JPH0159179B2 - - Google Patents

Description

請求の範囲 １ 容器の密封に使用する分離可能なプラスチツ
ク製キヤツプ１０で、該キヤツプが取付けられる
容器３４，３６，３８の口の上方に広がりかつこ
れを蔽う上壁１２、該上壁１２と一体に形成さ
れ、かつ該上壁の周辺から下向きに延びる環状側
壁１４、上記上壁１２に一体に形成され、かつ該
上壁から下向きに延びる第１環状フランジ２８
で、該第１フランジ２８は内面６４と外面３１を
有し、該外面３１はキヤツプ上壁１２の面と約
45゜傾斜し、又該第１フランジ２８はキヤツプ上
壁１２の面から十分の長さ下方に延び出し、この
外面３１が容器壁の内側リム縁４２，４７に接触
し、該第１フランジ２８の外面３１の上記傾斜の
ため該外面は上記リム縁４２，４７と線接触する
第１環状フランジ２８；上記キヤツプ上壁１２と
一体に形成され、かつ該上壁から下向きに延びる
第２環状フランジ３０で、該第２フランジ３０は
上記第１フランジとは独立し、かつこれと同軸で
これから一定距離外側に離れた位置、かつキヤツ
プを容器に取付けた時、キヤツプ環状側壁１４と
接触しないように該側壁とは同心であるがこれか
ら離れた位置に形成され、更に上記第２環状フラ
ンジ３０は内面３３と外面６６を有し、該第２フ
ランジはキヤツプ上壁１２の面から十分の長さ下
方に延び出し、該第２フランジの内面３３は容器
壁の外側リム縁４４，４８と接触し、該第２フラ
ンジの内面３３は上記リム縁４４，４８と線接触
する第２環状フランジ３０、を含み、上記第１及
び第２環状フランジ２８，３０はそれぞれキヤツ
プ上壁１２との結合位置に基部を有し、これらの
両基部は十分の距離離れているため、キヤツプを
取付けた容器の内側と外側のリム縁４２，４７，
５４，４４，４８にのみ接触し、上記第１及び第
２フランジ２８，３０の外面３１と内面３３はそ
れぞれ、キヤツプ１０を容器壁に取付けた時ポケ
ツト４６，５０，５６を形成するように相互に離
れ、かつ容器壁に対して傾斜し、上記第２フラン
ジ３０の内面３３はキヤツプ上壁１２の面に対し
て約80゜傾斜し、上記の両フランジ２８，３０は
ほぼ平行な内面６４，３１と外面３３，６６とを
有し、又上記第１及び第２フランジ２８，３０は
薄肉で可撓性を有し、容器３４，３６，３８周辺
の内側及び外側リム４２，４７，５４，４４，４
８の不規則的形状に適応して連続的に密封接触
し、上記ポケツト４６，５０，５６は壁の厚さ不
同性、及び不規則的形状の縁部を有する容器を効
果的に密封し、更に上記両フランジ２８，３０は
相互に協力して上記ポケツト４６，５０，５６内
に吸引効果を生じ、該キヤツプ１０の使用で容器
の再密封が行われることを特徴とするプラスチツ
ク製真空密封キヤツプ。

２ 上記第１項記載のキヤツプで、更に側壁１４
の内面には容器の口の外面のねじにねじ込まれる
ねじ装置２６を有することを特徴とするプラスチ
ツク製真空密封キヤツプ。

３ 上記第１又は第２項記載のキヤツプで、第２
フランジ３０の下縁には面取部３２が形成され、
該面取部３２は第２フランジ３０の外面に向けて
下方に傾斜し、該第２フランジ３０の内面と、キ
ヤツプが取付けられる容器の外側リム縁４４，４
８との間の接触が確実に行われる案内部となるこ
とを特徴とするプラスチツク製真空密封キヤツ
プ。

４ 上記第１ないし第３項記載のキヤツプで、第
１及び第２フランジ２８，３０は上壁１２の面か
ら下方に等距離延び出していることを特徴とする
プラスチツク製真空密封キヤツプ。

本発明の背景 本発明は一般に容器に使用するプラスチツク製
キヤツプ、特にプラスチツク製真空密封キヤツプ
に関連する。

空気の存在で腐敗又は変質を起こし易い容器入
物質は勿論、特に食品の包装業界では、多くの場
合これらの物質の容器に比較的高真空を加え、空
気の容器内侵入を阻止するためキヤツプ又はカバ
ーのような適当な封止体で容器を密封する。容器
の内容物にかなり長い貯蔵期間を与えるのに十分
な真空を維持するためにはカバーと容器間の界面
を確実に密封することが必要である。従来、非常
に多種類のカバーの設計及び形状が考案されたが
多くの場合金属製キヤツプであつた。しかし経済
的の理由、及び金属製キヤツプはある種の食品に
対して悪影響がある徴候があるため、真空密封容
器、特にガラスビン及びガラス製広口ビンに有効
なプラスチツク製キヤツプの開発が要望されてい
る。

数年間にわたつて上記目的に合致するプラスチ
ツク製キヤツプに対する研究が行われたが多くの
問題があつた。例えば、多くのプラスチツクは時
間の経過と共に劣化し、キヤツプにひび割れや破
損が起こるため包装物品の貯蔵期間が短い。たと
えひび割れや破損が起こらなくても時間の経過と
共に変形し、キヤツプの縁部から内容物が漏れる
ことがしばしばある。上記の劣化及び変形の問題
は新規なプラスチツク材料の開発で大部分が克服
されたが、高品質の材料を合理的なコストで製造
できることが真実の経済的利点であることが従来
公知であるためこの種のキヤツプに新しい問題が
発生した。

しかしこの種の新規材料の明瞭な優秀性を製造
業者が利用できる適当な設計構造のキヤツプは従
来存在しなかつたから即座にこのプラスチツク製
キヤツプに変更することは困難である。この難点
は従来の全ての設計は、たとえ有効な密封が行わ
れるキヤツプが作られたとしても容器縁部とキヤ
ツプ間には非常に正確な嵌合が要求され、製造業
者は通常の製造環境ではガラスビンの壁厚の変動
の問題に直面する。従来のガラス容器製造に使用
される成形技術では、同じ成形型で容器を作つて
も容器によつて首の壁厚に広範囲の変動が発生す
る。従来のプラスチツク製キヤツプの設計では、
ビンとこれに使用するキヤツプとの間で適正密封
を得るためビン毎の変動を防止するにはビ内径、
即ち首の壁厚を正確に成形しなければならなかつ
た。ビン毎の壁厚の変動の問題のほかに、成形過
程で、又は容器の取扱い間のガラスの破損で容器
の口の縁部に無数の不規則形状が発生し、上記の
後者のガラス破損は再使用するガラス容器の場合
に特に重要である。プラスチツク製キヤツプに適
合する容器の上記の形状変動の問題を解決するに
はガラス成形技術を変更することが必要であるが
これは容器の製造コストが大幅に上昇し、又容器
の再使用を廃止することとなろう。

従来技術 プラスチツク製キヤツプの設計と構造に関する
従来開示されている例は米国特許第3463340号；
第3854618号及び第3583591号である。

本発明の要約 本発明の目的は従来技術の前記問題を克服し、
ビン又は広口ビンのようなガラス容器に確実かつ
信頼性のある真空密封が行われるプラスチツク製
キヤツプを提供することにある。

特に本発明の一目的は、種々の壁厚及び破損の
ような不規則形状を有する容器のリムの周囲に真
空密封を保持することによつて正確なキヤツプ及
び容器の成形に対する要求を除去したビンを提供
することにある。

約言すれば本発明は、ビン又は広口ビンのよう
なガラス容器の口を蔽いかつ包む上壁と下向き環
状側壁を有する真空密封プラスチツク製キヤツプ
によつて、上記目的に合致しかつ従来技術の問題
を解決するものである。上記の側壁はガラス容器
の外面の対応ネジ溝にねじ込まれる適当なネジ溝
を有し、この側壁の底縁は容器にキヤツプが容易
に嵌合されるように面取りされている。この側壁
の外面の底面周囲には補強用の肩が形成されてい
るからキヤツプが過度に拡張することが阻止さ
れ、この底面周囲は好適にはつかみ易いように波
形の凹凸形状にしてある。

上記キヤツプの主な特徴は、キヤツプの上壁と
一体に形成され、かつ該上壁から下向きに２つの
可撓性の環状真空密封フランジ、即ちリツプを設
けた点にある。これらの環状フランジはガラス容
器の上方リムの内縁と外縁にかみ合うようになつ
ている。この２つのフランジは同心で、外側フラ
ンジはキヤツプの側壁に向つて外側に傾斜し、ガ
ラス容器の外側リム縁にのみ確実に接触する。本
発明の好適実施例ではこの外側リムは上壁に垂直
なキヤツプ軸線に対して10゜傾斜している。この
傾斜配置は、所望の密封を得るため容器の外側表
面と面接触しない点で従来の多くのキヤツプと異
なり、従つてこの外側表面の形状と正確に一致す
る必要がない。外側フランジを外側に傾斜させる
ことによつてこのフランジはリム縁と線接触する
から、ガラス容器に不規則形状がある場合でもは
るかに簡単に密封接触が得られる。

上記の第２環状フランジ、即ち内側環状フラン
ジは第１フランジの内側に、キヤツプの軸線に向
つて一定間隔離れて配置されているから直径は小
さく、又キヤツプが取付けられている容器の内側
リム縁に接触するようにしてある。種々の壁厚の
容器に適合させるため、この内側フランジはキヤ
ツプの上壁に対して約45゜の角度内側に傾斜して
いる。この傾斜のため容器の内側リム縁とはほぼ
線接触し、又フランジに十分な適合性を生ずるか
ら、壁厚の変動、又は内側リム縁に不規則形状が
存在する場合でも連続的接触が得られる。

使用の際は上記のキヤツプは真空環境内で常法
通り適当なガラス容器に取付けられ、キヤツプの
内側と外側の下向きフランジがそれぞれ容器の内
側と外側のリム縁にかみ合い接触するように圧下
される。キヤツプの圧下により外側フランジはキ
ヤツプの側壁に向けて僅かに外側に曲げられるが
この側壁には接触せず、容器の外側リム縁と連続
的線接触密封を形成するから容器を真空環境外に
取出してもキヤツプは真空密封を維持する。同時
に、容器の口の内側リム縁は内側フランジを内側
に曲げ、上記の両フランジ間、かつ容器のリムの
上方の空間に対して強固な機械的密封を形成し、
この空間は容器の上面の周囲に密封された環状ポ
ケツトになる。

封鎖容器を真空環境から取出すとキヤツプは大
気圧のため更に強固に容器上で圧迫されるから内
部の真空は確実に維持される。キヤツプに加わる
この大気圧は内側フランジを容器の内側リムに圧
迫し、又両フランジ間のポケツト内の真空は外側
フランジを更に強く外側リムに吸引する力を発生
するから、このキヤツプの外面に作用する大気圧
は両フランジの密封作用を増強する。両フランジ
間に形成されたポケツトは吸引カツプとして作用
し、この内部の真空は容器の内部の真空と大気圧
との間にあつて両フランジを容器リム縁に接触保
持する。

もしキヤツプを容器から除去して真空を解除し
ても、キヤツプを容器の口にねじ込めば２つのフ
ランジは容器のリム縁に良好な機械的シールを形
成するから容器の再密封にキヤツプが使用でき
る。従つてこのキヤツプは容器の再密封用の蓋に
もなる。

【図面の簡単な説明】

本発明の上記及び他の諸目的、特徴及び利点は
添付図面による好適実施例の下記の詳細な説明か
ら当業者には明らかであろう。

添付図面中： 第１図は本発明によつて作られた真空密封用キ
ヤツプの、第２図の線１−１による断面図； 第２図は本発明のキヤツプの、第１図の線２−
２による底部断面図； 第３図は第１図のキヤツプの部分的断面図で、
密封用フランジの構造を示し； 第４図は比較的厚い側壁を有するガラス容器に
取付けた本発明キヤツプの部分的断面図； 第５図は中間厚の側壁を有するガラス容器に取
付けた本発明キヤツプの部分的断面図で； 第６図は比較的薄い側壁を有するガラス容器に
取付けた本発明キヤツプの部分的断面図である。

好適実施例の説明 本発明を更に詳細に説明すると、第１及び第２
図に示される本発明のプラスチツク製キヤツプ１
０はビン又は広口ビンのようなガラス容器の口に
嵌合されてこれを真空密封するもので、容器を開
放して密封を解除したあとは再封鎖用の蓋として
使用される。好適にはこのキヤツプはポリスチレ
ン、ポリエチレンのような適当なプラスチツク材
料の射出成形などで作られるが、キヤツプの使用
中に発生する応力に耐え、又キヤツプに所望の貯
蔵期間が得られる他のプラスチツク材料も使用で
きる。この種の材料は当業者には公知である。

キヤツプ１０は封鎖すべき容器の外径によつて
決められる直径の上壁１２を有し、この上壁の厚
さは上記の直径に比例し、又一部は密封すべき真
空度と所望のキヤツプ貯蔵期間とによつて決めら
れる。上記の上壁の厚さは多くの場合1/16インチ
（1.588mm）で十分であるが、所要の厚さは勿論、
容器の大きさ、容器内の真空度、使用材料及びキ
ヤツプ製造方法によつて変わる。このキヤツプは
ほぼ直角の環状側壁１４を有し、この側壁は上壁
１２と一体に形成され、この上壁に隅部１６で接
続する。この側壁の外面には多数の波形突起１８
が設けられ、この外面がにぎり表面になる。

側壁１４の下縁は傾斜部２０で外側に広がつて
補強肩部２２を形成し、この側壁下部は肉厚にな
つているからキヤツプを容器に取付けた際の過度
の膨張は阻止される。この下縁には又面取部２４
が成形されているからキヤツプは容易に容器に嵌
合でき、この面取部は又側壁１４の内面に形成さ
れたねじ山２６に対する導入部になる。これらの
ねじ山は容器に形成されたねじ溝とかみ合い、容
器の首にキヤツプを固定するものである。

上記のキヤツプには２つの下向きの密封用環状
フランジ２８と３０が一体に形成される。これら
のフランジは相互に、又環状側壁と同心で（第２
図参照）、又キヤツプの上壁に垂直の中心軸線と
も同心である。内側フランジ２８は内面６４と外
面３１を有し、かつキヤツプの軸線に向けて内側
に傾斜して直径は小さく、又外側フランジ３０は
内面３３と外面６６を有し、かつフランジ２８の
外側に一定距離離れてキヤツプ軸線から外側に傾
斜して中間直径を有し、環状側壁はフランジ３０
から外側に一定距離離れて最大直径を有する。上
記の２つのフランジの相互間隔と、キヤツプの上
壁と側壁とに対する間隔と傾斜は種々の壁厚のガ
ラス容器に対する適正密封操作が行われるキヤツ
プ機能に対して重要である。上記の２つの密封用
フランジは独立に作用し、内壁又は外壁の縁部に
破損部があつても内容物の密封は良好に行われ
る。

第３図に最も明瞭に示されるように、内側フラ
ンジ２８は上壁との連結基部から下向きに延び出
し、かつキヤツプの中心軸線に向けて内側に傾斜
し、このフランジはキヤツプの上壁の面に対して
傾斜している。本発明の好適実施例ではこの角度
は約45゜で、この角度でフランジ下面３１は、キ
ヤツプを容器に取付けて良好な機械的密封を行う
際に加えられる折曲力に十分に抵抗する要求に合
致して容器に接触する最高方位が得られる。厚さ
１／８ないし1/4インチ（3.17ないし6.35mm）の壁厚
を有する普通のソーダ水ビンのような口の狭いガ
ラスビンに使用するキヤツプでは、フランジ２８
の長さは1/4インチ（6.35mm）程度が好適である。
このフランジは良好な機械的密封が得られる十分
な厚さを有しなければならないが、容器の口の不
規則形状に一致する十分な弾性も持つていなけれ
ばならない。この正確な厚さは多くの要因、例え
ば使用する材質、キヤツプの直径及びフランジの
長さ等によつて変わるが多くの場合1/32インチ
（0.79mm）のオーダーである。

外側フランジ３０の基部はフランジ２８の基部
から外側に一定距離離れ、これらの両基部は第３
図に示すように距離“ｄ”だけ離れて上壁１２に
連結している。内側と外側の両フランジの上記の
角度関係のためこの距離“ｄ”は限定されない
が、密封すべき容器の最小の壁厚によつて変わ
る。この距離“ｄ”はキヤツプを取付ける容器の
最小壁厚よりも小さくなければならず、従つてリ
ムの内側と外側の縁部はそれぞれフランジ２８と
３０に接触する。

外側フランジ３０は上壁１２との結合部から下
向きに延び出し、又キヤツプの軸線から外側に、
第３図に示すように上壁１２の面と“β”の角度
傾斜している。このフランジの底縁は、キヤツプ
を容器に取付け易いようにフランジ３０の内側に
容器の上端リムを案内する誘導面取部３２が形成
され、又上記の角度“β”はフランジ３０の内面
３３が容器の外側リム縁に接触するように選択さ
れる。この角度は約80゜であるべきで、この傾斜
で所望のリム縁接触が行われると共に良好な真空
密封に必要な強固な接触が得られることが判明し
た。他のフランジ３０はキヤツプの側壁１４から
内側に離れ、この距離はキヤツプを容器に取付け
た時このリムがこのフランジを側壁１４に接触さ
せない程度の十分な大きさである。このフランジ
を側壁１４に接触させないように離しておくこと
によつて、フランジはキヤツプを容器にねじ込ん
だ時外側に曲がり、容器、即ちビンの外側リム縁
と密着するから良好な真空密封が得られる。又フ
ランジ３０はキヤツプを容器にねじ込んだ時、容
器の外面がフランジの底縁３２ではなく内面３３
に確実に接触するように側壁から離れた位置にな
ければならない。

第４，５及び６図は種々のガラス容器３４，３
６及び３８の首にキヤツプ１０を取付けた状態を
示し、これらの容器はそれぞれキヤツプのねじ部
２６が嵌合する外ねじが形成されている。図示の
ように、容器３４の壁厚は比較的大きく、容器３
６の壁厚はこれより小さい中間厚で、容器３８は
薄い壁厚構造の首部を有する。第４図に示す容器
３４の上部、即ち口は周辺上端リム４０で限定さ
れる開口部を有し、このリムはキヤツプを容器に
ねじ込んだ時内側フランジ２８と外側フランジ３
０との間の空間に嵌合する。容器の内側リム縁４
２はフランジ２８の面３１に接触し、又外側リム
縁４４は外側フランジ３０の面３３に接触する。
キヤツプを容器にねじ込むと、内縁４２はフラン
ジ２８を機械的に変形し、これをキヤツプの上壁
１２に向けて内側上方に押し曲げ、又キヤツプ取
付けのためこれに加えられる機械的の力は容器に
強固な機械密封力を与える。同時に外側リム縁４
４はフランジ３０に機械的に接触し、これを僅か
に外側に変形し、これによつても強固な機械的密
封力が与えられる。

２個の上記のフランジ２８と３０のそれぞれの
リム縁４２と４４に対する機械的接触でこれらの
フランジの変形によつて容器を良好に密封し、同
時に容器のリムの上方、かつ両フランジ間にポケ
ツト４６を形成する。キヤツプを容器にねじ込ん
で下方に圧下し、両フランジが容器の内側と外側
のリム縁に接触した後圧下力を解放すると、キヤ
ツプの解放によつてポケツト４６内に“吸引カツ
プ”効果が発生し、この吸引力でキヤツプは容器
上に保持されて更に良好な密封が得られる。上記
の機械的密封接触と、ポケツト４６で発生される
“吸引カツプ”効果のためキヤツプは容器の再密
封に使用できる。又真空密封すべき容器にキヤツ
プをねじ込んだ時両フランジに加えられる機械的
圧力は上記の機械的密封を行うのみならず、この
密封後、容器を真空室から取出した際に大気圧が
キヤツプの上壁に加えられるから内側フランジ２
８による機械的密封は更に強固になる。又この大
気圧はフランジ３０を内側に圧すから外側リム４
４に対する密封接触も更に強固になる。

従つて両フランジは、キヤツプを容器の口に所
定の締付度まで回転すると相互に協力し、又容器
のリムと協力して容器に信頼性と耐久性のある密
封を与える。容器内の真空とキヤツプの締付との
組合せ効果で発生する機械的圧力は内側と外側の
密封を生じ、これらは基本的には独立した発生源
を有するが、特殊かつ予想外の挙動で真空容器を
極めて有効に密封すると共にこの種の容器に対す
る特殊かつ有効な再密封用キヤツプとなり、容器
の内容物に対して優れた保護を与える。この効果
は、キヤツプに加えられる機械的トルクと容器の
内部の真空との協力による特殊の二重密封作用で
得られるもので、この密封保持性はリム縁４２と
４４にひび割れ又は破損などがある場合にも維持
され、又これらの両フランジは容器の壁厚に変動
がある場合でもリム縁の形状に一致して変形す
る。ガラス容器を再使用する場合には縁部のひび
割れや破損があることが多く、又容器の口の周囲
の壁厚の変動はこの種の容器の製造法の共通の問
題である。キヤツプ１０の二重フランジ配置で容
器の壁厚に変動があつても適正密封が行われるか
ら、上記の構造のキヤツプは従来技術の明白な改
良である。

第５図に示されるように、中間壁厚のビン又は
広口ビンにキヤツプ１０を使用する場合には、容
器３６の内側リム縁４７と外側リム縁４８は第４
図の場合と同様に、それぞれ内側フランジ２８と
外側フランジ３０に接触する。図示のように壁厚
が薄いためキヤツプは深く容器にねじ込まれ、こ
の両リム縁は第４図の場合よりも上壁１２に近い
点で各フランジに接触する。しかしこれらのフラ
ンジは容器リム５２の上方にポケツト５０を形成
し、リム縁のみに接触するから所望の密封が得ら
れる。

第６図に示すように、容器壁３８が更に薄い場
合には上面リム５４は上壁１２に非常に近い点で
両フランジ２８と３０に接触する。しかし容器壁
の厚さが両フランジ間の距離ｄより小さい限り密
封が悪影響を受けることがなく、この理由は内側
と外側のリム縁は両フランジ２８と３０に接触
し、前記のように容器のリムの上方にポケツト５
６を形成するからである。内側と外側のフランジ
は壁厚の大きい容器の場合ほど曲がらない、即ち
変形しないことは明らかであるが、キヤツプを十
分にねじ込めば所要の機械的圧力を発生して良好
な密封が得られる。

比較的薄い両フランジの屈曲性と弾性のため、
及びキヤツプの上壁１２に対するこれら両フラン
ジの傾斜角度のため、これらのフランジはキヤツ
プが取付けられている容器の内側と外側のリム縁
のみに接触し、真空密封を得るための広い面接触
を必要としないから、従来の密封用キヤツプに要
求された正確な寸法の容器が不要になる。このた
めガラスビン及び広口ガラスビンに対する許容寸
法範囲が広くなり、従つてこれらの容器の製造に
使用されるダイスと鋳型の寿命が長くなり、総合
的製造コストを低下できる。

ガラスビン、広口ガラスビンその他のガラス容
器に使用される上記の新規で改良されたキヤツプ
は従来技術の欠点を克服するもので、又このキヤ
ツプはこれらの容器に対して信頼性のある経済的
密封を行うものである。このキヤツプは射出成形
法のような従来技術で容易に製造でき、又種々の
壁厚及び壁厚の変動、リム縁のひび割れや破損の
ある容器に信頼性のある密封を与えるものであ
る。本発明は特定の実施例について説明したが、
本発明の範囲内で種々の変更又は変型は勿論可能
である。