JPH07323230A - 硫黄に感受性のある成分を含む耐硫黄改質触媒系および同触媒系を用いた炭化水素の改質プロセス - Google Patents

硫黄に感受性のある成分を含む耐硫黄改質触媒系および同触媒系を用いた炭化水素の改質プロセス

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JPH07323230A
JPH07323230A JP11650294A JP11650294A JPH07323230A JP H07323230 A JPH07323230 A JP H07323230A JP 11650294 A JP11650294 A JP 11650294A JP 11650294 A JP11650294 A JP 11650294A JP H07323230 A JPH07323230 A JP H07323230A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 少量の硫黄の存在下で炭化水素を脱水素環化
するに有効な、高度の触媒安定性を有する触媒系及び同
触媒系を用いて炭化水素を接触改質するプロセスを提供
することを目的とする。 【構成】 硫黄に感受性のある改質触媒と硫黄吸着剤の
混合物よりなり、改質触媒が非酸性大孔分子ふるい、プ
ラチナ族金属成分並びに耐火性無機酸化基質よりなる耐
硫黄改質触媒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は硫黄の影響を受けやすい
成分を含む耐硫黄改質触媒及び同触媒を用いて炭化水素
を改質する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガソリン類の炭化水素原料の接触改質は
重要な商業的プロセスであり、このプロセス石油化学産
業のための芳香族中間物、あるいはエンジン・ノックに
対する高い抵抗性を有するガソリン成分を製造するため
に、世界中のほとんどの重要な石油精製施設で行われて
いる。芳香族化合物に対する需要は、芳香族化合物生産
の原料の供給以上に急速に増大している。さらに、広い
範囲でガソリンからの鉛アンチノック転化剤の除去、そ
して、高性能内燃エンジンに対する需要の増大は、『オ
クタン価』を尺度とするガソリン成分のノック抵抗性の
向上が求められている。したがって、接触改質装置は、
こうした芳香族化合物およびガソリン−オクタンに関す
る要請に応えるために、より厳しい条件の下でより効率
的に操作する必要がある。こうした傾向はより有効な改
質プロセスおよび触媒が要請されている。
【0003】接触改質は通常パラフィンおよびナフテン
系炭化水素を多量に含んだ原料に適用され、ナフテン類
の芳香族化合物への脱水素化、パラフィン類の脱水素環
化、パラフィン類およびナフテン類の異性体化、アクリ
ル芳香族化合物の脱アクリル化、パラフィン類の軽質炭
化水素への水素化分解、および、触媒上に析出されるコ
ークスの形成など、種々の反応を通じて行われる。芳香
族化合物およびガソリン−オクタン価に対する必要性の
増大は芳香族化以外の従来の改質においては熱力学的に
も運動エネルギー的にもより好ましくないパラフィン脱
水素環化反応に対する関心を増大させている。他の水素
化分解反応より脱水素環化反応を一層普及させて、コー
クスの形成をできるだけ抑えることにより、接触改質か
らの望ましい生成物収量を増大させようという要求が強
い。非酸性L−ゼオライトとパラフィン類の脱水素環化
のためのプラチナ族金属で構成される接触改質の有効性
については、先行技術においてよく知られている。パラ
フィン系ラフィネートおよびナフサ類から芳香族化合物
を製造するためのこうした改質触媒の使用が開示されて
いる。こうした硫黄に感受性のある選択性のある触媒の
感受性の増大が知られている。脱水素環化技術の開発期
間が長くなったり実用化のペースが遅くなる基本的な理
由は、こうした改質触媒の極端な、予期されない硫黄に
対する感受性の増大にあると考えられている。本発明に
よる触媒系によってもたらされるような硫黄管理のため
の新しい方法から、装置運転および処理コスト上の利益
がもたらされるであろう。
【0004】硫黄吸着剤を用いる改質プロセスのナフサ
原料の脱硫については広く開示されている。米国特許第
4,225,417号明細書および米国特許第4,329,220号明細書
は、マンガン含有組成物を用いて、改質原料から硫黄を
除去する改質プロセスを教示している。好ましくは、こ
の原料は水素処理され、硫黄含有量を0.1ppmに低減され
る。米国特許第4,534,943号明細書および米国特許第4,5
75,415号明細書は、それぞれ、連続操作用平行吸着剤
(parallel absorber)を用いて改質原料から残留硫黄
を除去する装置および方法を教示しており、これら装置
および方法においては、理想的には硫黄は0.1ppm以下の
含有率に低減される。米国特許第4,456,527号明細書は
大孔ゼオライトおよび第VIII族金属を含む触媒を用いて
硫黄含有率が最低50ppb程度の炭化水素原料を改質する
方法について開示している。炭化水素原料の硫黄含有率
を500ppb以下に低減させる方法については種々の硫黄除
去法が開示されている。米国特許第4,741,819号明細書
は、原料を硫黄の影響をそれ程受けにくくない改質触
媒、硫黄吸着剤、および高度の選択性を有する改質触媒
に接触させる工程を開示している。米国特許第5,059,30
4号明細書は、後の改質装置用のナフサ原料の脱硫を目
的とする、通常のアルミナ触媒にプラチナを担持させた
ものとIA族またはIIA族を含む硫黄吸着剤の物理的な混
合物を示している。レニウムを組み込むことにより硫黄
に対する耐性が増大したプラチナ/L−ゼオライト触媒
も米国特許第4,954,245号明細書に開示されている。し
かし、上に引用されたどの資料も、硫黄に感受性のある
改質触媒と硫黄吸着剤の物理的混合物を含む触媒系を示
唆していない。
【0005】
【発明が解決しょうとする課題】本発明は少量の硫黄の
存在の下でパラフィン類を脱水素環化するのに有効な、
高度の触媒安定性を有する接触改質プロセス用の触媒系
を提供することである。それに伴うもう1つの必然的な
目的は硫黄に対する耐性が非常に低い改質触媒の硫黄に
よる不活性化を避けることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は硫黄に感受性の
ある転化触媒と硫黄吸着剤の物理的混合物で構成された
触媒系を活用した接触改質プロセス系が、硫黄の影響を
受けやすい触媒の不活性化を避けるために硫黄を捕捉す
るに驚くほど有効であるという発見に基づいている。本
発明の広い実施態様は、プラチナ族金属を含む硫黄に感
受性のある改質触媒と硫黄吸着剤に選択性を示す金属酸
化物を含有した硫黄吸着剤の物理的混合物で構成された
硫黄に対する耐性をもった触媒系である。この触媒系の
1つの実施態様は、プラチナを含有する改質触媒と酸化
マンガン硫黄吸着剤との物理的混合物である。こうした
改質触媒系の好ましい実施態様はカリウム形態のL−ゼ
オライトを含んでいる。さらに別の実施態様は、少なく
とも最初の転化ゾーンで、硫黄に感受性のある改質触媒
の物理的混合物を含んだ触媒系を用いる接触改質プロセ
スである。繰り返すと、本発明の1つの広いの実施態様
はプラチナ族金属を含有する硫黄に感受性のある転化ま
たは改質触媒と酸化マンガンを含有する硫黄吸着剤の物
理的混合物で構成される触媒系に関係している。この触
媒系は、硫黄に感受性のある改質触媒を接触させること
によって硫黄を捕捉し、転化触媒と硫黄吸着剤とが連続
的に使われる先行技術と比較して、驚くほど有効である
ことが分かった。触媒と吸着剤との相互共同作用は、硫
黄に感受性のある触媒を用いての脱水素環化操作におい
て触媒の有効的な活用と好ましい収量の確保において優
れた結果ももたらす。
【0007】転化触媒の第1の粒子と硫黄吸着剤の第2
の粒子は以下の方法で調製される。好ましくは、第1の
粒子は本質的に硫黄吸着剤を含んでおらず、また、第2
の粒子は本質的に転化触媒を含んでいない。そして本発
明による触媒を作成するために第1と第2の粒子を機械
的に混合する。これらの粒子はその物理的混合物をよく
混合するために、マリング(mulling)などの公知の技
術を用いて徹底的に混合することができる。転化触媒と
硫黄吸着剤の重量比は基本的には原料の硫黄含有率に依
存し、1:10から10:1程度の範囲である。好ましく
は、同じ時期に混合されたバッチの100ccサンプルは、
そのバッチに関連する混合物の各成分が10%以上は違わ
ないであろう。第1および第2の粒子のサイズと形状は
似ているが、これらの粒子は好ましくはサイズおよび/
または密度が異なっていた方が、炭化水素処理において
使用した後の再生または再活性化の目的のためには都合
が良い。
【0008】転化または改質触媒は、耐火性基質上に担
持された金属性水素化−脱水素化成分の複合物により構
成されている。この触媒は改質プロセスに対する炭化水
素原料中の少量の硫黄をH2Sに転化する上で有効であ
り、このH2Sは簡単に吸収することができるので硫黄に
感受性のある触媒の不活性化を抑えることができる。こ
の転化触媒は原料中の硫黄が10ppm程度まで上昇しても
耐えることができ、活性がかなり回復される。また、こ
の転化触媒は好ましくは原料内のナフテン類の脱水素化
も行い、また、異性体化、分解および脱水素環化を行う
酸素部位を含んでいてもよい。
【0009】この転化触媒の耐火性基質は多孔性で、か
つ吸着性のこうした組成物に固有な分布勾配がない均一
な組成の物質でなければならない。(1)アルミナ、シ
リカ、チタニア、マグネシア、ジルコニア、クロミア、
トリア、ボリアあるいはそれらの混合物などの耐火性無
機酸化物、(2)酸で処理することができる、合成また
は天然由来の粘土またはシリケート、(3)水素形態、
あるいは金属カチオンと交換された形態の、FAU,M
EL,MFI,MOR,MTW(ゼオライト命名に関す
るIUPAC委員会)など、天然由来または合成の結晶
性ゼオライト性アルミノシリケート、(4)MgAl2O4,F
eAl2O4,ZnAl2O4,CaAl2O4などのスピネル、および
(5)これらのグループの1つ以上の物質の組み合わ
せ、のうちの1つ以上を含む耐火性基質は本発明の範囲
内である。転化触媒の好ましい耐火性基質はアルミナ
で、特にガンマまたはエータ・アルミナが好ましい。最
良の結果は米国特許第2,892,858号明細書に述べられて
いる『ジーグラー・アルミナ』によって得られ、これは
現在のところ、Condea Chemie GmbHから“Pural”とい
う商品名で入手できる。ジーグラー・アルミナは非常に
純粋なシュードベーマイトで、これは高温で焼成する
と、高度に多孔性のガンマ・アルミナになることが示さ
れている。この耐火性無機酸化物が見かけ比重が0.6〜
1g/ccで、表面積が孔体積が0.3〜0.8cc/gで150〜280
2/g(特に185〜235m2/g)の表面積を有するかなり
純粋なジーグラー・アルミナであることが望ましい。こ
のアルミナ・パウダーは球、押出成型物、棒状、丸薬
型、ペレット状、錠剤型、あるいは粒状など、従来の技
術で知られているどのような形状あるいは形に成型する
ことも可能である。球状粒子はアルミナ・パウダーを適
当なコロイド化酸および水と反応させてアルミナ・パウ
ダーをアルミナ・ゾルにし、その結果できるゾルとゲル
化剤の混合物をオイル・バスに入れて、米国特許第2,62
0,314号明細書に述べられているようなアルミナ・ゲル
の球状粒子を形成し、次に、公知の硬化、乾燥、および
焼成工程によって形成することができる。好ましい押出
成型物形状は、最も好ましい例としては、アルミナ・パ
ウダーを水および適切な硝酸、酢酸、硝酸アルミニウム
などの解膠剤と混ぜ合わせて、500℃で45〜65重量%の
強熱減量(LOI)を有する押出成型可能な練り粉に形
成することによってつくられる。その結果できる練り粉
を適切な形状とサイズを有する型を通じて押出成型して
押出成型粒子を形成し、この粒子を乾燥して、公知の技
術で焼成する。あるいは、回転する円盤上で押出成型粒
子を転がして押出成型物からつくることもできる。
【0010】この硫黄に感受性のある転化触媒の本質的
な成分は、1つ以上のプラチナ族金属であり、特にプラ
チナ成分が好ましい。このプラチナ成分は酸化物、硫化
物、ハロゲン化物、または酸ハロゲン化物などの、触媒
複合物の1つ以上の成分と結合した化合物、あるいは元
素金属として、その触媒内部に存在することができる。
プラチナのほとんどすべてが還元された状態で触媒複合
物内に存在している場合に最善の結果が得られる。この
プラチナ成分は一般的には、元素ベースで計算して、そ
の触媒複合物の0.01〜2重量%、好ましくは0.05〜1重
量%を構成する。こうした金属調節剤としては、周期表
〔Cotton and Wilkinson,Advanced Organic Chemistr
y,John Wiley & Sons(第五版:1988)〕のIVA(14)
族の金属、他の第VIII(8−10)族金属、レニウム、イ
ンジウム、ガリウム、亜鉛、ウラニウム、ディスプロシ
ウム、およびそれらの混合物を含む。こうした金属の触
媒的に有効な量を公知のいずれかの技術で触媒内に組み
込んでもよい。いくつかのケースでは、転化触媒がハロ
ゲン成分を含んでいる場合もある。このハロゲン成分は
フッ素、塩素、臭素、あるいはヨウ素、またはそれらの
混合物のいずれでもよい。好ましいハロゲン成分は塩素
である。このハロゲン成分は通常は無機酸化物基質と結
合した状態で存在している。このハロゲン成分は好まし
くは触媒全体に十分に分散されており、元素ベースで最
終触媒の0.2〜15重量%を構成している。転化触媒の好
ましい成分は、非酸性大孔分子ふるいである。適切な分
子ふるいは、通常、7オングストローム以上の開口部ま
たは『孔サイズ』の均一な孔を有しており、ゼオライト
命名に関するIUPAC委員会によってAFI,FAU
またはLTL構造タイプとして特徴づけられる構造を有
している。LTL構造が好ましく、硫黄の影響を受けや
すい触媒は、好ましくは、L−ゼオライト、アルカリ金
属成分、およびプラチナ族金属成分で構成される改質触
媒である。本質的なことは、ゼオライトにおける酸性は
最終触媒の芳香族化合物に対する選択性を低下させてし
まうので、L−ゼオライトが非酸性であることである。
『非酸性』であるためには、ゼオライトはそのカチオン
交換部位がすべて非水素種で占められていることであ
る。好ましくは、その交換可能カチオン部位を占めてい
るカチオンは、1種以上のアルカリ金属で構成されてい
るが、他のカチオン種が存在していても差し支えない。
特に好ましい非酸性L−ゼオライトはカリウム形態のL
−ゼオライトである。本発明の触媒で使用するための都
合の良い形態を提供するためには、そのL−ゼオライト
を結合剤と複合化させることが必要である。この技術は
どのような耐火性無機酸化物結合剤でも使用に適してい
ることを教示している。シリカ、アルミナ、またはマグ
ネシアのうちの1つまたは複数が本発明の結合剤用物質
として好ましい。無定形シリカが特に好ましく、水溶液
から非常に細かな球状粒子として析出された合成ホワイ
ト・シリカ・パウダーを用いた場合に、優れた結果が得
られる。シリカ結合剤は、好ましくは酸性で、0.3%以
下の硫化塩を含んでおり、そして120〜160m2/g程度の
BET表面積を有している。L−ゼオライトおよび結合
剤を複合化して、公知のいずれかの技術で望ましい触媒
形態に形成することができる。例えば、解膠剤を加える
前に、カリウム形態のL−ゼオライトおよび無定形シリ
カを混ぜ合わせて、均一のパウダーに形成してもよい。
水酸化ナトリウムを含む水溶液を加えて、押出成型可能
な練り粉に形成する。この練り粉は好ましくは直接の焼
成に耐えるだけの強度を有する押出成型物を形成するた
めに、30〜50重量%程度の水分を有している。その結果
できる練り粉は、適切な形状とサイズを有する型から押
し出して、押出成型物粒子を形成し、その粒子を乾燥し
て、公知の技術で焼成する。また、物理的混合物の転化
触媒に関して上に述べた方法で形成することもできる。
アルカリ金属成分は、L−ゼオライトを含んでいる場合
の硫黄に感受性のある改質触媒の本質的な成分である。
リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウ
ム、およびそれらの混合物の1つ、または複数を用いる
ことができるが、好ましいのはカリウムである。アルカ
リ金属は、好ましくは、その非酸性L−ゼオライトのカ
チオン交換可能な部位のすべてを占めている。米国特許
第4,619,906号明細書に述べられているような表面堆積
アルカリ金属が存在していてもよい。
【0011】硫黄に感受性のある改質触媒は、通常、10
0℃〜320℃の温度下で0.5〜24時間乾燥され、その後、
大気中で、0.5〜24時間、300℃〜500℃(好ましくは350
℃)の温度下で酸化される。好ましくは、この酸化され
た触媒は、300℃〜550℃(好ましくは350℃)程度の温
度下で、0.5〜10時間程度、あるいはそれ以上、実質的
に水を含まない状態での還元工程にかけられる。この還
元工程の継続時間は、触媒の不活性化をさけるために、
プラチナを還元するのに必要なだけの時間とすべきであ
り、そして、乾燥した大気が維持されていれば、プラン
トの開始時に、現場で行ってもよい。硫黄に感受性のあ
る触媒の実施態様のさらに詳しい調製方法および活性化
については、例えば、米国特許第4,619,906号明細書、
米国特許第4,822,762号明細書に開示されている。以下
にも述べるように、この実施態様では、触媒はアルカリ
金属成分を含んでいてもよく、好ましい結合剤は非酸性
無定形シリカである。本発明による物理的混合物を作成
する第1の粒子に形成された転化触媒は、通常、100℃
〜320℃の温度下で、0.5〜24時間乾燥され、その後、大
気中で300℃〜550℃の温度下で、0.5〜10時間酸化され
る。好ましくは、酸化された触媒は実質的には水を含ま
ない条件下で、300℃〜550℃の温度下で0.5〜10時間程
度還元工程にかけられる。
【0012】この転化触媒の硫黄に対する感受性は、S
SIと呼ばれる硫黄感受性を基準として測定される。こ
のSSIは、接触改質プロセスに対する炭化水素原料内
における硫黄の触媒の性能に対する影響、特に、触媒活
性に対する影響の基準である。このSSIは決められた
条件下で決められた転化を行うための炭化水素原料の処
理における原料内に硫黄が存在した場合と、存在しない
場合の、相対的な不活性化速度として測定される。この
不活性化速度とは、その転化を維持するために、単位時
間あたりの作動温度の増大(すなわち触媒寿命の単位に
相当する)率として表現され、不活性化速度とは、通
常、その装置が定常運転状態に入ってから『その運転の
終了』、つまり、不活性化が急速に進行し、作動温度が
先行技術で知られているような過剰レベルに達するまで
の時間として測定される。転化は生成物のオクタン価、
一定の生成物の収量、あるいは、原料の消失を基礎に判
定される。本発明に方法においては、0.4ppm(400ppb)
という典型的な原料内の硫黄含有率を前提としての不活
性化速度が、硫黄を含まない原料における不活性化速度
と比較される。 SSI=DS/DOS=原料内硫黄含有率0.4ppmの場合の不活性化速度 DO=硫黄を含まない原料における不活性化速度 この場合の『硫黄を含まない』とは、その原料内の硫黄
含有率が50ppbを意味し、より一般的には20ppb以下を意
味する。1つの比率として、SSIは作動条件における
大幅な変動を考慮したものではない。本発明の方法にお
けるSSIを定義する本質的な作動条件は圧力が456kPa
(4.5気圧)、液体時間空間速度(LHSV)は2hr
~1、水素対炭化水素モル比が3、そして、芳香族化合物
抽出物からのラフィネート内のヘキサンとより重質炭化
水素への転化が実施例で定義されているような状態を含
む条件である。他の条件については実施例の箇所で述べ
る。操作温度は定義された転化を達成するように変えら
れ、不活性化速度は上に述べたような転化を維持するた
めの温度の上昇速度として測定される。硫黄に感受性の
ある触媒のSSIは1.2以上であり、好ましくは2.0程度
である。SSIが3程度以上の触媒は、本発明により硫
黄の不活性化から特に有利に保護される。大切なのは、
本発明による硫黄吸着剤が転化触媒稼働条件下での炭化
水素流から少量の硫黄化合物を除去するのに有効である
ばかりでなく、触媒の活性を維持するために、吸着剤が
その転化触媒と互換性のあるものでなければならないと
いう点である。この硫黄吸着剤は金属酸化物を含んでお
り、原子量が19〜30以下の金属の酸化物から選択される
金属酸化物を含んでいることが好ましく、特に、カリウ
ム、カルチウム、バナジウム、マンガン、ニッケル、銅
および亜鉛が種々の状況下で硫黄の除去に有効であるこ
とが知られている。この吸着剤は好ましくはマンガン成
分を含んでいる。マンガン酸化物は先行技術による亜鉛
酸化物より改質触媒の保護において優れていることが分
かっており、それは関連改質触媒が亜鉛で汚染される可
能性と関係しているのではないかと考えられている。こ
のマンガン酸化物としてはMnO,Mn3O4,Mn2O3,MnO2,M
nO3およびMn2O7などを含んでいる。好ましいマンガン酸
化物はMnO(一酸化マンガン)である。本発明による物
理的混合物の第2の粒子を得るために、こうしたマンガ
ン酸化物を粘土、グラファイト、あるいはアルミナ、シ
リカ、マグネシア、クロミアまたはボリアなどのうちの
1つ以上を含む無機酸化物など適切な結合剤と組み合わ
せてもよい。好ましくは、このマンガン成分は結合され
ておらず、本質的にマンガン酸化物の状態で存在してい
る。さらにより好ましくは、マンガン成分は、硫黄の除
去において特に有効であり、本発明による第2の粒子を
作成するための結合剤を用いなくても十分な分子強度を
有しているMnOで本質的に構成されている。本発明のも
う1つの実施態様として、転化触媒と硫黄吸着剤の物理
的混合物が同じ触媒粒子内に含まれている。この実施態
様で、触媒と吸着剤とは、好ましくは100ミクロン以下
の適切なサイズの粒子を形成するために、一緒に、また
は別個にすりつぶしてもよく、そして、それらの粒子は
適切な基質上に担持される。好ましくは、この基質は上
に述べた無機酸化物から選択される。
【0013】転化触媒および硫黄吸着剤の物理的混合物
は固定床反応器に入れ、または移動床反応器内に入れ、
そこから、連続的に引き出したり付加したりするように
してもよい。こうした方式は、(1)固定床を含む半再
生装置は温度を上昇させて、最終的に触媒の再生および
再活性化のために装置をシャット・ダウンさせて、操作
条件を維持する、(2)触媒が不活性化された場合にマ
ニフォールディング方式で個々の固定床反応器を順々に
隔離され、隔離された反応器内の触媒が再生、再活性化
され、他の反応器は作動状態を維持するスイング反応器
装置、(3)移動床から引き出された触媒を連続的に再
生し、再活性化された触媒を再び装填して、数日間の再
生サイクル中、触媒の活性を高い水準に保持することに
より、反応の厳正さを高いレベルに維持するようにす
る、または(4)同じ装置内に半再生および連続的再生
方式を設けたハイブリッド方式など、当業者に公知の触
媒再生方式と組み合わされる。本触媒系は炭化水素転化
プロセスにおいて使うことができ、好ましくは高度に硫
黄の影響を受けやすい触媒も使う改質プロセスで用いる
ことができる。この触媒系は1つの反応器に入れてもよ
いし、個々の反応器に対する導入温度を調整するために
従来知られている方式を備えた複数の反応器の中に入れ
て使用してもよい。原料はそれぞれの反応器内に昇流、
降流、あるいは遠心流の何れのモードで入れてもよい。
好ましい改質プロセスは比較的低温で操作するので、遠
心流反応器で温度の降下幅が小さい場合は遠心流モード
が好ましい。
【0014】本発明のプロセスにおいて用いられる操作
条件は101.3〜6078kPa(1〜60気圧)の範囲の圧力を含
み、101.3〜2026kPa(1〜20気圧)の圧力が好ましく、
そして、10気圧以下の温度が特に好ましい。好ましくは
遊離水素が、炭化水素原料1モルに対して0.1〜10モル
の範囲の水素の比率に相当する量で、プロセスに供給さ
れる。ここで『遊離水素』とは、炭化水素やその他の化
合物と結合していないH2分子を意味する。好ましく
は、この反応は付加ハロゲンが存在しない状況の下で行
われる。触媒と吸着剤との物理的混合物の量は、0.5〜4
0hr~1の液体時間空間速度に相当する。操作温度は、一
般的には260℃〜560℃の範囲である。この温度はそのプ
ロセスから後の硫黄に感受性のある触媒との接触により
生じる硫黄を捕捉するために、原料内の硫黄化合物をH2
Sに転化するように設定される。ナフテン類は一般的に
は最初の改質触媒上で脱水素化され、反応潜熱によって
触媒床全体の温度が低下するので、原料内の炭化水素の
種類も温度の設定に影響を及ぼす。必然的に発生する触
媒の不活性化を補償するため、操作の各段階で、温度は
ゆっくり上昇される。
【0015】炭化水素原料はパラフィン類およびナフテ
ン類で構成され、芳香族化合物と少量のオレフィン類を
含んでいてもよく、好ましくは沸点はガソリン沸点の範
囲である。使用可能な原料は、直留ナフサ、天然ガソリ
ン、合成ナフサ、サーマル・ガソリン、接触分解された
ガソリン、部分的に改質ナフサ、あるいは芳香族化合物
抽出物からのラフィネートなどである。蒸留範囲は、最
初の沸点を通常40℃〜80℃、最終沸点を160℃〜210℃と
するナフサの蒸留範囲全体、または、最終沸点をやや低
めとする多少狭い範囲であってもよい。パラフィン類を
芳香族化合物に脱水素環化するというプロセス特性か
ら、最終沸点が100℃〜160℃の範囲の中東原油からのナ
フサ類などの軽質パラフィン系原料が好ましい。主に貴
重なB−T−X芳香族化合物に転化できる低価C6〜C8
パラフィン類を芳香族化合物抽出物からのラフィネート
は特に好ましい原料である。
【0016】本プロセスへの炭化水素原料は、通常、元
素ベースで10ppm以下の量の少量の硫黄化合物を含んで
いる。好ましくは、炭化水素原料は水素処理、水素化精
製、あるいは水素化脱硫など、硫化、窒化、および酸素
化化合物などの汚染物質をそれぞれ、H2S,NH3およびH2
Oに転化する通常の前処理工程で汚染された原料からつ
くられ、その後、分留によって炭化水素から分離するこ
とができる。この前処理工程は好ましくは無機酸化物基
質と周期表の第VIB(6)族および第VIII(9−10)族
から選択された金属を含む公知の触媒を用いて行われ
る。従来の前処理に代えて、あるいはそれに加えて、前
処理工程が硫黄系またはその他の汚染物質を除去するこ
とができる吸着剤との接触の工程を含んでいてもよい。
こうした吸着剤としては、酸化亜鉛、鉄スポンジ、高表
面積ナトリウム、高表面積アルミナ、活性炭および分子
ふるいなどがあり、アルミナ上にニッケルを担持させた
吸着剤を用いた場合に優れた結果が得られる。好まし
く、前処理工程は従来の技術で望ましい改質原料として
開示されている、例えば、1ppm〜0.1ppm(100ppb)の
範囲の低硫黄レベルの炭化水素原料を用いて改質触媒系
を提供する。最近の前処理装置では0.5〜0.15ppmの範囲
の硫黄レベルが用いられる。本発明による触媒系で炭化
水素原料の処理から得られる炭化水素生成物は本質的に
は硫黄を含んでいない。ここで『硫黄を含んでいない』
ということは、硫黄含有率が20ppb以下、好ましくは14p
pb以下であることを意味している。別の側面で、『硫黄
を含んでいない』とは検出可能な硫黄が存在しないこと
を意味する。アメリカ全国標準テストASTM D 4045-87で
は反復可能性が硫黄レベルが0.02ppm(20ppb)で20ppb
であり、したがって、このテストでの『硫黄を含んでい
ない』とは硫黄含有率が20ppbと定義されるであろう。
しかし、一連の同様のサンプルについてテストを実施し
ている実験室で、例えば10μg/mlまたは14ppb程度の低
硫黄レベルで差を検出することができると考えられてい
る。この触媒系は、硫黄に感受性のある転化触媒と硫黄
吸着剤とを含んだ第1の転化ゾーンと、硫黄に感受性の
ある触媒だけを含んだそれ以後の、1つまたは複数の転
化ゾーンとで構成されるシステムにおいて用いることが
できる。この第1、および1つまたは複数の転化ゾーン
は、別個の反応器にいれてもよいし、同じ反応器に入れ
てもよい。2つ以上の反応器がその触媒系を含んでいる
第1の転化ゾーンと硫黄に感受性のある転化触媒だけを
含んでいる第2の転化ゾーンの両方を含んでいる、複数
の連続的な反応器で構成される反応器システム内で用い
るのは、本発明の範囲内である。それぞれ上記物理的混
合物と硫黄に感受性のある触媒の両方を含んでいる複数
の反応器を使用するのが有効である。この場合、硫黄に
汚染された装置は硫黄を反応器に送られる原料内に放出
するか、あるいは硫黄が反応器に送られる原料に吹きつ
けられるからである。例えば、原料に対して0.1ppm程度
の硫黄はヒーター管などの不動態体化装置の表面に引き
つけることができる。第2およびその後の転化ゾーン
は、上に述べた第1の転化ゾーンの場合と同様、101.3
〜6078kPa(1〜60気圧)の圧力下、好ましくは101.3kP
a〜2026kPa(1〜20気圧)の圧力の下で操作する。良好
な結果は1013kPa(10気圧)以下の作動圧力の場合に得
られている。遊離水素と炭化水素とのモル比は、第1の
転化ゾーンからの炭化水素の1モルあたり水素が0.1〜1
0モル程度である。好ましくは、この反応は付加ハロゲ
ンが存在しない状態の下で行われる。硫黄に感受性のあ
る改質触媒の体積に対する空間速度は、0.2〜10hr~1
ある。操作温度は400℃〜560℃の範囲であり、上に述べ
られているように、第1の転化ゾーン内の温度とは独立
してコントロールしてもよい。反応物質は物理的混合物
および硫黄に感受性のある触媒と降流で順々に接触する
のが好ましく、硫黄の影響を受けやすい触媒に対する反
応物質の導入温度をコントロールするために、転化ゾー
ン間に蒸気、液体、または混合相流を吹きつけるのは本
発明の範囲内である。先行技術で公知の技術および装置
を用いて、第2の転化ゾーンからの芳香族化合物を含有
した流出液は通常冷却ゾーンを通じて分離ゾーンに流さ
れる。通常0℃〜65℃程度の温度に保たれるこの分離ゾ
ーンで、水素を大量に含んだガスが液相から分離され
る。その結果得られる水素を大量に含んだ流が適切な圧
縮手段経由で、第1の転化ゾーンに循環される。この分
離ゾーンからの液相は、通常は、引き出されて、軽質炭
化水素の濃度を調節し、芳香族化合物を含有している改
質剤生成物を製造するために、分留システム内で処理さ
れる。先行技術と比較して本発明を説明するために、以
下の実施例を示す。
【0017】
【実施例】比較例1 先行技術による改質触媒の対硫黄感受性指数について調
べた。塩化アルミナに担持された押出成型プラチナ−レ
ニウムを触媒Aとして、プラチナの含有量は0.25重量
%、レニウムの場合は0.40重量%であった。この触媒の
SSIを、1つはナフサが硫黄をほとんど含んでおら
ず、もう1つは硫黄の原料中の濃度を0.4重量ppmとする
ようにチオフェンで硫黄スパイクした2つの比較用パイ
ロット・プラントで、水素処理したナフサを処理するこ
とによってテストした。このナフサ原料は以下の特性を
有していた。 Sp.gr. 0.746 ASTM D−86,℃:IBP 85 50% 134 EP 193 ナフサは降流操作で反応器内に装填された。操作条件は
以下の通りであった。 圧力,kPa 1520 水素/炭化水素、モル 2 液体時間空間速度,hr~1 2.5 目標オクタン数は98.0リサーチ・クリアであった。この
テストは535℃程度の運転終点温度まで行われた。対硫
黄感受性指数は原料内に硫黄が0.4ppm存在している場合
と存在してない場合の相対的不活性化速度に基づいて計
算された。このテストの精度の範囲内において、不活性
化速度は1日間3℃の温度下で反応させた場合、原料内
に硫黄が存在してもしなくても同様であり、触媒AのS
SIは1.0であった。したがって、触媒Aは対硫黄感受
性に関しては、先行技術に基づくコントロール用触媒と
同様であった。
【0018】比較例2 第2の非ゼオライト性改質触媒の対硫黄感受性指数の判
定が行われた。この判定に用いられた塩化アルミナ上に
球状プラチナ−レニウムを担持させた改質触媒を触媒B
とし、プラチナの含有率が0.22重量%、そしてレニウム
は0.44重量%であった。この触媒のSSIを、1つはナ
フサが実質的に硫黄を含んでおらず(ランB−1および
B−1′)と原料中の硫黄の濃度を約0.4重量ppmとする
ために、チオフェンで硫黄スパイクしたもの(ランB−
2およびB−2′)との2つの比較パイロット−プラン
ト・ランでテストした。それぞれのテストで用いられた
ナフサ原料は異なっており、以下の特性を有していた。 B−1,B−2 B−1′,B−2′ Sp.gr. 0.746 0.744 ASTM D−86,℃:IBP 85 79 50% 134 130 EP 193 204 ナフサは降流で反応器に充填され、操作条件は以下の通
りであった。 B−1,B−2 B−1′,B−2′ 圧力,kPa 1520 1823 水素/炭化水素、モル 2 2 液体時間空間速度,hr~1 2.5 2.5 オクタン価は98.0リサーチ・クリアであった。テストは
535℃程度の運転終点温度まで行われた。対硫黄感受性
指数は原料に0.4ppmの硫黄が存在している場合と存在し
てない場合との相対不活性速度に基づいて計算され、結
果は以下の通りであった。 B−1 1.6℃/日 B−2 2.5℃/日 SSI=B−2/B−1= 1.6 B−1′ 0.85℃/日 B−2′ 1.1℃/日 SSI=B−2′/B−1′= 1.3
【0019】比較例3 高度に硫黄に感受性のある改質触媒の対硫黄感受性指数
の判定が行われた。この判定に用いられたシリカ結合カ
リウム形態L−ゼオライト改質触媒を触媒Cとし、プラ
チナの含有率は0.82重量%であった。この触媒のSSI
は、1つはナフサが実質的に硫黄を含んでおらず(Run
C−1)と、原料中の硫黄の濃度が0.4重量ppm程度とな
るようにナフサに硫黄スパイクした第2のもの(Run C
−2)との2つの比較パイロット・プラント・ランで水
素処理したナフサを処理することによってテストされ
た。このナフサは以下の追加特性を有していた。 Sp.gr. 0.6896 ASTM D-86,℃:IBP 70 50% 86 EP 138 ナフサは降流操作で反応器内に装填された。操作条件は
以下の通りであった。 圧力,kPa 456 水素/炭化水素、モル 3 液体時間空間速度,hr~1 2 テストは480℃程度の運転終点温度まで行われた。対硫
黄感受性指数は原料に0.4ppmの硫黄が存在している場合
と存在してない場合との相対不活性速度に基づいて計算
され、結果は以下の通りであった。 C−1 0.3℃/日 C−2 4.0℃/日 SSI=C−2/C−1= 13
【0020】
【実施例】本発明による触媒系の先行技術との比較にお
ける利点を、0.5ppmの硫黄をチオフェンとして含んでい
るナフサを1日あたり1000立方トン処理する例の比較に
おいて図示する。本発明の実施例と、先行技術に基づく
比較例との両方に対して全体的な液体時間空間速度が5
となるように、等量の転化触媒と硫黄吸着剤を反応器に
負荷する。本発明の場合、この触媒と吸着剤とを物理的
に混合し、先行技術の場合、転化触媒を硫黄吸着剤の上
に負荷する。触媒と吸着剤との相対的量は以下の通りで
ある。 転化触媒 4.8トン 硫黄吸着剤 9.6トン この転化触媒は上に述べたように硫黄に感受性のある改
質触媒で、硫黄が存在していると脱水素環化活性は急速
に低下するが、硫黄転化については0.1重量%の容量い
っぱいまでその能力を維持する。この転化触媒はシリカ
に結合したカリウム形態のL−ゼオライト上に担持され
たプラチナを含んでいる。比較例3に示されているよう
に、その対硫黄感受性指数は13程度であった。この硫黄
吸着剤は基本的に純粋な多孔性酸化マンガンで、硫黄の
容量は5重量%程度であった。硫黄が完全に負荷される
まで日数では、本発明の利点を示している。 本発明 970日 先行技術 9.6日
【0021】
【発明の効果】本発明は少量の硫黄が存在しても高度の
安定性を有する炭化水素改質触媒として極めて工業上効
果のある触媒である。また、この触媒を用いて炭化水素
を改質する場合原料中に少量の硫黄が含まれていても触
媒活性が低下せずに高収率で改質を行うことができる有
利な改質方法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ポール エイ.シークリスト アメリカ合衆国 60016 イリノイズ,デ ス プレインズ,コーネル ストリート 281

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫黄に感受性のある改質触媒と硫黄吸着
    剤の物理的混合物で構成され、上記改質触媒が非酸性大
    孔分子ふるい、少なくとも1つのプラチナ族金属成分お
    よび耐火性無機酸化物基質により構成され、さらに上記
    硫黄吸着剤が酸化マンガンを含むことを特徴とする改質
    触媒系。
  2. 【請求項2】 (i)転化触媒で構成され、硫黄吸着剤
    を本質的に含んでいない第1の粒子と、(ii)硫黄吸着
    剤で構成され、転化触媒を本質的に含んでいない第2の
    粒子との物理的な混合物で構成される請求項1の触媒
    系。
  3. 【請求項3】 上記非酸性大孔分子ふるいが非酸性L−
    ゼオライトで構成され、上記プラチナ族金属成分がプラ
    チナ成分で構成されている請求項1または2の触媒系。
  4. 【請求項4】 上記硫黄に感受性のある改質触媒が本質
    的に非酸性L−ゼオライト、アルカリ金属成分、プラチ
    ナ族金属成分、および無機酸化物結合剤で構成されてい
    る請求項1,2または3の触媒系。
  5. 【請求項5】 転化触媒と同じ触媒粒子上の硫黄吸着剤
    との物理的混合物によって構成される請求項1から4ま
    でのいずれか1つの触媒系。
  6. 【請求項6】 改質条件下で、原料を請求項1から5ま
    でのいずれか1つで定義された触媒系と接触させる工程
    よりなることを特徴とする炭化水素原料の改質プロセ
    ス。
  7. 【請求項7】 ナフサ原料が10重量ppm以下の硫黄を含
    んでいる請求項6のプロセス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004028688A1 (ja) * 2002-09-24 2004-04-08 Nippon Oil Corporation 水素化分解触媒および液状炭化水素の製造方法
JP2006520685A (ja) * 2003-03-21 2006-09-14 ストーン アンド ウェブスター インコーポレーテッド 触媒再活性化を伴うアルキル芳香族化合物の製造方法
US8288303B2 (en) 2006-03-30 2012-10-16 Nippon Oil Corporation Hydrocracking catalyst and process for producing fuel base material

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JP2006520685A (ja) * 2003-03-21 2006-09-14 ストーン アンド ウェブスター インコーポレーテッド 触媒再活性化を伴うアルキル芳香族化合物の製造方法
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