JPH07323264A - 機械部品等の精密洗浄方法 - Google Patents

機械部品等の精密洗浄方法

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JPH07323264A
JPH07323264A JP9714194A JP9714194A JPH07323264A JP H07323264 A JPH07323264 A JP H07323264A JP 9714194 A JP9714194 A JP 9714194A JP 9714194 A JP9714194 A JP 9714194A JP H07323264 A JPH07323264 A JP H07323264A
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Shiro Inoue
司朗 井上
Kazuo Harada
和夫 原田
Kazuo Yoshida
和男 吉田
Kazunori Koba
和則 木場
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 洗浄カゴ中に多数入れられている複雑な形状
の小物部品などを、純水または水系洗浄剤で効率良く洗
浄する。 【構成】 多数の被洗浄物Aを入れた洗浄カゴ2を洗浄
槽1内に懸垂し、洗浄槽1の上端部から洗浄液9を被洗
浄物Aに吹き付けるとともに、同槽1の下端部から空気
を吸引する。これによって、被洗浄物Aの周りに洗浄液
9と空気10の並流二相流を形成させる。洗浄カゴ断面当
りの空塔流速として、空気流速を0.1m/秒〜2.6
m/秒、洗浄液流速を15m/時〜150m/時とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、機械部品や電子機器
部品等の被洗浄物を多数洗浄カゴに入れ、被洗浄物をカ
ゴ単位で精密に洗浄する機械部品等の精密洗浄方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、機械部品や電子機器部品等の精密
洗浄は、フロンやトリクロロエタンのような塩素系溶剤
を使用して、簡便にかつ効率良く行われていた。しか
し、この種の溶剤は、オゾン層破壊の原因と考えられる
に至り、早急に全廃すべきことになった。そのための代
替洗浄法については、非常に多くの方法が提案され、試
行錯誤的に実施されている。このような状況ではある
が、便利ではあっても安全性が確認されていない溶剤の
使用や、オゾン層を破壊しなくても地球温暖化の原因と
なる炭化水素溶剤の使用は避けるべきである。その点、
水系の洗浄剤は、きちんとした廃水の処理が必要である
が、安全性が高く、将来ともに広く使用されていくもの
と考えられる。その中でも、高温純水のみで洗浄できる
用途分野はかなり広く、廃水処理、回収再利用も容易で
あるため、今後広く精密洗浄に適用されるようになると
考えられる。
【0003】このような、水のみによる洗浄または水系
の洗浄剤を使用する洗浄の場合、効率良く高精度の洗浄
を行うためには、被洗浄物の表面に対する物理力の作用
が非常に重要である。従来よく使用されている物理力と
しては、スプレー液滴の衝突(スプレーの液滴を被洗浄
物表面に衝突させ、衝突時の力により汚れをはぎ取
る)、液中での超音波の作用(超音波の作用により、汚
れの分散・溶解等を促進する)、気泡吹込み(液中に小
さな気泡を無数に作り、被洗浄物への気泡のコンタクト
と液の撹拌により、洗浄を促進する)、液中ジェットに
よるタービュレンス(液中に強い乱れを作り、その力で
液を撹拌する)などがある。
【0004】一方、実際の生産現場等で行われる機械部
品等の洗浄は、多量生産される各種の部品を効率良く洗
浄するために、多数の被洗浄物を洗浄カゴに入れて、カ
ゴ単位で洗浄される場合が非常に多い。
【0005】図4には、超音波洗浄方法の例を、図5に
はスプレー洗浄方法の例を示す。
【0006】超音波洗浄方法は、洗浄槽(31)内の洗浄液
中に、被洗浄物(A) を入れた洗浄カゴ(32)を浸漬し、洗
浄液を循環させるとともに、洗浄槽(31)底部に配置した
超音波振動子(33)を振動させて超音波を発生させ、超音
波の作用により、汚れの分散・溶解等を促進するもので
ある。
【0007】スプレー洗浄方法は、洗浄槽(41)内に、被
洗浄物(A) を入れた洗浄カゴ(42)を懸垂し、洗浄カゴ(4
2)にその上方および周りからスプレー(43)により洗浄液
を吹き付け、スプレー(43)の液滴を被洗浄物(A) 表面に
衝突させ、衝突時の力により汚れをはぎ取るものであ
る。
【0008】上記の超音波洗浄およびスプレー洗浄のい
ずれにおいても、カゴの中心部に置かれた被洗浄物につ
いては、物理力を十分作用させることが難しい。そのた
め、洗浄力を強化するための補助的手段が併用される場
合が多い。この補助的手段としては、上下揺動(超音波
洗浄などで生じる洗浄ムラをなくす)、水平揺動(洗浄
カゴを水平に回転させ、スプレーや超音波の作用を均一
化する)、遠心力(液中で洗浄カゴを高速回転させて周
りの液体との摩擦力を大きくし、洗浄を促進する)、回
転(六角形や八角形の断面を有するカゴを水平軸を中心
にして回転させ、汚れが残っている表面にスプレーや超
音波が作用しやすいようにする)、振動(洗浄カゴを毎
分数十回以上揺らし、液と被洗浄物の相対運動を強めて
洗浄を促進する)などがある。
【0009】また、図6には、上記の洗浄方法と補助的
手段とを組み合わせて構成された従来の金属部品洗浄シ
ステムの一例を示す。同図に示した例では、予備洗浄で
はスプレー洗浄方法が用いられ、本洗浄では超音波洗浄
方法が用いられ、リンス(仕上げ洗浄)では超音波洗浄
方法が用いられている。スプレー洗浄や超音波洗浄のほ
かに、水中ジェット方式や気泡方式が使用されることも
ある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、各種物
理力の利用を組み合わせても、洗浄カゴ中の部品の全数
にわたって均一に良好な洗浄を行うことは困難である場
合が多かった。そこで、装置を過度に複雑にすることな
く洗浄効果を高めるため、対象とする被洗浄物の形状、
1つのカゴで処理されるべき量、付着している汚れの性
質などを考慮しながら、各種のテストを行って、上述し
た物理力や洗浄力強化補助手段の最適な組み合わせが検
討されるが、被洗浄物の形状が非常に複雑な場合、カゴ
中のすべての被洗浄物を十分に洗浄できる条件を見出だ
すには、多大のテストを要することになる。
【0011】このことから、洗浄カゴで多数の部品を洗
浄する場合に、有効な洗浄力強化方法を提供することが
重要となっている。
【0012】また、水のみあるいは水系の洗浄剤を使用
する洗浄の場合、洗浄後に付着した水の乾燥に特別の留
意が必要であり、乾燥に時間を要するという問題もあっ
た。
【0013】この発明の目的は、洗浄カゴ中に多数入れ
られている複雑な形状の小物部品などを、純水または水
系洗浄剤で効率良く洗浄する機械部品等の精密洗浄方法
を提供することにある。
【0014】この発明の他の目的は、洗浄カゴ中に多数
入れられている複雑な形状の小物部品などを、純水また
は水系洗浄剤で効率良く洗浄するとともに、水切りおよ
び乾燥を効率良く行う機械部品等の精密洗浄方法を提供
することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明による機械部品
等の精密洗浄方法は、多数の被洗浄物を入れた洗浄カゴ
を洗浄槽内に懸垂し、洗浄槽の上端部または下端部から
洗浄液を被洗浄物に吹き付けるとともに、同槽の液吹付
け端部の反対側から空気を吸引することによって、被洗
浄物の周りに洗浄液と空気の並流二相流を形成させ、か
つ、洗浄カゴ断面当りの空塔流速として、空気流速を
0.1m/秒〜2.6m/秒、洗浄液流速を15m/時
〜150m/時とすることを特徴とするものである。
【0016】洗浄液としては、純水、水系の洗浄剤液等
が用いられる。
【0017】洗浄カゴ断面当りの空塔流速のより望まし
い条件は、空気流速0.26m/秒〜2.6m/秒、洗
浄液流速25m/時〜150m/時である。
【0018】そして、洗浄終了後に、洗浄液の吹付けを
停止するとともに空気の吸引を継続することにより、被
洗浄物に対する水切りおよび乾燥を行うことが好まし
い。
【0019】
【作用】多数の被洗浄物を入れた洗浄カゴを洗浄槽内に
懸垂し、洗浄槽の上端部または下端部から洗浄液を被洗
浄物に吹き付けるとともに、同槽の液吹付け端部の反対
側から空気を吸引することによって、被洗浄物の周りに
洗浄液と空気の並流二相流を形成させ、かつ、洗浄カゴ
断面当りの空塔流速として、空気流速を0.1m/秒〜
2.6m/秒、洗浄液流速を15m/時〜150m/時
とすることにより、被洗浄物の全表面に十分な濡れと適
度なタービュレンスとが与えられる。
【0020】そして、洗浄終了後に、洗浄液の吹付けを
停止するとともに空気の吸引を継続することにより、空
気の吸引・循環機能を生かして、被洗浄物に対する水切
りおよび乾燥が行われる。
【0021】
【実施例】この発明の実施例を、以下図面を参照して説
明する。説明の簡単のために、図1および図2では補給
液や排出液のラインは図示省略している。
【0022】この発明の機械部品等の精密洗浄方法は、
図1に示すように、まず、被洗浄物(A) を多数入れた洗
浄カゴ(2) をほぼ密閉構造の洗浄槽(1) 上部のカゴ支持
枠(3) により支持して、懸垂する。次いで、洗浄カゴ
(2) 上方に設けられたスプレー(4) により洗浄液(9) を
被洗浄物(A) の上面に均一に吹き付ける。洗浄液(9) は
被洗浄物(A) である小物物品同士の間隙を流れ落ちて、
気液セパレータ(5) 内に流入する。洗浄液(9) は気液セ
パレータ(5) の底部よりポンプ(6) によって引抜かれ、
スプレー用洗浄液として循環使用される。さらに、気液
セパレータ(5) の上部につながっている空気吸引ブロア
(7) を起動して気液セパレータ(5) 内の空気を吸引して
排除することにより、洗浄カゴ(2) 下部と洗浄槽(1) と
の間の空気が負圧となり、洗浄カゴ(2) 上方からの周り
の空気(10)が吸引され、洗浄カゴ(2) 内には、洗浄液と
空気(10)の下向き並流が生じる。
【0023】上記の洗浄液と空気(ガス)の下向き並流
は、一定の洗浄液の流量に対して、ガスの流量が小さい
ときには、ガス連続流となるが、ガスの流量が増加する
と、遷移流を経て、脈動流に達する。さらに、ガスの流
量を上げると、液の一部が液滴となってガス流に同伴し
て流れる噴霧流となる。これらの流れの状態のうち、脈
動流においては、被洗浄物(A) 表面上の液膜は激しく波
立ち、気泡を分散させた液連続相の部分が局所的に形成
されたり、液連続相の部分がガス流によって押し流され
てガス連続相の部分があらわれたり、これらが交互に形
成されて脈動現象を呈するようになる。
【0024】この脈動流を洗浄に利用すれば、過度のエ
ネルギーを必要とせず、しかも、被洗浄物(A) 同士の接
触面のような洗浄しにくい部分でも十分な濡れとタービ
ュレンスが与えられる。したがって、洗浄カゴ(2) を特
別に動かしたり、その他の洗浄力強化補助手段をいくつ
も併用することなく、洗浄カゴ(2) 中の全被洗浄物(A)
の全表面を効率よく洗浄することが可能となる。
【0025】このように洗浄に適した流れの状態を実現
させるための具体的な条件としては、被洗浄物(A) の形
状や大きさにはほとんど関係なく、洗浄カゴ(2) 断面基
準の空塔流速として、空気流速を0.1m/秒〜2.6
m/秒、より望ましくは0.26m/秒〜2.6m/秒
とし、洗浄液流速を15m/時(4.2リットル/m2
・秒)〜150m/時(42リットル/m2 ・秒)、よ
り望ましくは25m/時(7リットル/m2 ・秒)〜1
50m/時(42リットル/m2 ・秒)とすることが効
果的である。
【0026】上記実施例においては、カゴ支持枠(3) 上
にソフトパッキン(8) が張り付けられており、これによ
り、カゴ支持枠(3) 部分での洗浄槽(1) と洗浄カゴ(2)
の隙間からの空気のショートパスが最小化されている。
また、空気吸引ブロア(7) より吐出した空気を洗浄槽
(1) の上部へ循環させて洗浄カゴ(2) 上方に吹き出すよ
うにしても良い。洗浄カゴ(2) としては、円形、四角形
やその他の多角形の断面のものが適宜使用される。
【0027】図2にこの発明による機械部品等の精密洗
浄方法の他の実施態様を示している。この実施例では、
空気吸引ブロア(7) の代わりにエジェクター(11)を設
け、かつ気液セパレータ(5) に回収された空気および洗
浄液の両方をこのエジェクター(11)により循環させ、空
気を含んだ洗浄液(12)を被洗浄物(A) に吹き付けるよう
にしている。その他の構成は図1と同じであり、同じも
のには同一の符号を付して説明を省略する。
【0028】上記のように、この発明による機械部品等
の精密洗浄方法を実施する装置としては、ほぼ密閉構造
の洗浄槽(1) と、洗浄液を循環し被洗浄物(A) 上面に散
布する機構と、被洗浄物(A) の隙間において洗浄液と同
じ方向の空気流を作るための空気循環機構と、洗浄槽
(1) 出口部における気液セパレータ(5) とから構成され
る。
【0029】図3には、上記洗浄装置を使用した洗浄シ
ステムの一実施例を説明する。
【0030】図3において、洗浄槽(51)には、開閉自在
の蓋(51a) が被せられており、蓋(51a) には、空気吸込
みダクト(61)が設けられている。空気吸込みダクト(61)
には、空気の吸込み量を調整する空気吸込み口ダンパー
(62)とフィルター(63)とが設けられている。スプレー(5
4)のヘッダ(54a) は、はね上げ可能となされており、洗
浄槽(51)の蓋(51a) を開けかつスプレー(54)のヘッダ(5
4a) をはね上げた状態で、洗浄カゴ(52)が洗浄槽(51)に
出し入れされる。洗浄槽(51)には、上面にパッキン(58)
が張り付けられており洗浄カゴ(52)を支持するカゴ支持
枠(53)が設けられている。洗浄槽(51)側壁の下端部に
は、洗浄液回収路(64)が設けられており、洗浄液回収路
(64)を介して気液セパレータ(55)が洗浄槽(51)と連通さ
せられている。洗浄に使用された液が洗浄液回収路(64)
に流れやすくするために、洗浄槽(51)の底壁は洗浄液回
収路(64)に向かって下方に傾斜させられている。気液セ
パレータ(55)の上方には気液セパレータ(55)において分
離された空気を取り出すためのダクト(65)が設けられて
いる。空気取出しダクト(65)には、循環ブロワ(57)とヒ
ータ(66)が設けられている。ヒータ(66)によって加熱さ
れた空気は、洗浄槽(51)側壁の上端部に設けられた循環
空気導入ダクト(67)より洗浄槽(51)内に導入されるとと
もに、一部が排気ダクト(68)を通って適宜排気される。
排気ダクト(68)には空気の排気量を調整する排気口ダン
パー(69)が設けられている。
【0031】図示した実施例の洗浄装置は、予備洗浄、
本洗浄および仕上げ洗浄の3段階の洗浄工程を行うもの
であり、予備洗浄液タンク(70A) 、本洗浄液タンク(70
B) および仕上げ洗浄液タンク(70C) の3つのタンクが
設けられている。そして、各タンク(70A)(70B)(70C) 内
の洗浄液は、予備洗浄液循環用、本洗浄液循環用および
仕上げ洗浄液循環用ポンプ(56A)(56B)(56C) により、そ
れぞれスプレー(54)に送られる。各ポンプ(56A)(56B)(5
6C) からスプレー(54)に至る配管途中には、予備洗浄液
導入用開閉バルブ(71A) 、本洗浄液導入用開閉バルブ(7
1B) および仕上げ洗浄液導入用開閉バルブ(71C) がそれ
ぞれ設けられている。また、気液セパレータ(55)におい
て分離された洗浄排液は、いずれかのタンク(70A)(70B)
(70C) に回収されるようになされており、気液セパレー
タ(55)から各タンク(70A)(70B)(70C) に至る配管途中に
は、予備洗浄液回収用開閉バルブ(72A) 、本洗浄液回収
用開閉バルブ(72B) および仕上げ洗浄液回収用開閉バル
ブ(72C) がそれぞれ設けられている。また、予備洗浄液
タンク(70A) 、本洗浄液タンク(70B) および仕上げ洗浄
液タンク(70C) には、それぞれ洗浄液補給用の開閉バル
ブ(74A)(74B)(74C) が設けられ、各ポンプ(56A)(56B)(5
6C) からスプレー(54)に至る配管途中には、汚染洗浄液
を抜き出すさいに開けられる汚染洗浄液抜出し用開閉バ
ルブ(73A)(73B)(73C) がそれぞれ設けられている。図示
省略したが、各バルブの開閉はタイマー等と連動した電
磁弁などにより行われる。
【0032】この装置により、機械部品等の小物物品を
精密洗浄するさいには、次のようにする。
【0033】a)洗浄槽(51)の蓋(51a) は開放状態、ス
プレー(54)のヘッダー(54a) は、はね上げた状態とし
て、洗浄槽(51)内に、被洗浄物(A) である機械部品等の
小物物品を満載した洗浄カゴ(52)を挿填する。
【0034】b)次いで、スプレー(54)のヘッダー(54
a) を所定の位置にセッティングし、洗浄槽(51)の蓋(51
a) を閉じる。そして、循環ブロワ(57)を起動し、所定
流速(洗浄カゴ水平断面積基準で、0.1m/秒〜2.
6m/秒)で空気を循環する。このさい、空気吸込み口
ダンパー(62)の開度と排気口ダンパー(69)の開度とを調
節して、洗浄槽(51)内の空気圧をわずかに大気圧以下と
し、乾燥工程のときに必要な換気量が得られるようにあ
らかじめ調整しておく。
【0035】c)次いで、予備洗浄工程として、予備洗
浄液導入用開閉バルブ(71A) および予備洗浄液回収用開
閉バルブ(72A) を開き、予備洗浄液循環用ポンプ(56A)
を起動して、予備洗浄液をスプレー(54)に送り、洗浄カ
ゴ(52)上方より被洗浄物(A)の上面に均一にスプレーす
る。液の流量は、洗浄カゴ(52)水平断面基準で15m/
時〜150m/時に調整する。このようにすることによ
って、被洗浄物(A) の間を流れる気液は脈動流となり、
洗浄カゴ(52)中の被洗浄物(A) すべての表面を濡らすと
ともに、洗浄促進に十分なタービュレンスが与えられ
る。あらかじめ設定された洗浄時間の後、液循環用ポン
プ(56A) を停止するとともに、液導入用開閉バルブ(71
A) を閉め、洗浄液の循環を止めて、空気の循環のみを
継続させる。被洗浄物(A) 表面に付着した洗浄液は、部
品間の隙間に表面張力で保持されたものも含めて、循環
する空気で吹き飛ばされて、液切れされる。この液は予
備洗浄液タンク(70A) に回収され、回収終了時点で、予
備洗浄液回収用開閉バルブ(72A) を閉じる。
【0036】d)次いで、本洗浄工程として、本洗浄液
導入用開閉バルブ(71B) および本洗浄液回収用開閉バル
ブ(72B) を開き、本洗浄液循環用ポンプ(56B) を起動し
て、本洗浄液をスプレー(54)に送り、洗浄カゴ(52)上方
より被洗浄物(A) の上面に均一にスプレーする。以下、
c)の予備洗浄工程と同様にして、十分な濡れとタービ
ュレンスの下で、必要な清浄度を得るのに必要な時間、
洗浄を行う。洗浄終了後に付着液を切って回収すること
もc)の予備洗浄工程と同様である。
【0037】e)次いで、仕上げ洗浄工程として、c)
の予備洗浄工程およびd)の本洗浄工程と同様な操作を
行い、被洗浄物(A) に付着してしみの原因となる微量の
本洗浄液の除去を行う。
【0038】f)次いで、乾燥工程として、仕上げ洗浄
剤を被洗浄物(A) 表面より十分吹き飛ばした後も引き続
き、循環ブロワ(57)の運転を継続すれば、速やかに被洗
浄物(A) の乾燥が行われる。先の仕上げ洗浄工程で使用
される洗浄液は、多少加温(例えば50℃以上に)され
ていることが好ましく、このようにすれば、洗浄工程中
に被洗浄物(A) に熱が蓄えられ、乾燥工程に要する時間
を大幅に短縮することができる。
【0039】g)次いで、循環ブロワ(57)を停止し、洗
浄槽(51)の蓋(51a) を開け、スプレー(54)のヘッダー(5
4a) をはね上げ、洗浄カゴ(52)ごと被洗浄物(A) を取り
出す。
【0040】これで1バッチが完結する。
【0041】上記実施例において、洗浄の工程を3段階
(予備洗浄、本洗浄および仕上げ洗浄)としたが、これ
に限られるものではなく、被洗浄物(A) の汚れの状況や
必要な仕上げの清浄度によって、使用される洗浄液の種
類がより多くなることもあるし、少なくてよいこともあ
る。
【0042】洗浄液の例としては、例えば、予備洗浄液
を仕上げ洗浄(リンス)に使用した後の温純水、本洗浄
液を濃度を調整したアルカリ系洗浄剤、仕上げ洗浄液を
温純水とするか、予備洗浄液を本洗浄に使用した後の温
純水、本洗浄液を仕上げ洗浄に使用した後の温純水、仕
上げ洗浄液を新しく供給した温純水とするかなど、各種
の組み合わせがある。本発明は特定の洗浄剤液の使用に
限定されるものではなく、水のみまたは水系の洗浄剤を
使用する場合に有効な装置を提供するものである。
【0043】各洗浄液タンク(70A)(70B)(70C) 間の洗浄
液の移送は各液導入用バルブ(71A)(71B)(71C) および各
液回収用バルブ(72A)(72B)(72C) の開閉とポンプの運転
によって行うことができる。これらの操作は自動化も可
能であり、マニュアルでもできる。また、汚染洗浄液の
抜出しと新洗浄液の補給は、当然必要であり、従来より
行われている判断基準により行われる。
【0044】なお、洗浄槽(51)の蓋(51a) の開閉機構、
スプレー(54)のヘッダー(54a) のはね上げ機構、洗浄カ
ゴ(52)の搬送・挿填の機構は各種の方式があり、本発明
で特定なものを規定するものではない。そのほか、洗浄
槽の数、洗浄液のフローや中間処理の方法なども適宜変
更して実施される。
【0045】
【発明の効果】この発明の機械部品等の精密洗浄方法に
よると、被洗浄物の全表面に十分な濡れと適度なタービ
ュレンスとが与えられるので、被洗浄物を揺動させたり
回転させたりしなくても、純水または水系の洗浄剤を用
いて洗浄カゴ中の機械部品等を全数確実に精密洗浄する
ことができる。
【0046】また、超音波のように過度な局所的物理力
は作用しないため、アルミニウム製部品などを洗浄して
もエロージョンのような問題は起こらない。
【0047】そして、空気の吸引・循環機能を生かして
被洗浄物に対する水切りおよび乾燥を行うことにより、
簡易なシステムで、高効率かつ経済性の高い洗浄装置が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による機械部品等の精密洗浄方法の1
例を概略的に示す図である。
【図2】この発明による機械部品等の精密洗浄方法の他
の例を概略的に示す図である。
【図3】この発明による機械部品等の精密洗浄方法の他
の例を概略的に示す図である。
【図4】従来の機械部品等の精密洗浄方法の1例を概略
的に示す図である。
【図5】従来の機械部品等の精密洗浄方法の他の例を概
略的に示す図である。
【図6】従来の機械部品等の精密洗浄方法の他の例を示
すフロー図である。
【符号の説明】
(1)(51) 洗浄槽 (2)(52) 洗浄カゴ (4)(54) スプレー (5)(55) 気液セパレータ (7)(57) 空気吸引ブロア (A) 被洗浄物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木場 和則 大阪市此花区西九条5丁目3番28号 日立 造船株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の被洗浄物を入れた洗浄カゴを洗浄
    槽内に懸垂し、洗浄槽の上端部または下端部から洗浄液
    を被洗浄物に吹き付けるとともに、同槽の液吹付け端部
    の反対側から空気を吸引することによって、被洗浄物の
    周りに洗浄液と空気の並流二相流を形成させ、かつ、洗
    浄カゴ断面当りの空塔流速として、空気流速を0.1m
    /秒〜2.6m/秒、洗浄液流速を15m/時〜150
    m/時とすることを特徴とする機械部品等の精密洗浄方
    法。
  2. 【請求項2】 洗浄終了後に、洗浄液の吹付けを停止す
    るとともに空気の吸引を継続することにより、被洗浄物
    に対する水切りおよび乾燥を行うことを特徴とする請求
    項1記載の機械部品等の精密洗浄方法。
JP9714194A 1994-04-07 1994-05-11 機械部品等の精密洗浄方法 Expired - Lifetime JP2935089B2 (ja)

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JP2021112721A (ja) * 2020-01-20 2021-08-05 有限会社A.フォース 洗浄装置

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