JP2793216B2 - 粘膜による吸収を高める、ソルビン及び誘導ペプチド - Google Patents

粘膜による吸収を高める、ソルビン及び誘導ペプチド

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、粘膜による吸収、特に水、電解質及び栄養
素の吸収の増大をひきおこすことのできるポリペプチド
及びペプチドに関する。
さらに限定的に言うと、本発明は、高純度のポリペプ
チド及びこれらのポリペプチドと共通のアミノ酸配列を
もつペプチドをその目的としている。
とくに上述の物性を備えた豚の腸粘膜から得た生物学
的分画については、すでに記述されてきた。しかしここ
で問題となっていたのは、望ましくない副作用を誘発す
る可能性のある数多くの他の構成成分に単数又は複数の
有効成分が混合され、これらがその治療への応用を不適
当にしているような化合物であった。豚の腸から抽出さ
れたポリペプチドが報告されたが、このような生成物の
完全な獲得方法についても又その配列についてもいかな
る指示も与えられていない。
豚の腸から抽出されたポリペプチドの精製方法の完成
により、発明者はHPLCでの唯一のピークに相応し上述の
活性を備えたポリペプチドを分離することができた。こ
のポリペプチドを、本記述中及びクレーム中でソルビン
という語で呼ぶ。こうして、利点の大きい生物学的活性
を備えた特にソルビンの活性を呈する、このポリペプチ
ドの誘導体及びペプチドフラグメントを開発することが
できた。
従って、本発明の目的は、試薬及び薬剤の有効成分と
して使用可能な高純度の前述のポリペプチドならびにそ
の抗体を提供することにある。本発明は同様に、一定の
生物学的活性を有する誘導ペプチドすなわち、これらの
ポリペプチドの単数又は複数のアミノ酸配列に特に相応
するペプチドを提供することをもその目的としている。
同様に、本発明は、さまざまな方法、特に抽出、遺伝
子工学又は特にペプチドについては化学的方法に従って
これらのポリペプチド及びその誘導体を獲得することも
その目的とする。
本発明のもう1つの目的は、これらのペプチド及びポ
リペプチドの生物学的特性を薬剤組成物の中で活用する
ことにある。
本発明に基づくポリペプチドは、以下のアミノ酸配列
(I)、又はアミノ酸配列(I)のC末端から1〜146
のアミノ酸の欠失した、7〜152のアミノ酸を含むアミ
ノ酸配列を有することを特徴とする: このようなポリペプチドは有利なことに、粘膜特に消
化粘膜による水、電解質及び栄養素の吸収の増大をひき
おこすことができる。
この配列及び以下に示されている配列を説明する上
で、アミノ酸を1つの文字で表わした以下のリストを利
用する: アラニン=ala=A/、アルギニン=arg=R/、アスパラ
ギン=asn=N/、アスパラギン酸=asp=D/、グルタミン
酸=glu=E/、グルタミン=gln=Q/、グリシン=gly=G
/、ヒスチジン=his=H/、イソロイシン=ile=I/、ロ
イシン=leu=L/、リジン=lys=K/、メチオニン=met
=M/、フェニルアラニン=phe=F/、プロリン=pro=P
/、セリン=ser=S/、スレオニン(トレオニン)=thr
=T/、トリプトファン=trp=W/、チロシン=tyr=Y/、
バリン=val=V/。
好ましくは、本発明は、次の配列(II)のヘプタペプ
チドを含むポリペプチド及び誘導ペプチドを目的として
いる: NH2−A.Q.P.K.T.V.P. 本発明に基づくポリペプチド及びペプチドはさらに、
それが以下のアミノ酸配列(III)を満たすデカペプチ
ド、又はデカペプチドのC末端から1〜3のアミノ酸の
欠失した、7〜9のアミノ酸を含むペプチドを含み込ん
でいることを特徴とする: NH2−A.Q.P.K.T.V.P.R.E.H. もう一つの特徴に従うと、本発明に従ったポリペプチ
ド及びペプチドは、40のアミノ酸の次の配列(IV)、又
は配列(IV)のC末端から1〜33のアミノ酸の欠失し
た、7〜39のアミノ酸を含む配列を含んでいる: 本発明は特に、前述の特性に加えて高い純度を呈する
ポリペプチド又はソルビンを目的とする。従って、この
ソルビンは、40%のメタノールとトリフルオロ酢酸(TF
A)0.1%から成る溶剤A及び80%のメタノールとTFA0.1
%から成る溶媒Bを用いて(なお溶剤Bの勾配は30分で
0〜75%である)、1分あたり1.5mlの流量でBondapak
C18(Waters)マイクロカラム(3.9×300mm)上で20
〜22分の保持時間で唯一のHPLCピークにより特徴づけら
れている。
上述のクロマトグラフィーカラムにおいて、同じ溶剤
系を用いて(ただし勾配は20分で0〜100%)、本発明
に基づくソルビンは、15〜16分の保持時間で得られたピ
ークに相当する。
上述のようにHPLC(高圧液体クロマトグラフィ)によ
り得られるもののような精製されたソルビンは、さらに
特別に153のアミノ酸を有し、アミノ酸配列(I)を満
たす。このペプチド鎖の分子量は17483である。
上述のポリペプチド特にソルビンからはさまざまなペ
プチドフラグメントを得ることができ、これらのフラグ
メントは、腸粘膜による吸収又は異なる生物学的活性の
面で、これらのポリペプチドと同じタイプの活性を有す
る。
好ましいペプチドは、配列(IV)、又は配列(IV)の
C端末から1〜33のアミノ酸の欠失した、7〜39のアミ
ノ酸を含む配列を含んでいる。
好ましいその他のペプチドは、上述のアミノ酸配列
(II)及び(III)を満たすヘプタペプチド及びデカペ
プチドを含むかもしくはこれに相当する。
当然のことながら、本発明における誘導ペプチドは、
活性を変えることなく配列(II):NH2−A.Q.P.K.T.V.P.
以外の箇所で1〜数個のアミノ酸が欠失、付加もしくは
置換されている誘導ペプチド、さらに、任意の箇所のア
ミノ酸が保護基を有するポリペプチド又はその誘導ペプ
チドをも意味する。また、活性を変えることなく配列
(I)乃至(IV)のいくつかのアミノ酸を置換すること
もできるし、又逆にこれらの変更のおかげで以下の例の
1つが示しているように反対の効果をこれらに与えるこ
とにより置換することもできる。
特に、これらの配列の塩基性アミノ酸は、アルギニ
ン、リジン及びヒスチジンのような他の塩基性アミノ酸
により置換されうる。
同様に、その代謝を遅延させその作用時間を改善する
ため、ペプチド鎖のアミノ酸上に置換基を導入すること
も可能である。
本発明は同様に、上述のポリペプチド及びペプチドを
特定的に認識することのできる抗体にも関するものであ
る。
さらに、本発明は、上述のポリペプチド及びペプチド
に相当するm−RNAを目的とする。本発明は特にアミノ
酸の配列(I)に相当するm−RNAを目的とする。
上述のポリペプチド及びその誘導体の少なくとも一部
分について暗号づけできるDNAのフラグメントも同様
に、特に粘膜による吸収能力に対する活性をもつポリペ
プチド及びペプチドといった暗号づけされた生成物と同
じく、本発明の範囲内に入る。
これらのヌクレオチド配列はまた、配列(I)のソル
ビン、又は配列(I)のC末端から1〜146のアミノ酸
の欠失した、7〜152のアミノ酸を含むアミノ酸配列を
表現することのできる遺伝子と交雑するその能力によっ
ても特徴づけられる。
本発明は同様に、本発明に従ったソルビン及びその誘
導体の獲得手段にも関する。
一つの獲得方法は、哺乳動物の器官から抽出されたペ
プチドの液体クロマトグラフィ及びHPLCによる精製を含
んでいる。
従来の技術に従って、これらのペプチドは、酢酸によ
り抽出され、塩化ナトリウムにより塩析され、次にアル
コール沈殿により精製される。得られたペプチド沈殿物
は、本発明に基づく方法に従い次の段階に付される: − 0.04Mの重炭酸アンモニウムによる溶出を伴う、カ
ルボキシメチルセルロース(CMC)上のクロマトグラフ
ィによる精製。
− 0.03Mの重炭酸アンモニウムによる溶出を伴う、活
性分画の回収と新たなCMCクロマトグラフィ。
− 0.1%のトリフルオロ酢酸0.1%を含む水から成る溶
剤Aと0.1%のTFAを含むアセトニトリルから成る溶剤B
でのHPLC(高圧液体クロマトグラフィ)による精製を少
なくとも受けた活性分画の回収。
好ましい一実施態様において、HPLCによる連続的精製
は以下のように行なわれる: − Bondapak C18(Waters)マイクロカラム(7.8×30
0mm)と、10分で0〜20%その後40分で20〜40%の溶剤
Bの勾配を用い、保持時間37〜39分で活性生成物を溶出
させる、 − 流量1.5ml/分のBondapak CN(Waters)マイクロカ
ラム(3.9×300mm)及び、水と0.1%のTFAから成る溶剤
A及びアセトニトリル及び0.1%のTFAから成る溶剤Bを
用い、10分で0〜20%、次に40分で20〜40%の割合の勾
配で溶剤Bを加え、37〜41分の保持時間で活性分画を溶
出させる、 − 流量1.5ml/分のBondapak C18(Waters)マイクロ
カラム(3.9×300mm)と、40%のメタノール及び0.1%
のTFAから成る溶剤A、80%のメタノール及び0.1%のTF
Aから成る溶剤B(なおBの勾配は30分で0〜75%であ
り、ソルビンの保持時間は20〜22分である)を用いる。
もう1つの方法によると、ポリペプチド及びその誘導
体は、本発明に従うと組み換え型DNA技法により得られ
る。
こうして、ソルビンに対して暗号づけするヌクレオチ
ド配列(ソルビンのゲノムから直接又は相応するm−RN
Aから又は合成により得られた配列)から出発して、遺
伝子工学の分野において今や古典的になった技法を用い
てこのタンパク質の製造に着手する。
本発明は同様に、ポリペプチドの獲得に利用できる細
菌株及びベクターといった中間的手段をもその目的とし
ている。
さらにもう1つの方法に従うと、ポリペプチドとその
誘導体、さらに限定的に言うとこれらのポリペプチドの
ペプチドフラグメントは、合成により調製される。
このためには古典的な技術、特に固相法を用いる。
特に適したこのタイプの方法は、J.O.C.37、3404〜34
09(1972年)においてCarpino他によりそしてInt.J.Pep
t.Pro.Res.(1978年11;246〜249)においてMeinhoferに
より開発されたアミノ酸FMOCの技法から成る。
アミノ酸FMOC(フルオレニルメトキシカルボニル)
は、無水物の形(従って、不安定なもの、ジクロロメタ
ン内でのジシクロヘキシルカルボジイミドによる活性化
により応急に調製される)又はDMF(ジメチルホルムア
ミド)内でのDMAP(4−ジメチルアミノピリジン)との
エステル結合の形成を通しての活性エステル[ペンタフ
ルオロフェニル(PFP)のエステル]の形で、用いられ
る。
カップリングは、約25分から60分間樹脂カラム内で連
続的に循環させることにより行なわれる。ペプシンKA樹
脂(95%のTFAでの処理により遊離酸官能基をもつアミ
ノ酸で終結するペプチドを遊離するもの)、ペプシンB
樹脂(アンモニアメタノールによる開裂の後、アミド化
されたC末端をもつペプチドに導くもの)及びペプチシ
ンKH樹脂(TFA1%による開裂の後、保護されたアミノ酸
末端に導くもの)といった、Kieselguhrのマクロ孔質マ
トリクスの気孔内で重合されたポリアミドゲルとKiesel
guhrの複合物で構成されている市販の樹脂を用いると有
利である。N末端の保護解除は、DMF内でピペリジン20
%を用いて行なわれる。次に、続くアミノ酸がDMF内で
触媒が存在する中で又は存在しない状態で(HOBT、1−
ヒドロキシベンゾトリアゾル)1つずつ付加され、次
に、その次のものが付加されないうちに保護解除され
る。カップリングと保護解除の各段階の間で、余剰の試
薬はDMFによる洗浄によって除去される。
合成の終了時点で、ペプチドは、上述のような樹脂タ
イプに応じて適当な溶剤により、樹脂から離脱させられ
る。側面方向の基の保護は、TFAにより除去される。次
に不完全なペプチド又は不完全に保護解除されたペプチ
ドを除去するためそしてその保持時間、そのアミノ酸組
成及びその配列により完全に特徴づけされたペプチドを
得るため、高圧液体クロマトグラフィによる精製が行な
われる。
この技法は絶対的なものではなく、以下に記すような
均質溶液又は固相での技法といったその他の技法を利用
することも可能である。
例えばE.Wenschにより監修された「Methode derorgan
ischen Chemie(有機化学方法)」という題の書物にお
いてHOUBENWEYLが記した均質溶液合成法(第15−I及び
II巻、THIEME、1974年、Stuttgart)を利用することが
できる。
この合成方法は、必要な順序で連続するアミノアシル
を2つずつ続けて縮合させること或いは又、アミノアシ
ルと、予め形成されすでに適当な順序で複数のアミノア
シル残基を含むフラグメント又はこうしてすでに予め調
製された複数のフラグメントを縮合させることから成
る。ただし、この場合、ペプチド結合において周知の方
法に従い特にカルボキシル官能基の活性化の後、ペプチ
ド結合の形成に通常介入しなくてはならない、一方のア
ミン官能基ともう一方のカルボキシル官能基又はその逆
といった官能基を除くこれらのアミノアシル又はフラグ
メントが有する全ての反応性官能基を予め保護する注意
を払わなくてはならない。変形態様としては、1−エチ
ル−3−(3−ジメチル−アミノプロピル)−カルボジ
イミドといったカルボジイミドタイプの古典的なカップ
リング試薬を用いたカップリング反応に助けを求めるこ
ともできる。利用されるアミノアシルが補足的アミノ官
能基(例えばリジンの場合)又は他の酸官能基(例えば
グルタミン酸の場合)を有する場合、これらの官能基は
例えば、アミン官能基に関してはカルボベンゾオキシ基
又はt−ブチルオキシカルボニル基により、又カルボキ
シル官能基に関してはt−ブチルエステル基により保護
されることになる。その他の全ての反応官能基の保護に
ついても同様である。例えば、考慮中のアミノアシルの
1つがSH官能基(例えばシステイン)を含んでいる場
合、アセトアミドメチル又はパラメトキシルベンジルを
利用することができる。
アミノ酸1つずつの漸進的合成の場合、合成は好まし
くは、望ましい配列内での隣接するアミノアシルに相当
するアミノ酸とのアミノ酸C末端の縮合から始まり同様
に次々と近くのアミノ酸へと続き最終的にアミノ酸N末
端に至る。本発明に基づくもう1つの技法によると、
「固相ペプチド合成」と題された論文(J.Am.Chem.So
c.,45,2149−2154)中で、R.D.MERRIFIELDが記したもの
を利用することができる。
MERRIFIELDの方法によりペプチド鎖を製造するために
は、きわめて多孔質の重合体樹脂を用い、その上に鎖の
最初のアミノ酸C末端を固定する。このアミノ酸はその
カルボキシル基を介して樹脂上に固定され、そのアミン
官能基は、例えばt−ブチルオキシカルボニルによって
保護されている。
最初のアミノ酸C末端がこうして樹脂上に固定された
時点で、1つの酸で樹脂を洗うことによりアミン官能基
の保護基をとり除く。
アミノ官能基の保護基がt−ブチルオキシカルボニル
基である場合、これは、トリフルオロ酢酸を用いて樹脂
を処理することにより除去することができる。
次に、鎖上に固定された最初のアミノ酸C末端の保護
解除されたアミン官能基上のアミノアシル残基C末端か
ら、求められる配列の第2のアミノアシルを提供する第
2のアミノ酸をカップリングする。好ましくは、この第
2のアミノ酸のカルボキシル官能基は例えばジシクロヘ
キシルカルボジイミドなどによって活性化され、アミン
官能基は、例えばt−ブチルオキシカルボニルにより保
護される。
こうして、2つのアミノ酸をもちその末端アミノ官能
基が保護されているような、求められるペプチド鎖の第
1の部分が得られる。前述の場合と同様、アミン官能基
を保護解除し、次に、第2のアミノ酸C末端の付加の場
合と同じような条件の下で第3のアミノアシルの固定に
着手することができる。
このようにして1つずつ次々とアミノ酸を固定し、こ
れらは、すでに形成され樹脂に再び結びつけられたペプ
チド鎖の部分のその度毎に予め保護解除されたアミン基
上でペプチド鎖を構成することになる。
望ましいペプチド鎖全てが形成されると、ペプチド鎖を
構成する異なるアミノ酸の保護基を除去し、例えばフッ
化水素酸などを用いて樹脂からペプチドを離脱させる。
ポリペプチド及びその誘導体の薬学的特性の研究によ
り、粘膜とくに消化粘膜による吸収特に水、電解質及び
栄養素の吸収に対するその有利な効果が立証された。
実施された研究作業により、このソルビンは少ない量
でかなり広く分布しているが、脳下垂体、副腎、気管支
及び十二指腸のレベルに著しい優越性がみられることが
示された。
さまざまな組織内にソルビンが存在するため、このペ
プチド及びそのフラグメントには、電解質特に塩素のあ
らゆるレベルへ特に消化管、気管支分泌及び中枢神経系
レベルへの細胞輸送におけるユビキチン的役割が与えら
れている。中枢神経系レベルでは、これは、特にイオン
不均衡に結びつけられる行動障害に介入する。
これらの有利な特性には、さらに高度の安全性が伴っ
ている。
従って、本発明は、賦形剤と合わせて上述のようなポ
リペプチド及びその誘導体の有効量をその有効成分中に
含む薬剤化合物をその目的としている。
これらの薬剤化合物は、静脈内注射でも経口でも投与
可能である。
静脈内注射による投与のためには、注射用アンプル剤
を利用する。これらの製剤には、有利には、一服用単位
あたり10〜50ピコモル、好ましくは20〜40ピコモルが含
まれている。
その他の投与形態は、遅延腸内遊離(腸溶性)の圧縮
錠、錠剤、ゼラチン襄から成り、50〜500ピコモル好ま
しくは150〜250ピコモルの有効成分を含んでいる。
吸収に対するその特性を考慮すると、これらの化合物
は、特に次の目的に使用することができる: − 水及び電解質の吸収の増大という有利な効果によ
り、感染性下痢及び急性乳児期中毒症の治療に、 − 特に消化器系の外科手術、感染性疾患の減退期にお
ける腸内栄養補給の再導入に際しての非経口蘇生術の補
助薬治療に、 − 水分及び電解質の吸収の増大と結びつく、グルシド
及びアミノ酸の吸収の増大による、慢性的な或る種の吸
収不良の治療、 − 汗腺、だ液腺、気管支、腸及びすい臓のレベルの電
解質の再吸収の障害を特徴とする、或る種の電解質障害
特にムコビンドーシス(襄胞性線維症)の治療、 − 水分、電解質及び栄養素の吸収を抑制する本発明の
ポリペプチド及びペプチドの置換誘導体による肥満症及
び水分過多症の治療に。
本発明はさらに、このソルビン及びその誘導体でその
有効成分が構成されている生物学的試薬にも関するもの
である。これらの生物学的試薬は、水及び電解質の吸収
に対する化合物の作用の研究における基準又は尺度とし
て用いることができる。
本発明のその他の特徴及び利点は、純粋ソルビン及び
ペプチドフラグンメントの調製及びその生物学的活性に
関する以下の例において明らかになるものと思われる。
例1:哺乳動物の器官からの純粋ソルビンの調製 一連の作業1)の間に、まず従来の技術に従って、豚
の腸からの抽出により塩の形でペプチド沈殿物を分離す
る。
得られた塩のケークを次に、ソルビンを分離するため
に精製プロセス2)に付す。
1):V.MUTTにより記述された技法(Clin.Endocri,1976
年5、supp 175S−183S)に従った豚の腸からのペプチ
ドの抽出 上部3分の1に当たる豚の腸を屠殺場で抜きとり、水
中で煮沸して、冷凍保存する。次にこれを細片に切り、
12時間0.5Mの酢酸中で浸軟処理する。浸軟物をろ過し、
アルギン酸上で吸着させ、0.2Mの塩酸(HCl)で溶離す
る。飽和塩化ナトリウムにより溶出液からペプチドを沈
殿させる。(1トンの腸で1kgの沈殿物が得られる)。
沈殿物を100mlにつき20gの割合で水中に溶かす、95%
のエタノール2体積を加える。溶液のpHは、ガラス製電
極とpH計を介して水酸化ナトリウム(NaOH)で7.2に調
整する。形成した沈殿物をろ過し、取り分ける。−20℃
の温度で95%のエタノール1体積を次に清澄されたろ液
に加える。混合物を48時間−20℃で保存する。沈殿物を
−20℃でろ過により収集する。沈殿物を、pH6.4で0.03M
のリン酸塩緩衝液中に溶かし、カルボキシメチルセルロ
ース(CMC)上で吸着させ、0.3Mの濃度で塩化ナトリウ
ムを含む同じ緩衝液で溶離させる。この溶液から飽和塩
化ナトリウムにより、生成物を沈殿させる。この段階の
収量は、先の抽出物1kgについて22.5gである。
次に生成物を0.2Mの酢酸緩衝液内でSephadexG25上の
クロマトグラフィにより、複数の分画に分離する。生成
物を、飽和塩化ナトリウムにより沈殿させる。活性分画
中の回収量は約9gである。
2):精製段階:前段階で得た塩のケークを、100mlに
対して10gの濃度で水中に溶かす。95%のエタノール2
体積を加え、pHを、1MのNaOHl体積及び95%のエタノー
ル2体積を含む溶液を用いて7.2にする。−20℃の温度
にされた、得られた新たな合計体積に等しい95%のエタ
ノール1体積を、−20℃で48時間置かれる混合物に加え
る。沈殿物はろ過により収集され、無水エタノール次に
エーテルにより洗浄され、最後に数時間真空下で乾燥さ
せられる。その重量は約5gである。この段階により、生
成物を乾燥させ、塩の一部を除去することができる。
次に生成物を、0.02Mの重炭酸アンモニウム中に溶解
の後、カルボキシメチルセルロース(CMC)上クロマト
グラフィに付す。生成物を吸収させ、次に、0.04Mの重
炭酸アンモニウムにより溶離する。こうして溶離された
活性分画は335mgである。
得られた分画を新たに0.03Mの重炭酸アンモニウム中
に溶解させ、新たなCMC上クロマトグラフィに付し、カ
ラムの合計体積の25倍から35倍のところに溶離された分
画中で活性度を突きとめる。活性分画の重量は、約19.2
mgしかない。
次の段階は、0.1%のトリフルオロ酢酸(TFA)を含む
水から成る溶剤Aと0.1%のTFAを含むアセトニトリルか
ら成る溶剤Bを用いて高圧液体クロマトグラフィ(HPL
C)により行なわれる。BondapakC18(Waters)マイクロ
カラム(7.8×300mm)(溶剤Bの勾配は10分で0〜20%
次に40分で20〜40%、流量は3ml/分)上で、活性生成物
を、保持時間37〜39分で溶離させる。
次の段階は、水と0.1%のTFAから成る溶剤Aとアセト
ニトリル及び0.1%のTFAを含む溶剤Bを用いた、1.5ml/
分の流量でBondapak CN(Waters)マイクロカラム(3.
9×300mm)上でのHPLCから成る。溶剤Bは、10分で0〜
20%、40分で20〜40%の割合での勾配で加えられる。活
性分画は37〜41分の保持時間で溶離される。
最後の段階は、溶剤A(40%のメタノール+0.1%のT
FA)及び溶剤B(80%のメタノール+0.1%のTFA)を用
いた、1.5ml/分の流量でのBondapack C18(Waters)マ
イクロカラム(3.9×300ml)上のHPLCから成る。Bの勾
配は、30分で0〜75%である。このときソルビンの保持
時間は20〜22分である。
同じ溶剤システムで20分で0〜100%の勾配で同じカ
ラム上で行なわれた純度検査は、その保持時間が15〜16
分である唯一のピークが得られることを示している。
1トンの腸に対する精製の終了時点で、0.462mgのソ
ルビンを回収した。
a.ソルビンの特徴づけ ソルビンの純度は、HPLCで唯一のピークがそしてアク
リルアミドゲル上の電気泳動で唯一のバンドが得られた
ことにより立証された。
アミノ酸の組成は、24時間106℃での0.5%のフェノー
ルと6Nの塩酸による分子の加水位分解とBeckman分析計
での秤量の後、決定された。2つのロットを分析し、結
果を、合計配列により得られるものと比較した。
b.ソルビンのアミノ酸組成 決定は、I及びIIと呼ばれる異なる2つのロットにつ
いて行なった。2つのロットの平均Mを得た。この組成
を、配列に従って計算した以下の組成(Seq.)IIIと比
較した。
従来のダンシル化方法によるN末端の決定によって末
端基を立証することはできず、このことは、末端基がN
−アセチル基又はN−フォルミル基又は従来さほど遭遇
しなかった基により遮断されることを表わしている。一
方、イプシロン−リジンモチーフとo−チロシンモチー
フが分子中に存在することは、反応が適切に経過したこ
とを表わしている。というのもこれら2つのアミノ酸
は、末端位置ではなくその遊離NH2又はOH基でダンシル
化をとるからである。
c.純粋ソルビンの構造の決定 ソルビンの構造の決定は、1つの基によるN末端の遮
断のために直接配列が不可能であることから、異なる3
つの方法により予め分裂させられた分子についてApplie
d & Beckmanシーケンサを用いて行なわれた。
臭化シアンの作用は、メチオニン残基(M又はMET)
のレベルで分子を切断した。5つのフラグメントが配列
づけされた。
GLU−PROTEASEにより、リジン又はアルギニン残基の
後、分子を遮断することができた:30のフラグメントが
配列づけされた。
各々のフラグメントについて得られた異なる配列の重
なり合いにより、ソルビンの分子全体を復元することが
できた。
例2:本発明に従った40のアミノ酸のペプチドフラグメン
トの獲得方法。
40の最後のアミノ酸を含み水分及び電解質を吸収した
時点で分子全体の活性を含み込んでいるペプチドフラグ
メントは、実験室の温度で72時間の滞留の後70%の蟻酸
による非特異的開裂により得ることができ、臭化シアン
による開裂により非特異的な形で生成させることができ
た。臭化シアンによる切断は、以下のように行なわれ
る:ロータベーパ(rotavapor)(真空が加わる冷却装
置の備わった球形フラスコ)に合ったすり合わせを備え
た100ml入りのナシ形フラスコを用いる。隔離全体に標
本を分布させ次に完全に乾燥させると、システムを開い
て、700μの蟻酸、300μの水及び0.2gの臭化シアン
を加える。撹拌の後、24時間常温で接触状態に放置す
る。翌日、ロータベーパを用いて前のように標本を乾燥
させる。標本が乾燥した時点で、0.5mlの蟻酸、0.5mlの
水でくり返し、新たに乾燥させる。臭化シアンにより切
断された生成物を次に、上述の溶剤A及びBを含む一定
の勾配をもつBandapk C18(Waters)マイクロカラム上
のHPLCにより分離させる。
40分で0〜40%の溶剤Bの勾配で、38〜40分の保持時
点で活性ペプチドが分離された。このペプチドは指示さ
れた含有量に応じて以下のアミノ酸を含んでいる: −リジン 0.61ナノモル −ヒスチジン 0.18 −アルギニン 0.72 −アスパラギン酸 0.36 −セリン 0.72 −グルタミン酸 0.92 −プロリン 0.95 −バリン 0.32 −イソロイシン 0.18 −ロイシン 0.20 −チロシン 0.25 −フェニルアラニン 0.29 例3:遺伝子工学によるソルビンの獲得方法。
ソルビンに対し暗号づけするヌクレオチド配列は、そ
のプロモータでクローニングされた遺伝子(又は上流で
異質プロモータが付加されているもの)のヌクレオチド
配列の中央で(そしていずれにせよ開始ATGの後ろ)段
階的に挿入される。アダプタ(「リンカー」)の使用に
より、例えば以下に挙げるもののような、考慮中のプロ
モータによって異なる複数のタイプの表現ベクタの使用
を考えることができるようになる。
a)細菌性プロモータ これは特に大腸菌(E.Coli)のラクトースオペロン
(operon lac)のプロモータ−オペレータ領域とその後
に続くβ−ガラクトシダーゼの遺伝子の5′部分を含む
プラスミドの場合である。これらのpPCタイプのベクタ
ー(CHARNAY他、核酸研究(Nucleic Acid Research)19
78年、第V巻、p4479〜4494)は、β−ガラクトシダー
ゼの開始ATGの後ろの21のヌクレオチドにあるEcoR I部
位におけるソルビンに対して暗号づけするフラグメント
の挿入を可能にする。このとき表現されたタンパク質は
N末端に対して、ソルビンのアミノ酸が後に続く細菌性
β−ガラクトシダーゼの最初の7つ(又は8つ)のアミ
ノ酸を有している。
b)ファージ・プロモータ ここで問題になっているのは、特に、ファージλの左
オペロン(PL)又は右オペロン(PR)のプロモータ−オ
ペレータ領域を含むプラスミドである。これらのベクタ
ーは、それぞれpKC30(ROSENBERG,「Nature誌」1981、2
92巻、p128)又はpRL447(ZABEAU:pRC5及びpLG400の誘
導体、このpLG400はCell、1980、第20巻、p543〜553に
記されている)タイプのものであり、それぞれ遺伝子
の生成物のN末端又は遺伝子croの生成物のN末端に対
して暗号づけするヌクレオチド配列の中に、ソルビンに
対して暗号づけするフラグメントを挿入することを可能
にする。
これらのベクターシステムは、感温性リプレッサーフ
ァージλ(I857)により溶原化された細菌中で、或い
は又感温性リプレッサに対し暗号づけする同じ遺伝子
I857)をもつプラスミドが存在する中で、30℃で増
殖する。これらは、培養温度が30℃に保たれているかぎ
り、リプレッサーのために、不活性状態にとどまる。培
養温度を42℃に移行させると、遺伝子I857のリプレッ
サの不活性化により組換え型プラスミドがもっていたλ
プロモータ(PL又はPR)の活性化がそれに続いて起こ
る。
c)ウイルス性プロモータ 例えば、ベクターとしてウイルスSV40を用いる。この
場合晩発性ウイルスプロモータを用い、ソルビンに対し
暗号づけするフラグメントが、SV40の晩発性タンパク質
に対して暗号づけする領域の全て又は一部分の代りに挿
入される。こうしてこのウイルスのカプシド−タンパク
質に対して暗号づけする配列が、この配列を上記プロモ
ータの制御の下に置く条件の下でソルビンに対して暗号
づけする配列により置換されているような、置換された
SV40のDNAを構築する。
得られた組換え型ベクターは、このとき、哺乳動物の
細胞例えばSV40のプロモータを認識するポリメラーゼを
もつCHO細胞などを、ソルビンに対して暗号づけする配
列の表現を可能にする条件の下で形質転換させるために
用いることができる。ソルビンは次に、形質転換された
細胞の抽出物から、例えば不溶性支持体の上に不動化さ
れた抗ソルビン抗体とこれらの抽出物の溶液を接触させ
ることにより及び支持体上に保持されたソルビン−抗ソ
ルビン複合体からソルビンを回収することにより、分離
される。
d)細菌プラスミドがもつ動物性ウイルスプロモータ 使用可能なプラスミドは、ヘルペスウイルスのチミジ
ンキナーゼの遺伝子(pAG0)、B型肝炎ウイルスのHBS
抗原の遺伝子(pAC−2又はpAC−14)或いは又、アデノ
ウイルス2の早発性又は晩発性遺伝子などのプロモータ
を有する。そのプロモータとクローニングされたウイル
ス遺伝子のATGの後ろのソルビンに対して暗号づけする
フラグメントの挿入は、動物細胞内でのその表現[トラ
ンスフェクション、マイクロインジェクション(微量注
入)又は細菌−原形質体融合の後]又は試験管内での動
作細胞抽出物によるその転写(HeLa細胞)を可能にし、
こうして相応する伝令RNAの合成が導かれる。
例4:生物学的活性の研究 a)十二指腸の電解質及び水分の動きに対するC末端合
成ペプチドとソルビンの作用 45時間絶食させ、飲物は好きなだけ飲ませてきたラッ
トにおいて、ペントバルビタールナトリウムにより麻酔
を行ない、頬にカテーテルをつけ、十二指腸、空腸、回
腸の3つのワナを2つの結紮間で構成する。NaCl 70m
M、KCl 5.2mM、CaCl2 1.2mM、NaCO3 10mM及びマンニト
ール136mMを含むテスト溶液1mlを各ワナの中に点滴注入
し、吸収不可能な標識として3Hで標識づけされたPEG400
0を用い、ナトリウム又は塩素の2方向性流束の標識と
して22Na又は36Clを用いる。ソルビン又は合成ペプチド
を、静脈注射により、0.9%のNaCl中で1時間3mlの流量
で投与する。一時間の接触の後、ワナの空隙中に残って
いる液体を収集し、Na、Ca、K、Cl及びHCO3の濃度及び
体積ならびに、三重水素、塩素又はナトリウムに結合し
た放射能を測定する。
得られた結果は、次の表に報告されている: 吸収は(−)符号で、分泌は(+)符号で示され、こ
れらの結果は8匹以上の動物のグループに関するもので
ある。
M±SEMP<0.05P<0.01 表中に与えられている結果を検討すると、ソルビン及
び合成ペプチドが、ラットの十二指腸及び空腸内での電
解質及び水分の吸収を増大させることがわかる。また、
十二指腸レベルでの得られた異なるペプチドの効率が、
基準ペプチドであるアンジオテンシンIIの4倍の投与
量、メテンケファリンアミドの500倍の投与量の効率に
等しいことがわかる。
有利なことに、ソルビン及びその末端ペプチドは、ア
ジオテンシンIIと異なり、カロチドのカテーテル法によ
り測定される動脈張力の増大をひき起こさない。また、
ソルビン及びそのC末端ペプチドは、メテンケファリン
アミドと異なり、電気的に増進された腸の収縮の抑制を
ひきおこさない。さらに、C末端位置に補足的アミノ酸
すなわち特にそのアミド基がグリココールにより置換さ
れたグリココール化されたモチーフを有するデカペプチ
ドは、吸収の代わりに分泌を誘発することによりソルビ
ン及びC末端ペプチドの拮抗効果を有することがわか
る。
B.分離された胆のうに対する作用 モルモットを頚部切断により屠殺した後、直ちにその
胆のうを採取した。胆のうに、KREBS溶液を満たし、KRE
BS溶液ベースの浴中に置き、95%の酸素と炭酸ガス5%
の混合物の気泡を補給した。KREBS溶液にソルビンが加
えられる5分毎に秤量された胆のうの重量曲線により吸
収を見極めた。対照期間との関係における重量損失の加
速は、処理中の時間あたりの重量損失に対する対照の時
間あたりの重量損失の比の減少の形で現われる吸収の増
大を表わしている。
ヒト及び豚における天然ソルビンの分布 ソルビンと、ヘプタペプチドからイコサペプチドに至
る合成フラグメントを、特異的抗体が得られるまで何度
もウサギに注射した。放射免疫測定法を完成させること
ができ、これにより、組織内でソルビンの量を測定する
ことができた。ソルビンは、少量でかなり広域にわたり
分布しているが、脳下垂体、副腎、気管支及び十二指腸
のレベルで著しい優越性を示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12P 21/02 A61K 37/02 ACJ (72)発明者 パンス/エスクラニヨン,ダニエル フランス国、39570 ロン‐ル‐ソ‐ニ エ、メッシー‐スー‐ソルン (番地な し) (72)発明者 ムット,ヴィクトル スウェーデン国、エス 104 01 スト ックホルム 60、インスチツト・カロリ ンスカ (番地なし) (72)発明者 ジョルンヴァル,ハンス スウェーデン国、エス 104 01 スト ックホルム、インスチツト・カロリンス カ (番地なし) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07K 14/47 C07K 16/18 C12N 15/12 A61K 37/02 C12P 21/02 DDBJ/EMBL/GenBank BIOSIS(DIALOG)

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】特に粘膜による吸収の増大をひきおこすこ
    とのできるポリペプチド又は誘導ペプチドであって、
    a)以下のアミノ酸配列(I)を有するポリペプチド、
    b)アミノ酸配列(I)のC末端から1〜146個のアミ
    ノ酸が欠失し、152〜7個のアミノ酸を含むアミノ酸配
    列を有することを特徴とするポリペプチド、c)前記ポ
    リペプチドのアミノ酸配列において配列(II):NH2−A.
    Q.P.K.T.V.P.以外の箇所で1〜数個のアミノ酸が欠失、
    付加もしくは置換されている誘導ポリペプチド、又は
    d)任意の箇所のアミノ酸が保護基を有する前記ポリペ
    プチド又は誘導ペプチドであるポリペプチド又は誘導ペ
    プチド:
  2. 【請求項2】特に粘膜による吸収の増大をひきおこすこ
    とのできるポリペプチド又は誘導ペプチドであって、
    a)以下のアミノ酸配列(II)のヘプタペプチドを含み
    こんでいることを特徴とするポリペプチド、b)前記ポ
    リペプチドのアミノ酸配列において配列(II)以外の箇
    所で1〜数個のアミノ酸が欠失、付加もしくは置換され
    ている誘導ポリペプチド、又はc)任意の箇所のアミノ
    酸が保護基を有する前記ポリペプチド又は誘導ペプチド
    であるポリペプチド又は誘導ペプチド:NH2−A.Q.P.K.T.
    V.P.
  3. 【請求項3】特に粘膜による吸収の増大をひきおこすこ
    とのできるポリペプチド又は誘導ペプチドであって、
    a)以下のアミノ酸配列(III)を有するデカペプチ
    ド、b)アミノ酸配列(III)のC末端から1〜3個の
    アミノ酸が欠失し、9〜7個のアミノ酸を有するペプチ
    ドを含むことを特徴とするポリペプチド、c)前記ポリ
    ペプチドのアミノ酸配列において配列(II):NH2−A.Q.
    P.K.T.V.P.以外の箇所で1〜数個のアミノ酸が欠失、付
    加もしくは置換されている誘導ポリペプチド、又はd)
    任意の箇所のアミノ酸が保護基を有する前記ポリペプチ
    ド又は誘導ペプチドを含むポリペプチド又は誘導ペプチ
    ド:NH2−A.Q.P.K.T.V.P.R.E.H.
  4. 【請求項4】特に粘膜による吸収の増大をひきおこすこ
    とのできるポリペプチド又は誘導ペプチドであって、
    a)40個のアミノ酸の次の配列(IV)を有するポリペプ
    チド、b)アミノ酸配列(IV)のC末端から1〜33個の
    アミノ酸が欠失し、39〜7個のアミノ酸を含むアミノ酸
    配列を有することを特徴とするポリペプチド、c)前記
    ポリペプチドのアミノ酸配列において配列(II):NH2
    A.Q.P.K.T.V.P.以外の箇所で1〜数個のアミノ酸が欠
    失、付加もしくは置換されている誘導ポリペプチド、又
    はd)任意の箇所のアミノ酸が保護基を有する前記ポリ
    ペプチド又は誘導ペプチドを含むポリペプチド又は誘導
    ペプチド:
  5. 【請求項5】TFA0.1%及び40%のメタノールで構成され
    た溶剤Aと、TFA0.1%及び80%のメタノールから成る溶
    媒Bを用いて(なお溶剤Bの勾配は30分で0〜75%であ
    る)、1分あたり1.5mlの流量でBondapak C18(Water
    s)マイクロカラム(3.9×300mm)上で20〜22分の保持
    時間で唯一のHPLCピークを呈することを特徴とする、請
    求項(1)乃至(4)のいずれか1項に記載の特徴を満
    たす、特に粘膜による吸収の増大をひきおこすことので
    きる高純度のソルビン。
  6. 【請求項6】TFA0.1%及び40%のメタノールで構成され
    た溶剤Aと、TFA0.1%及び80%のメタノールから成る溶
    媒Bを用いて(なお溶剤Bの勾配は20分で0〜100%で
    ある)、1分あたり1.5mlの流量でBondapak C18(Wate
    rs)マイクロカラム(3.9×300mm)上で15〜16分の保持
    時間で唯一のHPLCピークを呈することを特徴とする、請
    求項(1)乃至(4)のいずれか1項に記載の特徴を満
    たす、特に粘膜による吸収の増大をひき起こすことので
    きる高純度のソルビン。
  7. 【請求項7】請求項(1)の配列(I)を満たすことを
    特徴とする請求項(5)又は(6)に記載のソルビン。
  8. 【請求項8】請求項(3)に記載の配列(III)を満た
    すデカペプチド。
  9. 【請求項9】請求項(1)乃至(8)のいずれか1項に
    記載のポリペプチド又は誘導ペプチドを特異的に認識す
    ることのできる抗体。
  10. 【請求項10】請求項(1)乃至(8)のいずれか1項
    に記載のポリペプチド及び誘導ペプチドに相応するm−
    RNA。
  11. 【請求項11】配列(I)のソルビン、又は配列(I)
    のC末端から1〜146のアミノ酸の欠失した、7〜152の
    アミノ酸を含むアミノ酸配列を表現することのできる遺
    伝子との交雑能力を持つことを特徴とする、請求項
    (1)乃至(8)のいずれか1項に記載のポリペプチド
    及び誘導ペプチド、又はそのC末端から1〜146のアミ
    ノ酸の欠失した、7〜152のアミノ酸を含むポリペプチ
    ドをコードできるDNAフラグメント。
  12. 【請求項12】酢酸のような酸を用いて哺乳動物の器官
    からペプチドを抽出し、塩化ナトリウムといった塩によ
    り塩析し、次にアルコール沈殿により精製することによ
    って請求項(1)乃至(8)のいずれか1項に記載のポ
    リペプチドを得る方法において、沈殿物が − 0.04Mの重炭酸アンモニウムによる溶出を伴う、カ
    ルボキシエチルセルロース(CMC)上のクロマトグラフ
    ィによる精製、 − 0.03Mの重炭酸アンモニウムによる溶出を伴う、活
    性分画の回収と新たなCMC上クロマトグラフィ、 − トリフルオロ酢酸0.1%を伴う水から成る溶剤AとT
    FA0.1%を含むアセトニトリルから成る溶剤BでのHPLC
    による精製を少なくとも受けた活性分画の回収、 という工程に付されることを特徴とする方法。
  13. 【請求項13】HPLCによる連続的精製が以下のように行
    なわれることを特徴とする、請求項(12)に記載の方
    法: − Bondapak C18(Waters)マイクロカラム(7.8×30
    0mm)と、10分で0〜20%その後40分で20〜40%の溶剤
    Bの勾配を用い、保持時間37〜39分で活性生成物を溶離
    させる、 − 流量1.5ml/分のBondapak CN(Waters)マイクロカ
    ラム(3.9×300mm)と、水及び0.1%のTFAから成る溶剤
    Aと、アセトニトリル及び0.1%のTFAから成る溶剤Bを
    用い、10分で0〜20%、次に40分で20〜40%の割合の勾
    配で溶剤Bを加え、37〜41分の保持時間で活性分画を溶
    離させる、 − 流量1.5ml/分のBondapak C18(Waters)マイクロ
    カラム(3.9×300mm)と、40%のメタノール及び0.1%
    のTFAから成る溶剤Aと、80%のメタノール及び0.1%の
    TFAから成る溶剤B(なおBの勾配は30分で0〜75%で
    あり、ソルビンの保持時間は20〜22分である)を用い
    る。
  14. 【請求項14】請求項(1)乃至(8)のいずれか1項
    に記載の少なくとも1つのポリペプチド又は誘導ペプチ
    ドを有効量含んでいることを特徴とする、粘膜による吸
    収の増大をひきおこす薬剤組成物。
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