JPH07324135A - ポリボロシラザンの製造方法 - Google Patents

ポリボロシラザンの製造方法

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JPH07324135A
JPH07324135A JP6118862A JP11886294A JPH07324135A JP H07324135 A JPH07324135 A JP H07324135A JP 6118862 A JP6118862 A JP 6118862A JP 11886294 A JP11886294 A JP 11886294A JP H07324135 A JPH07324135 A JP H07324135A
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aminoborane
polyborosilazane
ammonia
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倫子 青木
Toru Funayama
徹 舟山
Yasuo Shimizu
泰雄 清水
Hirohiko Nakahara
浩彦 中原
Takeshi Isoda
武志 礒田
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 Rn 2-n SiX2 (Xはハロゲン元素、R
はアルキル、n=0,1又は2)に、 【化1】 または>B−NH2 基を有するアミノボラン化合物を添
加し、その後直ちにアンモノリシスすることにより新規
なポリボロシラザンを得た。 【効果】 得られるポリボロシラザンは、熱分解収率の
高いセラミック前駆体として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリボロシラザンの製造
方法に係る。ポリボロシラザンを前駆体とするセラミッ
クスは、耐熱性、高硬度を有し、高温用複合材料の強化
材として有用であり、化学、金属、航空、宇宙、機械、
精密、自動車等の各産業での広範な利用が期待できる。
【0002】
【従来の技術】SiC,SiB4 ,B4 Cなどのセラミ
ック前駆体となる有機ポリボロシランを一段の反応で合
成する方法は、Riccitiello ら(US NASA) によって開示
されており(米国特許第4767728号)、この方法
は、有機ボロハライドと有機ハロシランを非プロトン性
溶媒中でアルカリ金属を用いて反応させることを特徴と
する。しかしながらSi3 4 の含まれるセラミック前
駆体を、一段で容易に製造する方法については記載され
ていない。
【0003】Si3 4 ,BNセラミックスの前駆体で
ある、ポリシラザンに硼素化合物を反応させて得られる
ポリボロシラザンは、熱分解過程において結晶核形成、
粒形成を抑制することにより、生成するセラミックスの
高温での機械物性を著しく向上させる、硬度を向上させ
る、導電率の調整を図る、などの優れた特徴を有する。
本発明者らも、ポリボロシラザンおよびその製法に関す
る発明(特開平2−84437号公報)を開示してい
る。
【0004】また、ザンク(ダウ・コーニング・コーポ
レイション)も、トリクロロシランとジシラザンを反応
させて得られたR3 SiNH−含有ヒドロシラザンポリ
マーをボランと反応させることによる、硼素で変成され
たヒドロポリシラザンポリマーの生成方法を開示してい
る(特開平5−239219号公報)。さらに、セイフ
ァースら(M.I.T.)も、有機ケイ素オリゴマーまたはポリ
マーに硼素化合物を反応させて、窒化ケイ素−ホウ素ポ
リマーを得る方法を開示している(特開平3−2215
31号公報)。
【0005】しかしながら、これらはすべて、シラザン
ポリマーもしくは有機ケイ素オリゴマーまたはポリマー
を合成した後、これに硼素化合物を反応させる方法であ
り、少なくとも2段の製造工程を必要とする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】セラミック前駆体とし
て有用なポリボロシラザンを、1段の反応で容易に生成
する方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明によ
れば、Rn (2-n) SiX2 (Xはハロゲン元素、Rは
アルキル、n=0,1又は2)に、
【0008】
【化2】
【0009】または>B−NH2 基を有するアミノボラ
ン化合物を添加し、同時に又はその後直ちにアンモノリ
シスすることにより達成される。反応に供するアミノボ
ラン化合物は、
【0010】
【化3】
【0011】または>B−NH2 基を有する化合物であ
ればよい。一般的には、下記一般式(3),(4)又は
(5)で表わされる化合物がある。
【0012】
【化4】
【0013】(式中、R1 ,R2 はそれぞれ独立して水
素、C1 〜C4 のアルキル基、アルケニル基、アリール
基、または−NHR4 で表わされるアミノ基であり、R
3 は水素、C1 〜C4 のアルキル基、アルケニル基また
はアリール基であり、R4 はR 3 と同様であり、xは
0,1または2であり、yは0,1または2であり、z
は1,2または3であり、x+y+z=3である。)
【0014】
【化5】
【0015】(式中、R5 はR1 と同様であるが、各R
5 はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。)
【0016】
【化6】
【0017】(式中、R6 は−NHR4 で表わされるア
ミノ基であり、R4 は上記の通りであり、R7 はC1
4 のアルキル基、アルケニル基またはアリール基であ
るが、各R6 、各R7 はそれぞれ同じでも異なっていて
もよい。) より具体的な例としては、アミノボラン(H2 BN
2 )、ジアミノボラン、アミノジメチルボラン、ジメ
チル(メチルアミノ)ボラン、メチルビス(メチルアミ
ノ)ボラン、トリス(メチルアミノ)ボラン、ビス(ジ
メチルポリル)アミン、ボラジン(ボラゾール)、1−
メチルボラジン、1,3,5−トリメチル−2,4,6
−トリス(メチルアミノ)ボラジン、2,4,6−トリ
アミノ−1,3,5−トリエチルボラジン、2,4,6
−トリス(ジメチルアミノ)ボラジンなどが挙げられ
る。これらを単独に、もしくは2種以上混合して用いて
もよい。
【0018】反応溶媒としては、非反応性溶媒を単独
で、または混合して用いてもよいが、非反応性溶媒とル
イス塩基を混合してもよく、さらにルイス塩基単独で用
いてもよい。非反応性溶媒としては、脂肪族炭化水素、
脂環式複化水素、芳香族炭化水素の炭化水素溶媒、ハロ
ゲン化メタン、ハロゲン化エタン、ハロゲン化ベンゼン
等のハロゲン化炭化水素、脂肪族エーテル、脂環式エー
テル等のエーテル類が使用できる。
【0019】好ましい溶媒は、塩化メチレン、クロロホ
ルム、四塩化複素、プロモホルム、塩化エチレン、塩化
エチリデン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン等
のハロゲン化炭化水素、エチルエーテル、イソプロピル
エーテル、エチルブチルエーテル、ブチルエーテル、
1,2−ジオキシエタン、ジオキサン、ジメチルジオキ
サン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエ
ーテル類、ペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、メチル
ペンタン、ヘプタン、イソヘプタン、オクタン、イソオ
クタン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シク
ロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼン等の炭化水素である。
【0020】また、使用するルイス塩基としては例え
ば、3級アミン類(例えば、トリメチルアミン、ジメチ
ルエチルアミン、ジエチルメチルアミン、トリエチルア
ミン等のトリアルキルアミン、ピリジン、ピコリン、ジ
メチルアニリン及びこれらの誘導体など)、立体障害性
の基を有する2級アミン剤、フォスフィン、スチピン、
アルシン及びこれらの誘導体等(例えば、トリメチルフ
ォスフィン、ジメチルエチルフォスフィン、メチルジエ
チルフォスフィン、トリエチルフォスフィン、トリメチ
ルアルシン、トリメチルスチピン、トリメチルアミン、
トリエチルアミン等)を挙げることができる。中でも、
低沸点でアンモニアより塩基性の小さい塩基(例えば、
ピリジン、ピコリン、トリメチルフォスフィン、ジメチ
ルエチルフォスフィン、メチルジエチルフォスフィン、
トリエチルフォスフィンなど)が好ましく、特にピリジ
ン及びピコリンが取扱上及び経済上から好ましい。
【0021】溶媒中のハロシランの濃度は、任意とする
ことができるが、1〜15重量%の範囲とするのがよ
い。ここに添加するアミンボラン化合物の添加量は広範
な範囲より選べるが、仕込み原料の硼素/硅素原子比が
0.01〜3の範囲内にあることが望ましい。添加と同
時に、もしくは添加後直ちに乾燥アンモニアを反応させ
て加安分解(アンモノリシス)反応を行う。使用するア
ンモニアは、気体でも液体でもよい。アンモニアの添加
量は、ハロシランに対して、モル比で3.0〜20倍、
好ましくは4〜15倍、より好ましくは5〜10倍とす
るのがよい。反応条件としては、温度は反応系が液体と
なる範囲(典型的には−20〜80℃)ならいずれでも
よいが、好ましくは0℃から常温であり、圧力は一般的
には常圧〜加圧下であるが、アンモニア加圧下がよい。
【0022】また、反応系中の水分量は、例えば50pp
m 以下とするのが望ましい。反応終了後、遠心分離など
の常用手段を用いてポリボロシラザンを分離する。上記
において、ハロシランのアンモノリシス反応により生成
するポリシラザンのSi−H結合と、
【0023】
【化7】
【0024】のN−H基の水素原子が引き抜かれ、下記
のようにNにペンダントが導入された構造を有するポリ
マーが生成される。
【0025】
【化8】
【0026】このような
【0027】
【化9】
【0028】を複数有する化合物を用いることにより、
これらの化合物を介して下記の如き環状、架橋構造が形
成される。
【0029】
【化10】
【0030】または、ハロシランのアンモノリシス反応
時に
【0031】
【化11】
【0032】のNが、下記の如く、生成するポリマーの
末端および主鎖に導入される可能性もある。
【0033】
【化12】
【0034】
【実施例】
実施例1 合成装置を図1に示す。図1中、1はハロシラン貯槽、
2はアミノボラン化合物貯槽、槽3は溶媒貯槽、4は反
応器、5は窒素ガス管、6はアンモニアガス管、7は恒
温槽、8はモーター、9は温度計10と連動したヒータ
ー、11は排ガス管である。
【0035】この装置を用いて、以下の合成反応を実施
した。温度が0℃の恒温槽内に設置した反応器内を乾燥
窒素で置換した後、乾燥ピリジン460mlを入れ温度が
一定となるまで保持した後、攪拌しながらジクロロシラ
ン(SiH2 Cl2 )50.2gおよび2,4,6−ト
リス(ジメチルアミノ)ボラジン26.6gを加えた。
反応混合物を0℃に冷却し、攪拌しながら、乾燥アンモ
ニア64gを吹き込んだ。
【0036】反応終了後、乾燥窒素を吹き込み、未反応
のアンモニアを除去した後、反応混合物を遠心分離し、
乾燥ピリジンを用いて洗浄した後、更に窒素雰囲気下で
加圧濾過し、濾液850mlを得た。この濾液に乾燥o−
キシレン1000mlを加え減圧下で溶媒を除去したとこ
ろ、38.4gの黄白色固体が得られた。この粘性液体
の数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GP
C)により測定したところ1020であった。また、そ
のIRスペクトル(溶媒:o−キシレン)の分析の結
果、波数(cm−1)3350及び1175のNHに基づ
く吸収、2170のSiHに基づく吸収、2960のC
3 、1300〜1540のBNに基づく吸収を示すこ
とが確認された。さらにその1H−NMR(プロトン核
磁気共鳴)スペクトル(60MHz、溶媒:CDC13
/基準物質TMS)を分析した結果、δ−4.8(b
r,SiH2 またはSiH),δ−4.4(br,Si
3 ),δ−2.5(br,N−CH3 ),δ−1.2
〜2.1(br,N−H)の吸収が観測された。また、
このポリマーの元素分析結果は、重量基準で、Si:2
7.0,N:34.8,C:19.6,B:8.9,
H:9.8であった。
【0037】得られたポリマーは、
【0038】
【化13】
【0039】の反応により、下記の如き反応生成物(ポ
リマー)の複合した混合物になっていると考えられる。
【0040】
【化14】
【0041】このポリマーを窒素中で800℃まで昇温
速度5℃/分で加熱し、熱分解することで黒色固体を8
7.1%の収率で得た。これをさらに窒素中で1500
℃まで、昇温速度10℃/分で加熱焼成して黒色固体を
得た。熱分解収率は86.4%であった。熱分解物の元
素分析結果は、重量基準で、Si:34.4,N:3
8.0,C:18.7,B:10.3であった。
【0042】実施例2 実施例1と同一の装置を用いて反応を行った。即ち温度
が0℃の恒温槽内に設置した反応器内を乾燥窒素で置換
した後、乾燥ピリジン450mlを入れ温度が一定となる
まで保持した後、攪拌しながらメチルジクロロシラン
(CH3 SiHCl2 )58.5gおよびボラゾール1
0.7gを加えた。反応混合物を0℃に冷却し、攪拌し
ながら、乾燥アンモニア55gを吹き込んだ。
【0043】反応終了後、乾燥窒素を吹き込み、未反応
のアンモニアを除去した後、反応混合物を遠心分離し、
乾燥ピリジンを用いて洗浄した後、更に窒素雰囲気下で
加圧濾過し、濾液700mlを得た。この濾液に乾燥o−
キシレン1000mlを加え減圧下で溶媒を除去したとこ
ろ、31.8gの黄白色固体が得られた。この粘性液体
の数平均分子量は、GPCにより測定したところ720
であった。元素組成(重量%)は、Si:31.7,
N:34.8,C:16.2,B:10.4,H:7.
2であった。
【0044】このポリマーを窒素中で800℃まで昇温
速度5℃/分で加熱し、熱分解することで黒色固体を8
0.6%の収率で得た。これをさらに窒素中で1500
℃まで、昇温速度10℃/分で加熱焼成して黒色固体を
得た。熱分解収率は78.9%であった。熱分解物の元
素分析結果は、重量基準で、Si:34.6,N:3
5.8,C:18.6,B:11.4であった。
【0045】比較例1 実施例1と同一の装置を用いて反応を行った。即ち温度
が0℃の恒温槽内に設置した反応器内を乾燥窒素で置換
した後、乾燥ピリジン470mlを入れ温度が一定となる
まで保持した後、攪拌しながらジクロロシラン(SiH
2 Cl2 )53.4gおよびトリスジメチルアミノボラ
ン18.7gを加えた。反応混合物を0℃に冷却し、攪
拌しながら、乾燥アンモニア54gを吹き込んだ。
【0046】反応終了後、乾燥窒素を吹き込み、未反応
のアンモニアを除去した後、反応混合物を遠心分離し、
乾燥ピリジンを用いて洗浄した後、更に窒素雰囲気下で
加圧濾過し、濾液820mlを得た。この濾液に乾燥o−
キシレン1000mlを加え減圧下で溶媒を除去したとこ
ろ、32.4gの黄白色固体が得られた。この粘性液体
の数平均分子量は、GPCにより測定したところ780
であった。元素組成(重量%)は、Si:38.1,
N:32.2,C:18.0,B:6.4,H:9.6
であった。
【0047】このポリマーを窒素中で800℃まで昇温
速度5℃/分で加熱し、熱分解することで黒色固体を7
2.5%の収率で得た。これをさらに窒素中で1500
℃まで、昇温速度10℃/分で加熱焼成して黒色固体を
得た。熱分解収率は71.7%であった。熱分解物の元
素分析結果は、重量基準で、Si:42.7,N:3
4.1,C:23.0,B:0.6であった。
【0048】
【発明の効果】熱分解により著しい耐熱性(高温強度)
を有し、得られるセラミックスの硬度が高く、導電率の
調整が広範な範囲より選択できる、などの優れた特徴を
有するセラミック前駆体として有用なポリボロシラザン
を、1段の反応で容易に生成する方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリボロシラザンを製造するために用いた装置
の模式図である。
【符号の説明】
1…ハロシラン貯槽 2…アミノボラン化合物貯槽 3…溶媒貯槽 4…反応器 6…アンモニアガス管 7…恒温槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08G 79/08 NUR (72)発明者 中原 浩彦 埼玉県入間郡大井町西鶴ヶ岡1丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内 (72)発明者 礒田 武志 埼玉県入間郡大井町西鶴ヶ岡1丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Rn (2-n) SiX2 (Xはハロゲン元
    素、Rはアルキル、n=0,1又は2)で示されるジハ
    ロシランに、下記式(1)または式(2)の残基を有す
    るアミノボラン化合物を添加し、同時に又はその後直ち
    にアンモニアと反応させることを特徴とするポリボロシ
    ラザンの製造方法。 【化1】
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