JPH073211A - 表面処理剤 - Google Patents

表面処理剤

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JPH073211A
JPH073211A JP17215293A JP17215293A JPH073211A JP H073211 A JPH073211 A JP H073211A JP 17215293 A JP17215293 A JP 17215293A JP 17215293 A JP17215293 A JP 17215293A JP H073211 A JPH073211 A JP H073211A
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JP
Japan
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formula
chemical
compound
integer
bond
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JP17215293A
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English (en)
Inventor
Atsushi Mori
厚 森
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Nippon Soda Co Ltd
Original Assignee
Nippon Soda Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH073211A publication Critical patent/JPH073211A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】長期間劣化防止及び長期間防汚性を有する艶出
し剤を提供する。 【構成】M(OR1 4 で表される金属アルコキシド
(式中、MはTi又はZr、R1 は炭素数1〜10のア
ルキル基をそれぞれ示す)と下記化1に示す化合物群の
中より選ばれる1種又は2種以上とを反応させて得られ
るメタロキサン結合を有する化合物。 【化1】 〔式中、R2 は炭素数1〜10のアルキル基、アルコキ
シ基又はアルキルカルボニルオキシ基を示し、R3 はア
ルコキシ基又はアルキルカルボニルオキシ基を示し、R
fは−(CF2 )n1 X、又は化2を示す(但しXは、
水素原子、フッ素原子又は塩素原子、n1 は1〜10の
整数、n2 は0〜8の整数をそれぞれ示す)。m1 は1
〜10の整数、m2 は1〜5の整数、m3 は0又は1、
4 は2又は3をそれぞれ示す〕 【化2】 【効果】塗装面の光沢を向上させ、また、光沢保持効
果、塗装面の劣化防止及び防汚効果を長期間持続させる
ことが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表面処理剤に関し、更に
詳しくは、金属アルコキシドとフルオロアルキル基含有
有機珪素化合物とを反応させて得られる−M−O−Si
−結合を有する化合物を含有してなる表面処理剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】塗装面の艶出しワックスとして、カーワ
ックス等が従来から広く市販されている。これらの艶出
しワックスの詳細な組成については、各メーカーのノウ
ハウがあり不明であるが、一般的にはその代表的な成分
として、皮膜を形成し光沢を出すワックス(ロウ)成
分、ワックス成分を流動化して皮膜に撥水性を付与する
シリコーンオイル成分、フッ素樹脂成分等が使用されて
いる。更にまた、光沢を向上するとともに塗装面の汚染
性が小さく、かつ、汚染の除去を容易にする表面処理剤
として、特開平1−113475号公報の特定の金属原
子のアルコキシド誘導体が提案されている。また、撥水
撥油性に基材に対する密着性、表面の低付着性、表面潤
滑性に優れるオルガノフルオロシリコーン化合物やその
加水分解縮合物を有効成分とする表面処理剤が特開平5
−32953号公報、特開平5−25183号公報、特
開平5−9456号公報、特開平4−342592号公
報、特開平4−253985号公報等に提案されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、上記
の特開平1−113475号公報の特定の金属原子のア
ルコキシド誘導体の場合は塗膜の基材に対する密着性は
優れるが、撥水撥油性は充分満足するものではない。ま
た、上記の特開平5−32953号公報等のオルガノフ
ルオロシリコーン化合物やその加水分解縮合物の場合は
撥水撥油性に極めて優れるが、塗膜の基材への密着性が
悪く、折角の撥水撥油性に持続性がない。
【0004】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、かかる状
況ににあつて、撥水性、撥油性に優れ、顕著な持続性を
有する表面処理剤を提供することを目的として鋭意検討
した結果、特定のフルオロアルキル基含有有機珪素化合
物をチタネート又はジルコネート変性することにより撥
水性、撥油性に優れ、且つ、撥水性、撥油性が長期間持
続することを見出し、本発明を完成するに到った。
【0005】即ち、本発明は下記のA成分とB成分の中
より選ばれる1種または2種以上を混合反応させて得ら
れる−M−O−Si−結合を有する化合物を含有してな
る表面処理剤である。 A成分:一般式M(OR1 4 ・・・・・・・・・・・・〔1〕 (式中、MはTi又はZrを示し、R1 は同種又は異種
の炭素数1〜10のアルキル基を示す)で表される金属
アルコキシド、 B成分:下記一般式〔2〕〜〔5〕で示されるフルオロ
アルキル基含有有機珪素化合物
【0006】
【化6】
【0007】
【化7】
【0008】
【化8】
【0009】
【化9】
【0010】〔式中、R2 は同一もしくは異なる基であ
って、炭素数1〜10のアルキル基、アルコシキ基また
はアルキルカルボニルオキシ基を示し、R3 はアルコシ
キ基、又はアルキルカルボニルオキシ基を示し、Rfは
−(CF2 )n1 X又は下記化10をしめす。但しXは、
水素原子、フッ素原子又は塩素原子を示し、n1 は1〜
10の整数、n2 は0〜8の整数を示す。またm1 は1
〜10の整数を示し、m2 は1〜5の整数を示し、m3
は0または1を示し、m4 は2または3を示す〕
【0011】
【化10】
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いるA成分は、一般式M(OR1 4 で表される金属
アルコキシドである。上記一般式M(OR1 4 におい
て、MはTi又はZrを表し、R1 は、炭素数1〜10
の直鎖又は分子のアルキル基を表す。
【0013】このアルキル基の例として、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、オ
クチル、2−エチルヘキシル、デシル基等を挙げること
ができる。また、これらのTi又はZrアルコキシド中
の4つのアルコキシ基は同一であっても良いし異なって
いても良い。
【0014】また、これらのTiアルコキシド又はZr
アルコキシドの他、Al,Ga,In,Si,Sn,N
bまたはTaの種々の金属アルコキシドを使用すること
も可能である。
【0015】本発明において、フルオロアルキル基含有
有機珪素化合物と反応させる金属アルコキシドは少なく
とも1種で用いられ、2種以上を混合使用することもで
きる。
【0016】本発明に使用されるTiアルコキシド又は
Zrアルコキシドを具体的に例示すると、Ti(OCH
3 4 ,Ti(OC2 5 4 ,Ti(OC
3 7 4 ,Ti(OC4 9 4 ,Ti(OC
5 114 ,Ti(OC8 174 ,Ti(OC
2 5 2 (OC8 172 ,Ti(OC10214
(C4 9 O)3 TiO〔Ti(OC4 9 2 O−〕
4 4 9 、Zr(OCH3 4 ,Zr(OC2 5
4 ,Zr(OC3 7 4 ,Zr(OC4 9 4 ,Z
r(OC5 114 ,Zr(OC8 174 ,Zr(O
2 5 2 (OC8 172 ,Zr(OC
10214 ,(C4 9 O)3 ZrO〔Zr(OC4
9 2 O−〕4 49 等である。
【0017】本発明におけるB成分で示されるフルオロ
アルキル基含有有機珪素化合物は特に分子中に2基のフ
ルオロアルキル基と珪素原子を有する化合物である。B
成分の一般式は、下記〔2〕〜〔5〕で表される。
【0018】
【化11】
【0019】
【化12】
【0020】
【化13】
【0021】
【化14】
【0022】ここで、Rfは−(CF)n1 X又は下記
化15で表される基で表されるフルオロアルキル基又は
フルオロアルキレンエーテル基である(但し、Xは水素
原子、フッ素原子または塩素原子であり、n1 は1〜1
0の整数、n2 は0〜8の整数である)。n1 が11以
上になると溶媒に対する溶解性が低下し、n2 が9以上
になると溶媒に対する溶解性が低下するので好ましくな
い。
【0023】
【化15】
【0024】上記〔2〕〜〔5〕において、R2 は炭素
数1〜10のアルキル基、アルコキシ基、アルキルカル
ボニルオキシ基であり、R3 炭素数1〜10のアルコキ
シ基、アルキルカルボニルオキシ基である。
【0025】上記の式中、R2 基の炭素数が11以上に
なると本発明の主目的である高度の撥水性撥油性が低下
し目的に反し、R3 基の炭素数が11以上になると反応
させるべき金属アルコキシドとの反応性が低下するの
で、目的の化合物を合成するのが困難となる。
【0026】m1 は1〜10の整数、m2 は1〜5の整
数、m3 は0または1、m4 は2〜3である。m1 が1
1より大になると、本発明の主目的である撥水性撥油性
が低下し、m2 が6より大になると、本発明の主目的で
ある撥水性撥油性が低下するので好ましくない。
【0027】このR2 およびR3 のアルコキシ基、アル
キルカルボニルオキシ基は金属アルコキシドと反応性を
有し、反応により本発明の目的である−M−0−Si−
結合を有する化合物を生成する。この反応生成物を表面
処理剤として使用した場合には未反応のアルコシキ基が
表面処理剤を塗布した基材表面と反応して結合し、その
結果、持続性のある撥水性撥油性を示す。
【0028】上記一般式中のRf基の分子中の数は2で
ある。Rf基が分子中に2個以上あることにより、撥水
性撥油性を発現するRf基の密度が大となり、その効果
を発揮することが期待される。
【0029】具体的なB成分の例としては、下記化1
6、化17、化18、化19、化20、化21、化2
2、化23等を挙げることができる。
【0030】
【化16】
【0031】
【化17】
【0032】
【化18】
【0033】
【化19】
【0034】
【化20】
【0035】
【化21】
【0036】
【化22】
【0037】
【化23】
【0038】本発明における−M−O−Si−結合を有
する化合物は、上記A成分とB成分を酸(塩酸、硝酸、
硫酸等)又はアルカリの触媒の存在下、通常有機溶媒中
にて、100度C以下の温度で加熱することにより容易
に得ることができる。目的とする−M−O−Si−結合
を有する化合物は、例えば、下記反応式〔15〕又は
〔16〕に従って、アルコールの副生を伴って生成する
と考えられる。
【0039】
【化24】
【0040】
【化25】
【0041】この場合、反応させるA成分とB成分のモ
ル比は任意であるが、好ましくはA成分のTiまたはZ
r原子数100に対しB成分のSi原子数は1〜200
である。
【0042】生成する−M−O−Si−結合を有する化
合物の構造は、複雑多岐にわたっているが、その予想さ
れる主な生成物の推定構造の例として、下記一般式〔1
7〕、〔18〕等を挙げることができる。(式中、R及
びR’は前出と同じ意味を表し、nは1〜12までの整
数を、mは2〜6までの整数を表す。)
【0043】
【化26】
【0044】
【化27】
【0045】本発明における−M−O−Si−結合を有
する化合物を成分として含有する表面処理剤は、この−
M−O−Si−結合を有する化合物を有機溶媒に溶解す
るか、水に分散して製造される。通常主成分の濃度は
0.05〜50重量%である。主成分の濃度が0.05
重量%以下であると、撥水性撥油性の効果が減少する。
また、50重量%以上であると、それ以上濃度を増して
も効果の向上は望めない。
【0046】前期成分を有機溶媒に溶解する場合の溶剤
としてはヘキサン、オクタン、石油ベンジン、ミネラル
スピリット、ケロシン等の炭化水素、シリコンオイルが
挙げられる。
【0047】また、A成分とB成分の反応生成物である
−M−O−Si−結合を有する化合物以外に必要に応
じ、研磨剤、分散剤、香料、着色料等を目的とする性能
を損なわない範囲で配合して使用することも出来る。
【0048】本発明に於ける−M−O−Si−結合を有
する化合物を成分として含有する表面処理剤を塗装面に
塗布する場合、塗装方法としては刷毛塗り、ローラー塗
り、スプレー塗り、浸漬法等いずれの方法でも行なう事
が出来る。
【0049】
【作用】本発明の表面処理剤は、塗装面にほぼ均一な厚
さに塗布することにより、塗装面と化学的に結合してそ
の光沢を向上させ、また、光沢保持効果、防汚効果を長
時間持続することの出来る塗膜を形成する。
【0050】なお、作用機構は詳らかではないが、本発
明の必須成分であるA成分とB成分が反応して得られる
−M−O−Si−結合を有する化合物が塗装面に塗布さ
れた後、溶剤の揮散に伴い、金属アルコキシドとフルオ
ロアルキル基含有有機珪素化合物との反応生成物である
−M−O−Si−結合を有する化合物の一部であるアル
コキシ基が分解し、アルコールを副生しつつ塗装表面の
樹脂と結合し、その際、バルキーなパーフルオロアルキ
ル基を外に向けてネットワークを形成せしめ、光沢、撥
水性を有し、防汚効果を長時間持続する強靱な塗膜を形
成するものと考えられる。
【0051】特に本発明の−M−O−Si−結合を有す
る化合物は分子中に撥水、撥油性を発現するパーフルオ
ロアルキル基を2基有することにより、撥水、撥油性の
密度が大となり、著しい効果を発揮するものと考えられ
る。
【0052】
【実施例】本発明を実施例及び比較例により、更に具体
的に説明する。ただし、本発明は、これらの実施例によ
り何ら限定されるものでない。なお、各例中、「部」は
特に断りのない限り、「重量部」を意味する。
【0053】(a)−Ti−O−Si−結合を有する化
合物の合成 フルオロアルキル基含有有機珪素化合物として下記化2
8で表されるアルコキシシラン102.8gを丸底フラ
スコに仕込み、これに溶媒としてエタノールを102.
8g、触媒として1N塩酸1gを加えて攪拌し、これ
に、水3.6gを徐々に滴 下した。2時間攪拌をした
後、テトラブトキシチタンを34g滴下し、2時間攪拌
を継続した。続いて副生したアルコール類、溶媒のエタ
ノールを減圧留去し、粘性を有する透明液体(A−1)
を126.6g得た。このものはIR分析の結果、93
5カイザーに−Ti−O−Si−結合由来する吸収を有
していた。
【0054】
【化28】
【0055】また、900度C加熱により、TiO2
SiO2 の含量を測定した結果11.1%であった。
(理論値11.1%)また、元素分析の結果、C:3
2.0%,H:3.5%,O:7.5%,F:50.8
%であった。(理論値C:32.2%,H:3.2%,
O:7.6%,F:51.0%)以上の結果、このもの
の予想される式として、例えば下記化29が推定され
た。
【0056】
【化29】
【0057】(b)−Ti−O−Si−結合を有する化
合物の合成 フルオロアルキル基含有有機珪素化合物として下記化3
0に示されるアルコキシシラン105.0g丸底フラス
コに仕込み、これに溶媒としてエタノールを105.0
g、触媒として1N塩酸1gを加えて攪拌し、これに、
水3.6gを徐々に滴下した。2時間攪拌をした後、テ
トライソプロポキシチタンを34g滴下し、2時間攪拌
を継続した。続いて副生したアルコール類、溶媒のエタ
ノールを減圧留去し、粘性を有する透明液体(A−2)
を127.4g得た。
【0058】
【化30】
【0059】このものはIR分析の結果、935カイザ
ーに−Ti−O−Si−結合由来する吸収を有してい
た。また、900度C加熱により、TiO2 とSiO2
の含量を測定した結果11.0%であった。(理論値1
1.1%)また、元素分析の結果、C:27.0%,
H:2.6%,O:12.6%,F:51.4%であっ
た。(理論値C:27.2%,H:2.4%,O:1
2.7%,F:51.3%)以上の結果、このものの予
想される式として、例えば下記化31が推定された。
【0060】
【化31】
【0061】(c)−Ti−O−Si−結合を有する化
合物の合成 フルオロアルキル基含有有機珪素化合物として下記化3
2に示されるアルコキシシランを112.2g丸底フラ
スコに仕込み、これに溶媒としてエタノールを115.
4g、触媒として1N塩酸1gを加えて攪拌し、これ
に、水3.6gを徐々に滴下した。2時間攪拌をした
後、ジイソプロポキシジ(2−エチルヘキソキシ)チタ
ンを42.4g滴下し、2時間攪拌を継続した。続いて
副生したアルコール類、溶媒のエタノールを減圧留去
し、粘性を有する透明液体(A−3)を147.2g得
た。
【0062】
【化32】
【0063】このものはIR分析の結果、935カイザ
ーに−Ti−O−Si−結合に由来する吸収を有してい
た。また、900度C加熱により、TiO2 とSiO2
の含量を測定した結果9.3%であった。(理論値9.
5%)また、元素分析の結果、C:34.0%,H:
3.5%,O:13.2,F:43.8%であった。
(理論値C:34.2%,H:3.7%,O:13.0
%,F:43.9%)以上の結果、このものの予想され
る式として、例えば下記化33が推定された。
【0064】
【化33】
【0065】(d)−Ti−O−Si−結合を有する化
合物の合成 フルオロアルキル基含有有機珪素化合物として、下記化
38に示されるアルコキシシラン87.2gを丸底フラ
スコに仕込み、これに溶媒としてエタノールを87.2
g触媒として1N塩酸1gを加えて攪拌し、これに、水
3.6gを徐々に滴下した。2時間攪拌をした後、テト
ラブトキシチタンを34g滴下し、2時間攪拌を継続し
た。続いて副生したアルコール、溶媒のエタノールを減
圧留去し、粘性を有する透明液体(A−4)を112.
4g得た。
【0066】
【化34】
【0067】このものはIR分析の結果、935カイザ
ーに−Ti−O−Si−結合に由来する吸収を有してい
た。また、900度C加熱により、TiO2 とSiO2
の含量を測定した結果12.3%であった。(理論値1
2.5%)また、元素分析の結果、C:34.0%,
H:3.5%,O:11.5%,F:43.9%であっ
た。(理論値C:34.2%,H:3.7%,O:1
1.4%F:44.0%)以上の結果、このものの予想
される式として、例えば下記化35が推定された。
【0068】
【化35】
【0069】(e)−Ti−O−Si−結合を有する化
合物の合成 フルオロアルキル基含有有機珪素化合物として、下記化
36に示されるアルコシシラン65.8gを丸底フラス
コに仕込み、これに溶媒としてエタノールを65.8g
触媒として1N塩酸1gを加えて攪拌し、これに、水
3.6gを徐々に滴下した。2時間攪拌をした後、ジイ
ソプロポキシジ(2−エチルヘキソキシ)チタンを4
2.4g滴下し、2時間攪拌を継続した。続いて副生し
たアルコール類、溶媒のエタノールを減圧留去し、粘性
を有する透明液体(A−5)を103.6g得た。
【0070】
【化36】
【0071】このものはIR分析の結果、935カイザ
ーに−Ti−O−Si−結合に由来する吸収を有してい
た。また、900度C加熱により、TiO2 とSiO2
の含量を測定した結果13.7%であった。(理論値1
3.5%)また、元素分析の結果、C:41.5%,
H:5.3%,O:12.4%.F:33.2%であっ
た。(理論値C:41.7%,H:5.6%,O:1
2.4%,F:33.0%)以上の結果、このものの予
想される式として:例えば下記化37が推定された。
【0072】
【化37】
【0073】(f)−Ti−O−Si−結合を有する化
合物の合成 フルオロアルキル基含有有機珪素化合物として、下記化
38に示されるアルコキシシラン211.8gを丸底フ
ラスコに仕込み、これに溶媒としてエタノールを21
1.8g、触媒として1N塩酸1gを加えて攪拌し、こ
れに、水3.6gを徐々に滴下した。2時間攪拌をした
後、テトラ(2−エチルヘキソキシ)チタンをg滴下
し、2時間攪拌を継続した。続いて副生したアルコール
類、溶媒のエタノールを減圧留去し、粘性を有する透明
液体(A−6)を256.6g得た。
【0074】
【化38】
【0075】このものはIR分析の結果、935カイザ
ーに−Ti−O−Si−結合に由来する吸収を有してい
た。また、900度C加熱により、TiO2 とSiO2
の含量を測定した結果5.3%であった。(理論値5.
5%)また、元素分析の結果、C:30.2%,H:
2.6%,O:11.2%,F:52.0%であった。
(理論値C:30.7%,H:2.5%,O:11.3
%,F:52.4%)以上の結果、このものの予想され
る式として、例えば下記化39が推定された。
【0076】
【化39】
【0077】(g)−Ti−O−Si−結合を有する化
合物の合成 フルオロアルキル基含有有機珪素化合物として、下記化
40に示されるアルコキシシラン94.4g丸底フラス
コに仕込み、これに溶媒としてエタノールを94.4
g、触媒として1N塩酸1gを加えて攪拌し、これに、
水3.6gを徐々に滴下した 。2時間攪拌をした後、
テトラブトキシジルコニウム38.3gを滴下し、2時
間攪拌を継続した。続いて副生したアルコール類、溶
媒のエタノールを減圧留去し、粘性を有する透明液体
(A−7)を123.9g得た。
【0078】
【化40】
【0079】このものはIR分析の結果、935カイザ
ーに−Ti−O −Si−結合に由来する吸収を有して
いた。また、900度C加熱により、TiO2 とSiO
2 の含量を測定した結果14.7%であった。(理論値
14.8%)また、元素分析の結果、C:31.4%,
H:3.0%,O:10.0%,F:46.0%であっ
た。(理論値C:31.0%,H:3.1%,O:1
0.3 %,F:46.0%)以上の結果、このものの
予想される式として、例えば下記構造化41が推定され
た。
【0080】
【化41】
【0081】(h)−Ti−O−Si−結合を有する化
合物の合成 フルオロアルキル基含有有機珪素化合物として、下記化
42に示すアルコキシシラン211.8gを丸底フラス
コに仕込み、これに溶媒としてエタノールを211.8
g、触媒として1N塩酸1gを加えて攪拌し、これに、
水3.6gを徐々に滴下した。2時間攪拌をした後、テ
トラブトキシジルコニウム38.3g滴下し、2時間攪
拌を継続した。続いて副生したアルコール類、溶媒のエ
タノールを減圧留去し、粘性を有する透明液体(A−
8)を241.3g得た。
【0082】
【化42】
【0083】このものはIR分析の結果、935カイザ
ーに−Ti−O−Si−結合に由来する吸収を有してい
た。また、900度加熱により、TiO2 とSiO2
含量を測定した結果7.5%であった。(理論値7.6
%)また、元素分析の結果、C:26.2,H:1.8
%,O:12.0%,F:55.4%であった。(理論
値C:26.4%,H:1.7%,O:11.9%,
F:55.1%)以上の結果、このものの予想される式
として、例えば下記構造化43が推定された。
【0084】
【化43】
【0085】
【比較例1】 (i)フルオロアルキル基を有しない−M−O−Si−
結合を有する化合物の合成 フルオロアルキル基を含有しない有機珪素化合物として
Si(OCH3 4 を30g丸底フラスコに仕込み、こ
れにイソプロパノール0.8gと水0.1gを混合し
た。これにテトラ(2−エチルヘキソキシ)ジルコニウ
ム2gを加え、攪拌を2時間継続し、反応を完了し、粘
性を有する透明液体(T−1)を得た。
【0086】
【比較例2】 (j)フルオロアルキル基含有有機珪素化合物で、−M
−O−Si−結合を有しない化合物の場合 フルオロアルキル基含有有機珪素化合物として、下記化
44に示されるアルコキシシランをそのまま使用し、T
−2とした。
【0087】
【化44】
【0088】
【比較例3】 (k)フルオロアルキル基含有有機珪素化合物で、−M
−O−Si−結合を有しない化合物の場合 フルオロアルキル基含有有機珪素化合物として、下記化
45に示されるアルコキシシランをそのまま使用し、T
−3とした。
【0089】
【化45】
【0090】上記実施例、比較例も含め、本発明の製造
時の(A−1)〜(A−8)及び(T−1)〜(T−
3)の原料名、数量を表1、表2にまとめた。
【0091】
【表1】
【0092】
【表2】
【0093】(l)表面処理剤の調製 (a)項で合成した(A−1)4gをPSO35(ジメ
チルポリシロキサン、チッソ株式会社製)25g、エク
ゾールD100−140(エクソン化学株式会社製)7
0gに溶解した表面処理剤(F−1)を調製した。
【0094】同様にして、−Ti−O−Si−結合を有
する化合物(A−2)〜(A−8)を溶媒等に混合し、
表面処理剤(F−2)〜(F−8)を調製し、表3に示
した。
【0095】(m)比較として、(i)項で合成したフ
ルオロアルキル基を含有しない−M−O−Si−結合を
含む化合物及び(j)項、(k)項の化合物を使用し、
(l)項と同様にして溶媒と混合し表面処理剤(R−
1)、(R−2)、(R−2)を調製し、表3に示し
た。
【0096】
【表3】
【0097】前記の本発明の表面処理剤(F−1)〜
(F−8)、比較用試料(R−1)、(R−2)、(R
−3)を用いた実施例1〜8、比較例1〜3について、
次の諸試験を行ない、これらの測定結果を参考例とし
て、表4に示した。
【0098】
【表4】
【0099】(n)汚染試験 300×450mmのJIS−5400に準拠した白色
及び黒色の一般自動車用アクリルメラミンの塗装鉄板
を、ハンネリコンパウンド(株式会社ウイルソン製)を
使用して研磨して傷を付け、使用中の塗装板と同等の光
沢度40〜50度に調製した。この塗装板に、前述の表
面処理剤(F−1)〜(F−8)、比較用試料(R−
1)〜(R−3)を各々塗布し、25度Cの温度で24
時間乾燥した後、布切れを用いて拭きあげ、表面処理板
とした。
【0100】アセチレンブラック(商品名:XC−55
0−0.1%,電気化学工業株式会社製)を炭化水素系
溶剤(商品名:エクゾールD−100−140,エクソ
ン化学株式会社製)に分散させた汚染液を、前記表面処
理板にスプレーし、70度Cの温度に30分間放置した
後に拭き取る操作を3回繰り返し、汚染処理をした。つ
いで、汚染処理前と汚染処理後の光沢度を20グロスメ
ーター(村上色彩研究所製)を用いて測定した。
【0101】(o)水滴の接触角の測定 (n)項の汚染試験の表面処理板にピペットより水を滴
下し、水滴を生成させ、その接触角をコンタクタングル
メーター(CA−D−1型、協和製)を用いて測定し
た。
【0102】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の表面処理剤
は、塗装面と表面処理剤が化学的に結合し、塗装面の光
沢を向上させ、光沢保持効果及び防汚効果を長時間持続
させることが出来るものである。また、本発明の表面処
理剤は、車両、プラスチック、木材、金属、無機物(大
理石、ガラス等)等の表面に塗布し、長期間防汚性を有
する艶出し剤として有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記のA成分とB成分を反応させて得られ
    る−M−O−Si−結合を有する化合物を含有してなる
    表面処理剤 A成分:一般式M(OR1 4 ・・・・・・・・・・・・・・〔1〕 (式中、MはTi又はZrを示し、R1 は同種又は異種
    の炭素数1〜10のアルキル基を示す)で表される金属
    アルコキシド B成分:下記化1、化2、化3及び化4の中より選ばれ
    る1種または2種以上の化合物 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 〔式中、R2 は炭素数1〜10のアルキル基、アルコキ
    シ基またはアルキルカルボニルオキシ基を示し、R3
    アルコキシ基又はアルキルカルボニルオキシ基を示し、
    Rfは、−(CF2 )n1 X又は下記化5を示す。但し
    Xは、水素原子、フッ素原子又は塩素原子を示し、n1
    は1〜10の整数、n2 は0〜8の整数を示す)。また
    1 は1〜10の整数を示し、m2 は1〜5の整数を示
    し、m3 は0又は1を示し、m4 は2又は3を示す〕 【化5】
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6668808B2 (en) 2001-05-22 2003-12-30 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Controller for controlling an evaporated fuel amount to be purged
US7098287B2 (en) 2001-01-31 2006-08-29 Willson Co., Ltd. Two-component protective lustering agent for coated surface
JP2016169379A (ja) * 2015-03-10 2016-09-23 国立大学法人弘前大学 ナノコンポジット
JP2018507933A (ja) * 2015-02-11 2018-03-22 アーゼッド・エレクトロニック・マテリアルズ(ルクセンブルグ)ソシエテ・ア・レスポンサビリテ・リミテ ハードマスク組成物および半導体基板上での微細パターンの形成方法
KR20200006996A (ko) * 2017-07-03 2020-01-21 가부시기가이샤 후지고오키 배수 펌프

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