JPH07324102A - アクリル系重合体の製造方法 - Google Patents

アクリル系重合体の製造方法

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JPH07324102A
JPH07324102A JP6118125A JP11812594A JPH07324102A JP H07324102 A JPH07324102 A JP H07324102A JP 6118125 A JP6118125 A JP 6118125A JP 11812594 A JP11812594 A JP 11812594A JP H07324102 A JPH07324102 A JP H07324102A
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JP
Japan
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extruder
polymerization
thermal polymerization
acrylic monomer
acrylic
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JP6118125A
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English (en)
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Masashi Okabe
優志 岡部
Takamasa Fukuoka
孝政 福岡
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F20/00Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical or a salt, anhydride, ester, amide, imide or nitrile thereof
    • C08F20/02Monocarboxylic acids having less than ten carbon atoms, Derivatives thereof
    • C08F20/10Esters
    • C08F20/12Esters of monohydric alcohols or phenols
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2/00Processes of polymerisation
    • C08F2/02Polymerisation in bulk

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Abstract

(57)【要約】 【目的】分子量分布幅が狭く、高分子量のアクリル系重
合体を高重合転化率で得ることができる、アクリル系重
合体の製造方法を提供する。 【構成】アクリル系単量体、熱重合開始剤及び光重合開
始剤からなる重合性組成物を、押出機に供給し熱重合さ
せ、熱重合生成物を製造後、該熱重合生成物が押出機か
ら吐出する前に、該熱重合生成物に紫外線を照射して光
重合させ、アクリル系重合体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクリル系重合体の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル系重合体を製造する際、塊状重
合によると、重合反応の進行に伴い、反応系の粘度が急
上昇し、機械的攪拌が不可能となるため、アクリル系重
合体の製造に特有の大量の重合発熱を適切に除去でき
ず、反応の制御が困難となる。従って、アクリル系重合
体の製造には一般に、有機溶媒や水を媒体とする溶液重
合、懸濁重合、乳化重合が用いられている。
【0003】しかし、有機溶媒や水を用いるため、アク
リル系重合体を得るためには、有機溶媒、水を除去する
必要があり、又、有機溶媒を用いる場合には、製造環境
の汚染や健康上の問題があった。
【0004】一方、特公昭37−6744号公報には、
水や有機溶媒を用いずに、メチルメタクリレートを主体
とする重合性物質、ラジカル重合開始剤等の混合物を、
押出機に連続的に供給し、重合体を連続的に押出するメ
チルメタクリレート重合体及び共重合体の製造方法が開
示されている。しかし、かかる方法では、重合性物質の
反応速度に限界があるため、重合性物質の転化率は低い
ものであった。
【0005】そこで、押出機流量を極めて小さくするこ
と、押出機を極端に長くすること、ラジカル重合開始剤
の添加量を増加させること、反応温度を高くすること等
によって、重合反応の完結を図る方法が考えられるが、
押出機流量を極めて小さくするには限界がありしかも生
産性の低下を招く、押出機を極端に長くすることは押出
機の機構上不可能であり、またラジカル重合開始剤の添
加量の増加及び反応温度を高くすることは、重合反応に
おいてフリーラジカルの濃度が増加するため、得られる
重合体の分子量が低下するという問題があった。又、特
公昭2−55448号公報には、アクリル酸アルキルエ
ステル系モノマーを主成分とする重合用原料を、押出し
機内に供給、一定条件下で塊状重合させる、アクリル酸
アルキルエステル系モノマーの重合方法が開示されてい
る。しかし、かかる重合方法では、得られる重合体の分
子量分布幅が広くなるという問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、分子量分布
幅が狭く、高分子量のアクリル系重合体を高重合転化率
で得ることができる、アクリル系重合体の製造方法を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明で用いられる重合
性組成物は、アクリル系単量体、熱重合開始剤及び光重
合開始剤からなる。
【0008】本発明で用いられるアクリル系単量体と
は、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル
酸、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−
置換(メタ)アクリルアミド及びこれらの混合物をい
い、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)
アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メ
タ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシ
ジル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル等の
(メタ)アクリル酸エステル;ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート等のヒドロキシ(メタ)アクリレート;N−メチ
ル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)
アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルア
ミド、等のN−置換(メタ)アクリルアミド等が挙げら
れ、特にアクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、
(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸−2
−エチルヘキシル、アクリロニトリルが好ましい。
【0009】アクリル系単量体には、必要に応じて、物
性を損なわない範囲で、アクリル系単量体と共重合可能
な一種あるいは複数のビニル化合物、合成樹脂、連鎖移
動剤、安定剤、架橋剤、可塑剤、粘着付与剤;ガラス繊
維、マイカ、タルク等の無機充填剤が添加されてもよ
く、これらの添加量は、アクリル系単量体100重量部
に対して、30重量部以下が好ましい。
【0010】尚、上記ビニル化合物として、例えば、ス
チレン;メチルスチレン、α−メチルスチレン、エチル
スチレン、ジメチルスチレン、ブチルスチレン、クロロ
スチレン等のスチレン誘導体;無水マレイン酸;N−ビ
ニルピロリドン;酢酸ビニル等が挙げられ、特にスチレ
ン、無水マレイン酸、酢酸ビニル、N−ビニルピロリド
ンが好ましい。
【0011】上記熱重合開始剤は、一般にアクリル系単
量体の熱重合反応に用いられるものであれば特に限定さ
れず、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジ
クロベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイル
パーオキサイド、o−メチルベンゾイルパーオキサイ
ド、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノールパーオ
キサイド等のジアシルパーオキサイド;ジクミルパーオ
キサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert
−ブチルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルクミ
ルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイ
ド、1,3−ビス−(tert−ブチルパーオキシイソ
プロピル)ベンゼン等のジアルキルパーオキサイド;
1,1−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキサ
ン等のパーオキシケタール、tert−ブチルパーオキ
シベンゾエート等のアルキルパーエステル;ジイソプロ
ピルパーオキシジカーボネート等のパーカーボネート等
の有機過酸化物、2、2' −アゾビス(2,4−ジメチ
ルバレロニトリル)、2,2'−アゾビスイソブチロニ
トリル、2,2' −アゾビスシクロヘキシルニトリル等
のアゾニトリル化合物等が挙げられ、これらは2種以上
が併用されてもよい。
【0012】上記熱重合開始剤の分解温度は、高くなる
と重合反応速度が低下して押出機内でのアクリル系単量
体の転化率が低下し、低くなると重合反応速度が速くな
りすぎて反応の制御が困難となるため、60〜150℃
が好ましい。
【0013】なお、本発明において熱重合開始剤の分解
温度とは、ベンゼン又はトルエンに溶解した物質の半減
期が1時間を示す温度をいい、例えば、重合禁止剤の一
種であるジフェニル−1−ピクリルヒドラジル(DPP
H)を用いて、その消失速度を紫外線吸収スペクトルに
より測定することで得ることができる。
【0014】また、上記熱重合開始剤は、アクリル系単
量体中の分散性が向上するので、用いられるアクリル系
単量体に可溶なもの、かつ分解温度が60〜150℃の
範囲にあるものが好ましく、例えば、ベンゾイルパーオ
キサイド、2、2' −アゾビス(2,4−ジメチルバレ
ロニトリル)、2、2' −アゾビスイソブチロニトリ
ル、2,2' −アゾビスシクロヘキシルニトリル等が挙
げられる。
【0015】上記熱重合開始剤の添加量は、多くなると
フリーラジカルが増加しすぎ、得られるアクリル系重合
体の分子量が低下し、少なくなると重合反応の初期に使
い尽くされ、アクリル系単量体の重合転化率が低下する
ので、アクリル系単量体100重量部に対して、0.0
05〜1重量部が好ましく、0.02〜0.5重量部が
より好ましい。
【0016】上記光重合開始剤は、一般にアクリル系単
量体の光重合に用いられるもので、且つ、押出機中の熱
履歴に耐えうるものであれば、特に限定されず、例え
ば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒ
ドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシク
ロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2,2−
ジメチルアセトフェノン、メトキシアセトフェノン、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等の
アセトフェノン系光重合開始剤;ベンゾインエチルエー
テル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン
エーテル系光重合開始剤;ベンジルジメチルケタール等
のケタール系光重合開始剤;その他、ハロゲン化ケト
ン、アシルホスフィノキシド、アシルホスフォナート等
が挙げられ、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル
(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ヒドロ
キシ−2,2−ジメチルアセトフェノン、1−ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルジメチルケ
タールが好ましい。
【0017】光重合開始剤の添加量は、多くなると得ら
れるアクリル系重合体中に、未反応の光重合開始剤やフ
リーラジカルが残存し、得られるアクリル系重合体の劣
化を招き、少なくなると紫外線の積算照射量が多く必要
になるので、アクリル系単量体100重量部に対して、
0.001〜2重量部が好ましく、0.01〜1重量部
が特に好ましい。
【0018】本発明は、重合性組成物を押出機に供給
し、熱重合し、熱重合生成物を製造した後、熱重合生成
物が押出機から吐出する前に、該熱重合生成物に紫外線
を照射する、アクリル系重合体の製造方法である。
【0019】本発明で用いられる押出機は、特に限定さ
れず、1軸押出機、2軸押出機の他、3本以上のスクリ
ューを有する多軸スクリュー押出機等が用いられ、1軸
押出機としては、例えば、フルフライト型スクリューを
有するもののほか、不連続フライト型スクリュー、ピン
バレル、ミキシングヘッド等を有するものが挙げられ、
2軸押出機としては、例えば、噛み合い型同方向回転
型、噛み合い異方向回転型、非噛み合い異方向回転型等
が挙げられ、これらのうちで、部分的にニーディングデ
ィスクエレメントを有する噛み合い(セルフワイピン
グ)同方向回転型2軸スクリュー押出機が好適に用いら
れる。
【0020】重合性組成物をスクリュー押出機に供給す
る方法は、特に限定されず、例えば、アクリル系単量
体、熱重合開始剤、光重合開始剤等を、攪拌槽等を用い
て、予め混合したものを、同一の供給口より供給しても
よく、又、これらの幾つかを予め混合したもの、或いは
各々単独のものを別々の供給口より供給してもよい。
【0021】重合性組成物を供給する際、重合反応の酸
素阻害を防止し、更には、オリゴマー等の副生成物の生
成を防止するために、重合性組成物は、窒素置換等によ
り溶存する酸素を十分に除去し溶存酸素濃度を1ppm
以下とするのが好ましく、0.5ppm以下がより好ま
しい。
【0022】スクリュー押出機のバレル温度は、熱重合
開始剤の分解温度以上であれば良いが、押出機の前段部
では、アクリル系単量体が沸騰、気化しない範囲内で、
熱重合開始剤の分解温度以上に加熱し、中央部では、反
応の暴走を防止しつつ重合反応を進行させる様に、後段
部では、スクリュー・ポンピングが安定する完全充填状
態となるように、アクリル系単量体及び熱重合開始剤の
種類、平均滞留時間を考慮しつつ、設定するのが好まし
い。
【0023】なお、平均滞留時間の測定方法として、例
えば、適当なトレーサーを供給口より少量注入し、押出
機の吐出口における滞留時間分布を測定し、平均滞留時
間を得ることができる。具体的には、トレーサーに有機
染料を用い、吐出する物質中の染料濃度の経時変化を吸
光分析等により定量し、分布関数を求め平均滞留時間を
得ることができる。
【0024】所望の平均滞留時間は、モノマーの供給速
度やバレル温度等の操作条件の他、スクリュー押出機の
バレル径及び長さ、スクリューの形状及び回転数、スク
リュー押出機出口部におけるブレーカー、ダイヘッド、
ダイ金型等の形状等により、設定することができる。
【0025】スクリュー押出機より吐出されるアクリル
系重合体は、押出機出口部に設けられたダイ金型によ
り、所望の形状としてもよく、シート状、フィルム状、
ロッド状、ストランド状とする他、他の基材と多層押出
しを行い又は他の基材に塗布、含浸させ、積層体として
もよいが、最終製品に合わせた形状とすることは、得ら
れたアクリル系重合体を賦形する工程を省くことがで
き、好適である。
【0026】アクリル系単量体の熱重合による重合転化
率は、低いと、熱重合生成物内部に、酸素が溶け込み、
光重合反応を阻害することとなり、又、高くしようとす
ると、重合温度を上げるか、押出機を長くする必要があ
り、重合温度を上げると、得られるアクリル系重合体の
分子量が低下し、押出機を長くするのは、押出機の機構
上不可能であるので、50〜99%に限定され、好まし
くは70〜90%である。
【0027】アクリル系単量体を重合転化率50〜99
%となるように熱重合させるのであるが、かかる制御
は、熱重合開始剤の添加量、バレル温度、平均滞留時間
等を適宜調節することにより達成される。即ち、バレル
温度の設定温度を変化させ、あるいは平均滞留時間を上
記の方法で変化させつつ、重合性組成物の熱重合押出を
行い、該押出機のバレル途中に設けられた取出口から熱
重合生成物を取出し、これを直ちに冷却して反応を停止
させて、その重合転化率を測定する。このようにして予
め得られる温度と重合転化率の関係、及び平均滞留時間
と重合転化率との関係を基にして、50〜99%の所望
の重合転化率をもつ熱重合生成物を得ることができる。
【0028】尚、本発明における重合転化率は以下の式
で表される。 重合転化率=100−100×(未反応のアクリル系単
量体量/供給したアクリル系単量体量)。
【0029】また、重合転化率の目安として、ラジカル
重合の反応動力学に基づく関係式を有効に利用すること
ができる。
【0030】
【化1】
【0031】上式は、重合転化率xが、熱重合開始剤の
効率f、初期濃度 [I]0、熱重合開始剤の半減期th
酢酸ビニルの反応速度定数kp 2 /kt 、反応時間tの
関数で表され、さらには、th とkp 2 /kt が温度T
の関数で示されることを意味する。従って、tを平均滞
留時間、Tを押出機バレル設定温度として近似するな
ら、ある操作条件における酢酸ビニルの転化率を予測す
ることができる。尚、酢酸ビニルの成長反応速度kp
二乗と、停止反応速度kt との比であるkp 2 /kt
Tの関係は、例えば、フロリー著の「高分子化学 上」
(丸善社発行、第3版)の115頁15行から117頁
22行目に紹介された方法により知ることができる。
【0032】本発明では、熱重合の後、更に、熱重合生
成物に紫外線を照射してアクリル系単量体を光重合させ
る。この紫外線照射は、熱重合生成物が押出機から吐出
される前に行われる。なお、本発明において紫外線と
は、波長が250〜400nmの輻射線をいう。
【0033】押出機の後段部には紫外線を熱重合生成物
に照射できるように、バレルに少なくとも1箇所以上の
窓を設計する必要がある。この窓は押出機の性能(温
湿、耐圧性等)を著しく損なわず、かつ波長360nm
の紫外線が50%以上透過する素材(例えば、耐圧石英
ガラス)で作られるのが好ましい。
【0034】紫外線を照射する方法は、特に限定され
ず、例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧
水銀ランプ、ケミカルランプ、メタルハライドランプ、
ブラックライト等を用いて照射する方法等が挙げられ、
超高圧水銀ランプは、光重合開始剤の活性波長領域の光
を効率よく発光し、架橋の原因となる短波長成分や原料
の加熱蒸発の原因となる長波長成分が少ないので、好適
に用いられ、ランプに循環水のジャケットを設けた水冷
式超高圧水銀ランプが特に好適に用いられる。
【0035】紫外線の照射強度は強くなると、開始ラジ
カル濃度が増し、得られるアクリル系重合体の分子量が
低下し、少なくなると、光重合反応の反応効率が低下す
るので、0.1〜100mW/cm2 が好ましく、さら
に好ましくは1〜40mW/cm2 である。
【0036】紫外線の照射時間は長くなると、紫外線に
よる重合体の断裂が生じ、短かくなると、アクリル系単
量体の重合転化率が低下するので、10秒〜10分が好
ましく、さらに好ましくは20秒〜4分である。
【0037】従って、紫外線の照射は、0.1〜100
mW/cm2 で、10秒〜10分照射するのが好まし
く、1〜40mW/cm2 で20秒〜4分照射するのが
特に好ましい。
【0038】押出機より吐出される重合生成物は、押出
機出口部に設けられたダイにより、所望の形状としても
よく、シート状、フィルム状、ロッド状、ストランド状
とする他、他の基材と多層押出しを行い又は他の基材に
塗布、含浸ざせ、積層体としてもよいが、最終製品の形
状に合わせた形状とすることは、得られたアクリル系重
合体を賦形する工程を省くことができ、好適である。
【0039】
【作用】本発明では、押出機内で重合性反応組成物の特
定量の熱重合を行い、次に押出機からの吐出前に、さら
に熱重合と共に光重合を行っている。押出機内では略重
合性組成物が充填されているため、酸素が遮断され通常
問題となる酸素障害が起こりにくく、熱重合における重
合性組成物の反応性の低下を防止できる。また、重合反
応の一部を光重合としているため、熱重合反応において
重合完結のために高温にする必要がなく、得られるアク
リル系重合体は、分子量分布が狭く、高分子量のものを
得ることができる。また、押出機吐出後に光重合を行う
場合は、吐出物形状がフィルム状等の時には吐出物の線
速度が大きくなり、紫外線照射に必要な時間を得るため
に、広範囲にわたって吐出物に紫外線を照射する必要が
生じる。しかし、本発明では吐出前に紫外線を照射して
いるので吐出物の形状によらず、又、押出機中での混練
作用とも相まって、押出機のバレル上に一定の大きさの
紫外線照射用窓を設けるだけで紫外線照射時間を十分に
確保することが可能となる。
【0040】
【実施例】
(実施例1〜3、比較例1)セルフワイピング型の2条
スクリューエレメントとニーディングディスクエレメン
トからなる直径39mm、L/D=60のスクリューを
備えた噛み合い型同方向回転2軸スクリュー押出機
〔(株)プラスチック工学研究所社製:商品名BT−4
0〕の先端に、90mmφのノズル形状のダイを取り付
けた。また、第8、第9及び第10バレル上部に150
×70mmの矩形の、紫外線透過率80%以上の耐圧石
英ガラス製の窓を設けた。
【0041】上記押出機のバレルの前段部(第1〜3バ
レル区間)、中段部(第4〜6バレル区間)、後段部
(第7バレル区間及びダイ部分)を、表1に示す温度に
設定し、スクリュー回転数を表1に示す回転数に設定し
た。
【0042】100リットルのタンクに、表1に示した
所定量のメタクリル酸メチル(MMA)、アクリル酸ブ
チル(BA)、アクリル酸(AA)、2、2’−アゾビ
スイソブチロニトリル(AIBN)(分解温度83
℃)、2、2' −アゾビス−(2,4−ジメチルバレロ
ニトリル(ADMVN)(分解温度66℃)、ベンジル
ジメチルケタール(BDMK)、4−(2−ヒドロキシ
エトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピ
ル)ケトン(HPHPK)を供給し、原料溶液とした。
【0043】次に、原料溶液の温度を、25℃未満に保
持しつつ、原料溶液に流量毎分4リトルの窒素ガス(純
度99.9%)を吹き込み、溶存酸素計〔セントラル化
学(株)社製:商品名UC−12−SOL型〕を用い
て、アクリル系単量体中の溶存酸素量を測定し、溶存酸
素濃度が0.1ppmとなったところで、窒素置換を停
止した。
【0044】次に、窒素置換された原料溶液を、ケミカ
ルギアポンプ〔(株)イワキ社製:GX−12SZKC
−04N1〕を用いて、表1に示した所定量で、上記押
出機に連続的に供給し、塊状重合を開始した。押出機の
後段部では、10mW/cm2 の強度で紫外線を照射
し、アクリル系重合体を得た。なお、紫外線の照射強度
は、照度計(東京工学(株)社製:商品名UVR−3
6)を用いて行った。
【0045】上記塊状重合反応が、定常状態となったと
ころで、押出機中段部のサンプル採取口及びダイ出口か
ら、随時サンプル(a)及びサンプル(b)をそれぞれ
採取した。
【0046】(比較例2、3)スクリュー押出機のバレ
ルの前段部(第1〜3バレル区間)、中段部(第4〜6
バレル区間)、後段部(第7バレル区間及びダイ部分)
を、表1に示す温度に設定し、スクリュー回転数を、表
1に示す回転数に設定したこと、ならびに、100リッ
トルのタンクに、表1に示した所定量のBA、AA及び
ADMVNを供給し原料溶液としたこと、紫外線を照射
しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、熱重合
を行い、アクリル系重合体を得た。
【0047】上記塊状重合反応が、定常状態となったと
ころで、押出機中段部のサンプル採取口及びダイ出口か
ら、随時サンプル(a)及びサンプル(b)をそれぞれ
採取した。
【0048】サンプル(a)及び(b)の評価 上記実施例及び比較例で得られたサンプル(a)及び
(b)につき、下記の測定を行いその結果を表1に示し
た。 (1)重合転化率 アクリル系単量体の重合転化率を、便宜上、以下の式か
ら算出した。重合転化率=100−100×(残存する
アクリル系単量体重量/サンプル重量)。尚、式中の残
存するアクリル系単量体の重量は、ガスクロマトグラフ
ィー(島津製作所製「LC9A」)を用いて測定した。
また、カラムとしては、島津製作所製「PEG20M」
を用い、カラム温度は140℃とした。
【0049】(2)重量平均分子量及び分布幅 液体クロマトグラフィー(島津製作所製「LC−9
A」)、ディテクター(島津製作所製「RYD6A」)
からなるゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用い
て、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)及び数
平均分子量(Mn)を測定し、これらの値から分子量分
布幅(Mw/Mn)を得た。尚、カラムとして、「GP
C−KF−805」(排除限界分子量400万)2本、
「GPC−KF−804」(排除限界分子量7万)1本
及び「GPC−KF−801」(排除限界分子量5千)
1本(いずれも昭和電工社製)を直列に接続して使用し
た。また、溶媒として、テトラヒドロフランを用い、そ
の流量を1cc/min、温度を45℃とした。
【0050】(3)平均滞留時間 染料(保土ヶ谷化学社製「Victoria Pure Blue」)の
0.1重量%アクリル酸ブチル溶液をトレーサー原液と
し、これを原料供給口より2ml投入した後、押出機中
段部のサンプル採取口及びダイ金型出口から、随時サン
プル(a)及びサンプル(b)をそれぞれ採取した。こ
れらのサンプルをTHFで10重量%に希釈し可視吸光
測定用サンプルとした。染料濃度を可視吸光度より計算
してグラフ化し、滞留時間分布から、原料供給口より
サンプル(a)採取口までの平均滞留時間th (a) 、及
び原料供給口よりダイ出口までの平均滞留時間をth
(b)をそれぞれ算出した。尚、使用した装置、条件は以
下の通りである。 ・自記分光光度計:日立製作所製「U−3500型」 ・測定範囲:スリット幅2nm、測定速度600nm/
min、pbs感度2
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【発明の効果】本発明であるアクリル系重合体の製造方
法は、上記の通りであり、重合転化率が高いので残存モ
ノマー量が少なく、かつ分子量分布幅の狭い高分子量の
アクリル系重合体の連続生産を可能にする。また、本発
明では、熱重合生成物が押出機から吐出されるまでに、
更に該熱重合生成物に紫外線を照射し、アクリル系単量
体を光重合せしめ、高重合転化率のアクリル系重合体を
所望の形状で製造することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリル系単量体、熱重合開始剤及び光重
    合開始剤からなる重合性組成物を、押出機に供給し、熱
    重合開始剤の分解温度以上に加熱し、アクリル系単量体
    の重合転化率が50〜99%となるように熱重合させ、
    熱重合生成物を製造した後、該熱重合生成物が押出機か
    ら吐出する前に、熱重合生成物に紫外線を照射して光重
    合させることを特徴とするアクリル系重合体の製造方
    法。
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