JP2547966B2 - パラフィン類を芳香族化合物に転化するための多金属マルチグラジエント改質触媒及び該触媒を用いた炭化水素改質法 - Google Patents
パラフィン類を芳香族化合物に転化するための多金属マルチグラジエント改質触媒及び該触媒を用いた炭化水素改質法Info
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
- Catalysts (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高い触媒活性及び安定性
を有するパラフィン類を芳香族化合物に転化する触媒並
びにこの触媒を用いてパラフィン含有炭化水素原料を改
質する方法に関する。
を有するパラフィン類を芳香族化合物に転化する触媒並
びにこの触媒を用いてパラフィン含有炭化水素原料を改
質する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガソリン分野での炭化水素原料の接触改
質は、石油化学産業のための芳香族中間物やエンジンの
ノッキングに対して高い抵抗性を有するガソリン成分を
生産するために世界中のほとんどすべての大規模な石油
精製所で行われている重要な商業的プロセスである。さ
らに、広い範囲で実施されているガソリンにおける鉛ノ
ッキング防止用添加剤の使用禁止、放出物削減のための
ガソリンの改善、そして高性能内燃機関に対する需要の
増大などが、ガソリンの『オクタン』価で測定されるガ
ソリン成分に求められるノッキング抵抗性をより高いも
のにしている。したがって、接触改質装置は、これら益
々増大する芳香族化合物およびガソリン−オクタン価に
対する要望を満たすために、より厳しい条件下でより効
率的に作動することが求められている。こうした傾向
は、より有効な改質プロセスおよび触媒に対する必要性
がある。接触改質は一般的にパラフィン系およびナフテ
ン系炭化水素を大量に含んでいる原料に対して適用さ
れ、ナフテン類から芳香族化合物への脱水素化、パラフ
ィン類の脱水素環化、パラフィン類およびナフテン類の
異性化、アルキル芳香族化合物の脱アルキル化、パラフ
ィン類の軽質炭化水素への水素化分解、そして触媒上に
堆積したコークスの形成など、種々の反応を通じて行わ
れている。芳香族化合物およびガソリン・オクタン化に
対する要望が高まった結果、熱力学および運動エネルギ
ー的に、従来の改質技術において、他の芳香族化反応よ
り好ましくないとされているパラフィン脱水素環化反応
に対する関心が高まっている。競合する水素化分解反応
より脱水素環化反応を促進しつつ、コークスの形成をで
きるだけ最小限に抑えることにより、接触改質からの好
ましい製品の生産量をできるだけ増大しようという強い
要望がある。非酸性L−ゼオライトおよびプラチナ族金
属で構成された、パラフィン類を脱水素環化するための
改質用触媒の有効性は先行技術よりよく知られている。
パラフィン系ラフィネートおよびナフサから芳香族化合
物を製造するための、これら改質用触媒の使用について
はすでに開示されている。これら選択性触媒の原料中の
硫黄分に対する感受性を向上させる技術についても公知
である。しかしながら、プロセスから硫黄を取り除かね
ばならないという特別の措置を考えれば、実用化の速度
は遅く、しかも、範囲は限られている。そこで、これら
脱水素環化触媒に示されるような高度の選択性を活用し
た、硫黄に対する許容度がより高い改質プロセスが求め
られている。
質は、石油化学産業のための芳香族中間物やエンジンの
ノッキングに対して高い抵抗性を有するガソリン成分を
生産するために世界中のほとんどすべての大規模な石油
精製所で行われている重要な商業的プロセスである。さ
らに、広い範囲で実施されているガソリンにおける鉛ノ
ッキング防止用添加剤の使用禁止、放出物削減のための
ガソリンの改善、そして高性能内燃機関に対する需要の
増大などが、ガソリンの『オクタン』価で測定されるガ
ソリン成分に求められるノッキング抵抗性をより高いも
のにしている。したがって、接触改質装置は、これら益
々増大する芳香族化合物およびガソリン−オクタン価に
対する要望を満たすために、より厳しい条件下でより効
率的に作動することが求められている。こうした傾向
は、より有効な改質プロセスおよび触媒に対する必要性
がある。接触改質は一般的にパラフィン系およびナフテ
ン系炭化水素を大量に含んでいる原料に対して適用さ
れ、ナフテン類から芳香族化合物への脱水素化、パラフ
ィン類の脱水素環化、パラフィン類およびナフテン類の
異性化、アルキル芳香族化合物の脱アルキル化、パラフ
ィン類の軽質炭化水素への水素化分解、そして触媒上に
堆積したコークスの形成など、種々の反応を通じて行わ
れている。芳香族化合物およびガソリン・オクタン化に
対する要望が高まった結果、熱力学および運動エネルギ
ー的に、従来の改質技術において、他の芳香族化反応よ
り好ましくないとされているパラフィン脱水素環化反応
に対する関心が高まっている。競合する水素化分解反応
より脱水素環化反応を促進しつつ、コークスの形成をで
きるだけ最小限に抑えることにより、接触改質からの好
ましい製品の生産量をできるだけ増大しようという強い
要望がある。非酸性L−ゼオライトおよびプラチナ族金
属で構成された、パラフィン類を脱水素環化するための
改質用触媒の有効性は先行技術よりよく知られている。
パラフィン系ラフィネートおよびナフサから芳香族化合
物を製造するための、これら改質用触媒の使用について
はすでに開示されている。これら選択性触媒の原料中の
硫黄分に対する感受性を向上させる技術についても公知
である。しかしながら、プロセスから硫黄を取り除かね
ばならないという特別の措置を考えれば、実用化の速度
は遅く、しかも、範囲は限られている。そこで、これら
脱水素環化触媒に示されるような高度の選択性を活用し
た、硫黄に対する許容度がより高い改質プロセスが求め
られている。
【0003】従来、大孔ゼオライトおよび第VIII族金属
を含む広範な触媒での改質が開示されている。米国特許
第4,104,320号明細書には1種類以上の脱水素化第VIII
族金属を含有したカリウム形のL−ゼオライト(potass
ium-form L-zeolite)を開示している、これら2つの金
属が同時に導入されることを示しておるが、触媒中に金
属を分布させることの利点については示唆していない。
米国特許第4,914,068号明細書には少なくとも1種類の
第VIII族金属を大孔ゼオライトの孔内に、一定の量の非
プラチナ金属塩と共に分散させる方法について教示して
いる。1つの触媒中に不均一に金属を分散させることは
先行技術において知られている。米国特許第3,259,589
号明細書には金属成分の層の配置で特徴づけられる種々
の触媒の物理的構造について開示しているが、その金属
成分が異なったグラジエントをもった金属で構成されて
いないければならないということについては示唆してい
ない。米国特許第4,677,094号明細書には均一に分散さ
れたプラチナおよび錫と、ロジウム、ルテニウム、コバ
ルト、ニッケル、およびイリジウムの1つ以上から選択
された表面含浸金属で構成された3金属触媒について教
示しており、この表面含浸成分が酸性触媒の触媒基質に
組み込まれることを教示している。米国特許第4,786,62
5号明細書には表面含浸プラチナ族金属および耐火性酸
化物基質上に均一に分散された錫、ゲルマニウム、ある
いはレニウムで構成される触媒性複合材について教示し
ている。米国特許第4,992,158号明細書にはPtおよび
/またはPdアセチルアセトナイトを用いて、好ましく
はL−ゼオライトの表面近くにプラチナまたはパラジウ
ムを導入する方法について教示しているが、異なった金
属の異なったグラジエントについては触れられていな
い。上記引例のいずれも、触媒内に、非酸性大孔分子ふ
るい、および2つ以上の異なったグラジエントを有する
プラチナ族金属を含有する触媒については、予想も示唆
もしていない。
を含む広範な触媒での改質が開示されている。米国特許
第4,104,320号明細書には1種類以上の脱水素化第VIII
族金属を含有したカリウム形のL−ゼオライト(potass
ium-form L-zeolite)を開示している、これら2つの金
属が同時に導入されることを示しておるが、触媒中に金
属を分布させることの利点については示唆していない。
米国特許第4,914,068号明細書には少なくとも1種類の
第VIII族金属を大孔ゼオライトの孔内に、一定の量の非
プラチナ金属塩と共に分散させる方法について教示して
いる。1つの触媒中に不均一に金属を分散させることは
先行技術において知られている。米国特許第3,259,589
号明細書には金属成分の層の配置で特徴づけられる種々
の触媒の物理的構造について開示しているが、その金属
成分が異なったグラジエントをもった金属で構成されて
いないければならないということについては示唆してい
ない。米国特許第4,677,094号明細書には均一に分散さ
れたプラチナおよび錫と、ロジウム、ルテニウム、コバ
ルト、ニッケル、およびイリジウムの1つ以上から選択
された表面含浸金属で構成された3金属触媒について教
示しており、この表面含浸成分が酸性触媒の触媒基質に
組み込まれることを教示している。米国特許第4,786,62
5号明細書には表面含浸プラチナ族金属および耐火性酸
化物基質上に均一に分散された錫、ゲルマニウム、ある
いはレニウムで構成される触媒性複合材について教示し
ている。米国特許第4,992,158号明細書にはPtおよび
/またはPdアセチルアセトナイトを用いて、好ましく
はL−ゼオライトの表面近くにプラチナまたはパラジウ
ムを導入する方法について教示しているが、異なった金
属の異なったグラジエントについては触れられていな
い。上記引例のいずれも、触媒内に、非酸性大孔分子ふ
るい、および2つ以上の異なったグラジエントを有する
プラチナ族金属を含有する触媒については、予想も示唆
もしていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高い
触媒活性および安定性を持ったパラフィン類の脱水素環
化に対して有効性を持つ接触改質プロセスのための触媒
系を提供することである。上記の目的に伴う必然的な課
題は、パラフィン脱水素環化に高い選択性がある触媒は
一般に原料に存在する硫黄に異常に敏感であり不活性さ
れる点を解決することである。本発明は、表面層パラジ
ウム成分および均一に分散されたプラチナを含んだ結合
L−ゼオライト触媒が、触媒活性およびその安定性を改
善すると同時に接触改質プロセスにおける芳香族化合物
に対する選択性を改善する発見に基づいている。
触媒活性および安定性を持ったパラフィン類の脱水素環
化に対して有効性を持つ接触改質プロセスのための触媒
系を提供することである。上記の目的に伴う必然的な課
題は、パラフィン脱水素環化に高い選択性がある触媒は
一般に原料に存在する硫黄に異常に敏感であり不活性さ
れる点を解決することである。本発明は、表面層パラジ
ウム成分および均一に分散されたプラチナを含んだ結合
L−ゼオライト触媒が、触媒活性およびその安定性を改
善すると同時に接触改質プロセスにおける芳香族化合物
に対する選択性を改善する発見に基づいている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の広い実施態様
は、触媒として有効な量の結合非酸性大孔分子ふるいと
多金属、マルチグラジエント第VIII族(8−10)〔第VI
II族〕貴金属成分で構成される、パラフィン類を脱水素
環化して芳香族化合物に転化することに対して選択性を
有する触媒である。好ましくは、この金属成分は均一に
分散されたプラチナと、表面層成分としての別の第VIII
族金属で構成される。更に好ましくは、この表面層成分
はパラジウムを含んでおり、それら金属のグラジエント
はSEMにより判定される。好適には、非酸性L−ゼオ
ライトはカリウム形態のL−ゼオライトである。もう1
つの本発明は、結合非酸性大孔分子ふるいおよび多金属
マルチグラジエント第VIII族(8−10)〔第VIII族〕貴
金属成分により構成された触媒を用いた、パラフィン類
の脱水素環化に対して選択性を有する改質プロセスであ
る。
は、触媒として有効な量の結合非酸性大孔分子ふるいと
多金属、マルチグラジエント第VIII族(8−10)〔第VI
II族〕貴金属成分で構成される、パラフィン類を脱水素
環化して芳香族化合物に転化することに対して選択性を
有する触媒である。好ましくは、この金属成分は均一に
分散されたプラチナと、表面層成分としての別の第VIII
族金属で構成される。更に好ましくは、この表面層成分
はパラジウムを含んでおり、それら金属のグラジエント
はSEMにより判定される。好適には、非酸性L−ゼオ
ライトはカリウム形態のL−ゼオライトである。もう1
つの本発明は、結合非酸性大孔分子ふるいおよび多金属
マルチグラジエント第VIII族(8−10)〔第VIII族〕貴
金属成分により構成された触媒を用いた、パラフィン類
の脱水素環化に対して選択性を有する改質プロセスであ
る。
【0006】本発明の広い実施態様は独特の改質触媒
と、その触媒を使用した改質プロセスに関している。こ
こでその触媒は非酸性分子ふるいと、周期表の第VIII族
(8−10)に属する2つまたはそれ以上の金属〔Cotton
およびWilkinson,Advanced Organic Chemistry,John
Wiley & Sons(第5版、1988)参照〕、〔第VIII族貴
金属〕により構成されており、それら金属の少なくとも
1つはその触媒中に表面層成分として存在しており、そ
して他の金属のうちの少なくとも1つが均一に分散され
ている。本発明の改質触媒は、芳香族化合物の高い収量
を達成するためのパラフィン原料の改質において、先行
技術の触媒と比較して驚くほど活性が高く、そして安定
していることを見出した。この触媒は典型的には、炭化
水素転化用プロセス装置内の反応器に含まれるような触
媒粒子の床の形態で用いられる。『触媒粒子の床』と
は、同じバッチの原料から同じ装置で、そして基本的に
同一の手順で製造される触媒粒子のアグリゲートと定義
される。本発明の好ましい触媒粒子は、通常、形状が円
筒型で、直径が0.8〜3.2mm(特に1.5〜2.2mm)、そして
長さ:直径比が1:1から5:1、そして特に好ましく
は2:1から3:1であるような押し出し成形物であ
る。球状、ロッド、錠剤、ペレット、タブレット、また
は粒子など先行技術において知られている他の粒子形状
は本発明の範囲内であり、球状粒子は直接形成しても、
あるいは押し出し成形粒子を回転版上で回転することに
よって押し出し成形物から形成してもよい。
と、その触媒を使用した改質プロセスに関している。こ
こでその触媒は非酸性分子ふるいと、周期表の第VIII族
(8−10)に属する2つまたはそれ以上の金属〔Cotton
およびWilkinson,Advanced Organic Chemistry,John
Wiley & Sons(第5版、1988)参照〕、〔第VIII族貴
金属〕により構成されており、それら金属の少なくとも
1つはその触媒中に表面層成分として存在しており、そ
して他の金属のうちの少なくとも1つが均一に分散され
ている。本発明の改質触媒は、芳香族化合物の高い収量
を達成するためのパラフィン原料の改質において、先行
技術の触媒と比較して驚くほど活性が高く、そして安定
していることを見出した。この触媒は典型的には、炭化
水素転化用プロセス装置内の反応器に含まれるような触
媒粒子の床の形態で用いられる。『触媒粒子の床』と
は、同じバッチの原料から同じ装置で、そして基本的に
同一の手順で製造される触媒粒子のアグリゲートと定義
される。本発明の好ましい触媒粒子は、通常、形状が円
筒型で、直径が0.8〜3.2mm(特に1.5〜2.2mm)、そして
長さ:直径比が1:1から5:1、そして特に好ましく
は2:1から3:1であるような押し出し成形物であ
る。球状、ロッド、錠剤、ペレット、タブレット、また
は粒子など先行技術において知られている他の粒子形状
は本発明の範囲内であり、球状粒子は直接形成しても、
あるいは押し出し成形粒子を回転版上で回転することに
よって押し出し成形物から形成してもよい。
【0007】触媒粒子の基本的な成分は非酸性大孔分子
ふるいである。適切な分子ふるいは一般的には『孔サイ
ズ』が6オングストロームまたはそれ以上の最大開通
(freechannel)直径を有しており、好ましくは、7〜
8オングストローム程度の大きめの直径を有している。
こうした分子ふるいとしては、IUPACゼオライト命
名委員会によるAFI,BEA,FAUまたはLTL構
造タイプとして特徴づけられるものを含んでおり、LT
L構造が好ましい。ゼイライト中の酸性は最終的触媒の
芳香族化合物に対する選択性を低下させてしまうので、
この好ましいL−ゼオライトは非酸性であることが必須
の条件である。『非酸性』であるためには、そのゼオラ
イトはそのカチオン交換分の1が非水素種で占有されて
いることが必要である。交換可能カチオン部位を占有し
ているカチオンは、1つ以上のアルカリまたはアルカリ
土類金属で構成されていることが好ましいが、他のカチ
オン種が存在しても差し支えない。特に好ましい非酸性
L−ゼオライトはカリウム形のL−ゼオライトである。
ふるいである。適切な分子ふるいは一般的には『孔サイ
ズ』が6オングストロームまたはそれ以上の最大開通
(freechannel)直径を有しており、好ましくは、7〜
8オングストローム程度の大きめの直径を有している。
こうした分子ふるいとしては、IUPACゼオライト命
名委員会によるAFI,BEA,FAUまたはLTL構
造タイプとして特徴づけられるものを含んでおり、LT
L構造が好ましい。ゼイライト中の酸性は最終的触媒の
芳香族化合物に対する選択性を低下させてしまうので、
この好ましいL−ゼオライトは非酸性であることが必須
の条件である。『非酸性』であるためには、そのゼオラ
イトはそのカチオン交換分の1が非水素種で占有されて
いることが必要である。交換可能カチオン部位を占有し
ているカチオンは、1つ以上のアルカリまたはアルカリ
土類金属で構成されていることが好ましいが、他のカチ
オン種が存在しても差し支えない。特に好ましい非酸性
L−ゼオライトはカリウム形のL−ゼオライトである。
【0008】本発明の触媒粒子で用いるために好適な形
状を提供するためには、L−ゼオライトを結合剤と共に
構成することが必要である。従来の技術ではどのような
耐火性無機酸化物結合剤でも使用に適していることが示
されている。本発明においてはシリカ、アルミナ、また
はマグネシアの1つ、あるいはそれ以上が結合剤として
好ましい。無定形シリカは特に好ましく、水溶液から超
微粒球状粒子として析出された合成ホワイト・シリカ粉
末を用いた場合、優れた結果が得られる。シリカ結合剤
は好ましくは非酸性で、硫酸塩の含有率は0.3重量%以
下、そして120〜160m2/gのBET表面積を有している
ことが好ましい。
状を提供するためには、L−ゼオライトを結合剤と共に
構成することが必要である。従来の技術ではどのような
耐火性無機酸化物結合剤でも使用に適していることが示
されている。本発明においてはシリカ、アルミナ、また
はマグネシアの1つ、あるいはそれ以上が結合剤として
好ましい。無定形シリカは特に好ましく、水溶液から超
微粒球状粒子として析出された合成ホワイト・シリカ粉
末を用いた場合、優れた結果が得られる。シリカ結合剤
は好ましくは非酸性で、硫酸塩の含有率は0.3重量%以
下、そして120〜160m2/gのBET表面積を有している
ことが好ましい。
【0009】L−ゼオライトおよび結合剤は、球状、押
し出し成型物、ロッド、錠剤、ペレット、タブレット、
または粒状など、先行技術において知られているような
形状に形成しても差し支えない。球状粒子は以下に述べ
るような油滴法によって直接形成してもよいし、あるい
は回転板上で粒子を回転することによって押し出し成型
物から形成してもよい。押し出し成型物を加工する1つ
の方法として、カリウム形のL−ゼオライトと無定形状
のシリカとを、解こう剤を導入する前に、均一な粉末混
合物に混ぜ合わせる。押し出し成型が可能な生地を形成
するために、水酸化ナトリウムを含んだ水溶液を加え
る。この生地は、直接の焼成処理に耐えることができる
だけの一体性を有する押し出し成型物を形成するため
に、30〜50重量%の水分含有量を有していることが好ま
しい。その結果得られる生地を適切な形状とサイズの型
から押し出し加工して押し出し成型物粒子を形成し、そ
れを公知の方法で乾燥、焼成する。好ましくは、カリウ
ム・イオンをカプセル化し、塩基性を保持するために、
中間段階の乾燥工程なしで直接焼成処理する。これら押
し出し成型物の焼成処理は酸素を含有する雰囲気中で0.
5〜2時間程度、260℃〜650℃の範囲の温度下で行われ
る。
し出し成型物、ロッド、錠剤、ペレット、タブレット、
または粒状など、先行技術において知られているような
形状に形成しても差し支えない。球状粒子は以下に述べ
るような油滴法によって直接形成してもよいし、あるい
は回転板上で粒子を回転することによって押し出し成型
物から形成してもよい。押し出し成型物を加工する1つ
の方法として、カリウム形のL−ゼオライトと無定形状
のシリカとを、解こう剤を導入する前に、均一な粉末混
合物に混ぜ合わせる。押し出し成型が可能な生地を形成
するために、水酸化ナトリウムを含んだ水溶液を加え
る。この生地は、直接の焼成処理に耐えることができる
だけの一体性を有する押し出し成型物を形成するため
に、30〜50重量%の水分含有量を有していることが好ま
しい。その結果得られる生地を適切な形状とサイズの型
から押し出し加工して押し出し成型物粒子を形成し、そ
れを公知の方法で乾燥、焼成する。好ましくは、カリウ
ム・イオンをカプセル化し、塩基性を保持するために、
中間段階の乾燥工程なしで直接焼成処理する。これら押
し出し成型物の焼成処理は酸素を含有する雰囲気中で0.
5〜2時間程度、260℃〜650℃の範囲の温度下で行われ
る。
【0010】この触媒基質の別のアルミナ形状は球であ
る。アルミナ球は従来の技術で教示されているいずれか
の技術、そして好ましくはアルミニウム金属を塩化水素
酸と反応させてアルミナ・ヒドロゾルを形成する工程
と、その結果得られるヒドロゾルを適切なゲル化剤と結
合させる工程と、そして、結果として得られる混合物を
高温下で保持された油槽内に滴下する工程とで構成され
た、公知の油滴法で連続的に製造してもよい。この混合
物の液滴は、ヒドロゾル球を形成するまで、油槽内にと
どまる。そして、この球を油槽から連続的に引き上げ
て、通常は、さらにその物理的性質を改善するために、
オイルおよびアンモニア性溶液内での特種なエージング
および乾燥処理する。その結果得られる硬化されゲル化
された粒子を洗って、150℃〜205℃という比較的低い温
度で乾燥し、そして、1時間〜20時間程度、450℃〜700
℃の温度下で焼成する。この処理により、アルミナ・ヒ
ドロゲルが対応する結晶性ガンマ−アルミナに転化され
る。米国特許第2,620,314号明細書はさらに詳しいこと
を開示している。改質触媒基質は、他の多孔性で吸着性
を持ち、表面積の大きな物質を含んでいてもよい。
(1)アルミナ、シリカ、チタニア、マグネシア、ジル
コニア、クロミア、トニア、ボリア、あるいはそれらの
混合物などの耐火性無機酸化物、(2)酸で処理したも
のも含めて合成した、あるいは天然由来の粘土およびシ
リケート、(3)水素形態、または金属カチオンと交換
された形態の、FAU,MEL,MFI,MOR,MT
W(IUPACゼオライト命名法委員会)など、天然由
来または合成の結晶性ゼオライト性アルミノシリケー
ト、(4)MgAl2O4,FeAl2O4,ZnAl2O4,CaAl2O4などの
スピネル、および(5)これらの群からの1つ以上の素
材の組み合わせ、のうちの1つか複数を含んでいる耐火
性基質は本発明の範囲内である。アルカリ金属成分は瞬
時改質触媒の非常に好ましい成分である。リチウム、ナ
トリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムおよびそれ
らの混合物を含む、1つ、あるいは複数のアルカリ金属
を用いることができ、カリウムが好ましい。上に述べた
ように、アルカリ金属は、非酸性L−ゼオライトのカチ
オン交換部位のほとんどすべてを占めているのが最も好
ましい。本明細書に引例として組み込まれている米国特
許第4,619,906号明細書に述べられているように、表面
に堆積したアルカリ金属が存在していてもよい。
る。アルミナ球は従来の技術で教示されているいずれか
の技術、そして好ましくはアルミニウム金属を塩化水素
酸と反応させてアルミナ・ヒドロゾルを形成する工程
と、その結果得られるヒドロゾルを適切なゲル化剤と結
合させる工程と、そして、結果として得られる混合物を
高温下で保持された油槽内に滴下する工程とで構成され
た、公知の油滴法で連続的に製造してもよい。この混合
物の液滴は、ヒドロゾル球を形成するまで、油槽内にと
どまる。そして、この球を油槽から連続的に引き上げ
て、通常は、さらにその物理的性質を改善するために、
オイルおよびアンモニア性溶液内での特種なエージング
および乾燥処理する。その結果得られる硬化されゲル化
された粒子を洗って、150℃〜205℃という比較的低い温
度で乾燥し、そして、1時間〜20時間程度、450℃〜700
℃の温度下で焼成する。この処理により、アルミナ・ヒ
ドロゲルが対応する結晶性ガンマ−アルミナに転化され
る。米国特許第2,620,314号明細書はさらに詳しいこと
を開示している。改質触媒基質は、他の多孔性で吸着性
を持ち、表面積の大きな物質を含んでいてもよい。
(1)アルミナ、シリカ、チタニア、マグネシア、ジル
コニア、クロミア、トニア、ボリア、あるいはそれらの
混合物などの耐火性無機酸化物、(2)酸で処理したも
のも含めて合成した、あるいは天然由来の粘土およびシ
リケート、(3)水素形態、または金属カチオンと交換
された形態の、FAU,MEL,MFI,MOR,MT
W(IUPACゼオライト命名法委員会)など、天然由
来または合成の結晶性ゼオライト性アルミノシリケー
ト、(4)MgAl2O4,FeAl2O4,ZnAl2O4,CaAl2O4などの
スピネル、および(5)これらの群からの1つ以上の素
材の組み合わせ、のうちの1つか複数を含んでいる耐火
性基質は本発明の範囲内である。アルカリ金属成分は瞬
時改質触媒の非常に好ましい成分である。リチウム、ナ
トリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムおよびそれ
らの混合物を含む、1つ、あるいは複数のアルカリ金属
を用いることができ、カリウムが好ましい。上に述べた
ように、アルカリ金属は、非酸性L−ゼオライトのカチ
オン交換部位のほとんどすべてを占めているのが最も好
ましい。本明細書に引例として組み込まれている米国特
許第4,619,906号明細書に述べられているように、表面
に堆積したアルカリ金属が存在していてもよい。
【0011】本発明による触媒の基本的な成分は多金
属、マルチグラジエント第VIII族(8−10)貴金属成分
である。『マルチグラジエント』とは、その触媒内の2
つ以上の第VIII族金属が異なった分布状態を呈している
ことを示す。好ましくは、上に述べたように、『表面
層』成分として少なくとも1つの金属が存在しており、
1つまたは複数の金属がその触媒全体で均一に分散され
ている。第VIII族金属を『表面層』成分として特徴づけ
るのは、以下に述べるように、基質上あるいは基質内部
の分散した第VIII族貴金属を含めることを意図してい
る。例えば、プラチナ、パラジウム、ロジウム、ルテニ
ウム、オスミウム、およびイリジウムなど、第VIII族貴
金属のうち、パラジウムは好ましい表面層金属であり、
プラチナは均一に分散される金属として好ましい。表面
層としての第VIII族貴金属および/または均一に分散さ
れた成分の混合物も、本発明の範囲である。第VIII族貴
金属成分が、酸化物、硫化物、ハロゲン化物、あるいは
酸化ハロゲン化物が1つか複数の他の成分との複合体と
して最終的な触媒複合体中に存在していてもよいし、あ
るいは元素金属として存在していても差し支えない。最
善の結果は、それら金属のほとんどすべてが元素状態と
して存在している時に得られる。それら金属はそれぞ
れ、触媒として有効であれば、どのような量で存在して
いても差し支えないが、比較的少量の方が好ましい。表
面層および均一分散第VIII族貴金属のそれぞれは、一般
的には、最終的な触媒の0.01〜5重量%程度であってよ
く、好ましくは元素ベースで焼成された0.05〜2重量%
である。表面層対均一分散金属の比率は20:1から1:
50の範囲であり、最も好ましいのは10:1から1:20の
範囲である。各触媒粒子の表面層には少なくとも1つの
第VIII族貴金属が含まれている。本発明の定義において
は、『層』とは触媒粒子の表面から基本的に均一な距離
の、基本的に均一な厚みの層のことである。『表面層』
とは、粒子の表面に近い触媒粒子の層のことである。表
面層第VIII族貴金属の濃度は、触媒粒子の表面から中心
の方向に進むにつれて低くなっていき、そして、粒子の
『中心核』においては、表面層においてよりかなり低
い。『中心核』とは、本発明の定義においては、直径の
50%、好ましくは粒子の体積の50%を占める触媒粒子の
核として定義される。『直径』とは、触媒粒子の中心を
通る最低正常寸法として定義され、例えば、この寸法は
押し出し成型物の円筒の直径である。本発明により好ま
しい押し出し成型物の場合、中心核は円筒型押し出し成
型粒子の側面および端部の表面層を除く同心的円筒部分
であり、押し出し成型粒子の体積の50%を有している中
心核はその粒子の直径の70〜75%程度の直径を持つこと
になる。しかしながら、触媒粒子中の金属濃度のグラジ
エントの測定の、他の測定基準がこれによって排除され
るものではない。本触媒の『表面層』金属の触媒粒子の
表面層内での濃度は、触媒粒子の中心核の濃度の少なく
とも2倍である。表面層濃度の測定は、少なくとも3つ
の触媒粒子の表面にもっとも近い場所での濃度の平均と
して行われるのが好ましい。より好ましいのは、第VIII
族貴金属の表面層濃度は少なくとも中心核内の濃度の3
倍である。また、表面層濃度は、例えば、100ミクロン
の深さの表面層内の測定値の平均である。本発明での特
徴は、以下に具体的に述べられるように、表面層は深さ
50〜100ミクロンで、これは触媒粒子の半径の10%から2
0%である。『半径』は触媒粒子の表面からその中心の
距離として定義され、その粒子の直径の半分である。別
の定義として、表面層金属の50%程度またはそれ以上が
触媒の表面層内に含まれている。
属、マルチグラジエント第VIII族(8−10)貴金属成分
である。『マルチグラジエント』とは、その触媒内の2
つ以上の第VIII族金属が異なった分布状態を呈している
ことを示す。好ましくは、上に述べたように、『表面
層』成分として少なくとも1つの金属が存在しており、
1つまたは複数の金属がその触媒全体で均一に分散され
ている。第VIII族金属を『表面層』成分として特徴づけ
るのは、以下に述べるように、基質上あるいは基質内部
の分散した第VIII族貴金属を含めることを意図してい
る。例えば、プラチナ、パラジウム、ロジウム、ルテニ
ウム、オスミウム、およびイリジウムなど、第VIII族貴
金属のうち、パラジウムは好ましい表面層金属であり、
プラチナは均一に分散される金属として好ましい。表面
層としての第VIII族貴金属および/または均一に分散さ
れた成分の混合物も、本発明の範囲である。第VIII族貴
金属成分が、酸化物、硫化物、ハロゲン化物、あるいは
酸化ハロゲン化物が1つか複数の他の成分との複合体と
して最終的な触媒複合体中に存在していてもよいし、あ
るいは元素金属として存在していても差し支えない。最
善の結果は、それら金属のほとんどすべてが元素状態と
して存在している時に得られる。それら金属はそれぞ
れ、触媒として有効であれば、どのような量で存在して
いても差し支えないが、比較的少量の方が好ましい。表
面層および均一分散第VIII族貴金属のそれぞれは、一般
的には、最終的な触媒の0.01〜5重量%程度であってよ
く、好ましくは元素ベースで焼成された0.05〜2重量%
である。表面層対均一分散金属の比率は20:1から1:
50の範囲であり、最も好ましいのは10:1から1:20の
範囲である。各触媒粒子の表面層には少なくとも1つの
第VIII族貴金属が含まれている。本発明の定義において
は、『層』とは触媒粒子の表面から基本的に均一な距離
の、基本的に均一な厚みの層のことである。『表面層』
とは、粒子の表面に近い触媒粒子の層のことである。表
面層第VIII族貴金属の濃度は、触媒粒子の表面から中心
の方向に進むにつれて低くなっていき、そして、粒子の
『中心核』においては、表面層においてよりかなり低
い。『中心核』とは、本発明の定義においては、直径の
50%、好ましくは粒子の体積の50%を占める触媒粒子の
核として定義される。『直径』とは、触媒粒子の中心を
通る最低正常寸法として定義され、例えば、この寸法は
押し出し成型物の円筒の直径である。本発明により好ま
しい押し出し成型物の場合、中心核は円筒型押し出し成
型粒子の側面および端部の表面層を除く同心的円筒部分
であり、押し出し成型粒子の体積の50%を有している中
心核はその粒子の直径の70〜75%程度の直径を持つこと
になる。しかしながら、触媒粒子中の金属濃度のグラジ
エントの測定の、他の測定基準がこれによって排除され
るものではない。本触媒の『表面層』金属の触媒粒子の
表面層内での濃度は、触媒粒子の中心核の濃度の少なく
とも2倍である。表面層濃度の測定は、少なくとも3つ
の触媒粒子の表面にもっとも近い場所での濃度の平均と
して行われるのが好ましい。より好ましいのは、第VIII
族貴金属の表面層濃度は少なくとも中心核内の濃度の3
倍である。また、表面層濃度は、例えば、100ミクロン
の深さの表面層内の測定値の平均である。本発明での特
徴は、以下に具体的に述べられるように、表面層は深さ
50〜100ミクロンで、これは触媒粒子の半径の10%から2
0%である。『半径』は触媒粒子の表面からその中心の
距離として定義され、その粒子の直径の半分である。別
の定義として、表面層金属の50%程度またはそれ以上が
触媒の表面層内に含まれている。
【0012】表面層第VIII族貴金属は、粒子の表面から
中心の方に進むにつれてグラジエントが低くなるような
方法であれば、どのような方法で触媒粒子内に組み込ん
でもさしつかえない。好ましくは、金属は結合ゼオライ
トとの接触によって分解し、その粒子の両面またはその
近くの金属を放出する化合物として、結合非酸性ゼオラ
イトに含浸させる。より好ましくは、パラジウム成分は
pH5以上で分解する化合物、特に塩として含浸させる。
例えば、好ましいパラジウムは結合L−ゼオライトとの
接触で分解するPb(NO3)2として含浸させる。本発明を
制約しない他の手段としては、結合ゼオライトと複合化
する、あるいは粒子の内部に侵入しない金属化合物の使
用を含んでいる。一例はカルボン酸またはアミノ基、チ
オール基、亜リン酸基、あるいは酸化物基質と強く結合
することができるその他の極性基(polar group)を含
んだ金属化合物などの、多歯状配位子である。また、表
面層第VIII族貴金属は吹き付け含浸によって触媒内に組
み込んでもよい。その一例は触媒基質を保持した回転ド
ラム内部にスプレイ・ノズルを配置する方法である。表
面層金属の塩の溶液を、エアを用いてノズルから放出し
て、スプレイの液滴を形成し、それが回転しているドラ
ム内の基質と接触して、有効に混合を行う。溶液:基質
の体積比は触媒中の表面層金属の望ましい濃度を実現す
るのに有効であればよく、好ましくは0.3〜1.0の範囲で
ある。
中心の方に進むにつれてグラジエントが低くなるような
方法であれば、どのような方法で触媒粒子内に組み込ん
でもさしつかえない。好ましくは、金属は結合ゼオライ
トとの接触によって分解し、その粒子の両面またはその
近くの金属を放出する化合物として、結合非酸性ゼオラ
イトに含浸させる。より好ましくは、パラジウム成分は
pH5以上で分解する化合物、特に塩として含浸させる。
例えば、好ましいパラジウムは結合L−ゼオライトとの
接触で分解するPb(NO3)2として含浸させる。本発明を
制約しない他の手段としては、結合ゼオライトと複合化
する、あるいは粒子の内部に侵入しない金属化合物の使
用を含んでいる。一例はカルボン酸またはアミノ基、チ
オール基、亜リン酸基、あるいは酸化物基質と強く結合
することができるその他の極性基(polar group)を含
んだ金属化合物などの、多歯状配位子である。また、表
面層第VIII族貴金属は吹き付け含浸によって触媒内に組
み込んでもよい。その一例は触媒基質を保持した回転ド
ラム内部にスプレイ・ノズルを配置する方法である。表
面層金属の塩の溶液を、エアを用いてノズルから放出し
て、スプレイの液滴を形成し、それが回転しているドラ
ム内の基質と接触して、有効に混合を行う。溶液:基質
の体積比は触媒中の表面層金属の望ましい濃度を実現す
るのに有効であればよく、好ましくは0.3〜1.0の範囲で
ある。
【0013】第VIII族貴金属のグラジエントは好ましく
は走査電子顕微鏡(“SEM”)によって判定される。
局所金属濃度のSEMによる判定は、触媒床から採取さ
れた少なくとも3つのサンプル粒子に対して行われる。
サンプルは当業者に公知の記述で触媒床から採取され
る。SEMによるデータは基質の量に対する金属分布特
性に基づく、触媒粒子内部のいずれか1つの箇所でのお
およその金属濃度を示す。各分析の結果はゼロ・ポイン
トに基づくものでなくてもよく、分布曲線を統合するの
は可能ではなく、敢えてそれを行うと、曲線全体が下方
または上方にずれてしまうので、データの過った解釈に
つながってしまう可能性がある。しかしながら、このデ
ータは金属分布の相対的な比較には有効である。マルチ
グラジエント第VIII族貴金属成分の基本的な部分を示す
均一に分布された第VIII族貴金属は、共沈、イオン交
換、または含浸など、いずれの適切な方法で多孔性基質
物質中に取り入れてもよい。均一分散金属として好まし
いのはプラチナであり、基質物質を比較的均一な方法で
含浸させるために、可溶性で分解性のある化合物に組み
込まれるのが好適である。例えば、プラチナを基質に組
み入れる場合、後者を塩化白金酸、アンモニウム・クロ
ロプラチネート、臭化白金酸、三塩化プラチナ、四塩化
プラチナ水酸化物、ジクロロカルボニル・プラチナ亜塩
化物、テトラアミン・プラチナ塩化物、ジニトロジアミ
ノプラチナ、ナトリウム・テトラニトロプラチネート
(II)などの水溶液と混ぜ合わせる方法を用いることが
できる。塩化化合物は基質物質中での金属成分の均一な
分布を容易にすることから、それを使用するのが好まし
い。加えて、貴重な第VIII族貴金属の損失を最小限に抑
えるために、焼成した後で、基質物質を含浸させるのが
一般的に好ましい。表面層および均一分散第VIII族貴金
属を触媒中に同時に組み入れるのは本発明の範囲内であ
るが、添加の順番は有効であればいずれでもよく、そし
て表面層成分を均一分散金属の前に加えても、後に加え
ても良い。表面層成分は均一分散金属を加える前に触媒
に組み入れ、複合体の酸化物を後者の金属の添加の前に
加えてもよい。SEMで測定する場合のように、3つ以
上の粒子で測定した場合、ある層での金属濃度がその粒
子における平均金属濃度からのずれが50%程度以下の場
合、金属は均一に分散されていると考えられる。好まし
くは、いずれかの層の金属濃度と粒子全体の金属濃度と
の間の差が25% 程度以下であることが望ましい。触媒
が第VIII族貴金属成分の影響を変えることが知られてい
る他の金属成分を含んでいるのは、本発明の範囲内であ
る。こうした金属修正子としては、第IVA(14)族金
属、レニウム、インジウム、ガリウム、マンガン、亜
鉛、ウラニウム、ジスプロシウム、タリウム、およびそ
れらの混合物がある。触媒的に有効な量の、こうした金
属修正子は、先行技術で公知のどんな方法で触媒に組み
込んでも差し支えない。一般的に、オプション可能な金
属修正子は、元素ベースで最終触媒の0.01〜5重量%の
範囲の濃度で存在している。触媒がこうした金属修正子
を含んでいないのが好ましい。改質触媒はハロゲン成分
を含んでいてもよい。このハロゲン成分は、例えばフッ
素、塩素、臭素、または沃素、そしてそれらの混合物な
どで、このうち塩素が好ましい。基質の非酸性を考えれ
ば、これらハロゲンは通常、金属成分が組み込まれる時
だけ、触媒中に組み入れられる。ハロゲン成分は通常、
無機酸化物基質と結合した状態で存在している。また、
これらハロゲン成分は好ましくは、触媒全体によく分散
しており、そして、元素ベースで計算して、触媒全体の
0.2〜15重量%程度以上であってよい。最終的に完成さ
れた改質触媒は、通常、100℃〜320℃の範囲の温度下
で、0.5〜24時間程度完成され、その後、大気中で0.5〜
10時間、300℃〜550℃(好ましくは350℃以上)の温度
下で乾燥される。好ましくは、酸化された触媒は基本的
に水分を含まない状態で、0.5〜10時間以上、300℃〜55
0℃(好ましくは350℃以上)の温度下で還元工程を行
う。この還元工程の継続時間は触媒を実際の使用前に非
活性化してしまうことを避けるために、プラチナを還元
するのに必要なだけの長さとするべきであり、乾燥した
空気が維持されていれば、プラントの始動時に、手順の
一貫として行われてもよい。硫黄に対する感受性のある
改質触媒の実例の作成および活性化のさらに詳しい情報
は、例えば米国特許第4,619,906号および第4,822,762号
明細書に開示されている。
は走査電子顕微鏡(“SEM”)によって判定される。
局所金属濃度のSEMによる判定は、触媒床から採取さ
れた少なくとも3つのサンプル粒子に対して行われる。
サンプルは当業者に公知の記述で触媒床から採取され
る。SEMによるデータは基質の量に対する金属分布特
性に基づく、触媒粒子内部のいずれか1つの箇所でのお
およその金属濃度を示す。各分析の結果はゼロ・ポイン
トに基づくものでなくてもよく、分布曲線を統合するの
は可能ではなく、敢えてそれを行うと、曲線全体が下方
または上方にずれてしまうので、データの過った解釈に
つながってしまう可能性がある。しかしながら、このデ
ータは金属分布の相対的な比較には有効である。マルチ
グラジエント第VIII族貴金属成分の基本的な部分を示す
均一に分布された第VIII族貴金属は、共沈、イオン交
換、または含浸など、いずれの適切な方法で多孔性基質
物質中に取り入れてもよい。均一分散金属として好まし
いのはプラチナであり、基質物質を比較的均一な方法で
含浸させるために、可溶性で分解性のある化合物に組み
込まれるのが好適である。例えば、プラチナを基質に組
み入れる場合、後者を塩化白金酸、アンモニウム・クロ
ロプラチネート、臭化白金酸、三塩化プラチナ、四塩化
プラチナ水酸化物、ジクロロカルボニル・プラチナ亜塩
化物、テトラアミン・プラチナ塩化物、ジニトロジアミ
ノプラチナ、ナトリウム・テトラニトロプラチネート
(II)などの水溶液と混ぜ合わせる方法を用いることが
できる。塩化化合物は基質物質中での金属成分の均一な
分布を容易にすることから、それを使用するのが好まし
い。加えて、貴重な第VIII族貴金属の損失を最小限に抑
えるために、焼成した後で、基質物質を含浸させるのが
一般的に好ましい。表面層および均一分散第VIII族貴金
属を触媒中に同時に組み入れるのは本発明の範囲内であ
るが、添加の順番は有効であればいずれでもよく、そし
て表面層成分を均一分散金属の前に加えても、後に加え
ても良い。表面層成分は均一分散金属を加える前に触媒
に組み入れ、複合体の酸化物を後者の金属の添加の前に
加えてもよい。SEMで測定する場合のように、3つ以
上の粒子で測定した場合、ある層での金属濃度がその粒
子における平均金属濃度からのずれが50%程度以下の場
合、金属は均一に分散されていると考えられる。好まし
くは、いずれかの層の金属濃度と粒子全体の金属濃度と
の間の差が25% 程度以下であることが望ましい。触媒
が第VIII族貴金属成分の影響を変えることが知られてい
る他の金属成分を含んでいるのは、本発明の範囲内であ
る。こうした金属修正子としては、第IVA(14)族金
属、レニウム、インジウム、ガリウム、マンガン、亜
鉛、ウラニウム、ジスプロシウム、タリウム、およびそ
れらの混合物がある。触媒的に有効な量の、こうした金
属修正子は、先行技術で公知のどんな方法で触媒に組み
込んでも差し支えない。一般的に、オプション可能な金
属修正子は、元素ベースで最終触媒の0.01〜5重量%の
範囲の濃度で存在している。触媒がこうした金属修正子
を含んでいないのが好ましい。改質触媒はハロゲン成分
を含んでいてもよい。このハロゲン成分は、例えばフッ
素、塩素、臭素、または沃素、そしてそれらの混合物な
どで、このうち塩素が好ましい。基質の非酸性を考えれ
ば、これらハロゲンは通常、金属成分が組み込まれる時
だけ、触媒中に組み入れられる。ハロゲン成分は通常、
無機酸化物基質と結合した状態で存在している。また、
これらハロゲン成分は好ましくは、触媒全体によく分散
しており、そして、元素ベースで計算して、触媒全体の
0.2〜15重量%程度以上であってよい。最終的に完成さ
れた改質触媒は、通常、100℃〜320℃の範囲の温度下
で、0.5〜24時間程度完成され、その後、大気中で0.5〜
10時間、300℃〜550℃(好ましくは350℃以上)の温度
下で乾燥される。好ましくは、酸化された触媒は基本的
に水分を含まない状態で、0.5〜10時間以上、300℃〜55
0℃(好ましくは350℃以上)の温度下で還元工程を行
う。この還元工程の継続時間は触媒を実際の使用前に非
活性化してしまうことを避けるために、プラチナを還元
するのに必要なだけの長さとするべきであり、乾燥した
空気が維持されていれば、プラントの始動時に、手順の
一貫として行われてもよい。硫黄に対する感受性のある
改質触媒の実例の作成および活性化のさらに詳しい情報
は、例えば米国特許第4,619,906号および第4,822,762号
明細書に開示されている。
【0014】本発明による改質プロセスへの炭化水素原
料はパラフィン類およびナフテン類を含んでおり、芳香
族化合物および少量のオレフィン類を含んでいてもよ
く、ガソリンの温度範囲で沸騰するのが好ましい。使用
が可能な原料としては、直留ナフサ、天然ガソリン、合
成ナフサ、サーマルガソリン、触媒を用いて分解された
ガソリン、部分的に改質されたナフサ、または抽出物や
芳香族化合物からのラフィネートなどである。蒸留温度
範囲は、通常40℃〜80℃の範囲の初期沸点、そして160
℃〜210℃の範囲の最終沸点を有するフルレンジ(full-
range)ナフサの温度範囲であってよく、最終沸点をよ
り低くしたより狭い温度範囲であってもよい。パラフィ
ンを脱水素環化して芳香族化合物に転化する特殊な能力
があるので、最終沸点が100℃〜160℃の範囲の中近東原
油から抽出されたナフサなど軽質パラフィン系原料が好
ましい。基本的に貴重なB−T−X芳香族化合物に転化
することができる低価C6−C8パラフィン類を含んでい
る、芳香族化合物抽出物からのラフィネートが特に好ま
しい原料である。このプロセスのための炭化水素原料
は、通常、元素ベースで10ppm以下の、少量の硫黄化合
物を含んでいても差し支えない。好ましくは、炭化水素
原料は、亜硫酸、亜硝酸、および酸素化化合物などの汚
染因子をH2S,NH3、およびH2Oにそれぞれ転化して、そ
の後、分画して炭化水素から分離できるようにする、水
素化処理、水素化精製、あるいは水素化脱硫など、従来
の前処理工程で調製される。この前処理には、無機酸化
物基質および第VIB(6)および第VIII(9−10)族か
ら選択される金属で構成される、公知の触媒を用いるの
が好ましい。従来の前処理に代えて、あるいはそれに加
えて、前処理工程には亜硫酸およびその他の汚染因子を
取り除くことができる吸着剤に接触させる工程を含んで
いてもよい。これらの吸着剤は酸化亜鉛、鉄スポンジ、
大表面積ナトリウム、大表面積アルミナ、アルミナ上に
ニッケルを配したもの、活性化炭素、および分子ふるい
などのうちの1つ、または複数であるが、これらに限定
されるものではない。好ましくは、前処理工程は、少な
くとも先行技術で望ましい改質触媒として述べられてい
るような低さ、例えば、1ppmから0.1ppm(100ppb)の
レベルの硫黄分を有する炭化水素原料に対する改質触媒
を提供する。最近の前処理装置での硫黄レベルは、通
常、0.5〜0.15ppmの範囲である。この炭化水素原料は基
本的には硫黄分を含んでいないのが好ましい。パラフィ
ンの芳香族化のための選択性改質触媒は硫黄に対する感
受性が極めて高いことが知られており、本発明による活
性を有し、安定した触媒を用いる場合でも、硫黄を含ん
でいない原料の使用は有利である。『硫黄を含まない』
ということは、その含有率が20ppb以下であること、そ
して好ましくは14ppbであることを意味する。別の側面
において、『硫黄を含まない』ということは、検出でき
るレベルの硫黄を含んでいないことを意味する。アメリ
カ全国標準ASTM D 4045 87での反復性は0.02ppm
(20ppb)の硫黄レベルで20ppbであり、したがって、こ
のテストで『硫黄を含まない』ということは硫黄含有率
が20ppb以下ということになるであろう。しかしなが
ら、同様のサンプルを用いての実験室レベルでは、例え
ば、10μg/mlまたは14ppb程度の低い硫黄含有率でも差
を検出できると考えられている。
料はパラフィン類およびナフテン類を含んでおり、芳香
族化合物および少量のオレフィン類を含んでいてもよ
く、ガソリンの温度範囲で沸騰するのが好ましい。使用
が可能な原料としては、直留ナフサ、天然ガソリン、合
成ナフサ、サーマルガソリン、触媒を用いて分解された
ガソリン、部分的に改質されたナフサ、または抽出物や
芳香族化合物からのラフィネートなどである。蒸留温度
範囲は、通常40℃〜80℃の範囲の初期沸点、そして160
℃〜210℃の範囲の最終沸点を有するフルレンジ(full-
range)ナフサの温度範囲であってよく、最終沸点をよ
り低くしたより狭い温度範囲であってもよい。パラフィ
ンを脱水素環化して芳香族化合物に転化する特殊な能力
があるので、最終沸点が100℃〜160℃の範囲の中近東原
油から抽出されたナフサなど軽質パラフィン系原料が好
ましい。基本的に貴重なB−T−X芳香族化合物に転化
することができる低価C6−C8パラフィン類を含んでい
る、芳香族化合物抽出物からのラフィネートが特に好ま
しい原料である。このプロセスのための炭化水素原料
は、通常、元素ベースで10ppm以下の、少量の硫黄化合
物を含んでいても差し支えない。好ましくは、炭化水素
原料は、亜硫酸、亜硝酸、および酸素化化合物などの汚
染因子をH2S,NH3、およびH2Oにそれぞれ転化して、そ
の後、分画して炭化水素から分離できるようにする、水
素化処理、水素化精製、あるいは水素化脱硫など、従来
の前処理工程で調製される。この前処理には、無機酸化
物基質および第VIB(6)および第VIII(9−10)族か
ら選択される金属で構成される、公知の触媒を用いるの
が好ましい。従来の前処理に代えて、あるいはそれに加
えて、前処理工程には亜硫酸およびその他の汚染因子を
取り除くことができる吸着剤に接触させる工程を含んで
いてもよい。これらの吸着剤は酸化亜鉛、鉄スポンジ、
大表面積ナトリウム、大表面積アルミナ、アルミナ上に
ニッケルを配したもの、活性化炭素、および分子ふるい
などのうちの1つ、または複数であるが、これらに限定
されるものではない。好ましくは、前処理工程は、少な
くとも先行技術で望ましい改質触媒として述べられてい
るような低さ、例えば、1ppmから0.1ppm(100ppb)の
レベルの硫黄分を有する炭化水素原料に対する改質触媒
を提供する。最近の前処理装置での硫黄レベルは、通
常、0.5〜0.15ppmの範囲である。この炭化水素原料は基
本的には硫黄分を含んでいないのが好ましい。パラフィ
ンの芳香族化のための選択性改質触媒は硫黄に対する感
受性が極めて高いことが知られており、本発明による活
性を有し、安定した触媒を用いる場合でも、硫黄を含ん
でいない原料の使用は有利である。『硫黄を含まない』
ということは、その含有率が20ppb以下であること、そ
して好ましくは14ppbであることを意味する。別の側面
において、『硫黄を含まない』ということは、検出でき
るレベルの硫黄を含んでいないことを意味する。アメリ
カ全国標準ASTM D 4045 87での反復性は0.02ppm
(20ppb)の硫黄レベルで20ppbであり、したがって、こ
のテストで『硫黄を含まない』ということは硫黄含有率
が20ppb以下ということになるであろう。しかしなが
ら、同様のサンプルを用いての実験室レベルでは、例え
ば、10μg/mlまたは14ppb程度の低い硫黄含有率でも差
を検出できると考えられている。
【0015】本発明によるプロセスでの操作条件は、10
1〜6070kPa(1〜60気圧)の圧力、好ましくは101〜203
0kPa(1〜20気圧)の圧力の範囲を含み、1013kPa(10
気圧)以下の圧力が特に好ましい。好ましくは、炭化水
素原料1モルあたり0.1〜10モルの水素という比率に対
応する量の遊離水素がプロセスに供給される。この『遊
離水素』とは、炭化水素や他の化合物と結合していない
分子状態のH2を意味する。好ましくは、この反応は付
加されたハロゲンが存在しない状態で行われる。触媒の
体積は0.5〜40hr~1の液体時間空間速度に対応する。操
作温度は基本的には260℃から600℃の範囲である。温度
の選択はどのような生成物を目的にするかに基づいて行
われ、温度が高い方が芳香族化合物および軽質炭化水素
への転化をより促進する。原料と汚染因子との接触が反
応の吸熱性であるため最初の触媒床全体で温度が急速に
低下する改質触媒の最初の部分でナフテン類がかなり脱
水素環化されるので、原料中の炭化水素のタイプも温度
の選択に影響を及ぼす。一般的には、不可避的な触媒の
非活性化を補うために、操作の各時期を通じて温度を徐
々に上昇させる。この改質プロセスは1つの反応器で構
成される反応部で行われても、あるいは先行技術で知ら
れているような個々の反応器に導入される温度を調整す
るための配慮を講じた複数の反応器で構成される反応部
で行われる。原料と触媒系との接触は、昇流、降流、お
よび半径流モードのいずれで行われてもよい。好ましい
改質プロセスは比較的低温で行われるので、半径流反応
器での低い圧力降下の方が半径流より好ましい。ほとん
どの脱水素環化および脱水素化反応は吸熱性であるの
で、反応器部は一般的には、反応の吸熱を補い、脱水素
環化反応条件を維持するために、反応器間で中間加熱が
行われ、2つ以上の反応器で構成される。この改質プロ
セスは、芳香族化合物を多量に含んだ流出液流を生成
し、流出液のC5+部分の芳香族含有率は通常、約45〜85
重量%の範囲である。これら芳香族化合物の組成は主と
して原料の組成と作動条件に依存しており、通常は、主
としてC6−C12の芳香族化合物で構成されている。ベ
ンゼン、トルエン、およびC8芳香族化合物は好ましい
軽質ナフサおよびラフィネート原料から製造された一次
芳香族化合物である。
1〜6070kPa(1〜60気圧)の圧力、好ましくは101〜203
0kPa(1〜20気圧)の圧力の範囲を含み、1013kPa(10
気圧)以下の圧力が特に好ましい。好ましくは、炭化水
素原料1モルあたり0.1〜10モルの水素という比率に対
応する量の遊離水素がプロセスに供給される。この『遊
離水素』とは、炭化水素や他の化合物と結合していない
分子状態のH2を意味する。好ましくは、この反応は付
加されたハロゲンが存在しない状態で行われる。触媒の
体積は0.5〜40hr~1の液体時間空間速度に対応する。操
作温度は基本的には260℃から600℃の範囲である。温度
の選択はどのような生成物を目的にするかに基づいて行
われ、温度が高い方が芳香族化合物および軽質炭化水素
への転化をより促進する。原料と汚染因子との接触が反
応の吸熱性であるため最初の触媒床全体で温度が急速に
低下する改質触媒の最初の部分でナフテン類がかなり脱
水素環化されるので、原料中の炭化水素のタイプも温度
の選択に影響を及ぼす。一般的には、不可避的な触媒の
非活性化を補うために、操作の各時期を通じて温度を徐
々に上昇させる。この改質プロセスは1つの反応器で構
成される反応部で行われても、あるいは先行技術で知ら
れているような個々の反応器に導入される温度を調整す
るための配慮を講じた複数の反応器で構成される反応部
で行われる。原料と触媒系との接触は、昇流、降流、お
よび半径流モードのいずれで行われてもよい。好ましい
改質プロセスは比較的低温で行われるので、半径流反応
器での低い圧力降下の方が半径流より好ましい。ほとん
どの脱水素環化および脱水素化反応は吸熱性であるの
で、反応器部は一般的には、反応の吸熱を補い、脱水素
環化反応条件を維持するために、反応器間で中間加熱が
行われ、2つ以上の反応器で構成される。この改質プロ
セスは、芳香族化合物を多量に含んだ流出液流を生成
し、流出液のC5+部分の芳香族含有率は通常、約45〜85
重量%の範囲である。これら芳香族化合物の組成は主と
して原料の組成と作動条件に依存しており、通常は、主
としてC6−C12の芳香族化合物で構成されている。ベ
ンゼン、トルエン、およびC8芳香族化合物は好ましい
軽質ナフサおよびラフィネート原料から製造された一次
芳香族化合物である。
【0016】公知の技術と装置を用いて、芳香族化合物
を多量に含んだ流出液を、通常、冷却ゾーンを通じて分
離ゾーンに送られる。通常0℃〜65℃の温度に維持され
た分離ゾーンでは、水素を多量に含んだガスが液相から
分離される。その結果できる水素を多量に含んだ流を適
切な圧縮手段を通じて第一の改質ゾーンに循環させるこ
とができる。分離ゾーンからの液相は通常、引き出され
て、軽質炭化水素の濃度を調整し、芳香族化合物を含有
した改質生成物を製造するために、分画装置内で処理さ
れる。反応器部は、通常、(1)温度を上昇させて行く
ことによって厳しい操作条件を保持し、最終的に触媒の
再生と再活性化のために装置をダウンさせる、固定床反
応器を含んだ準再生(semiregenerative)装置、(2)
触媒が活性を失ってくると、個々の固定床反応器がマニ
フォールド構成(manifolding arrangements)によって
分離され、分離された反応器内の触媒が再生され、再活
性化されると共に、他の反応器のストリームは中断され
ずに維持される、スイング反応器装置、(3)可動床反
応器から引き出された触媒を連続的に再生を行い、再活
性化された触媒の再活性化と置換を行い、数日間の再生
サイクルを通じて高度の触媒活性を保持することによ
り、より厳しい操作条件を可能にする方法、あるいは、
(4)同じ装置内で準再生および継続的再生方式の両方
を採用した複合システム、など当業者に公知の触媒再生
手段と組み合わされている。本発明の好ましい実施例は
準再生装置に固定床反応器を用いる構成である。
を多量に含んだ流出液を、通常、冷却ゾーンを通じて分
離ゾーンに送られる。通常0℃〜65℃の温度に維持され
た分離ゾーンでは、水素を多量に含んだガスが液相から
分離される。その結果できる水素を多量に含んだ流を適
切な圧縮手段を通じて第一の改質ゾーンに循環させるこ
とができる。分離ゾーンからの液相は通常、引き出され
て、軽質炭化水素の濃度を調整し、芳香族化合物を含有
した改質生成物を製造するために、分画装置内で処理さ
れる。反応器部は、通常、(1)温度を上昇させて行く
ことによって厳しい操作条件を保持し、最終的に触媒の
再生と再活性化のために装置をダウンさせる、固定床反
応器を含んだ準再生(semiregenerative)装置、(2)
触媒が活性を失ってくると、個々の固定床反応器がマニ
フォールド構成(manifolding arrangements)によって
分離され、分離された反応器内の触媒が再生され、再活
性化されると共に、他の反応器のストリームは中断され
ずに維持される、スイング反応器装置、(3)可動床反
応器から引き出された触媒を連続的に再生を行い、再活
性化された触媒の再活性化と置換を行い、数日間の再生
サイクルを通じて高度の触媒活性を保持することによ
り、より厳しい操作条件を可能にする方法、あるいは、
(4)同じ装置内で準再生および継続的再生方式の両方
を採用した複合システム、など当業者に公知の触媒再生
手段と組み合わされている。本発明の好ましい実施例は
準再生装置に固定床反応器を用いる構成である。
【0017】本発明のもう1つの実施態様としては、改
質触媒と硫黄吸着剤の物理的混合物で炭化水素原料を改
質する方法である。この混合物は固定床反応器、あるい
は可動床反応器に入れて、それによって触媒を連続的に
引き出したり、付加したりすることができるようにす
る。硫黄吸着剤は改質触媒の操作条件での炭化水素流か
ら少量の硫黄化合物を除去する点で有効であるだけでな
く、触媒の活性を維持するために、改質触媒と共存でき
るものでなければならない。この硫黄吸着剤は好ましく
は原子番号が19から30の範囲の金属の酸化物から選ばれ
る金属酸化物で構成され、これらの金属としては、特に
カリウム、カルシウム、バナジウム、マンガン、ニッケ
ル、銅、および亜鉛が種々の状況の下での硫黄の除去に
有効であることが知られている。この吸着剤はマンガン
成分を含んでいることが好ましい。マンガン酸化物は先
行技術で用いられている亜鉛酸化物より改質触媒の保護
において優れていることが知られており、それは亜鉛が
改質触媒を汚染する場合があることと関係していると考
えられている。マンガン酸化物としてはMnO,Mn3O4,Mn
2O3,MnO2,MnO3、およびMn2O7などである。好ましいマ
ンガン酸化物はMnO(酸化マンガン)である。このマン
ガン成分は、本触媒システムの物理的混合物の第二の粒
子を提供するために、粘土、グラファイト、または、1
つか複数のアルミナ、シリカ、マグネシア、クロミアあ
るいはボリアなど適切な結合剤と複合化してもよい。好
ましくは、マンガン成分は結合しておらず、主にマンガ
ン酸化物で構成されている。さらにより好ましくは、こ
のマンガン成分は、硫黄の除去に優れた実績を示し、そ
して、本発明の第二の粒子のための結合材を用いずに十
分な粒子強度を示しているMnOで構成されている。本発
明のさらに別の実施態様においては、改質触媒粒子と硫
黄吸着剤の物理的混合物が同じ触媒粒子内部に含まれて
いる。この実施態様においては、触媒粒子と吸着剤は一
緒にして、あるいは別々にすりつぶして、適切なサイ
ズ、好ましくは100ミクロン以下の粒子に形成し、これ
らの粒子を適切な基質上に担持させる。好ましくは、こ
の基質は上に述べた無機酸化物から選ばれる。本発明の
範囲に含まれ、また、その精神に基づく他の実施例や変
形例は当業者には明らかであろう。以下に述べる実施例
は一定の具体的な例を示しているが、これらは以下の請
求項にのべられるような本発明の範囲を限定するための
ものではない。
質触媒と硫黄吸着剤の物理的混合物で炭化水素原料を改
質する方法である。この混合物は固定床反応器、あるい
は可動床反応器に入れて、それによって触媒を連続的に
引き出したり、付加したりすることができるようにす
る。硫黄吸着剤は改質触媒の操作条件での炭化水素流か
ら少量の硫黄化合物を除去する点で有効であるだけでな
く、触媒の活性を維持するために、改質触媒と共存でき
るものでなければならない。この硫黄吸着剤は好ましく
は原子番号が19から30の範囲の金属の酸化物から選ばれ
る金属酸化物で構成され、これらの金属としては、特に
カリウム、カルシウム、バナジウム、マンガン、ニッケ
ル、銅、および亜鉛が種々の状況の下での硫黄の除去に
有効であることが知られている。この吸着剤はマンガン
成分を含んでいることが好ましい。マンガン酸化物は先
行技術で用いられている亜鉛酸化物より改質触媒の保護
において優れていることが知られており、それは亜鉛が
改質触媒を汚染する場合があることと関係していると考
えられている。マンガン酸化物としてはMnO,Mn3O4,Mn
2O3,MnO2,MnO3、およびMn2O7などである。好ましいマ
ンガン酸化物はMnO(酸化マンガン)である。このマン
ガン成分は、本触媒システムの物理的混合物の第二の粒
子を提供するために、粘土、グラファイト、または、1
つか複数のアルミナ、シリカ、マグネシア、クロミアあ
るいはボリアなど適切な結合剤と複合化してもよい。好
ましくは、マンガン成分は結合しておらず、主にマンガ
ン酸化物で構成されている。さらにより好ましくは、こ
のマンガン成分は、硫黄の除去に優れた実績を示し、そ
して、本発明の第二の粒子のための結合材を用いずに十
分な粒子強度を示しているMnOで構成されている。本発
明のさらに別の実施態様においては、改質触媒粒子と硫
黄吸着剤の物理的混合物が同じ触媒粒子内部に含まれて
いる。この実施態様においては、触媒粒子と吸着剤は一
緒にして、あるいは別々にすりつぶして、適切なサイ
ズ、好ましくは100ミクロン以下の粒子に形成し、これ
らの粒子を適切な基質上に担持させる。好ましくは、こ
の基質は上に述べた無機酸化物から選ばれる。本発明の
範囲に含まれ、また、その精神に基づく他の実施例や変
形例は当業者には明らかであろう。以下に述べる実施例
は一定の具体的な例を示しているが、これらは以下の請
求項にのべられるような本発明の範囲を限定するための
ものではない。
【0018】
【実施例】改質プロセスおよび触媒の性能の評価におい
ては、以下の3つのパラメータが特に有益である。『活
性』とは反応物を一定の反応条件の下で転化する触媒の
性能の尺度である。『選択性』とは望ましい生成物を高
い収率で生成する触媒の能力を示している。『安定性』
とは、その活性および選択性を長時間保持する触媒の能
力を意味している。以下の実施例は特に、本発明が開示
する方法で調製された触媒粒子を用いた場合の、硫黄が
存在している場合の改質触媒の活性および選択性に対す
る影響と、硫黄が存在していない場合の改質触媒の活性
および選択性に対する影響を示している。触媒の比較に
用いられた原料は、ベンゼン、トルエン、およびC8芳
香族化合物を改質するための接触改質と、それに続いて
行われる芳香族化合物抽出から得られるラフィネートで
ある。この原料の性質は以下の通りであった。 以下に述べるテストで用いられたのは上の組成物で、少
量の硫黄を含む場合と含まない場合とがあった。原料S
はそれぞれ0.4ppm、または400ppbの硫黄を含んでおり、
原料Aの方の硫黄の含有率は100ppb以下であった。
ては、以下の3つのパラメータが特に有益である。『活
性』とは反応物を一定の反応条件の下で転化する触媒の
性能の尺度である。『選択性』とは望ましい生成物を高
い収率で生成する触媒の能力を示している。『安定性』
とは、その活性および選択性を長時間保持する触媒の能
力を意味している。以下の実施例は特に、本発明が開示
する方法で調製された触媒粒子を用いた場合の、硫黄が
存在している場合の改質触媒の活性および選択性に対す
る影響と、硫黄が存在していない場合の改質触媒の活性
および選択性に対する影響を示している。触媒の比較に
用いられた原料は、ベンゼン、トルエン、およびC8芳
香族化合物を改質するための接触改質と、それに続いて
行われる芳香族化合物抽出から得られるラフィネートで
ある。この原料の性質は以下の通りであった。 以下に述べるテストで用いられたのは上の組成物で、少
量の硫黄を含む場合と含まない場合とがあった。原料S
はそれぞれ0.4ppm、または400ppbの硫黄を含んでおり、
原料Aの方の硫黄の含有率は100ppb以下であった。
【0019】比較触媒 『比較』触媒、即ち触媒Rとして、基本的にプラチナで
構成された単一の第VII族(8−10)貴金属成分を含ん
でいる先行技術の触媒が用いられた。プラチナが塩化テ
トラアミンプラチナ(TAPC)の形態で、直径が1.6m
mそしてL/D(長さ対直径)比が2:3の押し出し成型
シリカ結合L−ゼオライト基質に含浸させて、プラチナ
含有率を、元素ベースで最終触媒の0.82重量%になるよ
うにした。触媒は最終的に大気中で350℃の温度下で、H
Cl/Cl2混合物を用いてオキシ塩素化し、350℃で水素を
用いて還元した。本発明のものではない、二金属第VIII
族(8−10)貴金属触媒であるコントロール触媒Cを、
触媒Rに用いられるものと同じ基質から調製された。2
つの金属の原子比が1:1程度の均一な分布となるよう
に、プラチナとパラジウムを基質上に同時に含浸させ
た。Pb(NO3)2およびエチレンジアミンテトラ酢酸(E
DTA)の溶液をTAPCと組み合わせて、L−ゼオラ
イト/シリカ基質に含浸させた。触媒Cは触媒Rの場合
と同様のオキシ塩素化および還元によって作成された。
最終的に完成された触媒の粒子は重量%で以下の組成を
持っていた。 パラジウム 0.436 プラチナ 0.827 塩 素 0.48
構成された単一の第VII族(8−10)貴金属成分を含ん
でいる先行技術の触媒が用いられた。プラチナが塩化テ
トラアミンプラチナ(TAPC)の形態で、直径が1.6m
mそしてL/D(長さ対直径)比が2:3の押し出し成型
シリカ結合L−ゼオライト基質に含浸させて、プラチナ
含有率を、元素ベースで最終触媒の0.82重量%になるよ
うにした。触媒は最終的に大気中で350℃の温度下で、H
Cl/Cl2混合物を用いてオキシ塩素化し、350℃で水素を
用いて還元した。本発明のものではない、二金属第VIII
族(8−10)貴金属触媒であるコントロール触媒Cを、
触媒Rに用いられるものと同じ基質から調製された。2
つの金属の原子比が1:1程度の均一な分布となるよう
に、プラチナとパラジウムを基質上に同時に含浸させ
た。Pb(NO3)2およびエチレンジアミンテトラ酢酸(E
DTA)の溶液をTAPCと組み合わせて、L−ゼオラ
イト/シリカ基質に含浸させた。触媒Cは触媒Rの場合
と同様のオキシ塩素化および還元によって作成された。
最終的に完成された触媒の粒子は重量%で以下の組成を
持っていた。 パラジウム 0.436 プラチナ 0.827 塩 素 0.48
【0020】本発明の触媒 本発明の触媒は、上に述べた『比較』およびコントロー
ル触媒に用いられたのと同様の基質上で原子比が1:1
となるように、パラジウムとプラチナと連続的に含浸さ
せて調製された。パラジウムはPb(NO3)2として含浸さ
せ、基質の表面上に析出させてから、565℃の温度で酸
化された。次に、酸化基質にTAPCを含浸させて、基
質上にプラチナを基本的に均一に分布させた。パラジウ
ムおよびプラチナを含浸した基質は、触媒Rの場合と同
様のオキシ塩素化および還元手順で最終的に触媒として
完成させた。触媒Aと命名されている完成した触媒は重
量%で以下の組成を有していた。 パラジウム 0.404 プラチナ 0.823 塩化物 0.43 触媒粒子CおよびAは走査電子顕微鏡(SEM)で評価
を行った。この分析の目的は触媒粒子の半径方向に沿っ
てのパラジウムとプラチナの相対評価を確認することで
あった。信頼できる平均的なデータを得るために、Cお
よびAの触媒の粒子をそれぞれ3つずつ用いて評価を行
った。このSEMデータは基質に対する金属分布特性に
基づいて、上に述べたような、触媒粒子内のどの一点の
含有率とほぼ同様の金属含有量を示した。このデータは
金属分布の相対的比較を行う上で有益である。
ル触媒に用いられたのと同様の基質上で原子比が1:1
となるように、パラジウムとプラチナと連続的に含浸さ
せて調製された。パラジウムはPb(NO3)2として含浸さ
せ、基質の表面上に析出させてから、565℃の温度で酸
化された。次に、酸化基質にTAPCを含浸させて、基
質上にプラチナを基本的に均一に分布させた。パラジウ
ムおよびプラチナを含浸した基質は、触媒Rの場合と同
様のオキシ塩素化および還元手順で最終的に触媒として
完成させた。触媒Aと命名されている完成した触媒は重
量%で以下の組成を有していた。 パラジウム 0.404 プラチナ 0.823 塩化物 0.43 触媒粒子CおよびAは走査電子顕微鏡(SEM)で評価
を行った。この分析の目的は触媒粒子の半径方向に沿っ
てのパラジウムとプラチナの相対評価を確認することで
あった。信頼できる平均的なデータを得るために、Cお
よびAの触媒の粒子をそれぞれ3つずつ用いて評価を行
った。このSEMデータは基質に対する金属分布特性に
基づいて、上に述べたような、触媒粒子内のどの一点の
含有率とほぼ同様の金属含有量を示した。このデータは
金属分布の相対的比較を行う上で有益である。
【0021】図2は触媒粒子の表面から各粒子の中心ま
での800ミクロンの半径方向でのパラジウム濃度の相対
分布を示している。コントロール触媒Cではパラジウム
の分布は比較的均一で、粒子全体で偏った傾向は認めら
れなかった。対照的に、触媒Aの場合、触媒粒子の表面
層でのパラジウムの含有率が異常に高かった。表面での
パラジウムの含有率は、触媒の体積の50%程度を占めて
いる中心核のパラジウム濃度より10倍以上高かった。50
−100ミクロン表面層、または触媒粒子の半径の10%ま
たは20%を占めている表面層における平均パラジウム含
有率は中心核内のパラジウム含有率の5−7倍程度と推
定できる。図2は触媒粒子の800ミクロンの半径方向に
沿ってのパラジウム含有率の相対分布を示している。触
媒Cと触媒Aの両方は、比較的均一なプラチナ分布を示
し、ほとんどの測定値は平均含有率からの10%程度以
内、そして極端な例では25〜30%程度の誤差範囲であっ
た。したがって、プラチナは触媒CとAでは均一に分散
されていると考えることができるであろう。比較触媒R
は触媒CおよびAと同様のプラチナ含浸手順で調製され
たが、これも同様の均一なプラチナ分布を示す。本発明
による触媒と先行技術による触媒との間の差を定量化す
るために、図1に示されているデータから、表面層にお
けるパラジウムの相対的割合を計算した。100ミクロン
表面層は押し出し成型粒子の体積の27〜28%程度に相当
し、したがって、コントロール用触媒Cの100ミクロン
表面層のパラジウムの含有率は25〜30%程度になるであ
ろう。対照的に、本発明による触媒Aでは100ミクロン
の表面層でのパラジウム含有率は55〜60%である。触媒
Aの直径の外側10%の、深さ80ミクロンの層でのパラジ
ウム含有率は50%程度で、75%程度以上のパラジウムは
触媒の直径外側20%の層に存在している。
での800ミクロンの半径方向でのパラジウム濃度の相対
分布を示している。コントロール触媒Cではパラジウム
の分布は比較的均一で、粒子全体で偏った傾向は認めら
れなかった。対照的に、触媒Aの場合、触媒粒子の表面
層でのパラジウムの含有率が異常に高かった。表面での
パラジウムの含有率は、触媒の体積の50%程度を占めて
いる中心核のパラジウム濃度より10倍以上高かった。50
−100ミクロン表面層、または触媒粒子の半径の10%ま
たは20%を占めている表面層における平均パラジウム含
有率は中心核内のパラジウム含有率の5−7倍程度と推
定できる。図2は触媒粒子の800ミクロンの半径方向に
沿ってのパラジウム含有率の相対分布を示している。触
媒Cと触媒Aの両方は、比較的均一なプラチナ分布を示
し、ほとんどの測定値は平均含有率からの10%程度以
内、そして極端な例では25〜30%程度の誤差範囲であっ
た。したがって、プラチナは触媒CとAでは均一に分散
されていると考えることができるであろう。比較触媒R
は触媒CおよびAと同様のプラチナ含浸手順で調製され
たが、これも同様の均一なプラチナ分布を示す。本発明
による触媒と先行技術による触媒との間の差を定量化す
るために、図1に示されているデータから、表面層にお
けるパラジウムの相対的割合を計算した。100ミクロン
表面層は押し出し成型粒子の体積の27〜28%程度に相当
し、したがって、コントロール用触媒Cの100ミクロン
表面層のパラジウムの含有率は25〜30%程度になるであ
ろう。対照的に、本発明による触媒Aでは100ミクロン
の表面層でのパラジウム含有率は55〜60%である。触媒
Aの直径の外側10%の、深さ80ミクロンの層でのパラジ
ウム含有率は50%程度で、75%程度以上のパラジウムは
触媒の直径外側20%の層に存在している。
【0022】硫黄による改質テスト 触媒Aが硫黄を含有したラフィネート原料の接触改質に
おいてテストされ、その結果がコントロール触媒Cおよ
び比較触媒Rによる一連のテスト結果と比較された。原
料と原料操作条件は以下の通りであった。 圧力、雰囲気 4.5(456kPa) 水素/炭化水素、モル 3 液体時間空間速度、hr~1 2 C6+が50重量%程度以上転化されるように、温度が調製
された。比較結果を図3に示したが、その概要は以下の
通りである。 触 媒 A B C 活性、当初温度℃ 451 482+ 450 非活性化率、℃/日 3.1 * 4.2 芳香族化合物選択性、重量% 83.3 <<80 81.5 *触媒Cでは安定した稼働は達成されなかった。 本発明による触媒は、上に述べたように、硫黄含有原料
を処理する時の、先行技術に基づく比較のプラチナだけ
を含んだ触媒Rでのテスト結果と比較して、安定性と選
択性によって相当の改善を示し、しかも活性は同程度で
あった。図3に示すような、安定した稼働をまったく示
さなかったコントロール触媒Cとの関連で、表面層パラ
ジウムの効果は相当強力である。
おいてテストされ、その結果がコントロール触媒Cおよ
び比較触媒Rによる一連のテスト結果と比較された。原
料と原料操作条件は以下の通りであった。 圧力、雰囲気 4.5(456kPa) 水素/炭化水素、モル 3 液体時間空間速度、hr~1 2 C6+が50重量%程度以上転化されるように、温度が調製
された。比較結果を図3に示したが、その概要は以下の
通りである。 触 媒 A B C 活性、当初温度℃ 451 482+ 450 非活性化率、℃/日 3.1 * 4.2 芳香族化合物選択性、重量% 83.3 <<80 81.5 *触媒Cでは安定した稼働は達成されなかった。 本発明による触媒は、上に述べたように、硫黄含有原料
を処理する時の、先行技術に基づく比較のプラチナだけ
を含んだ触媒Rでのテスト結果と比較して、安定性と選
択性によって相当の改善を示し、しかも活性は同程度で
あった。図3に示すような、安定した稼働をまったく示
さなかったコントロール触媒Cとの関連で、表面層パラ
ジウムの効果は相当強力である。
【0023】低硫黄改質テスト 触媒Aが低硫黄ラフィネート原料の接触改質においてテ
ストされ、比較触媒Rによる一連のテスト結果と比較さ
れた。原料が原料Aであった。作動条件は以下の通りで
あった。 圧力、雰囲気 8(810kPa) 水素/炭化水素、モル 3 液体時間空間速度、hr~1 3 温度は、C6+の転化率が65重量%以上になるように調整
された。比較結果を図4に示すが、概要は以下の通りで
ある。 触 媒 A R 活性、当初温度℃ 494 492 非活性化率、℃/日 2.1 1.6 芳香族化合物選択性、重量% 78.7 76.5 本発明による触媒Aは、上に述べたように、低硫黄原料
の処理において、比較のプラチナだけを含有する触媒R
と比較して、選択性においては相当の改善を示し、活性
はほぼ同程度、そして安定性は多少の低下を示した。こ
のように、本発明による触媒粒子は、図4に示すよう
に、硫黄含有原料の処理だけでなく、低硫黄原料の処理
においても、利点があることが実証された。
ストされ、比較触媒Rによる一連のテスト結果と比較さ
れた。原料が原料Aであった。作動条件は以下の通りで
あった。 圧力、雰囲気 8(810kPa) 水素/炭化水素、モル 3 液体時間空間速度、hr~1 3 温度は、C6+の転化率が65重量%以上になるように調整
された。比較結果を図4に示すが、概要は以下の通りで
ある。 触 媒 A R 活性、当初温度℃ 494 492 非活性化率、℃/日 2.1 1.6 芳香族化合物選択性、重量% 78.7 76.5 本発明による触媒Aは、上に述べたように、低硫黄原料
の処理において、比較のプラチナだけを含有する触媒R
と比較して、選択性においては相当の改善を示し、活性
はほぼ同程度、そして安定性は多少の低下を示した。こ
のように、本発明による触媒粒子は、図4に示すよう
に、硫黄含有原料の処理だけでなく、低硫黄原料の処理
においても、利点があることが実証された。
【0024】
【発明の効果】本発明は、高い触媒活性及び安定性が優
れたパラフィン類を芳香族化合物に転化する工業上極め
て有用な炭化水素転化触媒である。また、本触媒を使用
してパラフィン含有炭化水素原料を改質する転化効率の
よい工業的に極めて優れた方法である。
れたパラフィン類を芳香族化合物に転化する工業上極め
て有用な炭化水素転化触媒である。また、本触媒を使用
してパラフィン含有炭化水素原料を改質する転化効率の
よい工業的に極めて優れた方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本明細書中に具体的に述べられているに調製さ
れた触媒粒子の半径方向に沿ってパラジウムの分布勾配
を示し、先行技術によるコントロール触媒粒子のパラジ
ウム分布勾配と本発明による触媒粒子のそれとの比較を
示している。
れた触媒粒子の半径方向に沿ってパラジウムの分布勾配
を示し、先行技術によるコントロール触媒粒子のパラジ
ウム分布勾配と本発明による触媒粒子のそれとの比較を
示している。
【図2】先行技術に基づくコントロール触媒粒子と、本
発明による触媒粒子との両方の半径方向に沿ったパラジ
ウム分布勾配を示している。
発明による触媒粒子との両方の半径方向に沿ったパラジ
ウム分布勾配を示している。
【図3】硫黄を含有した原料を処理する際の、本発明に
よる触媒の改質操作における活性と安定性、および芳香
族化合物に対する選択性と先行技術に基づくコントロー
ル用触媒および比較触媒との比較を示している。
よる触媒の改質操作における活性と安定性、および芳香
族化合物に対する選択性と先行技術に基づくコントロー
ル用触媒および比較触媒との比較を示している。
【図4】低硫黄原料を処理する改質操作における、本発
明による触媒の活性、安定性、および芳香族化合物に対
する全体的な選択性と、先行技術に基づくコントロール
触媒との比較を示している。
明による触媒の活性、安定性、および芳香族化合物に対
する全体的な選択性と、先行技術に基づくコントロール
触媒との比較を示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300
Claims (6)
- 【請求項1】 触媒的に有効な量の(a)多金属、マル
チグラジエント、第VIII族(8−10)貴金属成分と、
(b)無機酸化物結合剤を含む非酸性大孔分子ふるいの
組み合わせで構成されることを特徴とする炭化水素転化
用触媒。 - 【請求項2】 上記触媒粒子の上記第VIII族(8−10)
貴金属成分が均一に分散されたプラチナおよびプラチナ
以外の表層金属とにより構成されている請求項1の触
媒。 - 【請求項3】 上記表層金属成分がパラジウムで構成さ
れている請求項2の触媒。 - 【請求項4】 上記触媒の表面で測定した表層金属の濃
度が少なくとも、該触媒の中央孔部における上記金属の
濃度の少なくとも2倍である請求項2または3の触媒。 - 【請求項5】 上記非酸性大孔分子ふるいが非酸性L−
ゼオライトで構成される請求項1から4までのいずれか
による触媒。 - 【請求項6】 芳香族化合物を多量含んだ流出液を得る
ための条件で、原料を請求項1から5記載のいずれかの
触媒と接触させる工程で構成されることを特徴とするパ
ラフィン含有炭化水素原料を改質するための方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6105427A JP2547966B2 (ja) | 1994-05-19 | 1994-05-19 | パラフィン類を芳香族化合物に転化するための多金属マルチグラジエント改質触媒及び該触媒を用いた炭化水素改質法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6105427A JP2547966B2 (ja) | 1994-05-19 | 1994-05-19 | パラフィン類を芳香族化合物に転化するための多金属マルチグラジエント改質触媒及び該触媒を用いた炭化水素改質法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07308582A JPH07308582A (ja) | 1995-11-28 |
JP2547966B2 true JP2547966B2 (ja) | 1996-10-30 |
Family
ID=14407310
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6105427A Expired - Fee Related JP2547966B2 (ja) | 1994-05-19 | 1994-05-19 | パラフィン類を芳香族化合物に転化するための多金属マルチグラジエント改質触媒及び該触媒を用いた炭化水素改質法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2547966B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8129576B2 (en) * | 2005-06-30 | 2012-03-06 | Uop Llc | Protection of solid acid catalysts from damage by volatile species |
CN115232904B (zh) * | 2021-04-23 | 2023-11-24 | 中国石油大学(北京) | 一种生产海绵铁的方法 |
-
1994
- 1994-05-19 JP JP6105427A patent/JP2547966B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07308582A (ja) | 1995-11-28 |
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