JPH0732431Y2 - 蓋付容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の目的 産業上の利用分野 本考案は密封性に優れる蓋付容器に関する。

従来の技術 従来の密封容器は蓋、容器がねじ式のものか、機械的に
大きな力で蓋を一挙に嵌合し、これを容器口部天面ある
いは内面に押しつける方式のもの等であった。

考案が解決しようとする問題点 従来の蓋付容器は、構造および形状が複雑になり、ま
た、寸法精度も要求されるものであった。

考案の構成 問題点を解決する為の手段 本考案は上記従来の問題点を解決するためになされたも
のであり、吸盤が吸い付く原理とコルク栓の原理を応用
したものであり、口部を摺り鉢状に拡げた容器と、この
口部内面に密着するごとく周辺の起上り部に口部の傾斜
に対応する傾斜をつけ、一隅に開栓用摘みを設け、弾性
変形を増大させるように底部に放射方向に波形を形成し
た皿状プラスチック製蓋とからなることを特徴とする蓋
付容器に係わる。

作用 本考案蓋付容器は容器の内外気圧差によって蓋自ら容器
に密着しようとする力と蓋の弾性で容器により密着しよ
うとする力によって密封する。したがって、構造が単純
で、容器と蓋との寸法精度を従来のものほど要求しな
い。また、容器内気圧が上がると蓋は自然に開放するこ
とを特徴とする。

実施例 図面の実施例により本考案を詳細に説明する。

第１図は本考案の蓋の上面図、第２図は同じく中央縦断
面図、第３図は本考案の容器に蓋を載せた状態を示す中
央縦断面図、第４図は同じく容器に蓋を押しつけて密封
する状態を示す中央縦断面図、第５図は蓋の形状が復元
し、密封された状態を示す中央縦断面図、第６図は摘み
を引いて密封を解く状態を示す中央縦断面図である。

図において１は蓋、２は容器、３は蓋１の開栓用摘みで
ある。皿状の蓋１の底部には蓋の弾性増大のための同心
円状の波形４があり、周辺は摺り鉢状に傾斜した起上り
部５となっている。６は容器２の摺り鉢状口部である。
蓋１の起上り部５の外面には突条７がある。このような
蓋１を容器２の上に載せて、第４図に示すごとく、中央
部８を矢印方向、すなわち、下方へ一押しすると中央部
８は凹んで容器２内部の体積は減少し、容器２内の空気
は摺り鉢状口部６の内周面と蓋１の起上り部５の外周面
との間隙を押し拡げて矢印方向外部へ逃げる。そこで、
蓋１の中央部８を押している手を離すと凹んでいた該部
は第５図に示すごとく、矢印方向上方に向かって復元
し、また、容器２の摺り鉢状口部６内周面と蓋１の起上
り部５外周面とは後者が矢印方向へ移動するため密着
し、容器２内の体積は増大するため容器２内は減圧状態
となり、吸盤とコルク栓の原理により容器は密封状態を
維持する。

開栓するときは、摘み３を引き上げることによって第６
図の矢印のごとく容器２内に空気が導入され、容器２内
の減圧状態は解消するため蓋１は容易に取ることができ
る。蓋１の素材はEVA、ラバロン（商品名）等のゴム質
熱可塑性プラスチックが好ましい。

考案の効果 本考案は従来技術のように容器口部天面または内面に蓋
を機械的に押しつけるのではなく、蓋が容器の内外気圧
差、容器内減圧状態によって蓋自ら容器口部に密着しよ
うとする力を利用している。したがって、構造が簡単で
ありながら、より容易に密封することができる。

また、容器と蓋の接触部分に傾斜を持たせたことにより
ガラス器のような寸法精度の低い素材には特に有利であ
る。さらに、容器の内気圧が上がることによって蓋は自
然に開放するため、容器と蓋を耐熱素材にすることによ
り、電子レンジ用としても蓋をしたままでも安全に使用
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の蓋の上面図、第２図は同じく中央縦断
面図、第３図は本考案の容器に蓋を載せた状態を示す中
央縦断面図、第４図は同じく容器に蓋を押しつけて密封
する状態を示す中央縦断面図、第５図は蓋の形状が復元
し、密封された状態を示す中央縦断面図、第６図は摘み
を引いて密封を解く状態を示す中央縦断面図である。 １…蓋、２…容器、３…開栓用摘み、４…波形、５…起
上り部、６…摺り鉢状口部、７…突条、８…蓋中央部、

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】口部を摺り鉢状に拡げた容器と、この口部
   内面に密着するごとく周辺の起上り部に口部の傾斜に対
   応する傾斜をつけ、一隅に開栓用摘みを設け、弾性変形
   を増大させるように底部に放射方向に波形を形成した皿
   状プラスチック製蓋とからなることを特徴とする蓋付容
   器