JPH07324098A - インターロイキン6吸着材、及びペプチド類または生理学的に許容されるその塩類 - Google Patents

インターロイキン6吸着材、及びペプチド類または生理学的に許容されるその塩類

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JPH07324098A
JPH07324098A JP6117260A JP11726094A JPH07324098A JP H07324098 A JPH07324098 A JP H07324098A JP 6117260 A JP6117260 A JP 6117260A JP 11726094 A JP11726094 A JP 11726094A JP H07324098 A JPH07324098 A JP H07324098A
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leu
thr
ala
lys
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JP6117260A
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Takafumi Kawamoto
隆文 河本
Masaaki Ito
雅章 伊藤
Hitoshi Kimura
仁 木村
Hachiro Senoo
八郎 妹尾
Nobuo Seki
信男 関
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Daicel Corp
Fujisawa Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Fujisawa Pharmaceutical Co Ltd
Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インターロイキン6に対して強い吸着能を有
するインターロイキン6吸着材を提供する。 【構成】 一般式(1):H−A−X (式中、Aは2〜21個のアミノ酸が結合したペプチド
のN末端から水素原子を1個除き、且つ該ペプチドのC
末端から水酸基を1個除いた2価の基を表し、Xは水酸
基またはカルボキシ保護基を表す。但し、Aにおいて該
アミノ酸中の遊離のメルカプト基は、メルカプト保護基
で保護されていてもよい。)で示されるペプチド類また
は生理学的に許容されるその塩類、及び担体からなるイ
ンターロイキン6吸着材である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インターロイキン6と
結合する能力を有するインターロイキン6吸着材、及び
新規なペプチド類または生理学的に許容されるその塩類
に関するものである。本発明のインターロイキン6吸着
材はインターロイキン6を強く吸着することができるの
で、インターロイキン6に由来する種々の疾患(例えば
自己免疫疾患等)の治療に有用である。
【0002】
【従来の技術】B細胞の抗体産生を誘導するB細胞分化
因子(BCDF/BSF2 )に関するcDNAのクロー
ニングやアミノ酸配列の決定等がなされたことにより、
該B細胞分化因子は、これまで互いに異なる物質として
独立して研究されてきたインターフェロンβ2 (IFN
β2 )、ハイブリドーマ/プラズマサイトーマ増殖因子
(HPGF)、肝細胞刺激因子(HSF)等と同一物質
であることが判明し、これらの物質を総称してインター
ロイキン6(以下、IL−6と略記する)と呼ぶ様にな
った。
【0003】このIL−6は、上述した様にB細胞分化
因子として抗体産生を増強させたり、また肝細胞刺激因
子として急性期タンパク質の合成を誘導する等、炎症や
感染に対する生体防御機構において極めて重要な機能を
担う重要なタンパク質であるが、その一方では、該IL
−6の過剰産生が原因と考えられる疾患も問題になって
いる。例えば、Medical Immunology、第15巻、195
〜201頁(1988年)には、IL−6と自己免疫疾
患との関係が報告されている。また、現代化学増刊18
「サイトカイン」免疫応答及び細胞の増殖・分化因子、
大沢利昭編、71〜85頁(1990年、出版:東京化
学同人)にはIL−6が原因物質となって関与する疾患
として、慢性関節リュウマチ、心房内粘液腫、キャッス
ルマン病、ミエローマ、レンネルTリンパ腫、メサンギ
ウム増殖性腎炎等の種々の自己免疫疾患が挙げられてい
る。これらの疾患では、体内に異常に産生されたIL−
6が悪循環的にこれらの疾患を悪化させているので、何
らかの方法によってこのIL−6を除去する必要があ
る。そのためにIL−6を効率よく吸着する物質(IL
−6吸着ペプチド)の開発が進められており、例えば特
許国際公開WO 90/09396には、IL−6受容
体のペプチドフラグメントを用いたIL−6吸着材が開
示されている。
【0004】しかしながら、上記公開公報で開示されて
いるペプチドは、全アミノ酸数が最低でも14個を必要
とし、そのうち実施例で強い吸着能を有するペプチドと
して例示されているのは、いずれも全アミノ酸数が20
個以上からなるペプチドである。この様にアミノ酸の数
が多いペプチドの合成は困難であり、実用的には、アミ
ノ酸の数がより少ないペプチドからなるIL−6吸着材
が求められているが、未だその様な吸着材は得られてい
ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な事
情に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、I
L−6に対して強い吸着能を有するIL−6吸着材を提
供することにあり、その第2の目的は、アミノ酸数が比
較的少ないペプチドであっても同様の作用効果を有する
IL−6吸着材を提供することにある。
【0006】更に、本発明の第3の目的は、新規なペプ
チド類または生理学的に許容されるその塩類を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のIL−6吸着材
は、一般式(1):H−A−X (式中、Aは2〜21個のアミノ酸が結合したペプチド
のN末端から水素原子を1個除き、且つ該ペプチドのC
末端から水酸基を1個除いた2価の基を表し、Xは水酸
基またはカルボキシ保護基を表す。但し、Aにおいて該
アミノ酸中の遊離のメルカプト基は、メルカプト保護基
で保護されていてもよい。)で示されるペプチド類また
は生理学的に許容されるその塩類、及び担体からなるこ
とに要旨を有するものである。
【0008】好適な実施態様では、Aは (i )式(2):-Lys-Leu-Gln-Ala-Gln-Asn-Gln-Trp-L
eu-Gln-Asp-Met-Thr-Thr-His-Leu-Ile-Leu-Arg- の全部、またはその一部を連続して含むものであるか、 (ii)式(7):-Gly-Ile-Ser-Ala-Leu-Arg-Lys-Glu-T
hr-Cys-Asn-Lys-Ser-Asn-Met-Cys- を含むものであるか、 (iii )式(8):-Ala-Arg-Ala-Val-Gln-Met-Ser-Thr
-Lys-Val-Leu-Ile-Gln-Phe-Leu-Gln-Lys-Lys-Ala-Lys-A
sn- を含むものであるか、もしくは (iv)式(9):-Pro-Thr-Thr-Asn-Ala-Ser-Leu-Leu-T
hr-Lys-Leu-Gln-Ala-Gln-Asn-Gln-Trp-Leu-Gln-Asp- を含むものである。
【0009】Aが上式(2)の一部を連続して含む2価
の基である場合における、より好適な実施態様として
は、下記式(3)〜式(6)で示されるペプチドが挙げ
られる。 式(3):-Lys-Leu-Gln-Ala-Gln-Asn-Gln-Trp-Leu-Gln
-Asp-Met-Thr-Thr-His- 式(4):-Leu-Gln-Ala-Gln-Asn-Gln-Trp-Leu-Gln-Asp
-Met-Thr-Thr-His- 式(5):-Leu-Gln-Ala-Gln-Asn-Gln-Trp-Leu-Gln-Asp
-Met-Thr-Thr-His-Leu-Ile-Leu-Arg- 式(6):-Leu-Arg- 更に、上記の各インターロイキン6吸着材をカラムに充
填したものも本発明のインターロイキン6吸着材として
好適に用いられる。
【0010】更に、本発明のペプチド類または生理学的
に許容されるその塩類は、一般式(1):H−A−X (式中、Aは以下の式(3)〜(5)及び式(7)〜
(9)のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むペプチ
ドのN末端から水素原子を1個除き、且つ該ペプチドの
C末端から水酸基を1個除いた2価の基を表し、Xは水
酸基またはカルボキシ保護基を表す。但し、Aにおいて
該アミノ酸中の遊離のメルカプト基は、メルカプト保護
基で保護されていてもよい。)で示されることに要旨を
有するものである。 式(3):-Lys-Leu-Gln-Ala-Gln-Asn-Gln-Trp-Leu-Gln
-Asp-Met-Thr-Thr-His- 式(4):-Leu-Gln-Ala-Gln-Asn-Gln-Trp-Leu-Gln-Asp
-Met-Thr-Thr-His- 式(5):-Leu-Gln-Ala-Gln-Asn-Gln-Trp-Leu-Gln-Asp
-Met-Thr-Thr-His-Leu-Ile-Leu-Arg- 式(7):-Gly-Ile-Ser-Ala-Leu-Arg-Lys-Glu-Thr-Cys
-Asn-Lys-Ser-Asn-Met-Cys- 式(8):-Ala-Arg-Ala-Val-Gln-Met-Ser-Thr-Lys-Val
-Leu-Ile-Gln-Phe-Leu-Gln-Lys-Lys-Ala-Lys-Asn- 式(9):-Pro-Thr-Thr-Asn-Ala-Ser-Leu-Leu-Thr-Lys
-Leu-Gln-Ala-Gln-Asn-Gln-Trp-Leu-Gln-Asp-
【0011】
【作用】本発明者等は、IL−6分子が4本のヘリック
スの束からなる特徴的な構造をとり得ることに着目し
て、IL−6と強く吸着することのできる、アミノ酸数
の少ないペプチド類を探索した。IL−6の立体構造に
ついては、ジャーナル・オブ・モレキュラー・リコグニ
ション(J. Mol. Rec.)第4巻、63〜75頁(199
1年)及びプロシーディング・ナショナル・アカデミー
・サイエンス U.S.A.(Proc. Natl. Acad.Sci.US
A)第88巻、8641〜45頁(1991年)等にその
予測構造が記載されている。これらの報告によれば、I
L−6分子自身が分子内でお互いに強い相互関係を保持
していることが推測される。このことはIL−6分子内
のある特定部位のペプチドフラグメントはIL−6の他
の部位と強く結合することを示唆するものである。そこ
で、本発明者等はこのIL−6分子に対して強い吸着作
用を有すると考えられるペプチド類を合成し、これらペ
プチド類のIL−6に対する吸着能を評価することによ
って本発明を完成させたのである。
【0012】なお、本明細書においてアミノ酸残基、保
護基、溶媒等を略号で表示する場合には、IUPAC及
びICBの規定、もしくは当該分野における慣用の記号
に従うものとする。以下にそれらの例を挙げる。アミノ酸残基 : Ala :L−アラニン残基 Arg :L−アルギニン残基 Asn :L−アスパラギン残基 Asp :L−アスパラギン酸残基 Cys :L−システイン残基 Gln :L−グルタミン残基 Glu :L−グルタミン酸残基 Gly :グリシン残基 His :L−ヒスチジン残基 Ile :L−イソロイシン残基 Leu :L−ロイシン残基 Lys :L−リジン残基 Met :L−メチオニン残基 Phe :L−フェニルアラニン残基 Pro :L−プロリン残基 Ser :L−セリン残基 Thr :L−トレオニン残基 Trp :L−トリプトファン残基 Tyr :L−チロシン残基 Val :L−バリン残基
【0013】アミノ保護基: Boc :t−ブトキシカルボニル Cl−Z:2−クロロベンジルオキシカルボニル Br−Z:2−ブロモベンジルオキシカルボニル Bzl :ベンジル Fmoc:9−フルオレニルメチルオキシカルボニル Mbh :4’−ジメトキシベンズヒドリル Mtr :4−メトキシ−2,3,6−トリメチルベン
ゼンスルホニル Pmc :2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン
−6−スルホニル Trt :トリチル Tos :トシル Z :ベンジルオキシカルボニルメルカプト保護基 : tBu :第三級ブチル Acm :アセトアミドメチル溶媒 : DCM :塩化メチレン DMF :N,N−ジメチルホルムアミド NMP :N−メチルピロリドンその他 : DCC :ジクロロヘキシルカルボジイミド DIEA:N,N−ジイソプロピル−N−エチルアミン HOBt:N−ヒドロキシベンゾトリアゾール TBTU:2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イ
ル)テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェー
ト TFA :トリフルオロ酢酸 また本明細書では、慣用の記載方法に従って、ペプチド
中のアミノ酸配列を、そのN末端のアミノ酸残基が左側
に位置し、C末端のアミノ酸残基が右側に位置するよう
に記述する。
【0014】本発明のIL−6吸着材は、上記一般式
(1):H−A−Xで示されるペプチド類または生理学
的に許容されるその塩類(以下、これらを単にペプチド
類で代表する場合がある)、及び担体を含有するもので
ある。
【0015】上記一般式(1)において、Xは水酸基ま
たはカルボキシ保護基を意味する。上記カルボキシ保護
基としては、例えばアミノ基;メチルアミノ基またはエ
チルアミノ基等の、モノまたはジ(低級)アルキルアミ
ノ基;メトキシ基、エトキシ基等の低級アルコキシ基;
フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基等のアリールオキ
シ基;ベンジルオキシ基等のアリール(低級)アルコキ
シ基;複素環(低級)アルコキシ基等が挙げられる。
【0016】また、上記A中に含まれるシステイン中の
メルカプト保護基としては、ベンジル基、p−メトキシ
ベンジル基、トリチル基等の置換基を有してもよいアラ
ルキル基;アセトアミドメチル基、トリメチルアセトア
ミドメチル基などのアミドメチル基;3−ニトロ−2−
ピリジンスルフェニル基、t−Bu基等が挙げられる。
【0017】また、本発明の定義において用いられる
「その一部」とは、上記Aで示されるアミノ酸配列の少
なくとも2個以上を連続して含むものであることが好ま
しい。
【0018】上記一般式(1)で示されるペプチド類の
うち、Aが上記式(3)〜(5)及び式(7)〜(9)
のいずれかで示される2価の基(但し、Aにおいて該ア
ミノ酸中の遊離のメルカプト基は、メルカプト保護基で
保護されていてもよい。)で示されるペプチド類または
生理学的に許容されるその塩類は、本発明によって初め
て開示された新規なものである。
【0019】上記一般式(1):H−A−Xで示される
ペプチドの最も好ましい例を以下に示す。 (a)A=上式(3)で示されるペプチド及びX=NH
2 として H-Lys-Leu-Gln-Ala-Gln-Asn-Gln-Trp-Leu-Gln-Asp-Met-
Thr-Thr-His-NH2 (b)A=上式(4)で示されるペプチド及びX=NH
2 として H-Leu-Gln-Ala-Gln-Asn-Gln-Trp-Leu-Gln-Asp-Met-Thr-
Thr-His-NH2 (c)A=上式(5)で示されるペプチド及びX=NH
2 として H-Leu-Gln-Ala-Gln-Asn-Gln-Trp-Leu-Gln-Asp-Met-Thr-
Thr-His-Leu-Ile-Leu-Arg-NH2 (d)A=上式(6)で示されるペプチド及びX=NH
2 として H-Leu-Arg-NH2 (e)A=上式(7)で示されるペプチド及びX=NH
2 として H-Gly-Ile-Ser-Ala-Leu-Arg-Lys-Glu-Thr-Cys(Acm)-Asn
-Lys-Ser-Asn-Met-Cys(Acm)-NH2 (f)A=上式(8)で示されるペプチド及びX=NH
2 として H-Ala-Arg-Ala-Val-Gln-Met-Ser-Thr-Lys-Val-Leu-Ile-
Gln-Phe-Leu-Gln-Lys-Lys-Ala-Lys-Asn-NH2 (g)A=上式(9)で示されるペプチド及びX=NH
2 として H-Pro-Thr-Thr-Asn-Ala-Ser-Leu-Leu-Thr-Lys-Leu-Gln-
Ala-Gln-Asn-Gln-Trp-Leu-Gln-Asp-NH2 なお、各ペプチド中のアミノ酸残基は、酸性アミノ酸、
塩基性アミノ酸等、アミノ酸の性状もしくは機能が同じ
アミノ酸(相同的なアミノ酸)に置換され得る。
【0020】上記本発明において用いられるペプチド類
を合成するに当たっては、ペプチド合成において通常用
いられる方法、例えば固相合成法または液相合成法を用
いて調製することができる。具体的には例えば、「続医
薬品の開発 第14巻ペプチド合成」監修 矢島治明(廣
川書店発行、1991年)に記載の方法に準じて行えば
よいが、液相合成法よりも固相合成法の方が操作の簡便
性という点で有利である。固相合成法としては例えば、
有機溶媒に不溶性である支持体に、合成しようとするペ
プチドのC末端に対応するアミノ酸を結合させ、α−カ
ルボキシル基以外のα−アミノ基等の官能基をt−ブト
キシカルボニル基等の保護基で保護した後、これら保護
された対応するアミノ酸をN末端方向に順次縮合反応に
より結合させ、該保護基を脱離させる反応を交互に繰り
返すことによりペプチド鎖を延長させる方法が用いられ
る。固相ペプチド合成法は、用いられる保護基の種類に
よりt−Boc法とFmoc法とに大別される。
【0021】この様にして目的するペプチド類を合成し
た後、脱保護基反応及びペプチド鎖の支持体からの切断
を行う。脱保護基反応には、t−Boc法ではフッ化水
素やトリフルオロメタンスルホン酸(以下TFMSAと
言う)を、またFmoc法ではTFAを用いるのが適当
である。例えばt−Boc法では、フッ化水素中で上記
ペプチド類をアニソール存在下にて処理し、保護基の脱
離と支持体からの切断を行ってペプチドを回収する。こ
れを凍結乾燥させることにより、粗ペプチドが得られ
る。一方、Fmoc法ではTFA中において上記と同様
の操作で脱保護基反応及びペプチド鎖の支持体からの切
断反応を行うことが可能である。
【0022】この様にして得られた粗ペプチドを高速液
体クロマトグラフィー(以下HPLCと略記する)に供
することにより、分離・精製を行う。その溶出に当たっ
ては、タンパク質の精製に通常用いられる水ー アセトニ
トリル系溶媒を用いて最適条件下で行うのがよい。得ら
れたクロマトピークに相当する画分を分取し、これを凍
結乾燥する。この様にして精製した精製ペプチド画分に
ついて、マススペクトル分析による分子量解析、アミノ
酸組成分析、あるいはアミノ酸配列解析等により同定を
行う。
【0023】本発明において用いられる、生理学的に許
容される上記ペプチド類の塩類とは医薬として許容され
る塩類であり、その様な例としては例えば、塩酸、硫
酸、燐酸、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、乳酸、酒石
酸、マレイン酸、フマル酸、シュウ酸、リンゴ酸、クエ
ン酸、オレイン酸、パルミチン酸等の無機酸または有機
酸との塩;ナトリウム、カリウム、カルシウムなどのア
ルカリ金属またはアルカリ土類金属との塩;トリエチル
アミン、ジエタノールアミン、t−ブチルアミン、ベン
ジルアミン、ジシクロヘキシルアミン、アルギニン等の
有機塩基との塩等が挙げられる。これらペプチド類の塩
類は、通常の塩生成反応を用いて調製することができ
る。
【0024】上記ペプチド類の固定化に用いられる担体
としては、表面が親水性であり、且つ上記ペプチド類と
共有結合をすることができるアミノ基、カルボキシル
基、水酸基等、反応性の官能基を有する担体が好まし
い。この様な担体としては、例えばCM−セルロファイ
ンCH(生化学工業株式会社製)等のセルロース系担
体;TSKgel CM−トヨパール650C(東ソー
株式会社製)等のポリビニルアルコール系担体;CM−
トリスアクリルM(Pharmacia-LKB 社製)等のポリアク
リルアミド系担体;セファロースCL−4B(Pharmaci
a-LKB 社製)等のアガロース系担体等の有機質担体;C
PG−10−1000等の多孔性ガラス等の無機質担体
が挙げられる。
【0025】また、上記ペプチド類を担体に固定化する
方法は、一般にペプチドまたはタンパク質を担体に固定
化する場合と同様である。この様な固定化方法として
は、例えば担体が有するカルボキシル基をN−ヒドロキ
シコハク酸イミドと反応させることによってスクシンイ
ミドオキシカルボニル基に変換し、これに一般式(1)
で示されるペプチド類のアミノ基部分を反応させる方法
(活性エステル法)や、ジシクロヘキシルカルボジイミ
ド(DCC)等の縮合試薬の存在下で担体が有するアミ
ノ基やカルボキシル基に一般式(1)で示されるペプチ
ド類のカルボキシル基やアミノ基部分を縮合反応させる
方法(縮合法)、担体と上記一般式(1)で示されるペ
プチド類とを、グルタルアルデヒド等の2個以上の官能
基を有する化合物を用いて架橋する方法(担体架橋法)
等が挙げられる。
【0026】上記担体上へ固定化するペプチドの量は、
IL−6の吸着能を実用レベルで有効に発揮させるため
にも、担体1グラム当たり1×10-7モル以上が導入さ
れることが好ましい。また、その上限は特に限定されな
いが、実用性及び経済性の観点からすれば、1×10-4
モル以下であることが好ましい。
【0027】本発明のIL−6吸着材を用いてIL−6
を除去するに当たっては、該吸着材を、IL−6を多量
に含有する患者の血液、血漿、血清等の体液と接触させ
て、該吸着材にIL−6を吸着させる方法が用いられる
が、特に本発明のIL−6吸着材をカラムに充填して使
用する方法が推奨される。
【0028】本発明の吸着材を充填したカラムを用い
て、患者の体液からIL−6を除去する方法としては、
例えば体外血液循環方法による血液浄化療法が挙げられ
る。この体外血液循環方法としては、(i )患者の血液
を、本発明の吸着材を充填したカラムに送り、血液中の
IL−6をカラムに吸着させて除去する。この様にして
IL−6が除去された血液を患者の血管に循環させる、
(ii)患者の血液をまず血球成分と血漿成分に分離し、
このうち血漿成分のみを上記カラムに送り、血漿成分中
のIL−6をカラムに吸着させて除去する。この様にし
てIL−6が除去された血漿成分を、上記分離された血
球成分と混合し、この混合物を患者の血管に循環させ
る。
【0029】以下実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、下記実施例は本発明を制限するものではな
く、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施するこ
とは全て本発明の技術的範囲に包含される。
【0030】
【実施例】
実施例1ペプチドの合成 上記一般式(1)において、A=式(3)、及びX=N
2 である化合物:H-Lys-Leu-Gln-Ala-Gln-Asn-Gln-Tr
p-Leu-Gln-Asp-Met-Thr-Thr-His-NH2 (以下、化合物1
と略記する)をペプチド自動合成装置{米国アプライド
・バイオシステムズ(Applied Biosystems)社製のモデル
430A}を用いた固相合成法で合成した。本実施例で
用いた樹脂は、通常のBoc法による固相合成法におい
てC端がアミド基であるペプチドを合成する際に用いら
れるp−メチルベンズヒドリルアミン樹脂(MBHA樹
脂、NH2 基含量:0.57meq/g 、(株)ペプチド研究所よ
り購入)であり、用いた量は877mg(0.5mmol 相当量)で
ある。上記化合物1の合成は、以下に示す手順に従って
行い、上記樹脂に、目的とするペプチドのC末端からN
末端方向へ順次対応するアミノ酸を縮合反応させた。
【0031】本実施例で用いたアミノ酸は、Boc基で
アミノ基を保護したL−アミノ酸であり、MBHA樹脂
に対して当量関係で4倍に相当する量(今回は樹脂が0.
5mmol 相当なので、保護アミノ酸は2mmol )を用いた。
具体的に用いた保護アミノ酸及びそれらの量は以下の通
りである。 (1) Boc-His(Tos)-OH 819mg (2mmol) (2) Boc-Thr(Bzl)-OH 619mg (2mmol) (3) Boc-Thr(Bzl)-OH 619mg (2mmol) (4) Boc-Met-OH 499mg (2mmol) (5) Boc-Asp(OBzl)-OH 647mg (2mmol) (6) Boc-Gln-OH 493mg (2mmol) (7) Boc-Leu-OH/H2O 499mg (2mmol) (8) Boc-Trp(CHO)-OH 665mg (2mmol) (9) Boc-Gln-OH 493mg (2mmol) (10)Boc-Asn-OH 465mg (2mmol) (11)Boc-Gln-OH 493mg (2mmol) (12)Boc-Ala-OH 378mg (2mmol) (13)Boc-Gln-OH 493mg (2mmol) (14)Boc-Leu-OH/H2O 499mg (2mmol) (15)Boc-Lys(Cl-Z)-OH 830mg (2mmol)
【0032】これらの保護アミノ酸の樹脂への結合は、
縮合させるアミノ酸がAsn、Gln及びArgの場合
には、以下の(B)ダブルカップリング法を用い、それ
以外の保護アミノ酸の場合には、以下の(A)シングル
カップリング法を用いた。
【0033】固相合成手順 (A)シングルカップリング法で行う場合 a)33%TFAのDCM溶液中で80秒間攪拌した。 b)更に、50%TFAのDCM溶液中で18.5分間
攪拌した。 c)更に、DCMで3回洗浄した。 d)更に、10%DIEAのDMF溶液で1分間攪拌し
た。 e)更に、10%DIEAのDMF溶液で1分間攪拌し
た。 f)更に、DMFで5回洗浄した。 g)縮合試薬としてDCCを用い、保護アミノ酸の縮合
反応を行った。 h)DCMで5回洗浄した。
【0034】(B)ダブルカップリング法で行う場合 a)33%TFAのDCM溶液中で80秒間攪拌した。 b)次に、50%TFAのDCM溶液中で18.5分間
攪拌した。 c)更に、DCMで3回洗浄した。 d)更に、10%DIEAのDMF溶液で1分間攪拌し
た。 e)更に、10%DIEAのDMF溶液で1分間攪拌し
た。 f)更に、DMFで5回洗浄した。 g)縮合試薬としてDCC−HOBtを用い、保護アミ
ノ酸の第1回目の縮合反応を行った。 h)DCMで3回洗浄した。 i)次に、10%DIEAのDMF溶液で1分間攪拌し
た。 j)更に、DMFで1回洗浄した。 k)更に、DCMで3回洗浄した。 l)縮合試薬としてDCC−HOBtを用い、保護アミ
ノ酸の第2回目の縮合反応を行った。 m)DMFで1回洗浄した。 n)次に、DCMで5回洗浄した。
【0035】この様にして全ての保護アミノ酸を樹脂に
縮合させた後、TFAを用いて目的ペプチドのN末端保
護基であるBoc基を除去した。得られたペプチド樹脂
をグラスフィルター上にとり、DCMで洗浄後真空乾燥
することにより、1.79g の保護ペプチド樹脂を得た。こ
の保護ペプチド樹脂850mg を、フッ化水素反応装置
{(株)ペプチド研究所製}を用い、フッ化水素9ml 、
アニソール1.0ml 、エチルメチルスルフィド0.1ml の混
液中で0℃で1時間処理した。混液中のフッ化水素と添
加試薬を減圧留去した後、残査をグラスフィルター上で
ジエチルエーテルにより充分に洗浄し、減圧下で乾燥さ
せた。この様にして得られた残査を0.1M酢酸水溶液で抽
出し、その抽出液を凍結乾燥することにより化合物1を
含む粗生成物270mg を得た。そのうち、140mg の粗生成
物を分取用高速液体クロマトグラフィー(カラム:東ソ
ー社製「TSKgel ODS120−T」、2.54cmφ
×30cmL)を用い、アセトニトリルと0.1%(W/W) TFA
水溶液の混合溶媒による直線グラディエント法で溶出さ
せ、化合物1を含む画分を分取し、精製物25mgを得た。
得られた精製物を50%(W/W)の酢酸溶液に溶解し、陽イオ
ン交換樹脂Amberlite IRA-410 (オルガノ株式会社製)
に通すことにより、化合物1の酢酸塩22mgを得た。
【0036】この様にして得られた化合物1について、
HPLCによる純度検定とアミノ酸分析による確認を行
った。HPLCによる分析 カラム :TSKgel ODS-120T (0.46cmφ x 25cm L )
(東ソー社製) 溶出液 :アセトニトリルと0.1%(W/W) TFA水溶液の
混合溶液 溶出方法:アセトニトリルと0.1%(W/W) TFA水溶液
を、溶出開始時には、前者と後者の混合比率を20:80と
し、溶出開始後30分には、その混合比率を40:60と変
化させる直線グラディエント法 検 出:UV検出器、波長214nm 流 速:1.0ml/min 保持時間:17.8分アミノ酸分析 6N塩酸による酸分解(110 ℃で24時間) Asp 2.02(2), Thr 1.74(2), Glu 3.92(4), Ala 1.00
(1), Met 0.99(1),Leu 2.08(2), Lys 0.98(1), His 0.9
8(1), Trpピークの存在を確認(1)(括弧内の数字は理論
値を示す)
【0037】ペプチドの担体への固定化 ジオキサン50ml中に、担体としてCM−セルロファ
イン5gを懸濁させ、これにN−ヒドロキシコハク酸イ
ミド0.4gとジイソプロピルカルボジイミド0.5gを加え、
室温で24時間攪拌した。得られた混合物をジオキサン
で充分に洗浄後、再度DMFに懸濁した。この様に処理
した担体に、上記化合物1(10mg)を加え、4℃で24
時間攪拌した。得られた混合物を吸引濾過し、純水で洗
浄した後、減圧下で乾燥させることにより、上記化合物
が担体に固定化された本発明の吸着材5gを得た。
【0038】ペプチドのIL−6吸着能 ヒトリコンビナントIL−6をビオチン化キット(アメ
リカンコーレックス社製)を用いて、ビオチン化した
(ビオチン化IL−6)。上記化合物1(1mg/m
l)を50μl/ウエルの割合で平底96穴プレートに
添加し、37℃で1時間静置して固定化した。各ウエル
を0.1%BSA含有洗浄用緩衝液(ここで洗浄用緩衝
液とは、0.05%Tween20を含むリン酸緩衝液
を意味する)で洗浄後、ビオチン化IL−6を適当量添
加し、室温で一晩静置した。これを洗浄用緩衝液で洗浄
した後、各ウエルにペルオキシダーゼ標識ストレプトア
ビジンを添加し、室温で30分間静置した。これを洗浄
用緩衝液で洗浄した後、各ウエルにO−フェニレンジア
ミン(過酸化水素を0.003%含有)を添加し、遮光
下、室温で1時間反応させて発色させた。硫酸を各ウエ
ルに添加することによりこの反応を停止させた後、49
0nmにおける吸光度を測定した。化合物1の代わりに
既知の種々の濃度の抗ヒトIL−6抗体(R&Dシステ
ムズ社製)を添加して上記と同様に処理して得られた吸
光度に基づいて検量線を作製した。化合物1のIL−6
吸着能は、抗ヒトIL−6抗体(100ng/ml)を
50μl/ウエル添加した時のIL−6吸着能を100
として換算した。その結果を表1に示す。なお、表1に
は、後記する実施例2〜7で得られた各化合物のIL−
6吸着能の結果も併記している。
【0039】
【表1】
【0040】実施例2 上記実施例1と同様にして、A=式(4)、X=NH2
である化合物:H-Leu-Gln-Ala-Gln-Asn-Gln-Trp-Leu-Gl
n-Asp-Met-Thr-Thr-His-NH2 (化合物2)を合成した。
ただし、用いた保護アミノ酸については、(15)の保護ア
ミノ酸を用いなかったことが異なっている。この様にし
て得られた生成物120mg を精製し、目的のペプチド酢酸
塩22mgを得た。
【0041】HPLCによる分析 実施例1と同様にして分析したところ、保持時間は17.6
分であった。アミノ酸分析(6N塩酸による酸分解、110 ℃で24時
間) 実施例1と同様にして分析したところ、以下に示す結果
が得られた。 Asp 2.06(2), Thr 1.99(2), Glu 3.84(4), Ala 0.99
(1), Met 1.02(1),Leu 2.07(2),His 1.02(1), Trpピー
クの存在を確認(1)(括弧内の数字は理論値を示す)
【0042】実施例3 上記実施例1と同様にして、A=式(5)、X=NH2
である化合物: H-Leu-Gln-Ala-Gln-Asn-Gln-Trp-Leu-G
ln-Asp-Met-Thr-Thr-His-Leu-Ile-Leu-Arg-NH2(化合物
3)を合成した。ただし、用いた保護アミノ酸について
は、(15)の保護アミノ酸を用いなかったこと、及び(1)
の保護アミノ酸を用いる前に、以下の組成の保護アミノ
酸をこの順序で樹脂に結合させたことが異なっている。 Boc-Arg(Tos)-0H 957mg(2mmol ) Boc-Leu-OH/H20 499mg(2mmol ) Boc-Ile-OH/0.5H2O 481mg(2mmol ) Boc-Leu-OH/H2O 499mg(2mmol ) この様にして得られた粗生成物110mg を精製し、目的の
ペプチド酢酸塩25mgを得た。
【0043】HPLCによる分析 実施例1の溶出方法において、アセトニトリルと0.1%(W
/W) TFA水溶液の混合比率を30:70→50:50(30 min)
にしたこと以外は、実施例1と同様にして分析を行った
ところ、保持時間は16.4分であった。アミノ酸分析(6N塩酸による酸分解、110 ℃で24時
間) Asp 2.04(2), Thr 1.83(2), Glu 4.03(4), Ala 1.00
(1), Met 0.98(1),Ile 1.01(1),Leu 4.12(4), His 0.99
(1), Trp ピークの存在を確認(1),Arg 0.99(1)(括弧内
の数字は理論値を示す)
【0044】実施例4 上記実施例1と同様にして、A=式(6)、X=NH2
である化合物:H-Leu-Arg-NH2 (化合物4)を合成し
た。ただし、用いた保護アミノ酸及びそれらの量は以下
の通りである。 Boc-Arg(Tos)-0H 957mg(2mmol ) Boc-Leu-OH/H20 499mg(2mmol ) この様にして得られた粗生成物50mgを精製し、目的のペ
プチド酢酸塩25mgを得た。
【0045】HPLCによる分析 実施例1の溶出方法において、アセトニトリルと0.1%(W
/W) TFA水溶液の混合比率を0 :100 →20:80(30 mi
n)にしたこと以外は、実施例1と同様にして分析を行っ
たところ、保持時間は15.6分であった。アミノ酸分析(6N塩酸による酸分解、110 ℃で24時
間) Leu 1.01(1), Arg 0.99(1)(括弧内の数字は理論値を示
す)
【0046】実施例5 上記実施例1と同様にして、A=式(7)、X=NH2
である化合物:H-Gly-Ile-Ser-Ala-Leu-Arg-Lys-Glu-Th
r-Cys(Acm)-Asn-Lys-Ser-Asn-Met-Cys(Acm)-NH 2 (化合
物5)を合成した。用いた保護アミノ酸及びそれらの量
は以下の通りである。 Boc-Cys(Acm)-OH 585mg(2mmol ) Boc-Met-OH 499mg(2mmol ) Boc-Asn-OH 464mg(2mmol ) Boc-Ser(Bzl)-OH 591mg(2mmol ) Boc-Lys(Cl-Z)-OH 830mg(2mmol ) Boc-Asn-OH 464mg(2mmol ) Boc-Cys(Acm)-OH 585mg(2mmol ) Boc-Thr(Bzl)-OH 348mg(2mmol ) Boc-Glu(O-Bzl)-OH 675mg(2mmol ) Boc-Lys(Cl-Z)-OH 830mg(2mmol ) Boc-Arg(Tos)-OH 957mg(2mmol ) Boc-Leu-OH/H20 499mg(2mmol ) Boc-Ala-OH 378mg(2mmol ) Boc-Ser(Bzl)-OH 591mg(2mmol ) Boc-Ile-OH/0.5H2O 481mg(2mmol ) Boc-Gly-OH 350mg(2mmol ) この様にして得られた得られた粗生成物150mg を精製
し、目的のペプチド酢酸塩28mgを得た。
【0047】HPLCによる分析 実施例1の溶出方法において、アセトニトリルと0.1%(W
/W) TFA水溶液の混合比率を10:90→30/70(30 min)
にしたこと以外は、実施例1と同様にして分析を行った
ところ、保持時間は20.7分であった。アミノ酸分析(6N塩酸による酸分解、110 ℃で24時
間) Asp 2.05(2), Thr 0.66(1), Ser 1.74(2), Glu 0.94
(1), Gly 1.02(1),Ala 1.00(1), Met 1.00(1), Ile 1.0
1(1), Leu 1.04(1), Lys 1.97(2),Arg 0.97(1) (括弧
内の数字は理論値を示す)
【0048】実施例6 上記実施例1と同様にして、A=式(8)、X=NH2
である化合物:H-Ala-Arg-Ala-Val-Gln-Met-Ser-Thr-Ly
s-Val-Leu-Ile-Gln-Phe-Leu-Gln-Lys-Lys-Ala-Lys-Asn-
NH2 (化合物6)を合成した。用いた保護アミノ酸及び
それらの量は以下の通りである。 Boc-Asn-OH 464mg(2mmol ) Boc-Lys(Cl-Z)-OH 830mg(2mmol ) Boc-Ala-OH 378mg(2mmol ) Boc-Lys(Cl-Z)-OH 830mg(2mmol ) Boc-Lys(Cl-Z)-OH 830mg(2mmol ) Boc-Gln-OH 493mg(2mmol ) Boc-Leu-OH/H20 499mg(2mmol ) Boc-Phe-OH 531mg(2mmol ) Boc-Gln-OH 493mg(2mmol ) Boc-Ile-OH/0.5H2O 481mg(2mmol ) Boc-Leu-OH/H20 499mg(2mmol ) Boc-Val-OH 435mg(2mmol ) Boc-Lys(Cl-Z)-OH 830mg(2mmol ) Boc-Thr(Bzl)-OH 619mg(2mmol ) Boc-Ser(Bzl)-OH 591mg(2mmol ) Boc-Met-OH 499mg(2mmol ) Boc-Gln-OH 493mg(2mmol ) Boc-Val-OH 435mg(2mmol ) Boc-Ala-OH 378mg(2mmol ) Boc-Arg(Tos)-OH 957mg(2mmol ) Boc-Ala-OH 378mg(2mmol ) この様にして得られた得られた粗生成物98mgを精製し、
目的のペプチド酢酸塩20mgを得た。
【0049】HPLCによる分析 実施例1と同様にして分析したところ、保持時間は22.6
分であった。アミノ酸分析(6N塩酸による酸分解、110 ℃で24時
間) Asp 1.02(1), Thr 0.88(1), Ser 0.82(1), Glu 2.99
(3), Ala 3.02(3),Val 2.00(2), Met 1.02(1), Ile 1.1
3(1), Leu 2.17(2), Phe 1.05(1),Lys 3.96(4), Arg 0.
94(1)(括弧内の数字は理論値を示す)
【0050】実施例7 上記実施例1と同様にして、A=式(9)、X=NH2
である化合物:H-Pro-Thr-Thr-Asn-Ala-Ser-Leu-Leu-Th
r-Lys-Leu-Gln-Ala-Gln-Asn-Gln-Trp-Leu-Gln-Asp-NH2
(化合物7)を合成した。用いた保護アミノ酸及びそれ
らの量は以下の通りである。 Boc-Asp(O-Bzl)-OH 647mg(2mmol ) Boc-Gln-OH 493mg(2mmol ) Boc-Leu-OH/H20 499mg(2mmol ) Boc-Trp(CHO)-OH 665mg(2mmol ) Boc-Gln-OH 493mg(2mmol ) Boc-Asn-OH 464mg(2mmol ) Boc-Gln-OH 493mg(2mmol ) Boc-Ala-OH 378mg(2mmol ) Boc-Gln-OH 493mg(2mmol ) Boc-Leu-OH/H20 499mg(2mmol ) Boc-Lys(Cl-Z)-OH 830mg(2mmol ) Boc-Thr(Bzl)-OH 619mg(2mmol ) Boc-Leu-OH/H20 499mg(2mmol ) Boc-Leu-OH/H20 499mg(2mmol ) Boc-Ser(Bzl)-OH 591mg(2mmol ) Boc-Ala-OH 378mg(2mmol ) Boc-Asn-OH 464mg(2mmol ) Boc-Thr(Bzl)-OH 619mg(2mmol ) Boc-Thr(Bzl)-OH 619mg(2mmol ) Boc-Pro-OH 430mg(2mmol ) この様にして得られた得られた粗生成物150mg を精製
し、目的のペプチド酢酸塩18mgを得た。
【0051】HPLCによる分析 実施例1の溶出方法において、アセトニトリルと0.1%(W
/W) TFA水溶液の混合比率を20:80→50:50(30 min)
にしたこと以外は、実施例1と同様にして分析を行った
ところ、保持時間は22.6分であった。アミノ酸分析(6N塩酸による酸分解、110 ℃で24時
間) Asp 3.06(3), Thr 2.81(3), Ser 0.87(1), Glu 4.13
(4), Ala 2.03(2),Leu 4.08(4), Trpピークの存在を確
認(1), Lys 1.04(1), Pro 1.13(1)(括弧内の数字は理
論値を示す) 表1から明らかな様に、本発明に用いられるペプチドは
いずれもIL−6に対して強い吸着力を有することが分
かる。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、IL−6と強く吸着す
ることができるIL−6吸着材が提供されるので、IL
−6に由来する自己免疫疾患等の種々の疾患に治療に適
用することが可能である。また、本発明のIL−6吸着
材をカラムに充填することにより、自己免疫疾患の患者
の体液からIL−6を吸着除去する血液浄化療法等の治
療法にも適用することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 5/103 ZNA 7/06 Z 8318−4H 7/08 17/04 8318−4H (72)発明者 木村 仁 つくば市千現1−14−14 パークハイツ千 現404号 (72)発明者 妹尾 八郎 門真市千石東町12−1 (72)発明者 関 信男 茨木市橋の内2−12−28−303

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1):H−A−X (式中、Aは2〜21個のアミノ酸が結合したペプチド
    のN末端から水素原子を1個除き、且つ該ペプチドのC
    末端から水酸基を1個除いた2価の基を表し、 Xは水酸基またはカルボキシ保護基を表す。但し、Aに
    おいて該アミノ酸中の遊離のメルカプト基は、メルカプ
    ト保護基で保護されていてもよい。)で示されるペプチ
    ド類または生理学的に許容されるその塩類、及び担体か
    らなることを特徴とするインターロイキン6吸着材。
  2. 【請求項2】 Aが 式(2):-Lys-Leu-Gln-Ala-Gln-Asn-Gln-Trp-Leu-Gln
    -Asp-Met-Thr-Thr-His-Leu-Ile-Leu-Arg- の全部、またはその一部を連続して含むものである請求
    項1に記載のインターロイキン6吸着材。
  3. 【請求項3】 Aの一部を連続して含むものが下記式
    (3)〜式(6)で示される請求項2に記載のインター
    ロイキン6吸着材。 式(3):-Lys-Leu-Gln-Ala-Gln-Asn-Gln-Trp-Leu-Gln
    -Asp-Met-Thr-Thr-His- 式(4):-Leu-Gln-Ala-Gln-Asn-Gln-Trp-Leu-Gln-Asp
    -Met-Thr-Thr-His- 式(5):-Leu-Gln-Ala-Gln-Asn-Gln-Trp-Leu-Gln-Asp
    -Met-Thr-Thr-His-Leu-Ile-Leu-Arg- 式(6):-Leu-Arg-
  4. 【請求項4】 Aが 式(7):-Gly-Ile-Ser-Ala-Leu-Arg-Lys-Glu-Thr-Cys
    -Asn-Lys-Ser-Asn-Met-Cys- を含むものである請求項1に記載のインターロイキン6
    吸着材。
  5. 【請求項5】 Aが 式(8):-Ala-Arg-Ala-Val-Gln-Met-Ser-Thr-Lys-Val
    -Leu-Ile-Gln-Phe-Leu-Gln-Lys-Lys-Ala-Lys-Asn- を含むものである請求項1に記載のインターロイキン6
    吸着材。
  6. 【請求項6】 Aが 式(9):-Pro-Thr-Thr-Asn-Ala-Ser-Leu-Leu-Thr-Lys
    -Leu-Gln-Ala-Gln-Asn-Gln-Trp-Leu-Gln-Asp- を含むものである請求項1に記載のインターロイキン6
    吸着材。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載のインタ
    ーロイキン6吸着材をカラムに充填したものであること
    を特徴とするインターロイキン6吸着材。
  8. 【請求項8】 一般式(1):H−A−X (式中、Aは以下の式(3)〜(5)及び式(7)〜
    (9)のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むペプチ
    ドのN末端から水素原子を1個除き、且つ該ペプチドの
    C末端から水酸基を1個除いた2価の基を表し、 Xは水酸基またはカルボキシ保護基を表す。但し、Aに
    おいて該アミノ酸中の遊離のメルカプト基は、メルカプ
    ト保護基で保護されていてもよい。)で示されるペプチ
    ド類または生理学的に許容されるその塩類。 式(3):-Lys-Leu-Gln-Ala-Gln-Asn-Gln-Trp-Leu-Gln
    -Asp-Met-Thr-Thr-His- 式(4):-Leu-Gln-Ala-Gln-Asn-Gln-Trp-Leu-Gln-Asp
    -Met-Thr-Thr-His- 式(5):-Leu-Gln-Ala-Gln-Asn-Gln-Trp-Leu-Gln-Asp
    -Met-Thr-Thr-His-Leu-Ile-Leu-Arg- 式(7):-Gly-Ile-Ser-Ala-Leu-Arg-Lys-Glu-Thr-Cys
    -Asn-Lys-Ser-Asn-Met-Cys- 式(8):-Ala-Arg-Ala-Val-Gln-Met-Ser-Thr-Lys-Val
    -Leu-Ile-Gln-Phe-Leu-Gln-Lys-Lys-Ala-Lys-Asn- 式(9):-Pro-Thr-Thr-Asn-Ala-Ser-Leu-Leu-Thr-Lys
    -Leu-Gln-Ala-Gln-Asn-Gln-Trp-Leu-Gln-Asp-
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997048728A1 (en) * 1996-06-20 1997-12-24 Koster, Henk, Wilhelmus Il-6 and il-6-receptor derived peptides having il-6 antagonistic or agonistic activity

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997048728A1 (en) * 1996-06-20 1997-12-24 Koster, Henk, Wilhelmus Il-6 and il-6-receptor derived peptides having il-6 antagonistic or agonistic activity

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