JPH0732116Y2 - 筆記具の軸筒と蓋栓の固着構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、筆記具の軸筒と蓋栓の固着構造に関するもの
である。

〔従来技術とその問題点〕

筆記具の軸筒の尾端開口には蓋栓が固着されることが多
い。そして、蓋栓と軸筒の固着構造は、蓋栓の筒部を軸
筒の尾端開口に単に圧入したものが多いが、この構造で
は長期間使用していると、蓋栓が脱落してしまうことが
ある。このため、軸筒の内面と蓋栓の筒部外面に係止凹
部と係止突起を設け、蓋栓の筒部を圧入するとともに、
係止凹部と係止突起を係合させて脱落しないようにして
いる。しかしながら、係止突起が形成された筒部を軸筒
内に圧入したり、あるいは内面に係止突起が形成された
軸筒内に筒部を圧入するためには、係止突起の高さは限
られるが、更には、圧入の過程でこの係止突起の頂部が
圧潰され、係止凹部と係止突起との係合の効果が十分に
得られない不具合がある。

あるいは、例えばクリップを取付けるための構造上か
ら、軸筒の尾端縁から縦方向の切り割り溝が形成される
ことがあるが、この場合は、いずれかに係止突起が形成
された筒部と軸筒の圧入を容易に行うことができ、係止
突起の頂部も圧潰されないが、切り割り溝のために、軸
筒の尾端側が拡開しやすく、係止凹部と係止突起との係
合が不確実で、蓋栓が外れる可能性が大きい。

〔考案の目的〕

そこで本考案は、圧入時に係止突起の頂部が圧潰される
ことなく、係止凹部と係止突起との係合が確実で、蓋栓
が不意に脱落することのない筆記具の軸筒と蓋栓の固着
構造を提供することを目的とする。

〔考案の構成とその作用〕

本考案の筆記具の軸筒と蓋栓の固着構造は、尾端縁から
切り割り溝が形成され、内面に係止突起あるいは係止凹
部が設けられた軸筒と、外周に係止凹部あるいは係止突
起が設けられ、軸筒内に挿入される内筒部および軸筒の
尾端縁が挿入されて嵌着する外筒部を有する蓋栓からな
り、これら係止突起と係止凹部が係合し、軸筒の尾端縁
が蓋栓の外筒部により締め付けられたことを特徴とする
ものである。

すなわち、軸筒の尾端から切り割り溝が形成されている
ので、係止突起の頂部が圧潰されることなく、蓋栓の内
筒部を容易に圧入することができ、係止突起と係止凹部
が係合するが、圧入が完了すると、軸筒の尾端縁が蓋栓
の外筒部により締め付けられるので拡開せず、常に係止
突起と係止凹部が確実に係合しているので、蓋栓が不意
に脱落することがない。

〔実施例〕

以下に図面に示す実施例に基いて本考案を具体的に説明
する。

本考案の軸筒１と蓋栓２の固着構造をノック式ボールペ
ンに適用した例を第４図に示す。軸筒１内にはボールペ
ン中具４が収容されている。クリップ３は、側面形状を
第３図に示すように、１本の線材を屈曲して成形したも
のであり、スライド自在に軸筒１に取付けられており、
このクリップ３を軸線方向に押圧してノック操作を行う
と、ノック継手46に連結されたノック41が前進し、回転
子42も前進して軸筒内壁の段に係合する。その結果、ボ
ールペンレフィール43のボールペン体44が先口45の先端
開口から突出して筆記可能になる。

軸筒１は、第２図に示すように、クリップ３を通すため
の一対の切り割り溝11が尾端縁13から形成されている。
そして、内面には一対の係止突起12が形成されている。
一方、上面が半球状をした蓋栓２は、第１図に示すよう
に、開口縁が延長して外筒部23が形成されている。この
外筒部23の内径は、軸筒１の尾端縁13の外径に等しくな
っている。そして、外径が軸筒１の内径に等しい内筒部
21が突設され、この内筒部21の外面には一対の係止凹部
22が形成されている。従って、外筒部23と内筒部21の間
には袋部24が形成される。なお、内筒部21に係止突起12
を形成し、軸筒１の内面に係止凹部22を形成してもよ
い。

しかして、内筒部21を軸筒１内に挿入してその先端が係
止突起12に当接すると、切り割り溝11が形成されている
ので、軸筒１が拡開し、内筒部21を更に容易に挿入で
き、係止突起12の頂部が圧潰することもない。そして、
係止突起12が係止凹部22に係合するが、このとき、尾端
縁13が袋部24に入り込み、外筒部23によって締め付けら
れる。

このように、切り割り溝11が形成されているので、係止
突起12が存在するにもかかわらず、内筒部21を容易に挿
入でき、かつ尾端縁13が外筒部23によって締め付けられ
るので、長期間使用しても係止突起12と係止凹部22の係
合が外れることがなく、蓋栓２を軸筒１に確実に固着す
ることができる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案の軸筒と蓋栓の固着構造
は、係止突起と係止凹部が係合した時に、蓋栓の外筒部
が切り割り溝が形成された軸筒の尾端縁を締め付けるよ
うにしたので、圧入時に係止突起の頂部が圧潰されるこ
となく、係止凹部と係止突起との係合が確実で、蓋栓が
不意に脱落することのない筆記具の軸筒と蓋栓の固着構
造とすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は蓋栓の断面図、第２図は軸筒の断面図、第３図
は側面図、第４図はボールペンの断面図である。 １……軸筒、11……切り割り溝、12……係止突起、13…
…尾端縁、２……蓋栓、21……内筒部、22……係止凹
部、23……外筒部、24……袋部、３……クリップ、４…
…ボールペン中具

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】尾端縁から切り割り溝が形成され、内面に
   係止突起あるいは係止凹部が設けられた軸筒と、外周に
   係止凹部あるいは係止突起が設けられ、該軸筒内に挿入
   される内筒部および該軸筒の尾端縁が挿入されて嵌着す
   る外筒部を有する蓋栓からなり、該係止突起と係止凹部
   が係合し、軸筒の尾端縁が蓋栓の外筒部により締め付け
   られたことを特徴とする筆記具の軸筒と蓋栓の固着構
   造。