃料
噴射量を補正する手段52とを備えてなる内燃機関にお
いて、予め設定した禁止時間TDLYの間だけ安定度T
RFSUMに基づく燃料噴射量補正を中止する制御禁止
手段56と、前記禁止時間TDLYが経過するたびに安
定度TRFSUMに基づく燃料噴射量補正を行う制御手
段55とを備える。
すように、機関の運転条件を検出する手段50と、前記
機関の運転条件に応じて燃料噴射量を算出する手段51
と、機関の安定度TRFSUMを検出する手段53と、
前記安定度TRFSUMの検出結果に応じて暖機中の燃
料噴射量を増減補正する暖機時燃料噴射量補正手段54
と、暖機時燃料噴射量補正手段54に基づいて前記燃料
噴射量を補正する手段52とを備えてなる内燃機関にお
いて、予め設定した禁止時間TDLYの間だけ安定度T
RFSUMに基づく燃料噴射量補正を中止する制御禁止
手段56と、前記禁止時間TDLYが経過するたびに安
定度TRFSUMに基づく燃料噴射量補正を行う制御手
段55とを備える。
【0011】また、第2の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記制御手段は禁止時間中に安定度が所定値を越
えて悪化した場合には禁止を解除するとともに前記禁止
時間を再設定すると共に、前記暖機時燃料噴射量補正手
段が燃料噴射量を増量補正する。
いて、前記制御手段は禁止時間中に安定度が所定値を越
えて悪化した場合には禁止を解除するとともに前記禁止
時間を再設定すると共に、前記暖機時燃料噴射量補正手
段が燃料噴射量を増量補正する。
【0012】また、第3の発明は、前記第1または第2
の発明において、前記制御禁止手段が機関始動後の経過
時間に応じて禁止時間を減少する。
の発明において、前記制御禁止手段が機関始動後の経過
時間に応じて禁止時間を減少する。
【0013】また、第4の発明は、前記第1または第2
の発明において、前記制御禁止手段が機関の冷却水温に
応じて前記禁止時間を減少する。
の発明において、前記制御禁止手段が機関の冷却水温に
応じて前記禁止時間を減少する。
【0014】また、第5の発明は、前記第1または第2
の発明において、前記制御禁止手段が機関の吸気バルブ
の温度に応じて前記禁止時間を減少する。
の発明において、前記制御禁止手段が機関の吸気バルブ
の温度に応じて前記禁止時間を減少する。
【0015】また、第6の発明は、前記第5の発明にお
いて、前記制御禁止手段が前記冷却水温から吸気バルブ
の温度を演算する。
いて、前記制御禁止手段が前記冷却水温から吸気バルブ
の温度を演算する。
【0016】
【作用】第1の発明は、機関の暖機中には安定度に基づ
く燃料噴射量の補正は所定の禁止時間ごとに行われ、安
定度に応じた燃料噴射量補正を行った後に禁止時間の経
過を待ってから次回の安定度に基づく燃料噴射量補正が
行われるため、壁流に応じた所定の禁止時間によって制
御の応答遅れを加味することができ、前記従来例のよう
に燃料噴射量補正が周期的に過大に行われることがなく
なって暖機中の機関の安定度の変動を抑制することがで
きる。
く燃料噴射量の補正は所定の禁止時間ごとに行われ、安
定度に応じた燃料噴射量補正を行った後に禁止時間の経
過を待ってから次回の安定度に基づく燃料噴射量補正が
行われるため、壁流に応じた所定の禁止時間によって制
御の応答遅れを加味することができ、前記従来例のよう
に燃料噴射量補正が周期的に過大に行われることがなく
なって暖機中の機関の安定度の変動を抑制することがで
きる。
【0017】また、第2の発明は、安定度に基づく燃料
噴射量補正の禁止時間中に機関の安定度が所定値を越え
て悪化した場合には制御手段はこの禁止を解除するとと
もに燃料噴射量を増量補正して機関の安定度を回復させ
ることができ、さらに禁止時間を再設定することでこの
増量補正の結果を待ってから安定度に基づく制御を行う
ことで機関の安定性の変動を抑制することができる。
噴射量補正の禁止時間中に機関の安定度が所定値を越え
て悪化した場合には制御手段はこの禁止を解除するとと
もに燃料噴射量を増量補正して機関の安定度を回復させ
ることができ、さらに禁止時間を再設定することでこの
増量補正の結果を待ってから安定度に基づく制御を行う
ことで機関の安定性の変動を抑制することができる。
【0018】また、第3の発明は、機関の始動後の経過
時間に応じて禁止時間を減少するため、始動後の時間と
共に上昇する冷却水温などの壁流に影響を与える因子に
応じて制御の応答遅れに相当する禁止時間を設定するこ
とができる。
時間に応じて禁止時間を減少するため、始動後の時間と
共に上昇する冷却水温などの壁流に影響を与える因子に
応じて制御の応答遅れに相当する禁止時間を設定するこ
とができる。
【0019】また、第4の発明は、機関の始動後に検出
した冷却水温に応じて禁止時間を減少するため、機関の
温度に応じて変動する壁流による制御の応答遅れに応じ
た禁止時間を設定することができる。
した冷却水温に応じて禁止時間を減少するため、機関の
温度に応じて変動する壁流による制御の応答遅れに応じ
た禁止時間を設定することができる。
【0020】また、第5の発明は、検出した吸気バルブ
温度に応じて禁止時間を減少するため、吸気通路内の壁
流による制御の応答遅れに応じた禁止時間を正確に設定
することができる。
温度に応じて禁止時間を減少するため、吸気通路内の壁
流による制御の応答遅れに応じた禁止時間を正確に設定
することができる。
【0021】また、第6の発明は、前記制御禁止手段が
機関の冷却水温から吸気バルブの温度を演算するため、
吸気バルブの温度を直接検出することなく吸気バルブの
温度を推定することで、装置の構成を簡易にすることが
できる。
機関の冷却水温から吸気バルブの温度を演算するため、
吸気バルブの温度を直接検出することなく吸気バルブの
温度を推定することで、装置の構成を簡易にすることが
できる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て説明する。
て説明する。
【0023】図2に示すように、エンジン1の吸気通路
3には各吸気ポートへ向けて燃料を供給するインジェク
タ17が各気筒毎にそれぞれ配設され、吸入空気量を検
出するエアフローメータ18を通過した空気はスロット
ルバルブ12で絞られた後に各気筒毎に設けられた吸気
バルブ15を介してシリンダ内へ流入する。
3には各吸気ポートへ向けて燃料を供給するインジェク
タ17が各気筒毎にそれぞれ配設され、吸入空気量を検
出するエアフローメータ18を通過した空気はスロット
ルバルブ12で絞られた後に各気筒毎に設けられた吸気
バルブ15を介してシリンダ内へ流入する。
【0024】そして、エンジン1の排気通路2には三元
触媒で構成された触媒コンバータ13が介装され、この
触媒コンバータ13の上流には酸素センサ14が配設さ
れる。
触媒で構成された触媒コンバータ13が介装され、この
触媒コンバータ13の上流には酸素センサ14が配設さ
れる。
【0025】コントロールユニット4は、例えばマイク
ロプロッセッサ等により構成されて、インジェクタ17
を介して吸気通路3に供給する燃料供給量を、基本的に
は理論空燃比となるようフィードバック制御する。
ロプロッセッサ等により構成されて、インジェクタ17
を介して吸気通路3に供給する燃料供給量を、基本的に
は理論空燃比となるようフィードバック制御する。
【0026】このため、コントロールユニット4には、
エンジン回転数Neを検出するクランク角センサ19、
冷却水の水温TWを検出する水温センサ16、エアフロ
ーメータ18からの吸入空気量Qがそれぞれ入力される
とともに、酸素センサ14からの信号が入力されて、吸
入空気量Qに対して所定の比率となるよう設定した燃料
供給量を酸素センサ14の出力に基づいて正しく理論空
燃比となるように燃料の噴射量を補正するのである。
エンジン回転数Neを検出するクランク角センサ19、
冷却水の水温TWを検出する水温センサ16、エアフロ
ーメータ18からの吸入空気量Qがそれぞれ入力される
とともに、酸素センサ14からの信号が入力されて、吸
入空気量Qに対して所定の比率となるよう設定した燃料
供給量を酸素センサ14の出力に基づいて正しく理論空
燃比となるように燃料の噴射量を補正するのである。
【0027】この空燃比フィードバック制御についての
概要を説明すると、まず、エアフローメータ18が検出
した吸入空気量Qとクランク角センサ19が検出した機
関回転数Neに基づいてインジェクタ17からの基本噴
射量を決定する基本パルス幅TpをTp=K×Q/Ne
により算出する。この基本パルス幅Tpはインジェクタ
17の開弁時間を制御するもので、以下この基本パルス
幅Tpを燃料の基本噴射量Tpとする。
概要を説明すると、まず、エアフローメータ18が検出
した吸入空気量Qとクランク角センサ19が検出した機
関回転数Neに基づいてインジェクタ17からの基本噴
射量を決定する基本パルス幅TpをTp=K×Q/Ne
により算出する。この基本パルス幅Tpはインジェクタ
17の開弁時間を制御するもので、以下この基本パルス
幅Tpを燃料の基本噴射量Tpとする。
【0028】この基本噴射量Tpに増量補正やフィード
バック補正等の補正を加えてインジェクタ17の駆動パ
ルス幅を決定するのであり、この駆動パルス幅を燃料噴
射量Tiとすれば、次式により求められる。
バック補正等の補正を加えてインジェクタ17の駆動パ
ルス幅を決定するのであり、この駆動パルス幅を燃料噴
射量Tiとすれば、次式により求められる。
【0029】Ti=(Tp+KATHOS)×TFBYA×(α+KBL
RC−1)×2+Ts …(1) ここで、KATHOSは冷却水温TW等に応じて予め設
定された壁流補正量、TFBYAは後述するような各種
増量補正係数で構成される目標燃空比相当値を示し、α
は主に酸素センサ14の検出信号に基づいて演算された
フィードバック補正係数を、KBLRCは学習補正値を
それぞれ示し、また、Tsはインジェクタ17の無効時
間を補正するためにバッテリ電圧に応じて付加される電
圧補正係数を示す。
RC−1)×2+Ts …(1) ここで、KATHOSは冷却水温TW等に応じて予め設
定された壁流補正量、TFBYAは後述するような各種
増量補正係数で構成される目標燃空比相当値を示し、α
は主に酸素センサ14の検出信号に基づいて演算された
フィードバック補正係数を、KBLRCは学習補正値を
それぞれ示し、また、Tsはインジェクタ17の無効時
間を補正するためにバッテリ電圧に応じて付加される電
圧補正係数を示す。
【0030】そして、目標燃空比相当量TFBYAは次
式により算出される。
式により算出される。
【0031】TFBYA=KAS+KTW+KHOT+
KMR …(2) この(2)式において、KASは始動後増量補正係数
を、KTWは水温増量補正係数を、KHOTは高水温増
量補正係数を、KMRは空燃比補正係数をそれぞれ示
し、これら補正係数は次のように設定される。
KMR …(2) この(2)式において、KASは始動後増量補正係数
を、KTWは水温増量補正係数を、KHOTは高水温増
量補正係数を、KMRは空燃比補正係数をそれぞれ示
し、これら補正係数は次のように設定される。
【0032】始動後増量補正係数KAS;エンジン1の
始動時を最大値として所定時間後に0となる係数 水温増量補正係数KTW;冷却水温TWに応じてその増
分が変更される係数 高水温増量補正係数KHOT;冷却水温TWが所定値以
上のときに一定量だけ増量される係数 空燃比補正係数KMR;吸入空気量Q及び回転数Neと
から決定される係数 ここで、燃焼が安定しない始動直後の暖機中では理論空
燃比よりもリッチ側の空燃比で運転しようと、始動後増
量補正係数KAS及び水温増量補正係数KTWを用いて
燃料の増量補正を行うもので、図6、図7に示すように
冷却水温TWに応じて予め設定された始動後増量補正係
数KAS、水温増量補正係数KTWは燃料の性状に応じ
てそれぞれ補正される。
始動時を最大値として所定時間後に0となる係数 水温増量補正係数KTW;冷却水温TWに応じてその増
分が変更される係数 高水温増量補正係数KHOT;冷却水温TWが所定値以
上のときに一定量だけ増量される係数 空燃比補正係数KMR;吸入空気量Q及び回転数Neと
から決定される係数 ここで、燃焼が安定しない始動直後の暖機中では理論空
燃比よりもリッチ側の空燃比で運転しようと、始動後増
量補正係数KAS及び水温増量補正係数KTWを用いて
燃料の増量補正を行うもので、図6、図7に示すように
冷却水温TWに応じて予め設定された始動後増量補正係
数KAS、水温増量補正係数KTWは燃料の性状に応じ
てそれぞれ補正される。
【0033】この燃料性状に応じた補正について始動後
増量補正係数KASの場合を説明すると、図8に示すよ
うに、図6より冷却水温TWに基づいて得られた値を重
質ガソリン用の始動後増量補正係数であるKASH0と
して設定する。この始動後増量補正係数KASH0を所
定の割合で減じたものを軽質ガソリン用の始動後増量補
正係数KASL0として設定する。そして、重質ガソリ
ン用の始動後増量補正係数KASH0及び軽質ガソリン
用の始動後増量補正係数KASL0は所定時間後に0と
なるような所定の定数DKSによってそれぞれエンジン
始動後の経過時間に応じて減少するマップKASH及び
KASLが設定され、始動後増量補正係数KASは重質
ガソリン用のKASH0を初期値として燃料の性状に応
じてKASHとKASLとの間で後述するように制御さ
れる。水温増量補正係数KTWについても詳述はしない
が、燃料の性状に応じて同様のマップが与えられ、重質
ガソリン用のマップが初期値として用いられる。
増量補正係数KASの場合を説明すると、図8に示すよ
うに、図6より冷却水温TWに基づいて得られた値を重
質ガソリン用の始動後増量補正係数であるKASH0と
して設定する。この始動後増量補正係数KASH0を所
定の割合で減じたものを軽質ガソリン用の始動後増量補
正係数KASL0として設定する。そして、重質ガソリ
ン用の始動後増量補正係数KASH0及び軽質ガソリン
用の始動後増量補正係数KASL0は所定時間後に0と
なるような所定の定数DKSによってそれぞれエンジン
始動後の経過時間に応じて減少するマップKASH及び
KASLが設定され、始動後増量補正係数KASは重質
ガソリン用のKASH0を初期値として燃料の性状に応
じてKASHとKASLとの間で後述するように制御さ
れる。水温増量補正係数KTWについても詳述はしない
が、燃料の性状に応じて同様のマップが与えられ、重質
ガソリン用のマップが初期値として用いられる。
【0034】一方、エンジン1の始動時における燃料噴
射量は、図9に示すように、冷却水温TWに応じて予め
設定された始動時燃料噴射量(パルス幅)Tistと上
記(1)式から算出された燃料噴射量Tiのうち大きい
ほうを燃料噴射量Tiとしてインジェクタ17を駆動
し、エンジン1の始動後、すなわちキースイッチ20が
STARTからONの位置へ切り替わったことなどから
エンジン1の始動が判定されると上記(1)式に基づく
燃料噴射量Tiでインジェクタ17を駆動する。なお、
始動時燃料噴射量Tistも上記始動後増量補正係数K
AS、水温増量補正係数KTWと同様にして重質ガソリ
ン用の値が初期値として与えられる。
射量は、図9に示すように、冷却水温TWに応じて予め
設定された始動時燃料噴射量(パルス幅)Tistと上
記(1)式から算出された燃料噴射量Tiのうち大きい
ほうを燃料噴射量Tiとしてインジェクタ17を駆動
し、エンジン1の始動後、すなわちキースイッチ20が
STARTからONの位置へ切り替わったことなどから
エンジン1の始動が判定されると上記(1)式に基づく
燃料噴射量Tiでインジェクタ17を駆動する。なお、
始動時燃料噴射量Tistも上記始動後増量補正係数K
AS、水温増量補正係数KTWと同様にして重質ガソリ
ン用の値が初期値として与えられる。
【0035】ところで、重質ガソリンに対してエンジン
1の制御特性を設定した場合に、一般ガソリンを使用す
ると、一般ガソリンは燃料の揮発性が重質ガソリンより
良好であるため、暖機運転中においては前記従来例のよ
うに安定度を悪化させない範囲で燃料噴射量Tiを減量
することができる。
1の制御特性を設定した場合に、一般ガソリンを使用す
ると、一般ガソリンは燃料の揮発性が重質ガソリンより
良好であるため、暖機運転中においては前記従来例のよ
うに安定度を悪化させない範囲で燃料噴射量Tiを減量
することができる。
【0036】これに対処するため、コントローラ4では
エンジン1の回転変動から燃焼の安定性、すなわち、エ
ンジン1の安定性を示す指標としての安定度を算出し、
この安定度が所定のレベル以内に収まるように始動後増
量補正係数KAS、水温増量補正係数KTWのフィード
バック補正を行う。
エンジン1の回転変動から燃焼の安定性、すなわち、エ
ンジン1の安定性を示す指標としての安定度を算出し、
この安定度が所定のレベル以内に収まるように始動後増
量補正係数KAS、水温増量補正係数KTWのフィード
バック補正を行う。
【0037】以下、コントローラ4で行われる安定度の
算出方法及び安定度に基づいて始動後増量補正係数KA
Sをフィードバック制御する場合について、図3、図4
のフローチャートを参照しながら詳述する。
算出方法及び安定度に基づいて始動後増量補正係数KA
Sをフィードバック制御する場合について、図3、図4
のフローチャートを参照しながら詳述する。
【0038】エンジン1の安定度は、クランク角センサ
19が検出したRef信号の周期から算出される気筒毎
の回転変動に基づいて演算されるもので、クランクの回
転に同期して実行される図4のフローチャートに示すよ
うになる。
19が検出したRef信号の周期から算出される気筒毎
の回転変動に基づいて演算されるもので、クランクの回
転に同期して実行される図4のフローチャートに示すよ
うになる。
【0039】図4において、ステップS20ではRef
信号の検出周期から気筒ごとのRef信号周期TREF
(n)を計測する。
信号の検出周期から気筒ごとのRef信号周期TREF
(n)を計測する。
【0040】ここで、Ref信号は図5に示すように、
直列4気筒の場合にはクランク角の180度ごとに検出
されるもので、所定の点火時期(#1→#3→#4→#
2)に応じて計測したRef信号の時間間隔を周期TR
EF(n)に割り付けるもので、(n)は気筒を示す。
直列4気筒の場合にはクランク角の180度ごとに検出
されるもので、所定の点火時期(#1→#3→#4→#
2)に応じて計測したRef信号の時間間隔を周期TR
EF(n)に割り付けるもので、(n)は気筒を示す。
【0041】ステップS21では検出した周期TREF
(n)と1サイクル前、すなわち、クランク角の720
度前の同一気筒の周期TREF(n)との差から周期の
気筒別変化量TREFC(n)を次式のように算出す
る。
(n)と1サイクル前、すなわち、クランク角の720
度前の同一気筒の周期TREF(n)との差から周期の
気筒別変化量TREFC(n)を次式のように算出す
る。
【0042】TREFC(n)=TREF(n)−TR
EF(n−4) …(3) さらにステップS22では、算出した周期の気筒別変化
量TREFC(n)と1サイクル前の気筒別変化量TR
EFC(n)との差から気筒別にRef周期の変動量T
RFOUT(n)を次式のように算出する。
EF(n−4) …(3) さらにステップS22では、算出した周期の気筒別変化
量TREFC(n)と1サイクル前の気筒別変化量TR
EFC(n)との差から気筒別にRef周期の変動量T
RFOUT(n)を次式のように算出する。
【0043】TRFOUT(n)=TREFC(n)−
TREFC(n−1) …(4) こうして気筒別に求められた周期の変動量TRFOUT
(n)の絶対値の総和をエンジン1の安定性を示す指標
である安定度TRFSUMとして次式により算出する
(ステップS23)。
TREFC(n−1) …(4) こうして気筒別に求められた周期の変動量TRFOUT
(n)の絶対値の総和をエンジン1の安定性を示す指標
である安定度TRFSUMとして次式により算出する
(ステップS23)。
【0044】
【数1】
【0045】この(5)式から算出された安定度TRF
SUMを、実験などにより予め設定したスライスレベル
(以下、S/L)と比較することにより、エンジン1の
回転変動に基づく安定性を評価することができるのであ
る。
SUMを、実験などにより予め設定したスライスレベル
(以下、S/L)と比較することにより、エンジン1の
回転変動に基づく安定性を評価することができるのであ
る。
【0046】そして、クランクの回転と同期的に算出さ
れる安定度TRFSUMに基づく始動後増量補正係数K
ASのフィードバック制御は図3に示すフローチャート
に基づいて行われ、このフローチャートは所定時間毎に
実行されるものである。
れる安定度TRFSUMに基づく始動後増量補正係数K
ASのフィードバック制御は図3に示すフローチャート
に基づいて行われ、このフローチャートは所定時間毎に
実行されるものである。
【0047】ステップS1ではキースイッチ20がST
ARTからONの位置へ切り替わったことからエンジン
1の始動を判定するもので、クランキングが終了した始
動直後であればステップS3へ進んで、上述したように
始動後増量補正係数KASを冷却水温TWに応じた重質
ガソリン用のKASH0に設定する一方、エンジン1の
運転中(すなわち、暖機中)であればステップS2で始
動後増量補正係数KASから同じく上述したように、始
動後の経過時間に応じた所定の減量分DKSを減算し
て、燃料噴射量を減少させる。
ARTからONの位置へ切り替わったことからエンジン
1の始動を判定するもので、クランキングが終了した始
動直後であればステップS3へ進んで、上述したように
始動後増量補正係数KASを冷却水温TWに応じた重質
ガソリン用のKASH0に設定する一方、エンジン1の
運転中(すなわち、暖機中)であればステップS2で始
動後増量補正係数KASから同じく上述したように、始
動後の経過時間に応じた所定の減量分DKSを減算し
て、燃料噴射量を減少させる。
【0048】ステップS2、S3の処理の後にはステッ
プS4で安定度TRFSUMに基づくフィードバック制
御(以下、F/B制御)を行うかどうかを判定する。
プS4で安定度TRFSUMに基づくフィードバック制
御(以下、F/B制御)を行うかどうかを判定する。
【0049】この判定条件は、例えばエンジン1の始動
から所定時間後に安定度に基づくF/B制御を許可する
もので、エンジン1の始動直後ではクランキングから立
ち上がる回転数が急激に変動するため、上記(5)式で
算出される安定度TRFSUMが安定するまでの時間が
必要とされるためであり、図11に示す時間T1までス
テップS4の判定はNOとなる。
から所定時間後に安定度に基づくF/B制御を許可する
もので、エンジン1の始動直後ではクランキングから立
ち上がる回転数が急激に変動するため、上記(5)式で
算出される安定度TRFSUMが安定するまでの時間が
必要とされるためであり、図11に示す時間T1までス
テップS4の判定はNOとなる。
【0050】F/B制御が許可されると、ステップS5
において安定度TRFSUMに基づくF/Bの補正係数
Xが初期値1.0であるかを判定し、補正係数X=1.
0の場合、すなわち、このフローチャートの第1回目の
ループではステップS11へ進んでF/B制御を行う一
方、そうでない場合にはステップS6で安定度TRFS
UMを読み込んでからステップS7でエンジン1の安定
性の判定を行う。
において安定度TRFSUMに基づくF/Bの補正係数
Xが初期値1.0であるかを判定し、補正係数X=1.
0の場合、すなわち、このフローチャートの第1回目の
ループではステップS11へ進んでF/B制御を行う一
方、そうでない場合にはステップS6で安定度TRFS
UMを読み込んでからステップS7でエンジン1の安定
性の判定を行う。
【0051】なお、補正係数Xはエンジン1の始動時に
初期値=1.0として設定されるもので、後述するよう
に補正係数Xを増減することで燃料噴射量Tiを補正す
るものである。
初期値=1.0として設定されるもので、後述するよう
に補正係数Xを増減することで燃料噴射量Tiを補正す
るものである。
【0052】ステップS7で安定度TRFSUMが所定
のS/Lを越えて悪化している場合にはステップS14
の処理へ進んで燃料噴射量の増量を行う一方、安定度T
RFSUMがスライスレベル未満で安定性が良い場合に
は、ステップS8へ進んで壁流に基づく制御の応答遅れ
を補償する。
のS/Lを越えて悪化している場合にはステップS14
の処理へ進んで燃料噴射量の増量を行う一方、安定度T
RFSUMがスライスレベル未満で安定性が良い場合に
は、ステップS8へ進んで壁流に基づく制御の応答遅れ
を補償する。
【0053】前記従来例でも示したように、壁流に基づ
く制御の応答遅れはエンジン1の温度と吸気の流速に応
じた時間として捕えることができ、エンジン1の暖機運
転中では所定のエンジン回転数に設定されることから吸
気の流速はほぼ一定となり、図10に示すように壁流に
応じた応答遅れを補償するため、安定度に基づくF/B
制御を中止する制御の禁止時間TDLYを冷却水温TW
に応じて予め設定し、コントローラ4の図示しないRO
M等に格納される。
く制御の応答遅れはエンジン1の温度と吸気の流速に応
じた時間として捕えることができ、エンジン1の暖機運
転中では所定のエンジン回転数に設定されることから吸
気の流速はほぼ一定となり、図10に示すように壁流に
応じた応答遅れを補償するため、安定度に基づくF/B
制御を中止する制御の禁止時間TDLYを冷却水温TW
に応じて予め設定し、コントローラ4の図示しないRO
M等に格納される。
【0054】ステップS8で読み込んだ冷却水温TWに
基づいて、ステップS9では図10のように予め設定さ
れた禁止時間TDLYを算出する。
基づいて、ステップS9では図10のように予め設定さ
れた禁止時間TDLYを算出する。
【0055】こうして算出された禁止時間TDLYはコ
ントローラ4のクロックなどと同期的に減算され、ステ
ップS10では禁止時間TDLYが経過したかを判定す
る。
ントローラ4のクロックなどと同期的に減算され、ステ
ップS10では禁止時間TDLYが経過したかを判定す
る。
【0056】この判定において、禁止時間TDLYが経
過した場合にはステップS11以降の安定度TRFSU
Mに基づくF/B制御を行う一方、そうでない場合には
安定度TRFSUMに基づくF/B制御を中止して図3
のフローチャートを終了する。
過した場合にはステップS11以降の安定度TRFSU
Mに基づくF/B制御を行う一方、そうでない場合には
安定度TRFSUMに基づくF/B制御を中止して図3
のフローチャートを終了する。
【0057】安定度に基づく制御を行う場合には、上記
ステップS6、S7と同様にしてステップS11、12
で安定度TRFSUMを読み込むとともに、所定のS/
Lと比較してエンジン1の安定性を判定する。
ステップS6、S7と同様にしてステップS11、12
で安定度TRFSUMを読み込むとともに、所定のS/
Lと比較してエンジン1の安定性を判定する。
【0058】ここで、安定度TRFSUMが所定のS/
Lを越えて悪化している場合にはステップS14の処理
へ進んで燃料噴射量の増量を行う一方、安定度TRFS
UMがスライスレベル未満で安定性が良い場合には、ス
テップS13へ燃料噴射量の減量を行うのである。
Lを越えて悪化している場合にはステップS14の処理
へ進んで燃料噴射量の増量を行う一方、安定度TRFS
UMがスライスレベル未満で安定性が良い場合には、ス
テップS13へ燃料噴射量の減量を行うのである。
【0059】ステップS13、S14では始動後増量補
正係数KASの補正係数Xを介して燃料噴射量Tiを増
減しており、安定度TRFSUMがよい場合には補正係
数Xを所定量、例えば0.1ずつ減少させる(ステップ
S13)一方、安定度TRFSUMが悪化した場合には
補正係数Xを0.1ずつ増加させる(ステップS1
4)。
正係数KASの補正係数Xを介して燃料噴射量Tiを増
減しており、安定度TRFSUMがよい場合には補正係
数Xを所定量、例えば0.1ずつ減少させる(ステップ
S13)一方、安定度TRFSUMが悪化した場合には
補正係数Xを0.1ずつ増加させる(ステップS1
4)。
【0060】ステップS15ではこうして安定度TRF
SUMに応じて所定量だけ補正した補正係数Xから始動
後増量補正係数KASの演算を次式に基づいて行う。
SUMに応じて所定量だけ補正した補正係数Xから始動
後増量補正係数KASの演算を次式に基づいて行う。
【0061】KAS=(KAS−KASL)×X+KA
SL …(6) ここで、KASLは前述の図8に示した軽質ガソリン用
の始動後増量補正係数であり、安定度TRFSUMが良
い状態が継続した場合、初期値を重質ガソリン用のKA
SH0に設定された始動後増量補正係数KASは所定時
間毎に減量分DKSずつ減少するのに加えて補正係数X
の減少により軽質ガソリン用のマップに向けて減少する
のである。
SL …(6) ここで、KASLは前述の図8に示した軽質ガソリン用
の始動後増量補正係数であり、安定度TRFSUMが良
い状態が継続した場合、初期値を重質ガソリン用のKA
SH0に設定された始動後増量補正係数KASは所定時
間毎に減量分DKSずつ減少するのに加えて補正係数X
の減少により軽質ガソリン用のマップに向けて減少する
のである。
【0062】ステップS15において安定度TRFSU
Mに基づいて補正された始動後増量補正係数KASは上
記(1)式で燃料噴射量Tiの算出に使用され、補正係
数Xに応じて燃料噴射量Tiの増減が行われるのであ
る。
Mに基づいて補正された始動後増量補正係数KASは上
記(1)式で燃料噴射量Tiの算出に使用され、補正係
数Xに応じて燃料噴射量Tiの増減が行われるのであ
る。
【0063】上記ステップS1〜S15では、第1回目
の処理ではステップS11以降で安定度TRFSUMに
基づく始動後増量補正係数KASの補正を行い、第2回
目の処理で禁止時間TDLYを設定し、第2回目以降の
処理ではこの禁止時間TDLYを経過するまでエンジン
1の安定度TRFSUMに応じたF/B制御を中止する
ようにしたため、壁流による応答遅れを考慮してF/B
制御による補正の結果が出るのを待ってから次のF/B
制御を行うことが可能となって、前記従来例のように壁
流に起因する応答遅れから生ずるエンジン1の安定性の
変動を抑制することができるのである。
の処理ではステップS11以降で安定度TRFSUMに
基づく始動後増量補正係数KASの補正を行い、第2回
目の処理で禁止時間TDLYを設定し、第2回目以降の
処理ではこの禁止時間TDLYを経過するまでエンジン
1の安定度TRFSUMに応じたF/B制御を中止する
ようにしたため、壁流による応答遅れを考慮してF/B
制御による補正の結果が出るのを待ってから次のF/B
制御を行うことが可能となって、前記従来例のように壁
流に起因する応答遅れから生ずるエンジン1の安定性の
変動を抑制することができるのである。
【0064】図11は上記制御による暖機運転中の一例
を示す始動後の経過時間と安定度TRFSUM及び制御
量、すなわち、始動後増量補正係数KASとの関係を示
したもので、時間T1では上記ステップS4の判定に基
づいて安定度TRFSUMのF/B制御が開始され、第
1回目の処理であるため、禁止時間TDLYは設定され
ずに安定度TRFSUMに応じて補正係数Xの補正が行
われる。
を示す始動後の経過時間と安定度TRFSUM及び制御
量、すなわち、始動後増量補正係数KASとの関係を示
したもので、時間T1では上記ステップS4の判定に基
づいて安定度TRFSUMのF/B制御が開始され、第
1回目の処理であるため、禁止時間TDLYは設定され
ずに安定度TRFSUMに応じて補正係数Xの補正が行
われる。
【0065】この場合、安定度TRFSUMはS/Lよ
り良好であるため補正係数Xは0.1だけ減算され、こ
の補正係数Xに基づいて始動後増量補正係数KASは重
質ガソリン用のKASHからΔXだけ軽質ガソリン用の
KASLに向けて減少する。
り良好であるため補正係数Xは0.1だけ減算され、こ
の補正係数Xに基づいて始動後増量補正係数KASは重
質ガソリン用のKASHからΔXだけ軽質ガソリン用の
KASLに向けて減少する。
【0066】そして、第2回目の処理ではX=0.9で
あるため、ステップS8、S9で冷却水温KTWに応じ
て算出された禁止時間TDLYの間、すなわち、図中時
間T2まで安定度TRFSUMに基づくF/B制御が禁
止される。
あるため、ステップS8、S9で冷却水温KTWに応じ
て算出された禁止時間TDLYの間、すなわち、図中時
間T2まで安定度TRFSUMに基づくF/B制御が禁
止される。
【0067】この禁止時間TDLYの間は、始動後増量
補正係数KASが時間の経過に応じてDKSずつ減少
し、始動後の経過時間に比例して燃料噴射量Tiはリー
ン側へ向けて変化するだけであり、時間T1で行った制
御の結果は壁流の流速に応じて時間T2で現れる。
補正係数KASが時間の経過に応じてDKSずつ減少
し、始動後の経過時間に比例して燃料噴射量Tiはリー
ン側へ向けて変化するだけであり、時間T1で行った制
御の結果は壁流の流速に応じて時間T2で現れる。
【0068】こうして、時間T2で再び安定度TRFS
UMに基づいてF/B制御を行うことで壁流による制御
の応答遅れを抑制して暖機中の安定度TRFSUMの変
動を抑制することができるのである。
UMに基づいてF/B制御を行うことで壁流による制御
の応答遅れを抑制して暖機中の安定度TRFSUMの変
動を抑制することができるのである。
【0069】ところで、図12に示すように、禁止時間
TDLY中にエンジン1の安定度TRFSUMが悪化し
た場合には、図中時間T2′(ただし、T2′<T2)
で行われるステップS7の判定によって補正係数Xを所
定量(0.1)だけ増大することができ、次回の処理で
再度禁止時間TDLYが設定されるため、時間T1で行
ったF/B制御の結果が安定度TRFSUMを悪化させ
た場合には、禁止時間TDLY中であっても燃料噴射量
Tiの増量補正を行うことができ、迅速に安定度TRF
SUMを補正することができ、壁流による応答遅れをの
影響を抑制するとともに、エンジン1の安定性の変動を
抑制することができるのである。
TDLY中にエンジン1の安定度TRFSUMが悪化し
た場合には、図中時間T2′(ただし、T2′<T2)
で行われるステップS7の判定によって補正係数Xを所
定量(0.1)だけ増大することができ、次回の処理で
再度禁止時間TDLYが設定されるため、時間T1で行
ったF/B制御の結果が安定度TRFSUMを悪化させ
た場合には、禁止時間TDLY中であっても燃料噴射量
Tiの増量補正を行うことができ、迅速に安定度TRF
SUMを補正することができ、壁流による応答遅れをの
影響を抑制するとともに、エンジン1の安定性の変動を
抑制することができるのである。
【0070】なお、時間T2′でF/B制御を行った後
は、禁止時間TDLYに応じた時間T3までは安定度T
RFSUMに基づくF/B制御が中止されるため、前記
従来例のようなF/B制御のオーバーシュートを抑制で
きるのである。
は、禁止時間TDLYに応じた時間T3までは安定度T
RFSUMに基づくF/B制御が中止されるため、前記
従来例のようなF/B制御のオーバーシュートを抑制で
きるのである。
【0071】図13は他の実施例を示し、前記第1の実
施例において禁止時間TDLYを冷却水温TWに応じて
設定したのに対し、禁止時間TDLYを始動後の経過時
間に応じて減少するように設定したものであり、その他
の構成は前記第1実施例と同様である。
施例において禁止時間TDLYを冷却水温TWに応じて
設定したのに対し、禁止時間TDLYを始動後の経過時
間に応じて減少するように設定したものであり、その他
の構成は前記第1実施例と同様である。
【0072】この場合、初期値として、例えば冷却水温
TW=20゜Cのときの禁止時間TDLYなどを設定す
ればよく、上記図3におけるステップS8の処理におい
て始動後の経過時間を読み込み、ステップS9では読み
込んだ経過時間に応じて禁止時間TDLYが算出され
る。冷却水温TWに代わって始動後の経過時間を用いる
ことで禁止時間TDLYの算出を簡易にすることができ
る。
TW=20゜Cのときの禁止時間TDLYなどを設定す
ればよく、上記図3におけるステップS8の処理におい
て始動後の経過時間を読み込み、ステップS9では読み
込んだ経過時間に応じて禁止時間TDLYが算出され
る。冷却水温TWに代わって始動後の経過時間を用いる
ことで禁止時間TDLYの算出を簡易にすることができ
る。
【0073】なお、冷却水温TWが高温の場合には前記
第1実施例に比して禁止時間TDLYが長く設定される
が、この高水温時では始動後補正係数KASの値が小さ
いためF/B制御に与える影響は小さい。
第1実施例に比して禁止時間TDLYが長く設定される
が、この高水温時では始動後補正係数KASの値が小さ
いためF/B制御に与える影響は小さい。
【0074】図14〜図16はさらに他の実施例を示
し、前記第1の実施例における禁止時間TDLYの設定
を冷却水温TWに代わって吸気バルブ15の温度TVに
応じて設定するものである。
し、前記第1の実施例における禁止時間TDLYの設定
を冷却水温TWに代わって吸気バルブ15の温度TVに
応じて設定するものである。
【0075】インジェクタ17から噴射された燃料の一
部は壁流となってシリンダに流入するのは前記したとう
りであるが、インジェクタ17を各吸気ポート毎に配設
した場合には吸気バルブ15の傘部に付着する壁流の割
合も大きなる。
部は壁流となってシリンダに流入するのは前記したとう
りであるが、インジェクタ17を各吸気ポート毎に配設
した場合には吸気バルブ15の傘部に付着する壁流の割
合も大きなる。
【0076】このため、吸気バルブ15の温度TVに応
じて禁止時間TDLYを設定すれば前記第1又は第2の
実施例に比してさらに壁流の影響を正確に把握すること
ができるのであり、吸気バルブ15の温度TVと禁止時
間TDLYとの関係は図10に示した水温TWの場合と
ほぼ同様となる。
じて禁止時間TDLYを設定すれば前記第1又は第2の
実施例に比してさらに壁流の影響を正確に把握すること
ができるのであり、吸気バルブ15の温度TVと禁止時
間TDLYとの関係は図10に示した水温TWの場合と
ほぼ同様となる。
【0077】吸気バルブ15の温度TVを直接検出する
ことは難しいため、冷却水温TWと負荷(すなわち、吸
入空気量Q)とから演算により吸気バルブ温度TVを推
定する場合について以下に説明する。
ことは難しいため、冷却水温TWと負荷(すなわち、吸
入空気量Q)とから演算により吸気バルブ温度TVを推
定する場合について以下に説明する。
【0078】吸気バルブ温度TVの算出は、エンジン1
の始動時、燃焼により冷却水温TWが安定した平衡時、
始動直後で冷却水温TWが安定するまでの過渡時、の3
つに大別することができる。
の始動時、燃焼により冷却水温TWが安定した平衡時、
始動直後で冷却水温TWが安定するまでの過渡時、の3
つに大別することができる。
【0079】(a)始動時 始動時では吸気バルブ温度TV≒冷却水温TWとなるた
め、図14に示すように、始動時吸気バルブ温度TVi
ntは始動時冷却水温TWintに比例し、TVint
=TVintとして求める。
め、図14に示すように、始動時吸気バルブ温度TVi
ntは始動時冷却水温TWintに比例し、TVint
=TVintとして求める。
【0080】(b)平衡時 燃焼によって冷却水温TWが安定した平衡時では、図1
5に示すように、実験などから冷却水温TW+80゜C
が吸気バルブ温度TVとして演算する。
5に示すように、実験などから冷却水温TW+80゜C
が吸気バルブ温度TVとして演算する。
【0081】(c)過渡時 始動時から燃焼によって冷却水温TWが安定するまでの
過渡時においては、図16に示すように、予め吸入空気
量Q(負荷)に応じて設定された時定数τを所定時間Δ
tごとにサンプリングした吸入空気量Qから算出すると
ともに、この時定数τと読み込んだ冷却水温TWとから
次式に基づいて吸気バルブ温度TVを算出する。なお、
吸入空気量Qは図2に示したエアフローメータによって
検出されるものである。
過渡時においては、図16に示すように、予め吸入空気
量Q(負荷)に応じて設定された時定数τを所定時間Δ
tごとにサンプリングした吸入空気量Qから算出すると
ともに、この時定数τと読み込んだ冷却水温TWとから
次式に基づいて吸気バルブ温度TVを算出する。なお、
吸入空気量Qは図2に示したエアフローメータによって
検出されるものである。
【0082】
【数2】
【0083】この吸気バルブ温度TV(i)は所定時間
Δt毎に更新されるもので、前回の値(i−1回目)と
吸入空気量Qから演算された時定数τに応じて求めるこ
とができる。
Δt毎に更新されるもので、前回の値(i−1回目)と
吸入空気量Qから演算された時定数τに応じて求めるこ
とができる。
【0084】このように、上記(a)〜(c)のように
始動時からエンジン1の状態に応じて演算された吸気バ
ルブ温度TVより禁止時間TDLYを求めることによ
り、前記第1または第2の実施例に比して精度よく壁流
による制御の応答遅れの影響を抑制することができ、特
に、過渡時における禁止時間TDLYの設定を前記実施
例に比して高精度で行うことができるのであり、上記図
3のステップS9でこの吸気バルブ温度TVの演算を行
うとともに、図10に示したような禁止時間TDLYを
演算することで、エンジン1の暖機中における壁流の影
響を抑制して安定性を向上させることが可能となるので
ある。
始動時からエンジン1の状態に応じて演算された吸気バ
ルブ温度TVより禁止時間TDLYを求めることによ
り、前記第1または第2の実施例に比して精度よく壁流
による制御の応答遅れの影響を抑制することができ、特
に、過渡時における禁止時間TDLYの設定を前記実施
例に比して高精度で行うことができるのであり、上記図
3のステップS9でこの吸気バルブ温度TVの演算を行
うとともに、図10に示したような禁止時間TDLYを
演算することで、エンジン1の暖機中における壁流の影
響を抑制して安定性を向上させることが可能となるので
ある。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように第1の発明は、機関
の運転条件を検出する手段と、前記機関の運転条件に応
じて燃料噴射量を算出する手段と、機関の安定度TRF
SUMを検出する手段と、前記安定度TRFSUMの検
出結果に応じて暖機中の燃料噴射量を増減補正する暖機
時燃料噴射量補正手段と、暖機時燃料噴射量補正手段に
基づいて前記燃料噴射量を補正する手段とを備えてなる
内燃機関において、予め設定した禁止時間TDLYの間
だけ安定度TRFSUMに基づく燃料噴射量補正を中止
する制御禁止手段と、前記禁止時間TDLYが経過する
たびに安定度TRFSUMに基づく燃料噴射量補正を行
う制御手段とを備え、機関の暖機中には所定の禁止時間
ごとに安定度に基づく燃料噴射量補正を行うことで壁流
に応じた禁止時間で制御の応答遅れを加味することが可
能となり、安定度に基づく燃料噴射量の補正は前回の補
正による安定度の結果を検出してから行うことが可能と
なり、前記従来例のように燃料噴射量が過大に補正され
ることがなくなって暖機中の機関の安定性の変動を抑制
することができ、暖機中の機関の運転性を向上すること
が可能となる。
の運転条件を検出する手段と、前記機関の運転条件に応
じて燃料噴射量を算出する手段と、機関の安定度TRF
SUMを検出する手段と、前記安定度TRFSUMの検
出結果に応じて暖機中の燃料噴射量を増減補正する暖機
時燃料噴射量補正手段と、暖機時燃料噴射量補正手段に
基づいて前記燃料噴射量を補正する手段とを備えてなる
内燃機関において、予め設定した禁止時間TDLYの間
だけ安定度TRFSUMに基づく燃料噴射量補正を中止
する制御禁止手段と、前記禁止時間TDLYが経過する
たびに安定度TRFSUMに基づく燃料噴射量補正を行
う制御手段とを備え、機関の暖機中には所定の禁止時間
ごとに安定度に基づく燃料噴射量補正を行うことで壁流
に応じた禁止時間で制御の応答遅れを加味することが可
能となり、安定度に基づく燃料噴射量の補正は前回の補
正による安定度の結果を検出してから行うことが可能と
なり、前記従来例のように燃料噴射量が過大に補正され
ることがなくなって暖機中の機関の安定性の変動を抑制
することができ、暖機中の機関の運転性を向上すること
が可能となる。
【0086】また、第2の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記制御手段は禁止時間中に安定度が所定値を越
えて悪化した場合には禁止を解除するとともに前記禁止
時間を再設定すると共に、前記燃料噴射補正手段が燃料
噴射量を増量補正するため、制御の禁止時間中に機関の
安定度が所定値を越えて悪化すると通常の安定度制御に
より燃料噴射量を増量して機関の安定度を回復させるこ
とができ、さらに禁止時間を再設定することでこの増量
補正の結果を待ってから安定度に基づく制御を行うこと
で機関の安定度の変動を抑制することができる。
いて、前記制御手段は禁止時間中に安定度が所定値を越
えて悪化した場合には禁止を解除するとともに前記禁止
時間を再設定すると共に、前記燃料噴射補正手段が燃料
噴射量を増量補正するため、制御の禁止時間中に機関の
安定度が所定値を越えて悪化すると通常の安定度制御に
より燃料噴射量を増量して機関の安定度を回復させるこ
とができ、さらに禁止時間を再設定することでこの増量
補正の結果を待ってから安定度に基づく制御を行うこと
で機関の安定度の変動を抑制することができる。
【0087】また、第3の発明は、前記第1または第2
の発明において、前記制御禁止手段が始動後の経過時間
に応じて禁止時間を減少するため、始動後の時間と共に
上昇する冷却水温など機関温度に応じて変動する壁流に
よる制御の応答遅れによる影響を、始動後の経過時間に
応じて設定した禁止時間により抑制し、暖機中の機関の
安定性を確保することができる。
の発明において、前記制御禁止手段が始動後の経過時間
に応じて禁止時間を減少するため、始動後の時間と共に
上昇する冷却水温など機関温度に応じて変動する壁流に
よる制御の応答遅れによる影響を、始動後の経過時間に
応じて設定した禁止時間により抑制し、暖機中の機関の
安定性を確保することができる。
【0088】また、第4の発明は、前記第1または第2
の発明において、前記制御禁止手段が機関の冷却水温に
応じて前記禁止時間を減少するため、機関の温度に応じ
て変動する壁流による制御の応答遅れの影響を冷却水温
に基づいて設定した禁止時間により抑制し、暖機中の機
関の安定性を確保することができる。
の発明において、前記制御禁止手段が機関の冷却水温に
応じて前記禁止時間を減少するため、機関の温度に応じ
て変動する壁流による制御の応答遅れの影響を冷却水温
に基づいて設定した禁止時間により抑制し、暖機中の機
関の安定性を確保することができる。
【0089】また、第5の発明は、前記第1または第2
の発明において、前記制御禁止手段が機関の吸気バルブ
の温度に応じて前記禁止時間を減少するため、機関の温
度に応じて変動する壁流による制御の応答遅れの影響を
吸気バルブの温度に基づいて設定した禁止時間により確
実に抑制し、暖機中の機関の安定性を確保することがで
きる。
の発明において、前記制御禁止手段が機関の吸気バルブ
の温度に応じて前記禁止時間を減少するため、機関の温
度に応じて変動する壁流による制御の応答遅れの影響を
吸気バルブの温度に基づいて設定した禁止時間により確
実に抑制し、暖機中の機関の安定性を確保することがで
きる。
【0090】また、第6の発明は、前記第5の発明にお
いて、前記制御禁止手段が前記冷却水温から吸気バルブ
の温度を演算するため、吸気バルブの温度を直接検出す
ることなく吸気バルブの温度を推定することで、装置の
構成を簡易にすることができ、製造コストの増大を抑制
することが可能となる。
いて、前記制御禁止手段が前記冷却水温から吸気バルブ
の温度を演算するため、吸気バルブの温度を直接検出す
ることなく吸気バルブの温度を推定することで、装置の
構成を簡易にすることができ、製造コストの増大を抑制
することが可能となる。
【図1】第1ないし第6の発明のいずれかひとつに対応
するクレーム対応図である。
するクレーム対応図である。
【図2】本発明の一実施例を示すブロック図である。
【図3】制御の一例を示すフローチャートである。
【図4】安定度TRFSUMを算出するフローチャート
である。
である。
【図5】Ref信号と周期TREF(n)との関係を示
す図である。
す図である。
【図6】始動後増量補正係数KASと冷却水温との関係
を示す図である。
を示す図である。
【図7】水温増量補正係数KTWと冷却水温との関係を
示す図である。
示す図である。
【図8】始動後増量補正係数KASと始動後経過時間と
の関係を示す図である。
の関係を示す図である。
【図9】始動時噴射パルス幅Tistと冷却水温との関
係を示す図である。
係を示す図である。
【図10】禁止時間TDLYと水温TWまたは吸気バル
ブ温度TVとの関係を示す図である。
ブ温度TVとの関係を示す図である。
【図11】安定度に基づくフィードバック制御が禁止さ
れた場合の安定度及び制御量と始動後経過時間との関係
を示す図である。
れた場合の安定度及び制御量と始動後経過時間との関係
を示す図である。
【図12】同じく禁止時間TDLY中に安定度が悪化し
た場合の安定度及び制御量と始動後経過時間との関係を
示す図である。
た場合の安定度及び制御量と始動後経過時間との関係を
示す図である。
【図13】他の実施例を示す禁止時間TDLYと始動後
経過時間との関係を示す図である。
経過時間との関係を示す図である。
【図14】さらに他の実施例を示す始動時吸気バルブ温
度TVintと始動時水温TWintとの関係を示す図
である。
度TVintと始動時水温TWintとの関係を示す図
である。
【図15】同じく平衡時の吸気バルブ温度TVと水温T
Wとの関係を示す図である。
Wとの関係を示す図である。
【図16】同じく過渡時の吸入空気量Qと時定数τとの
関係を示す図である。
関係を示す図である。
【図17】従来の例を示す安定度及び制御量と始動後経
過時間との関係を示す図である。
過時間との関係を示す図である。
4 コントロールユニット 15 吸気バルブ 16 水温センサ 17 インジェクタ 18 エアフローメータ 19 クランク角センサ 20 キースイッチ 50 運転条件検出手段 51 燃料噴射量算出手段 52 燃料噴射量補正手段 53 安定度検出手段 54 暖機時燃料噴射量補正手段 55 制御手段 56 制御禁止手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02D 45/00 364 K
Claims (6)
- 【請求項1】 機関の運転条件を検出する手段と、前記
機関の運転条件に応じて燃料噴射量を算出する手段と、
機関の安定度を検出する手段と、前記安定度の検出結果
に応じて暖機中の燃料噴射量を増減補正する暖機時燃料
噴射量補正手段と、暖機時燃料噴射量補正手段に基づい
て前記燃料噴射量を補正する手段とを備えてなる内燃機
関において、予め設定した禁止時間の間だけ安定度に基
づく燃料噴射量補正を中止する制御禁止手段と、前記禁
止時間が経過するたびに安定度に基づく燃料噴射量補正
を行う制御手段とを備えたことを特徴とする内燃機関の
燃料噴射制御装置。 - 【請求項2】 前記制御手段は禁止時間中に安定度が所
定値を越えて悪化した場合には禁止を解除するとともに
前記禁止時間を再設定すると共に、前記暖機時燃料噴射
量補正手段が燃料噴射量を増量補正することを特徴とす
る請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。 - 【請求項3】 前記制御禁止手段が機関始動後の経過時
間に応じて禁止時間を減少することを特徴とする請求項
1または請求項2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装
置。 - 【請求項4】 前記制御禁止手段が機関の冷却水温に応
じて前記禁止時間を減少することを特徴とする請求項1
または請求項2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。 - 【請求項5】 前記制御禁止手段が機関の吸気バルブの
温度に応じて前記禁止時間を減少することを特徴とする
請求項1または請求項2に記載の内燃機関の燃料噴射制
御装置。 - 【請求項6】 前記制御禁止手段が前記冷却水温から吸
気バルブの温度を演算することを特徴とする請求項5に
記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11916194A JP3183040B2 (ja) | 1994-05-31 | 1994-05-31 | 内燃機関の燃料噴射制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11916194A JP3183040B2 (ja) | 1994-05-31 | 1994-05-31 | 内燃機関の燃料噴射制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07324643A true JPH07324643A (ja) | 1995-12-12 |
JP3183040B2 JP3183040B2 (ja) | 2001-07-03 |
Family
ID=14754433
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11916194A Expired - Fee Related JP3183040B2 (ja) | 1994-05-31 | 1994-05-31 | 内燃機関の燃料噴射制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3183040B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007002737A (ja) * | 2005-06-23 | 2007-01-11 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の制御装置 |
JP2007063994A (ja) * | 2005-08-29 | 2007-03-15 | Nissan Motor Co Ltd | 内燃機関のバルブ温度推定装置及びこれを利用したバルブクリアランス量推定装置 |
JP2007239637A (ja) * | 2006-03-09 | 2007-09-20 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の燃料噴射制御装置 |
JP2017115605A (ja) * | 2015-12-21 | 2017-06-29 | 三菱自動車工業株式会社 | 燃料噴射制御装置 |
-
1994
- 1994-05-31 JP JP11916194A patent/JP3183040B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007002737A (ja) * | 2005-06-23 | 2007-01-11 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の制御装置 |
JP2007063994A (ja) * | 2005-08-29 | 2007-03-15 | Nissan Motor Co Ltd | 内燃機関のバルブ温度推定装置及びこれを利用したバルブクリアランス量推定装置 |
JP2007239637A (ja) * | 2006-03-09 | 2007-09-20 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の燃料噴射制御装置 |
JP2017115605A (ja) * | 2015-12-21 | 2017-06-29 | 三菱自動車工業株式会社 | 燃料噴射制御装置 |
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---|---|
JP3183040B2 (ja) | 2001-07-03 |
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Legal Events
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FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090427 Year of fee payment: 8 |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |